JPH0513711B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、内周面に多数の壷穴を形設して回動
可能に横架せる選別胴内に受樋を挿通横架し玄米
と籾の混合米を選別する選別部を上下複数段重設
して回転選別部を構成し、該回転選別部を風選部
上に脱ぷ部と隣接させて組成する回転選別籾摺機
における前記選別部への穀粒の供給とこの選別部
からの穀粒の取出装置に関するものである。

(ロ) 従来の技術 上記のように、内周面に多数の壷穴を形設して
回動可能に横架せる選別胴内に受樋を挿通横架し
玄米と籾の混合米を選別する選別部を複数段重設
して回転選別部を構成するものとしては、従来例
えば実開昭56−141742号公報に示されるようなも
のがある。しかし同公報に示されたものは上下複
数段に重設せる各選別部のうち上段の選別部で粗
選別しこの粗選別したものを下段の選別部で精選
別する構成のものであり、かつ穀粒を供給し取出
す供給樋と取出樋は回転選別部の脱ぷ側とその反
対側に設けられている。

それ故に、玄米と籾の選別能率の飛躍的向上は
望めず、かつ穀粒の供給と取出経路は複雑となつ
て纒まつた構成のものにならず機体長も自然に大
きくならざるを得ないのである。

また、特開昭59−199086号公報によつて開示さ
れた構成のものもあるが、このものは玄米と籾の
混合米を選別する回転選別部を構成する２つの選
別部が風選部上の前後に配置され、その各選別胴
の排出側を中央部で対向させて各選別胴の排出側
から排出される籾を受けて取出す籾取出樋は回転
選別部の中央部下方に横設されてこの取出樋で取
出されたものを外側壁にそつて設ける揚上装置に
より脱ぷ部に還元するようにしたもので、機体長
は長くなり、選別された籾の取出経路も複雑化
し、かつ組付作業や穀粒の詰まり発生時の解消作
業を難しくしている。

(ハ) 発明が解決しようとする課題 このように、従来の構成のものでは上述の如き
問題点をもつていることに鑑み、本発明にあつて
は選別部を上下複数段に重設しその各選別部にそ
れぞれ玄米と籾の混合米から玄米を選出する同一
の選別機能をもたせて同時に混合米を選別し選別
の高能率化がはかれるものにしながら、各選別部
への穀粒の供給と選別部で選別されたものの取出
しを集中して行わせるものにして各部との移送連
係を合理的にし機体長を圧縮して纒まつた構成に
するとともに、穀粒の供給取出装置の組付作業の
容易化と穀粒の詰まり現象発生時の解消をしやす
くするを目的として提供されたものである。

(ニ) 課題を解決するための手段 そこで本発明は、前記の目的を達成させるため
に、 内周面に多数の壷穴を形設して回動可能に横架
せる選別胴内に受樋を挿通横架し玄米と籾の混合
米を選別する選別部を上下に複数段重設して回転
選別部を構成し、該回転選別部をその各選別胴の
排出側を脱ぷ側にして風選部上に該脱ぷ部と隣接
させ、前記各選別部へ同時に混合米を供給する各
混合米供給樋と各選別部で選別された玄米を取出
す各玄米取出樋および各選別胴の排出側から排出
される籾を受けて取出し脱ぷ部に還流する籾取出
樋を回転選別部の脱ぷ部側においてそれぞれ該回
転選別部の機壁外面にそわせて集中配設し各部を
連通する構成にしたものである。

(ホ) 作用 そうすると、脱ぷ風選により得られた玄米と籾
の混合米の各選別部への供給は各混合米供給樋か
ら同時に供給されて選別され、その選別によつて
各選別部で選出された玄米は玄米取出樋により合
流して風選部に入り屑米は除去され、上記の各選
別部にて玄米と分離して脱ぷ部に還元されるべき
籾は各選別胴の排出側から籾取出樋によつて受け
られ脱ぷ部に還流するようになつて再脱ぷされる
のである。したがつて、上下に重設した各選別部
によつて混合米の選別は高能率よく行われ、そし
てこれらの玄米と籾の混合米の各選別部への供給
と選出された玄米の取出しおよび脱ぷ部への籾の
還元は全て回転選別部の脱ぷ部側で集中して行わ
れ各部との移送連係を合理的にするのである。

(ヘ) 実施例 以下、本発明を実施例図によつて具体的に説明
する。

Ａは脱ぷ部、Ｂは風選部、Ｃは回転選別部で、
風選部Ｂ上の前部に脱ぷ部Ａを後部に回転選別部
Ｃを配設しこれら脱ぷ部Ａと回転選別部Ｃを隣接
させて機台１上に各部を一体的に組成し回転選別
籾摺機を構成する。

脱ぷ部Ａは籾タンク２とその下方に設けられる
一対の脱ぷロール３等から成り、風選部Ｂは前側
でこの脱ぷ部Ａからの摺落物を風選して籾殻等の
塵埃を排出し粃を粃取出口４から取出して玄米と
籾の混合米を得、後側で上記回転選別部Ｃによつ
て選出された玄米を風選して屑米を除去するので
ある。

