JPH05149694A - 和 弓 - Google Patents

和 弓

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JPH05149694A
JPH05149694A JP34024791A JP34024791A JPH05149694A JP H05149694 A JPH05149694 A JP H05149694A JP 34024791 A JP34024791 A JP 34024791A JP 34024791 A JP34024791 A JP 34024791A JP H05149694 A JPH05149694 A JP H05149694A
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JP
Japan
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fiber reinforced
fiber
fibers
reinforced resin
bow
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Pending
Application number
JP34024791A
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English (en)
Inventor
Makoto Takezawa
誠 竹澤
Kanji Miyao
巻治 宮尾
Hiroshi Inoue
寛 井上
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 曲げ及び捩れ強度、弾性率、剛性、靭性など
の機械的特性が大幅に向上し、折れ難く、より速い弓返
りや矢飛び、更には的中率の向上を図ることができ、し
かも美観的にも優れた和弓を提供する。 【構成】 和弓100は、木材或は竹などを複数層積層
して構成される芯材110の内側及び外側の両面に、複
数の繊維強化樹脂層120’が積層されて形成される。
繊維強化樹脂層120’は、弓全体の強度、剛性を向上
せしめる点で優れた炭素繊維強化樹脂層120c’と、
繰り返し曲げに対する特性に優れ、弓の耐久性、耐疲労
性を向上せしめ得るガラス繊維強化樹脂層120g’と
が積層される。炭素繊維強化樹脂層120c’の間に、
強化繊維として金属繊維及び金属繊維以外の異種繊維を
有した繊維強化プリプレグ層1’が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層された複数の繊維
強化樹脂層を有する和弓に関するものであり、特に、少
なくとも前記繊維強化樹脂層の間又は最外層に、強化繊
維として金属繊維及び金属繊維以外の異種繊維を有した
繊維強化プリプレグ層を設けたことを特徴とする和弓に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、和弓として、軽量で且つ曲げ強度
及び弾性などの機械的特性が優れているという理由か
ら、例えば強化繊維として炭素繊維或はガラス繊維を使
用した繊維強化複合樹脂製品にて作製されたものが多く
利用されており、良好な成果を収めている。
【0003】斯る従来の和弓100’は、図3に示すよ
うに、木材或は竹などを複数層積層して構成される芯材
110の内側及び外側の両面に、複数の繊維強化樹脂層
120’が積層されて形成される。繊維強化樹脂層12
0’は、弓全体の強度、弾性、剛性を向上せしめる点で
優れた炭素繊維強化樹脂層120c’と、繰り返し曲げ
に対する特性に優れ、弓の耐久性、耐疲労性を向上せし
め得るガラス繊維強化樹脂層120g’とが積層して使
用されている。
【0004】又、通常、炭素繊維強化樹脂層120c’
及びガラス繊維強化樹脂層120g’は、それぞれ複数
層にて構成され、例えば、図示されるように、弓の縦方
向、即ち、長さ方向の曲げ強度及び弾性を持たせるため
に強化繊維を縦方向に配列した0°方向繊維強化樹脂層
120c0 ’、120g0 ’と、弓の横方向の捩れ強度
を増大させるために強化繊維を横方向に配列した90°
方向繊維強化樹脂層120c90’、120g90’とにて
構成される。
【0005】更に、一般には、炭素繊維強化樹脂層12
