JPH05147463A - シート装置 - Google Patents

シート装置

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JPH05147463A
JPH05147463A JP7747092A JP7747092A JPH05147463A JP H05147463 A JPH05147463 A JP H05147463A JP 7747092 A JP7747092 A JP 7747092A JP 7747092 A JP7747092 A JP 7747092A JP H05147463 A JPH05147463 A JP H05147463A
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隆司 佐伯
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パッセンジャー席のシートバックを起立させ
なければ走行できないシート装置を提供すること。 【構成】 前倒可能なシートバックをそれぞれ有するド
ライバー席とパッセンジャー席を前部座席として備えた
シート装置において、ドライバー席のシートバックを前
倒させたときのみパッセンジャー席のシートバックの前
倒を許容する第一の規制手段と、パッセンジャー席のシ
ートバックを起立させたときのみドライバー席のシート
バックの起立を許容する第二の規制手段を有するシート
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前倒可能なシートバッ
クをそれぞれ有するドライバー席とパッセンジャー席を
前部座席として備えたシート装置に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】前部にドライバー席(運
転席)およびパッセンジャー席(客席)を独立させて備
え、かつ後部座席を備えてなる乗用車において、ドライ
バー席およびパッセンジャー席のシートバックをその背
面が略水平(フラット)になるまで前倒させることがで
きるシート装置が提案されている。このシート装置によ
ると、背面を略水平となるように前倒させた状態におい
てシートバックに後向きに腰掛け、後部座席の乗員と対
談することが可能となる。
【0003】ところで、上記の構成を有するシート装置
は、ドライバー席を通常通り起立させ、パッセンジャー
席を前倒させた状態での走行が可能である。このような
走行時に、パッセンジャー席に着座している人は、シー
トバックがない、シートベルトに保護されない危険な状
態とされるから、例えば衝突によって強い力が加われ
ば、転倒したり、フロントガラスに叩き付けられてしま
う。
【0004】
【発明の目的】本発明は、上記従来のシート装置の欠点
に鑑みなされたものであり、パッセンジャー席のシート
バックを起立させなければ走行できないシート装置を提
供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】上記目的を達成させる本発明は、したが
って、前倒可能なシートバックをそれぞれ有するドライ
バー席とパッセンジャー席を前部座席として備えたシー
ト装置において、ドライバー席のシートバックを前倒さ
せたときのみパッセンジャー席のシートバックの前倒を
許容する第一の規制手段、およびパッセンジャー席のシ
ートバックを起立させたときのみドライバー席のシート
バックの起立を許容する第二の規制手段を有することを
特徴としている。
【0006】上記構成によれば、パッセンジャー席を起
立させ、そのシートバックおよびシートベルトによって
着座した者を保護できる状態とされたときのみ走行を可
能とすることができる。これにより、走行時の安全を確
保することができる。
【0007】
【実施例】以下図面に沿って、本発明による第一の実施
例を説明する。本実施例において、シート装置は、ドラ
イバー席11とパッセンジャー席14の構造上の違いが
わずかであるため、ドライバー席11を中心に説明す
る。ドライバー席11は、シートクッション(図示せ
ず)に固定されるべきロアアーム12、このロアアーム
12に回動支軸40により回動可能に支持された第一の
アッパアーム13、およびこの第一のアッパアーム13
に回動可能に支持されシートバック(図示せず)に固定
されるべき第二のアッパアーム15を有している。
