JPH05148317A - オレフイン重合用触媒およびオレフインの重合方法 - Google Patents

オレフイン重合用触媒およびオレフインの重合方法

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JPH05148317A
JPH05148317A JP3316671A JP31667191A JPH05148317A JP H05148317 A JPH05148317 A JP H05148317A JP 3316671 A JP3316671 A JP 3316671A JP 31667191 A JP31667191 A JP 31667191A JP H05148317 A JPH05148317 A JP H05148317A
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井 俊 之 筒
Takeshi Yoshiji
次 健 吉
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 分子量が大きくかつ分子量分布および組成分
布の狭いオレフィン重合体を高い重合活性で製造するこ
と。 【構成】 オレフィン重合用触媒は、[A]一般式
MLx …[I]で表される遷移金属化合物と;
〔式[I]において、MはIVB族から選ばれる遷移金属
原子であり、LはMに配位する配位子であり、少なくと
も1個の配位子Lは、C1〜10の炭化水素基からなる
置換基R1 と、C2〜10の炭化水素基からなる置換基
2 (ここでR1 とR2 とは異なる)とを有するシクロ
ペンタジエニル基であり、シクロペンタジエニル基以外
の配位子Lは、C1〜12の炭化水素基、アルコキシ
基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、トリアルキルシリ
ル基または水素原子であり、XはMの原子価である。)
[B]有機アルミニウムオキシ化合物とからなる。これ
らに加えて、[C]有機アルミニウム化合物、および/
または、[D]微粒子状担体とから形成されていてもよ
く、これらにオレフィンが予備重合された予備重合触媒
であってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、オレフィン重合用触媒お
よびこの触媒を用いたオレフィンの重合方法に関し、さ
らに詳しくは、分子量が大きくかつ分子量分布および組
成分布の狭いオレフィン重合体を高い重合活性で製造す
ることができるオレフィン重合用触媒およびこの触媒を
用いたオレフィンの重合方法に関する。
【0002】なお、本発明において「重合」という語
は、単独重合のみならず、共重合を包含した意で用いら
れることがあり、また「重合体」という語は単独重合体
のみならず共重合体を包含した意で用いられることがあ
る。
【0003】
【発明の技術的背景】フィルム用途に多く用いられるポ
リエチレン、エチレン・α-オレフィン共重合体などの
オレフィン系重合体は、従来から、チタン化合物と有機
アルミニウム化合物とからなるチタン系触媒あるいはバ
ナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバ
ナジウム系触媒などの遷移金属系触媒で製造されてい
る。
【0004】近年、このような遷移金属系触媒として、
新たに、エチレンとα-オレフィンとを高い重合活性で
共重合させることのできるジルコニウム化合物と有機ア
ルミニウムオキシ化合物とからなるジルコニウム系触媒
が提案されている。このようなジルコニウム系触媒を用
いるエチレン・α-オレフィン共重合体の製造方法は、
たとえば特開昭58−19309号公報、特開昭60−
35005号公報、特開昭60−35006号公報、特
開昭60−35007号公報、特開昭60−35008
号公報などに提案されている。
【0005】これらの公報に開示されたジルコニウム系
触媒を用いると、この触媒が出現する前から知られてい
る前記のような遷移金属化合物と有機アルミニウム化合
物から形成される触媒を用いる場合に比べて、高い重合
活性で、オレフィン特にエチレンを重合させることがで
きるが、分子量の高い重合体を得難いという問題点があ
る。
【0006】ところで、フィルム用途に用いられるオレ
フィン系重合体は強度および透明性に優れるとともに耐
ブロッキング性にも優れることが望まれるが、分子量が
高くかつ分子量分布および組成分布の狭いオレフィン系
(共)重合体は、強度、透明性および耐ブロッキング性
に優れることが知られている。
【0007】このため、オレフィンを高い重合活性で重
合させることができ、分子量が高くかつ分子量分布およ
び組成分布の狭いオレフィン系(共)重合体を高収率で
製造しうるオレフィン重合用触媒および重合方法の出現
が望まれていた。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、オレフィンを高い重合活性で
重合させることができ、分子量が高く分子量分布の狭い
オレフィン重合体を製造することができるとともに、2
種以上のオレフィンの共重合体を製造する場合には、組
成分布の狭いオレフィン共重合体を製造することができ
るようなオレフィン重合用触媒およびこのような触媒を
用いるオレフィンの重合方法を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るオレフィン重合用触媒は、
[A]下記式[I]で表される遷移金属化合物と; MLx …[I] 〔式[I]において、MはIVB族から選ばれる遷移金属
原子であり、Lは遷移金属原子Mに配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも1個の配位子Lは、炭素数
1〜10の炭化水素基からなる置換基R1 と、炭素数2
〜10の炭化水素基からなる置換基R2 (ここでR1
2 とは異なる)とを有するシクロペンタジエニル基で
あり、シクロペンタジエニル基以外の配位子Lは、炭素
数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ
基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基または水素原
子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価である。)
[B]有機アルミニウムオキシ化合物とからなることを
特徴としている。
【0010】本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上
記のような[A]遷移金属化合物と[B]有機アルミニ
ウムオキシ化合物に加えて、必要に応じて、[C]有機
アルミニウム化合物、および/または、[D]微粒子状
担体とから形成されていてもよい。
【0011】さらに本発明に係るオレフィン重合用触媒
は、これらにオレフィンが予備重合された予備重合触媒
であってもよい。また、本発明に係るオレフィンの重合
方法は、上記のような触媒の存在下にオレフィンを重合
または共重合させることを特徴としている。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るオレフィン重
合用触媒およびこの触媒を用いたオレフィンの重合方法
について具体的に説明する。
【0013】まず本発明に係るオレフィン重合用触媒を
形成している下記式[I]で表される遷移金属化合物
[A]について説明する。 MLx …[I] 式[I]において、MはIVB族から選ばれる遷移金属原
子であり、具体的に、ジルコニウム、チタンまたはハフ
ニウムである。Xは遷移金属原子Mの原子価である。
【0014】Lは遷移金属原子Mに配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも1個の配位子Lは、(i) 炭
素数1〜10の炭化水素基からなる置換基R1 と、(ii)
炭素数2〜10の炭化水素基からなる置換基R2 とを有
するシクロペンタジエニル基であり、これらの置換基R
1 と置換基R2 とは互いに異なる。
【0015】このような(i) 炭素数1〜10の炭化水素
基からなる置換基R1 としては、具体的に、アルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基など
を例示することができる。より具体的には、メチル基、
エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル
基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、
デシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリ
ル基などのアリール基、ベンジル基、ネオフィル基など
のアラルキル基を例示することができる。
【0016】また(ii)炭素数2〜10の炭化水素基から
なる置換基R2 としては、具体的に、メチル基を除いて
上記(i) 置換基R1 と同様の炭化水素基を例示すること
ができる。
