JPH05137817A - 球状物成形用金型および該金型で成形されたゴルフボール - Google Patents
球状物成形用金型および該金型で成形されたゴルフボールInfo
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- JPH05137817A JPH05137817A JP3304649A JP30464991A JPH05137817A JP H05137817 A JPH05137817 A JP H05137817A JP 3304649 A JP3304649 A JP 3304649A JP 30464991 A JP30464991 A JP 30464991A JP H05137817 A JPH05137817 A JP H05137817A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ゴルフボール表面にディンプルと全く交差し
ない大円通路をなくす。 【構成】 ゴルフボール成形用の金型を、大円に当たる
部分を有する１つの型と、該型以外の１以上の型に分割
し、かつ、上記大円に当たる部分を有する型は形状記憶
合金により形成し、該形成記憶合金製の型を球状物成形
後に開口端の直径が成形される球状成形物の直径より大
となるように形状変化させるように設定している金型を
用いて、ゴルフボールを成形する。
ない大円通路をなくす。 【構成】 ゴルフボール成形用の金型を、大円に当たる
部分を有する１つの型と、該型以外の１以上の型に分割
し、かつ、上記大円に当たる部分を有する型は形状記憶
合金により形成し、該形成記憶合金製の型を球状物成形
後に開口端の直径が成形される球状成形物の直径より大
となるように形状変化させるように設定している金型を
用いて、ゴルフボールを成形する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフボールの成形に
適した球状物成形用金型および該金型により成形したゴ
ルフボールに関し、特に、ゴルフボールの表面にディン
プルと全く交差しない大円通路が存在しないように成形
するものである。
適した球状物成形用金型および該金型により成形したゴ
ルフボールに関し、特に、ゴルフボールの表面にディン
プルと全く交差しない大円通路が存在しないように成形
するものである。
【０００２】
【従来の技術】通常、ゴルフボールは図７に示すよう
に、同一形状の上下一対の半球状型１,２で成形されて
いる。尚、図中、型面に設けられているディンプル成形
用の凸部は省略している。
に、同一形状の上下一対の半球状型１,２で成形されて
いる。尚、図中、型面に設けられているディンプル成形
用の凸部は省略している。
【０００３】上記した上下型１,２によりゴルフボール
を成形すると、これら型の合わせ面(所謂、シーム)に成
形時にバリが発生し、該バリを後工程で切削する必要が
ある。この切削作業を容易とするため、シーム上にはデ
ィンプルを設けることが出来ない。よって、 成形される
ゴルフボールには、 図８に示すように、 シームＬ上には
ディンプルＤと全く交差しない大円通路ＧＣが必ず存在
している。
を成形すると、これら型の合わせ面(所謂、シーム)に成
形時にバリが発生し、該バリを後工程で切削する必要が
ある。この切削作業を容易とするため、シーム上にはデ
ィンプルを設けることが出来ない。よって、 成形される
ゴルフボールには、 図８に示すように、 シームＬ上には
ディンプルＤと全く交差しない大円通路ＧＣが必ず存在
している。
【０００４】上記大円通路の存在がゴルフボールの飛行
性能に悪影響を及ぼすことは当業者の間では周知の事実
である。例えば、特開昭６１−２８４２６４号、特開昭
６２−１９２１８１号、特開昭６４−８９８３号におい
て記載されているように、大円通路の存在により、シー
ム打ちとポール打ちの飛行性能が相違する等の悪影響が
生じる。
性能に悪影響を及ぼすことは当業者の間では周知の事実
である。例えば、特開昭６１−２８４２６４号、特開昭
６２−１９２１８１号、特開昭６４−８９８３号におい
て記載されているように、大円通路の存在により、シー
ム打ちとポール打ちの飛行性能が相違する等の悪影響が
生じる。
【０００５】よって、ディンプルと全く交差しない大円
通路を有さないゴルフボールが要望されており、そのた
めの提案が従来より種々なされている。例えば、特開昭
