JPH05150028A - 追尾受信装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 誤差信号検出器における直流ゼロ点変動の影
響の少ない精度良い追尾受信装置を実現する。 【構成】 パルス信号を受信しアンテナをターゲットに
対し自動追尾するための追尾受信装置において、検出し
たパルス信号に同期して切換信号を発生する切換信号発
生器１４と、この切換信号発生器１４の出力に同期して
誤差信号検出器９の基準信号であるＲＦ和信号の極性を
切り換えるｏ／π移相器１３と、誤差信号検出器９、１
０で検出された誤差信号の極性を切り換える＋／−切換
器１５、１６を有している。これにより誤差信号検出器
９、１０が有している直流ゼロ点変動の影響を打ち消
し、正規の誤差信号のみを取り出すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はロケット、ゾンデ等の飛
翔体を追尾するレーダ設備において、パルス状のレーダ
波を受信し、アンテナをターゲットに自動追尾させるた
めの追尾受信装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の追尾受信装置は例えば図
４に示す構成となっている。

【０００３】この追尾受信装置は、アンテナで受信され
たターゲットからのパルス信号のＲＦ和信号を入力とし
てパルス信号を出力するパルス信号検出回路１００と、
２つの誤差信号検出回路２００、３００で構成されてい
る。

【０００４】パルス信号検出回路１００は、ＲＦ和信号
ａを入力として利得を上げる利得制御回路１と、この利
得制御回路１に接続されるパルス検波器４と、このパル
ス検波器４に接続されるパルス増幅器６と、パルス検波
器４と利得制御回路１の間でＡＧＣ回路を構成する利得
制御フィルタ５で構成されている。

【０００５】一方の誤差信号検出回路２００は、ＲＦ誤
差信号ｂを入力としてターゲットに対する水平方向（Ａ
Ｚ）の誤差（ΔＡＺ）を検出するものである。他方の誤
差信号検出回路３００は、ＲＦ誤差信号ｃを入力として
ターゲットに対する仰角方向（ＥＬ）の誤差（ΔＥＬ）
を検出するものである。

【０００６】誤差信号検出回路２００は、入力されたＲ
Ｆ誤差信号ｂの利得を上げる利得制御回路２と、利得制
御回路１の出力信号の移相を９０度シフトさせる９０度
移相器７と、この９０度移相器７と利得制御回路２の出
力信号を受けて誤差信号を検出する誤差信号検出器９
と、この誤差信号検出器９の出力信号を増幅する誤差信
号増幅器１１とで構成されている。利得制御回路２には
パルス信号検出回路１００における利得制御フィルタ５
の出力信号が入力されるようになっている。

【０００７】誤差信号検出回路３００は検出する誤差の
方向が異なる以外は、誤差信号検出回路２００と同様の
構成であり、入力されたＲＦ誤差信号ｃの利得を上げる
利得制御回路３と、利得制御回路１の出力信号の位相を
９０度シフトさせる９０度移相器８と、この９０度移相
器８と利得制御回路３の出力信号を受けて誤差信号を検
出する誤差信号検出器１０と、この誤差信号検出器１０
の出力信号増幅する誤差信号増幅器１２とで構成されて
いる。利得制御回路３にはパルス信号検出回路１００に
おける利得制御フィルタ５の出力信号が入力されるよう
になっている。

【０００８】このような構成の従来の追尾受信装置にお
いては、アンテナで受信されたパルス信号のＲＦ和信号
ａは利得制御回路１において利得が上げられ、パルス検
出器４において、基準信号となるパルス信号ｄが検出さ
れる。このパルス信号ｄはパルス増幅器６で増幅された
後アンテナ駆動装置へ出力される。さらに入力信号レベ
ルの変動に対しパルス検出器４の入力レベルが常に一定
となるように、パルス検出器４の出力が利得制御フィル
タ５に入力され、この利得制御フィルタ５からパルス信
号の振幅に比例した直流信号が利得制御回路１に入力さ
れる。

【０００９】一方、誤差信号検出回路２００では水平方
向のＲＦ誤差信号ｂが利得制御フィルタ５の制御を受け
ている利得制御回路２に入力され、ＲＦ和信号ａと同様
に、入力レベルの変動によるレベル変動が除かれた後、
誤差信号検出器９に入力される。誤差信号検出器９に
は、利得制御回路１でレベルが一定化されたＲＦ和信号
ａが９０度移相器７により位相が９０度シフトされた後
に基準信号として入力される。誤差信号検出器９はこの
信号を受けて利得制御回路２から出力されたＲＦ誤差信
号ｂの同期振幅検波を行い、これによりターゲットがア
ンテナの中心からずれた水平方向の角度分の誤差信号が
抽出される。この誤差信号検出器９から出力された誤差
信号ｅは誤差信号増幅器１１で増幅された後、アンテナ
駆動装置に出力される。

