JPH05148183A - キノン誘導体の製造方法 - Google Patents

キノン誘導体の製造方法

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JPH05148183A
JPH05148183A JP3318601A JP31860191A JPH05148183A JP H05148183 A JPH05148183 A JP H05148183A JP 3318601 A JP3318601 A JP 3318601A JP 31860191 A JP31860191 A JP 31860191A JP H05148183 A JPH05148183 A JP H05148183A
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Japan
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group
producing
ethyl acetate
reaction
methyl
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JP3318601A
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English (en)
Inventor
Nobuo Shinkawa
伸夫 新川
Tomio Ichino
富雄 市野
Tomio Tsuruki
外美雄 鶴来
Hirofumi Kuroda
弘文 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eisai Chemical Co Ltd
Eisai Co Ltd
Original Assignee
Eisai Chemical Co Ltd
Eisai Co Ltd
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Publication date
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 安全で、高価な原料等を使用することなく、
更に最終目的物に金属の混入が見られない等、工業的に
有利なキノン化合物の製造方法。 【構成】 ハイドロキノン誘導体に、酸化剤として硝酸
を、触媒として塩酸を作用させて、一般式 具体的には、例えば

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キノン化合物の製造方
法に関する。更に詳しくは、キノン化合物の工業的に有
用な製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景と先行技術】CoQの代表されるベンゾキ
ノン化合物は、医薬として有用なものが数多く知られて
いる。例えば、特願平2−237051号には、式
【化9】 で代表されるキノン化合物が、経口肝疾患治療剤として
開示されており、また、特願平3−44709号には、
【化10】 で代表される化合物がロイコトリエン産生抑制作用また
はトロンボキサンA2抑制作用が有効な疾患の予防・治療
剤として開示されている。
【0003】さらには、特願平3−71480号にロイ
コトリエン産生抑制作用またはトロンボキサンA2 抑制
作用が有効な疾患の予防・治療剤として開示されている
ベンゾチアゾール誘導体の中間体としてもキノン化合物
が重要な役割を果している。
【0004】このようなキノン化合物の製造方法として
は、現在のところ、電解酸化による方法、適当な酸触媒
を用いる方法が主として用いられているが、前者は反応
に用いる電解質が比較的高かであること、水溶性の溶媒
が用いられているため、連続的に電解操作を行う際に
は、濃縮−抽出の操作を省くことが困難であること等の
欠点が挙げられ工業的方法としては問題が残る。
【0005】後者においては、塩化第2鉄・6水和物、
硝酸第2セリウムアンモニウム等の金属酸化剤を用いた
場合、最終生成物に金属が混入するため、カラム精製工
程を省略することは不可能であり、また、反応で生じる
廃液処理の問題もあり、工業上問題がある。また、過酸
化水素等の過酸化物を用いた場合、その取り扱いに注意
しないと爆発する危険があり、やはり問題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
状況に鑑み、上記のような欠点を解決した工業上有利な
製造方法について、長期間鋭意研究を重ねてきたが、下
記に示す方法が所期の目的を達成することを見いだし本
発明を完成した。
【0007】即ち、本発明の方法は以下のとおりであ
る。
【0008】一般式(I)
【化11】 を、必要ならば塩酸を触媒として用いて、硝酸により酸
化し、一般式(II)
【化12】 を製造するキノン化合物の製造方法。
【0009】本発明方法は広くキノン化合物を製造する
のに用いられ、あらゆるハイドロキノン誘導体をベンゾ
キノン誘導体に酸化しうる方法である。
【0010】本発明の定義中、R1, R2 ,R4における低
級アルキル基とは、炭素数1〜8の直鎖または分枝状の
アルキル基を意味する。これらのうちい好ましい基とし
ては、メチル基、エチル基などを挙げることができる。
【0011】R1, R2 ,R4における低級アルコキシ基と
は、上記低級アルキル基より誘導される基を意味する。
【0012】R5におけるヘテロアリールアルキルにおい
て、ヘテロアリール基として好ましい基は5〜6員環の
含窒素のヘテロアリール基を挙げることができ、具体的
には、例えば、ピリジル基、イミダゾリル基等を挙げる
ことができる。これらは無置換でも良いし、例えば、メ
チル基、エチル基等の低級アルキル基;メトキシ基、エ
トキシ基等の低級アルコキシ基;フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等で置換さ
