JPH05138943A - シリアルプリンタ用文字パターン発生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アウトラインフォントに基づいて拡大パター
ンのビットマップデータを高速度で発生させること。 【構成】 パターンの輪郭を始点座標データ、終点座標
データ、及びこれら座標を結ぶ線種を指定する線種デー
タにより表現した輪郭データを文字コードに対応させて
格納した輪郭データ格納手段１から読み出した始点座標
データと終点座標データを座標演算手段１１により倍率
に対応する座標データに変換する。この変換により求め
られた座標データを線種データにより指定された線で結
び、印刷パスに一致する分だけを切出手段１２により切
出し、ついでパス内輪郭再現手段１３により印刷パス分
だけの輪郭を作業用メモリ１４に再現する。印刷パス分
の輪郭を再現した段階でビットデータ変換手段がこの輪
郭を埋めるドットを印刷バッファ４に出力する。このよ
うな過程を印刷パス毎に実行して、印刷に必要な分だけ
をドットに変換してゆく。これにより印刷に関係の無い
領域のデータに対するドット変換作業が不要となって高
速化が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、文字や図形の輪郭を表
すアウトラインデータに基づいてドットを生成させる文
字パターン発生装置、より詳しくは１つのアウトライン
データを複数の印刷パスにより印刷するシリアルプリン
タに適した文字パターン発生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】アウトラインフォントは、印刷すべき文
字やパターンをその輪郭データでもって格納するため、
文字やパターンをドットで表現したビット・マップデー
タに比較して少ない記憶容量でデータを保存することが
できるばかりでなく、縮小や拡大を行った際にも文字品
質が劣化しないという特徴がある。

【０００３】ところで、シリアルプリンタにより印刷パ
ス幅よりも大きな領域に跨がるパターンを印刷する場合
には行間距離がゼロとなるように紙送りを行いながら複
数の印刷パスにより１つの図形を完成させるよう印刷を
実行している。このような印刷形態を用いてアウトライ
ンフォントで表された図形を印刷する場合には、アウト
ラインフォントを構成している基準点座標を属性データ
で指定された倍率に一致する座標値に変換し、ついでこ
れをビットマップデータに変換し、印刷パスに相当する
部分のビットデータをだけを抽出して第１の印刷パス分
を印刷し、ついで再前述の工程により同一のアウトライ
ンデータから倍率に一致したビットマップデータを発生
させて第２パスに相当する部分のビットデータだけを抽
出し、これを印刷するという工程を順次繰り返すことに
なる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように各パス毎に
アウトラインフォントデータを属性データで指定された
倍率に一致するビット・マップを発生させてから印刷パ
スに相当する部分だけを切出すようにしているため、印
刷に関係が無い領域についてまでのビットデータへの変
換作業が必要となり、ビット・マップデータの出力まで
に時間を要するばかりでなく、拡大された文字の全ての
領域のビットデータを格納するためのメモリを要すると
いう問題があった。本発明はこのような問題に鑑みてな
されたものであって、その目的とするところは展開時間
と作業用メモリの容量を減少させることができるシリア
ルプリンタ用ビット・マップデータ発生装置を提供する
ことである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、パターンの輪郭を始点座標
データ、終点座標データ、及びこれら座標を結ぶ線種を
指定する線種データにより表現した輪郭データを文字コ
ードに対応させて格納した輪郭データ格納手段と、入力
バッファに格納された文字コードに基づいて前記輪郭デ
ータを読み出す手段と、入力バッファに格納されている
属性データにより指定された倍率と、前記始点座標デー
タと終点座標データに基づいて始点座標データ、終点座
標データを算出し、現在パス領域内での始点座標と終点
座標を出力する演算手段と、前記演算手段からの始点座
標と終点座標を線種データにより指定された線種により
結んだ輪郭点座標を出力する輪郭再現手段と、前記輪郭
点座標に基づいてビットデータを出力する手段を備える
ようにした。

