JPH05148176A - 5置換ベンゼンのホルミル化方法 - Google Patents

5置換ベンゼンのホルミル化方法

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JPH05148176A
JPH05148176A JP31860091A JP31860091A JPH05148176A JP H05148176 A JPH05148176 A JP H05148176A JP 31860091 A JP31860091 A JP 31860091A JP 31860091 A JP31860091 A JP 31860091A JP H05148176 A JPH05148176 A JP H05148176A
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JP
Japan
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group
substituted benzene
compound
added
hexamethylenetetramine
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JP31860091A
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English (en)
Inventor
Nobuo Shinkawa
伸夫 新川
Tomio Ichino
富雄 市野
Tomio Tsuruki
外美雄 鶴来
Hirofumi Kuroda
弘文 黒田
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Eisai Chemical Co Ltd
Eisai Co Ltd
Original Assignee
Eisai Chemical Co Ltd
Eisai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 5つの電子供与基によって置換されたベンゼ
ン誘導体のを一工程でのホルミル化を可能にした、工業
的に有利な方法。得られたホルミル体は、キノン誘導体
やベンゾチアゾール誘導体の中間体として有用である。 【構成】 5置換ベンゼン誘導体をトリフルオロ酢酸に
溶解しヘキサメチレンテトラミンと反応させることによ
って、5置換ベンゼン誘導体をホルミル化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、5置換ベンゼンのホル
ミル化方法に関する。更に詳しくは、キノン化合物の中
間体の製造方法として有用な5置換ベンゼンのホルミル
化方法に関する。
【0002】
【発明の背景と先行技術】CoQの代表されるベンゾキ
ノン化合物は、医薬として有用なものが数多く知られて
いる。例えば、特願平2−237051号には、式
【化3】 で代表されるキノン化合物が、経口肝疾患治療剤として
開示されており、また、特願平3−44709号には、
【化4】 で代表される化合物がロイコトリエン産生抑制作用また
はトロンボキサンA2抑制作用が有効な疾患の予防・治療
剤として開示されている。
【0003】さらには、特願平3−71480号にロイ
コトリエン産生抑制作用またはトロンボキサンA2 抑制
作用が有効な疾患の予防・治療剤として開示されている
ベンゾチアゾール誘導体の中間体としてもキノン化合物
が重要な役割を果している。
【0004】従来ベンゾキノン化合物を製造するには、
水酸基が低級アルキル基等で保護されているハイドロキ
ノン化合物に置換基を導入した後、酸化してベンゾキノ
ン化合物を得るという方法が取られてきた。しかしハイ
ドロキノン化合物のベンゼン環が3つの電子供与基で置
換されている場合、ベンゼン環としては5つの電子供与
基によって置換されていることになり、電子吸引基、こ