れていても良い。
【0013】またこの場合のアルキル基、すなわちアル
キレン鎖の炭素数は1〜10であり、好ましくは2〜
8、更に好ましくは4〜6である。これらのアルキレン
鎖は、いずれかの炭素にメチル基、エチル基等の低級ア
ルキル基が結合していても良い。
【0014】X,Yの定義にあるある保護された水酸基
とは、例えばメチル基、エチル基等上記低級アルキル基
で保護された基、すなわちアルコキシ基である場合;ア
セチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、ピバロイル
基、ニコチノイル基等のアシル基で保護された基、すな
わちエステルを形成している場合などを挙げることがで
きるが、要するに生体内で何らかの手段で分解されて水
酸基となり得るものであれば良い。
【0015】本発明製造方法は、必要ならば濃塩酸を触
媒として用い、硝酸により酸化することにより、ハイド
ロキノン誘導体からベンゾキノン誘導体を製造する方法
である。
【0016】反応溶媒としては、酢酸エチルまたは酢酸
エチル−酢酸混合溶液などが好ましい。なお、酢酸エチ
ル−酢酸を使用する場合、その混合割合は特に限定され
ない。
【0017】反応温度は、10℃以下が好ましい。
【0018】またハイドロキノン体と反応溶媒の割合は
特に限定されないが、原料化合物1gに対して5〜20
mlが好ましい。
【0019】原料化合物のハイドロキノン体と酸化剤で
ある硝酸の割合は、適宜設定しうるが、ハイドロキノン
体1モルに対し硝酸1〜5モルぐらいが好ましく、更に
好ましくは、ハイドロキノン体1モルに対し硝酸1〜3
モルである。
【0020】更に必要に応じて触媒として塩酸を用いる
ことができるが、その量は、適宜設定される。
【0021】本発明方法は、ハイドロキノン誘導体を酸
化してベンゾキノン誘導体を製造するに際に、硝酸を酸
化剤として用い、必要ならば触媒として塩酸を用いるこ
とができるということを特徴とするベンゾキノン誘導体
の製造方法であるが、 金属酸化剤を用いないため作業性が良くなり、ま
た、廃液処理に工夫を凝らす必要がない。 最終目的物に金属の混入が見られない。 過酸化物による酸化では、爆発の危険性を有してい
るが、本発明方法ではこのような危険性はない。 触媒として濃塩酸を添加し、反応温度・反応溶媒を
制御することができる。 電解酸化による方法のように、高価な電解質や特別
な器具装置を必要としない。 等極めて工業的に有用な方法である。
【0022】
【実施例】以下に本発明方法による実施例を示すが、本
発明がこれらのみに限定されないことはいうまでもな
い。
【0023】実施例1 3−[5−(2,3−ジメトキシ−6−メチル−1,4
−ベンゾキノイル)]−2−ノニル−2−プロペン酸の
製法
【0024】
【化13】
【0025】3−[5−(1−ヒドロキシ−6メチル−
2,3,4−トリメトキシ)フェニル]−2−ノニル−
2−プロペン酸10gを酢酸エチル90mlと酢酸10ml
の混合溶液に溶解後、5℃まで冷却する。冷却後、61
%濃硝酸2.89gを滴下した。その温度を保持して3
時間反応させた。反応終了後、水100mlで5回洗浄
後、酢酸エチル層を濃縮する。得られた濃縮残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ト
ルエン系)にて生成した後、n−ヘキサン、エタノール
水で再結晶し、橙色固体の標題化合物4.1gを得た。
【0026】
・融点 68℃
1H-NMR
(δ):0.86(t,J=6Hz,3H), 1.02-1.60(m,14H), 1.96(d,
J=2Hz,3H),2.01-2.22(m,2H), 3.99(s,3H), 4.01(S,3H),
7.20(bs,1H)
【0027】
実施例2 3−[5−(2,3−ジメトキシ−6−メチル−1、4
−ベンゾキノイル)]−2−ノニル−2−プロペン酸
【0028】
【化14】
【0029】3−[5−(1,2,3,4−トリメトキ
シ−6メチル)フェニル]−2−ノニル−2−プロペン
酸10gを酢酸エチル50mlと酢酸50mlの混合溶媒に
溶解後、濃塩酸0.25gを加え、その溶液を5℃まで
冷却する。冷却後、61%濃硝酸6.33gを滴下す
る。滴下後、5〜10℃の内温を保持しながら、20時
間反応させた。反応終了後、酢酸エチル50mlにつき水
100mlで洗浄する。更に酢酸エチル層を水100mlで
3回洗浄後、酢酸エチル層を濃縮する。得られた濃縮残
渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエ
ン−酢酸エチル系)で生成した後n−ヘキサン、エタノ
−ル水で再結晶し、橙色固体の標題化合物4.0gを得
た。
【0030】
実施例3 2−(3,5−ジメチル−1、4−ベンゾキノニル)−
(3−ピリジル)−メチルアセテートの製法
【0031】
【化15】
【0032】α−(3−ピリジル)−2,5−ジメトキ
シ−4、6−ジメチルベンジルアセテート10gを酢酸
50mlと酢酸エチル5mlの混合溶媒に溶解後、その溶液
を5℃まで冷却した。冷却後、濃塩酸1.28g、濃硝
酸8.20gを加え、10℃以下で24時間反応した。
反応液に酢酸エチル100ml、5%炭酸水素ナトリウム
水100mlを加え、有機層を分離した。有機層を食塩水
50mlで洗浄後有機層を分離した。有機層を食塩水50
mlで洗浄後、有機層を濃縮した。濃縮残渣をシリカゲル
クロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン−酢酸エチル
系)により精製し、橙色油状の標題化合物7.9gを得
た。
【0033】
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):2.
07(s,3H), 2.13(s,3H), 2.20(s,3H),6.61(s,1H),7.14
(s,1H),7.28(dd,1h,J=4.5,7.5Hz),7.66(dt,1H,J=1.5,7.