６２−４７３７９号では、金型のシーム部分(合わせ面)
を凹凸として、シーム上にディンプルを成形するように
したもの、あるいは特開昭６４−８９８３号ではディン
プルをゴルフボールに直接掘る方法でシーム上の大円通
路を無くすようにしている。
通路を有さないゴルフボールが要望されており、そのた
めの提案が従来より種々なされている。例えば、特開昭
６２−４７３７９号では、金型のシーム部分(合わせ面)
を凹凸として、シーム上にディンプルを成形するように
したもの、あるいは特開昭６４−８９８３号ではディン
プルをゴルフボールに直接掘る方法でシーム上の大円通
路を無くすようにしている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭６２−４７３７９号の金型のシーム部分に凹凸を設
けた場合、 金型の作成が困難となり、 また、 ディンプル
を設けたシーム上にやはりバリが生じるため、 このバリ
を切削する必要があり、 バリ切削が非常に困難となる。
よって、 上記した理由より当該方法は実用化はされてい
ない。
開昭６２−４７３７９号の金型のシーム部分に凹凸を設
けた場合、 金型の作成が困難となり、 また、 ディンプル
を設けたシーム上にやはりバリが生じるため、 このバリ
を切削する必要があり、 バリ切削が非常に困難となる。
よって、 上記した理由より当該方法は実用化はされてい
ない。
【０００７】また、上記特開昭６４−８９８３号のゴル
フボールに直接ディンプルを掘る方法は、ゴルフボール
毎にディンプ形状のバラツキが生じて、このバラツキに
より飛行性能のバラツキを生じる欠点となる。さらに、
ゴルフボールの表面に直接ディンプルを掘る場合には、
作業時間および手数が非常にかかり、コスト高になるこ
と等より、本方法も実用化されていない。
フボールに直接ディンプルを掘る方法は、ゴルフボール
毎にディンプ形状のバラツキが生じて、このバラツキに
より飛行性能のバラツキを生じる欠点となる。さらに、
ゴルフボールの表面に直接ディンプルを掘る場合には、
作業時間および手数が非常にかかり、コスト高になるこ
と等より、本方法も実用化されていない。
【０００８】上記した事情より、現在販売されているゴ
ルフボールは、全て、ディンプルと全く交差しない大円
通路が１本以上存在しており、大円通路を有しないもの
は提供されていない。
ルフボールは、全て、ディンプルと全く交差しない大円
通路が１本以上存在しており、大円通路を有しないもの
は提供されていない。
【０００９】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
ので、容易かつ精度よく、ディンプルと全く交差しない
大円通路を有さないゴルフボールを成形できるようにし
た成形用金型および該金型により成形したゴルフボール
を提供せんとするものである。
ので、容易かつ精度よく、ディンプルと全く交差しない
大円通路を有さないゴルフボールを成形できるようにし
た成形用金型および該金型により成形したゴルフボール
を提供せんとするものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ゴルフ
ボール等の球状物の成形用金型を、大円に当たる部分を
有する１つの型と、該型以外の１以上の型に分割し、か
つ、上記大円に当たる部分を有する型は形状記憶合金に
より形成し、該形状記憶合金製の型を球状物成形後に開
口端の直径が成形される球状成形物の直径より大となる
ように形状変化させるように設定していることを特徴と
する球状物成形用金型を提供するものである。
ボール等の球状物の成形用金型を、大円に当たる部分を
有する１つの型と、該型以外の１以上の型に分割し、か
つ、上記大円に当たる部分を有する型は形状記憶合金に
より形成し、該形状記憶合金製の型を球状物成形後に開
口端の直径が成形される球状成形物の直径より大となる
ように形状変化させるように設定していることを特徴と
する球状物成形用金型を提供するものである。
【００１１】特に、ゴルフボール成形用金型の場合、分
割した型のキャビティを構成する型面に、ディンプル成
形用の凸部を形成していると共に、分割した型の合わせ
面はディンプル成形用凸部を設けない位置に設定してい
る。
割した型のキャビティを構成する型面に、ディンプル成
形用の凸部を形成していると共に、分割した型の合わせ
面はディンプル成形用凸部を設けない位置に設定してい
る。
【００１２】具体的には、例えば、ゴルフボールを上下
