JPH0514897Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シフトレバー装置のシフトア
ームの先端にシフトケーブルを取付けるために使
用されるシフトケーブル取付用接手に関するもの
である。

（従来の技術） シフトレバーと変速機とをシフトケーブルを介
して接続する形式のシフトレバー装置において
は、シフトアームの先端に前後左右のいずれの方
向にも追従して動けるようにシフトケーブルを取
付ける必要がある。このため、従来はシフトアー
ムの先端に球状部を形成しておき、内面を球面と
した金具でこの球状部を外側から保持させてこの
金具にシフトケーブルを取付ける構造が採用され
ている。しかしこの金具の上部には球状部の脱け
止め用のピン等を取付ける必要があり、組立てが
面倒であること、金属製の球状部と金具とを直接
接触させた場合には当たり音やガタが発生し易い
こと等の問題があつた。

（考案は解決しようとする問題点） 本考案は上記のような従来の問題点を解決し
て、組立てが容易であり、当たり音やガタが発生
するおそれにのないシフトケーブル取付用接手を
目的として完成されたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案はシフトケーブル取付用のロツドの先端
に底面に透孔を持つ筒状体を固着するとともに、
球状内面を持つ弾性保持部とその底部に突出する
弾性係止爪とを備えた合成樹脂製のブツシユを、
その弾性係止爪を透孔に係合させることにより筒
状体の内部に嵌込み、嵌込みにより縮径された弾
性保持部にシフトアームの先端球状部を嵌合保持
させたことを特徴とするものである。

（実施例） 次に本考案を図示の実施例によつて更に詳細に
説明すると、第２図において１は自動車のフロア
パネル等に取付けられるベース、２はその隆起部
３の上面に取付けられたシフトレバー装置、４は
そのシフトレバー、５はシフトレバー４の下端の
シフトアーム、６はその先端球状部である。ベー
ス１の端部７には金具８が取付けられており、こ
の金具８の内部には端部にシフトケーブル９が取
付けられたロツド１０がスライド自在に支持され
ている。

第１図に示すように、このシフトケーブル取付
用のロツド１０の先端には底面に円形の透孔１１
を持つ筒状体１２が固着されている。１３はこの
筒状体１２の内部に嵌込まれる合成樹脂製のブツ
シユであり、例えばポリアセタール樹脂のような
弾性と滑性に優れた材料が選択される。図示のよ
うに、ブツシユ１３は球状内面１４を持つ弾性保
持部１５と、その底部に突出するテーパ状の弾性
係止爪１６とを備えたもので、その外周面は筒状
体１２と透孔１１との内周面に密着できる形状と
されている。また弾性保持部１５の上半部にはス
リツト１７が形成されてフリー状態では上部開口
がやや外向きに開き、ブツシユ１３を筒状体１２
に嵌込んだときには上部開口がやや内向きに閉じ
ることができるようになつている。更にまた弾性
係止爪１６にもスリツト１８は形成されており、
ブツシユ１３は底部に突出する弾性係止爪１６を
筒状体１２の透孔１１に嵌合させることによつて
第２図に示すように筒状体１２の内部にワンタツ
チで嵌込むことができる構造となつている。そし
て前記したシフトアーム５の先端球状部６を合成
樹脂の弾性を利用してブツシユ１３の弾性保持部
１５に嵌込んだうえで、上記のようにブツシユ１
３を筒状体１２内に嵌込めば、先端球状部６を嵌
込みにより縮径された弾性保持部１５によつて確
実に保持され、上方へ抜けることができない状態
となる。

（作用） このように構成されたものは、シフトレバー４
の操作によりその下端のシフトアーム５を前後方
向に移動させれば、その先端球状部６が合成樹脂
製のブツシユ１３に嵌合された状態で筒状体１２
の内部に保持されているため、筒状体１２も移動
してシフトケーブル取付用のロツド１０及びこれ
に取付けられたシフトケーブル９を前後方向に動
かし、変速動作が行われることとなる。またシフ
トレバー４を横方向に動かすセレクト操作により
先端球状部６が横方向に移動した場合にも、ブツ
シユ１３の球状内面１４との間で滑りが生じて、
筒状体１２は金具８を中心として水平面内で滑ら
かに回転運動を行うことができる。

このように本考案においては、シフトアーム５
の先端球状部６が合成樹脂製のブツシユ１３の球
状内面１４により回転自在に保持されるので、金
属どうしが直接接触することがなく、当たり音の
発生や摩耗によるガタの発生のおそれがない。ま
た本考案においては、合成樹脂製のブツシユ１３
の弾性保持部１５にフリー状態でシフトアーム５
の先端球状部６を嵌込んだ上、このブツシユ１３
を筒状体１２の内部に嵌込むことにより弾性保持
部１５を縮径させ、先端球状部６の上方への脱落
を防止しているので、従来のように筒状体１２の
上部に抜け止めピン等を装着する必要がなく、部
品点数も少なく組立てが容易な利点がある。

（考案の効果） 本考案は以上の説明からも明らかなように、シ
フト操作を確実に行えることは勿論、部品点数が
少なく組立てが容易であり、また当たり音やガタ
の発生するおそれのないものであるから、従来の
問題点を解消したシフトケーブル取付用接手とし
て、その実用的価値は極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の要部を示す一部切欠
分解斜視図、第２図は使用状態を示す一部切欠正
面図である。 ５……シフトアーム、６……先端球状部、１０
……ロツド、１１……透孔、１２……筒状体、１
３……ブツシユ、１４……球状内面、１５……弾
性保持部、１６……弾性係止爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シフトケーブル取付用のロツド１０の先端に底
   面に透孔１１を持つ筒状体１２を固着するととも
   に、球状内面１４を持つ弾性保持部１５とその底
   部に突出する弾性係止爪１６とを備えた合成樹脂
   製のブツシユ１３を、その弾性係止爪１６を透孔
   １１に係合させることにより筒状体１２の内部に
   嵌込み、嵌込みにより縮径された弾性保持部１５
   にシフトアーム５の先端球状部６を嵌合保持させ
   たことを特徴とするシフトケーブル取付用接手。