5Hz),8.54(dt,1H,J=1.5,4.5Hz),8.59(br,s,1H)
【0034】
実施例4 (E)−3−(2−メトキシ−3,6−ジメチル−1,
4−ベンゾキノン−5−イル)−2−[5−(3−ピリ
ジル)ペンチル]プロペノン酸の製法
【0035】
【化16】
【0036】
3−(2−メトキシ−3,6−ジメ
チル−1,4−ハイドロキノン−5−イル)−2−[5
−(3−ピリジル)ペンチル]プロペノン酸3.0gを
酢酸27ml、酢酸エチル3mlの混合溶媒に溶解し、濃塩
酸0.06mlを加えた。反応液を氷浴にて冷却した後、
濃硝酸1.88gを徐々に滴下した。反応液を室温に戻
し14時間撹拌した後飽和炭酸水素ナトリウム溶液を用
いpH6に調製した。これを酢酸エチル50mlで2回抽
出した。飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を留去した。得られた残渣2.7gについてシ
リカゲルクロマトグラフィーを行った(溶出溶媒:トル
エン−酢酸エチル系)。目的物含有フラクションを合一
し、得られた濃縮残渣1.9gを酢酸エチルより結晶化
し黄色結晶1.2gを得た。これをエタノ−ル−水の混
合溶媒から再結晶し、標題化合物0.6gを得た。
【0037】
・融点 134〜135℃
1H-NMR
(δ):1.26(2H,tt,J=7.0,7.0Hz), 1.50(2H,tt,J=7.0,
7.0Hz), 1.61(2H,tt,J=7.0,7.0Hz),1.61(2H,tt,J=7.0,
7.0Hz),1.95(3H,s),1.96(3H,s),2.12(2H,t,J=7.0Hz),2.
60(2H,t,J=7.0Hz),4.01(3H,s),7.26(1H,s),7.27(1H,dd,
J=8.5,5.0Hz)7.55(1H,brd,J=8.5,1Hz),8.44(1H,brd,J=
5.0,1Hz),8.50(1H,brs)
【0038】
実施例5
6−メチル
−2,5−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノンの製法
【0039】
【化17】
【0040】
2,3,4,5−テトラメトキシト
ルエン1.06gと酢酸エチル15mlを反応容器に仕込
み容器を氷浴で冷却した。内温が5℃になったところで
濃塩酸50mgを入れ、次に濃硝酸1.3gを内温が10
℃越えないよう注意しながら約10分間かけて滴下し
た。その後5〜6℃を維持し、約12時間撹拌した。反
応終了後、反応液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで有
機層を乾燥し濃縮することにより、赤色オイル状の粗C
oQが0.9g得られた。これを高速液体クロマトグラ
フィーに付して定量した結果、CoQとして0.32g
生成していることが分かった。収率35.1%
【0041】
次に、本発明方法を用いて、キノン
化合物を製造した例を参考例として示す。
【0042】
参考例
3−[5−
(2,3−ジメトキシ−6−メチル−1,4−ベンゾキ
ノイル)] −2−ノニル−2−プロペン酸の製法
【0043】
【化18】
【0044】
(1)2,3,6−トリブロム−p−
クレゾ−ルの製造
【0045】
【化19】
【0046】
p−クレゾール216.4gをクロ
ロホルム2.2lに溶解し、これを氷冷して内温を10
〜20℃に保つように臭素479.4gを1時間かけて
滴下し、反応を行った。滴下終了後、1時間そのまま撹
拌を続行して反応を行った。反応混合液に10%炭酸ナ
トリウム水2l、クロロホルム2lを入れ抽出を行っ
た。クロロホルム層を1.6lの水で2回洗い、クロロ
ホルム層を減圧濃縮して、乾固物670.0gを得た。
これにn−ヘキサン1.7lを加えって再結晶を行い、
標題化合物の結晶282.8gを得た。
【0047】
(2)2,3,6−トリメトキシ−p
−クレゾールの製造
【0048】
【化20】
【0049】
(1)で得られた2,3,6−トリ
ブロム−p−クレゾール565.6g、ヨウ化銅65.
6g、ジメチルフラン226mlからなる混合物を加熱
し、ナトリウムメチラートの28%メタノール溶液3980
gを 1度に注入した。徐々に加熱して反応を進めた。7
5℃位からメタノールが留出し始め、85℃位で発泡が
起こった。45分で発泡が終了し、反応が終了した。冷
却後、水3.2lを入れ、酢酸エチル3.2lで抽出し
た。水層を酢酸エチル3.2lで再抽出し、酢酸エチル
層を合一し、4.8lの水で2回洗った。酢酸エチル層
を減圧濃縮し、285.8gの標題化合物を得た。
【0050】
(3)2,3,4,5−テトラメトキ
シトルエンの製造
【0051】
【化21】
【0052】
(2)で得られた2,3,6−トリ
メトキシ−p−クレゾールをアセトン 2.4lに溶
解し、水酸化カリウム96.4gを加え、ジメチル硫酸
216.8gを撹拌下滴下した。内温は20℃から50
℃に上昇し、反応は30分で終了した。反応液に水2.