【0017】これらの炭化水素基は、ハロゲン原子、ト
リアルキルシリル基で置換されていてもよい。上記のよ
うな互いに異なる置換基R1 およびR2 を有するシクロ
ペンタジエニル基において、該置換基R1 とR2 とは、
シクロペンタジエニル基を形成している炭素原子に、
1,2−位、あるいは1,3−位で結合している。
【0018】このような置換シクロペンタジエニル基
は、具体的に、下記式で表される。
【0019】
【化1】
【0020】上記式において、便宜上、置換基R1 の置
換位置を1−位として表したが、置換基R2 の置換位置
を1−位としてもよいことはいうまでもない。このよう
な互いに異なる置換基R1 およびR2 を有するシクロペ
ンタジエニル基としては、たとえば、メチルエチルシク
ロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエ
ニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチル
ヘキシルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシク
ロペンタジエニル基、エチルブチルシクロペンタジエニ
ル基、メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル基、
エチルヘキシルシクロペンタジエニル基などを例示する
ことができる。
【0021】本発明では、このような置換シクロペンタ
ジエニル基において、置換基R1 と置換基R2 とでは、
その炭素数が2以上異なっていることが好ましく、さら
にR 1 およびR2 のいずれか一方がメチル基であること
が特に好ましい。
【0022】また上記式[I]において、遷移金属原子
Mに配位する置換シクロペンタジエニル基以外の配位子
Lは、炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、ア
リーロキシ基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基ま
たは水素原子である。
【0023】このような炭素数1〜12の炭化水素基と
しては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
アラルキル基などを例示することができ、より具体的に
は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル
基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル
基、トリル基などのアリール基、ベンジル基、ネオフィ
ル基などのアラルキル基を例示することができる。
【0024】また、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、
n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-
ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ
基などを例示することができる。
【0025】アリーロキシ基としては、フェノキシ基な
どを例示することができ、ハロゲン原子としては、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素を例示することができる。
【0026】上記のような式[I]で表される[A]遷
移金属化合物は、遷移金属の原子価が4である場合に
は、より具体的には、下記式[II]で表される。
【0027】 R3 a4 b5 c6 dM …[II] 式[II]中、Mはジルコニウム、チタンまたはハフニウ
ムである。R3 は上記置換シクロペンタジエニル基であ
る。
【0028】R4 、R5 およびR6 は、それぞれR3
同様の置換シクロペンタジエニル基、アルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ
基、アリーロキシ基、ハロゲン原子または水素原子から
なる群から選ばれる基または原子である。
【0029】またaは1以上の整数であり、a+b+c
+d=4である。本発明において好ましく用いられる
[A]遷移金属化合物は、上記式[II]においてR3
4 、R5 およびR6のうち少なくとも2個、すなわち
3 とR4 が置換シクロペンタジエニル基である化合物
である。この2個の置換シクロペンタジエニル基は、エ
チレン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリ
デン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シ
リレン基、ジメチルシリレン、ジフェニルシリレンなど
の置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
【0030】以下に、本発明で用いられる式[I]で表
される遷移金属化合物を、Mがジルコニウムである場合
について、具体的に例示する。ビス(1-メチル-3-エチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(1-メチル-3-プロピルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジメチル、ビス(1-メチル-3-プロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロリド、ビス
(1-メチル-3-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(1-メチル
-3-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチル
クロリド、ビス(1-メチル-3-ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-ブ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロ
リド、ビス(1-メチル-3-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメトキシド、ビス(1-エチル-3-ブ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-ベンジル-3-メチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-ヘキシルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(1-メチル-3-シクロヘキシルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(1-エチル-3-ヘキシル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(1-メチル-2-エチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(1-メチル-2-プロピルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(1-メチル
-2-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチ
ルクロリド、ビス(1-メチル-2-プロピルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-2
-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、ビス(1-メチル-2-ブチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムメチルクロリド、ビス(1-メチル-2-ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(1-メチル-2-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムエトキシクロリド、ビス(1-メチル-2-ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジメトキシド、ビス
(1-エチル-2-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(1-ベンジル-2-メチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチ
ル-2-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(1-メチル-2-シクロヘキシルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-エチ
ル-2-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド。