方向に３つの部分に分かれるように水平方向に切断した
と仮定して、これら各部分を相当する上型、中型、下型
に金型を分割し、上記中型はゴルフボールの中心より水
平方向の直径部分の外周にあたる大円部分を含めた上下
開口の円環形状として上記形状記憶合金により作成して
いる。一方、上型および下型は円弧状に凹設された型面
を備えた通常の金型により作成している。また、上記中
型には大円通路を形成しないようにディンプル成形用凸
部を設けており、かつ、上・下型の合わせ面はディンプ
ルを配置しない位置に設定して、合わせ面に生じるバリ
の切削を容易としている。
方向に３つの部分に分かれるように水平方向に切断した
と仮定して、これら各部分を相当する上型、中型、下型
に金型を分割し、上記中型はゴルフボールの中心より水
平方向の直径部分の外周にあたる大円部分を含めた上下
開口の円環形状として上記形状記憶合金により作成して
いる。一方、上型および下型は円弧状に凹設された型面
を備えた通常の金型により作成している。また、上記中
型には大円通路を形成しないようにディンプル成形用凸
部を設けており、かつ、上・下型の合わせ面はディンプ
ルを配置しない位置に設定して、合わせ面に生じるバリ
の切削を容易としている。
【００１３】あるいは、ゴルフボールを水平方向に切断
して２つの上下部分に分かれると仮定して、大円にあた
る部分を含む下部および中央部に相当する中下型と、上
部の例えば１／３に相当する上型とに２分割し、上記中
下型を形状記憶合金により作成している。
して２つの上下部分に分かれると仮定して、大円にあた
る部分を含む下部および中央部に相当する中下型と、上
部の例えば１／３に相当する上型とに２分割し、上記中
下型を形状記憶合金により作成している。
【００１４】上記大円にあたる部分の成形型を形成する
形状記憶合金は、成形と取り出しを繰り返して行うた
め、復元精度の良好なものが用いられる。また、温度変
化により復元する記憶形状は、成形時の形状としても良
いし、あるいは、取り出し時の形状としてもよく、成形
する樹脂の性状との関係等より選択される。
形状記憶合金は、成形と取り出しを繰り返して行うた
め、復元精度の良好なものが用いられる。また、温度変
化により復元する記憶形状は、成形時の形状としても良
いし、あるいは、取り出し時の形状としてもよく、成形
する樹脂の性状との関係等より選択される。
【００１５】本発明は、さらに、上記した成形金型を用
いてゴルフボールを成形し、ディンプルと全く交差しな
い大円通路が存在しないゴルフボールを提供するもので
ある。
いてゴルフボールを成形し、ディンプルと全く交差しな
い大円通路が存在しないゴルフボールを提供するもので
ある。
【００１６】
【作用】上記のように、金型をゴルフボールの大円通路
に当たる部分を有する型と、その他の型とに分割してい
るため、型合わせ面(シーム)は大円通路にあたらず、型
合わせ面に生じるバリを切削した後の通路は大円通路と
はならない。即ち、該金型により成形したゴルフボール
はディンプルと全く交差しない大円通路を有さないディ
ンプル・バターンとすることが出来る。
に当たる部分を有する型と、その他の型とに分割してい
るため、型合わせ面(シーム)は大円通路にあたらず、型
合わせ面に生じるバリを切削した後の通路は大円通路と
はならない。即ち、該金型により成形したゴルフボール
はディンプルと全く交差しない大円通路を有さないディ
ンプル・バターンとすることが出来る。
【００１７】上記金型では、大円にあたる部分の型を形
状記憶合金で作成して、成形後に、該型の開口端を成形
するゴルフボールの直径より大きくすることができ、よ
って、成形後にゴルフボールの取り出しを容易に行うこ
とが出来る。
状記憶合金で作成して、成形後に、該型の開口端を成形
するゴルフボールの直径より大きくすることができ、よ
って、成形後にゴルフボールの取り出しを容易に行うこ
とが出来る。
【００１８】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例により詳細
に説明する。図１から図３は第１実施例に係わるゴルフ
ボール成形用金型を示し、図４は該金型により成形され
たゴルフボールを示す。金型１０は上型１１、中型１２
および下型１３の３つの型から構成している。これら３
つの型は、水平方向に上・中・下と３分割したゴルフボ
ールの各部分に対応するものである。
に説明する。図１から図３は第１実施例に係わるゴルフ