4l、ジクロロメタン2.4lを入れて抽出した。ジク
ロロメタン層を3.6lの水で3回洗い、ジクロロメタ
ン層を減圧濃縮し、粗テトラメトキシ体296.2gを
得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーに付した
(溶出溶媒:n−ヘキサン−イソプロピルエーテル
系)。メイン分画を濃縮し標題化合物245.8gを得
た。
【0053】
(4)6−メチル−2,3,4,5−
テトラメトキシトルエンの製造
【0054】
【化22】
【0055】
(3)で得られた2,3,4,5−
テトラメトキシトルエン150g、トリフルオロ酢酸
1.8lを混合し、均一に溶解した後撹拌下ヘキサメチ
レンテトラミンを加え、80〜90℃まで加熱した。2
時間加熱還流を行った後、常圧にてトリフルオロ酢酸を
加熱留去した。留出中、内温は85℃から徐々に上昇し
110℃となった時点で留出が終わった。濃縮液を冷却
後、水4lに溶解し無水炭酸ナトリウムにてpH8位ま
でにし、ついで酢酸エチル2lで抽出分取し、水層を合
一し無水硫酸マグネシウムにて乾燥後溶媒を減圧留去し
て、標題化合物177.1gを得た。
【0056】
(5)(E)−3−[5−(1−ヒド
ロキシ−6−メチル−2,3,4−トリメトキシフェニ
ル]−2−ノニル−2−プロペン酸エチルの製造
【0057】
【化23】
【0058】
(4)で得られた6−メチル−2,
3,4,5−テトラメトキシベンズアルデヒド117.
1g、2−ジエチルホスホノウンデカノン酸エチル38
7.9g、トルエン1.8lの混合液に28%ナトリウ
ムメトキシドメタノ−ル溶液を滴下する。内温が10℃
位上昇した後55〜60℃に加熱して撹拌した。約3.
5時間反応後冷却した。イソプロピルエーテル1.8
l、ジエチルエーテル0.3lを加えて、水3.6lに
て洗った。水層をイソプロピルエーテル800mlにて再
抽出した。イソプロピルエーテル層を合一し、5%食塩
水2lで3回洗った。減圧濃縮後、374.6gの黄色
粘性液を得た。
【0059】
(6)(E)−3−[5−(1−ヒド
ロキシ−6−メチル−2,3,4−トリメトキシフェニ
ル]−2−ノニル−2−プロペン酸の製造
【0060】
【化24】
【0061】
(5)で得られた(E)−3−[5
−(1−ヒドロキシ−6メチル−2,3,4−トリメト
キシフェニル]−2−ノニル−2−プロペン酸エチルを
エタノール2lに溶解し、水酸化ナトリウム80.5
g、水120mlからなる溶液を加え、3時間加熱還流し
た。反応が進行するにつれて、白色沈殿物が析出した。
氷冷後、反応液をろ過し、白色不溶物を除去した。得ら
れたろ液に水2lを加えて2lのn−ヘキサンで3回洗
浄した。次いで水相を濃塩酸170mlで酸性にした。こ
れに酢酸エチル2lを加え、水2lで洗浄した。溶媒を
減圧下留去し221.6gの黄色粘性液を得た。
【0062】
(7)(E)−3−[5−(2,3−
ジメトキシ−6−メチル−1,4−ベンゾキノニル)]
−2−ノニル−2−プロペン酸の製造(本発明方法)
【0063】
【化25】
【0064】
(6)で得られた(E)−3−[5
−(1−ヒドロキシ−6−メチル−2,3,4−トリメ
トキシフェニル]−2−ノニル−2−プロペン酸22
1.6g、酢酸エチル1.1l、酢酸1.1lの混合液
を食塩−氷で冷却した。冷却中に濃塩酸5.5gを加え
た。2℃まで冷却された時点で濃硝酸140.0gを5
℃以下に保ちながら30分かけて滴下した。滴下終了
後、反応容器を5℃の部屋に移し約14時間撹拌した。
その後部屋を移し室温で4.5時間反応させて反応を完
結させた。
【0065】
反応液に酢酸エチル1.1リット
ル、水3.3lを加えて抽出した。得られた酢酸エチル
層を2lの5%食塩水で3回洗浄した。溶媒留去後トル
エン450mlに溶解し氷冷後ろ過し、ろ液を減圧濃縮し
赤黒色粘性物213.7gを得た。これを414mlのト
ルエンに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィーで生成
した(溶出溶媒:トルエン−酢酸エチル系)。メイン分
画を合一し、濃縮して126.3gの濃縮残渣を得た。
この濃縮残渣126.3gをn−ヘキサン620mlに溶
解させ、室温にて結晶化を行い、析出した結晶をろ取し
た。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 キノン誘導体の製造方法
【特許請求の範囲】
【化1】 を、必要ならば塩酸を触媒として用いて、硝酸により酸
化し、一般式(II)
【化2】 を製造するキノン化合物の製造方法。
【化3】 で示される基である請求項1記載のキノン化合物の製造
方法。
【化4】 で示される基である請求項1の記載のキノン化合物の製
造方法。
【化5】 で示される基である請求項5記載のキノン化合物の製造
方法。
【化6】 で示される基、R4がメチル基であり、X,Yがメトキシ
基である請求項1記載のキノン化合物の製造方法。
【化7】 で示される基、R4がメチル基であり、X,Yがメトキシ
基である請求項1記載のキノン化合物の製造方法。
【化8】 で示される基、R4がメチル基、X,Yがメトキシ基であ
る請求項1記載のキノン化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キノン化合物の製造方
法に関する。更に詳しくは、キノン化合物の工業的に有
用な製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景と先行技術】CoQ10代表されるベンゾ