【0031】これらのうち、特に下記の化合物が好まし
い。ビス(1-メチル-3-プロピルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(1-メチル-3-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド。
【0032】なお例示化合物において、上述したように
シクロペンタジエニル基の1,3−位に結合しているそ
れぞれの置換基を交換して記載することもできる。たと
えば、1-メチル-3-エチルシクロペンタジエニルを、1-
エチル-3-メチルシクロペンタジエニルとして例示する
こともできる。1,2−位に結合した置換基についても
同様である。
【0033】また、本発明では[A]遷移金属化合物と
して、上記のようなジルコニウム化合物において、ジル
コニウムを、チタンまたはハフニウムに置換えた遷移金
属化合物を用いることもできる。
【0034】次に本発明に係るオレフィン重合用触媒を
形成している[B]有機アルミニウムオキシ化合物につ
いて説明する。本発明で用いられる[B]有機アルミニ
ウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノオキサンであ
ってもよく、またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物であってもよい。
【0035】従来公知のアルミノオキサンは、たとえば
下記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などを懸濁した炭化水素溶媒に、
トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合
物を添加して反応させて炭化水素の溶液として回収する
方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接水や氷や水蒸気を
作用させて炭化水素の溶液として回収する方法。
【0036】なお、該アルミノオキサンは、少量の有機
金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアル
ミノオキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミ
ニウム化合物を蒸留して除去した後、得られるアルミノ
オキサンを溶媒に再溶解してもよい。
【0037】アルミノオキサンの溶液を製造する際に用
いられる有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアル
ミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert
- ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、ト
リヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、
トリデシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニ
ウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリアル
キルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジ
エチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブ
ロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジア
ルキルアルミニウムハライド;ジエチルアルミニウムハ
イドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドな
どのジアルキルアルミニウムハイドライド;ジメチルア
ルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシ
ドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;ジエチ
ルアルミニウムフェノキシドなどのジアルキルアルミニ
ウムアリーロキシドなどを挙げることができる。
【0038】これらのうち、トリアルキルアルミニウム
が特に好ましい。また、有機アルミニウム化合物とし
て、下記一般式[III]で表わされるイソプレニルアル
ミニウムを用いることもできる。
【0039】 (i-C49xAly(C510z …[III] (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xであ
る。)上記のような有機アルミニウム化合物は、単独で
あるいは組合せて用いられる。
【0040】アルミノオキサンの溶液に用いられる溶媒
としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シ
メンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オ
クタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シ
クロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタン
などの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石
油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、
脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭
素化物などの炭化水素溶媒を挙げることができる。その
他、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳
香族炭化水素が好ましい。
【0041】本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物は、たとえばアルミノオキサ
ンの溶液と、水または活性水素含有化合物とを接触させ
る方法、あるいは上記のような有機アルミニウムと水と
を接触させる方法などによって得ることができる。
【0042】ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ
化合物を得る第1の方法では、アルミノオキサンの溶液
と、水または活性水素含有化合物とを接触させる。活性
水素含有化合物としては、メタノール、エタノール、n-
プロパノール、イソプロパールなどのアルコール類、エ
チレングリコール、ヒドロキノン等のジオール類、酢
酸、プロピオン酸などの有機酸類等が用いられる。この
うちアルコール類、ジオール類が好ましく、特にアルコ
ール類が好ましい。
【0043】アルミノオキサンの溶液と接触させる水ま
たは活性水素含有化合物は、ベンゼン、トルエン、ヘキ
サンなどの炭化水素溶媒、テトラヒドロフランなどのエ
ーテル溶媒、トリエチルアミンなどのアミン溶媒などに
溶解あるいは分散させて、あるいは、蒸気または固体の
状態で用いることができる。また水として、塩化マグネ
シウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸
銅、硫酸ニッケル、硫酸鉄、塩化第1セリウムなどの塩
の結晶水あるいはシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウ
ムなどの無機化合物またはポリマーなどに吸着した吸着
水などを用いることもできる。
【0044】アルミノオキサンの溶液と、水または活性
水素含有化合物との接触反応は、通常溶媒中、たとえば
炭化水素溶媒中で行なわれる。このような炭化水素溶媒
としては、前述した炭化水素が用いられる。これらの溶
媒のうちでは、芳香族炭化水素が特に好ましい。
【0045】該接触反応に用いられる水または活性水素
含有化合物は、アルミノオキサンの溶液中のAl原子に
対して0.1〜5モル、好ましくは0.2〜3モルの量で
用いられる。反応系内の濃度は、Al原子に換算して、
通常1×10-3〜5グラム原子/リットル、好ましくは
1×10-2〜3グラム原子/リットルの範囲であること
が望ましく、また反応系内の水の濃度は、通常2×10
-4〜5モル/リットル、好ましくは2×10-3〜3モル
/リットルの濃度であることが望ましい。
【0046】アルミノオキサンの溶液と、水または活性
水素含有化合物とを接触させる方法としては、具体的に
は下記のような方法が挙げられる。 (1)アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含
有化合物を含む炭化水素溶媒とを接触させる方法。 (2)アルミノオキサンの溶液に、水または活性水素含
有化合物の蒸気を吹込むなどして、アルミノオキサンと
蒸気とを接触させる方法。 (3)アルミノオキサンの溶液と、水または氷あるいは
活性水素含有化合物を直接接触させる方法。 (4)アルミノオキサンの溶液と、吸着水含有化合物ま