ボール成形用金型を示し、図４は該金型により成形され
たゴルフボールを示す。金型１０は上型１１、中型１２
および下型１３の３つの型から構成している。これら３
つの型は、水平方向に上・中・下と３分割したゴルフボ
ールの各部分に対応するものである。
【００１９】上記中型１２はゴルフボールの中心点を通
る水平方向直径の外周にあたる大円Ｃを含む部分に対応
するものである。該中型１２は上下開口の環形状であ
り、形状記憶合金により形成している。該形状記憶合金
で形成している中型は、１００℃以上に加熱して温度変
化を生じさせた場合に記憶している図１および図２に示
す成形時の形状に変化する一方、１００℃以下になると
図３に示す形状に復元するように設定している。
る水平方向直径の外周にあたる大円Ｃを含む部分に対応
するものである。該中型１２は上下開口の環形状であ
り、形状記憶合金により形成している。該形状記憶合金
で形成している中型は、１００℃以上に加熱して温度変
化を生じさせた場合に記憶している図１および図２に示
す成形時の形状に変化する一方、１００℃以下になると
図３に示す形状に復元するように設定している。
【００２０】上記中型１２の成形時の形状は、図１およ
び図２に示すように、型面１２ｂの上下方向の中心部が
最大円周部となり、上下開口端に向かって内方へ湾曲し
た形状としている。一方、成形されたゴルフボールを取
り出す復元時には、図３に示すように、上記型面１２ｂ
の中心部の最大円周部が図１、図２に示す成形時よりや
や拡大すると共に、上記中心部より上下開口端にかけて
さらに拡大する外広がりの形状となるようにしている。
び図２に示すように、型面１２ｂの上下方向の中心部が
最大円周部となり、上下開口端に向かって内方へ湾曲し
た形状としている。一方、成形されたゴルフボールを取
り出す復元時には、図３に示すように、上記型面１２ｂ
の中心部の最大円周部が図１、図２に示す成形時よりや
や拡大すると共に、上記中心部より上下開口端にかけて
さらに拡大する外広がりの形状となるようにしている。
【００２１】上記上型１１は下端面が開口した円弧状凹
部からなる中空部１１ａを備えており、同様に、下型１
３は上端面が開口した円弧状凹部からなる中空部１３ａ
を備えている。これら上下型１１,１３は炭素鋼で形成
している。
部からなる中空部１１ａを備えており、同様に、下型１
３は上端面が開口した円弧状凹部からなる中空部１３ａ
を備えている。これら上下型１１,１３は炭素鋼で形成
している。
【００２２】上記中型１２の型面１２ｂおよび上下型１
１,１３の型面１１ｂ,１３ｂには、図示していないが、
ディンプル成形用の凸部を所要パターンで設けている。
１,１３の型面１１ｂ,１３ｂには、図示していないが、
ディンプル成形用の凸部を所要パターンで設けている。
【００２３】また、上記中型１２と上下型１１、１３と
の２箇所の型合わせ面には、ディンプル成形用の凸部を
設けていない。
の２箇所の型合わせ面には、ディンプル成形用の凸部を
設けていない。
【００２４】上記金型は成形時に、上型１１、中型１２
および下型１３を合わせして、100℃以上に加熱する。
この加熱により、中型１２は記憶している形状に変形し
て、図２に示すように、開口端が一致して、成形するゴ
ルフボールの球面を構成するように型面が連続する。
および下型１３を合わせして、100℃以上に加熱する。
この加熱により、中型１２は記憶している形状に変形し
て、図２に示すように、開口端が一致して、成形するゴ
ルフボールの球面を構成するように型面が連続する。
【００２５】上記球面からなる型面に囲まれたキャビテ
ィ内に樹脂を射出して、又はキャビティで材料を圧縮
し、プレス方式でゴルフボールを成形する。成形後、金
型の加熱を停止して、金型温度が１００℃以下に低下す
ると、中型１２は図３に示す取り出し時の形状に復元す
る。上型１１および下型１３は図３に示すように、それ
ぞれ上下方向に取り外すことが出来るため、例えば、上
型１１を取り外した後、中型１２および下型１３より成
形させたゴルフボールを取り出す事ができる。該取り出
し時、中型１２の開口端はゴルフボールの直径より大き
くなっているため、ゴルフボールは容易に取り出すこと
が出来る。
ィ内に樹脂を射出して、又はキャビティで材料を圧縮
し、プレス方式でゴルフボールを成形する。成形後、金
型の加熱を停止して、金型温度が１００℃以下に低下す
ると、中型１２は図３に示す取り出し時の形状に復元す