0c’は、弓曲げ時の最大破断歪みがガラス繊維強化樹
脂層120g’に比較して極めて小さいために、弓曲げ
時の歪みがより小さくなる中心により近接して、即ち、
芯材110側に配置される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような構成の和弓
においても、更に、使用時における折損防止、より速い
弓返りや矢飛び、更には的中率の向上を図るために、曲
げ及び捩れ強度、弾性率、剛性、靭性などの増大といっ
た機械的特性の向上が望まれている。更には、外観的に
もファッション性が要求され、美的観点からも改良が望
まれている。
【0007】本発明者らは多くの研究実験を行なった結
果、強化繊維としてチタン繊維、ステンレス繊維、タン
グステン繊維などの金属繊維と、金属繊維以外の炭素繊
維などの異種繊維とを有した繊維強化プリプレグにて形
成される繊維強化プリプレグ層を、従来の上記構成とさ
れる和弓の繊維強化樹脂層の間又は最外層に設けること
により、上記要望に応え得ることが分かった。
【0008】本発明は斯る新規な知見に基づきなされた
ものである。
【0009】従って、本発明の目的は、曲げ及び捩れ強
度、弾性率、剛性、靭性などの機械的特性が大幅に向上
し、折れ難く、より速い弓返りや矢飛び、更には的中率
の向上を図ることができ、しかも美観的にも優れた和弓
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
和弓にて達成される。要約すれば、本発明は、積層され
た複数の繊維強化樹脂層を有する和弓において、強化繊
維として金属繊維及び金属繊維以外の異種繊維を有した
繊維強化プリプレグ層を、少なくとも前記繊維強化樹脂
層の間又は最外層に、1層或は複数層設けたことを特徴
とする和弓である。好ましくは、金属繊維の表面は、リ
ン酸塩処理又はクロメート処理が施される。
【0011】
【実施例】次に、本発明に係る和弓を図面に則して更に
詳しく説明する。
【0012】本発明に係る和弓100は、図1(A)に
示すように、木材或は竹などを複数層積層して構成され
る芯材110の内側及び外側の両面に、複数の繊維強化
樹脂層120’が積層されて形成される。本実施例に
て、繊維強化樹脂層120’は、弓全体の強度、剛性を
向上せしめる点で優れた炭素繊維強化樹脂層120c’
と、繰り返し曲げに対する特性に優れ、弓の耐久性、耐
疲労性を向上せしめ得るガラス繊維強化樹脂層120
g’とを積層して構成されている。一般には、図示する
ように、炭素繊維強化樹脂層120c’は、弓曲げ時の
最大破断歪みがガラス繊維強化樹脂層120g’に比較
して極めて小さいために、弓曲げ時の歪みがより小さく
なる中心により近接して、即ち、芯材110側に配置さ
れる。
【0013】炭素繊維強化樹脂層120c’及びガラス
繊維強化樹脂層120g’は、それぞれ複数層にて構成
されるが、本発明に従えば、図示するように、炭素繊維
強化樹脂層120c’の間に、及び/又はガラス繊維強
化樹脂層120g’の間に、1層或は複数層の繊維強化
プリプレグ層1’が設けられる。又、繊維強化プリプレ
グ層1’は、必要により、前記繊維強化樹脂層120’
の最外層に、即ち、弓の外側表面或は内側表面に設ける
こともできる。本発明の特徴をなす繊維強化プリプレグ
層1’については後で詳しく説明する。
【0014】更に、図1(A)の実施例について説明す
れば、ガラス繊維強化樹脂層120g’は、図示するよ
うに、弓の縦方向に強化繊維を配列した0°方向繊維強
化樹脂層120g0 ’と、この0°方向繊維強化樹脂層
120g0 ’を挟持する態様で配置された、強化繊維が
横方向に配列された90°方向繊維強化樹脂層120g
90’とにて構成される。
【0015】又、炭素繊維強化樹脂層120c’は、図
示するように、弓の縦方向に強化繊維を配列した0°方
向繊維強化プリプレグ層1’と、この0°方向繊維強化
プリプレグ層1’を挟持する態様で配置された、強化繊
維が横方向に配列された90°方向繊維強化樹脂層12
0c90’とにて構成される。
【0016】又、ガラス繊維強化樹脂層120g’及び
炭素繊維強化樹脂層120c’は、上記積層構成に限定
されるものではなく、例えば図1(B)に図示するよう
に、0°方向繊維強化強化樹脂層と、90°方向繊維強
化樹脂層との2層積層構成とすることもでき、更には、
