JPH05150274A - 液晶デバイス及びその製造方法 - Google Patents
液晶デバイス及びその製造方法Info
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- JPH05150274A JPH05150274A JP31439591A JP31439591A JPH05150274A JP H05150274 A JPH05150274 A JP H05150274A JP 31439591 A JP31439591 A JP 31439591A JP 31439591 A JP31439591 A JP 31439591A JP H05150274 A JPH05150274 A JP H05150274A
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Abstract
トラスト比を示す動作モードが透過/散乱型の液晶デバ
イスを提供する 【構成】電極層を有する透明な一対の基板と、この基板
の電極層間に挟持された液晶含有層とから構成され、該
液晶含有層がカイラルスメクチックC相となる強誘電性
液晶と重合体との複合体で、動作モードが透過/散乱型
の液晶デバイス。
Description
製造方法に関する。さらに詳しくは大面積化が可能な、
光の透過/散乱を電気的に操作し得る液晶デバイス及び
その製造方法に関する。
液晶、すなわち強誘電性液晶を表示材料に応用する研究
が盛んに行われている。その代表的なものであり、現在
の研究開発の主流を占めているのが1980年にN.
A.ClarkとS.T.Lagerwallにより提
案された表面安定化強誘電性液晶表示装置(以下SSF
LCDと称する。)である。
るためには解決しなくてはならない課題が多くある。そ
のような課題の一つが明るさを犠牲にせず十分なコント
ラスト比を得るための方法または材料の開発である。そ
のためには暗状態での光の漏れを最小限にする必要があ
る。暗状態で光が漏れる原因としてスメクチック層がセ
ル中央部で折れ曲がったシェブロン構造やねじれ状態が
存在する。現時点においてSSFLCDが実用化に至ら
ない原因の一つがこのシェブロン構造であり、当初SS
FLCDの概念が発表された頃には全く予想できなかっ
た構造である。このシェブロン構造を排除し、本来のブ
ックシェルフ構造または傾斜ブックシェルフ構造を実現
するための努力が、液晶材料の側面及び配向制御の側面
から活発になされている。しかしながら、強誘電性液晶
相において、これら分子の配向を制御することは非常に
困難であるというのが現状である。また、強誘電性液晶
化合物または組成物と熱可塑性樹脂とよりなる厚み1.
2μm程度の強誘電性複合薄膜については梶山らにより
提案されている。(特開昭62−260841号公
報)。しかし、この複合膜の目的は室温付近で熱力学的
に安定な強誘電相を形成し得る強誘電性膜を製造するこ
とにあり、上述の問題は必ずしも解決されない。
入した場合、強誘電性液晶はカイラルスメクチックC
(以下Sc*と称する。)相において、自発分極を打ち
消すために層毎に分子の方位角が少しずつ変化し、系全
体として螺旋構造を有するという性質がある。
セルに強誘電性液晶を封入し、このセルに電界を印加す
ると透過光量が変化する事を報告している〔ジャパニー
ズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(J
pn.J.Appl.Phys.)17(1978)5
97〕。これは、螺旋構造による光散乱が電圧印加によ
る螺旋構造の消失により無くなることに由来するもので
あるといわれている。吉野らは強誘電性液晶としてp−
デシル−オキシベンジリデン−p’−アミノ−2−メチ
ルブチル−シンナメート〔p−decyl−oxybe
nzylidene−p’−amino−2−meth
ylbutyl cinnamate〕(以下DOBA
MBCと略す。)を用いて厚さが250μmのセルでコ
ントラスト比約60を達成している。ただし、この場合
は印加電圧が約100Vと高いため、必ずしも実用的で
はない。またDOBAMBCを用いた同様の検討でセル
厚30μmでコントラスト比約20(30V印加時)を
達成しているが、この場合、動作温度がSc*相を示す
温度範囲の下限に近いため、立ち上がり応答時間が著し
く増大している。
散乱型の液晶デバイスを用いた表示装置では種々の問題