【００１０】また、誤差信号検出回路３００では、仰角
方向のＲＦ誤差信号ｃが利得制御フィルタ５の制御を受
けている利得制御回路３に入力され、ＲＦ和信号ａと同
様に入力レベルの変動によるレベル変動が除かれた後、
誤差信号検出器１０に入力される。誤差信号検出器１０
には、利得制御回路１でレベルが一定化されたＲＦ和信
号ａが９０度移相器７により位相が９０度シフトされた
後に基準信号として入力される。誤差信号検出器１０は
この信号を受けて利得制御回路３から出力されたＲＦ誤
差信号ｃの同期振幅検波を行い、これによりターゲット
がアンテナの中心からずれた仰角方向の角度分の誤差信
号が抽出される。この誤差信号検出器１０から出力され
た誤差信号ｆは誤差信号増幅器１２で増幅された後、ア
ンテナ駆動装置に出力される。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の追尾受
信装置器においては、ＲＦ和信号ａを基準信号として同
期振幅検波する誤差信号検出器９、１０により各誤差信
号ｅ、ｆを抽出していることから、誤差信号検出器９、
１０の温度、電源変動等による直流ゼロ点変動および誤
差信号とともに入力される雑音によるゼロ点変動（ノイ
ズバランス）等の特性により、レーダアンテナの自動追
尾による測角精度が大きく影響されるという問題があっ
た。

【００１２】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、誤差信号検出器におけるゼロ点変動の
影響のない、精度の高いレーダ用追尾受信装置を提供す
ることにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明の追尾受信装置
は、アンテナからのＲＦ和信号を入力としてパルス信号
を出力するパルス信号検出回路と、このパルス信号検出
回路から出力されるパルス信号に同期して切換信号を出
力する切換信号発生器と、この切換信号発生器から出力
される切換信号に同期して前記ＲＦ和信号の位相を１８
０度変換させる移相器と、この移相器の出力信号を基に
前記アンテナからのＲＦ誤差信号から誤差信号を検出す
る誤差信号検出器、および前記切換信号発生回路から出
力される切換信号に同期して誤差信号検出器の出力信号
の極性を切り換える極性切換器を有する誤差信号検出回
路とを備えている。

【００１４】また、本発明の追尾受信装置は、アンテナ
からのＲＦ和信号を入力としてパルス信号を出力するパ
ルス信号検出回路と、このパルス信号検出回路から出力
されるパルス信号に同期して切換信号を出力する切換信
号発生器と、この切換信号発生器から出力される切換信
号に同期して前記ＲＦ和信号の位相を１８０度変換させ
る移相器と、この移相器の出力信号を基に前記アンテナ
からの第１の方向の誤差を示すＲＦ誤差信号から第１の
誤差信号を検出する第１の誤差信号検出器、および前記
切換信号発生回路から出力される切換信号に同期して第
１の誤差信号検出器の出力信号の極性を切り換える第１
の極性切換器を有する第１の誤差信号検出回路と、前記
移相器の出力信号を基に前記アンテナからの第２の方向
の誤差を示すＲＦ誤差信号から第２の誤差信号を検出す
る第２の誤差信号検出器、および前記切換信号発生回路
から出力される切換信号に同期して第２の誤差信号検出
器の出力信号の極性を切り換える第２の極性切換器を有
する第２の誤差信号検出回路とを備えている。

【００１５】このような構成により本発明の追尾受信装
置によれば、誤差信号検出器の温度、電源変動等による
直流ゼロ点変動および誤差信号とともに入力される雑音
によるゼロ点変動（ノイズバランス）を打ち消すことが
でき、アンテナの自動追尾による測角精度が大きく向上
する。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。

【００１７】図１は本発明の一実施例に係わるレーダ用
追尾受信装置の回路構成図である。なお、図４と同一の
構成要素には同一の付している。

【００１８】本実施例の追尾受信装置は、アンテナで受
信されたターゲットからのパルス信号のＲＦ和信号を入
力としてパルス信号を出力するパルス信号検出回路１０
０と、アンテナで受信されたターゲットからのパルス信
号のＲＦ誤差信号を入力として基準信号との水平方向お
よび仰角方向の誤差信号を検出する２つの誤差信号検出
回路２００、３００で構成されている。

【００１９】パルス信号検出回路１００は、ＲＦ和信号
ａを入力として利得を上げる利得制御回路１と、この利
得制御回路１に接続されるパルス検波器４と、このパル
ス検波器４に接続されるパルス増幅器６と、パルス検波
器４と利得制御回路１の間でＡＧＣ回路を構成する利得
制御フィルタ５で構成されている。