たは結晶水含有化合物の炭化水素懸濁液あるいは活性水
素含有化合物が吸着された化合物の炭化水素懸濁液とを
混合して、アルミノオキサンと吸着水または結晶水とを
接触させる方法。
【0047】なお、上記のようなアルミノオキサンの溶
液は、アルミノオキサンと水または活性水素含有化合物
との反応に悪影響を及ぼさない限り、他の成分を含んで
いてもよい。
【0048】アルミノオキサンの溶液と、水または活性
水素含有化合物との接触反応は、通常−50〜150
℃、好ましくは0〜120℃、より好ましくは20〜1
00℃の温度で行なわれる。また反応時間は、反応温度
によっても大きく変わるが、通常0.5〜300時間、
好ましくは1〜150時間程度である。
【0049】ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ
化合物を得る第2の方法では、有機アルミニウムと水と
を接触させる。水は反応系内に溶解している有機アルミ
ニウム原子が全有機アルミニウム原子に対して20%以
下となるような量で用いられる。
【0050】有機アルミニウム化合物と接触させる水
は、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素溶
媒、テトラヒドロフランなどのエーテル溶媒、トリエチ
ルアミンなどのアミン溶媒などに溶解または分散させ
て、あるいは水蒸気または氷の状態で用いることができ
る。また水として、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウ
ム、硫酸アルミニウム、硫酸銅、硫酸ニッケル、硫酸
鉄、塩化第1セリウムなどの塩の結晶水あるいはシリ
カ、アルミナ、水酸化アルミニウムなどの無機化合物あ
るいはポリマーなどに吸着した吸着水などを用いること
もできる。
【0051】有機アルミニウム化合物と水との接触反応
は、通常、炭化水素溶媒中で行なわれる。この炭化水素
溶媒としては、前述した炭化水素溶媒が用いられる。こ
れらの溶媒のうち、芳香族炭化水素が特に好ましい。
【0052】反応系内の有機アルミニウム化合物の濃度
は、アルミニウム原子に換算して通常1×10-3〜5グ
ラム原子/リットル、好ましくは1×10-2〜3グラム
原子/リットルの範囲であることが望ましく、また反応
系内の水の濃度は、通常1×10-3〜5モル/リット
ル、好ましくは1×10-2〜3モル/リットルの濃度で
あることが望ましい。この際、反応系内に溶解している
有機アルミニウム原子が、全有機アルミニウム原子に対
して20%以下、好ましくは10%以下、より好ましく
は0〜5%であることが望ましい。
【0053】有機アルミニウム化合物と水とを接触させ
る方法として、具体的には下記のような方法が挙げられ
る。 (1)有機アルミニウムの炭化水素溶液と水を含有した
炭化水素溶媒とを接触させる方法。 (2)有機アルミニウムの炭化水素溶液に、水蒸気を吹
込むなどして、有機アルミニウムと水蒸気とを接触させ
る方法。 (3)有機アルミニウムの炭化水素溶液と、吸着水含有
化合物または結晶水含有化合物の炭化水素懸濁液とを混
合して、有機アルミニウムと吸着水または結晶水とを接
触させる方法。 (4)有機アルミニウムの炭化水素溶液と氷を接触させ
る方法。
【0054】なお、上記のような有機アルミニウムの炭
化水素溶液は、有機アルミニウムと水との反応に悪影響
を及ぼさない限り、他の成分を含んでいてもよい。有機
アルミニウム化合物と水との接触反応は、通常−100
〜150℃、好ましくは−70〜100℃、より好まし
くは−50〜80℃の温度で行なわれる。また反応時間
は、反応温度によっても大きく変わるが、通常1〜20
0時間、好ましくは2〜100時間程度である。
【0055】このようなベンゼン不溶性の有機アルミニ
ウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl
成分がAl原子換算で10%以下、好ましくは5%以
下、特に好ましくは2%以下であり、ベンゼンに対して
不溶性あるいは難溶性である。有機アルミニウムオキシ
化合物のベンゼンに対する溶解性は、100ミリグラム
原子のAlに相当する該有機アルミニウムオキシ化合物
を100mlのベンゼンに懸濁した後、攪拌下60℃で
6時間混合した後、ジャケット付G−5ガラス製フィル
ターを用い、60℃で熱時濾過を行ない、フィルター上
に分離された固体部を60℃のベンゼン50mlを用い
て4回洗浄した後の全濾液中に存在するAl原子の存在
量(xミリモル)を測定することにより求められる(x
%)。
【0056】本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物では、該化合物をを赤外分光
法(IR)によって解析して、1220cm-1付近にお
ける吸光度(D1220)と、1260cm-1付近における
吸光度(D1260)との比(D 1260/D1220)が、0.0
9以下、好ましくは0.08以下、特に好ましくは0.0
4〜0.07の範囲にあることが望ましい。
【0057】なお有機アルミニウムオキシ化合物の赤外
分光分析は、以下のようにして行なう。まず、窒素ボッ
クス中で有機アルミニウムオキシ化合物とヌジョールと
を、めのう乳鉢中で磨砕してペースト状にする。次に、
ペースト状となった試料をKBr 板に挾み、窒素雰囲気
下で日本分光社製IR-810によってIRスペクトルを測定
する。このようにして得られたIRスペクトルから、D
1260/D1220を求めるが、このD1260/D1220値は以下
のようにして求める。
【0058】(イ)1280cm-1付近と1240cm
-1付近の極大点を結び、これをベースラインL1とす
る。 (ロ)1260cm-1付近の吸収極小点の透過率(T
%)と、この極小点から波数軸(横軸)に対して垂線を
引き、この垂線とベースラインL1との交点の透過率
(T0%)を読み取り、1260cm-1付近の吸光度
(D1260=log T0/T)を計算する。
【0059】(ハ)同様に1280cm-1付近と118
0cm-1付近の極大点を結び、これをベースラインL2
とする。 (ニ)1220cm-1付近の吸収極小点の透過率(T’
%)と、この極小点から波数軸(横軸)に対して垂線を
引き、この垂線とベースラインL2との交点の透過率
(T0 ’%)を読み取り、1220cm-1付近の吸光度
(D1220=log T 0’/T’)を計算する。
【0060】(ホ)これらの値からD1260/D1220を計
算する。 ベンゼン可溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、D
1260/D1220値が、ほぼ0.10〜0.13の間にあり、
ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、従
来公知のベンゼン可溶性の有機アルミニウムオキシ化合
物と、このD12 60/D1220値で明らかに相違している。
【0061】上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物は、下記式[IV]で表されるアルキ
ルオキシアルミニウム単位(i) を有すると推定される。
【0062】
【化2】
【0063】式中、R7 は炭素数1〜12の炭化水素基
である。このような炭化水素基として、具体的には、メ
チル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-
ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オ
クチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロオクチ
ル基などを例示することができる。これらの中でメチル
基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0064】このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物は、上記式[IV]で表わされるアルキルオキ
シアルミニウム単位(i) の他に、下記式[V]で表わさ
れるオキシアルミニウム単位(ii)を含有していてよい。
【0065】
【化3】
【0066】式中、R8 は、炭素数1〜12の炭化水素
基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20の
アリーロキシ基、水酸基、ハロゲンまたは水素である。
また該R8 および上記式[IV]中のR7 は互いに異なる
基を表わす。
【0067】オキシアルミニウム単位(ii)を含有する場
合には、アルキルオキシアルミニウム単位(i) を30モ
ル%以上、好ましくは50モル%以上、特に好ましくは
70モル%以上の割合で含むアルキルオキシアルミニウ
ム単位を有する有機アルミニウムオキシ化合物が望まし
い。
【0068】本発明に係るオレフィン重合用触媒は、必
要に応じて[C]有機アルミニウム化合物を含有してい
てもよい。このような[C]有機アルミニウム化合物と
しては、たとえば下記式[VI]で表される有機アルミニ