回転選別部Ｃは、内周面に多数の壷穴５を形設
して回動可能に横架した選別胴６内に受樋７と移
送樋８とを平行に挿通横架した複数の選別部Ｃ１
とＣ２をその各選別胴６の排出側を脱ぷ部Ａ側に
して上下に重設し、上記風選部Ｂにより得られた
玄米と籾の混合米を各段の選別部Ｃ１とＣ２でそ
れぞれ玄米と籾に選別するいわゆる同一選別機能
を与えて構成されている。

９は回転選別部Ｃの前機壁上部の外面に取付け
た混合米分配箱で、その下部は分岐して一方は上
段の選別部Ｃ１の移送樋８と混合米供給樋１０ａ
で連通し、他方は上記前機壁の外面にそつて下降
する混合米供給樋１０ｂによつて下段の選別部Ｃ
２の移送樋８に連通している。そして上記分岐部
の上方にはウエイト１０付きの均分弁１１を設け
て混合米をこの混合米分配箱９に溜めながら分配
するようにしてある。

尚、１２は異物取出網、１３は開閉自在の取出
口である。

１４と１５は上記前機壁の外面に取付けた玄米
取出樋で、上段のものの玄米取出樋１４は選別部
Ｃ１の受樋７に連通して斜め下向きに玄米を取出
し、下段のものの玄米取出樋１５は上記の玄米取
出樋１４から取出されてくる玄米を受継ぐ箇所か
ら前機壁にそつて下降し下段の選別部Ｃ２の受樋
７の箇所でやや中央部に偏してこの下段の受樋７
と連通し上下各段の受樋７からの玄米を合流させ
て前記風選部Ｂの後側に導出させるのである。

１６は籾取出樋で、前記混合米供給樋１０ｂと
玄米取出樋１５の間で前機壁外面に取付けその先
端の開口部１６ａは前記の籾タンク２内にのぞま
せ、還元樋１７は回転選別部Ｃ内において上段の
選別胴６の内周面から排出する籾を受けて籾取出
樋１６に流下し、還元樋１８は下段の選別胴６の
内周面に等配した揚穀バケツト１９により掬い上
げられ排出する籾を受けて上記籾取出樋１６に流
下するのである。

このように玄米と籾の混合米を上下各段の移送
樋８に供給する混合米供給樋１０ａと１０ｂは回
転選別部Ｃの前機壁外面の左側に、各段の受樋７
から玄米を取出す玄米取出樋１４と１５は右側に
それぞれそわせて縦方向に配設され、選別された
籾を受けて取出す籾取出樋１６は前機壁の中央部
に取付けられて混合米供給樋１０ａと１０ｂ、玄
米取出樋１４と１５と籾取出樋１６の全てのもの
を集中配設させている。なお、上下各段の移送樋
８の後側にはそれぞれ落下口２０を開設し、各選
別胴６はその前後を数個の転輪２１によつて支承
されて回動するようになつている。

また、Ｄは昇降機で、その前側のもので前記風
選部Ｂで得られた混合米を上記混合米分配箱９に
揚上し、後側のもので風選部Ｂの後側で風選によ
り屑米が除去された玄米を揚上して機外適所に取
出すように構成している。

次に、各受樋７と移送樋８に内装されているス
クリユーコンベヤ２２と２３および転輪２１の各
軸の駆動手段について附記すると、 ２４は前記脱ぷ部Ａのギヤボツクスから取出し
た駆動プーリで、これに下段の選別胴６を支承し
回動させる転輪２１の軸２１ａと突合する位置に
設けた回転軸２５に従動プーリ２６を介して伝動
し、この回転軸２５と上記軸２１ａとを連結解離
自在な軸継手２７によつて連動させ、軸２１ａか
ら巻掛けた一本のベルト２８により左側の転輪２
１と各スクリユーコンベヤ２２，２３を回動させ
ている。

さらに、選別部Ｃ１，Ｃ２における玄米の選出
量調節と脱ぷ部Ａへの籾の供給量自動調節装置に
触れて述べると、２９，２９ａは上下各段の選別
胴６内における前記落下口２０近くに垂下した感
知板で、選別胴６の矢印イ方向の回動側に偏し隆
積状態を呈して流動する混合米の流動層の厚薄に
より上端の支点軸３０を軸にして上下動し、３
１，３１ａは下端を支点にして傾斜姿勢を変更す
る仕切板である。尚、３１ｂは後機壁側でこの仕
切板３１，３１ａを起立させる側に附勢するウエ
イトである。

上記の各支点軸３０の前機壁側には弧状の波形
３２ａをもつ調節金３２の基部を固定してこの調
節金３２は感知板２９または２９ａと連動するよ
うに構成し、また上記波形３２ａに係合する突起
付きのレバー３３を上記支点軸３０に遊合させこ
のレバー３３の操作と前記仕切り板３１または３
１ａの傾斜姿勢とを連動せしめる構成にし、レバ
ー３３の突起が波形３２ａへの係合位置を選択す
ることによつて感知板２９，２９ａと仕切板３
１，３１ａの相対姿勢を変更可能に構成してあ
る。上段の調節金３２からは直接指針３４を延出
し、下段の調節金３２は連杆３５を介してその動
きを指示する指針３４ａを延出しその値を読みと
るようにしてある。

