JP2553082B2 - 銅の精製方法 - Google Patents

銅の精製方法

Info

Publication number
JP2553082B2
JP2553082B2 JP62129447A JP12944787A JP2553082B2 JP 2553082 B2 JP2553082 B2 JP 2553082B2 JP 62129447 A JP62129447 A JP 62129447A JP 12944787 A JP12944787 A JP 12944787A JP 2553082 B2 JP2553082 B2 JP 2553082B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
compound
rare earth
solidification
molten metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62129447A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63293124A (ja
Inventor
貞彦 参木
幸一 田村
保彦 三宅
富雄 飯塚
克男 関田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP62129447A priority Critical patent/JP2553082B2/ja
Publication of JPS63293124A publication Critical patent/JPS63293124A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2553082B2 publication Critical patent/JP2553082B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は純銅中の不純物を希土類元素と反応させて化
合物として除去するボンディングワイヤ用銅の精製方法
に関し、特に希土類元素添加後の溶湯を一方向凝固させ
ることによって結晶組織を一方向のものとすると同時に
化合物を効果的に除去するようにした銅の精製方法に関
する。
〔従来の技術〕
従来のボンディングワイヤ等に用いる銅の純度を上げ
る精製方法として、所要純度の銅を出発材として精製を
行うものがあり、例えば、電気分解による精製方法
(例えば、特開昭61−84389号公報)、不純物と親和
性の大きい元素を添加し、不純物を化合物として除去す
る精製方法、不純物と親和性の大きい元素を添加し化
合物を形成後凝固させ、その後さらに帯域溶融を行う精
製方法(例えば、特開昭61−149465号公報)等がある。
このうちの方法はO,S,Cを除去するのに有用であり、
かつ、操作が比較的容易で量産処理に適した方法として
多用されている。添加元素としては固体状態でCuに固溶
せず、かつ、O,S,Cと親和性の大きい元素としてLa,Ce,Y
などの希土類元素が用いられ、実際に元素添加に際して
は上記希土類元素を含む銅基合金を予め作成し、これを
真空下あるいは無酸化雰囲気下で溶解した銅材に添加す
る。ここで希土類元素と結合して精製する酸化物、硫化
物、炭化物は、一般に比重が溶銅より小さいものが多く
従ってこれらを比重差で浮上させて除去するため、通常
は希土類元素添加後、所定時間溶銅を静置して除去し鋳
型に鋳造し凝固させる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、従来の希土類元素を添加後静置して化合物を
除去する銅の精製方法によれば、希土類元素を添加して
精製した酸化物、硫化物、炭化物等の化合物に溶湯を静
置しても必ずしも浮上が充分でなく、凝固時鋳塊内部に
捕捉されて残存するため、残存した化合物が異物として
銅の性質(物理的性質、機械的性質、化学的性質)を悪
化させ、圧延・引抜等の加工性もまた悪化させると言う
不都合がある。帯域溶融を用いるの方法では捕捉され
た残存化合物が帯域溶融によって除去されるが、希土類
元素を添加後、一度凝固させて、その後再溶解、再凝固
させるため、工数を要すると言う不都合があり、また、
帯域溶融は量産処理に向かないと言う不都合があった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、銅の性質
及び圧延・引抜等の加工性を悪化させる異物となる化合
物が鋳塊内に残存することなく、また作業工数を増すこ
となく、かつ、量産処理に適したようにするため、予め
定めた速度で一方向凝固を行い結晶組織を一方向のもの
とすると同時に化合物を効果的に除去するようにしたボ
ンディングワイヤ用銅の精製方法を提供する。例えば、
特開昭60−248833号公報は、一方向凝固によって巣や気
泡を有しない単結晶金属条を製造する方法を示している
が、単に一方向凝固の処理を施しただけでは本発明のよ
うに生成された化合物を排除することはできない。
即ち、本発明のボンディングワイヤ用銅の精製方法
は、希土類元素添加後の静置による化合物の浮上除去に
換えて予め定めた速度で一方向凝固させることにより結
晶方位を一方向にそろえると同時に化合物の浮上除去を
おこなうものであり、以下の工程を備えている。
(1) 溶湯に希土類元素を添加する工程 真空溶解した溶湯に所定の重量比で希土類元素を添加
し、不純物と反応させ酸化物、硫化物、炭化物等の化合
物を生成する。希土類元素と不純物が反応して生成する
化合物は比重が溶銅の比重(8.9g/cm3)より出来るだけ
小さい方が浮上し易いが、種々の実験の結果7.5g/cm3
下であれば後述する300mm/min以下の凝固速度で十分浮
上排除される。希土類元素としては、La,Ce,Nd,Sm,Gdの
酸化物、硫化物の比重が7.5g/cm3以下で適している。
(2) 溶湯の凝固及び化合物の除去の工程 希土類元素添加後の溶銅を高純度黒鉛ルツボ中に移
し、例えば、黒鉛ルツボの回りに誘導加熱コイルを数段
に配置し温度を制御することによって一方向凝固を行
う。この際、溶融凝固の固液界面を平坦に保ち、かつ、
一方向に凝固を進行させることによって、固液界面近
傍において化合物は常にわずかな浮上によって固体銅に
捕捉されることなく溶湯中に排出される。固体銅と溶
湯との位置的な逆転が起こらず、例えば、常に固体側が
下方、液体側が上方に存在し固体銅内部に溶湯が閉じ込
められることがなく、溶湯が閉じ込められることに伴う
化合物の捕捉もない。凝固速度は理論的には化合物と溶
