JPS5926122Y2 - ロツド連結用ブツシユ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、被連結部材に穿設された長孔に嵌合されるロ
ッドの一端を長孔に沿って摺動自在に内するロッド連結
用ブツシュに関する。

自動車のドアロックは、一般に、車外側のアウトサイド
ハンドルか又は車内側のインサイドハンドルのいずれか
を操作することにより操作レバーを解放方向に回動させ
、ドアロックと車体との噛合状態を解除し得るようにし
である。

そして、両ハンドルのいずれか一方を操作したとき、他
方のハンドルが連動しないようにするため、種々の手段
が用いられている。

そのうちの一つの手段として、例えば第１図及び第２図
に示す第１従来例のように、操作レバーａに円弧状の長
孔すを穿設し、これに、ロッドＣの一端に折曲形成した
横向軸部ｄを摺動自在に嵌合し、かつロッドＣの他端を
インサイドハンドル又はアウトサイドハンドルに連係し
たものがある。

しかし、このような長孔すと横向軸部ｄとの単純な構成
では、横向軸部ｄが長孔すに沿って円滑に摺動せず、い
わゆるかみつき現象を起こしたり、横向軸部ｄが長孔す
から外れやすい等の欠点がある。

そのため、第３図及び第４図に示す第２従来例、又は第
５図及び第６図に示す第３従来例のように、ロッドＣ′
の一端に横向穿設した有頭ピンｅに、単なる筒状のブツ
シュｇ、又は一端に拡径フランジｉを有するブツシュｈ
を回転自在に外嵌し、このブツシュｇ又はブツシュｈを
、操作レバーａに穿設した長孔すに摺動自在及び転動自
在に嵌合し、これらのブツシュｇ、ｈで゛ピンｅを案内
することが考えられる。

しかし、このような構成では、上述のような摺動の悪さ
や外れやすさは解消できるが、操作レバーａの前後面が
ピンｅの頭部ｆやロッドＣ′の後面又はブツシュｈの拡
径フランジｉ等に当接し、前後方向のがたを生じ、やは
り円滑さに欠けるという欠点がある。

また、第３従来例の場合、長孔すの縁部によって拡径フ
ランジｉが傷つけられやすいという欠点や、拡径フラン
ジｉが長孔すの端末部分に引掛り作動量を変えてしまっ
たり、拡径フランジｉが大型化し、その分だけ材料費が
増大するという欠点もある。

本考案は、上述のような従来構造の欠点を除去したロッ
ド連結用ブツシュを提供することを目的とするもので、
その特徴とするところは、被連結部材に穿設された長孔
内に嵌合される嵌合部の外形を、長軸が長孔の長手方向
を向き、かつ短軸の寸法を長孔の周長辺縁間の間隔にほ
ぼ等しくした長円形または楕円形とし、かつ嵌合部の一
端に、前記長軸の方向と交差する方向を向くフィンを連
結したことにある。

しかして、本考案においては、ブツシュの嵌合部の外径
を長円形又は楕円形としたことにより、ブツシュ全体が
長孔内においてまわり止めされ、これによって、フィン
が長孔の長手方向を向くように回動してしまい長孔から
外れるという恐れはなくなる。

以下本考案を、第７図乃至第１０図に示す実施例に基づ
いて説明する。

この実施例においては、本考案を自動車のドアロックに
おける操作レバーと、インサイドハンドルに連係された
ロッドとの連結に適用した場合のものとしである。

１は、ドアロックの基板２に軸３をもって枢着された被
連結部材をなす操作レバーで、軸３を中心として解放方
向、すなわち第７図における時計方向に回動させられる
ことにより、ドアロックの他のレバーを介して、ドアロ
ックと車体との噛合状態を解除させることができるよう
になっている。

なお、ドアロックの全体構成については本考案に直接関
係しないため、その図示及び詳細な説明は省略する。

軸３の下方における操作レバー１の適所には、軸３を曲
率中心とする円弧状の長孔４が穿設されている。

５はロッドで、その一端には前後方向をなすピン６の前
端がかしめ着されている。

ピン６は、ロッド５より後方に向けて直角に突出する軸
部６ａと、その後端に連設された拡径頭部６ｂとを備え
ており、拡径頭部６ｂが操作レバー１の長孔４の後面縁
部に嵌合するように、軸部６ａは長孔４内に嵌合されて
いる。

ピン６の軸部６ａには、６ナイロン、６−６ナイロン等
の適度の弾性を有する合成樹脂材料よりなるブツシュ７
が外嵌されている。

ブツシュ７は、操作レバー１の長孔４内に嵌合された嵌
合部７ａと、この嵌合部７ａの前端に連設された上下方
向を向く上下１対のフィン７ｂ。

７ｂとからなっている。

嵌合部７ａの外形は、長軸が長孔４の長手方向を向き、
かつ短軸の寸法を長孔の同長辺縁４ａ。

４ａ間の間隔にほぼ等しくした長円形又は楕円形としで
ある。

また、フィン７ｂ、７ｂの遊端は、嵌合部７ａのフィン
７ｂ、７ｂが連設される前端とは反対側の端部帯りに傾
斜するように若干湾曲され、常時長孔４の前縁部外周に
圧接されている。

