JPH05154464A - 油脂含有排水の処理方法 - Google Patents

油脂含有排水の処理方法

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JPH05154464A
JPH05154464A JP31943591A JP31943591A JPH05154464A JP H05154464 A JPH05154464 A JP H05154464A JP 31943591 A JP31943591 A JP 31943591A JP 31943591 A JP31943591 A JP 31943591A JP H05154464 A JPH05154464 A JP H05154464A
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JP
Japan
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fat
oil
lipase
wastewater
solid
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Pending
Application number
JP31943591A
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English (en)
Inventor
Tetsuro Fukase
哲朗 深瀬
Masajiro Kawatsu
正次郎 川津
Kazuhiko Yayoshi
一彦 弥吉
Reiko Mitome
礼子 三留
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油脂含有排水から、簡単な装置と操作によ
り、油脂を低コストで効率よく分離除去する。 【構成】 油脂含有排水にリパーゼを添加し、排水中の
油脂を、トリグリセリド、ジグリセリドおよびモノグリ
セリドが混在する状態まで部分加水分解して不溶化し、
生成する固形分を固液分離により分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油脂を含有する排水か
ら油脂を不溶化して分離する油脂含有排水の処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油脂含有排水から油脂を分離する
方法として、オイルトラップ、浮上、加圧浮上、凝集加
圧浮上、遠心分離などの方法が採用されている。
【0003】しかし、オイルトラップにより油脂を分離
する方法では、オイルトラップのメンテナンスに手間が
かかり、コスト高になるほか、エマルション状態の油脂
は分離できないという問題点がある。浮上により油脂を
分離する方法では、油脂の分離が十分には行えず、また
エマルション状態の油脂は分離できないなどの問題点が
ある。
【0004】加圧浮上により油脂を分離する方法では、
大がかりで高価な設備が必要であり、コスト高になるほ
か、エマルション状態の油脂は分離できないなどの問題
点がある。凝集加圧浮上により油脂を分離する方法で
は、大がかりで高価な設備および凝集剤が必要であり、
コスト高になるほか、スラッジが増加するなどの問題点
がある。遠心分離により油脂を分離する方法では、大が
かりで高価な設備が必要であり、コスト高になるなどの
問題点がある。
【0005】このような方法とは別に、特開昭50−1
29789号には、固定化リパーゼを用いて油脂含有排
水中の油脂を酵素により分解する方法が提案されてい
る。しかし、この方法は油脂を脂肪酸とグリセリンとに
完全に分解する方法であり、この段階では油脂の分解生
成物である脂肪酸とグリセリンは液中に溶解し続けるた
め、別途これらを分離する必要があるという問題点があ
る。
【0006】また特開昭53−17580号には、油
脂、蛋白、多糖類等を含有する排水にリパーゼその他の
酵素を作用させて、排水の濾過性や沈降性を高める方法
が提案されている。しかしこの方法は、高粘度のため処
理困難な排水中の油脂、蛋白、多糖類等を酵素で分解し
て低分子化することにより、排水の粘性を低下させ、こ
れにより他の固形分の濾過性や沈降性を高めることを目
的とするものであり、油脂自体、あるいはその分解生成
物の分離除去はできないという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決するため、油脂含有排水から油脂を、簡単
な装置と操作により低コストで効率的に分離除去するこ
とができる。油脂含有排水の処理方法を提案することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は次の油脂含有排
水の処理方法である。 (1)油脂含有排水をリパーゼと接触させ、前記排水中
の油脂を部分分解して不溶化し、生成する固形分を固液
分離により分離することを特徴とする油脂含有排水の処
理方法。 (2)リパーゼが、グリセリドの1位と3位に特異的に
作用する1,3位特異性リパーゼである上記(1)記載
の油脂含有排水の処理方法。
【0009】本発明で処理の対象となる排水は、油脂を
含有する排水であり、特に融点の高い脂肪酸からなる油