【0008】第一のアッパアーム13に対する第二のア
ッパアーム15の支持構造を図4および図5により説明
する。第一のアッパアーム13は、その上部に穿設した
回動支持孔13a、そのやや下方に穿設した、回動支軸
20を挿通させる回動支持孔13c、この回動支持孔1
3cと略同じ高さで穿設した該回動支持孔13cを中心
とする円弧状の案内溝13b、および下部に穿設した、
回動支軸40を挿通する挿通孔13fを有している。第
一のアッパアーム13にはさらに、連動ワイヤ(第一の
ワイヤ)36のアウタワイヤ36bを固定するブラケッ
ト27が回動支持孔13aに隣接させて固定されてお
り、連動ワイヤ(第二のワイヤ)35のアウタワイヤ3
5bを固定するブラケット32が案内溝13bの下方に
固定されている。第一のアッパアーム13の裏面に、こ
のアッパアーム13と対応させた形状の円弧溝29aを
有するブラケット29が固定ピン31等により固定され
ている。
【0009】回動支持孔13aに挿通された回動支軸2
2により、連動規制アーム26がその回動支持孔26a
を、第二のアッパアーム15がその回動支持孔15cを
回動自在に支持されている。回動支軸22に嵌合された
捻りスプリング25により、連動規制アーム26が図の
時計方向に回動付勢されている。解除操作レバー16
は、その操作部16aにカバー17が嵌合されており、
その回動基部にピン貫通孔16cが穿設され、このピン
貫通孔16cに隣接させて、連動部18aと空移動部1
8bからなるL字状の連動切換溝18が形成されてい
る。
【0010】解除操作レバー16は、ピン貫通孔16c
に挿通される回動支軸20により第一のアッパアーム1
3に枢着されている。この回動支軸20は、解除操作レ
バー16とともに移動プレート23の回動支持孔23a
を貫通して、この移動プレート23を第一のアッパアー
ム13に枢着している。また回動支軸20には捻りスプ
リング21が嵌合され、この捻りスプリング21の一端
部が第一のアッパアーム13側に係止されかつ他端部が
解除操作レバー16側に係止されており、これにより解
除操作レバー16は同図の反時計方向に回動付勢されて
いる。
【0011】移動プレート23の中央部に回動力作用溝
23bが、自由端部にピン挿通孔23cが形成されてい
る。連動規制アーム26は中央部に円弧状の摺動案内溝
26bを有し、自由端部に連動ワイヤ35のインナワイ
ヤ35aを取り付ける突起部26cを有している。連動
切換溝18には、解除操作レバー16の裏面側から連動
操作ピン19の一端部が挿通されており、この連動操作
ピン19の他端部は回動力作用溝23bと摺動案内溝2
6bに挿通されている。連動操作ピン19の中央部に
は、連動切換溝18、回動力作用溝23bおよび摺動案
内溝26bからの脱落を防ぐ鍔部19aが設けられてい
る。
【0012】アッパアーム13の裏面側にブラケット2
9が固定されている。このブラケット29の裏面側から
円弧溝29aと案内溝13bを貫通したロックピン30
の先端部が、ピン挿通孔23cに嵌合されている。また
第二のアッパアーム15に、ワイヤ取付ブラケット38
が固定されており、該ワイヤ取付ブラケット38に、連
動ワイヤ36のインナワイヤ36aが固定されている。
アッパアーム15にはさらに、このアッパアーム15を
シートバックに固定するときに使用するねじ孔15a、
15bが形成されており、回動支持孔15cを中心とす
る円弧状の下端部に、ロックピン30と係合すべき係合
切欠15d、15eが形成されている。
【0013】他方、図2に示されるパッセンジャー席1
4は、ドライバー席11に対し、連動切換溝18の形状
および連動ワイヤ35、連動ワイヤ36の連結構造に違
いがあるが、他の部位は全て同じ構成とされている。す
なわち、パッセンジャー席14の連動切換溝18′は連
動切換溝18と反対向きの形状に、つまり逆L字状に形
成されており、連動切換溝18と同様に、連動部18′
aと空移動部18′bを有している。またドライバー席
11では、ブラケット38にインナワイヤ36aを、お
よびブラケット27にアウタワイヤ36bを連結させ、
また突起部26cにインナワイヤ35aを、およびブラ
ケット32にアウタワイヤ35bを連結させたが、パッ
センジャー席14では、ブラケット38にインナワイヤ
35aを、およびブラケット27にアウタワイヤ35b
を連結させ、また突起部26cにインナワイヤ36a