る。上型１１および下型１３は図３に示すように、それ
ぞれ上下方向に取り外すことが出来るため、例えば、上
型１１を取り外した後、中型１２および下型１３より成
形させたゴルフボールを取り出す事ができる。該取り出
し時、中型１２の開口端はゴルフボールの直径より大き
くなっているため、ゴルフボールは容易に取り出すこと
が出来る。
【００２６】上記金型により成形されたゴルフボール
は、図４に示す形状となり、ゴルフボールＧの中心点を
通る直径部分外周にディンプルＤが設けられており、デ
ィンプルＤと全く交差しない大円通路は存在しない。
は、図４に示す形状となり、ゴルフボールＧの中心点を
通る直径部分外周にディンプルＤが設けられており、デ
ィンプルＤと全く交差しない大円通路は存在しない。
【００２７】上型１１と中型１２との型合わせ面Ｌ１お
よび中型１２と下型１３との型合わせ面Ｌ２にはバリが
発生する。しかしながら、これら型合わせ面Ｌ１および
Ｌ２にはディンプルを設けていないため、バリの切削を
容易になすことが出来る。よって、これら型合わせ面Ｌ
１とＬ２にディンプルＤと全く交差しない通路が形成さ
れるが、これら通路はゴルフボール中心を通る直径部分
の外周ではないため、大円通路とはならない。大円通路
はゴルフボールの飛行性能に与える影響は大きいが、上
記ディンプルと全く通路は小円であるため、ゴルフボー
ルの飛行性能に与える悪影響は少ない。
よび中型１２と下型１３との型合わせ面Ｌ２にはバリが
発生する。しかしながら、これら型合わせ面Ｌ１および
Ｌ２にはディンプルを設けていないため、バリの切削を
容易になすことが出来る。よって、これら型合わせ面Ｌ
１とＬ２にディンプルＤと全く交差しない通路が形成さ
れるが、これら通路はゴルフボール中心を通る直径部分
の外周ではないため、大円通路とはならない。大円通路
はゴルフボールの飛行性能に与える影響は大きいが、上
記ディンプルと全く通路は小円であるため、ゴルフボー
ルの飛行性能に与える悪影響は少ない。
【００２８】図５および図６は本発明の第２実施例に係
わるゴルフボール成形用金型を示す。上記金型は第１実
施例の中型と下型とを一体化した中下型２０と上型２１
との２つの金型からなる。
わるゴルフボール成形用金型を示す。上記金型は第１実
施例の中型と下型とを一体化した中下型２０と上型２１
との２つの金型からなる。
【００２９】上記中下型２０は大円にあたる部分を含む
もので、第１実施例の中型と同様な形状記憶合金で形成
しており、記憶している成形時の形状が図５に示す形状
で、復元時の形状が図６に示す形状としている。この復
元時の形状は、上端開口部２０ａがゴルフボールの直径
より大きくなる拡大するように設定しており、よって、
該形状に復元した中下型２０より成形したゴルフボール
を容易に取り出すことが出来る。
もので、第１実施例の中型と同様な形状記憶合金で形成
しており、記憶している成形時の形状が図５に示す形状
で、復元時の形状が図６に示す形状としている。この復
元時の形状は、上端開口部２０ａがゴルフボールの直径
より大きくなる拡大するように設定しており、よって、
該形状に復元した中下型２０より成形したゴルフボール
を容易に取り出すことが出来る。
【００３０】上型２１は下端開口の円弧形状の中空部２
１ａを備えた形状で、銅と亜鉛の合金より形成してお
り、上記開口端は成形時に中下型２０の上端開口端と連
続して、球面状の型面を形成するものである。この型合
わせ面は第１実施例と同様にディンプルを設けない位置
に設定している。
１ａを備えた形状で、銅と亜鉛の合金より形成してお
り、上記開口端は成形時に中下型２０の上端開口端と連
続して、球面状の型面を形成するものである。この型合
わせ面は第１実施例と同様にディンプルを設けない位置
に設定している。
【００３１】上記第２実施例による金型により成形した
ゴルフボールも、ディンプルと全く交差しない大円通路
が存在しない。また、上型２１と中下型２０の型合わせ
面にはディンプルと交差しない通路が形成されるが、該
通路は小円であるため、ゴルフボールの飛行性能に与え
る悪影響は少ない。
ゴルフボールも、ディンプルと全く交差しない大円通路
が存在しない。また、上型２１と中下型２０の型合わせ
面にはディンプルと交差しない通路が形成されるが、該
通路は小円であるため、ゴルフボールの飛行性能に与え
る悪影響は少ない。
【００３２】尚、上記実施例はいずれもゴルフボール成
形用金型であるが、成形物がゴルフボール以外で、中心