銅の比重差による化合物の浮上速度以下であればよい
が、前述の及びの作用を効果的にするため300mm/mi
n以下とする。300mm/min以上では固液界面の平坦性が悪
くなり、凝固時に化合物が固体側に捕捉される恐れがあ
る。
〔作用〕
以上の工程により、溶湯に希土類元素を添加後、一方
向凝固によって結晶方位が一方向にそろえられ且つ効果
的に化合物が浮上除去せしめられる。
以下、本発明のボンディングワイヤ用銅の精製方法を
詳細に説明する。
〔実施例〕
本発明の第1の実施例は以下の通りである。希土類元
素添加後の溶湯を高純度黒鉛ルツボ中で静止状態で下方
より一方向凝固させた例を示し、酸素4ppm、硫黄4ppmを
含む純度99.999%の銅10-6torr真空度、毎バッチ5kgで
高純度ルツボ中で真空溶解し、第1表に示す希土類元素
を所定の重量比に基づいてそれぞれ添加した。添加後約
15分間の静置後、ルツボ下部の溶湯を用意した別の高純
度黒鉛ルツボ(内径50mm,高150mm)に移送し、これをル
ツボ底部から100mm/minの速度で一方向凝固させた。一
方比較のため同一条件で、 一方向凝固に換えてAr雰囲気中で放冷凝固させた鋳塊を
作製した。このようにして得られた各添加元素につき2
種類のインゴットを20mmφに熱間圧延後、15mmφに面削
し、その後引抜きと焼鈍を繰り返して最小20μmφの直
径とした。その結果、放冷凝固による鋳塊は引抜きの過
程で、特に線径が40μmφ以下で断線が頻発し、X線マ
イクロアナライザによる測定によってその断線部には希
土類元素を主体とする直径5〜10μmの微小介在物が認
められた。これに対して一方向凝固を行った鋳塊を素材
とする場合は、断線は極めて希でその発生頻度は添加元
素による変動はあるが放冷凝固鋳塊に比較して、例え
ば、1kgの素材を引抜き加工する際の断線回数は1/8〜1/
10であった。尚、上記溶製凝固の酸素と硫黄の量は共に
0.2ppm以下であった。
本発明の第2の実施例は以下の通りである。一方向凝
固を行う黒鉛ルツボ中の溶湯に水冷した銅棒を接触さ
せ、銅棒を引上げながら一方向凝固させる例である。酸
素4ppm、硫黄4ppmを含む純度99.999%の銅を10-6torr真
空度、毎バッチ5kgで高純度ルツボ中で真空溶解し、そ
の後第1表に示す元素をそれぞれ添加した。添加後約15
分間静置した後、ルツボ下部の溶湯を用意した別の高純
度黒鉛ルツボに移送し、これに水冷した銅棒を接触させ
120mm/minの速度で引上げながら、一方向凝固を行っ
た。一方比較のため銅棒の冷却を制御して350mm/minの
速度で引上げながら、一方向凝固を行った。このように
して得られた凝固速度を異にする2種類の一方向凝固し
た銅材を引抜き、焼鈍を繰り返して最小20μmφの直径
にした。その結果、凝固速度が350mm/minの鋳造ロッド
は引抜きの過程で、特に80μmφ以下で断線が頻発し、
その断線部にはやはり希土類元素を主体とする直径7〜
12μmの微小介在物が認められた。これに対して凝固速
度が120mm/minの鋳造ロッドの断線は非常に少なく、そ
の発生頻度は350mm/minの場合と比較して、例えば、1kg
の素材を引抜きする際の断線回数は1/6〜1/8であった。
尚、上記溶製凝固の酸素と硫黄の量は0.2ppm以下であ
った。一方向凝固を実現する方法としては、実施例1及
び実施例2に示した方法その他に、連続鋳造の如く鋳型
を用いて上方、下方又は水平方向に抽出する方法でも可
能であるが、いずれの場合も化合物を除去するためには
凝固時の固液界面が平坦であること、換言すれば一方向
凝固の速度が重要である。
〔発明の効果〕
以上説明した通り、本発明のボンディングワイヤ用銅
の精製方法によれば、予め定めた速度で一方向凝固を行
い希土類元素と不純物の化合物を効果的に除去するよう
にしたため、鋳塊内に化合物が残存せず銅材の清浄度が
向上し、銅の性質及び圧延・引板等の加工性が向上す
る。また、帯域溶融法のように作業工数が増えることな
く、かつ、量産処理にも適している。さらに、不純物除
去が効果的に行われるのに伴い銅材が高純度化し、その
電気抵抗、例えば、4.2゜Kの極低温での電気抵抗及び硬
さが減少する。以上の効果によって、20μmφ程度の結
晶方位が一方向にそろえられた銅の超極細線が容易に伸
線で製造可能となり、例えば、最近IC用のボンディング
ワイヤとして注目されている銅のボンディングワイヤに
対しても軟質で断線の少ない経済性に優れた線材を供給
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 保彦 土浦市木田余町3550番地 日立電線株式 会社金属研究所内 (72)発明者 飯塚 富雄 日立市助川町3丁目1番1号 日立電線 株式会社電線工場内 (72)発明者 関田 克男 日立市助川町3丁目1番1号 日立電線 株式会社電線工場内 (56)参考文献 特開 昭62−72464(JP,A) 特開 昭61−221335(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】純銅中に不可避的に存在する酸素、硫黄等
    の不純物を除去する銅の精製方法において、真空溶解し
    た前記純銅の溶湯中にその溶湯の比重より小さい7.5g/c
    m3以下の密度の化合物を生成する希土類元素を添加し、
    前記溶湯を300mm/min以下の速度で一方向凝固させるこ
    とにより結晶方位を一方向にそろえると同時に前記化合
    物を前記溶湯の系外に除去することを特徴とするボンデ
    ィングワイヤ用銅の精製方法。
JP62129447A 1987-05-26 1987-05-26 銅の精製方法 Expired - Lifetime JP2553082B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62129447A JP2553082B2 (ja) 1987-05-26 1987-05-26 銅の精製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62129447A JP2553082B2 (ja) 1987-05-26 1987-05-26 銅の精製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63293124A JPS63293124A (ja) 1988-11-30
JP2553082B2 true JP2553082B2 (ja) 1996-11-13