必要に応じて種々の積層構成を採用し得る。
【0017】更に、必要に応じて、和弓100の内側及
び外側に、即ち、前記内側及び外側繊維強化樹脂層12
0’の外側表面にそれぞれ内竹及び外竹を配置したり、
又は、芯材110の横方向の両側面に側木を配置するこ
とも可能である。
【0018】上記ガラス繊維強化樹脂層120g’、炭
素繊維強化樹脂層120c’及び繊維強化プリプレグ層
1’にて構成される繊維強化樹脂層部分は、所定形状に
形成された芯材110の内側及び外側の両面にガラス繊
維強化プリプレグ120g、炭素繊維強化プリプレグ1
20c及び繊維強化プリプレグ1を所定配置にて積層
し、硬化することによって製造される。
【0019】繊維強化樹脂層120’としては、上記炭
素繊維強化樹脂層120c’及びガラス繊維強化樹脂層
120g’に限定されるものではなく、その他種々の当
業者には周知の種々の強化繊維を使用した繊維強化樹脂
層を使用することができる。又、これら各繊維強化樹脂
層120’の強化繊維は、上述のように互に異なるもの
とすることができるが、全て同じ強化繊維を使用するこ
ともできる。
【0020】更に、これら各繊維強化樹脂層120’を
形成するプリプレグ120c、120gのマトリクス樹
脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノー
ル樹脂などの熱硬化性マトリクス樹脂が使用可能であ
る。又、更に、プリプレグの硬化温度が50〜200℃
となるように硬化剤その他の付与剤、例えば可撓性付与
剤などが適当に添加される。
【0021】上記図1(A)、(B)に示す実施例で
は、和弓100は、芯材110を有し、この芯材110
の内側及び外側の両面に、複数の繊維強化樹脂層12
0’が積層されて形成されるものとして説明したが、図
2に示すように、場合によっては、芯材110は省略さ
れる。
【0022】つまり、図2に示す本発明に係る和弓10
0の他の実施例においては、積層された複数の繊維強化
樹脂層120’にて形成される。この実施例にて、繊維
強化樹脂層120’は、内側部分に、炭素繊維強化樹脂
層120c’が配置され、その両側にガラス繊維強化樹
脂層120g’が積層されている。
【0023】炭素繊維強化樹脂層120c’は、図示す
るように、この実施例では中心部に2層配置され、各炭
素繊維強化樹脂層120c’は、弓の縦方向に強化繊維
を配列した0°方向繊維強化プリプレグ層1’と、この
0°方向繊維強化プリプレグ層1’を挟持する態様で配
置された、強化繊維が横方向に配列された90°方向繊
維強化樹脂層120c90’とにて構成される。
【0024】又、炭素繊維強化樹脂層120c’の両側
に配置された各ガラス繊維強化樹脂層120g’は、図
示するように、弓の縦方向に強化繊維を配列した0°方
向繊維強化樹脂層120g0 ’と、この0°方向繊維強
化樹脂層120g0 ’を挟持する態様で配置された強化
繊維が横方向に配列された90°方向繊維強化樹脂層1
20g90’とにて構成される。
【0025】ガラス繊維強化樹脂層120g’及び炭素
繊維強化樹脂層120c’は、上記積層構成に限定され
るものではなく、例えば図1(B)に図示するように、
0°方向繊維強化強化樹脂層と、90°方向繊維強化樹
脂層との2層積層構成とすることもでき、更には、必要
に応じて種々の積層構成を採用し得る。
【0026】繊維強化プリプレグ層1’は、図2に示す
ように、炭素繊維強化樹脂層120c’の間に、又は、
図示してはいないが、ガラス繊維強化樹脂層120g’
の間に、更には、炭素繊維強化樹脂層120c’の間及
びガラス繊維強化樹脂層120g’の間に、1層或は複
数層設けられる。又、繊維強化プリプレグ層1’は、必
要により、前記繊維強化樹脂層120’の最外層に、即
ち、弓の外側表面或は内側表面に設けることもできる。
【0027】次に、本発明の特徴とする繊維強化プリプ
レグ層1’について更に詳しく説明する。図4及び図5
に、本発明に係る繊維強化プリプレグ層1’を形成する
ために使用される繊維強化プリプレグ1の実施例が示さ
れる。
【0028】図4は、本発明の特徴をなす繊維強化プリ
プレグ1の一実施例を示す断面図である。本実施例にて
繊維強化プリプレグ1は、マトリクス樹脂2が含浸され
た強化繊維を有して構成される。本発明によれば、強化