３６は前記脱ぷ部Ａの籾タンク２から脱ぷロー
ル３に供給する籾の量を調節する弁で、下段の支
点軸３０から突設したアーム３７と弧状の連動金
３８に連杆３９を介して連結し、さらに別の連杆
４０を介して連動金３８と上記弁３６とを連結さ
せ、感知板２９ａの動きによつて弁３６の開度を
調節するように構成されている。

なお、４１は選別胴６の回転計を示し、４２は
受樋７および移送樋８の底部を開閉自在にして残
留米を除去する構成にした場合の切換レバーであ
り、４３は駆動プーリ２４の有効径を変更して選
別胴６の回転数を調節する構成のものに用いる変
速レバーを示す。

(ト) 発明の効果 本発明は以上詳述したように、内周面に多数の
壷穴を形設して回動可能に横架せる選別胴内に受
樋を挿通横架し玄米と籾の混合米を選別する選別
部を上下に複数段重設して回転選別部を構成し、
該回転選別部をその各選別胴の排出側を脱ぷ部側
にして風選部上に該脱ぷ部と隣接させ、前記各選
別部へ同時に混合米を供給する各混合米供給樋と
各選別部で選別された玄米を取出す各玄米取出樋
および各選別胴の排出側から排出される籾を受け
て取出し脱ぷ部に還流する籾取出樋を回転選別部
の脱ぷ部側においてそれぞれ該回転選別部の機壁
外面にそわせて集中配設し各部を連通する構成に
したことを特徴とするものであるから、上下複数
段の選別部にそれぞれ風選部で得られた玄米と籾
の混合米から玄米を選出する同一の選別機能をも
たせたので選別作用を高能率化し回転選別部の性
能を大幅に向上させることができるものになりな
がら、各選別部への混合米の供給と各選別部でそ
れぞれ選別された玄米の取出しおよび脱ぷ部への
籾の還元は回転選別部の脱ぷ部側の機壁外面にそ
つて集中して行われるので脱ぷ部と風選部との穀
粒の移送連係は合理的になるばかりでなく、機体
長は圧縮されて纒まつた構成になるとともに、そ
れらの混合米供給樋と玄米と籾の各取出樋が機壁
外面に取付けられていて回転選別部への組付作業
が容易になり、かつ穀粒の詰まり現象発生時の解
消をしやすくする。

しかも、籾取出樋は各選別胴の排出側を脱ぷ部
側にその排出側から排出される籾を受けて取出し
脱ぷ部に還流させるものであるから脱ぷ部への還
元構造が極端に簡素化されるものとなり、また各
選別部が上下に重設され各混合米供給樋と各玄米
取出樋および籾取出樋が脱ぷ部側に集中配設され
ているので、各選別胴を後方側から抜き差しして
脱着する手段を附加するときなどはその附加を容
易にする等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明装置の実施例図を示したもので、
その第１図はこの発明の要部における内部を側面
で示したものであり、第２図は軸継手を前方から
見た拡大図、第３図は回転選別部の前方視図、第
４図は連動金部分の平面図、第５図は回転選別部
の後方視図、第６図は第１図のＩ−Ｉ線における
断面図、第７図は回転選別籾摺機の全体外観斜視
図を示したものである。 ５……壷穴、６……選別胴、７……受樋、Ｃ１
……選別部、Ｃ２……選別部、Ｃ……回転選別
部、Ａ……脱ぷ部、Ｂ……風選部、１０ａ……混
合米供給樋、１０ｂ……混合米供給樋、１４……
玄米取出樋、１５……玄米取出樋、１６……籾取
出樋。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内周面に多数の壷穴５を形設して回動可能に
   横架せる選別胴６内に受樋７を挿通横架し玄米と
   籾の混合米を選別する選別部Ｃ１，Ｃ２を上下に
   複数段重設して回転選別部Ｃを構成し、該回転選
   別部Ｃをその各選別胴６の排出側を脱ぷ部Ａ側に
   して風選部Ｂ上に該脱ぷ部Ａと隣接させ、前記各
   選別部Ｃ１，Ｃ２へ同時に混合米を供給する各混
   合米供給樋１０ａ，１０ｂと各選別部Ｃ１，Ｃ２
   で選別された玄米を取出す各玄米取出樋１４，１
   ５および各選別胴６の排出側から排出される籾を
   受けて取出し脱ぷ部Ａに還流する籾取出樋１６を
   回転選別部Ｃの脱ぷ部Ａ側においてそれぞれ該回
   転選別部Ｃの機壁外面にそわせて集中配設し各部
   を連通する構成にしたことを特徴とする回転選別
   籾摺機における穀粒の供給取出装置。