を、およびブラケット32にアウタワイヤ36bを連結
させている。
【0014】以上の構成を有する本シート装置は、次の
ように作動させることができる。ドライバー席11とパ
ッセンジャー席14がそれぞれ図1、図2の初期状態と
されている場合、後部座席(図示せず)の乗員との対談
を可能とさせるには、まず、ドライバー席11の解除操
作レバー16の操作部16aを図1の時計方向(ロック
解除方向)に回動操作する。すると、捻りスプリング2
5によって時計方向に回動付勢された連動規制アーム2
6の摺動案内溝26bによって連動部18a側に位置さ
れている連動操作ピン19が、この摺動案内溝26bに
沿って連動部18aとともに下方に移動される(図6、
図7)。
【0015】これにより、係合切欠15dに係合してア
ッパアーム15を同図のロック状態に保持していたロッ
クピン30が、係合切欠15dから離脱してロックを解
除するから、アッパアーム15を手動で前倒できる状態
とされる。アッパアーム15の前倒時、捻りスプリング
21によってアッパアーム15の下端部に摺接している
ロックピン30が係合切欠15eに係合し、これをロッ
クする。このため、該ロックピン30によってアッパア
ーム15のさらなる回動が阻止されるから、ドライバー
席11は図3のように、シートバック(アッパアーム1
5)をシートクッションに対して略水平にした、後向き
での着座が可能な状態とされる。
【0016】同時に、第二のアッパアーム15の前倒に
伴ってインナワイヤ36aが牽引されるため、パッセン
ジャー席14側では、連動規制アーム26が突起部26
cを牽引されて、連動ワイヤ36の付勢力に抗して図2
の反時計方向に回動される。すると、連動規制アーム
(第一の連動規制アーム)26の摺動案内溝26bによ
り、空移動部18′b側に位置していた連動操作ピン1
9が連動部18′a側に移動される。これにより、解除
操作レバー16′の回動操作力を、連動操作ピン19を
介して移動プレート23に伝達できる、前倒可能な状態
とされる。この状態において解除操作レバー16′を同
図の時計方向(ロック解除方向)に回動操作すると、空
移動部18′bに係合され解除操作レバー16′の操作
力を受け得る連動操作ピン19が、移動プレート23を
同図の時計方向に回動させる。したがって、アッパアー
ム15の位置決めをしていたロックピン30が係合切欠
15dから離脱してこのアッパアーム15を解放し、前
倒可能な状態とする。
【0017】この状態において、パッセンジャー席14
のアッパアーム15を前倒させると、今度は、アッパア
ーム15側に取り付けられたインナワイヤ35aが牽引
される。これにより、ドライバー席11側では、連動規
制アーム(第二の連動規制アーム)26が図3の反時計
方向に回動されて、ロックピン30を、解除操作レバー
16の操作力を伝達し得ない空移動部18b側に移動さ
せる(図8、図9)。したがって、ドライバー席11側
でアッパアーム15を前倒させた後にパッセンジャー席
14側のアッパアーム15を前倒させれば、ドライバー
席11をアッパアーム15の起立不能な状態とすること
ができる。この状態において、ドライバー席11と同様
にシートクッションに対して略水平な状態のシートバッ
ク(アッパアーム15)の背面部に着座すれば、後部座
席と対座することができる。
【0018】第二のアッパアーム15を略水平状態とさ
れたドライバー席11とパッセンジャー席14を復元さ
せる場合、例えばドライバー席11側から先に起立させ
ようとしても、上述の通り、解除操作レバー16によっ
てアッパアーム15のロックを解除することはできず、
従ってこれを起立させることはできないから、ドライバ
ー席11に着座して運転姿勢をとることはできない。こ
れにより、前倒状態のパッセンジャー席14に乗員が着
座している状態での走行は不可能とされ、乗員の安全が
確保される。
【0019】上述の前倒状態において、パッセンジャー
席14を先に起立させる場合、解除操作レバー16′の
操作部16′aをそのロック解除方向に回動操作すれ
ば、連動切換溝18′の連動部18′a側に位置する連
動操作ピン19を介して移動プレート23を同方向に回
動させ、ロックピン30を係合切欠から離脱させて、ア
ッパアーム15のロックを解除することができる。この
状態において、アッパアーム15を時計方向に回動させ
て起立させると、牽引されていたインナワイヤ35aが