キノン化合物は、医薬として有用なものが数多く知られ
ている。例えば、特願平2−237051号には、式
【化9】 で代表されるキノン化合物が、経口肝疾患治療剤として
開示されており、また、特願平3−44709号には、
【化10】 で代表される化合物がロイコトリエン産生抑制作用また
はトロンボキサンA2抑制作用が有効な疾患の予防・治療
剤として開示されている。
【0003】さらには、特願平3−71480号にロイ
コトリエン産生抑制作用またはトロンボキサンA2 抑制
作用が有効な疾患の予防・治療剤として開示されている
ベンゾチアゾール誘導体の中間体としてもキノン化合物
が重要な役割を果している。
【0004】このようなキノン化合物の製造方法として
は、現在のところ、電解酸化による方法、適当な酸触媒
を用いる方法が主として用いられているが、前者は反応
に用いる電解質が比較的高価であること、水溶性の溶媒
が用いられているため、連続的に電解操作を行う際に
は、濃縮−抽出の操作を省くことが困難であること等の
欠点が挙げられ工業的方法としては問題が残る。
【0005】後者においては、塩化第2鉄・6水和物、
硝酸第2セリウムアンモニウム等の金属酸化剤を用いた
場合、最終生成物に金属が混入するため、カラム精製工
程を省略することは不可能であり、また、反応で生じる
廃液処理の問題もあり、工業上問題がある。また、過酸
化水素等の過酸化物を用いた場合、その取り扱いに注意
しないと爆発する危険があり、やはり問題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
状況に鑑み、上記のような欠点を解決した工業上有利な
製造方法について、長期間鋭意研究を重ねてきたが、下
記に示す方法が所期の目的を達成することを見いだし本
発明を完成した。
【0007】即ち、本発明の方法は以下のとおりであ
る。
【0008】一般式(I)
【化11】 を、必要ならば塩酸を触媒として用いて、硝酸により酸
化し、一般式(II)
【化12】 を製造するキノン化合物の製造方法。
【0009】本発明方法は広くキノン化合物を製造する
のに用いられ、あらゆるハイドロキノン誘導体をベンゾ
キノン誘導体に酸化しうる方法である。
【0010】本発明の定義中、R1, R2 ,R4における低
級アルキル基とは、炭素数1〜8の直鎖または分枝状の
アルキル基を意味する。これらのうち好ましい基として
は、メチル基、エチル基などを挙げることができる。
【0011】R1, R2 ,R4における低級アルコキシ基と
は、上記低級アルキル基より誘導される基を意味する。
【0012】R5におけるヘテロアリールアルキルにおい
て、ヘテロアリール基として好ましい基は5〜6員環の
含窒素のヘテロアリール基を挙げることができ、具体的
には、例えば、ピリジル基、イミダゾリル基等を挙げる
ことができる。これらは無置換でも良いし、例えば、メ
チル基、エチル基等の低級アルキル基;メトキシ基、エ
トキシ基等の低級アルコキシ基;フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等で置換さ
れていても良い。
【0013】またこの場合のアルキル基、すなわちアル
キレン鎖の炭素数は1〜10であり、好ましくは2〜
8、更に好ましくは4〜6である。これらのアルキレン
鎖は、いずれかの炭素にメチル基、エチル基等の低級ア
ルキル基が結合していても良い。
【0014】X,Yの定義にあるある保護された水酸基
とは、例えばメチル基、エチル基等上記低級アルキル基
で保護された基、すなわちアルコキシ基である場合;ア
セチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、ピバロイル
基、ニコチノイル基等のアシル基で保護された基、すな
わちエステルを形成している場合などを挙げることがで
きるが、要するに、通常有機合成において用いられる水
酸基の保護基であれば、いかなる基もこれに含有され
る。
【0015】本発明製造方法は、必要ならば濃塩酸を触
媒として用い、硝酸により酸化することにより、ハイド
ロキノン誘導体からベンゾキノン誘導体を製造する方法
である。
【0016】反応溶媒としては、酢酸エチルまたは酢酸
エチル−酢酸混合溶液などが好ましい。なお、酢酸エチ
ル−酢酸を使用する場合、その混合割合は特に限定され
ない。
【0017】反応温度は、10℃以下が好ましい。
【0018】またハイドロキノン体と反応溶媒の割合は
特に限定されないが、原料化合物1gに対して5〜20
mlが好ましい。
【0019】原料化合物のハイドロキノン体と酸化剤で
ある硝酸の割合は、適宜設定しうるが、ハイドロキノン
体1モルに対し硝酸1〜5モルぐらいが好ましく、更に
好ましくは、ハイドロキノン体1モルに対し硝酸1〜3
モルである。
【0020】更に必要に応じて触媒として塩酸を用いる
ことができるが、その量は、適宜設定される。
【0021】本発明方法は、ハイドロキノン誘導体を酸
化してベンゾキノン誘導体を製造するに際に、硝酸を酸
化剤として用い、必要ならば触媒として塩酸を用いるこ
とができるということを特徴とするベンゾキノン誘導体
の製造方法であるが、 金属酸化剤を用いないため作業性が良くなり、ま
た、廃液処理に工夫を凝らす必要がない。 最終目的物に金属の混入が見られない。 過酸化物による酸化では、爆発の危険性を有してい
るが、本発明方法ではこのような危険性はない。 触媒として濃塩酸を添加し、反応温度・反応溶媒を
