JPH05137323A - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

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JPH05137323A
JPH05137323A JP3297235A JP29723591A JPH05137323A JP H05137323 A JPH05137323 A JP H05137323A JP 3297235 A JP3297235 A JP 3297235A JP 29723591 A JP29723591 A JP 29723591A JP H05137323 A JPH05137323 A JP H05137323A
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JP
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switching element
piezoelectric transformer
piezoelectric
voltage
input
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JP3297235A
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Masuji Sato
万寿治 佐藤
Noboru Wakatsuki
昇 若月
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電トランスに関し、該圧電トランスを効率
よく駆動することを目的とする。 【構成】 圧電横効果により圧電体基板1′に振動波を
励起させ、該振動波に応じた出力電圧を発生させる圧電
トランスであって、直流電源VS と該圧電トランスの入
力電極2a′,2b′に接続された第1のスイッチング
素子SW1がオンとされ第2のスイッチング素子SW2
がオフとされる期間と、該第1のスイッチング素子がオ
フとされ該第2のスイッチング素子がオンとされる期間
とが交互に設定される。該第1、第2のスイッチング素
子としては例えば相補形のトランジスタが用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧電トランスに関する。
詳しくは、圧電単結晶、たとえば、ニオブ酸リチウム
(LiNbO3 )単結晶の回転Y板を用い、特に該圧電
トランスを効率よく駆動しうる駆動電源をそなえた圧電
トランスの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管(CRT)の電子線の偏向や静
電印刷における光導電ドラムの帯電、さらには、DC−
DCコンバータの電圧変換用トランスなど、高電圧を必
要とする機器が多くある。現在、一般的には電磁トラン
スを使用しているが、小型・軽量でソリッドステートな
デバイスとして圧電トランスが注目され一部に具体的に
提案されている。
【0003】図10は従来の圧電トランスの例を示す図
(その1)で、Rosenによって提案された代表的な
例(C.A.Rosen:Proc., Electronic Components Symp.,
p205, 1957) の斜視図である。図中、1″は圧電セラミ
ック板、たとえば、チタン酸バリウムセラミック板で、
長方形の薄板の、たとえば、図示したごとく中央部から
左側は板厚方向に分極(Pi )し、右側は板の長さ方向
に分極(Po )してある。そして左側の分極(Pi )部
分の両面に入力電極2″(2a″,2b″)を形成して
入力端子20a″,20b″を接続し、右側の分極(P
o )部分の右端に一方の出力電極3″を形成して出力端
子30a″を接続する。なお、もう一方の出力端子30
b″は入力電極、たとえば20b″と共用させてある。
【0004】いま、上記両面の入力電極の間に長さ方向
の寸法で決まる共振周波数の入力電圧Vi を印加する
と、長さ方向の振動が励起され圧電縦効果(該振動の方
向に対して出力電圧の方向が一致する)を介して出力端
子30a″,30b″の間に高電圧Vo が発生する。こ
の場合、出力端無負荷時の昇圧比(Vo /Vi )は次式
で表される。
【0005】 Vo /Vi =4π2 ・k31・k33・Qa ・l2 /t────(1) こゝで、k31は横効果の結合係数、k33は縦効果の結合
係数、Qa は圧電板1″の機械的Q、l2 は右半分の長