弛み、これによりドライバー席11側の連動規制アーム
26が捻りスプリング25の付勢力により時計方向に回
動し、連動操作ピン19が、連動切換溝18の連動部1
8a側に移動される。これにより、ドライバー席11側
では、解除操作レバー16の回動操作によってアッパア
ーム15のロックを解除することが可能な状態とされ
る。そして解除操作レバー16をロック解除方向に回動
操作することにより、ロックピン30を係合切欠から離
脱させ、第二のアッパアーム15を時計方向に回動させ
て図1の初期状態に復元させることができる。
【0020】なお、本第一の実施例では、シートバック
(第二のアッパアーム15)を手動により前倒および起
立させるように構成したが、このアッパアーム15の回
動部にスプリングを設けて、起立状態でロックを解除し
たとき自動的に前倒し、又は前倒状態でロックを解除し
たとき自動的に起立するように構成することもできる。
また連動規制アーム26の突起部26cを、図5の二点
鎖線で示されるように、連動規制アーム26の反対側部
に設け、かつその突起部26cにアウタワイヤ35aを
反対向きに取り付け、このアウタワイヤ35aの牽引時
にアーム26が上記実施例と反対方向(図5の反時計方
向)に回動できるように構成すれば、連動切換溝18の
形状をドライバー席11と異ならせなくても、パッセン
ジャー席14として構成することができる。
【0021】次に、本発明による第二の実施例を説明す
る。この実施例において、ドライバー席50とパッセン
ジャー席62はいずれも、第一の実施例のドライバー席
11およびパッセンジャー席14と同様に、ロアアーム
12、および第二のアッパアーム15に対応させたアッ
パアーム15′を有しているが、第一のアッパアーム1
3に対応するものは備えていない。なお、上述の第一の
実施例と同様の部分には、同一の符号を付して説明す
る。
【0022】ドライバー席50において、アッパアーム
15′は、ロアアーム12に回動支軸40により回動可
能に支持されている。アッパアーム15′の回動基部
に、ロアプレート51が該アーム15′と同軸にされて
固定されている。このロアプレート51の外縁部に、係
合切欠部(第一の係合切欠部)51a、係合切欠部(第
二の係合切欠部)51b、および摺接ガイド部51dが
形成されている。ロアアーム12の後部に、キックレバ
ー55が回動支軸56により回動可能に支持されてい
る。このキックレバー55はL字状に構成され、その一
端部に足踏部55aを有し、他端部にストッパピン57
を有している。キックレバー55は、自由状態において
図10に示す回動位置となるように、捻りスプリング7
3により同図の反時計方向に回動付勢されており、この
状態においてストッパピン57を係合切欠部51aとの
係合可能位置に位置させる。これにより、アッパアーム
15′を、係合切欠部51aがストッパピン57と係合
する所定角度以上には前倒できないように規制すること
ができる(図11)。キックレバー55はまた、足踏部
55aが踏圧されると、係合切欠部51aとの係合可能
位置にあるストッパピン57を係合不能位置に退避させ
て、アッパアーム15′の完全な前倒動作を可能にす
る。
【0023】ロアアーム12の略中央部に、ストッパリ
ンク(第一のストッパリンク)58が回動支軸59によ
り回動可能に支持されている。このストッパリンク58
は直線状に構成され、その一端部に係合部58aを有
し、他端部に連動ワイヤ(第三のワイヤ)60の一端部
が取り付けられている。ストッパリンク58は、自由状
態において図10に示す回動位置となるように、捻りス
プリング72により時計方向に回動付勢されており、同
図の状態において、係合部58aを係合切欠部51bに
係合させることはない。ストッパリンク58は、連動ワ
イヤ60により牽引されたとき回動して、係合部58a
を係合切欠部51bとの係合可能位置に位置させる。ま
た回動支軸40には、牽引部53aと係合押圧部53b
を同図の左右方向に突出させたワイヤリンク53が、回
動可能に支持されている。牽引部53aには、連動ワイ
ヤ(第四のワイヤ)54の一端部が取り付けられてい
る。またロアプレート51の上部中央に押圧突起51c
が突出成形されており、この押圧突起51cは、アッパ
アーム15′とともに同方向に回動移動して係合押圧部
53bを押下し、ワイヤリンク53を同図の反時計方向
に回動させる。
【0024】パッセンジャー席62において、ロアプレ