とに、ほかの基に誘導しやすいホルミル基を導入するこ
とが非常に困難となるので、工程数が増え、必然的にコ
ストが上がり、時間もかかるという欠点を有する。
【0005】本発明の目的は、工業的に有利な5置換ベ
ンゼンのホルミル化方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
状況に鑑み、上記のような欠点を解決した工業上有利な
製造方法について、長期間鋭意研究を重ねてきたが、下
記に示す方法が所期の目的を達成することを見いだし本
発明を完成した。
【0007】即ち、本発明の方法は以下のとおりであ
る。
【0008】一般式(I)
【化05】で表される化合物を製造するに際し、一般式
(II)
【化06】で表される化合物をトリフルオロ酢酸に溶解
し、ヘキサメチレンテトラミンと反応させることを特徴
とする5置換ベンゼンのホルミル化方法。
【0009】本発明の定義中、R1, R2,R3,R4及びR5
おける電子供与基とは、電子を供与し得る基ならいかな
る基でも良いが、代表的な基を挙げれば、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子か
ら誘導された基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、スルホ
ニル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基などを意味
する。
【0010】またこの定義中低級アルキル基とは、炭素
数1〜8の直鎖または分枝状のアルキル基を意味する。
これらのうちい好ましい基としては、メチル基、エチル
基などを挙げることができる。
【0011】低級アルコキシ基とは、上記低級アルキル
基より誘導される基を意味する。
【0012】本発明の製造方法は5つの電子供与基によ
って置換されているベンゼン誘導体をトリフルオロ酢酸
に溶解し、ヘキサメチレンテトラミンと反応させること
によりホルミル化する方法である。
【0013】反応温度は約75℃から120℃であるが
好ましくは85℃から110℃である。
【0014】原料の5置換ベンゼンとヘキサメチレンテ
トラミンの割合は特に限定されないが、5置換ベンゼン
とヘキサメチレンテトラミンのモル比が1:1〜1:1
0ぐらいが好ましく、更に好ましくは1:1〜1:3ぐ
らいである。
【0015】また原料化合物の5置換ベンゼンと反応溶
媒の割合は特に限定されないが、原料化合物1gに対
し、トリフルオロ酢酸1ml〜50mlぐらいが好ましく、
更に好ましくは5〜25mlである。
【0016】本発明方法は、5つの電子供与基によって
置換されたベンゼン誘導体をトリフルオロ酢酸に溶解
し、ヘキサメチレンテトラミンと反応させることにより
ホルミル化することを特徴とする5置換ベンゼンの1工
程でのホルミル化を可能にした画期的な方法である。
【0017】
【実施例】以下に本発明方法による実施例を示すが、本
発明がこれらのみに限定されないことはいうまでもな
い。また下記の化学構造式中Meはメチル基を意味す
る。
【0018】実施例1 6−メチル−2,3,4,5−テトラメトキシベンズア
ルデヒドの製造
【0019】
【化07】
【0020】1−メチル−2,3,4,5−テトラメト
キシベンズアルデヒド150.0g、トリフルオロ酢酸
(TFA)1.8lを混合し、溶解後、撹拌下ヘキサメ
チレンテトラミン198.4gを入れた。加熱して2時
間還流反応後、TFAを常圧にて加熱留去した。留出
中、内温は85℃から徐々に上昇したが、110℃にな
った時点で留出はほぼ終了した。冷却後、水4lを加
え、無水炭酸ナトリウムの粉末577.6gを加えてp
H8程度にした。継いで、酢酸エチル2lで抽出した。
酢酸エチル層分取後、水層を酢酸エチル1lで再抽出し
た。酢酸エチル層を合一し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し減圧濃縮を行いホルミル体177.1gを得た。収
