JPH0513711U - 金型温度調節装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電源周波数が異なる地域で使用できる金型温
度調節装置を提供すること。 【構成】 所定の定格周波数を有する電動ポンプ２ｃを
具備した金型温度調節装置の流出ヘッダ５と流入ヘッダ
６との間にバルブ７ａ付きのバイパス管路７を接続した
ので、電動ポンプ２ｃを定格周波数よりも高い電源周波
数で使用する際でもバイパス作用によって熱媒体の流出
圧を定格周波数のときと同程度まで低下させて、電動ポ
ンプ２ｃの過負荷や給送管路２及び該給送管路上の各機
器の故障や破損を防止できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、温調された熱媒体を金型に送ることで金型の温度を調節する金型温 度調節装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種の金型温度調節装置として図２に示すものがある。この金型温度調節装 置は、移動可能な箱形の装置本体１と、装置本体１内に配置された熱媒体（例え ば、水）用の給送管路２と、給送管路２を流れる熱媒体の冷却を行なう冷却機３ と、給送管路２を流れる熱媒体の加熱を行なう加熱機４と、流出ヘッダ５と、流 入ヘッダ６とから構成されている。

【０００３】 給送管路２は入口２ａ及び出口２ｂを装置本体１の背面から突出し、また出口 ２ｂの近くに電動ポンプ２ｃを有している。また、管路途中を切換バルブ２ｄを 介して２本（２ｅ，２ｆ）に分岐され、一方の分岐管路２ｅに冷却室２ｇを有し ており、また電動ポンプ２ｃの上流側に加熱室２ｈを有している。更に、電動ポ ンプ２ｃと出口２ｂとの間には熱媒体の流出圧を電気的に検出する圧力検出器２ ｉが介装されている。この圧力検出器２ｉで検出された圧力は、図示省略の表示 器に表示される。

【０００４】 冷却機３は、電動圧縮機３ａ，凝縮器３ｂ，膨張弁３ｃ及び蒸発パイプ３ｄと から成り、蒸発パイプ３ｄを冷却室２ｇ内に配置されている。また、凝縮器３ｂ には冷却用の送風機３ｅが対向配置されている。

【０００５】 加熱機４は、電熱ヒ−タ４ａと電源４ｂとから成り、電熱ヒ−タ４ａを加熱室 ２ｈ内に配置されている。

【０００６】 流出ヘッダ５は複数（図中は４個）の流出口５ａを有し、給送管路２の出口２ ｂに接続されて装置本体１の背面に配置されている。また、各流出口５ａには手 動式の開閉バルブ５ｂが夫々設けられている。

【０００７】 流入ヘッダ６は複数（図中は４個）の流入口６ａを有し、給送管路２の入口２ ｂに接続されて装置本体１の背面に配置されている。また、各流出口５ａには手 動式の開閉バルブ５ｂが夫々設けられている。

【０００８】 上記の金型温度調節装置は、金型１１の両型板１１ａに形成された温調通路１ １ｂに、流出ヘッダ５の流出口５ａと流入ヘッダ６の流入口６ａの夫々を温調管 路１２を介して接続して使用される。両ヘッダ５，６の開閉バルブ５ｂ，６ｂは 温調管路１２の接続状況によって適宜開閉される。

【０００９】 成形の前段階で金型１１を加熱する場合には、切換バルブ２ｄを分岐管路２ｆ 側に切換えて加熱機４と電動ポンプ２ｃを作動すればよく、加熱室２ｈで所望温 度に加熱された熱媒体は、流出ヘッダ５内で分流されて各流出口５ａから温調管 路１２を介して両型板１１ａの温調通路１１ｂに送り込まれる。温調通路１１ｂ を通過した後の熱媒体は温調管路１２を介して流入ヘッダ６の流入口６ａに戻り 、該流入ヘッダ６内で合流して再び加熱室２ｈで加熱され循環する。

【００１０】 また、成形時に金型１１を冷却する場合には、切換バルブ２ｄを分岐管路２ｅ 側に切換えて冷却機３と電動ポンプ２ｃを作動すればよく、冷却室２ｇで所望温 度に冷却された熱媒体は、流出ヘッダ５内で分流されて各流出口５ａから温調管 路１２を介して両型板１１ａの温調通路１１ｂに送り込まれる。温調通路１１ｂ を通過した後の熱媒体は温調管路１２を介して流入ヘッダ６の流入口６ａに戻り 、該流入ヘッダ６内で合流して再び冷却室２ｇで冷却され循環する。