ート51の外縁部に、係合切欠部(第三の係合切欠部)
係合切欠部51aが形成されている。ロアアーム12の
略中央部に、ストッパリンク(第二のストッパリンク)
66が回動支軸67により回動可能に支持されている。
このストッパリンク66は逆L字状に形成され、その一
端部に係合部66aを有し、他端部に連動ワイヤ54の
他端部が取り付けられている。ストッパリンク66は、
その自由状態において図13に示す回動位置となるよう
に、同図の反時計方向に回動付勢されており、この状態
において、アッパアーム15′とともに回動移動する係
合切欠部63aに係合部66aを係合させ、該アッパア
ーム15′の完全な前倒動作を阻止することができる
(図14)。回動支軸40にはまた、牽引部65aと係
合押圧部65bを同図の左右方向に突出させたワイヤリ
ンク65が、回動可能に支持されている。この牽引部6
5aには、連動ワイヤ60の他端部が取り付けられてい
る。またロアプレート63の上部中央に押圧突起63b
が突出成形されており、この押圧突起63bは、アッパ
アーム15′とともに同方向に回動移動して係合押圧部
65bを押下して、ワイヤリンク65を同図の反時計方
向に回動させる。なお、図10および図13中の61お
よび71は、連動ワイヤ54、60を支持するワイヤガ
イドである。
【0025】このような構成を有する本第二の実施例の
シート装置は、次のように作動させることができる。ド
ライバー席50とパッセンジャー席62とがそれぞれ図
10、図13の状態とされているとき、ドライバー席5
0側では係合切欠部51aがストッパピン57に係合す
るため、またパッセンジャー席62側では係合切欠部6
3aがストッパリンク66に係合するため、いずれもそ
のアッパアーム15′を所定角度以上、前方に回動させ
ることができない初期状態とされている。この状態にお
いて後部座席の乗員と対談しようとする場合、まず、ド
ライバー席10のキックレバー55の足踏部55aを踏
圧する。すると、キックレバー55が捻りスプリング7
3に抗して図10の時計方向に回動され、ストッパピン
57が後部下方に退避するから、アッパアーム15′を
前方に回動させても係合切欠部51aがストッパピン5
7により係止されることはなく、従ってアッパアーム1
5′を完全に前倒させることができる。このアッパアー
ム15′は係止手段(図示せず)によりその前倒位置に
保持される(図12)。
【0026】このアッパアーム15′の前倒時、同方向
に回動移動する押圧突起51cがワイヤリンク53の係
合押圧部53bを同方向に押圧し、回動させる。これに
より、ワイヤリンク53の牽引部53aが連動ワイヤ5
4を牽引するため、パッセンジャー席62側ではストッ
パリンク66が図13の時計方向に回動され、その係合
部66aを下方に退避させる。このため、係合切欠部6
3aが係合部66aによって係止されない状態となるか
ら、パッセンジャー席62のアッパアーム15′を完全
に前倒させることができる。このアッパアーム15′
は、係止手段(図示せず)によりその前倒状態に保持さ
れる(図15)。
【0027】パッセンジャー席62のアッパアーム1
5′の完全な前倒動作に伴ない、同方向に回動移動する
押圧突起63bがワイヤリンク65の係合押圧部65b
を押圧し、同方向に回動させる。これにより、ワイヤリ
ンク53の牽引部65aが連動ワイヤ60を牽引するた
め、ドライバー席50側ではストッパリンク58が反時
計方向に回動され、図12に示す状態となる。このと
き、ドライバー席50のアッパアーム15′は、前倒状
態に保持されその係合切欠部51bを、ストッパリンク
58の係合部58aと対応させた位置に回動させている
から、係合部58aが上記反時計方向への回動により上
方に突出したとき、係合切欠部51bを係止することが
可能な状態とされる。この状態において、アッパアーム
15′を同図の時計方向へ回動させようとしても、係合
切欠部51bが係合部58aに係合してそれ以上の回動
が規制されるから、アッパアーム15′を起立させるこ
とはできない。したがって、ドライバー席50側でアッ
パアーム15′を前倒させた後にパッセンジャー席62
側のアッパアーム15′を前倒させれば、ドライバー席
50側を起立不能な状態とすることができ、ドライバー
席50とパッセンジャー席62の双方において、略水平
とされたシートバックの背面部に着座し、後部座席と対