さ方向の分極(Po )部分の長さ、tは圧電セラミック
板の厚さである。すなわち、このような構造の圧電トラ
ンスの昇圧比(Vo /Vi)は、横効果の結合係数
31、縦効果の結合係数k33および圧電板1″の機械的
QであるQa の積に比例する。そして、デバイスとして
は中央部の振動の節の部分を支点で支えて固定し圧電ト
ランスを構成している。
【0006】しかし、この圧電セラミック板を用いた圧
電トランスでは、入力部と出力部の境界、たとえば、圧
電セラミック板1″の中央部分で分極方向が直交するよ
うに分極処理をしなければならず、このために振動変位
の大振巾時に歪み集中などが原因となって破壊するなど
のトラブルが生じるだけでなく、特性的にも充分でなく
実用化するに至っていない。
【0007】図11は従来の圧電トランスの例を示す図
(その2)で、本発明者らにより既に提案されているも
のである。図中、1′は圧電体基板、たとえば、ニオブ
酸リチウム(LiNbO3 )単結晶板でZ軸方向に一様
に分極処理を行った単結晶から切り出された、たとえ
ば、140゜回転Yカット板である。2a′,2b′は
入力電極で圧電体基板1′の中央から左側の半分の両面
に、たとえば、Au/NiCrの2層膜からなる蒸着膜
が形成される。3a′,3b′は出力電極で圧電体基板
1′の中央から右側の半分の両面に、同様にAu/Ni
Crの2層膜からなる蒸着膜で形成されたものである。
図では入出力電極は両面とも分離して形成してあるが、
一方、たとえば、下面側を一枚の連続した共通電極とし
て形成しても構わない。図中の矢印pは分極方向を概念
的に示したものである。
【0008】いま、図示してない交流発振電源(すなわ
ち通常の高周波発振器)から入力端子20a′,20
b′間に長さ方向の寸法で決まる共振周波数の入力電圧
i を印加すると、長さ方向の振動(基本振動)が励起
され、圧電横効果(駆動電界に対して垂直な方向に該振
動が生じ、該振動に対して垂直な方向に出力電圧が生ず
る)を介して出力端子30a′,30b′間に高電圧V
o が発生するので、たとえば、ハイインピーダンスの交
流電圧計でそれを測定すれば昇圧比(Vo /Vi )を求
めることができる。
【0009】この例では、上述したように入力部を圧電
横効果により駆動し出力部も横効果を用いて出力をとり
出している。この場合の出力端無負荷時の昇圧比は次式
で表される。 Vo /Vi ∝ki ・ko ・Qa ・lo1/lo2────(2) こゝで、ki ,ko はそれぞれ入力部、出力部に用いた
圧電効果の電気機械結合係数、lo1,lo2はそれぞれ入
力部、出力部における電極部分の長さである。
【0010】この構成ではki =ko であるので、昇圧
比は横効果の結合係数の自乗に比例する。一方、lo1
o2=1なので前記従来例(その1)より昇圧比の低下
が予想されるが、圧電体基板としてニオブ酸リチウム
(LiNbO3 )単結晶を用いればQaが約10000
と非常に高いので昇圧比は充分高くとれる。しかも、こ
の構成によれば、出力側の電極間に形成される静電容量
が大きく出力インピーダンスが小さいので負荷をつない
でも昇圧比の低下は小さく、通常の電磁トランスのよう
に電力伝送ができる圧電トランスが構成されることが考
えられる。
【0011】図12は上記従来例(その2)における圧
電トランスの特性例を示す図で、負荷をつないだ時の特
性変化を図示したものであり、よく知られたメーソンの
等価回路モデルを用いたコンピュータシミュレーション
により計算した結果である。同図(イ)は負荷抵抗(R
l )と共振周波数(fr )の関係、同図(ロ)は負荷抵
抗(Rl )と共振時の入力抵抗(Rr )の関係、同図
(ハ)は負荷抵抗(R l )と昇圧比(V2 /V1 )の関
係をそれぞれ示す。すなわち、負荷抵抗(Rl )が10
4 Ω付近を界にしていずれの特性も大きく変化してい
る。
【0012】実際にトランスとして駆動する場合には共
振周波数(fr )の変化は小さい方が使い易い。また、
入力抵抗(Rr )が低い方向がノイズが乗りにくゝ負荷
変動の影響を受けにくいので駆動上有利である。そし
て、同図(ハ)からわかるように、負荷抵抗(Rl )が
104 Ω付近を界にして大きくなるほど昇圧比(V2
1 )が大きくなっていく。
【0013】上記従来例(その2)は圧電セラミック板
1″を用いる従来例(その1)の欠点を改善できる効果
があり実用的な圧電トランスとしての可能性を示してい
る。しかし、前記図12からわかるように1次側から見