率73.8%。
【0021】参考例 3−[5−(2,3−ジメトキシ−6−メチル−1,4
−ベンゾキノイル)]−2−ノニル−2−プロペン酸の
製法
【0022】
【化08】
【0023】(1)2,3,6−トリブロム−p−クレ
ゾ−ルの製造
【0024】
【化09】
【0025】p−クレゾール216.4gをクロロホル
ム2.2lに溶解し、これを氷冷して内温を10〜20
℃に保つように臭素479.4gを1時間かけて滴下
し、反応を行った。滴下終了後、1時間そのまま撹拌を
続行して反応を行った。反応混合液に10%炭酸ナトリ
ウム水2l、クロロホルム2lを入れ抽出を行った。ク
ロロホルム層を1.6lの水で2回洗い、クロロホルム
層を減圧濃縮して、乾固物670.0gを得た。これに
n−ヘキサン1.7lを加えって再結晶を行い、標題化
合物の結晶282.8gを得た。
【0026】(2)2,3,6−トリメトキシ−p−ク
レゾールの製造
【0027】
【化10】
【0028】(1)で得られた2,3,6−トリブロム
−p−クレゾール565.6g、ヨウ化銅65.6g、
ジメチルフラン226mlからなる混合物を加熱し、28
%ナトリウムメトキシドメタノール溶液3980gを 1度に
注入した。徐々に加熱して反応を進めた。75℃位から
メタノールが留出し始め、85℃位で発泡が起こった。
45分で発泡が終了し、反応が終了した。冷却後、水
3.2lを入れ、酢酸エチル3.2lで抽出した。水層
を酢酸エチル3.2lで再抽出し、酢酸エチル層を合一
し、4.8lの水で2回洗った。酢酸エチル層を減圧濃
縮し、285.8gの標題化合物を得た。
【0029】(3)2,3,4,5−テトラメトキシト
ルエンの製造
【0030】
【化11】
【0031】
(2)で得られた2,3,6−トリ
メトキシ−p−クレゾールをアセトン2.4lに溶解
し、水酸化カリウム96.4gを加え、ジメチル硫酸2
16.8gを撹拌下滴下した。内温は20℃から50℃
に上昇し、反応は30分で終了した。反応液に水2.4
l、ジクロロメタン2.4lを入れて抽出した。ジクロ
ロメタン層を3.6lの水で3回洗い、ジクロロメタン
層を減圧濃縮し、粗テトラメトキシ体296.2gを得
た。これをシリカゲルクロマトグラフィーに付した(溶
出溶媒:n−ヘキサン−イソプロピルエーテル系)。メ
イン分画を濃縮し標題化合物245.8gを得た。
【0032】
(4)6−メチル−2,3,4,5−
テトラメトキシトルエンの製造
【0033】
【化12】
【0034】
(3)で得られた2,3,4,5−
テトラメトキシトルエン150g、トリフルオロ酢酸
1.8lを混合し、均一に溶解した後撹拌下ヘキサメチ
レンテトラミンを加え、80〜90℃まで加熱した。2
時間加熱還流を行った後、常圧にてトリフルオロ酢酸を
加熱留去した。留出中、内温は85℃から徐々に上昇し
110℃となった時点で留出が終わった。濃縮液を冷却
後、水4lに溶解し無水炭酸ナトリウムにてpH8位ま
でにし、ついで酢酸エチル2lで抽出分取し、水層を合
一し無水硫酸マグネシウムにて乾燥後溶媒を減圧留去し
て、標題化合物177.1gを得た。
【0035】
(5)(E)−3−[5−(1−ヒド
ロキシ−6−メチル−2,3,4−トリメトキシフェニ
ル]−2−ノニル−2−プロペン酸エチルの製造
【0036】
【化13】
【0037】
(4)で得られた6−メチル−2,
3,4,5−テトラメトキシベンズアルデヒド−2ジエ
チルホスホノウンデカノン酸エチル387.9g、トル
エン1.8lの混合液に28%ナトリウムメチラートメ
タノ−ル溶液を滴下する。内温が10℃位上昇した後5
5〜60℃に加熱して撹拌した。約3.5時間反応後冷
却した。イソプロピルエーテル1.8l、ジエチルエー
テル0.3lを加えて、水3.6lにて洗った。水層を
イソプロピルエーテル800mlにて再抽出した。イソプ
ロピルエーテル層を合一し、5%食塩水2lで3回洗っ
た。減圧濃縮後、374.6gの黄色粘性液を得た。