【００２０】パルス増幅器６には切換信号発生器１４が
接続されており、パルス増幅器６から出力されるパルス
信号に同期して切換信号をｏ／π移相器１３および＋／
−切換器１５、１６へそれぞれ出力するようになってい
る。

【００２１】利得制御回路１の出力信号は、またｏ／π
移相器１３へ入力されるようになっている。このｏ／π
移相器１３は切換信号発生器１４から出力される切換信
号に同期して利得制御回路１の出力信号の位相を１８０
度変換するものである。ｏ／π移相器１３の出力信号は
９０度移相器７、８それぞれに入力されるようになって
いる。

【００２２】誤差信号検出回路２００は、入力されたＲ
Ｆ誤差信号ｂの利得を上げる利得制御回路２と、ｏ／π
移相器１３の出力信号の位相を９０度シフトさせる９０
度移相器７と、この９０度移相器７の出力信号を受けて
同期振幅検波を行うことにより利得制御回路２の出力信
号から誤差信号を検出する誤差信号検出器９と、切換信
号発生器１４から出力される切換信号に同期して誤差信
号検出器９の出力の「＋」、「−」の極性を切り換える
＋／−切換器１５と、この＋／−切換器１５の出力信号
を増幅する誤差信号増幅器１１とで構成されている。

【００２３】誤差信号検出回路３００は、入力されたＲ
Ｆ誤差信号ｃの利得を上げる利得制御回路３と、ｏ／π
移相器１３の出力信号の位相を９０度シフトさせる９０
度移相器８と、この９０度移相器８の出力信号を受けて
同期振幅検波を行うことにより利得制御回路３の出力信
号から誤差信号を検出する誤差信号検出器１０と、切換
信号発生器１４から出力される切換信号に同期して誤差
信号検出器１０の出力の「＋」、「−」の極性を切り換
える＋／−切換器１６と、この＋／−切換器１６の出力
信号を増幅する誤差信号増幅器１２とで構成されてい
る。

【００２４】次に、この追尾受信装置の動作について説
明する。

【００２５】アンテナで受信されたＲＦ和信号ａは、パ
ルス信号検出回路１００の利得制御回路１に入力され適
性レベルまで増幅される。増幅されたＲＦ和信号は、パ
ルス検波器４に入力されレーダ波のパルス信号として検
出される。このパルス信号ｄは、利得制御フィルタ５に
入力され、利得制御回路１へフィードバックされるとと
もにパルス増幅器６で増幅された後、アンテナの駆動装
置へ出力される。

【００２６】アンテナで受信された一方のＲＦ誤差信号
ｂは、誤差信号検出回路２００に入力され、利得制御回
路２を介して誤差信号検出器９に入力される。誤差信号
検出器９はＲＦ和信号を基準信号として、利得制御回路
２の出力信号の同期振幅検波を行い誤差信号を検出す
る。このとき、基準信号となるＲＦ和信号は、ｏ／π移
相器１３により基準信号検出回路１００より出力される
パルス信号と同期して極性を切り換えられた後に９０度
移相器７に入力され、ここでさらに位相が９０度変換さ
れた後に誤差信号検出器９に入力される。

【００２７】誤差信号検出器９で同期振幅検波された誤
差信号は、やはり切換信号発生器１４から出力される切
換信号により切換タイミングが制御される＋／−切換器
１５により正規の極性に戻される。＋／−切換器１５の
出力信号は誤差信号増幅器１１により適性レベルまで増
幅された後、アンテナの駆動装置に出力される。

【００２８】アンテナで受信された他方のＲＦ誤差信号
ｃも、ＲＦ誤差信号ｂと同様の処理が行われる。すなわ
ち、ＲＦ誤差信号ｃは誤差信号検出回路３００に入力さ
れ、利得制御回路３を介して誤差信号検出器１０に入力
される。誤差信号検出器１０はＲＦ和信号を基準信号と
して、利得制御回路３の出力信号の同期振幅検波を行い
誤差信号を検出する。このとき、基準信号となるＲＦ和
信号は、ｏ／π移相器１３によりパルス信号検出回路１
００より出力されるパルス信号と同期して極性を切り換
えられた後に９０度移相器８に入力され、ここでさらに
位相が９０度変換された後に誤差信号検出器１０に入力
される。

【００２９】誤差信号検出器１０で同期振幅検波された
誤差信号は、やはり切換信号発生器１４から出力される
切換信号により切換タイミングが制御される＋／−切換
器１６により正規の極性に戻される。＋／−切換器１６
の出力信号は誤差信号増幅器１２により適性レベルまで
増幅された後、アンテナの駆動装置に出力される。