た入力抵抗(Rr )の減少が充分でなく、また、昇圧も
降圧も示さない(すなわちRr =Rl となってインピー
ダンス変換がなされていない)領域が低負荷抵抗
(Rl )のかなりの範囲にわたって存在し、圧電トラン
スとしての機能に制約を受けるなどの問題がある。
【0014】そこでかかる問題を解決するために本発明
者らは更に、図13あるいは図14に示されるように細
長く加工した圧電体基板1′に横効果縦振動を励起して
電気−音響相互作用を行うごとくに入出力電極2a′,
2b′および3a′,3b′を配設してなる圧電トラン
スにおいて、前記入力電極の面積と出力電極の面積とを
不均等にして電極形状が非対称になるように構成した圧
電トランスを提案した。なおこの場合も該入力電極間に
は上記通常の高周波発振器から上記共振周波数の入力電
圧が印加される。
【0015】かかる構成によれば、上述したように入力
電極の面積と出力電極の面積とを不均等にして電極形状
が非対称になるようにしてあるので、1次側から見た入
力抵抗(Rr )の大きさが負荷抵抗(Rl )の変化によ
って大きく増減し(昇圧時にはRr <Rl となり、降圧
時にはRr >Rl となる)、昇降圧比(V2 /V1 )の
制御が可能となる。とくに、従来昇圧も降圧も示さない
領域が低負荷抵抗(R l )のかなりの範囲にわたって存
在していたのに対して、低負荷抵抗(Rl )領域におい
ても入出力電極の設計条件によって昇圧トランスあるい
は降圧トランスの何れでも実現できるのである。
【0016】すなわち上記図13に示されるように圧電
体基板1′として、たとえば、ニオブ酸リチウム(Li
NbO3 )単結晶で、Z軸方向に一様に分極処理を行っ
た単結晶から切り出された、たとえば、厚さ0.5mmの
140゜回転Yカット板を用いる。入出力電極2a′,
2b′および3a′,3b′は圧電体基板1′の両面に
厚さ30nmのNiCrを下地にし、その上に厚さ100
nmのAuを何れも真空蒸着により形成した。これら電極
形成はLiNbO3 単結晶ウェーハ上で、通常、用いら
れる公知のホトリソグラフィ技術により一括処理された
あと、たとえば、ダイシングマシンで切断されて個別の
圧電トランス素子が作製される。
【0017】圧電体基板1′の大きさは、たとえば、巾
6mm×長さ31.9mm×厚さ0.5mmであり、入出力電
極の寸法は本例では入力電極2a′,2b′はいずれも
巾6mm(W)、長さ5.7mm(lo1)mmで圧電体基板
1′の入力端側に上下対称に形成する。一方、出力電極
3a′,3b′はいずれも巾6mm(W)、長さ25.7
mm(lo2)で圧電体基板1′の出力端側に同じく上下対
称に図示したごとく形成する。したがって、両電極間ギ
ャップlo3は0.5mmである。なお、入出力端子20
a′,20b′および30a′,30b′はできるだけ
振動が有効に励起されるように該振動の節の部分(例え
ば長さ方向中央部)の位置から、たとえば、Auワイヤ
で図示してないパッケージのベースの上にボンディング
すればよい。
【0018】また図14に示されるものにおいては、入
出力電極の大きさの関係が前記図16に示されるものと
逆に構成してある点が異なる。すなわち、圧電体基板
1′の大きさを巾6mm×長さ31.9mm×厚さ0.5mm
とし、入力電極2a′,2b′はいずれも巾6mm
(W)、長さ25.7mm(lo1)mmで圧電体基板1′の
入力端側に上下対称に形成し、一方、出力電極3a′,
3b′はいずれも巾6mm(W)、長さ5.7mm(lo2
で圧電体基板1′の出力端側に同じく上下対称に図示し
たごとく形成する。したがって、両電極間ギャップlo3
は前記図16に示されるものと同様に0.5mmである。
【0019】なお、上記いずれの例でも入出力電極は両
面とも分離して形成してあるが、一方、たとえば、下面
側を一枚の連続した共通電極として形成しても構わな
い。また、図中の矢印pは分極方向を概念的に示したも
のである。図15は上記図13および図14に示される
圧電トランス特性例を示す図で、負荷をつないだ時の特
性変化を図示したものであり、よく知られたメーソンの
等価回路モデルを用いたコンピュータシミュレーション
により計算した結果である。
【0020】同図(イ)は負荷抵抗(Rl )と共振周波
数(fr)の関係、同図(ロ)は負荷抵抗(Rl )と共
振時の入力抵抗(Rr )の関係、同図(ハ)は負荷抵抗
(R l )と昇圧比(V2 /V1 )の関係をそれぞれ示
す。図中、は前記図13に示されるものの場合、は
同じく図14に示されるものの場合の特性である。