繊維としては、金属繊維4及び金属繊維以外の異種繊維
6が使用される。
【0029】金属繊維4としては、チタン繊維、アモル
ファス繊維、スチール繊維、ステンレス繊維、タングス
テン繊維、アルミニウム繊維などから選択される1種又
は複数種が使用される。又、金属繊維4は、5〜150
μmの種々の繊維径のものを使用し得る。
【0030】又、異種繊維6としては、炭素繊維、ガラ
ス繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、窒化珪素繊維な
どの無機繊維、及びアラミド繊維、ポリアリレ−ト繊
維、ポリエチレン繊維などの有機繊維から選択される1
種又は複数種とされる。異種繊維6は、5〜30μmの
種々の繊維径のものを使用し得る。
【0031】マトリクス樹脂2としては、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性マ
トリクス樹脂が使用可能である。又、更に、硬化温度が
50〜200℃となるように硬化剤その他の付与剤、例
えば可撓性付与剤などが適当に添加される。
【0032】好ましい一例を挙げれば、マトリクス樹脂
2としてはエポキシ樹脂が好ましく、使用可能のエポキ
シ樹脂としては、例えば、(1)グリシジルエーテル系
エポキシ樹脂(ビスフェノールA、F、S系エポキシ樹
脂、ノボラック系エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール
A系エポキシ樹脂);(2)環式脂肪族エポキシ樹脂;
(3)グリシジルエステル系エポキシ樹脂;(4)グリ
シジルアミン系エポキシ樹脂;(5)複素環式エポキシ
樹脂;その他種々のエポキシ樹脂から選択される1種又
は複数種が使用され、特に、ビスフェノールA、F、S
グリシジルアミン系エポキシ樹脂が好適に使用される。
又、硬化剤としてはアミン系硬化剤、例えばジシアンジ
アミド(DICY)、ジアミノジフェニルスルフォン
(DDS)、ジアミノジフェニルメタン(DDM);酸
無水物系、例えばヘキサヒドロ無水フタル酸(HHP
A)、メチルへキサヒドロ無水フタル酸(MHHPA)
などが使用されるが、特にアミン系硬化剤が好適に使用
される。
【0033】繊維強化プリプレグ1における強化繊維と
マトリクス樹脂2との配合割合は任意に調製し得るが、
一般に、重量%で金属繊維:異種繊維:マトリクス樹脂
=1〜30:30〜80:20〜70の範囲が良く、好
ましくは5〜20:40〜75:25〜60である。
又、繊維強化プリプレグ1の厚さTは通常20〜300
μmとされる。
【0034】図5に本発明の特徴をなす繊維強化プリプ
レグ1の他の実施例を示す。この実施例によると、プリ
プレグの一側に第1の異種繊維6Aが配列され、プリプ
レグの他側には第1の異種繊維6Aとは異なる第2の異
種繊維6Bが配列された構成とされる点にて、図4に示
す先の実施例のプリプレグとは異なる。
【0035】本実施例にて、金属繊維4は、図示される
ように、繊維強化プリプレグ1の中央部に位置するのが
好ましいが、いずれかの側へと僅かに中心部より偏って
配置されたとしても同等の作用効果を発揮し得る。
【0036】第1及び第2の異種繊維6A、6Bは、先
の実施例と同様に、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊
維、炭化珪素繊維、窒化珪素繊維などの無機繊維、及び
アラミド繊維、ポリアリレ−ト繊維、ポリエチレン繊維
などの有機繊維から選択される1種又は複数種とされ
る。例えば一例として、第1の異種繊維6Aは炭素繊維
とし、第2の異種繊維6Bはガラス繊維とされる。
【0037】このような構成のプリプレグ1は、種々の
方法にて製造し得るが、一例を示せば、強化繊維とし
て、例えば、第1の異種繊維6Aは炭素繊維とし、第2
の異種繊維6Bはガラス繊維とされる2枚の一方向繊維
強化プリプレグの間に、金属繊維4をこれら異種繊維6
A、6Bと同一方向に所定の間隔にて配列し、押圧及び
/又は加熱することにより一体とすることによって極め
て好適に製造される。
【0038】更に説明すると、図6に図示するように、
離型紙10に保持された、例えば第1の異種繊維6Aと
して炭素繊維を有した第1の炭素繊維強化プリプレグ1
Aの上に、該第1の炭素繊維強化プリプレグ1Aの炭素
繊維6Aの配列方向と同方向に配列された金属繊維4を