点はあるものの、偏光板が不要であり、明るい画面の実
現が期待できる。また強誘電性液晶を利用した表示装置
としてよく研究されている上述の表面安定化型強誘電性
液晶表示装置と異なり、分子配向が完全である必要はな
い。このため、より簡便に大面積に成し得るセルを作成
することができる。
透過/散乱型の液晶デバイスは、電圧無印加時の光散乱
を大きくしてコントラスト比を上げるためにはセル厚を
大きくする必要があり、結果として高い駆動電圧が必要
である。また、Sc*相温度範囲内で温度を下げると、
コントラスト比が向上するが、この場合は立ち上がり応
答時間が増大するという問題点がある。応答時間につい
ては印加電圧を大きくすることで立ち上がり応答時間を
短くすることができるが、この場合は立ち下がり応答時
間が増大する。液晶デバイスとしての機能は立ち上がり
または立ち下がり応答時間の長い方に規制されるので依
然として問題は解消されない。
の変化(以下ヘリカル変歪効果と称する。)を利用した
動作モードが透過/散乱型の液晶デバイスにおいて、強
誘電性液晶と適当な化合物を複合化することにより、強
誘電性液晶を単独で用いた場合に比べて、その特性を向
上させることである。すなわち、Sc*相を有する液晶
含有複合膜の透過/散乱現象を利用し、より低い駆動電
圧で、より速い立ち下がり時間と、より高いコントラス
ト比を示す新規な液晶デバイスとその製造法を提供する
ことにある。
る少なくとも一方が透明な一対の基板と、この基板の電
極層間に挟持された液晶含有層とから構成され、該液晶
含有層がカイラルスメクチックC相となる液晶60〜9
8重量%及び重合体40〜2%重量からなる複合体で、
動作モードが透過/散乱型であることを特徴とする液晶
デバイスを提供することにある。本発明は良好なヘリカ
ル変歪特性を示す強誘電性液晶組成物について研究の結
果、強誘電性液晶に重合体を混合することにより混合前
よりも諸物性が改良される系を見いだし、達成されたも
のである。
Sc*液晶となる化合物、組成物であれば特に限定され
ず使用することができる。強誘電性Sc* 液晶となる化
合物としては、アゾメチン系、シッフ塩基系、アゾおよ
びアゾキシ系、ビフェニル系、アロマティックエステル
系、フェニルピリミジン系化合物等の強誘電性Sc*液
晶を示す化合物単独または二種以上の混合物が挙げられ
る。また強誘電性Sc*液晶となる組成物としては前記
化合物に改良剤を加えた強誘電性Sc*液晶を示す組成
物やスメクチック液晶化合物を母体液晶としてこれにカ
イラル化合物を加えて強誘電性Sc*液晶を示す組成物
としたもの等が挙げられる。
1号公報に例示されているアゾメチン系強誘電性Sc*
液晶化合物および組成物、特開平3−12487号公報
等に例示されているフェニルピリミジン系の強誘電性S
c* 液晶化合物およびそれらを含む液晶組成物、特開平
3−83949号公報に例示されている光学活性なビフ
ェニル系の強誘電性Sc* 液晶化合物およびそれを含む
液晶組成物、特開昭59−98051号および同60−
199865号公報に例示されているシッフ塩基系の強
誘電性Sc* 液晶化合物およびそれを含む組成物、特開
昭61−183256号公報に例示されているアゾキシ
系強誘電性Sc* 液晶化合物およびそれを含む組成物、
特開平2−167251号公報に例示されているアロマ
チックエステル系の強誘電性液晶化合物およびそれを含
む組成物、特開平3−207790号公報に例示されて
いるスメクチック液晶を示すフェニルピリミジン系化合
物、フェニルピリジン系化合物、ビフェニル化合物また
はアロマティックエステル系化合物を母体液晶とし、こ
れにカイラル化合物を加えた強誘電性Sc* 液晶組成
物、特開平3−62885号公報に例示されているスメ
クティック液晶化合物にアロマティックエステル系カイ
ラル化合物を添加した強誘電性Sc* 液晶組成物等が例
示される。
に限定なく使用できる。好適な重合体としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフ
ィン類、、ポリスチレン等のポリ芳香族ビニル類、ポリ
酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リメチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル類、
ポリメチルメタクリレート等のポリメタクリル酸エステ
