JPH05144010A - 光学素子固定手段 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光磁気ディスク装置に使用される光ヘッドの
高精度な位置決め精度が要求される光学素子の微調整を
簡易化する。 【構成】 微調整が要求される光学素子の鏡筒を光学ブ
ロックに固定する板バネの表面に板状の圧電素子を貼り
付け、微調整時にこの圧電素子に交流電圧を印可して鏡
筒を微小振動させ、光学ブロックとの接触面の摩擦係数
を低下させることを特徴とする光学素子固定方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は回転平面円盤上に情報を
記録したり、あるいはすでに記録された情報を再生する
ための光磁気ディスク記録再生装置に用いられる光ヘッ
ド光学系の組立後に微調整を要する素子の固定方法に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】回転する円盤上に形成された同心円状ま
たは螺旋状のトラック上に情報を光学的に記録し、ある
いはすでに記録された情報を光学的に読み出して再生す
る装置としては、情報をピットの形で記録し、これに光
ビームを照射し、光の干渉を利用して再生するコンパク
トディスクや光学式ビデオディスク、あるいは光磁気効
果を利用して記録再生する光磁気ディスクなどの装置が
すでに実用化されている。

【０００３】光磁気効果を利用した光ディスク装置に使
用される光ヘッドはその従来例を図６，図７，図８に示
すが、上面開口の特定形状の箱状の光学ブロック１内に
搭載された光学素子手段５２はレーザダイオード８から
出射されたレーザ光はコリメートレンズ９によって平行
光にされ、整形プリズム１０によってその断面の強度分
布を真円にビーム整形された後ビームスプリッタ１１を
透過して対物レンズ１３の下部に位置する立ち上げミラ
ー１２で反射、対物レンズ１３に入射する。

【０００４】対物レンズ１３で記録媒体１４上に焦点を
結ばれたレーザ光は反射された後同じ光路を戻ってい
く。再びビームスプリッタ１１に入射したレーザ光はそ
のおよそ半分の光量を直角に曲げられ１／２波長板２，
凸レンズ１５を透過した後検出光学系である受光素子３
０へと導かれる。１／２波長板２は再生戻り光の二方向
の偏光成分の比を最適にし、再生信号のＣ／Ｎを所定値
に高めるための働きをするが、その位置に関しては高精
度が要求されるため鏡筒３に保持され、この鏡筒３と板
バネ５１で押さえ付けている。そして板バネ５１に押圧
された状態で組立後にその回転角度を微調整する必要が
ある。

【０００５】記録媒体１４の面振れ，偏心に読取りレー
ザ光の焦点を常に記録トラック上に追従させるために光
学ブロック１に搭載されたレンズアクチュエータ１６は
対物レンズ１３をフォーカス方向およびトラック方向に
駆動させる。

【０００６】前記レンズアクチュエータ１６および光学
素子が搭載された光学ブロック１はその両端にガイドロ
ーラ１７が固定され、その摺動面に配置され、かつシャ
ーシベース１８に固定されたガイドシャフト１９に沿っ
て記録媒体１４の半径方向に移動可能に支持されてい
る。そして離れた位置に記録されたデータを記録または
再生する際は光学ブロック１下面に固定されたポジショ
ナコイル２０への通電により磁気回路２１との電磁作用
で光学ブロック１を記録媒体１４の半径方向へ移動させ
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の光
磁気ディスク装置の光ヘッドはその検出原理により光学
素子の高精度な位置決めが要求される。従って光学系組
立後の微調整が不可欠であり、特に信号検出精度に大き
な影響を与える１／２波長板の回転位置調整は特に重要
である。そのため１／２波長板は外部からの振動などに
よって位置ずれを起こさないように鏡筒が板バネ等の弾
性体によって固定されているが、この押付力が大きいた
めにこれを微小角度回転させるためには熟練を要する。
そのため簡単に調整することができなかった。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、少なくとも記録媒体上にレーザ光線を収
束照射させる対物レンズと、この対物レンズに光線を入
射させ、かつ光磁気検出機能を有する光学素子手段と、
組立後の微調整が要求される１／２波長板の鏡筒を弾性
支持固定する板バネと、この板バネの表面に貼り付けら
れた圧電素子とを有し、調整時にはこの圧電素子に交流
電圧を印可することを特徴とする光学素子固定方法を提
供する。