配置し、更に、該金属繊維4を挟持する態様で、離型紙
10に保持された、例えば第2の異種繊維6Bとしてガ
ラス繊維を有した第2のガラス繊維強化プリプレグ1B
を重ね合せ、前記両プリプレグ1A、1Bを互の方へと
押圧及び/又は加熱する。これにより第1の炭素繊維強
化プリプレグ1A、金属繊維4及び第2のガラス繊維強
化プリプレグ1Bは一体に接合されて、図5に図示する
ような本発明に従った繊維強化プリプレグ1が形成され
る。
【0039】又、本発明のプリプレグにおける金属繊維
4、第1及び第2の異種繊維6A、6B:マトリクス樹
脂2の配合割合は任意に調整し得るが、一般に、重量%
で、金属繊維:第1の異種繊維:第2の異種繊維:マト
リクス樹脂=(1〜30):(10〜70):(10〜
70):(20〜70)とされるであろう。又、本発明
に従えば、プリプレグの厚さ(T)は、使用される金属
繊維4の繊維径程度のものを作製し得るが、通常80〜
200μm程度とされるであろう。
【0040】更に又、上記各実施例において、好ましく
は、繊維強化プリプレグ1に使用される金属繊維4は予
め、化成処理としてリン酸塩処理又はクロメート処理が
施される。
【0041】金属繊維4を予めリン酸塩処理又はクロメ
ート処理することにより、金属繊維表面上に金属塩被膜
が形成され、この金属塩被膜が金属繊維4のマトリクス
樹脂2との接着性を高め、それによって、金属繊維4を
使用した繊維強化プリプレグ1にて作製された和弓の捩
り破壊強度及び耐衝撃性、更には曲げ強度等の機械的強
度の向上効果を十分に発揮させ、同時に靭性をも改善で
きる。
【0042】リン酸塩処理としては、リン酸亜鉛系、リ
ン酸マンガン系のいずれのリン酸塩処理を使用すること
ができる。特に、金属繊維4がスチール繊維、ステンレ
ス繊維の場合は、上記のリン酸亜鉛系、リン酸マンガン
系の処理に加えて、更にリン酸鉄系のリン酸塩処理を使
用することができる。
【0043】これらリン酸塩処理の液組成、PH、処理
温度、処理時間等の処理条件は、通常の条件で行なうこ
とができるが、金属繊維4のマトリクス樹脂2との接着
性の向上という観点から、使用する金属繊維4の種類等
に応じて適宜決定すれば良い。
【0044】具体的には、リン酸塩処理は、金属繊維4
表面上に被膜量0.2〜10g/m2 の金属塩被膜が形
成されるように、行なうことが好ましい。又、クロメー
ト処理は、金属繊維4の表面上に、リン酸塩処理のとき
と同様、被膜量0.01〜0.15g/m2 の金属塩被
膜(クロメート被膜)が形成されるように、行なうこと
が好ましい。
【0045】上記実施例では、本発明の繊維強化プリプ
レグ1にて金属繊維4は、一方向に配列して構成するも
のとして説明したが、クロス(織物)の状態で使用する
ことも可能である。
【0046】次に、本発明を実施例についてより具体的
に説明する。
【0047】実施例1 図1(A)に示す構成の和弓100を作製した。芯材1
10としては木材を使用し、この芯材110の内側及び
外側両面に、繊維強化樹脂層120’として、炭素繊維
強化樹脂層120c’及びガラス繊維強化樹脂層120
g’を積層した。
【0048】炭素繊維強化樹脂層120c’にて、弓の
縦方向に強化繊維を配列した0°方向繊維強化プリプレ
グ層1’を挟持する態様で配置された、強化繊維が横方
向に配列された90°方向繊維強化樹脂層120c90
を形成するためのプリプレグ120cは、強化繊維とし
て、繊維径が7.0μmとされるPAN系炭素繊維(東
レ株式会社製:商品名「T300」)を使用し、マトリ
クス樹脂はエポキシ樹脂を使用した。又、マトリクス樹
脂の含有量は35重量%であった。
【0049】ガラス繊維強化樹脂層120g’にて、弓
の縦方向に強化繊維を配列した0°方向繊維強化樹脂層
120g0 ’と、この0°方向繊維強化樹脂層120g
0 ’を挟持する態様で配置された、強化繊維が横方向に
配列された90°方向繊維強化樹脂層120g90’とを
形成するためのプリプレグ120gはいずれも、強化繊
維として、繊維径が13μmのガラス繊維(旭ファイバ
ーグラス株式会社製、規格名Eガラス)を使用し、マト
リクス樹脂はエポキシ樹脂を使用した。又、マトリクス
樹脂の含有量は35重量%であった。
【0050】一方、90°方向繊維強化樹脂層120c
90’に挟持された、強化繊維が0°方向に配列された繊