ル類、ポリアクリロニトリル、ポリメチルビニルエーテ
ル等のポリビニルエーテル類、ポリビニルケトン類、ポ
リプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド等のポリ
アルキレンオキシド類、ポリカーボネート類、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の
ポリエステル類、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン
6,6、ナイロン6,12等のポリアミド類、ポリビニ
ルアルコール、ポリブタジェン、ポリイソプレン等のジ
エン系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、シリコーン
樹脂及びゴム、天然ゴム、メチルセルロースやエチルセ
ルロース等の変性セルロース類、エポキシ樹脂などが挙
げられる。これら重合体は共重合体であってもよく、ま
た単独で、または適宜混合して使用することも可能であ
る。
び重合体が液晶含有層に占める比率は、液晶含有層がヘ
リカル変歪効果を示す限りは特に限定されないが、通常
液晶が60〜98重量%、重合体が40〜2重量%であ
り、より好ましくは液晶が70〜95重量%、重合体が
30〜5重量%である。Sc*相を有する液晶の比率が
60重量%未満であると、液晶含有層が良好なヘリカル
変歪効果を示さず、一方、また98重量%より多いと、
複合化による効果が顕著でない。なお、上記のデバイス
において、使用温度における液晶含有層の微細構造は液
晶性化合物または組成物がSc*相を示す限りは均一な
状態、液晶中に重合体が分散している状態、または重合
体をマトリックスとし、液晶が分散している状態のどれ
でもよい。
限定されないが、好ましい一例として、液晶と重合体を
所定量混合し、加熱して混合液とする工程、及び得られ
た混合液を電極層を有する少なくとも一方が透明な一対
の基板間に封入する工程を含む方法を挙げることができ
る。具体的には、先ず強誘電性液晶と重合体を所定量容
器にとり、加熱攪拌し、混合液(溶融)状態とする。こ
の混合液は均一の溶液状態でもよいし、また分散液の状
態であってもよい。次いで、インジウム・スズ・オキサ
イド(ITO)等の透明電極層を有する透明基板(ガラ
ス等)2枚を、スペーサーを介して、張り合わせて作成
したセルに、上述の混合液を毛細管現象を利用して封入
することによりデバイスを作製することができる。
モードとして液晶の螺旋構造の生成、消失による透過/
散乱型を利用するものであるため、少なくとも液晶が螺
旋構造をとるに必要な厚みにする。厚み範囲については
用いる複合体の種類により異なるため一義的には限定で
きないので、試行錯誤法により応答時間、コントラス
ト、動作電圧等を考慮して適当な厚みを選択すればよ
い。
れらに限定されるものではない。なお、実施例中「部」
は「重量部」を意味する。
OBAMBC83.6部とポリスチレン(数平均分子量
5050)粉末16.4部をステンレス製の容器に計り
とり、約150℃に加熱しながら撹拌し、均一な溶液状
とした。これをポリイミドフィルム(商品名:カプトン
デュポン社製、厚み26μm)をスペーサとした2枚
のITO透明電極付きガラス基板間に毛細管現象を利用
して封入した。得られた液晶デバイスの電気光学応答特
性の評価は測定温度70℃で下記の方法で測定した。
下の要領で評価した。任意波形発生器1にて矩形波(最
低電圧0V、最高電圧50V)を発生させ、増幅器2を
介して液晶デバイス3の電極間に電圧を印加、すなわ
ち、液晶デバイス3に直流電圧を印加(ON)、または
遮断(OFF)した。一方、He−Neレーザー4から
の波長632.8nmの光を液晶デバイス3に照射し、
その透過光量変化をフォトダイオード5で検出し、増幅
器6を経てオシロスコープ7で出力した。オシロスコー
プ7の出力波形、すなわち図2に示す電圧の変化より立
ち上がり及び立ち下がり応答時間ならびにコントラスト
比を求めた。図2について説明すると、V100 はデバイ
スを置かない時の透過光量、VONは電圧印加(ON)時
の定常透過光量、VOFF は無印加(OFF)時の定常透
過光量、ΔVはVON−VOFF 、τR はON時より透過光
量の差がΔVの90%になるまでの時間(立ち上がり応
答時間)、τD はOFF時より透過光量の差がΔVの1
0%になるまでの時間(立ち下がり応答時間)である。