部に大円状のバリの発生を嫌う競技用あるいは遊戯用等
の惰円形状のボール等を含む球状成形物に対しても、本
発明の成形用金型を好適に用いることが出来る。また、
球状以外の形状を有し、取り出しが困難である成形物の
成形をする場合には、金型の所要部分あるいは全体を形
状記憶合金で形成したものが好適に用いられる。
形用金型であるが、成形物がゴルフボール以外で、中心
部に大円状のバリの発生を嫌う競技用あるいは遊戯用等
の惰円形状のボール等を含む球状成形物に対しても、本
発明の成形用金型を好適に用いることが出来る。また、
球状以外の形状を有し、取り出しが困難である成形物の
成形をする場合には、金型の所要部分あるいは全体を形
状記憶合金で形成したものが好適に用いられる。
【００３３】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に係わる金型を用いると、大円状のバリのない成形物を
得ることができると共に、該成形物を金型より容易に取
り出すことが出来る。特に、本発明に係わる金型でゴル
フボールを成形すると、ディンプルと全く交差しない大
円通路が存在しないゴルフボールを容易かつ精度良く得
ることが出来る。よって、飛行性能に優れたゴルフボー
ルを提供できる利点を有する。
に係わる金型を用いると、大円状のバリのない成形物を
得ることができると共に、該成形物を金型より容易に取
り出すことが出来る。特に、本発明に係わる金型でゴル
フボールを成形すると、ディンプルと全く交差しない大
円通路が存在しないゴルフボールを容易かつ精度良く得
ることが出来る。よって、飛行性能に優れたゴルフボー
ルを提供できる利点を有する。
【図１】 本発明の第１実施例に係わる金型の断面図で
ある。
ある。
【図２】 図１の金型を型締した状態を示す断面図であ
る。
る。
【図３】 図１の金型の成形物取り出し時の断面図であ
る。
る。
【図４】 第１実施例の金型により成形したゴルフボー
ルの正面図である。
ルの正面図である。
【図５】 本発明の第２実施例に係わる金型の断面図で
ある。
ある。
【図６】 第２実施例の金型の成形物取り出し時の断面
図である。
図である。
【図７】 従来の金型の断面図である。
【図８】 従来の金型で成型されたゴルフボールの正面
図である。
図である。
１１,２１ 上型 １２ 中型 １３ 下型 ２０ 中下型
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成４年３月１２日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００１６
【補正方法】変更
【補正内容】
【００１６】
【作用】上記のように、金型を、ゴルフボールの大円通
路に当たる部分を有する型と、その他の型とに分割して
いるため、型合わせ面(シーム)は大円通路にあたらず、
型合わせ面に生じるバリを切削した後の通路は大円通路
とはならない。即ち、該金型により成形したゴルフボー
ルはディンプルと全く交差しない大円通路を有さないデ
ィンプル・パターンとすることが出来る。
路に当たる部分を有する型と、その他の型とに分割して
いるため、型合わせ面(シーム)は大円通路にあたらず、
型合わせ面に生じるバリを切削した後の通路は大円通路
とはならない。即ち、該金型により成形したゴルフボー
ルはディンプルと全く交差しない大円通路を有さないデ
ィンプル・パターンとすることが出来る。
【手続補正２】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００１９
【補正方法】変更
【補正内容】
【００１９】上記中型１２はゴルフボールの中心点を通
る水平方向直径の外周にあたる大円Ｃを含む部分に対応
するものである。該中型１２は上下開口の環形状であ
り、形状記憶合金により形成している。該形状記憶合金
で形成している中型は、１００℃以上に加熱して温度変
化を生じさせた場合に記憶している図１および図２に示
す成形時の形状に変化する一方、常温では、力を与えて
図３に示す形状に変形できるよう設定している。
る水平方向直径の外周にあたる大円Ｃを含む部分に対応
するものである。該中型１２は上下開口の環形状であ
り、形状記憶合金により形成している。該形状記憶合金
で形成している中型は、１００℃以上に加熱して温度変
化を生じさせた場合に記憶している図１および図２に示
す成形時の形状に変化する一方、常温では、力を与えて