【０００９】

【作用】前記構成により、１／２波長板が保持される鏡
筒が微小振動しているため板バネで強く押圧された状態
でも光学ブロック接触面との摩擦係数が非常に小さくな
り、わずかな力で鏡筒を回転させることが可能となる。
そして調整終了後には圧電素子への通電を断つことによ
り板バネの保持力による接触面の摩擦が回復し、強固に
固定される。

【００１０】

【実施例】図１〜図５を用いて本発明の一実施例を詳細
に説明する。まず図１は本発明の光学素子固定方法を採
用した光ヘッドの光学系を示す斜視図であり、図２はそ
の固定方法の主要部の板バネの構成を示す平面図で、図
３は同じく正面図である。図４，図５はその光学系を使
用した光ヘッドの全体構成を示す平面図および正面図で
ある。

【００１１】光ヘッド全体構成については従来例と同様
であるので説明は省略する。光学ブロック１に搭載され
た光学素子手段３１は１／２波長板２を保持する鏡筒３
はＴ字状の板バネ４によって光学ブロック１の底面に押
圧固定されており、この板バネ４表面には板状の圧電素
子５が接着固定さている。圧電素子５の裏面は板バネ４
表面と電気的に結合されている。光学系組立後１／２波
長板の微調整を行なう際はこの圧電素子５および板バネ
４表面からの引出し線６，７に交流電圧を印可して鏡筒
３を微小振動させる。これによって鏡筒３と光学ブロッ
ク１底面との摩擦係数は非常に小さくなり、板バネ４で
強く押圧された状態であってもわずかな力で鏡筒３を微
小角回転させることが可能になる。また、微調整終了後
はこの印可電圧を断つことによって板バネ４の保持力に
よる接触面の摩擦が回復し、鏡筒３は強固に固定され
る。

【００１２】

【発明の効果】上記発明によって、組立後の調整が必要
な光学素子の固定に圧電素子を貼り付けた板バネを用い
てこれを微小振動させることで強固な固定状態のまま一
時的に摩擦係数を下げ、微少な調整工程を簡易化でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光学素子固定方法を使用した光学ブロ
ックの一実施例の斜視図。

【図２】図１の光学素子固定部材の平面図。

【図３】図２の光学素子固定部材の正面図。

【図４】図１の光学素子固定方法を使用した光ヘッドの
全体構成を示す平面図。

【図５】図４の光ヘッドの正面図。

【図６】従来例の光学素子固定方法を使用した光学ブロ
ックの斜視図。

【図７】図６の光学素子固定方法を使用した光ヘッドの
全体構成を示す平面図。

【図８】図７の光ヘッドの正面図。

【符号の説明】

１ 光学ブロック ２ １／２波長板 ３ 鏡筒 ４ 板バネ ５ 圧電素子 ６ 引出し線 ７ 引出し線 ８ レーザダイオード ９ コリメートレンズ １０ 整形プリズム １１ ビームスプリッタ １２ 立ち上げミラー １３ 対物レンズ １４ 記録媒体 １５ 凸レンズ １６ アクチュエータ（レンズアクチュエータ） １７ ガイドローラ １８ シャーシベース １９ ガイドシャフト ２０ 移動手段（ポジショナコイル） ２１ 移動手段（磁気回路） ３０ 受光素子 ３１ 光学素子手段 ５１ 板バネ ５２ 光学素子手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対物レンズと、この対物レンズを２軸方
   向に微小移動可能に取り付けたアクチュエータと、この
   アクチュエータに搭載された前記対物レンズにレーザー
   光を照射する発光素子と、非照射する受光素子及びこの
   受光素子の光路前部に配置される１／２波長板とを少な
   くとも備えた光学素子手段と、この光学素子手段及び対
   物レンズを搭載したアクチュエータとを搭載した光学ブ
   ロックと、この光学ブロックを記録媒体の半径方向に移
   動させる移動手段とを備えた光ヘッドの光学素子固定手
   段であって、前記光学素子手段に搭載された１／２波長
   板は、中空円筒状の鏡筒内に受光面を中心軸方向にして
   取り付け、この鏡筒を光学ブロックに対して圧電素子を
   取り付けた板バネのバネ圧によって位置決め係止し、こ
   の圧電素子を通電する事によって発生する板バネの微小
   振動によってこの鏡筒が回転調整可能となる事を特徴と
   する光ヘッドの光学素子固定手段。