制御することができる。 電解酸化による方法のように、高価な電解質や特別
な器具装置を必要としない。 等極めて工業的に有用な方法である。
【0022】
【実施例】以下に本発明方法による実施例を示すが、本
発明がこれらのみに限定されないことはいうまでもな
い。
【0023】実施例1 3−(2,3−ジメトキシ−6−メチル−1,4−ベン
ゾキノン−5−イル)−2−ノニル−2−プロペン酸
製法
【0024】
【化13】
【0025】3−[5−(6−メチル−1,2,3,4
−テトラメトキシ)フェニル]−2−ノニル−2−プロ
ペン酸10gを酢酸エチル90mlと酢酸10mlの混合溶
液に溶解後、5℃まで冷却する。冷却後、61%濃硝酸
2.89gを滴下した。その温度を保持して3時間反応
させた。反応終了後、水100mlで5回洗浄後、酢酸エ
チル層を濃縮する。得られた濃縮残渣をシリカゲルクロ
マトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−トルエン系)
にて精製した後、n−ヘキサン、エタノール水で再結晶
し、橙色固体の標題化合物4.1gを得た。
【0026】・融点 68℃ ・1H-NMR(δ): 0.86(t,J=6Hz,3H), 1.02-1.60(m,14
H), 1.96(d,J=2Hz,3H),2.01-2.22(m,2H), 3.99(s,3H),
4.01(s,3H), 7.20(bs,1H)
【0027】実施例2 3−(2,3−ジメトキシ−6−メチル−1,4−ベン
ゾキノン−5−イル)−2−ノニル−2−プロペン酸
【0028】
【化14】
【0029】3−[5−(6−メチル−1,2,3,4
−テトラメトキシ)フェニル]−2−ノニル−2−プロ
ペン酸10gを酢酸エチル50mlと酢酸50mlの混合溶
媒に溶解後、濃塩酸0.25gを加え、その溶液を5℃
まで冷却する。冷却後、61%濃硝酸6.33gを滴下
する。滴下後、5〜10℃の内温を保持しながら、20
時間反応させた。反応終了後、水100mlで洗浄した
更に酢酸エチル層を水100mlで3回洗浄後、酢酸エチ
ル層を濃縮する。得られた濃縮残渣をシリカゲルクロマ
トグラフィー(溶出溶媒:トルエン−酢酸エチル系)で
精製した後n−ヘキサン、エタノ−ル水で再結晶し、橙
色固体の標題化合物4.0gを得た。
【0030】実施例3 (3,5−ジメチル−1,4−ベンゾキノン−2−イ
ル) −(3−ピリジル)−メチルアセテートの製法
【0031】
【化15】
【0032】α−(3−ピリジル)−3,6−ジメトキ
シ−2,4−ジメチルベンジルアセテート10gを酢酸
50mlと酢酸エチル5mlの混合溶媒に溶解後、その溶液
を5℃まで冷却した。冷却後、濃塩酸1.28g、濃硝
酸8.20gを加え、10℃以下で24時間反応した。
反応液に酢酸エチル100ml、5%炭酸水素ナトリウム
水100mlを加え、有機層を分離した。有機層を食塩水
50mlで洗浄後有機層を分離した。有機層を更に食塩水
50mlで洗浄後、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し
有機層を濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィー(溶出溶媒:トルエン−酢酸エチル系)により精
製し、橙色油状の標題化合物7.9gを得た。
【0033】・1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):2.07
(s,3H), 2.13(s,3H), 2.20(s,3H),6.61(s,1H),7.14(s,1
H),7.28(dd,1H,J=4.5,7.5Hz),7.66(dt,1H,J=1.5,7.5H
z),8.54(dt,1H,J=1.5,4.5Hz),8.59(br-s,1H)
【0034】実施例4 (E)−3−(2−メトキシ−3,6−ジメチル−1,
4−ベンゾキノン−5−イル)−2−[5−(3−ピリ
ジル)ペンチル]プロペン酸の製法
【0035】
【化16】
【0036】3−(2−メトキシ−3,6−ジメチル−
1,4−ハイドロキノン−5−イル)−2−[5−(3
−ピリジル)ペンチル]プロペン酸3.0gを酢酸27
ml、酢酸エチル3mlの混合溶媒に溶解し、濃塩酸0.0
6mlを加えた。反応液を氷浴にて冷却した後、濃硝酸
1.88gを徐々に滴下した。反応液を室温に戻し14
時間撹拌した後飽和炭酸水素ナトリウム溶液を用いpH
6に調製した。これを酢酸エチル50mlで2回抽出し
た。飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、
溶媒を留去した。得られた残渣2.7gについてシリカ
ゲルクロマトグラフィーを行った(溶出溶媒:トルエン
−酢酸エチル系)。目的物含有フラクションを合一し、
得られた濃縮残渣1.9gを酢酸エチルより結晶化し黄
色結晶1.2gを得た。これをエタノ−ル−水の混合溶
媒から再結晶し、標題化合物0.6gを得た。
【0037】・融点 134〜135℃ ・1H-NMR(δ):1.26(2H,tt,J=7.0,7.0Hz), 1.50(2H,t
t,J=7.0,7.0Hz),1.61(2H,tt,J=7.0, 7.0Hz),1.61(2H,t
t,J=7.0,7.0Hz),1.95(3H,s),1.96(3H,s),2.12(2H,t,J=
7.0Hz),2.60(2H,t,J=7.0Hz),4.01(3H,s),7.26(1H,s),7.