【0038】
(6)(E)−3−[5−(1−ヒド
ロキシ−6−メチル−2,3,4−トリメトキシフェニ
ル]−2−ノニル−2−プロペン酸の製造
【0039】
【化14】
【0040】
(5)で得られた(E)−3−[5
−(1−ヒドロキシ−6メチル−2,3,4−トリメト
キシフェニル]−2−ノニル−2−プロペン酸エチルを
エタノール2lに溶解し、水酸化ナトリウム80.5
g、水120mlからなる溶液を加え、3時間加熱還流し
た。反応が進行するにつれて、白色沈殿物が析出した。
氷冷後、反応液をろ過し、白色不溶物を除去した。得ら
れたろ液に水2lを加えて2lのn−ヘキサンで3回洗
浄した。次いで水相を濃塩酸170mlで酸性にした。こ
れに酢酸エチル2lを加え、水2lで洗浄した。溶媒を
減圧下留去し221.6gの黄色粘性液を得た。
【0041】
(7)(E)−3−[5−(2,3−
ジメトキシ−6−メチル−1,4−ベンゾキノニル)]
−2−ノニル−2−プロペン酸の製造(本発明方法)
【0042】
【化15】
【0043】
(6)で得られた(E)−3−[5
−(1−ヒドロキシ−6−メチル−2,3,4−トリメ
トキシフェニル]−2−ノニル−2−プロペン酸22
1.6g、酢酸エチル1.1l、酢酸1.1lの混合液
を食塩−氷で冷却した。冷却中に濃塩酸5.5gを加え
た。2℃まで冷却された時点で濃硝酸140.0gを5
℃以下に保ちながら30分かけて滴下した。滴下終了
後、反応容器を5℃の部屋に移し約14時間撹拌した。
その後部屋を移し室温で4.5時間反応させて反応を完
結させた。
【0044】
反応液に酢酸エチル1.1l、水
3.3lを加えて抽出した。得られた酢酸エチル層を2
lの5%食塩水で3回洗浄した。溶媒留去後トルエン4
50mlに溶解し氷冷後ろ過し、ろ液を減圧濃縮し赤黒色
粘性物213.7gを得た。これを414mlのトルエン
に溶解し、シリカゲルクロマトグラフィーで生成した
(溶出溶媒:トルエン−酢酸エチル系)。メイン分画を
合一し、濃縮して126.3gの濃縮残渣を得た。この
濃縮残渣126.3gをn−ヘキサン620mlに溶解さ
せ、室温にて結晶化を行い、析出した結晶をろ取した。
【化5】
【化6】
【化8】
【化7】
【化9】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 5置換ベンゼンのホルミル化方法
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、R1,R2,R3,R4 およびR5 は電子供与基を意
味する。)で表される化合物を製造するに際し、一般式
(II)
【化2】 (式中、R1,R2,R3,R4 およびR5 は電子供与基を意
味する。)で表される化合物をトリフルオロ酢酸に溶解
し、ヘキサメチレンテトラミンと反応させることを特徴
とする5置換ベンゼンのホルミル化方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、5置換ベンゼンのホル
ミル化方法に関する。更に詳しくは、キノン化合物の中
間体の製造方法として有用な5置換ベンゼンのホルミル
化方法に関する。
【0002】
【発明の背景と先行技術】CoQ10代表されるベンゾ
キノン化合物は、医薬として有用なものが数多く知られ
ている。例えば、特願平2−237051号には、式
【化3】 で代表されるキノン化合物が、経口肝疾患治療剤として
開示されており、また、特願平3−44709号には、
【化4】 で代表される化合物がロイコトリエン産生抑制作用また
はトロンボキサンA2抑制作用が有効な疾患の予防・治療
剤として開示されている。
【0003】さらには、特願平3−71480号にロイ
コトリエン産生抑制作用またはトロンボキサンA2 抑制
作用が有効な疾患の予防・治療剤として開示されている
ベンゾチアゾール誘導体の中間体としてもキノン化合物
が重要な役割を果している。
【0004】従来ベンゾキノン化合物を製造するには、