【0021】共振周波数(fr )に関してはの場合は
負荷抵抗(Rl )の依存性がほとんどなく最も使い易い
ことがわかる。また、入力抵抗(Rr )についてもの
場合に低い値が得られ駆動上有利である。一方、最も重
要な昇圧比(V2 /V1 )に関しては、従来例と比較し
てRl が104 Ω以下の低負荷抵抗領域における特性が
大きく異なっている。すなわち、の場合には低負荷抵
抗領域で降圧特性が得られ、Rl が106 Ω以上では昇
圧特性が得られる。これに対して、の場合には低負荷
抵抗領域でも高負荷抵抗領域でも昇圧特性が得られる。
【0022】図16は上記図13および図14に示され
るものの変圧比特性を示す図で、低負荷抵抗、すなわ
ち、Rl が104 Ω以下のときに入力電極の長さlo1
対する出力電極の長さlo2の比を変えて変圧比(V2
1 )の変化を調べたものである。なお、縦軸には変圧
比(V2 /V1 )、横軸には電極サイズ比(lo2
o1)をとってある。
【0023】図16からわかるように、電極サイズ比
(lo2/lo1)が1以下の時は昇圧特性、すなわち、昇
圧トランスが得られ、電極サイズ比(lo2/lo1)が1
以上の時は降圧特性、すなわち、降圧トランスが得られ
ることがわかる。なお上記圧電体素材としては上記Li
NbO3 のほか、例えばLiTaO3 単結晶板などを用
いることもできる。
【0024】上述したように上記図13および図14に
示されるものによれば、入力電極の面積と出力電極の面
積とを不均等にして電極形状が非対称になるように構成
してあるので、1次側から見た入力抵抗(Rr )の大き
さが負荷抵抗(Rl )の変化によって大きく増減し、変
圧比(V2 /V1 )の制御が可能となる。そして特に、
低負荷抵抗領域においても入出力電極の設計条件によっ
て昇圧トランスあるいは降圧トランスの何れでも実現で
きるので、圧電トランスの性能の向上と用途の拡大に寄
与するところが極めて大きい。
【0025】上述したように上記従来の圧電トランスに
おいては、その入力電極間に印加される駆動電源とし
て、通常上記共振周波数で発振する高周波発振器が使用
されている。すなわち従来の圧電トランスを駆動するに
あたっては、直流又は商用周波数電源からの電力で上記
高周波発振回路を動作させ、該圧電トランスに同調でき
る高周波電力を得て、該高周波電力によって該圧電トラ
ンスを駆動していた。
【0026】しかしながらこのような駆動手段による
と、上記直流又は商用周波数電源からの電力を上記高周
波電力に変換するようにしているため、電力の利用効率
が悪く、高々20%程度しか電力の有効利用ができない
という問題点があった。したがって特にDC−DCコン
バータやDC−ACインバータのように、伝送される電
力の効率を問題にする電力伝送分野へは、該圧電トラン
スを適用することが困難であるとされていた。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる課題を
解決するためになされたもので、直流電源の電圧、電力
を損失なく利用して、効率よく(上記変換のための電力
損失を少なくして)該圧電トランスを駆動しうるように
したものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに本発明によれば、圧電体基板の表裏両面にそれぞれ
入力電極と出力電極とが設けられ、該入力電極に印加さ
れる駆動電源の周波数に応じて圧電横効果により該圧電
体基板に振動波を励起させるとともに該振動波に応じた
交流電圧を該出力電極側に発生させるようにした圧電ト
ランスであって、該駆動電源が直流電源(図1のVS
対応)と、該直流電源の一端と該入力電極の一方との間
に接続された第1のスイッチング素子(図1のSW1に
対応)と、該入力電極の一方と該入力電極の他方および
該直流電源の他端との間に接続された第2のスイッチン
グ素子(図1のSW2に対応)とからなり、該第1のス
イッチング素子がオンとされ該第2のスイッチング素子
がオフとされる第1の期間と、該第1のスイッチング素
子がオフとされ該第2のスイッチング素子がオンとされ
る第2の期間とが交互に設定されることを特徴とする圧
電トランスが提供される。
【0029】なお上記本発明の構成は上記図1に示され
るように入力電極2a′,2b′および出力電極3
a′,3b′の電極形状が互に対称的に形成されている
圧電トランス(図11に示される従来形の圧電トランス
に対応する)にも、図2に示されるように各入出力電極