【０００６】

【作用】輪郭データ格納手段から読み出した始点座標デ
ータ、終点座標データを演算手段により必要な倍率に一
致する新たな座標データに変換する。これら演算により
算出された座標データの内、現在の印刷パス内に存在す
る輪郭だけ抽出し、ついでこれをドットデータに変換す
る。このような過程を印刷パス毎に実行して、印刷に必
要な分だけをドットに変換してゆく。これにより印刷に
関係の無い領域のデータに対するドット変換作業が不要
となる。

【０００７】

【実施例】次に本発明の詳細を図示した実施例に基づい
て説明する。図２は本発明の一実施例を示すものであっ
て、図中符号１は、輪郭データ記憶手段で、文字やパタ
ーンをその輪郭線により表現した輪郭データを文字コー
ドに対応させて格納して構成されており、輪郭データ
は、データの数、パターンを表現する複数の線の基準
点、つまり始点とその終点を表すＸ座標値、Ｙ座標値
と、これら始点と終点を結ぶ線の種類、例えば直線、放
物線等を特定する線種データとを組にして構成されてい
る。

【０００８】３は、ビットマップデータ発生装置を構成
するマイクロコンピュータで、入力バッファ２の文字コ
ード、及び属性データに一致するビットマップデータを
印刷バッファ４に出力するようにプログラムされてい
る。

【０００９】図１は、上述したマイクロコンピュータ３
が奏すべき機能を表すブロック図であって、図中符号１
０は、輪郭データ読出手段で、入力バッファ２の文字コ
ードに基づいて輪郭データ記憶装置１にアクセスし、輪
郭データを出力するようになっている。１１は、座標演
算手段で、入力バッファ２に格納されている属性データ
により指定された倍率と、読み出された輪郭データの基
準点座標データに基づいて倍率に対応する新たな基準点
座標データを算出するように構成されている。１２は、
切出手段で、座標演算手段１１からの基準点座標を始点
座標、終点座標としてこれらを指定された線種により結
んだ輪郭線の内、印刷すべきパス内分の始点座標と終点
座標を算出するように構成されている。１３は、パス内
輪郭再現手段で、切出手段１２により算出された始点座
標と終点座標を線種データにより結んだ輪郭のデータを
作業用メモリ１４に出力するように構成されている。１
５は、ビットデータ変換手段で、この実施例ではパス内
輪郭再現手段１３により算出された輪郭線をビットによ
り表現し、これを主走査方向に順番に論理演算を行って
輪郭線により囲まれている領域内にビットデータを発生
させるように構成されている。

【００１０】次にこのように構成した装置の動作を図３
に示したアウトラインデータを３倍に拡大してビットマ
ップデータを発生させる場合を例に採って、図４に示し
たフローチャートに基づいて説明する。印刷指令が出力
すると（ステップイ）、輪郭データ読出手段１０は、入
力バッファ２に格納されている文字コードと、このデー
タに付属する倍率データを読み込み、この文字コードに
一致する輪郭データを輪郭データ記憶装置１から読み出
す（ステップ ロ）。座標演算手段１１は、輪郭データ
を構成している各基準点Ｐ0、Ｐ1、Ｐ2、Ｐ3‥‥Ｐnの
座標値を、属性データにより指定された倍率に拡大した
ときの基準点Ｐ0’、Ｐ1’、Ｐ2’、Ｐ3’‥‥Ｐn’の
座標値を算出する（ステップ ハ）（図５）。切出手段
１２は、現在の印刷パスに一致する領域（図５ Ｉ）を
設定し（ステップ ニ）、これら算出された基準点Ｐ
0’、Ｐ1’、Ｐ2’、Ｐ3’‥‥Ｐn’の内、設定された
領域Ｉ内に存在する始点となる基準点を検索し、これと
組をなす終点となる基準点とを線種データ（この実施例
では直線）により結ぶ（ステップ ホ）。すなわち基準
点Ｐ0’を始点とした場合、基準点Ｐ1’が終点となるか
ら、これらを直線で結び、この直線が現在パスの領域Ｉ
内に収っているか、否かを判定する（ステップ ヘ）。
この場合には現在パスの領域を逸脱する部分があるの
で、その下限となる基準点Ｐ11を算出し（図６Ｉ）、こ
れの座標を次のパスの始点として格納する（ステップ
チ）。一方、パス内輪郭再現手段１３は、始点Ｐ0’と
今算出した基準点Ｐ11とを結ぶ線をドットにより作業用
メモリ１４に再現する。１組の始点と終点に対する演算
が終了した段階で（ステップ ヌ）、再びステップ
（ホ）に戻って現在パスに存在する始点となる基準点を
検索する。この場合には基準点Ｐ0’が基準点Ｐ2’を終
点とする他の輪郭線のとなるので、前述と同様に現在パ
スの下限点Ｐ12を次の印刷パスの始点として格納すると
ともに（ステップ チ）、現在パス内の線を作業メモリ
１４にドットにより再現する（ステップ リ）。