水酸基が低級アルキル基等で保護されているハイドロキ
ノン化合物に置換基を導入した後、酸化してベンゾキノ
ン化合物を得るという方法が取られてきた。しかしハイ
ドロキノン化合物のベンゼン環が3つの電子供与基で置
換されている場合、ベンゼン環としては5つの電子供与
基によって置換されていることになり、電子吸引基、こ
とに、ほかの基に誘導しやすいホルミル基を導入するこ
とが非常に困難となるので、工程数が増え、必然的にコ
ストが上がり、時間もかかるという欠点を有する。
【0005】本発明の目的は、工業的に有利な5置換ベ
ンゼンのホルミル化方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
状況に鑑み、上記のような欠点を解決した工業上有利な
製造方法について、長期間鋭意研究を重ねてきたが、下
記に示す方法が所期の目的を達成することを見いだし本
発明を完成した。
【0007】即ち、本発明の方法は以下のとおりであ
る。
【0008】一般式(I)
【化5】 で表される化合物を製造するに際し、一般式(II)
【化6】 で表される化合物をトリフルオロ酢酸に溶解し、ヘキサ
メチレンテトラミンと反応させることを特徴とする5置
換ベンゼンのホルミル化方法。
【0009】本発明の定義中、R1, R2,R3, R4及びR5
おける電子供与基とは、電子を供与し得る基ならいかな
る基でも良いが、代表的な基を挙げれば、水酸基、アミ
ノ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基などを意味す
る。
【0010】またこの定義中低級アルキル基とは、炭素
数1〜8の直鎖または分枝状のアルキル基を意味する。
これらのうちい好ましい基としては、メチル基、エチル
基などを挙げることができる。
【0011】低級アルコキシ基とは、上記低級アルキル
基より誘導される基を意味する。
【0012】本発明の製造方法は5つの電子供与基によ
って置換されているベンゼン誘導体をトリフルオロ酢酸
に溶解し、ヘキサメチレンテトラミンと反応させること
によりホルミル化する方法である。
【0013】反応温度は約75℃から120℃であるが
好ましくは約85℃から110℃である。
【0014】原料の5置換ベンゼンとヘキサメチレンテ
トラミンの割合は特に限定されないが、5置換ベンゼン
とヘキサメチレンテトラミンのモル比が1:1〜1:1
0ぐらいが好ましく、更に好ましくは1:1〜1:3ぐ
らいである。
【0015】また原料化合物の5置換ベンゼンと反応溶
媒の割合は特に限定されないが、原料化合物1gに対
し、トリフルオロ酢酸1ml〜50mlぐらいが好ましく、
更に好ましくは5〜25mlである。
【0016】本発明方法は、5つの電子供与基によって
置換されたベンゼン誘導体とトリフルオロ酢酸に溶解し
ヘキサメチレンテトラミンと反応させることによりホル
ミル化することを特徴とする5置換ベンゼンの1工程で
のホルミル化を可能にした画期的な方法である。
【0017】
【実施例】以下に本発明方法による実施例を示すが、本
発明がこれらのみに限定されないことはいうまでもな
い。また下記の化学構造式中Meはメチル基を意味す
る。
【0018】実施例1 6−メチル−2,3,4,5−テトラメトキシベンズア
ルデヒドの製造
【0019】
【化7】
【0020】1−メチル−2,3,4,5−テトラメト
キシトルエン150.0g、トリフルオロ酢酸(TF
A)1.8リットルを混合し、溶解後、撹拌下ヘキサメ
チレンテトラミン198.4gを加えた。加熱して2時
間還流反応後、TFAを常圧にて加熱留去した。留出
中、内温は85℃から徐々に上昇したが、110℃にな
った時点で留出はほぼ終了した。冷却後、水4リットル
を加え、無水炭酸ナトリウムの粉末577.6gを加え
てpH8程度にした。継いで、酢酸エチル2リットルで
抽出した。酢酸エチル層分取後、水層を酢酸エチル1リ