【００１１】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記装置に用いられる電動ポンプ２ｃは通常５０Ｈｚと６０Ｈｚの 何れかの定格周波数を有し、該定格周波数と一致する電源周波数によって所定の 吐出圧が得られるようになっており、給送管路２及び該給送管路２上の各機器も この吐出圧に合わせて設計されている。

【００１２】 従って、５０Ｈｚを定格周波数とする電動ポンプ２ｃを備えた装置を６０Ｈｚ の電源周波数地域で使用すると、電動ポンプ２ｃの回転数及び吐出圧が増加して 該電動ポンプ２ｃに過負荷がかかり、また給送管路２及び該給送管路２上の各機 器に過剰の圧力がかかって故障や破損を生じる恐れがある。

【００１３】 本考案は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、電源 周波数が異なる地域、例えば５０Ｈｚと６０Ｈｚの両電源周波数地域で使用でき る金型温度調節装置を提供することにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案では、所定の定格周波数を有する電動ポンプを 介装した熱媒体の給送管路と、給送管路を流れる熱媒体の冷却または加熱を行な う温調機と、複数の流出口及び各流出口に開閉バルブを有し給送管路の出口に接 続された流出ヘッダと、複数の流入口及び各流入口に開閉バルブを有し給送管路 の入口に接続された流入ヘッダとを具備した金型温度調節装置において、流出ヘ ッダと流入ヘッダとの間に、電動ポンプを上記定格周波数よりも高い電源周波数 で作動させた際に該電動ポンプから流出ヘッダに送り込まれる熱媒体の一部を流 入ヘッダにバイパスさせ、熱媒体の流出圧を上記定格周波数のときと同程度に低 下させることが可能なバルブ付きのバイパス管路を接続している。

【００１５】

【作用】

本考案に係る金型温度調節装置は、定格周波数に一致する周波数、例えば５０ Ｈｚの電源周波数地域においてバイパス管路のバルブを閉じて使用され、また定 格周波数よりも高い周波数、例えば６０Ｈｚの電源周波数地域においてバイパス 管路のバルブを開けて使用される。つまり、電源周波数が６０Ｈｚの場合には電 動ポンプから流出ヘッダに送り込まれる熱媒体の一部がバイパス管路を通じて流 入ヘッダにバイパスされ、熱媒体の流出圧が５０Ｈｚのときと同程度まで低下す る。

【００１６】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示す金型温度調節装置の構成図である。本実施例で は図２に示した従来例と構成を同じくする部分に同一符号を用い、その説明を省 略する。

【００１７】 図１に示した金型温度調節装置は、装置本体１と、給送管路２と、冷却機３と 、加熱機４と、流出ヘッダ５と、流入ヘッダ６と、バイパス管路７とから構成さ れている。装置本体１，冷却機３，加熱機４及び流入ヘッダ６の各構成は図２に 示したものと同じである。給送管路２は圧力検出器２ｉを除く構成を図２に示し たものと一致しており、電動ポンプ２ｃの吐出側を直接出口２ｂに通じている。 また、電動ポンプ２ｃには５０Ｈｚを定格周波数とするものが用いられている。

【００１８】 流出ヘッダ５は複数（図中は４個）の流出口５ａを有し、給送管路２の出口２ ｂに接続されて装置本体１の背面に配置されている。また、各流出口５ａには手 動式の開閉バルブ５ｂが夫々設けられている。更に、流出ヘッダ５の一端には、 該ヘッダ内の圧力を検出し且つ表示する圧力計５ｃが設けられている。この圧力 計５ｃとしては、ダイヤフラムと指針を組合わせたものやベロ−ズと指針を組合 わせたもの等が使用される。

【００１９】 バイパス管路７は流出ヘッダ５と流入ヘッダ６との間に接続され、手動式の開 閉バルブ７ａを管路途中に介装している。図示例ではバイパス管路７が長尺に表 わされているが、実際には流出ヘッダ５と流入ヘッダ６の位置が接近しているの でバイパス管路７の長さも短かい。このバイパス管路７は、開閉バルブ７ａを開 放することによって電動ポンプ２ｃから流出ヘッダ５に送り込まれる熱媒体の一 部を流入ヘッダ６にバイパスさせることができるようになっており、具体的には 上記電動ポンプ２ｃを６０Ｈｚの電源周波数で可動させた際に上記のバイパス作 用によって熱媒体の流出圧を５０Ｈｚのときと同程度に低下させることが可能な 口径を有している。