ウム化合物を例示することができる。
【0069】R9 nAlX3-n …[VI] 式中、R9 は炭素数1〜12の炭化水素基であり、Xは
ハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3であ
る。
【0070】このような炭素数1〜12の炭化水素基と
しては、たとえばアルキル基、シクロアルキル基または
アリ−ル基であるが、具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などを例
示することができる。
【0071】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には以下のような化合物が用いられる。トリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイ
ソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシル
アルミニウムなどのトリアルキルアルミニム;イソプレ
ニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;ジメ
チルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロ
リド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブ
チルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロ
ミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;メチルア
ルミニウムセスキクロリド、エチルアウミニウムセスキ
クロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、
ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウ
ムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハ
ライド;メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミ
ニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリ
ド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアル
ミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムハイドライ
ド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアル
キルアルミニウムハイドライドなど。
【0072】また[C]有機アルミニウム化合物とし
て、下記式[VII]で表される化合物を用いることもで
きる。 R9 nAlY3-n …[VII] 式中、R9 は上記式[VI]と同様であり、Yは−OR10
基、−OSiR11 3基、−OAlR12 2基、−NR
13 2基、−SiR14 3基または−N(R15)AlR16 2
である。R10、R11、R12およびR16はメチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル
基、フェニル基などであり、R13は水素、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリ
ル基などであり、R14およびR15はメチル基、エチル基
などである。nは1〜2である。
【0073】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には、以下のような化合物が用いられる。 (i) R9 nAl(OR103-nで表される化合物、たと
えば、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアル
ミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキ
シドなど、 (ii) R9 nAl(OSi R11 33-nで表される化合物、
たとえば、 Et2Al(OSi Me3) (iso-Bu)2Al(OSi Me3) (iso-Bu)2Al(OSi Et3)など、 (iii) R9 nAl(OAlR12 23-nで表される化合
物、たとえば、 Et2AlOAlEt2 (iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2など、 (iv) R9 nAl(NR13 23-nで表される化合物、たと
えば、 Me2AlNEt2 Et2AlNHMe Me2AlNHEt Et2AlN(Si Me32 (iso-Bu)2AlN(SiMe32など、 (V) R9 nAl(Si R14 33-nで表される化合物、た
とえば、 (iso-Bu)2AlSi Me3など、
【0074】
【化4】
【0075】上記一般式[VI]、[VII]で表される有
機アルミニウム化合物の中では、R9 3Al、R9 nAl
(OR103-n 、R9 nAl(OAlR12 23-n で表わ
される有機アルミニウム化合物を好適な例として挙げる
ことができ、R9 がイソアルキル基であり、n=2であ
る化合物が特に好ましい。これらの有機アルミニウム化
合物は、2種以上混合して用いることもできる。
【0076】本発明に係るオレフィン重合用触媒は、好
ましくは[D]微粒子状担体を含有している。このよう
な[D]微粒子状担体としては、II族、III族、IV族か
ら選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物からなる微粒
子状無機担体やポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレンなどの有機物担体が用いられる。
【0077】微粒子状無機担体としては多孔質酸化物が
好ましく、具体的にはSiO2、Al 23、MgO、ZrO
2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2
ど、またはこれらを含む混合物、たとえばSiO2-Mg
O、SiO2-Al23、SiO2-TiO2、SiO2-V25
SiO2-Cr23、SiO2-TiO2-MgOなどを例示する
ことができる。これらの中でSiO2、Al23およびM
gOからなる群から選ばれた少なくとも1種の成分を主
成分として含有する担体が好ましい。
【0078】また[D]微粒子状担体は、平均粒径が通
常1〜300μm、好ましくは10〜200μm範囲であ
ることが望ましく、比表面積は50〜1000m2/g、好
ましくは100〜700m2/gであることが望ましく、細
孔容積は0.3〜2.5cm3/g であることが望ましい。
【0079】このような[D]微粒子状担体では、吸着
水量が1.0重量%未満、好ましくは0.5重量%未満で
あり、表面水酸基が1.0重量%以上、好ましくは1.5
〜4.0重量%、特に好ましくは2.0〜3.5重量%で
あることが望ましい。
【0080】ここで、吸着水量(重量%)および表面水
酸基量(重量%)は下記のようにして求められる。 [吸着水量]200℃の温度で、常圧、窒素流通下で4
時間乾燥させた時の重量減を吸着水量とする。 [表面水酸基量]200℃の温度で、常圧、窒素流通下
で4時間乾燥して得られた担体の重量をX(g)とし、
さらに該担体を1000℃で20時間焼結して得られた
表面水酸基が消失した焼結物の重量をY(g)として、
下記式により計算する。
【0081】
【数1】
【0082】このような特定量の吸着水量および表面水
酸基を有する[D]微粒子状担体を用いることにより、
オレフィンを高い重合活性で重合させることができると
ともに粒子性状に優れたオレフィン重合体を製造し得る
オレフィン重合用触媒を得ることができる。
【0083】本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上
記のような[A]遷移金属化合物、[B]有機アルミニ
ウムオキシ化合物および好ましくは[D]微粒子状担体
さらに必要に応じて[C]有機アルミニウム化合物を接
触させることにより形成される。
【0084】この際、接触順序は任意に選ばれるが、好
ましくは[D]微粒子状担体と、[B]有機アルミニウ
ムオキシ化合物とを混合接触させ、次いで[A]置換シ
クロペンタジエニル基を含むIVB族から選ばれる遷移金
属化合物を混合接触させ、さらに必要に応じて[C]有
機アルミニウム化合物を混合するか、[D]微粒子状担
体と、[B]有機アルミニウムオキシ化合物と[A]置
換シクロペンタジエニル基を含むIVB族から選ばれる遷
移金属化合物との混合物とを混合接触させ、次いで必要
に応じて[C]有機アルミニウム化合物を混合する。
【0085】図1に、本発明に係るオレフィン重合用触
媒の調製工程を示す。成分[A]、成分[B]、成分
[D]および必要に応じて成分[C]を混合するに際し