【００１１】いうまでもなく、始点と終点を結ぶ線を求
める過程は、単なる数値演算を実行するだけであるか
ら、この段階ではビットデータ展開用のメモリを必要と
しない。

【００１２】このようにして、現在パス内に存在する始
点となる基準点と終点とを線種データにより指定された
線により結んぶドットデータが作業用メモリ１４に全て
展開され終わると（ステップ ヌ）、ビットデータ変換
手段１５は、作業用メモリ１４に展開されているデータ
を開始アドレスから行方向に順番に論理演算し、現在点
と前後いずれかの１点との排他的論理和を演算し、その
演算結果を現在点に書込むという演算を実行して線で囲
まれた領域にだけドットを表すデータ、例えば「１」を
書込み、終了した段階でこれらデータを印刷バッファ４
に出力する（ステップ ル）。通常の印刷と同様に印刷
バッファ４のドットデータを図示しないドライブ回路を
介して記録ヘッドに出力する。

【００１３】ところで、輪郭データにより特定された領
域内にビットを発生させる手法にはいろいろ存在する
が、上述したように輪郭線を一旦ビットデータにより表
現してから論理演算によりビットを発生させる手法を採
用した場合であっても、これに必要となるメモリの最大
幅は、印刷バッファと同じ大きさで良いことも明らかで
ある。

【００１４】第１のパスについての印刷が終了すると
（ステップ オ）、切出手段１２は、第２の印刷パス
（図５ ＩＩ）を設定し（ステップ ニ）、印刷パス内
の始点とこの始点と組となる終点の基準点とを線種デー
タで指定された線により結ぶ。第２の印刷パスにおいて
は、前回演算により求められた上限の基準点Ｐ11が始点
として存在し、また基準点Ｐ1’が終点となるので、こ
れら２点を線種データで指定されている線分により結ぶ
（ステップ ホ）。これら２点を結んだ線には第２の印
刷パス領域をはみ出す部分があるので、前述したように
第２パスの下限点Ｐ13を算出し、この点Ｐ13の座標を第
３の印刷パス（図５ ＩＩＩ）の始点として格納する
（ステップ チ）。同時に基準点Ｐ11と基準点Ｐ13とを
結ぶ線を作業メモリ１４にドットにより再現する（ステ
ップ リ）。

【００１５】１つの基準点についての作業が終了した段
階で、次の始点である基準点Ｐ3’についての演算を実
行する。この基準点Ｐ3’と組になって終点となる基準
点Ｐ4’は、ともに現在パス内に存在するので（ステッ
プ ヘ）、これら２点Ｐ3’、Ｐ4’を線種データにより
指定された線により結び、これをドットにより作業用メ
モリ１４に再現する。以下基準点Ｐ3’とＰ5’について
も同様の過程により作業用メモリ１４内にドットとして
再現する（ステップ ト）。このようにして第２の印刷
パスＩＩ内の全ての基準点に対する演算が終了すると
（ステップ ル）、ビットデータ変換手段１５は、作業
用メモリ１４内のデータに基づいて前述と同様の手法に
よりドットデータに変換し、これを印刷バッファ４に出
力する（ステップ ル）。

