JPH05147918A - 金属シリコンの精製方法 - Google Patents

金属シリコンの精製方法

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JPH05147918A
JPH05147918A JP31265191A JP31265191A JPH05147918A JP H05147918 A JPH05147918 A JP H05147918A JP 31265191 A JP31265191 A JP 31265191A JP 31265191 A JP31265191 A JP 31265191A JP H05147918 A JPH05147918 A JP H05147918A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 精製効率を大幅に向上できる金属シリコンの
精製方法を提供する。 【構成】 溶融した金属シリコンを一方向に順次冷却す
ることにより、不純物を順次融液中に排除しながら凝固
させて高純度シリコンを製造する方法において、未凝固
溶融シリコンの温度を1425℃以上に保持することによ
り、固相に残存する不純物元素濃度を効率よく低減させ
ることができ、従来法に比較して、精製効率の大幅向上
を図ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属シリコンの精製方
法に関し、特に太陽電池などに用いられて有効な高純度
金属シリコンを製造する精製方法について提案する。
【0002】
【従来の技術】上記太陽電池に使用されるシリコンは、
一般に、含有するAlやFe等の不純物は少ないほどよい。
このことから、従来、シリコン中の不純物を除去するた
めの方法が幾つか提案されており、固相と液相に対する
溶解度の比,いわゆる固/液間の分配係数の差を利用し
た帯溶融法もしくは一方向凝固法などが広く実施されて
いる。
【0003】例えば、D.Margadonnna et al.らによる 8
th Proceedings of the International Conference (19
88) 1254-1260.では、炭素熱還元法で製造したシリコン
を、酸浸出することにより含有不純物を除去し、その
後、2回の一方向凝固法を実施して、金属シリコンを精
製する方法が開示されている。
【0004】また、本発明者らも、9th Proceedings of
the International Conference (1989) 462-465. で報
告したように、金属シリコンの精製方法としては、一方
向凝固法が有用であることを確認している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような各従来技術では、図4に示すように、Al,F
e等の不純物濃度が100ppmを超えると、インゴット高さ
の60%以上の位置(残溶湯が40%未満の段階)で、不純
物濃度が急激に増加する傾向があり、精製効果が著しく
損なわれるという問題があった。
【0006】本発明の目的は、精製効率を大幅に向上で
きる金属シリコン精製技術を確立することにあり、特に
太陽電池などに使用される高純度シリコンを効率良く精
製できる技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上掲の目的実現のために
鋭意研究した結果、本発明者らは、金属シリコンの精製
効率にとって、シリコン浴の温度が重要な要因となるこ
とを突き止め、このシリコン浴の温度を種々変化させ
て、さらに凝固実験を行った結果、下記要旨構成の如き
本発明方法に想到した。
【0008】すなわち、本発明は、溶融した金属シリコ
ンを一方向に順次冷却することにより、不純物を順次融
液中に排除しながら凝固させて高純度シリコンを製造す
る方法において、未凝固溶融シリコンの温度を1425℃以
上に保持することを特徴とする金属シリコンの精製方法
である。。
【0009】
【作用】さて、溶融金属の凝固現象を観察すると判るよ
うに、固相と液相が共存する温度域では、一般に、溶質
元素の固相での溶解度CS と液相での溶解度CL は異な
るのが普通である。この両者の溶解度の比CS/C
L は、分配係数と呼ばれ、表1に示すように、金属シリ
コン中に含まれる不純物元素の分配係数は、数元素を除
いて、10-2〜10-6と非常に小さい。従って、金属シリコ
ンに含有される不純物は、固相と液相が共存する温度域
では、凝固中に固相よりも液相に入りやすく、凝固が進
行するにしたがって液相中に濃縮される。
【0010】
【表1】
【0011】図1は、溶融金属が凝固する際の固/液相
界面近傍における不純物元素の濃度分布を模式的に示し
たものである。この図から明らかなように、固/液相界
面では、不純物が固相から液相へ排出される拡散層が存
在し、この層の厚みδが小さい方が固/液相界面近傍に
おける不純物濃度の立ち上りが小さくなることが判っ
た。それ故に、この拡散層の厚みδを小さくすると、固
相に残存する不純物元素濃度が低減され、高純度のシリ
コン塊が効率良く精製できる。そして、本発明は、正に
このような知見の下に開発した技術である。
【0012】ここで、本発明を完成させるに当たり、上
記拡散層の厚みδを小さくするため、図2に示す装置を
用い、浴温度を種々変化させて、シリコンインゴットを
得る凝固実験を行った。その結果、後述するように、得
られた各インゴットの縦断面中心部の不純物濃度の分布
図から、浴温度が1425℃以上で、著しく精製効率が向上
することが判った。従って、本発明において、凝固進行
中の溶融シリコンの温度は少なくとも1425℃以上にする
ことが必要であり、好ましくは1430℃以上とするのがよ
い。
【0013】以上説明したような理由により、本発明に
よれば、未凝固溶融シリコン浴の温度を1425℃以上にす
ることにより、上記拡散層の厚みδを小さくし、固相に
残存する不純物元素濃度を低減することができるから、
高純度のシリコン塊が効率良く精製できる。
【0014】
【実施例】以下に、この発明の上述した作用・効果を確
認する実験を行ったのでその結果を説明する。この実験
は図2に示す装置にて行ったものである。この装置は、
抵抗式加熱溶解炉内に内寸20×20×20cmの角型鋳型1を
設置し、シリコン材料を、Ar雰囲気中に保持した前記鋳
型内で溶解する形式のものである。そして、この鋳型1
は、冷却部を兼ねた鋳型台2に乗っており、この鋳型台
2は、図示しない機構により上下移動ができるものであ
る。
【0015】この装置によるシリコン材料の溶解凝固
は、次のようにして行われる。すなわち、前記鋳型1を
ヒータ3によって加熱した状態で、冷却部の前記鋳型台
2の中心にある冷却ガス導入管4よりArガスを10l/min.