維強化プリプレグ層1’は、図4に示す構成の繊維強化
プリプレグ1にて作製した。つまり、このプリプレグ1
は、金属繊維4としては繊維径が100μmとされるチ
タン繊維を0.7mmピッチで配置して使用し、異種繊
維6としては繊維径が7.0μmとされるPAN系炭素
繊維(東レ株式会社製:商品名「T300」)を使用
し、マトリクス樹脂2としてはエポキシ樹脂を使用し
た。又、重量%で、金属繊維:異種繊維:マトリクス樹
脂=18:53:29であった。
【0051】表1に、この実施例の和弓の性能評価を示
す。
【0052】比較例1 実施例1にて繊維強化プリプレグ層1’の代わりに、炭
素繊維のみが0°方向に配列された炭素繊維強化層を設
けた、即ち、図3に示す従来の和弓100’を実施例1
と同様にして作製した。
【0053】0°方向繊維強化樹脂層120c0 ’のた
めのプリプレグ120cは、強化繊維として、繊維径が
7.0μmとされるPAN系炭素繊維(東レ株式会社
製:商品名「T300」)を使用し、マトリクス樹脂は
エポキシ樹脂を使用した。又、マトリクス樹脂の含有量
は35重量%であった。
【0054】表1に、この比較例の和弓の性能評価を示
す。
【0055】実施例2、3、4 繊維強化プリプレグ層1’の金属繊維4を代え、他は実
施例1と同様にして、図1(A)に示す構成の和弓10
0を作製した。
【0056】金属繊維4は、実施例2では繊維径が10
0μmとされるステンレス繊維を使用し、実施例3では
繊維径が100μmとされるタングステン繊維を使用
し、実施例4では繊維径が100μmとされるアモルフ
ァス繊維を使用した。
【0057】表1に示すように、この実施例の和弓も
又、上記実施例1と同様に、機械的特性に優れていた。
【0058】実施例5 図1(B)に示す構成の和弓100を作製した。芯材1
10としては木材を使用し、この芯材110の内側及び
外側両面に炭素繊維強化樹脂層120c’及びガラス繊
維強化樹脂層120g’を積層した。
【0059】炭素繊維強化樹脂層120c’にて、弓の
横方向に強化繊維を配列した90°方向繊維強化樹脂層
120c90’を形成するためのプリプレグ120cは、
強化繊維として、繊維径が7.0μmとされるPAN系
炭素繊維(東レ株式会社製:商品名「T300」)を使
用し、マトリクス樹脂はエポキシ樹脂を使用した。又、
マトリクス樹脂の含有量は35重量%であった。
【0060】ガラス繊維強化樹脂層120g’にて、弓
の縦方向に強化繊維を配列した0°方向繊維強化樹脂層
120g0 ’と、強化繊維が横方向に配列された90°
方向繊維強化樹脂層120g90’とを形成するためのプ
リプレグ120gはいずれも、強化繊維として、繊維径
が13μmのガラス繊維(旭ファイバーグラス株式会社
製、規格名Eガラス)を使用し、マトリクス樹脂はエポ
キシ樹脂を使用した。又、マトリクス樹脂の含有量は3
5重量%であった。
【0061】一方、90°方向炭素繊維強化樹脂層12
0c90’と90°方向ガラス繊維強化樹脂層120
90’との間に配置される、強化繊維が0°方向に配列
された繊維強化プリプレグ層1’は、図5に示す構成の
繊維強化プリプレグ1にて作製した。つまり、このプリ
プレグ1は、金属繊維4としては繊維径が100μmと
されるチタン繊維を0.7mmピッチで配置して使用
し、第1の異種繊維6Aとしては繊維径が7.0μmと
されるPAN系炭素繊維(東レ株式会社製:商品名「T
300」)を使用し、又、第2の異種繊維6Bとしては
繊維径が13μmのガラス繊維(旭ファイバーグラス株
式会社製、規格名Eガラス)を使用し、マトリクス樹脂
2としてはエポキシ樹脂を使用した。又、重量%で、金
属繊維:第1異種繊維:第2異種繊維:マトリクス樹脂
=16:23:31:30であった。
【0062】この実施例によれば、ガラス繊維強化樹脂
層120g’を通して繊維強化プリプレグ層1’の金属
繊維4が外側より目視でき、美観的にも優れたものであ
った。
【0063】表1に、この実施例の和弓の性能評価を示
す。
【0064】比較例2 実施例5にて繊維強化プリプレグ層1’を形成するため
のプリプレグ1に金属繊維4を使用しなかった以外は、
実施例5と同様にして和弓を作製した。
【0065】表1に、この比較例の和弓の性能評価を示
す。
【0066】実施例6、7、8 繊維強化プリプレグ層1’の金属繊維4を代え、他は実