脂を含有する排水が処理に適している。油脂の含有量と
しては、排水中の濃度が20重量%程度までは高いもの
程好ましい。排水中には油脂以外のBOD成分およびア
ンモニア性窒素、有機性窒素等の窒素化合物が含まれて
いてもよい。このような油脂含有排水としては、例えば
厨房排水、食用油製造工場排水、食肉加工工場排水、菓
子類製造工場排水などをあげることができる。
【0010】本発明で使用するリパーゼとしては、油脂
(グリセリド)を加水分解し、脂肪酸を遊離するもので
あれば制限なく使用できるが、基質となる油脂の作用部
位に特異性があるものが好ましく、特に1位と3位に特
異的に作用する1,3位特異性リパーゼが好ましい。
【0011】リパーゼの起源は限定されず、例えば動物
の消化液、消化器管;アスペルギルス属、ペニシリウム
属、リゾプス属、ゲオトリクム属等の糸状菌;シュード
モナス属等の細菌;酵母などから得られるものが使用で
きる。さらに精製品の他に、酵素抽出物(液)などを使
用することもできる。これらは1種単独でまたは2種以
上を組合せて使用できる。酵素は固定化酵素を使用する
こともできる。
【0012】本発明では、油脂含有排水をリパーゼと接
触させて排水中の油脂を加水分解するが、油脂を脂肪酸
とグリセリンとに完全に分解するのではなく、トリグリ
セリド、ジグリセリド、モノグリセリドおよび脂肪酸が
混合している状態まで部分分解し、この部分分解状態で
反応を停止する。
【0013】油脂含有排水をリパーゼと接触させて反応
を行うと、排水中に油状、脂状またはエマルション状で
存在している油脂は、部分分解状態、特にジグリセリド
および/またはモノグリセリドの割合が多い部分分解状
態になると、粘性が高く、不溶性の半固体の油状物質と
して凝集し、表面に浮上してくる。このような状態で固
形分を固液分離により分離することにより、排水から油
脂を容易に効率よく分離することができる。リパーゼは
エマルション状態の油脂も加水分解できるので、部分分
解によりエマルション状態の油脂も簡単に固液分離する
ことができる。
【0014】上記部分分解状態からさらに反応が進む
と、凝集していた半固体の油状物質が分解されて、いく
つかの塊に分かれ水面に浮いている状態になる。この段
階では、排水からの油脂の固液分離による分離は難しく
なる。
【0015】さらに反応が進むと、表面の半固体の油状
物質は見られなくなり、白ないし黄色の小さいSSとな
って水中に浮遊するようになり、最終的に脂肪酸とグリ
セリンとに分解される。この段階では、もはや油脂の固
液分離による分離は不可能になる。この状態では、加水
分解がほぼ完全に行われて、脂肪酸とグリセリンに分解
され、分解生成物の一部は液中に溶解し、pHも低下す
る。
【0016】従って、本発明では油脂がリパーゼにより
部分分解され、分解生成物が凝集する段階で加水分解を
打切り、得られる固形分を固液分離により分離すること
により、油脂を排水から分離する。
【0017】リパーゼによる部分分解処理は、油脂含有
排水にリパーゼを添加し、撹拌しながら行うが、できる
だけ大量の油脂を半固体の油状物質として凝集させるに
は、ゆっくり撹拌しながら、排水中の全油脂分に占める
モノグリセリドおよびジグリセリドの合計量ができるだ
け多くなるような条件で行う。そのためには、リパーゼ
として1,3位特異性リパーゼを使用するのが最も好ま
しい。1,3位特異性リパーゼを使用した場合、油脂が
完全に脂肪酸とグリセリンとに分解しないので、極めて
容易に部分分解することができ、従って極めて容易に半
固体の油状物質を得ることができる。1,3位特異性リ
パーゼの添加量は0.1〜100ユニット/ml、好ま
しくは1〜100ユニット/ml、反応時間は1〜60
分間、好ましくは2〜30分間が望ましい。なお、ユニ
ットは1分間に1マイクロモルの脂肪酸を遊離させる酵
素量である。
【0018】リパーゼとして作用部位に特異性のないも
のを使用する場合、リパーゼの添加量および反応時間を
所定値に設定することにより、部分分解することができ
る。この目安としては、リパーゼの添加量(ユニット/
ml)×反応時間(分)の値が1〜5000、好ましく
は10〜1000となるように両条件を設定する。
【0019】また部分分解処理のpHは、使用したリパ
ーゼの最適pHが好ましく、温度はリパーゼ反応を阻害
しない程度に低い程好ましい。
【0020】リパーゼによる油脂の加水分解の過程にお
いて、不溶性の油状物質が凝集するメカニズムは明らか
ではないが、次のように推測される。すなわち部分分解
によって生成するモノグリセリド、ジグリセリド等の部
分エステルは、トリグリセリドよりも水溶性は高いが、
融点が低いため不溶性物質として析出する。このとき上
記部分エステルは親水基と疎水基を持つため、未分解の
油脂、遊離して析出した脂肪酸、および懸濁物質(S
S)等が部分エステルを核として集まり、凝集が起こ
る。ここで排水中にアンモニア性窒素が含まれている
と、遊離した脂肪酸がアンモニウム塩として析出するた
め、凝集性はさらに高くなる。
【0021】本発明では、このようにリパーゼによる部
分分解処理により、不溶性の油状物質が凝集した段階
で、固液分離操作により固形分を分離することにより、