て、成分[A]は成分[D]1g当り、通常5×10-6
〜5×10-4モル、好ましくは10-5〜2×10-4モル
の量で用いられ、成分[A]の濃度は、約10-4〜2×
10-2モル/リットル、好ましくは2×10-4〜10-2
モル/リットルの範囲である。また、[D]の表面水酸
基(OH)と成分[B]のアルミニウム(Al−B)と
のモル比(OH/Al−B)は、通常0.1〜0.4、好
ましくは0.15〜0.3の範囲である。
【0086】成分[B]のアルミニウムと、成分[A]
中の遷移金属との原子比(Al/遷移金属)は、通常1
0〜500、好ましくは20〜200である。必要に応
じて用いられる成分[C]のアルミニウム原子(Al−
C)と成分[B]のアルミニウム原子(Al−B)の原
子比(Al−C/Al−B)は、通常0.02〜3、好
ましくは0.05〜1.5の範囲である。成分[A] 、
成分[B]、成分[D]および必要に応じて成分[C]
を混合する際の混合温度は、通常−50〜150℃、好
ましくは−20〜120℃であり、接触時間は1〜10
00分間、好ましくは5〜600分間である。特に、成
分[D] と成分[B]との反応温度は、通常50〜1
20℃、好ましくは60〜100℃である。また、混合
接触時には混合温度を変化させてもよい。
【0087】上記接触は、下記のような不活性炭化水素
溶媒中で行うことができる。プロパン、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水
素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタ
ンなどのハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合物。
【0088】上記のようにして得られた本発明のオレフ
ィン重合用触媒は、成分[D]1g当り約5×10-6
5×10-4グラム原子、好ましくは10-5〜2×10-4
グラム原子の遷移金属原子が担持され、また約10-3
5×10-2グラム原子、好ましくは2×10-3〜2×1
-2グラム原子のアルミニウム原子が担持されているこ
とが望ましい。
【0089】本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上
記のような成分[A]、成分[B]、成分[D]および
必要に応じて成分[C]にオレフィンを予備重合させて
得られる予備重合触媒であってもよい。予備重合に際し
ては、上記[A]遷移金属化合物は、通常10-6〜2×
10-2モル/リットル、好ましくは5×10-5〜10 -2
モル/リットルの量で用いられ、予備重合温度は−20
〜80℃、好ましくは0〜50℃であり、また予備重合
時間は0.5〜100時間、好ましくは1〜50時間程
度である。
【0090】予備重合に用いられるオレフィンは、重合
時に用いられるオレフィンの中から選ばれるが、好まし
くはエチレンを主成分とする。さらに予備重合によって
生成する重合体量は、成分[D]1g当り約0.1〜5
00g、好ましくは0.3〜300g、特に好ましくは
1〜100gの範囲であることが望ましい。また、成分
[D]1g当り約5×10-6〜5×10-4グラム原子、
好ましくは10-5〜2×10-4グラム原子の遷移金属原
子が担持され、また約10-3〜5×10-2グラム原子、
好ましくは2×10-3〜2×10-2グラム原子のアルミ
ニウム原子が担持されていることが望ましい。
【0091】予備重合は、回分式、半連続式、連続式の
いずれの方法においても実施することができる。本発明
に係るおよびの重合方法は、上記のようなオレフィン重
合用触媒の存在下にオレフィンを重合または共重合させ
る。
【0092】重合に際して、[A]遷移金属化合物は、
重合容積1リットル当り遷移金属原子に換算して通常は
10-8〜10-3グラム原子、好ましくは10-7〜10-4
グラム原子の量で用いられることが望ましい。この際、
必要に応じて有機アルミニウム化合物やアルミノオキサ
ンを用いてもよい。この際用いられる有機アルミニウム
化合物としては、上述したような有機アルミニウム化合
物[C]と同様な化合物が挙げられる。使用量として
は、遷移金属原子1グラム原子当り0〜500モル、好
ましくは5〜200モルの範囲であることが望ましい。
【0093】本発明で用いられるオレフィンとしては、
エチレン、および炭素数が3〜20のα-オレフィン、
たとえばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-
ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタ
デセン、1-エイコセン、シクロペンテン、シクロヘプテ
ン、ノルボルネン、5-メチル-2- ノルボルネン、テトラ
シクロドデセン、2-メチル1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4
a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなどを挙げることが
できる。さらにスチレン、ビニルシクロヘキサン、ジエ
ン類などを用いることもできる。
【0094】本発明では、重合は懸濁重合などの液相重
合法あるいは気相重合法いずれにおいても実施すること
ができる。液相重合法においては触媒調製法の際に用い
た不活性炭化水素溶媒と同じものを用いることができ、
オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
【0095】このようなオレフィン重合用触媒を用いた
オレフィンの重合温度は、通常、−50〜150℃、好
ましくは0〜100℃の範囲である。重合圧力は、通
常、常圧〜100kg/cm2、好ましくは常圧〜50
kg/cm2の条件下であり、重合反応は、回分式、半
連続式、連続式のいずれの方法においても行なうことが
できる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分け
て行なうことも可能である。得られるオレフィン重合体
の分子量は、重合系に水素を存在させるか、あるいは重
合温度を変化させることによって調節することができ
る。
【0096】なお、本発明では、オレフィン重合用触媒
は、上記のような各成分以外にもオレフィン重合に有用
な他の成分を含むことができる。
【0097】
【発明の効果】本発明に係るオレフィン重合用触媒およ
びこれを用いるオレフィンの重合方法によれば、オレフ
ィンを高い重合活性で重合させることができ、分子量が
高く分子量分布の狭いオレフィン重合体を製造すること
ができるとともに、2種以上のオレフィンを共重合させ
ると、組成分布の狭いオレフィン共重合体を製造するこ
とができる。
【0098】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0099】本発明により得られたエチレン系共重合体
のn-デカン可溶成分量(可溶量の少ないものほど組成分
布が狭い)は、該共重合体約3gをn-デカン450ml
に加え、145℃で溶解させた後、23℃まで冷却し、
濾過によりn-デカン不溶部を除き、濾液よりn-デカン可
溶部を回収することによって測定した。
【0100】密度は、190℃における2.16kg荷
重でのMFR測定時に得られるストランドを120℃で
1時間熱処理し1時間かけて室温まで徐冷したのち、密
度勾配管で測定した。
【0101】また、ポリマーの平均粒径および100μ
m以下の微粉量はふるいにより測定した。
【0102】
【実施例1】 [重合]充分に窒素置換した1.5リットルのガラス製
オートクレーブにデカン1リットルを装入し、系内の温
度を70℃に昇温した。その後、トリイソブチルアルミ
ニウムのデカン溶液(Al;1モル/リットル)0.5m
l、有機アルミニウムオキシ化合物のトルエン溶液(シ
ェリング社製メチルアルミノキサンをドライ化した後ト
ルエンで再溶解したもの、Al;1.21モル/リット
ル)4.1mlおよびビス(1-n-ブチル-3-メチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液
(Zr;0.011モル/リットル)1.82mlの順に添
加した。次いで、エチレンと水素の混合ガス(それぞれ
250リットル/h、0.25リットル/h)を流通さ
せることにより重合を開始した。上記混合ガスを連続的
に供給しながら、常圧下75℃で1時間重合を行うこと
により、190℃で2.16kgの荷重下に測定したMF
Rが2.52g/10minであり、Mw/Mnが2.3である
ポリマー47.8gを得た。
【0103】
【実施例2】 [重合]実施例1の重合において、ビス(1-n-ブチル-3
-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ドの代わりにビス(1-メチル-3-n-プロピルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液
(Zr;0.016モル/リットル)1.25mlを用いた
以外は同様に重合を行い、MFRが2.10g/10minであ