【００３０】図２および図３はそれぞれ、このような動
作を行う本実施例の追尾受信装置により、誤差信号検出
器９、１０の直流ゼロ点変動が、誤差信号増幅器１１、
１２に至るまでに除かれ、正規の誤差信号が抽出される
ことを表すものである。ここで、図２および図３の各
（Ａ）〜（Ｅ）は図１の各地点での信号波形を表してい
る。

【００３１】図２（Ａ）〜（Ｅ）は、ＲＦ誤差信号の入
力が無い時（ターゲットを中心に追尾している時）の波
形であり、誤差信号検出器１０がゼロ点変動を有してい
る場合を表している。また図３は、ＲＦ誤差信号（Ａ
Ｚ）が入力した時（Δθずれてターゲットを追尾してい
る時）の波形であり、誤差信号検出器１０がゼロ点変動
を有している場合を表している。

【００３２】図２および図３において、それぞれ（Ａ）
はパルス信号検出回路１００で検出されたパルス信号を
示す。（Ｂ）はこのパルス信号に同期してｏ／π移相器
１３から出力される信号波形である。（Ｃ）はあるレベ
ルをもつ誤差信号がゼロ点変動電圧（オフセット電圧）
を有する誤差信号検出器１０を介して出力された波形で
ある。（Ｄ）は＋／−切換器１６において切換信号発生
器１４の出力信号に同期して正負の極性が切り換えられ
た波形を示し、この波形のレベルを均一化したものが
（Ｅ）で表された信号である。これが誤差信号検出回路
３００の出力信号となる。図２、３においては、誤差信
号検出器１０におけるゼロ点変動の影響が除かれ、図３
においては正規の誤差信号のみが検出されている。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように本発明の追尾受信装
置によれば、誤差信号検出器の基準信号であるＲＦ和信
号の位相を、受信したパルス信号に同期して１８０度切
り換えるとともに、誤差信号検出器で抽出された誤差信
号の極性を、同様にパルス信号に同期して切り換えるよ
うにしたので、誤差信号検出器が有する直流ゼロ点変動
の影響を取り除くことができ、測角精度のよいレーダ追
尾受信装置を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の追尾受信装置の一例を示すブロック図
である。

【図２】本発明の追尾受信装置の各部の信号波形を示す
図である。

【図３】本発明の追尾受信装置の各部の信号波形を示す
図である。

【図４】従来の追尾受信装置の構成を表すブロック図で
ある。

【符号の説明】

１、２、３ 利得制御回路 ４ パルス検波器 ５ 利得制御フィルタ ６ パルス増幅器 ７、８ ９０度移相器 ９、１０ 誤差信号検出器 １１、１２ 誤差信号増幅器 １３ ｏ／π移相器 １４ 切換信号発生器 １５、１６ ＋／−切換器 １００ パルス信号検出回路 ２００、３００ 誤差信号検出回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アンテナからのＲＦ和信号を入力として
   パルス信号を出力するパルス信号検出回路と、 このパルス信号検出回路から出力されるパルス信号に同
   期して切換信号を出力する切換信号発生器と、 この切換信号発生器から出力される切換信号に同期して
   前記ＲＦ和信号の位相を１８０度変換させる移相器と、 この移相器の出力信号を基に前記アンテナからのＲＦ誤
   差信号から誤差信号を検出する誤差信号検出器、および
   前記切換信号発生回路から出力される切換信号に同期し
   て誤差信号検出器の出力信号の極性を切り換える極性切
   換器を有する誤差信号検出回路とを備えたことを特徴と
   する追尾受信装置。
2. 【請求項２】 アンテナからのＲＦ和信号を入力として
   パルス信号を出力するパルス信号検出回路と、 このパルス信号検出回路から出力されるパルス信号に同
   期して切換信号を出力する切換信号発生器と、 この切換信号発生器から出力される切換信号に同期して
   前記ＲＦ和信号の位相を１８０度変換させる移相器と、 この移相器の出力信号を基に前記アンテナからの第１の
   方向の誤差を示すＲＦ誤差信号から第１の誤差信号を検
   出する第１の誤差信号検出器、および前記切換信号発生
   回路から出力される切換信号に同期して第１の誤差信号
   検出器の出力信号の極性を切り換える第１の極性切換器
   を有する第１の誤差信号検出回路と、 前記移相器の出力信号を基に前記アンテナからの第２の
   方向の誤差を示すＲＦ誤差信号から第２の誤差信号を検
   出する第２の誤差信号検出器、および前記切換信号発生
   回路から出力される切換信号に同期して第２の誤差信号
   検出器の出力信号の極性を切り換える第２の極性切換器
   を有する第２の誤差信号検出回路とを備えたことを特徴
   とする追尾受信装置。