図３に示す形状に変形できるよう設定している。
【手続補正３】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００２０
【補正方法】変更
【補正内容】
【００２０】上記中型１２の成形時の形状は、図１およ
び図２に示すように、型面１２ｂの上下方向の中心部が
最大円周部となり、上下開口端に向かって内方へ湾曲し
た形状としている。一方、成形されたゴルフボールを取
り出す時には、図３に示すように、上記型面１２ｂの中
心部の最大円周部が図１、図２に示す成形時よりやや拡
大すると共に、上記中心部より上下開口端にかけてさら
に拡大する外広がりの形状となるようにしている。
び図２に示すように、型面１２ｂの上下方向の中心部が
最大円周部となり、上下開口端に向かって内方へ湾曲し
た形状としている。一方、成形されたゴルフボールを取
り出す時には、図３に示すように、上記型面１２ｂの中
心部の最大円周部が図１、図２に示す成形時よりやや拡
大すると共に、上記中心部より上下開口端にかけてさら
に拡大する外広がりの形状となるようにしている。
【手続補正４】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００２５
【補正方法】変更
【補正内容】
【００２５】上記球面からなる型面に囲まれたキャビテ
ィ内に樹脂を射出して、又はキャビティで材料を圧縮
し、プレス方式でゴルフボールを成形する。成形後、金
型の加熱を停止して、金型温度が常温に低下した後、中
型１２を図３に示す形状に変形させる。上型１１および
下型１３は図３に示すように、それぞれ上下方向に取り
外すことが出来るため、例えば、上型１１を取り外した
後、中型１２および下型１３より成形させたゴルフボー
ルを取り出すことが出来る。該取り出し時、中型１２の
開口端はゴルフボールの直径より大きくなっているた
め、ゴルフボールは容易に取り出すことが出来る。
ィ内に樹脂を射出して、又はキャビティで材料を圧縮
し、プレス方式でゴルフボールを成形する。成形後、金
型の加熱を停止して、金型温度が常温に低下した後、中
型１２を図３に示す形状に変形させる。上型１１および
下型１３は図３に示すように、それぞれ上下方向に取り
外すことが出来るため、例えば、上型１１を取り外した
後、中型１２および下型１３より成形させたゴルフボー
ルを取り出すことが出来る。該取り出し時、中型１２の
開口端はゴルフボールの直径より大きくなっているた
め、ゴルフボールは容易に取り出すことが出来る。
【手続補正５】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００２９
【補正方法】変更
【補正内容】
【００２９】上記中下型２０は大円にあたる部分を含む
もので、第１実施例の中型と同様な形状記憶合金で形成
しており、記憶している成形時の形状が図５に示す形状
で、取出時に図６に示す形状に変形させる。この取出時
の形状は、上端開口部２０ａがゴルフボールの直径より
大きく拡大するように設定しており、よって、該形状に
変形した中下型２０より成形したゴルフボールを容易に
取り出すことが出来る。
もので、第１実施例の中型と同様な形状記憶合金で形成
しており、記憶している成形時の形状が図５に示す形状
で、取出時に図６に示す形状に変形させる。この取出時
の形状は、上端開口部２０ａがゴルフボールの直径より
大きく拡大するように設定しており、よって、該形状に
変形した中下型２０より成形したゴルフボールを容易に
取り出すことが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ｂ２９Ｌ 31:54 4Ｆ
Claims (3)
- 【請求項１】 球状物成形用の金型を、大円に当たる部
分を有する１つの型と、該型以外の１以上の型に分割
し、かつ、上記大円に当たる部分を有する型は形状記憶
合金により形成し、該形成記憶合金製の型を球状物成形
後に開口端の直径が成形される球状成形物の直径より大
となるように形状変化させるように設定していることを
特徴とする球状物成形用金型。 - 【請求項２】 上記球状物成形用金型はゴルフボール成
形用金型からなり、上記各分割した型のキャビティを構
成する型面に、ディンプル成形用の凸部を形成している
と共に、分割した型の合わせ面はディンプル成形用凸部
を設けない位置に設定していることを特徴とする請求項
１記載の金型。 - 【請求項３】 ゴルフボールの表面に、ディンプルと全