2a′,2b′および3a′,3b′の電極形状が互に
非対称に形成されている圧電トランス(図13および図
14に示される従来形の圧電トランスに対応する)にも
適用することができる。
【0030】
【作用】上記構成によれば、上記直流電源に接続された
上記第1および第2のスイッチング素子を交互にオン・
オフさせる(一方がオンのとき他方がオフとされる)こ
とによって、該直流電源電圧を直接、該共振周波数の矩
形波電圧に変換することができ、かかる矩形波電圧その
もので該圧電トランスを駆動することにより、該変換の
ための電力損失を少なくして効率よく該圧電トランスを
駆動して、その出力側から該共振周波数の交流電圧(正
弦波電圧)を発生させることができる。
【0031】
【実施例】図1は本発明の圧電トランスの基本構成の1
例を示すもので、圧電体基板1′、入力電極2a′,2
b′および出力電極3a′,3b′からなる圧電トラン
スの一次側(入力側)駆動電源が、上記直流電源VS
第1のスイッチング素子SW1、および第2のスイッチ
ング素子SW2により構成されている。
【0032】そして該第1のスイッチング素子SW1が
オンとされる(図1で実線で示す)ときは該第2のスイ
ッチング素子SW2がオフとされ(図1で実線で示
す)、このとき該直流電源VS よりの電力IS が該圧電
トランスを通して実線矢印(で示す)の向きに流れ
る。一方該第1のスイッチング素子SW1がオフとされ
る(図1で点線で示す)ときは該第2のスイッチング素
子SW2がオンとされ(図1で点線で示す)、このとき
該圧電トランスに生ずる圧電逆効果により、該圧電トラ
ンス内を上記実線矢印と反対方向である点線矢印(で
示す)の向きに電流が流れる。すなわちこのときは該圧
電トランスと該スイッチング素子SW2とで閉回路が形
成され、該閉回路を通して該圧電トランス内部を該スイ
ッチング素子SW2のオフ時とは逆方向の電流が流れ
る。そして上記2つの状態が周期的に(上記共振周波数
に対応して)繰返されることにより、該圧電トランス内
部(該圧電トランスの入力電極側)には該共振周波数の
交番電流が流れることになり、これによって該圧電トラ
ンスが駆動され、上記圧電横効果により該圧電体基板に
該共振周波数の振動波を励起させるとともに、該振動波
に応じた正弦波の交流出力電圧VOUT を該出力電極側に
発生させることができる。なおRl は該出力電極3
a′,3b′間に接続された負荷抵抗である。
【0033】なお上記図1に示される圧電トランスは上
述したように入力電極2a′,2b′および出力電極3
a′,3b′の電極形状(電極長さ)が互に対称的に形
成されているが、本発明は上述したように、該入力電極
および出力電極の電極形状(電極長さ)が互に非対称に
形成されている圧電トランス(図2に示すような)にも
適用しうることは明らかである。
【0034】図3は本発明の1実施例としての圧電トラ
ンスの構成を示すもので、上記第1のスイッチング素子
としてnチャネル形の電界効果トランジスタTn が用い
られ、一方上記第2のスイッチング素子としてpチャネ
ル形の電界効果トランジスタTp (すなわち上記第1の
スイッチング素子Tn と互に相補性をなす)が用いられ
る。またFGは該各トランジスタTn およびTp のゲー
ト・ソース間に接続された、交互に正負の極性を有する
共振周波数の矩形波電圧(図示するように正のピーク値
から負のピーク値までの振幅をVGSP とする)発生回路
である。またR1およびR2はそれぞれ該各トランジス
タTn およびTp のゲート・ソース間に並列に接続され
た抵抗を示す。
【0035】これにより該矩形波電圧発生回路FGから
該各トランジスタのゲート・ソース間に印加される矩形
電圧(VGSP )が正の極性を有する期間中は、該nチャ
ネル形のトランジスタTn がオンとされ、また該pチャ
ネル形のトランジスタTp がオフとされて、該直流電源
S よりの電流IS が該圧電トランスを通して実線矢印
の向きに流れる。一方、該矩形波電圧(VGSP )が負の
極性を有する期間中は、該nチャネル形のトランジスタ
n がオフとされ、また該pチャネル形のトランジスタ
p がオンとされて、該圧電トランスと該トランジスタ
p とで形成さる閉回路を通して該圧電トランス内部を
上記と逆方向の電流(点線矢印の向きの電流)が流れ、
上記2つの状態が上記共振周波数に対応して周期的に繰
返されることにより、上述したようにその出力電極側か
ら該共振周波数の交流電圧を発生させることができる。
なお上記図3に示される実施例では該圧電トランスの表