座することができる。
【0028】ドライバー席50とパッセンジャー席62
を初期位置に戻す場合は、まず、パッセンジャー席62
のアッパアーム15′を先に起立させる。すると、ワイ
ヤリンク65の回動によって牽引されていた連動ワイヤ
60が弛められ、反時計方向に回動されていたストッパ
リンク58が時計方向に回動される。これにより、係合
部58aが係合切欠部51bとの係合可能位置から退避
するから、ドライバー席50では、アッパアーム15′
の起立が可能な状態とされる。
【0029】さらに、ドライバー席50のアッパアーム
15′を起立させると、同方向に回動移動する押圧突起
51cがワイヤリンク53の係合押圧部53bを解放
し、牽引部53aにより牽引していた連動ワイヤ54を
弛める。これにより、パッセンジャー席62では、スト
ッパリンク66が図13の反時計方向へ回動され、係合
部66aが係合切欠部63aと係合可能な位置に突出さ
れ、アッパアーム15′の完全なる前倒動作を阻止する
状態とされる。またドライバー席50のアッパアーム1
5′の上記起立動作時、足踏部55aを踏圧されて後部
下方に退避されたストッパピン57は、足踏部55aの
解放後にその回動付勢力によりロアプレート51側に戻
るが、円弧状の摺接ガイド部51dに摺接案内された
後、図10の初期状態に戻される。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明のシート装置による
と、ドライバー席を前倒させたときのみパッセンジャー
席の前倒を許容する第一の規制手段と、パッセンジャー
席を起立させたときのみドライバー席の起立を許容する
第二の規制手段を備えたから、パッセンジャー席を起立
させ、そのシートバックおよびシートベルトによってそ
の乗員を保護できる場合のみ走行可能とすることがで
き、これにより走行時の安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第一の実施例のドライバー席を、
シートクッションとシートバックを省いた状態で示す側
面図である。
【図2】本発明による第一の実施例のパッセンジャー席
を、シートクッションとシートバックを省いた状態で示
す側面図である。
【図3】図1のドライバー席の前倒時の状態を示す側面
図である。
【図4】図1のドライバー席の要部を拡大させて示す側
面図である。
【図5】図1のドライバー席を示す分解斜視図である。
【図6】シートバックのロック解除可能な状態の解除操
作レバー周辺を示す概略図である。
【図7】図6において解除操作レバーをロック解除方向
に操作した状態の該解除操作レバー周辺を示す概略図で
ある。
【図8】シートバックのロック解除不能な状態の解除操
作レバー周辺を示す概略図である。
【図9】図8において解除操作レバーをロック解除方向
に操作した状態の該解除操作レバー周辺を示す概略図で
ある。
【図10】本発明による第二の実施例のドライバー席
を、シートクッションとシートバックを省いた状態で示
す側面図である。
【図11】図10のドライバー席の前倒動作が途中で規
制された状態を示す側面図である。
【図12】図10のドライバー席の完全な前倒状態を示
す側面図である。
【図13】本発明による第二の実施例のパッセンジャー
席を、シートクッションとシートバックを省いた状態で
示す側面図である。
【図14】図13のパッセンジャー席の前倒動作が途中
で規制された状態を示す側面図である。
【図15】図13のパッセンジャー席の完全な前倒状態
を示す側面図である。
【符号の説明】
11 50 ドライバー席 12 ロアアーム 13 第一のアッパアーム 14 パッセンジャー席 15 62 第二のアッパアーム 15′ アッパアーム 15c 23a 26a 回動支持孔 15d 15e 係合切欠 16 16′ 解除操作レバー 16a 16′a 操作部 16c ピン貫通孔 18 連動切換溝 18a 18′a 連動部 18b 18′b 空移動部 18′ 連動切換溝 19 連動操作ピン 20 22 40 59 67 回動支軸 21 25 捻りスプリング 23 移動プレート 23b 回動力作用溝 23c ピン挿通孔 26 連動規制アーム 26b 摺動案内溝 26c 突起部 27 28 29 32 ブラケット 29a 円弧溝 30 ロックピン 31 固定ピン 35 36 60 54 連動ワイヤ(第一、第二、第