り、Mw/Mnが2.4であるポリマー43.8gを得
た。
【0104】
【比較例1】 [重合]実施例1の重合において、ビス(1-n-ブチル-3
-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ドの代わりにビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr;0.02
0モル/リットル)1.0mlを用い、水素を使用しなか
った以外は同様に重合を行い、MFRが4.91g/10min
であり、Mw/Mnが2.3であるポリマー71.0gを
得た。
【0105】
【実施例3】 [固体触媒(ジルコニウム触媒)の調製]充分に窒素置
換した400mlのガラス製フラスコにシリカ(富士デヴ
ィソン社製HTG-30603)を窒素流通下250℃で10時
間乾燥したもの(吸着水量0.1重量%以下、水酸基含
量2.7重量%)10.3gとトルエン158mlとを入れ
て懸濁状にし0℃まで冷却した。この懸濁液中に有機ア
ルミニウムオキシ化合物のトルエン溶液(シェリング社
製メチルアルミノオキサン Al;1.47モル/リッ
トル)53.5mlを1時間で滴下した、この際系内の温
度を0℃に保った。その後0℃で1時間、室温で1時
間、さらに80℃で4時間反応を行なった。その後、上
澄液をデカンテーションにより除去し、トルエン150
mlで3回洗浄した。再び、懸濁液の容積が200mlとな
るようにトルエンを加え、その内の66.8mlを別の2
00mlのフラスコへ移した。この懸濁液中にビス(1-n-
ブチル-3-メチルシクロペンタジエニル) ジルコニウム
ジクロリドのトルエン溶液(Zr:0.0153モル/
リットル)21.8mlを15分間で滴下した。滴下終了
後30℃に昇温し、その温度で1.5時間攪拌した。そ
の後、デカンテーションにより溶媒を除去した後ヘキサ
ン100mlで3回洗浄した。このようにしてシリカ1g
に対してジルコニウムを8.8mg、アルミニウムを18
3mg含有する固体触媒を得た。
【0106】上記で調製した固体触媒2.3gをヘキサン
75mlで懸濁状にし、その懸濁液へトリイソブチルアル
ミニウム8.4ミリモルを添加した。その後、エチレンガス
(常圧)を連続的に導入し35℃で90分間予備重合を
行なった。その結果、シリカ1gに対してジルコニウム
を6.4mg、アルミニウムを165mg、ポリエチレンを
4.2g含有する予備重合触媒が得られた。この際、反応
器壁へのポリマーの付着は認められなかった。
【0107】[重合]充分に窒素置換した内容積2リッ
トルのステンレス製オートクレーブに塩化ナトリウム
(和光純薬特級)150gを装入し、90℃で1時間減
圧乾燥した。その後、エチレンと1-ブテンとの混合ガス
(1-ブテン含量5.0モル%)の導入により常圧に戻
し、系内を70℃とした。
【0108】次いで、上記のように調製した固体触媒
を、ジルコニウム原子換算で0.004ミリグラム原子
およびトリイソブチルアルミニウムを0.5ミリモルオ
ートクレーブへ添加した。
【0109】その後、上記エチレンと1-ブテンとの混合
ガスを導入し、全圧8kg/cm2-Gとして重合を開始した。
系内は直ちに80℃に上昇した。その後、混合ガスのみ
を補給し、全圧を8kg/cm2-Gに保ち、80℃で1時間重
合を行なった。
【0110】重合終了後、水洗により塩化ナトリウムを
除き、残ったポリマーをメタノールで洗浄した後、80
℃で1時間減圧乾燥した。その結果、MFRが0.56g
/10minであり、密度が0.907g/cm3であり、嵩比重が
0.46g/cm3であり、Mw/Mnが2.5であり、n-デ
カン可溶成分量が2.0重量%であり、ポリマー平均粒
径が640μmであり、100μm以下の微粉ポリマー量
が0.1重量%であるエチレン・1-ブテン共重合体20
1gを得た。
【0111】
【実施例4】 [固体触媒(ジルコニウム触媒)の調製]実施例3にお
いて、ビス(1-n-ブチル-3-メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドの代わりにビス(1-メチル
-3-n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリドを用いた以外は同様の操作を行い、シリカ1g
に対してジルコニウムを8.1mg、アルミニウムを20
0mg、ポリエチレンを3.9g含有する予備重合触媒を得
た。
【0112】[重合]実施例3の重合において、上記で
調製した予備重合触媒をジルコニウム原子換算で0.0
05ミリグラム原子用いた以外は実施例3と同様に行な
い、MFRが0.51g/10minであり、密度が0.907g
/cm3であり、嵩比重が0.45g/cm3であり、Mw/Mn
が2.6であり、n-デカン可溶成分量が2.1重量%であ
り、ポリマー平均粒径が650μmであり、100μm
以下の微粉ポリマー量が0.1重量%であるエチレン・1
-ブテン共重合体214gを得た。
【0113】
【比較例2】 [固体触媒(ジルコニウム触媒)の調製]実施例3と同
様のシリカ5.9gとトルエン91mlとを入れて懸濁状に
し0℃まで冷却した。この懸濁液中に有機アルミニウム
オキシ化合物のトルエン溶液(シェリング社製メチルア
ルミノオキサン Al;1.66モル/リットル)27.
3mlを1時間で滴下した、この際系内の温度を0℃に保
った。その後0℃で1時間、室温で1時間、さらに80
℃で4時間反応を行なった。その後、上澄液をデカンテ
ーションにより除去し、トルエン150mlで3回洗浄し
た。再び、懸濁液の容積が120mlとなるようにトルエ
ンを加えた。この懸濁液中にビス(n-ブチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液
(Zr:0.0432モル/リットル)10.3mlを10
分間で滴下した。滴下終了後30℃に昇温し、その温度
で2時間攪拌した。その後、デカンテーションにより溶
媒を除去した後ヘキサン100mlで3回洗浄した。この
ようにしてシリカ1gに対してジルコニウムを6.5mg、
アルミニウムを152mg含有する固体触媒を得た。
【0114】上記で調製した固体触媒3.0gをヘキサン
100mlで懸濁状にし、その懸濁液へトリイソブチルア
ルミニウム4.9ミリモルを添加した。その後、エチレンガ
ス(常圧)を連続的に導入し35℃で90分間予備重合
を行なった。その結果、シリカ1gに対してジルコニウ
ムを4.0mg、アルミニウムを129mg、ポリエチレン
を4.0g含有する予備重合触媒が得られた。この際、反
応器壁へのポリマーの付着は認められなかった。
【0115】[重合]実施例3の重合において、上記で
調製した予備重合触媒をジルコニウム原子換算で0.0
02ミリグラム原子用いた以外は実施例3と同様に行な
い、MFRが2.24g/10minであり、密度が0.908g
/cm3であり、嵩比重が0.43g/cm3であり、Mw/Mn
が2.4であり、n-デカン可溶成分量が1.7重量%であ
り、ポリマー平均粒径が650μmであり、100μm
以下の微粉ポリマー量が0.1重量%であるエチレン・1
-ブテン共重合体138gを得た。
【0116】
【比較例3】 [固体触媒(ジルコニウム触媒)の調製]実施例3と同
様のシリカ12.5gとトルエン200mlとを入れて懸濁
状にし0℃まで冷却した。この懸濁液中に有機アルミニ
ウムオキシ化合物のトルエン溶液(シェリング社製メチ
ルアルミノオキサン Al;1.47モル/リットル)
65.2mlを1時間で滴下した、この際系内の温度を0
℃に保った。その後0℃で1時間、室温で1時間、さら
に80℃で4時間反応を行なった。その後、上澄液をデ
カンテーションにより除去し、トルエン150mlで3回
洗浄した。再び、懸濁液の容積が300mlとなるように
トルエンを加え、その内の150mlを別の400mlのフ
ラスコへ移した。この懸濁液中にビス(1,3-ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエ
ン溶液(Zr:0.0300モル/リットル)14.9ml
を10分間で滴下した。滴下終了後30℃に昇温し、そ
の温度で2時間攪拌した。その後、デカンテーションに
より溶媒を除去した後ヘキサン200mlで3回洗浄し
た。このようにしてシリカ1gに対してジルコニウムを
6.5mg、アルミニウムを192mg含有する固体触媒を
得た。
【0117】上記で調製した固体触媒4.0gをヘキサン
130mlで懸濁状にし、その懸濁液へトリイソブチルア
ルミニウム15.2ミリモルを添加した。その後、エチ
レンガス(常圧)を連続的に導入し35℃で70分間予
備重合を行なった。その結果、シリカ1gに対してジル
コニウムを5.7mg、アルミニウムを182mg、ポリエ
チレンを1.5g含有する予備重合触媒が得られた。この
際、反応器壁へのポリマーの付着は認められなかった。
【0118】[重合]実施例3の重合において、上記で
調製した予備重合触媒をジルコニウム原子換算で0.0
05ミリグラム原子用いた以外は実施例3と同様に行な
い、MFRが0.01g/10min以下であり、嵩比重が0.
