JPH05153082A - 背景雑音電力検出器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インパルス雑音に起因して背景雑音が大きく
なり、このために通話者に与える違和感を排除すること
を目的とする。 【構成】 従来の背景雑音電力検出器に入力信号がイン
パルス雑音であるかの判定を行い、インパルス雑音と判
定した場合にその標本値を電力計算範囲に含めない入力
振幅値監視回路５を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＰＣＭ信号の背景雑音
電力値の検出手段に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の背景雑音電力検出器は、図２に示
すように、標本値記憶回路１２と、電力値計算回路１３
と、保持回路１４と、有音無音検出回路１５とを有す
る。標本値記憶回路１２は、入力されたＰＣＭ標本値の
電力値を計算する区間だけ順次内部のＲＡＭ等に記憶す
る。電力値計算回路１３ではこの標本値を各々二乗し、
総和をとることにより電力値を計算する。有音無音検出
回路１５には種々の方式のものがあるが、例えば微少区
間の電力値をあらかじめ決められた判定閾値と比較し、
この閾値より大きな区間がある程度連続したときに有音
区間であるとし、それ以外では無音区間であると出力す
る。保持回路１４はこの有音無音検出回路が無音と判定
した場合は電力値計算回路１３の出力をそのまま出力
し、有音と判定した場合には直前の無音部の電力値計算
回路１３の出力値を出力する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ＤＳＩ（Ｄｉｇｉｔａ
ｌ Ｓｐｅａｃｈ Ｉｎｔｅｒｐｏｌａｔｉｏｎ）装置
では、送話側の無音区間の信号を対向局ＤＳＩ装置の受
信側へは送らずに背景雑音電力値を受信側に送信するこ
とにより、回線の効率を高めている。受信者はこの無音
区間中、背景雑音が聞こえないと相手との回線が切断さ
れたような違和感を感じてしまうので、受信側のＤＳＩ
装置は送られてきた背景雑音電力値に相当する雑音を受
信者の回線に挿入する。これにより、受信者はあたかも
送信者からの無音時の背景雑音を聞いている感覚を得る
ことができ、通話時の違和感を感じない。

【０００４】しかし、このような従来の電力値計算回路
では、送話側の無音時の雑音信号に伝送路の誤り等によ
ってインパルス雑音が重畳した場合に、その標本値の二
乗の影響が雑音電力値に現れる。そのために、電力値計
算回路の出力結果は本来のインパルス雑音を含まない雑
音電力値よりかなり大きな値となってしまう。通常、有
音無音検出器は１サンプル程度のインパルス雑音では有
音無音の判定が変化しないように設計されており、無音
区間にこのインパルス雑音が散発的に生じた程度では無
音部の背景雑音電力値としてこの電力値が送信される。
受信側では送られてきた背景雑音電力値に相当する雑音
を発生して回線に挿入するので、背景雑音が不必要に大
きく聞こえてしまい、通話者が違和感を感じる欠点があ
った。

【０００５】本発明は、このような欠点を除去するもの
で、インパルス雑音に影響されない背景雑音電力検出器
を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、入力されたＰ
ＣＭ信号を所定区間にわたり順次記憶する標本値記憶回
路と、この標本値記憶回路に記憶されたＰＣＭ信号の区
間電力値を計算する電力値計算回路と、入力されたＰＣ
Ｍ信号が有音区間であるか無音区間であるかを検出する
有音無音検出回路と、この有音無音検出回路が無音区間
と判定した場合はこの無音区間について上記電力値計算
回路で計算された区間電力値を出力し、有音区間と判定
した場合にはこの有音区間の直前の無音区間について上
記電力値計算回路で計算された区間電力値を出力する保
持回路とを備えた背景雑音電力検出器において、入力さ
れたＰＣＭ信号の振幅値をあらかじめ決められた振幅値
と比較し、入力されたＰＣＭ信号のうちあらかじめ決め
られた振幅値より小さいと判定したＰＣＭ信号を上記標
本値記憶回路に与える入力振幅監視回路を備えたことを
特徴とする。