【００２０】 上記の金型温度調節装置は、金型１１の両型板１１ａに形成された温調通路１ １ｂに、流出ヘッダ５の流出口５ａと流入ヘッダ６の流入口６ａの夫々を温調管 路１２を介して接続して使用される。両ヘッダ５，６の開閉バルブ５ｂ，６ｂは 温調管路１２の接続状況によって適宜開閉される。

【００２１】 ５０Ｈｚの電源周波数地域で上記の装置を使用する場合には、バイパス管路７ の開閉バルブ７ａを閉じ、切換えバルブ２ｄを切換えて加熱機４或いは冷却機３ と電動ポンプ２ｃを作動させる。電動ポンプ２ｃは所定の吐出圧をもって作動し 、従来と同様に熱媒体の加熱或いは冷却が行なわれる。

【００２２】 ６０Ｈｚの電源周波数地域で上記の装置を使用する場合には、バイパス管路７ の開閉バルブ７ａを開け、切換えバルブ２ｄを切換えて加熱機４或いは冷却機３ と電動ポンプ２ｃを作動させる。電動ポンプ２ｃは定格よりも高い回転数及び吐 出圧をもって作動するが、該電動ポンプ２ｃから流出ヘッダ５に送り込まれる熱 媒体の一部がバイパス管路７を通じて流入ヘッダ６にバイパスされるので、熱媒 体の流出圧は５０Ｈｚのときと同程度まで低下する。熱媒体の加熱或いは冷却は 従来と同様に行なわれる。

【００２３】 このように上述の金型温度調節装置によれば、電動ポンプ２ｃの定格周波数よ りも高い６０Ｈｚの電源周波数地域で使用する際でも、該電動ポンプ２ｃから流 出ヘッダ５に送り込まれる熱媒体の一部をバイパス管路７を通じて流入ヘッダ６ にバイパスさせることによって熱媒体の流出圧を５０Ｈｚのときと同程度まで低 下させることができるので、電動ポンプ２ｃの過負荷や給送管路２及び該給送管 路２上の各機器の故障や破損を防止して、同一装置を５０Ｈｚと６０Ｈｚの両電 源周波数地域で使用できる利点がある。また、バルブ付きのバイパス管路７を両 ヘッダ５、６間に接続するのみの簡単な改良で済むので、図２に示すような既存 の装置に後付けで、しかも安価に実施できて汎用性が高い。

【００２４】 尚、上記実施例ではバイパス管路の開閉バルブを手動で開閉操作させるものを 示したが、該開閉バルブを電動式のものに変更し、装置本体の正面側に設けられ たスイッチ等で切換え操作できるようにしてもよい。

【００２５】

【考案の効果】

以上詳述したように本考案によれば、電動ポンプを定格周波数よりも高い電源 周波数で使用する際でもバイパス作用によって熱媒体の流出圧を定格周波数のと きと同程度まで低下させることができるので、電動ポンプの過負荷や給送管路及 び該給送管路上の各機器の故障や破損を防止して、電源周波数の異なる地域で同 一装置を使用できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す金型温度調節装置の構
成図

【図２】従来例を示す金型温度調節装置の構成図

【符号の説明】

２…給送管路、２ａ…入口、２ｂ…出口、２ｃ…電動ポ
ンプ、３…冷却機、４…加熱機、５…流出ヘッダ、５ａ
…流出口、５ｂ…開閉バルブ、５ｃ…圧力計、６…流入
ヘッダ、６ａ…流出口、６ｂ…開閉バルブ、７…バイパ
ス管路、７ａ…開閉バルブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の定格周波数を有する電動ポンプを
   介装した熱媒体の給送管路と、給送管路を流れる熱媒体
   の冷却または加熱を行なう温調機と、複数の流出口及び
   各流出口に開閉バルブを有し給送管路の出口に接続され
   た流出ヘッダと、複数の流入口及び各流入口に開閉バル
   ブを有し給送管路の入口に接続された流入ヘッダとを具
   備した金型温度調節装置において、 流出ヘッダと流入ヘッダとの間に、電動ポンプを上記定
   格周波数よりも高い電源周波数で作動させた際に該電動
   ポンプから流出ヘッダに送り込まれる熱媒体の一部を流
   入ヘッダにバイパスさせ、熱媒体の流出圧を上記定格周
   波数のときと同程度に低下させることが可能なバルブ付
   きのバイパス管路を接続した、 ことを特徴とする金型温度調節装置。