ロッド５の他端は、インサイドハンドル（図示路）に連
係され、このインサイドハンドルによりロッド５を第７
図における左方に牽引することにより、ピン６及びブツ
シュ７を介して操作レバー１を解放方向に回動させ、ド
アロックの噛合状態を解除することができる。

また、操作レバー１がアウトサイドハンドル（図示路）
等の他のハンドル操作により解放方向に回動させられた
ときには、ピン６及びブツシュ７が長孔４内を相対的に
遊動するだけで、操作レバー１の動きはロッド５を介し
てインサイドハンドルに伝えられることはない。

このように、ピン６が長孔４に沿って移動する場合、ブ
ツシュ７の嵌合部７ａの外周面における上面と下面とが
長孔４の長縁部４ ａ、 ４ ａに接し、かつフィン７
ｂ、７ｂの遊端部後面が長孔４の前縁上下部に弾力的に
接した状態で、ブツシュ７は長孔４に沿って円滑に摺動
することができる。

以上から明らかなように、本考案においては、ブツシュ
７の嵌合部７ａの外形を上述のような長円形又は楕円形
としであるので、ブツシュ７は長”ＪＬＪ内においてま
わり止めされ、フィン７ｂ、７ｂが長孔４の長手方向に
向くように回動して長孔４から外れるのを防止し得ると
いう作用、効果がある。

したがって、ブツシュ７のフィン７ｂ、７ｂを、上述の
第３従来例の拡径フランジｉのように嵌合部７ａの全周
にわたって設ける必要がなく、嵌合部７ａの長軸と交差
する方向にｌ対だけ設ければ足り、ブツシュ７の材料費
を節約できるとともに、フィン７ｂ、７ｂか゛回転しな
いので゛、フィン７ｂ。

７ｂが長孔４の周縁部によって傷つけられたり、いわゆ
るかみつき現象を起こしたりする恐れもない また、本考案においては、ブツシュ７の嵌合部７ａを長
円形又は楕円形としであるので、摩耗の進行が円形のも
のに比して遅く、またたとえ摩耗してがたが生じたとし
ても、嵌合部７ａが長円形又は楕円形であるので、長孔
４の長辺縁４ａ、４ａとの接触点が若干ずれるだけで長
孔４に沿って円滑に摺動することができ、かつまわり止
めの作用も損なわれることはないという利点がある。

なお、上述の実施例のように、ブツシュ全体を適度の弾
性を有する材料より形成し、フィンの遊端を嵌合部のフ
ィン連設側とは逆の端部側に傾斜させておけば、フィン
の遊端をもって操作レバーの前面を圧接し、操作レバー
とブツシュとピンとロッドとの前後方向のがたを防止す
ることができる。

本考案は、以上説明したとおりのものであるが、上述の
実施例にのみ制限されるものではなく、ロッドの一端を
被連結レバーに穿設した長孔に摺動自在に嵌合させるよ
うにしたすべての摺動機構に適用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の自動車用ドアロックの操作レバーとロ
ッドとの連結部を示す第１従来例の正面図、第２図は、
第１図のＩＩ −ＩＩ線断面図、第３図は、第２従来例
の第１図と同様な部分を示す正面図、第４図は、第３図
のＩＶ−ＩＶ線断面図、第５図は、第３従来例の第１図
と同様な部分を示す正面図、第６図は、第５図のＶＩ−
ＶＩ線断面図、第７図は、本考案の一実施例である自動
車用ドアロックの操作レバーとロッドとの連結部を示す
正面図、第８図は、第７図（７）Ｖｌｌｌ−Ｖｌｌｌ線
断面図、第９図は、ブツシュの正面図、第１０図は、ブ
ツシュの側面図である。 １・・・・・・操作レバー、４・・・・・・長孔、４ａ
・・・・・・長辺縁、５・・・・・・ロッド、６・・・
・・・ピン、７・・・・・・ブツシュ、７ａ・・・・・
・嵌合部、７ｂ・・・・・・フィン。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ロッドの一端より横向き突出する軸に外嵌される
   とともに、被連結部材に穿設された長孔内に摺動自在に
   嵌合され、前記ロッドの一端が前記長孔に沿って摺動す
   るのを案内するロッド連結用ブツシュであって、前記長
   孔内に嵌合された嵌合部の外径を、長軸が前記長孔の長
   手方向を向き、かつ短軸の寸法を長孔の同長辺縁間の間
   隔にほぼ等しくした長円形又は楕円形とし、かつ前記嵌
   合部の一端に、前記長軸の方向と交差する方向を向くフ
   ィンを連設したことを特徴とするロッド連結用ブツシュ
   。
2. （２）フィンを弾性材料よりなるものとするとともに、
   フィンの遊端を嵌合部のフィン連設側とは逆の端部側に
   傾斜させたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   （１）項に記載のロッド連結用ブツシュ。