42g/cm3であり、Mw/Mnが4.1であり、ポリマー
平均粒径が580μmであり、100μm以下の微粉ポ
リマー量が0.2重量%であるエチレン・1-ブテン共重
合体229gを得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製工程
を示す説明図である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]下記式[I]で表される遷移金属化
    合物と; MLx …[I] 〔式[I]において、MはIVB族から選ばれる遷移金属
    原子であり、Lは遷移金属原子Mに配位する配位子であ
    り、これらのうち少なくとも1個の配位子Lは、炭素数
    1〜10の炭化水素基からなる置換基R1 と、炭素数2
    〜10の炭化水素基からなる置換基R2 (ここでR1
    2 とは異なる)とを有するシクロペンタジエニル基で
    あり、シクロペンタジエニル基以外の配位子Lは、炭素
    数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ
    基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基または水素原
    子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価である。〕 [B]有機アルミニウムオキシ化合物とからなることを
    特徴とするオレフィン重合用触媒。
  2. 【請求項2】[A]下記式[I]で表される遷移金属化
    合物と; MLx …[I] 〔式[I]において、MはIVB族から選ばれる遷移金属
    原子であり、Lは遷移金属原子Mに配位する配位子であ
    り、これらのうち少なくとも1個の配位子Lは、炭素数
    1〜10の炭化水素基からなる置換基R1 と、炭素数2
    〜10の炭化水素基からなる置換基R2 (ここでR1
    2 とは異なる)とを有するシクロペンタジエニル基で
    あり、シクロペンタジエニル基以外の配位子Lは、炭素
    数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ
    基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基または水素原
    子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価である。〕 [B]有機アルミニウムオキシ化合物と、 [C]有機アルミニウム化合物と からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
  3. 【請求項3】[A]下記式[I]で表される遷移金属化
    合物と; MLx …[I] 〔式[I]において、MはIVB族から選ばれる遷移金属
    原子であり、Lは遷移金属原子Mに配位する配位子であ
    り、これらのうち少なくとも1個の配位子Lは、炭素数
    1〜10の炭化水素基からなる置換基R1 と、炭素数2
    〜10の炭化水素基からなる置換基R2 (ここでR1
    2 とは異なる)とを有するシクロペンタジエニル基で
    あり、シクロペンタジエニル基以外の配位子Lは、炭素
    数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ
    基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基または水素原
    子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価である。〕 [B]有機アルミニウムオキシ化合物と、 [D]微粒子状担体と からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
  4. 【請求項4】[A]下記式[I]で表される遷移金属化
    合物と; MLx …[I] 〔式[I]において、MはIVB族から選ばれる遷移金属
    原子であり、Lは遷移金属原子Mに配位する配位子であ
    り、これらのうち少なくとも1個の配位子Lは、炭素数
    1〜10の炭化水素基からなる置換基R1 と、炭素数2
    〜10の炭化水素基からなる置換基R2 (ここでR1
    2 とは異なる)とを有するシクロペンタジエニル基で
    あり、シクロペンタジエニル基以外の配位子Lは、炭素
    数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ
    基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基または水素原
    子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価である。〕 [B]有機アルミニウムオキシ化合物と、 [C]有機アルミニウム化合物と、 [D]微粒子状担体と からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
  5. 【請求項5】[A]下記式[I]で表される遷移金属化
    合物と; MLx …[I] 〔式[I]において、MはIVB族から選ばれる遷移金属
    原子であり、Lは遷移金属原子Mに配位する配位子であ
    り、これらのうち少なくとも1個の配位子Lは、炭素数
    1〜10の炭化水素基からなる置換基R1 と、炭素数2
    〜10の炭化水素基からなる置換基R2 (ここでR1
    2 とは異なる)とを有するシクロペンタジエニル基で
    あり、シクロペンタジエニル基以外の配位子Lは、炭素
    数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ
    基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基または水素原
    子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価である。〕 [B]有機アルミニウムオキシ化合物と、 [D]微粒子状担体と からなるオレフィン重合用触媒にオレフィンを予備重合
    させて得られることを特徴とするオレフィン重合用予備
    重合触媒。
  6. 【請求項6】[A]下記式[I]で表される遷移金属化
    合物と; MLx …[I] 〔式[I]において、MはIVB族から選ばれる遷移金属
    原子であり、Lは遷移金属原子Mに配位する配位子であ
    り、これらのうち少なくとも1個の配位子Lは、炭素数
    1〜10の炭化水素基からなる置換基R1 と、炭素数2
    〜10の炭化水素基からなる置換基R2 (ここでR1
    2 とは異なる)とを有するシクロペンタジエニル基で
    あり、シクロペンタジエニル基以外の配位子Lは、炭素
    数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ
    基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基または水素原
    子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価である。〕 [B]有機アルミニウムオキシ化合物と、 [C]有機アルミニウム化合物と、 [D]微粒子状担体と、 からなるオレフィン重合用触媒にオレフィンを予備重合
    させて得られることを特徴とするオレフィン重合用予備
    重合触媒。
  7. 【請求項7】請求項1に記載のオレフィン重合用触媒の
    存在下に、オレフィンを重合または共重合させることを
    特徴とするオレフィンの重合方法。
  8. 【請求項8】請求項2に記載のオレフィン重合用触媒の
    存在下に、オレフィンを重合または共重合させることを
    特徴とするオレフィンの重合方法。
  9. 【請求項9】請求項3に記載のオレフィン重合用触媒の
    存在下に、オレフィンを重合または共重合させることを
    特徴とするオレフィンの重合方法。
  10. 【請求項10】請求項4に記載のオレフィン重合用触媒
    の存在下に、オレフィンを重合または共重合させること
    を特徴とするオレフィンの重合方法。
  11. 【請求項11】請求項5に記載のオレフィン重合用触媒
    の存在下に、オレフィンを重合または共重合させること
    を特徴とするオレフィンの重合方法。
  12. 【請求項12】請求項6に記載のオレフィン重合用触媒
    の存在下に、オレフィンを重合または共重合させること
    を特徴とするオレフィンの重合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000060032A1 (fr) * 1999-03-30 2000-10-12 Mitsui Chemicals, Inc. Regulateur de viscosite pour huile de graissage et composition d'huile de graissage
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