Family

ID=15009703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62129447A Expired - Lifetime JP2553082B2 (ja) 1987-05-26 1987-05-26 銅の精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2553082B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2731105B2 (ja) * 1993-11-02 1998-03-25 日本碍子株式会社 高純度無気孔ベリリウムブロックの製造方法
JP3040768B1 (ja) 1999-03-01 2000-05-15 株式会社 大阪合金工業所 鋳造欠陥、偏析および酸化物の含有を抑制した銅合金鋳塊の製造方法
CN105603201B (zh) * 2016-03-21 2017-11-14 江西保太有色金属集团有限公司 一种倾转熔铸紫杂铜精炼方法
CN113774229B (zh) * 2021-09-08 2023-11-28 虹华科技股份有限公司 一种高强高导高纯铜线的加工工艺

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61221335A (ja) * 1985-03-27 1986-10-01 Mitsubishi Metal Corp 極軟質銅材の製造法
DE3532131A1 (de) * 1985-09-10 1987-03-12 Bayer Ag Verfahren zur gerichteten erstarrung von metallschmelzen

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63293124A (ja) 1988-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5374673B2 (ja) 珪素精製方法
KR101247666B1 (ko) 실리콘 결정을 얻기 위한 실리콘 분말의 가공 방법
US7682585B2 (en) Silicon refining process
JPS6127323B2 (ja)
US4312849A (en) Phosphorous removal in silicon purification
EP3368477A1 (en) Method for the enrichment and separation of silicon crystals from a molten metal for the purification of silicon
CA1130985A (en) Silicon purification method
JP3329013B2 (ja) Al−Si系アルミニウムスクラップの連続精製方法及び装置
US4822585A (en) Silicon purification method using copper or copper-aluminum solvent metal
US4312848A (en) Boron removal in silicon purification
He et al. A review of the process on the purification of metallurgical grade silicon by solvent refining
US4312847A (en) Silicon purification system
EA009888B1 (ru) Способ получения чистого кремния
JP2553082B2 (ja) 銅の精製方法
JPH07206420A (ja) 高純度ケイ素の製造方法
JPH05254817A (ja) 多結晶シリコン鋳塊の製造方法
US4312846A (en) Method of silicon purification
US20110120365A1 (en) Process for removal of contaminants from a melt of non-ferrous metals and apparatus for growing high purity silicon crystals
JP3263104B2 (ja) 金属シリコンの精製方法
JPH07107181B2 (ja) 超電導用の銅材
JPH08108251A (ja) 超電導用の銅管材の製造方法
JPH0723514B2 (ja) 金属の純化装置
JPH0557341B2 (ja)
JPS59169908A (ja) テルルの精製方法
JPH05171307A (ja) 金属の純化方法