またコントラスト比は下式で求めた。 コントラスト比=透過率(ON)/透過率(OFF) ここで透過率(ON)はΔVON/V100 (%)、透過率
(OFF)はΔVOFF /V100 (%)である。得られた
液晶デバイスの評価結果を表1に示す。
量9000)粉末9.1部をステンレス製の容器に計り
とり、約150℃に加熱しながら撹拌し均一な溶液とし
た。この溶液を用いて実施例1と同様にして液晶デバイ
スを作成し評価した。得られた液晶デバイスの評価結果
を表1に示す。
エポキシESA017、住友化学工業(株)製)16.
2部をステンレス製の容器に計りとり、約150℃に加
熱しながら撹拌し均一な溶液し、この溶液を用いて実施
例1と同様に液晶デバイスを作成し評価した。得られた
液晶デバイスの評価結果を表1に示す。
様にして液晶デバイスを作成し評価した。得られた液晶
デバイスの評価結果を表1に示す。
エポキシESA017、住友化学工業(株)製)50.
0部をステンレス製の容器に計りとり、約150℃に加
熱しながら撹拌し均一な溶液とした。この溶液を用いて
実施例1と同様にして液晶デバイスを作成し評価した。
得られた液晶デバイスの評価結果を表1に示す。
を電気的に操作し得るものであり、より簡便に、低い駆
動電圧で速い立ち下がり時間と高いコントラスト比を示
す透過/散乱型の、調光ガラスや表示装置等に使用する
液晶デバイスを提供することができ、その工業的価値は
大きい。
と時間(横軸)との関係を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】電極層を有する少なくとも一方が透明な一
対の基板と、この基板の電極層間に挟持された液晶含有
層とから構成され、該液晶含有層がカイラルスメクチッ
クC相となる強誘電性液晶60〜98重量%及び重合体
40〜2重量%からなる複合体で、動作モードが透過/
散乱型であることを特徴とする液晶デバイス。 - 【請求項2】強誘電性液晶と重合体を所定量混合し、加
熱して混合液とする工程、及び得られた混合液を電極層
を有する少なくとも一方が透明な一対の基板間に封入す
る工程を含むことを特徴とする請求項1記載の液晶デバ
イスの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP31439591A JP3185287B2 (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 液晶デバイス及びその製造方法 |
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---|---|---|---|
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100349056C (zh) * | 2003-12-30 | 2007-11-14 | Lg.菲利浦Lcd株式会社 | 有铁电液晶定向层的透反型共平面开关模式液晶显示器 |
WO2019125004A1 (ko) * | 2017-12-22 | 2019-06-27 | 주식회사 엘지화학 | 액정셀 |
WO2019125005A1 (ko) * | 2017-12-22 | 2019-06-27 | 주식회사 엘지화학 | 액정셀 |
-
1991
- 1991-11-28 JP JP31439591A patent/JP3185287B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR20190076364A (ko) * | 2017-12-22 | 2019-07-02 | 주식회사 엘지화학 | 액정셀 |
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CN111465892A (zh) * | 2017-12-22 | 2020-07-28 | 株式会社Lg化学 | 液晶单元 |
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US11175558B2 (en) | 2017-12-22 | 2021-11-16 | Lg Chem, Ltd. | Liquid crystal cell |
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