【０００７】上記入力振幅監視回路は、予想されるパル
ス雑音より十分に低い値に設定する手段を備えることが
望ましい。

【０００８】

【作用】電力値計算回路では、伝送路の誤り等によるイ
ンパルス雑音が生じた場合に、その標本値の二乗の影響
が区間電力値に現れる。そのために、電力値計算回路の
出力結果は本来のインパルス雑音を含まない雑音電力値
よりかなり大きな値となってしまう。しかし、無音と有
音との判定閾値はあらかじめ決められているので、判定
閾値よりある程度大きな値は有音区間の信号またはイン
パルス雑音と判定し、このサンプル値を無視して雑音電
力値計算を行うことにより、インパルス雑音の影響のな
い背景雑音電力値の検出が行える。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図１はこの実施例の構成図である。この
構成図において、１は入力端子、２は標本値記憶回路、
３は電力値計算回路、４は保持回路、５は入力振幅値監
視回路、６は有音無音検出回路、７は出力端子である。
この実施例は、図１に示すように、入力されたＰＣＭ信
号を所定区間にわたり順次記憶する標本値記憶回路２
と、この標本値記憶回路２に記憶されたＰＣＭ信号の区
間電力値を計算する電力値計算回路３と、入力されたＰ
ＣＭ信号が有音区間であるか無音区間であるかを検出す
る有音無音検出回路６と、この有音無音検出回路６が無
音区間と判定した場合はこの無音区間について電力値計
算回路３で計算された区間電力値を出力し、有音区間と
判定した場合にはこの有音区間の直前の無音区間につい
て電力値計算回路３で計算された区間電力値を出力する
保持回路４とを備え、さらに、本発明の特徴とする手段
として、入力されたＰＣＭ信号の振幅値をあらかじめ決
められた振幅値と比較し、入力されたＰＣＭ信号のうち
あらかじめ決められた振幅値より小さいと判定したＰＣ
Ｍ信号を標本値記憶回路２に与える入力振幅監視回路５
を備える。

【００１０】次に、この実施例の動作を説明する。入力
されたＰＣＭ信号は、標本値記憶回路２と、入力振幅監
視回路５と、有音無音検出回路６とに入力される。入力
振幅値監視回路５は、入力されたＰＣＭ信号の振幅値
と、無音部と判定される振幅値の最大値よりさらにある
程度大きな判定閾値とを比較し、入力されたＰＣＭ信号
がこの判定閾値より小さいか大きいかの判定結果を標本
値記憶回路２に出力する。標本値記憶回路２は入力振幅
値監視回路５によりあらかじめ決められた振幅値より小
さいと判定されたＰＣＭ信号を、電力値を計算する区間
だけ順次記憶する。電力値計算回路３はこの区間の標本
値を各々二乗し、総和をとることにより電力値を計算
し、保持回路４に出力する。有音無音検出器６は入力Ｐ
ＣＭ信号が有音か無音かの検出を行い、保持回路４は有
音無音検出器６の出力が無音のときには電力値計算回路
３の出力値を出力端子７に出力し、有音のときには直前
の無音時の電力値を出力端子７に出力する。

【００１１】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように、伝送路
の誤り等によって雑音信号にインパルス雑音が重畳した
場合でも、インパルス雑音による背景雑音電力値の増大
はなく、ＤＳＩ装置に応用した場合には受話者に聞こえ
る背景雑音が不必要に増加することがなく、違和感なし
に通話が行える効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の構成を示すブロック構成図。

【図２】従来例の構成を示すブロック構成図。

【符号の説明】

１ 入力端子 ２ 標本値記憶回路 ３ 電力値計算回路 ４ 保持回路 ５ 入力振幅値監視回路 ６ 有音無音検出回路 ７ 出力端子 １１ 入力端子 １２ 標本値記憶回路 １３ 電力値計算回路 １４ 保持回路 １５ 有音無音検出回路 １６ 出力端子

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入力されたＰＣＭ信号を所定区間にわた
   り順次記憶する標本値記憶回路と、 この標本値記憶回路に記憶されたＰＣＭ信号の区間電力
   値を計算する電力値計算回路と、 入力されたＰＣＭ信号が有音区間であるか無音区間であ
   るかを検出する有音無音検出回路と、 この有音無音検出回路が無音区間と判定した場合はこの
   無音区間について上記電力値計算回路で計算された区間
   電力値を出力し、有音区間と判定した場合にはこの有音
   区間の直前の無音区間について上記電力値計算回路で計
   算された区間電力値を出力する保持回路とを備えた背景
   雑音電力検出器において、 入力されたＰＣＭ信号の振幅値をあらかじめ決められた
   振幅値と比較し、入力されたＰＣＭ信号のうちあらかじ
   め決められた振幅値より小さいと判定した信号を上記標
   本値記憶回路に与える入力振幅監視回路を備えたことを
   特徴とする背景雑音電力検出器。
2. 【請求項２】 上記入力振幅監視回路は、予想されるパ
   ルス雑音より十分に低い値に設定する手段を備えた請求
   項１記載の背景雑音電力検出器。