流すことにより鋳型1の底部を冷却しながら、鋳型台2
および鋳型1とともに下方に動かすことにより、シリコ
ンを鋳型底より上方に向けて一方向に冷却して凝固させ
るようになっている。なお、この装置の上述した構成
は、鋳型1を据え置きにしてヒータを上方に引き抜く形
式にしても、鋳型移動形式のものと同等の効果がある。
【0016】さて、この実験では、シリコン20kgを、図
2に示す装置を用いて溶融シリコン浴の温度を1418℃に
保持しつつ、鋳型1の底部から一方向(上方)に冷却凝
固させ、凝固後のシリコンインゴット中の不純物の濃度
分布を調査した。なお、得られたシリコンインゴットは
20×20×20cmの大きさであった。
【0017】その結果を示す図3から明らかなように、
上記の浴温度(1418℃)では、凝固前の溶融シリコン中
のAl(〇印で示す)の濃度は、ほぼ8ppmwであるのに対
し、凝固したインゴットのそれは、ほぼ10-1ppmwと低下
するが、Bについては、表1の分配係数からも推察され
るように、精製効果が著しく悪い結果となった。
【0018】また、同じ装置を用いて、溶融シリコン浴
の温度を1415℃に保持し、溶融シリコン中のAl,Fe 濃度
がそれぞれ870ppmw,350ppmw のシリコン20kgを、上記と
同様の方法にて一方向に冷却凝固させて得たインゴット
中の不純物Al,Fe の濃度分布を調査した。その結果を示
す図4から明らかなように、インゴット高さが 120mm
(頭部を除く部分)までは1〜5ppmwと著しく低下する
ものの、インゴット頭部に近くなるインゴット高さが13
0 〜140mm からは、Al,Fe 濃度は急激に多くなり、精製
効率が著しく低下する結果となった。
【0019】このような結果が得られた未凝固溶融シリ
コン浴の温度は、図3の場合は1418℃,図4の場合は14
15℃であり、このような浴温度では、高度の精製が困難
であることが判った。
【0020】そこで、本発明者らは、次に、図4に示す
凝固の場合と同一の原料を用いて、これまでと同一の装
置で凝固中のシリコン浴中の温度を、今度は1430℃と高
く保持し、他は全く同一の条件で一方向に冷却凝固させ
た。その結果、得られたインゴット中のAl,Fe 濃度は、
図5に示すように、図4と相似形の濃度分布を示し、イ
ンゴット高さが180 〜190mm までは低く、それを超える
と急激に多くなって、図4の浴温度の場合と比べてイン
ゴット高さで約80mmほど純度のよいシリコンを得ること
ができ、精製効率が向上していることが判った。
【0021】さらに、数種の供試料について一方向凝固
試験を行ったところ、図6に示すような結果が得られ
た。この図6に示すところから明らかなように、未凝固
溶融シリコン浴の温度は、1425℃以上あることが望まし
い結果が得られており、より好ましくは1430℃以上で好
適浴温といえる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、金
属シリコンを凝固精製する際、未凝固溶融シリコンの温
度を1425℃以上に保持することにより、固相に残存する
不純物元素濃度を効率良く低減させることができ、精製
効率の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】凝固中の固/液界面近傍の不純物元素の濃度分
布を示す概念図である。
【図2】本発明方法を実施するための装置の主要部を示
す縦断面図である。
【図3】溶融シリコン浴の温度を1418℃とする従来方法
によって得たシリコンインゴット中の不純物元素の濃度
分布図である。
【図4】溶融シリコン浴の温度を1415℃とする従来方法
によって得たシリコンインゴット中の不純物Al,Fe の濃
度分布図である。
【図5】溶融シリコン浴の温度を1430℃とする本発明方
法によって得たシリコンインゴット中の不純物Al,Fe の
濃度分布図である。
【図6】Al濃度が急増するインゴット高さと未凝固溶融
シリコン浴の温度の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 鋳型 2 鋳型台 3 ヒータ 4 冷却ガス導入管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融した金属シリコンを一方向に順次冷
    却することにより、不純物を順次融液中に排除しながら
    凝固させて高純度シリコンを製造する方法において、未
    凝固溶融シリコンの温度を1425℃以上に保持することを
    特徴とする金属シリコンの精製方法。
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