27(1H,dd,J=8.5,5.0Hz)7.55(1H,br-d,J=8.5,1Hz),8.44
(1H,br-d,J=5.0,1Hz),8.50(1H,br-s)
【0038】実施例5 5−メチル−2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノ
の製法
【0039】
【化17】
【0040】2,3,4,5−テトラメトキシトルエン
1.06gと酢酸エチル15mlを反応容器に仕込み容器
を氷浴で冷却した。内温が5℃になったところで濃塩酸
50mgを入れ、次に濃硝酸1.3gを内温が10℃越え
ないよう注意しながら約10分間かけて滴下した。その
後5〜6℃を維持し、約12時間撹拌した。反応終了
後、反応液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで有機層を
乾燥し濃縮することにより、赤色オイル状の粗生成物
0.9g得られた。これを高速液体クロマトグラフィー
に付して定量した結果、標題化合物として0.32g生
成していることが分かった。収率35.1%。
【0041】次に、本発明方法を用いて、キノン化合物
を製造した例を参考例として示す。
【0042】参考例 3−(2,3−ジメトキシ−6−メチル−1,4−ベン
ゾキノン−5−イル)−2−ノニル−2−プロペン酸の
製法
【0043】
【化18】
【0044】(1)2,3,6−トリブロ−p−クレ
ゾ−ルの製造
【0045】
【化19】
【0046】p−クレゾール216.4gをクロロホル
ム2.2lに溶解し、これを氷冷して内温を10〜20
℃に保つように臭素479.4gを1時間かけて滴下
し、反応を行った。滴下終了後、1時間そのまま撹拌を
続行して反応を行った。反応混合液に10%炭酸ナトリ
ウム水2l、クロロホルム2lを入れ抽出を行った。ク
ロロホルム層を1.6lの水で2回洗い、クロロホルム
層を減圧濃縮して、乾固物670.0gを得た。これに
n−ヘキサン1.7lを加えて再結晶を行い、標題化合
物の結晶282.8gを得た。
【0047】(2)2,3,6−トリメトキシ−p−ク
レゾールの製造
【0048】
【化20】
【0049】(1)で得られた2,3,6−トリブロ
−p−クレゾール565.6グラム、ヨウ化銅65.6
g、ジメチルフラン226mlからなる混合物を加熱し、
ナトリウムメチラートの28%メタノール溶液3980gを
1度に注入した。徐々に加熱して反応を進めた。75℃
位からメタノールが留出し始め、85℃位で発泡が起こ
った。45分で発泡が終了し、反応が終了した。冷却
後、水3.2lを入れ、酢酸エチル3.2lで抽出し
た。水層を酢酸エチル3.2lで再抽出し、酢酸エチル
層を合一し、4.8lの水で2回洗った。酢酸エチル層
を減圧濃縮し、285.8gの標題化合物を得た。
【0050】(3)2,3,4,5−テトラメトキシト
ルエンの製造
【0051】
【化21】
【0052】(2)で得られた2,3,6−トリメトキ
シ−p−クレゾールをアセトン2.4lに溶解し、水酸
化カリウム96.4gを加え、ジメチル硫酸216.8
gを撹拌下滴下した。内温は20℃から50℃に上昇
し、反応は30分で終了した。反応液に水2.4l、ジ
クロロメタン2.4lを入れて抽出した。ジクロロメタ
ン層を3.6lの水で3回洗い、ジクロロメタン層を減
圧濃縮し、粗生成物296.2gを得た。これをシリカ
ゲルクロマトグラフィーに付した(溶出溶媒:n−ヘキ
サン−イソプロピルエーテル系)。メイン分画を濃縮し
標題化合物245.8gを得た。
【0053】(4)6−メチル−2,3,4,5−テト
ラメトキシベンズアルデヒドの製造
【0054】
【化22】
【0055】(3)で得られた2,3,4,5−テトラ
メトキシトルエン150g、トリフルオロ酢酸1.8l
を混合し、均一に溶解した後撹拌下ヘキサメチレンテト
ラミンを加え、80〜90℃まで加熱した。2時間加熱
還流を行った後、常圧にてトリフルオロ酢酸を加熱留去
した。留出中、内温は85℃から徐々に上昇し110℃
となった時点で留出が終わった。濃縮液を冷却後、水4
lに溶解し無水炭酸ナトリウムにてpH8位までにし、
ついで酢酸エチル2lで抽出し、有機層を合一し無水硫
酸マグネシウムにて乾燥後溶媒を減圧留去して、標題化
合物177.1gを得た。
【0056】(5)(E)−3−[5−(6−メチル−
1,2,3,4−テトラメトキシ)フェニル]−2−ノ
ニル−2−プロペン酸エチルの製造
【0057】
【化23】
【0058】(4)で得られた6−メチル−2,3,
4,5−テトラメトキシベンズアルデヒド、2−ジエチ
ルホスホノウンデカノン酸エチル387.9g、トルエ
ン1.8lの混合液に28%ナトリウムメチラートメタ
ノ−ル溶液を滴下する。内温が10℃位上昇した後55
〜60℃に加熱して撹拌した。約3.5時間反応後冷却
した。イソプロピルエーテル1.8l、ジエチルエーテ
ル0.3lを加えて、水3.6lにて洗った。水層をイ
ソプロピルエーテル800mlにて再抽出した。有機層
合一し、5%食塩水2lで3回洗った。減圧濃縮後、3
74.6gの黄色粘性液を得た。
【0059】(6)(E)−3−[5−(6−メチル−
1,2,3,4−テトラメトキシフェニル]−2−ノニ
ル−2−プロペン酸の製造
【0060】
【化24】
【0061】(5)で得られた(E)−3−[5−(6
−メチル−1,2,3,4−テトラメトキシフェニル]
−2−ノニル−2−プロペン酸エチルをエタノール2リ
ットルに溶解し、水酸化ナトリウム80.5グラム、水
120ミリリットルからなる溶液を加え、3時間加熱還
流した。反応が進行するにつれて、白色沈殿物が析出し
た。氷冷後、反応液をろ過し、白色不溶物を除去した。