く交差しない大円通路が存在していないことを特徴とす
る請求項２記載の金型により成形したゴルフボール。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3304649A JPH05137817A (ja) | 1991-11-20 | 1991-11-20 | 球状物成形用金型および該金型で成形されたゴルフボール |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3304649A JPH05137817A (ja) | 1991-11-20 | 1991-11-20 | 球状物成形用金型および該金型で成形されたゴルフボール |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05137817A true JPH05137817A (ja) | 1993-06-01 |
Family
ID=17935575
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3304649A Withdrawn JPH05137817A (ja) | 1991-11-20 | 1991-11-20 | 球状物成形用金型および該金型で成形されたゴルフボール |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05137817A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001246018A (ja) * | 2000-03-06 | 2001-09-11 | Bridgestone Sports Co Ltd | ゴルフボール及びその製造方法 |
| US6575728B2 (en) * | 2001-10-09 | 2003-06-10 | Acushnet Company | Apparatus for molding and stripping golf ball cores from a three plate mold |
| US7347964B2 (en) * | 2005-08-17 | 2008-03-25 | Callaway Golf Company | Method and apparatus for demolding a golf ball |
| US8900684B2 (en) | 2009-03-17 | 2014-12-02 | Vkr Holding A/S | Vapour barrier collar |
| CN109664470A (zh) * | 2018-12-27 | 2019-04-23 | 佛山市顺德区震旭塑料机械有限公司 | 一种具有温控模槽变形功能的注塑机模具 |
-
1991
- 1991-11-20 JP JP3304649A patent/JPH05137817A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001246018A (ja) * | 2000-03-06 | 2001-09-11 | Bridgestone Sports Co Ltd | ゴルフボール及びその製造方法 |
| US6575728B2 (en) * | 2001-10-09 | 2003-06-10 | Acushnet Company | Apparatus for molding and stripping golf ball cores from a three plate mold |
| US7347964B2 (en) * | 2005-08-17 | 2008-03-25 | Callaway Golf Company | Method and apparatus for demolding a golf ball |
| US8900684B2 (en) | 2009-03-17 | 2014-12-02 | Vkr Holding A/S | Vapour barrier collar |
| CN109664470A (zh) * | 2018-12-27 | 2019-04-23 | 佛山市顺德区震旭塑料机械有限公司 | 一种具有温控模槽变形功能的注塑机模具 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990204 |