ットルで再抽出した。酢酸エチル層を合一し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥し減圧濃縮を行い標題化合物17
7.1gを得た。収率73.8%。
【0021】参考例 3−(2,3−ジメトキシ−6−メチル−1,4−ベン
ゾキノン−5−イル)−2−ノニル−2−プロペン酸の
製法
【0022】
【化8】
【0023】(1)2,3,6−トリブロモ−p−クレ
ゾ−ルの製造
【0024】
【化9】
【0025】p−クレゾール216.4gをクロロホル
ム2.2lに溶解し、これを氷冷して内温を10〜20
℃に保つように臭素479.4gを1時間かけて滴下
し、反応を行った。滴下終了後、1時間そのまま撹拌を
続行して反応を行った。反応混合液に10%炭酸ナトリ
ウム水2l、クロロホルム2lを入れ抽出を行った。ク
ロロホルム層を1.6lの水で2回洗い、クロロホルム
層を減圧濃縮して、乾固物670.0gを得た。これに
n−ヘキサン1.7lを加えって再結晶を行い、標題化
合物の結晶282.8gを得た。
【0026】(2)2,3,6−トリメトキシ−p−ク
レゾールの製造
【0027】
【化10】
【0028】(1)で得られた2,3,6−トリブロモ
−p−クレゾール565.6グラム、ヨウ化銅65.6
g、ジメチルフラン226mlからなる混合物を加熱し、
ナトリウムメチラートの28%メタノール溶液3980gを
1度に注入した。徐々に加熱して反応を進めた。75℃
位からメタノールが留出し始め、85℃位で発泡が起こ
った。45分で発泡が終了し、反応が終了した。冷却
後、水3.2lを入れ、酢酸エチル3.2lで抽出し
た。水層を酢酸エチル3.2lで再抽出し、酢酸エチル
層を合一し、4.8lの水で2回洗った。酢酸エチル層
を減圧濃縮し、285.8gの標題化合物を得た。
【0029】(3)2,3,4,5−テトラメトキシト
ルエンの製造
【0030】
【化11】
【0031】(2)で得られた2,3,6−トリメトキ
シ−p−クレゾールをアセトン 2.4lに溶解し、苛性カリ96.4gを加え、ジメチ
ル硫酸216.8gを撹拌下滴下した。内温は20℃か
ら50℃に上昇し、反応は30分で終了した。反応液に
水2.4l、ジクロロメタン2.4lを入れて抽出し
た。ジクロロメタン層を3.6lの水で3回洗い、ジク
ロロメタン層を減圧濃縮し、粗生成物296.2gを得
た。これをシリカゲルクロマトグラフィーに付した(溶
出溶媒:n−ヘキサン−イソプロピルエーテル系)。メ
イン分画を濃縮し標題化合物245.8gを得た。
【0032】(4)6−メチル−2,3,4,5−テト
ラメトキシベンズアルデヒドの製造 (本発明方法)
【0033】
【化12】
【0034】(3)で得られた2,3,4,5−テトラ
メトキシトルエン150g、トリフルオロ酢酸1.8l
を混合し、均一に溶解した後撹拌下ヘキサメチレンテト
ラミンを加え、80〜90℃まで加熱した。2時間加熱
還流を行った後、常圧にてトリフルオロ酢酸を加熱留去
した。留出中、内温は85℃から徐々に上昇し110℃
となった時点で留出が終わった。濃縮液を冷却後、水4
lに溶解し無水炭酸ナトリウムにてpH8位までにし、
ついで酢酸エチル2lで抽出分取し、有機層を合一し無
水硫酸マグネシウムにて乾燥後溶媒を減圧留去して、標
題化合物177.1gを得た。
【0035】(5)(E)−3−[5−(6−メチル−
1,2,3,4−テトラメトキシ)フェニル]−2−ノ
ニル−2−プロペン酸エチルの製造
【0036】
【化13】
【0037】(4)で得られた6−メチル−2,3,
4,5−テトラメトキシベンズアルデヒド−2ジエチル
ホスホノウンデカノン酸エチル387.9g、トルエン
1.8lの混合液に28%ナトリウムメチラートメタノ
−ル溶液を滴下する。内温が10℃位上昇した後55〜
60℃に加熱して撹拌した。約3.5時間反応後冷却し
た。イソプロピルエーテル1.8l、エチルエーテル
0.3lを加えて、水3.6lにて洗った。水層をイソ
プロピルエーテル800mlにて再抽出した。有機層合一