【００１６】第２印刷パスについての印刷が終了すると
（ステップ オ）、第３印刷パス（図５ ＩＩＩ）の領
域を設定し（ステップ ニ）、この領域に存在する基準
点Ｐ13、Ｐ14に対して同様の演算を実行する。

【００１７】このようにして入力バッファに格納されて
いる文字コードについて印刷を終了すると、ホスト装置
に次のデータの出力を要求し、前述の過程を繰り返す。

【００１８】なお、この実施例においては説明を簡素化
するために入力バッファに１つの文字コードが入力して
いる場合について説明したが、複数の文字コードが入力
している場合にも前述の工程を各文字コードについて繰
り返すことにおり属性データにより指定された倍率のビ
ットデータを生成させ得ることは明らかである。またこ
の実施例においては１つの展開用メモリを用いる場合に
例を採って説明したが、複数、例えば２つの展開用バッ
ファメモリを備えることにより印刷工程を利用して次の
パス分をビット・マップデータに展開することが可能と
なってデータ処理速度を向上することができる。さら
に、上述の実施例においては基準データとして用意され
ているアウトラインフォントデータを用いて拡大文字を
印刷する場合に例を採って説明したが、基準データとし
て用意されてアウトラインフォントデータを縮小して印
刷する場合であっても上述の工程により目的のサイズに
縮小できることは明らかである。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
パターンの輪郭を始点座標データ、終点座標データ、及
びこれら座標を結ぶ線種を指定する線種データにより表
現した輪郭データを文字コードに対応させて格納した輪
郭データ格納手段と、入力バッファに格納された文字コ
ードに基づいて輪郭データを読み出す手段と、入力バッ
ファに格納されている属性データにより指定された倍率
と、始点座標データと終点座標データに基づいて始点座
標データ、終点座標データを算出し、現在パス領域内で
の始点座標と終点座標を出力する演算手段と、演算手段
からの始点座標と終点座標を線種データにより指定され
た線種により結んだ輪郭点座標を出力する輪郭再現手段
と、輪郭点座標に基づいてビットデータを出力する手段
を備えたので、１パス分の印刷に必要なビットデータだ
けの演算だけで印刷が可能となり、従来のように当該パ
スの印刷に不要なビットデータへの変換作業が不要とな
って印刷の高速化とビットマップデータ変換用メモリの
節減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の文字パターン発生装置を構成している
マイクロコンピュータが奏すべき機能を示すブロック図
である。

【図２】本発明の一実施例を示す構成図である。

【図３】輪郭データ記憶装置に格納されているアウトラ
インフォントを模式的に示した図である。

【図４】本発明の動作を示すフローチャートである。

【図５】輪郭データ記憶装置に格納されているアウトラ
インフォントを３倍に拡大したときの座標を示した図で
ある。

【図６】同図（Ｉ）、（ＩＩ）、（ＩＩＩ）は、印刷パ
スとビットデータ変換領域の関係を示す図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パターンの輪郭を始点座標データ、終点
   座標データ、及びこれら座標を結ぶ線種を指定する線種
   データにより表現した輪郭データを文字コードに対応さ
   せて格納した輪郭データ格納手段と、入力バッファに格
   納された文字コードに基づいて前記輪郭データを読み出
   す手段と、入力バッファに格納されている属性データに
   より指定された倍率と、前記始点座標データと終点座標
   データに基づいて始点座標データ、終点座標データを算
   出し、現在パス領域内での始点座標と終点座標を出力す
   る演算手段と、前記演算手段からの始点座標と終点座標
   を線種データにより指定された線種により結んだ輪郭点
   座標を出力する輪郭再現手段と、前記輪郭点座標に基づ
   いてビットデータを出力する手段とからなるシリアルプ
   リンタ用文字パターン発生装置。