得られたろ液に水2リットルを加えて2リットルのn−
ヘキサンで3回洗浄した。次いで水相を濃塩酸170ミ
リリットルで酸性にした。これに酢酸エチル2リットル
を加え、水2リットルで洗浄した。溶媒を減圧下留去し
221.6グラムの黄色粘性液を得た。
【0062】(7)(E)−3−(2,3−ジメトキシ
−6−メチル−1,4−ベンゾキノン−5−イル)−2
−ノニル−2−プロペン酸の製造(本発明方法)
【0063】
【化25】
【0064】(6)で得られた(E)−3−[5−(6
−メチル−1,2,3,4−テトラメトキシ)フェニ
ル]−2−ノニル−2−プロペン酸221.6グラム、
酢酸エチル1.1リットル、酢酸1.1リットルの混合
液を食塩−氷で冷却した。冷却中に濃塩酸5.5グラム
を加えた。2℃まで冷却された時点で濃硝酸140.0
グラムを5℃以下に保ちながら30分かけて滴下した。
滴下終了後、反応容器を5℃の部屋に移し約14時間撹
拌した。その後部屋を移し室温で4.5時間反応させて
反応を完結させた。
【0065】反応液に酢酸エチル1.1リットル、水
3.3リットルを加えて抽出した。得られた酢酸エチル
層を2リットルの5%食塩水で3回洗浄した。溶媒留去
後トルエン450ミリリットルに溶解し氷冷後ろ過し、
ろ液を減圧濃縮し赤黒色粘性物213.7グラムを得
た。これを414ミリリットルのトルエンに溶解し、シ
リカゲルクロマトグラフィーで精製した(溶出溶媒:ト
ルエン−酢酸エチル系)。メイン分画を合一し、濃縮し
て126.3グラムの濃縮残渣を得た。この濃縮残渣1
26.3グラムをn−ヘキサン620ミリットルに溶解
させ、室温にて結晶化を行い、析出した結晶をろ取し
た。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 を、必要ならば塩酸を触媒として用いて、硝酸により酸
    化し、一般式(II) 【化2】 を製造するキノン化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 R1が、水素原子、低級アルキル基、低
    級アルコキシ基である、請求項1記載のキノン化合物の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 R2が、水素原子、低級アルキル基、低
    級アルコキシ基である請求項1記載のキノン化合物の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 R4が、水素原子、低級アルキル基また
    は低級アルコキシ基である請求項1記載のキノン化合物
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 R3が、式 【化3】 で示される基である請求項1記載のキノン化合物の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 R3が、式 【化4】 で示される基である請求項1の記載のキノン化合物の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 R1が、水素原子、メチル基またはメト
    キシ基である請求項2記載のキノン化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】 R2が、水素原子、メチル基またはメト
    キシ基である請求項3記載のキノン化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】 R4が、水素原子、メチル基またはメト
    キシ基である請求項4記載のキノン化合物の製造方法。
  10. 【請求項10】 R3が、式 【化5】 で示される基である請求項5記載のキノン化合物の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 R1がメトキシ基、R2がメトキシ基、
    R3が式 【化6】 で示される基、R4がメチル基であり、X,Yがメトキシ
    基である請求項1記載のキノン化合物の製造方法。
  12. 【請求項12】 R1がメチル基、R2が水素原子、R3
    式 【化7】 で示される基、R4がメチル基であり、X,Yがメトキシ
    基である請求項1記載のキノン化合物の製造方法。
  13. 【請求項13】 R1がメトキシ基、R2がメチル基、R3
    が式 【化8】 で示される基、R4がメチル基、X,Yがメトキシ基であ
    る請求項1記載のキノン化合物の製造方法。
  14. 【請求項14】 R1,R2がメトキシ基、R3が水素原
    子、R4がメチル基、X,Yがメトキシ基である請求項1
    記載のキノン化合物の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995004044A1 (fr) * 1993-07-30 1995-02-09 Eisai Co., Ltd. Procede de production de derives d'hydroquinone et de benzoquinone
US5637716A (en) * 1993-07-30 1997-06-10 Eisai Co., Ltd. Processes for the preparation of hydroquinone and benzoquinone derivatives
KR100352081B1 (ko) * 1999-12-27 2002-09-12 동양제철화학 주식회사 방향족 퀴논 및 케톤의 제조방법

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