面側電極2a′は、入出力側を一枚の連続した共通電極
として形成されている。
【0036】なお上記実施例では該第1のスイッチング
素子および第2のスイッチング素子として互に相補形の
電界効果トランジスタが用いられているが、該相補性の
電界効果トランジスタの代りに互に相補性のバイポーラ
トランジスタ(すなわちn−p−n形およびp−n−p
形のバイポーラトランジスタ)を用いることもできる。
更にまた該図3に示される構成において、該第2のスイ
ッチング素子に対応するpチャネル形のトランジスタ又
は該第1のスイッチング素子に対応するnチャネル形の
トランジスタを、図4および図5に示すように、抵抗R
p 又は抵抗Rn におきかえることもでき、更にまた該抵
抗Rp 又は抵抗Rn をダイオード(該pチャネル形のト
ランジスタ又はnチャネル形のトランジスタと同一の導
通方向を有する)におきかえるようにしてもよい。
【0037】図7は上記図4に示される構成の圧電トラ
ンス(第1のスイッチング素子としてnチャネル形MO
S・FET(Tn )を用い、第2のスイッチング素子の
代りに抵抗Rp を用いる)および上記図5に示される構
成の圧電トランス(第1のスイッチング素子の代りに抵
抗Rn を用い、第2のスイッチング素子としてpチャネ
ル形MOS・FET(Tp )を用いる)における、ゲー
ト・ソース間電圧VGS P (上記矩形波電圧発生回路FG
から発生される矩形波電圧の正のピーク値と負のピーク
値との差電圧)と、上記電流IS (図4で上記nチャネ
ル形FET(T n )がオンとされたときに流れる電流を
S1とし、図5で上記pチャネル形FET(TP )がオ
フとされたときに流れる電流をIS2とする)および交流
出力電圧VOPP (図4の圧電トランスにおける交流出力
電圧をVOPP1とし、図5の圧電トランスにおける交流出
力電圧をVOPP2とし、何れも正のピーク値と負のピーク
値との差電圧で示す)との関係を例示している。なおこ
の例では、上記直流電源V S の電圧が5.0V、上記抵
抗Rn およびRP が100オーム、上記抵抗R1および
R2が1.3キロオーム、負荷抵抗Rl が100オーム
とされ、またその共振周波数が87.33キロヘルツと
されている。
【0038】また図8(A)および(B)は、図6に示
される構成の圧電トランス(第1のスイッチング素子と
してnチャネル形MOS・FET(Tn )を用い、第2
のスイッチング素子としてpチャネル形MOS・FET
(Tp )を用いたもので、上記図3に示されるものと実
質的に同一の動作をする圧電トランス)における、一次
側駆動電圧VdPP (上記直流電源VS から変換された矩
形波電圧の正のピーク値とグラウンド電位との差電圧)
と、二次側交流出力電圧VOPP (正義のピーク値とグラ
ウンド電位との差電圧)および上記電流IS (上記nチ
ャネル形FET(Tn )がオンとされ、pチャネル形F
ET(Tp )がオフとされたときに該圧電トランスを流
れる電流)との関係(該VOPP およびIS はともに共振
時の値を示す)、および、上記ゲート・ソース間電圧V
GSP と上記二次側交流出力電圧V OPP との関係を例示し
ている。なおこの例では、上記直流電源VS の電圧が
3.0〜11.9V、上記抵抗R1およびR2が1.3
キロオーム、負荷抵抗Rl が100オームとされ、また
その共振周波数が87.33キロヘルツとされている。
なお、図8(A)の特性は、上記ゲート・ソース間電圧
GSP を12Vとしたときにえられたものであり、また
駆動周波数を例えば84.10キロヘルツとした時(非
共振時)には該出力電圧VOPP はほぼ零となる。また図
8(B)の特性は上記直流電源VS の電圧を6.0Vと
したときにえられたものである。
【0039】また図9は、上記図6に示される構成の圧
電トランスの二次側交流出力電圧(正弦波電圧)VOUT
および一次側駆動電圧(上記直流電源VS から変換され
た矩形波電圧)Vinの各波形を例示したもので、図9
(A)は共振時(駆動周波数が87.3キロヘルツ)の
波形を示し、また図9(B)は非共振時(駆動周波数が
86.1キロヘルツ)の波形を示している。なお上記図
9(A)の波形中、該出力電圧VOUT における上記V
OPP の値(正のピーク値とグラウンド電位との差電圧)
は6.0ボルトとなり、また該駆動電圧Vinにおける上
記VdPPの値(正のピーク値とグラウンド電位との差電
圧)は5.0ボルトとなっている。なお該直流電源VS
の電圧は5.0ボルトとされ、また上記電流IS は9.