三、第四のワイヤ) 35a 36a インナワイヤ 35b 36b アウタワイヤ 51 ロアプレート 51a 係合切欠部(第一の係合切欠部) 51b 係合切欠部(第二の係合切欠部) 53 65 ワイヤリンク 53a 65a 牽引部 53b 65b 係合押圧部 55 キックレバー 55a 足踏部 57 ストッパピン 58 ストッパリンク(第一のストッパリンク) 係合部58a 係合部 51c 63b 押圧突起 66 ストッパリンク(第二のストッパリンク) 66a 係合部 63a 係合切欠部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前倒可能なシートバックをそれぞれ有す
    るドライバー席とパッセンジャー席を前部座席として備
    えたシート装置において、 上記ドライバー席のシートバックを前倒させたときのみ
    パッセンジャー席のシートバックの前倒を許容する第一
    の規制手段;および上記パッセンジャー席のシートバッ
    クを起立させたときのみドライバー席のシートバックの
    起立を許容する第二の規制手段;を有することを特徴と
    するシート装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、さらに、シートバッ
    クの起立状態においてその前倒動作を規制し、該シート
    バックの前倒状態においてその起立動作を規制するロッ
    クピンと;このロックピンとの連結時に、該ロックピン
    を移動させてシートバックを前倒可能状態にする解除操
    作レバーと;をドライバー席とパッセンジャー席にそれ
    ぞれ有するシート装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、上記第一の規制手段
    は、前倒するドライバー席のシートバックにより牽引さ
    れる第一のワイヤと;この第一のワイヤの牽引により回
    動され、パッセンジャー席においてロックピンを解除操
    作レバーに連結させ、該解除操作レバーの操作によりシ
    ートバックを前倒可能な状態にする第一の連動規制アー
    ムとを有し、 上記第二の規制手段は、前倒するパッセンジャー席のシ
    ートバックにより牽引される第二のワイヤと;この第二
    のワイヤの牽引により回動され、ドライバー席において
    ロックピンと解除操作レバーの連結を解除し、前倒状態
    のシートバックを起立不能な状態にする第二の連動規制
    アームとを有するシート装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、さらに、ドライバー
    席のシートバックの前倒動作を規制する、該シートバッ
    クに設けられた第一の係合切欠部およびこの第一の係合
    切欠部に係合するストッパピン;前倒状態のドライバー
    席のシートバックの起立動作を規制する、該シートバッ
    クに設けられた第二の係合切欠部およびこの第二の係合
    切欠部に係合する第一のストッパリンク;および、 パッセンジャー席のシートバックの前倒動作を規制す
    る、該シートバックに設けられた第三の係合切欠部およ
    びこの第三の係合切欠部に係合する第二のストッパリン
    クを有するシート装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、上記第一の規制手段
    は、ドライバー席のシートバックの前倒動作に連動して
    第二のストッパリンクを、パッセンジャー席の第三の係
    合切欠部と係合不能な位置に回動させる第三のワイヤを
    有し、 上記第二の規制手段は、パッセンジャー席側のシートバ
    ックの前倒動作に連動して第一のストッパリンクを、ド
    ライバー席の第二の係合切欠部と係合不能な位置に回動
    させる第四のワイヤを有しているシート装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008074279A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 Toyota Boshoku Corp 車両用シート

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