排水中から容易に油脂を分離除去することができる。固
液分離の手段は特に限定されず、例えば浮上している固
形分を掻集める方法、濾過分離、遠心分離などの公知の
方法が採用できる。この場合、高分子凝集剤等の補助剤
を使用することは差支えない。
【0022】固液分離により分離された分離液は、必要
により生物処理等の後処理を行って、液中に残留する油
脂、その分解生成物、またはその他のBOD成分などを
除去した後放流する。分離された固形分は、脱水後焼却
または投棄したり、あるいは消化、堆肥化等の処理を行
うことができる。
【0023】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、油脂含有
排水にリパーゼを接触させ、排水中の油脂を部分分解し
て半固体の油状物質を凝集させ、生成する固形分を固液
分離により分離するようにしたので、簡単な装置と操作
により、低コストで効率的に排水中から油脂を分離除去
することができる。
【0024】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。 実施例1 BOD 14900mg/l、SS 3200mg/
l、n−ヘキサン抽出物1540mg/l、アンモニア
性窒素 300mg/lの厨房排水にリパーゼ[栗田工
業(株)製、栗田リパーゼ、商品名、作用部位に特異性
なし、最適pH5.5〜7.0、最適温度60〜65
℃]を10ユニット/mlとなるように添加し、水酸化
ナトリウム水溶液を加えてpHを7.0に調整し、23
℃で緩やかに撹拌した。
【0025】約5分間経過した時点で、油脂が反応槽の
中心部の表面に一つの半固体の油状物質として凝集し、
掻取により分離可能となった。この凝集した油状物質の
一部を掻取り、薄層クロマトグラフィー(TLC)によ
り分析した結果、トリグリセリド、ジグリセリド、モノ
グリセリドおよび脂肪酸が検出された。また水溶液部分
を分析した結果、BOD 13700mg/l、n−ヘ
キサン抽出物 170mg/lであった。
【0026】比較例1 実施例1において、約20時間経過した時点で、表面の
半固体の油状物質は完全になくなり、液は黄色を呈し、
濁っていた。この液を分析した結果、BOD15600
mg/l、n−ヘキサン抽出物 1090mg/lであ
った。
【0027】実施例2 BOD 9090mg/l、SS 1100mg/l、
n−ヘキサン抽出物2000mg/l、アンモニア性窒
素 215mg/l、pH6.6の厨房排水にリパーゼ
[アマノ製薬(株)製、リパーゼF、商品名、リゾプス
生産、1,3位特異性あり、最適pH6.0〜7.5、
最適温度40〜60℃]を100ユニット/mlとなる
ように添加し、pHを調整することなく、23℃でゆっ
くり撹拌した。
【0028】約30分間経過した時点で、半固体の油状
物質が反応槽中心部の表面に一つの半固体状の塊として
集まった。この半固体状の塊の一部を取りTLCにより
分析した結果、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグ
リセリドおよび脂肪酸が検出された。また水溶液部分を
分析した結果、BOD 6940mg/l、n−ヘキサ
ン抽出物 160mg/lであった。
【0029】比較例2 実施例2において、さらに反応を1時間続けたところ、
半固体状の塊はほぼなくなり、わずかに黄色の油状物質
が反応槽表面の数か所に浮上していた。液部分を分析し
た結果、BOD 8900mg/l、n−ヘキサン抽出
物 1510mg/lであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三留 礼子 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗田 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂含有排水をリパーゼと接触させ、前
    記排水中の油脂を部分分解して不溶化し、生成する固形
    分を固液分離により分離することを特徴とする油脂含有
    排水の処理方法。
  2. 【請求項2】 リパーゼが、グリセリドの1位と3位に
    特異的に作用する1,3位特異性リパーゼである請求項
    1記載の油脂含有排水の処理方法。
JP31943591A 1991-12-03 1991-12-03 油脂含有排水の処理方法 Pending JPH05154464A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1094116A1 (en) * 1998-07-09 2001-04-25 Kao Corporation Process for producing partial glyceride
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CN108251345A (zh) * 2017-12-28 2018-07-06 江苏世邦生物工程科技有限公司 用于生活污水处理的含有脂肪酶基因的重组工程菌及其构建方法

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