し、5%食塩水2lで3回洗った。減圧濃縮後、37
4.6gの黄色粘性液を得た。
【0038】(6)(E)−3−[5−(6−メチル−
1,2,3,4−テトラメトキシ)フェニル]−2−ノ
ニル−2−プロペン酸の製造
【0039】
【化14】
【0040】(5)で得られた(E)−3−[5−(6
−メチル−1,2,3,4−テトラメトキシ)フェニ
ル]−2−ノニル−2−プロペン酸エチルをエタノール
2リットルに溶解し、水酸化ナトリウム80.5グラ
ム、水120ミリリットルからなる溶液を加え、3時間
加熱還流した。反応が進行するにつれて、白色沈殿物が
析出した。氷冷後、反応液をろ過し、白色不溶物を除去
した。得られたろ液に水2リットルを加えて2リットル
のn−ヘキサンで3回洗浄した。次いで水相を濃塩酸1
70ミリリットルで酸性にした。これに酢酸エチル2リ
ットルを加え、水2リットルで洗浄した。溶媒を減圧下
留去し221.6グラムの黄色粘性液を得た。
【0041】(7)(E)−3−(2,3−ジメトキシ
−6−メチル−1,4−ベンゾキノン−5−イル)−2
−ノニル−2−プロペン酸の製造
【0042】
【化15】
【0043】(6)で得られた(E)−3−[5−(6
−メチル−1,2,3,4−テトラメトキシ)フェニ
ル]−2−ノニル−2−プロペン酸221.6グラム、
酢酸エチル1.1リットル、酢酸1.1リットルの混合
液を食塩−氷で冷却した。冷却中に濃塩酸5.5グラム
を加えた。2℃まで冷却された時点で濃硝酸140.0
グラムを5℃以下に保ちながら30分かけて滴下した。
滴下終了後、反応容器を5℃の部屋に移し約14時間撹
拌した。その後部屋を移し室温で4.5時間反応させて
反応を完結させた。
【0044】反応液に酢酸エチル1.1リットル、水
3.3リットルを加えて抽出した。得られた酢酸エチル
層を2リットルの5%食塩水で3回洗浄した。溶媒留去
後トルエン450ミリリットルに溶解し氷冷後ろ過し、
ろ液を減圧濃縮し赤黒色粘性物213.7グラムを得
た。これを414ミリリットルのトルエンに溶解し、シ
リカゲルクロマトグラフィーで生成した(溶出溶媒:ト
ルエン−酢酸エチル系)。メイン分画を合一し、濃縮し
て126.3グラムの濃縮残渣を得た。この濃縮残渣1
26.3グラムをn−ヘキサン620ミリットルに溶解
させ、室温にて結晶化を行い、析出した結晶をろ取し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 47/565 9049−4H 47/575 9049−4H 225/22 6742−4H

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1,R2,R3,R4 およびR5 は電子供与基を意
    味する。)で表される化合物を製造するに際し、一般式
    (II) 【化2】 (式中、R1,R2,R3,R4 およびR5 は電子供与基を意
    味する。)で表される化合物をトリフルオロ酢酸に溶解
    し、ヘキサメチレンテトラミンと反応させることを特徴
    とする5置換ベンゼンのホルミル化方法。
  2. 【請求項2】 電子供与基がハロゲン原子から誘導さ
    れる基、水酸基、アミノ基、低級アルキル基又は低級ア
    ルコキシ基である請求項1記載の5置換ベンゼンのホル
    ミル化方法。
  3. 【請求項3】 R2とR5が低級アルコキシ基である請求
    項1記載の5置換ベンゼンのホルミル化方法。
  4. 【請求項4】 R1が低級アルキル基である請求項1記
    載の5置換ベンゼンのホルミル化方法。
  5. 【請求項5】 低級アルコキシ基がメトキシ基である
    請求項3記載の5置換ベンゼンのホルミル化方法。
  6. 【請求項6】 低級アルキル基がメチル基である請求
    項4記載の5置換ベンゼンのホルミル化方法。
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