6ミリアンペアとされる。また上記図9(B)の波形
中、上記駆動電圧Vinにおける上記VdP P の値は上記図
9(A)の場合と同様に5.0ボルトとなっており、ま
た出力電圧VOUT (非共振時のVOUT )はほぼ零とな
る。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、直流電源から直接変換
された矩形波電圧によって該圧電トランスを効率よく駆
動することができ、したがって該圧電トランスをDC−
DCコンバータやDC−ACインバータなどの電力伝送
用機器にも損失なく適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電トランスの基本構成の1例を示す
図である。
【図2】本発明の圧電トランスの基本構成の他の例を示
す図である。
【図3】本発明の1実施例としての圧電トランスの構成
を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例としての圧電トランスの構
成を示す図である。
【図5】本発明の更に他の実施例としての圧電トランス
の構成を示す図である。
【図6】本発明の更に他の実施例としての圧電トランス
の構成を示す図である。
【図7】図4および図5に示される圧電トランスの特性
を例示する図である。
【図8】図6に示される圧電トランスの特性を例示する
図である。
【図9】図6に示される圧電トランスの共振時および非
共振時における、出力波形および駆動波形を例示する図
である。
【図10】従来の圧電トランスの1例を示す図である。
【図11】従来の圧電トランスの他の例を示す図であ
る。
【図12】図11に示される圧電トランスの特性を例示
する図である。
【図13】従来の圧電トランスとしての更に他の例を示
す図である。
【図14】従来の圧電トランスとしての更に他の例を示
す図である。
【図15】図13および図14に示される圧電トランス
の特性を例示する図である。
【図16】図13および図14に示される圧電トランス
の変圧比特性を例示する図である。
【符号の説明】
1′,1″…圧電体基板 2a′,2b′,2a″,2b″…入力電極 3a′,3b′,3″…出力電極 SW1,SW2…スイッチング素子 Tn …nチャネル形FET Tp …pチャネル形FET FG…矩形波電圧発生回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体基板の表裏両面にそれぞれ入力電
    極と出力電極とが設けられ、該入力電極に印加される駆
    動電源の周波数に応じて圧電横効果により該圧電体基板
    に振動波を励起させるとともに該振動波に応じた交流電
    圧を該出力電極側に発生させるようにした圧電トランス
    であって、 該駆動電源が直流電源と、該直流電源の一端と該入力電
    極の一方との間に接続された第1のスイッチング素子
    と、該入力電極の一方と該入力電極の他方および該直流
    電源の他端との間に接続された第2のスイッチング素子
    とからなり、 該第1のスイッチング素子がオンとされ該第2のスイッ
    チング素子がオフとされる第1の期間と、該第1のスイ
    ッチング素子がオフとされ該第2のスイッチング素子が
    オンとされる第2の期間とが交互に設定されることを特
    徴とする圧電トランス。
  2. 【請求項2】 該第1のスイッチング素子および該第2
    のスイッチング素子が互に相補性のバイポーラトランジ
    スタ又は電界効果トランジスタにより構成され、上記2
    つのスイッチング素子が、交互に正負の極性を有する矩
    形波電圧により交互にオン駆動されることを特徴とす
    る、請求項1に記載の圧電トランス。
  3. 【請求項3】 該第1のスイッチング素子又は該第2の
    スイッチング素子が、抵抗又はダイオードにおきかえら
    れていることを特徴とする、請求項1に記載の圧電トラ
    ンス。
  4. 【請求項4】 該入力電極および該出力電極の電極形状
    が互に非対称に形成されていることを特徴とする、請求
    項1に記載の圧電トランス。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996015560A1 (fr) * 1994-11-10 1996-05-23 Beijing Wide Tech. Electron & Electric Equipment Co. Ltd. Transformateur ceramique piezo-electrique composite et son procede de fabrication
JP2010244834A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Rigaku Corp X線発生装置及びx線計測装置

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WO1996015560A1 (fr) * 1994-11-10 1996-05-23 Beijing Wide Tech. Electron & Electric Equipment Co. Ltd. Transformateur ceramique piezo-electrique composite et son procede de fabrication
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