施例5と同様にして、図1(B)に示す構成の和弓10
0を作製した。
【0067】金属繊維4は、実施例6では繊維径が10
0μmとされるステンレス繊維を使用し、実施例7では
繊維径が100μmとされるタングステン繊維を使用
し、実施例8では繊維径が100μmとされるアモルフ
ァス繊維を使用した。
【0068】表1に示すように、この実施例の和弓も
又、上記実施例5と同様に、機械的特性及び美観ともに
優れていた。
【0069】実施例9 実施例1において、炭素繊維強化樹脂層120c’を形
成するプリプレグ120cの強化繊維として、繊維径が
10.0μmとされるピッチ系炭素繊維(東燃株式会社
製:商品名「FORCA FT700」)を使用した以
外は、実施例1と同じ材料及び構成の和弓100を製造
した。
【0070】表1に、この実施例の和弓の性能評価を示
す。
【0071】実施例10 実施例1において、金属繊維4としてクロメート処理し
たチタン繊維を使用した以外は、実施例1と同じ材料及
び構成の和弓100を製造した。クロメート処理は、日
本パーカーライジング(株)製のジンクロムR−141
5Aを使用して行ない、被膜量は0.03g/m2 であ
った。
【0072】表1に、この実施例の和弓の性能評価を示
す。
【0073】実施例11 実施例2において、金属繊維4としてリン酸亜鉛処理し
たステンレス繊維を使用した以外は、実施例2と同じ材
料及び構成の和弓100を製造した。リン酸亜鉛処理
は、日本パーカーライジング(株)製のパルポンドL−
3080を使用して行ない、被膜量は1.0g/m2
あった。
【0074】表1に、この実施例の和弓の性能評価を示
す。
【0075】実施例12 実施例1において、芯材110を使用しなかった以外
は、実施例1と同様にして、即ち、図2に示す構成の和
弓100を製造した。
【0076】表1に、この実施例のアーチェリーの性能
評価を示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の和弓は、
複数層からなる繊維強化樹脂層の間又は最外層などに、
強化繊維として金属繊維及び金属繊維以外の異種繊維を
有した繊維強化プリプレグ層を有しているために、曲げ
及び捩れ強度、弾性率、剛性、靭性などの機械的特性が
大幅に向上し、折れ難く、より速い弓返りや矢飛び、更
には的中率の向上を図ることができ、しかも美観的にも
優れているという特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る和弓の一実施例の一部拡大縦断面
図である。
【図2】本発明に係る和弓の他の実施例の一部拡大縦断
面図である。
【図3】従来の和弓の一例を示す一部拡大断面図であ
る。
【図4】本発明に従った繊維強化プリプレグの一実施例
の断面構成図である。
【図5】本発明に従った繊維強化プリプレグの他の実施
例の断面構成図である。
【図6】図5に示す繊維強化プリプレグを作製するため
の一つの製造方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 繊維強化プリプレグ 2 マトリクス樹脂 4 金属繊維 6(6A、6B) 異種繊維 1’ 繊維強化プリプレグ層 110 芯材 120’ 繊維強化樹脂層 120c’ 炭素繊維強化樹脂層 120g’ ガラス繊維強化樹脂層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層された複数の繊維強化樹脂層を有す
    る和弓において、強化繊維として金属繊維及び金属繊維
    以外の異種繊維を有した繊維強化プリプレグ層を、少な
    くとも前記繊維強化樹脂層の間又は最外層に、1層或は
    複数層設けたことを特徴とする和弓。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104191471A (zh) * 2014-09-22 2014-12-10 广州厚邦木业制造有限公司 一种高强度杨木单板层积材及其制造方法
CN104493917A (zh) * 2014-12-02 2015-04-08 东北林业大学 一种碳纤维布增强杨木单板层积材及其制备方法

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