JPH0513616A - 高熱伝導性絶縁基板およびその製法 - Google Patents
高熱伝導性絶縁基板およびその製法Info
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- JPH0513616A JPH0513616A JP25658191A JP25658191A JPH0513616A JP H0513616 A JPH0513616 A JP H0513616A JP 25658191 A JP25658191 A JP 25658191A JP 25658191 A JP25658191 A JP 25658191A JP H0513616 A JPH0513616 A JP H0513616A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 割れ、クラックなどが生じにくく、熱伝導率
の大きい絶縁層が形成された高熱伝導性絶縁基板を提供
する。 【構成】 高熱伝導性金属基板上の少なくとも一部に熱
膨脹係数の小さい金属材料からなる中間層を配し、さら
にその上に熱伝導性絶縁層を設けてなる高熱伝導性絶縁
基板および高熱伝導性金属基板上の少なくとも一部に熱
膨脹係数の小さい金属材料からなる中間層を配し、さら
にその上に、基板上に電界と直交する磁界が存在するD
C放電とRF放電との両者混合のプラズマCVD法によ
って熱伝導性絶縁層を設けることを特徴とする高熱伝導
性絶縁基板の製法。
の大きい絶縁層が形成された高熱伝導性絶縁基板を提供
する。 【構成】 高熱伝導性金属基板上の少なくとも一部に熱
膨脹係数の小さい金属材料からなる中間層を配し、さら
にその上に熱伝導性絶縁層を設けてなる高熱伝導性絶縁
基板および高熱伝導性金属基板上の少なくとも一部に熱
膨脹係数の小さい金属材料からなる中間層を配し、さら
にその上に、基板上に電界と直交する磁界が存在するD
C放電とRF放電との両者混合のプラズマCVD法によ
って熱伝導性絶縁層を設けることを特徴とする高熱伝導
性絶縁基板の製法。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高熱伝導性絶縁基板およ
びその製法に関する。 【0002】 【従来の技術・発明が解決しようとする課題】IC、L
SIなどの発展によって、電子回路の小型化、高集積
化、高出力化が進むとともに、半導体素子の実装密度も
高密度化している。このような半導体素子の高集積化、
高出力化、高密度化に伴い、チップ当りの素子数は年々
増大しており、チップ当りの発熱量も増大している。こ
の発熱量の増大は、半導体素子の信頼性に大きな影響を
及ぼすため、高熱伝導性パッケージ材料に対する要望が
強い。またハイブリッドICでは、発熱部品が同一パッ
ケージ内に同居するようになり、高密度化実装をさらに
すすめるためには、高熱伝導性絶縁基板が必要となって
きている。 【0003】そのような欲求を満足する基板として、A
lN、SiC、BeOなどから形成された高熱伝導性絶
縁基板やヒタセラム(SiC系)があるが、いずれの基
板も高価格で、BeO製の基板では毒性がある、SiC
製の基板では焼結助剤としてBeOを用いており、その
上高周波での誘電率が大きい、AlN製の基板では水お
よびアルカリに対して弱いなどの欠点を有している。 【0004】また、金属ベース基板として溶射基板があ
るが、この基板は表面平滑性がわるく、また現在の溶射
技術では金属上に高熱伝導性のダイヤモンド、ダイヤモ
ンド状炭素、SiCを形成できないという欠点を有して
いる。 【0005】さらに、結晶シリコン基板、Mo基板、W
基板、ダイヤモンド基板上にイオンビーム法、プラズマ
CVD法、熱CVD法、電子線CVD法などにより、ダ
イヤモンド、ダイヤモンド状炭素を形成することに関す
る報告はあるが、高熱伝導性で一層汎用性があり、安価
なAl基板、Al- Si基板、Cu基板、Cu合金基板
上へのダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素の形成は報告
されていない。 【0006】本発明は上記のごとき問題を解決した高熱
伝導性絶縁基板を提供することを目的とするものであ
る。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、高熱伝導性金
属基板上の少なくとも一部に熱膨脹係数の小さい金属材
料からなる中間層を配し、さらにその上に熱伝導性絶縁
層を設けてなる高熱伝導性絶縁基板、および高熱伝導性
金属基板上の少なくとも一部に熱膨脹係数の小さい金属
材料からなる中間層を配し、さらにその上に、基板上に
電界と直交する磁界が存在するDC放電とRF放電との
両者混合のプラズマCVD法によって熱伝導性絶縁層を
設けることを特徴とする高熱伝導性絶縁基板の製法に関
する。 【0008】 【実施例】本発明の高熱伝導性絶縁基板は、図1に示す
ように、高熱伝導性金属基板1上の少なくとも一部に中
間層2を設け、さらにその上に熱伝導性絶縁層3を設け
たものである。 【0009】前記高熱伝導性金属基板としては、たとえ
ばCu、Cu合金、AlまたはAl- SiなどのAl合
金のように、一般に金属基板として用いられる材料から
形成された熱伝導率が0.2 cal /cm・sec・℃程度以上
の高熱伝導性の金属基板であれば、とくに限定なく使用
しうる。 【0010】高熱伝導性金属基板上の少なくとも一部に
中間層を設けるとは、高熱伝導性金属基板上に熱伝導性
絶縁層を設ける必要のある所望の部分に、所望の大き
さ、形に中間層を設けることであり、高熱伝導性金属基
板の片面または両面全体に中間層を形成してもよく、そ
の一部にパターン化などして中間層を形成してもよい。 【0011】本発明における中間層の役割としては、大
きく2つの役割がある。 【0012】第1は基板を形成する高熱伝導性金属の熱
膨脹係数が大きいため、この金属製の基板上に直接熱膨
脹係数の小さい熱伝導性絶縁層が形成されると、割れ、
クラックなどが生じやすいが、中間層を存在させると、
緩衝層として働き、割れ、クラックなどを生じにくくな
る。 【0013】第2は熱伝導率の大きいシリコンカーバイ
ド、非晶質シリコンカーバイド、ダイヤモンド、ダイヤ
モンド状炭素などからなる絶縁層が形成されうる基板と
しうることである。 【0014】つまり前記絶縁層を形成するばあい、通
常、プラズマCVD法が用いられるが、この方法ではイ
オンなどの衝突により基板表面温度が上昇し、高熱伝導
性金属と絶縁層との熱膨脹係数の差のため膜が付着しに
くかったり、たとえ膜が付着したとしても、室温に放置
すると付着した膜がはがれたりする。またイオン、とく
に水素イオンの衝突によるスパッタリングがおこる。ス
パッター率の大きいCu、Cu合金、Al製の基板のば
あいには、膜の堆積よりもスパッタリングがより進行
し、膜が付着しない。 【0015】ところが中間層が存在すると、基板表面で
の温度上昇による熱膨脹係数の差による問題、イオンに
よるスパッターによる問題なども生じにくく、高熱伝導
性絶縁層が形成されうるのである。 【0016】前記中間層を構成する材料としては、室温
から500 ℃の間での熱膨脹係数が15×10-6/K以下、好
ましくは10×10-6/K以下の金属があげられ、これらの
1種または2種以上を構成材料とする厚さ100 オングス
トローム〜5μm程度、好ましくは500 オングストロー
ム〜3μm程度の中間層が形成される。 【0017】前記膜厚が100 オングストローム未満にな
ると、熱膨脹係数の差を充分緩和できなくなったり、高
熱伝導性絶縁層が形成されにくくなったりしがちであ
る。また5μmをこえると、中間層の熱伝導率の影響が
生じ、本発明の基板全体の熱伝導率が低下する傾向が生
ずる。 【0018】前記中間層を構成する金属材料としては、
W、Mo、Pt、Ti、Ni、Ir、Cr、ステンレス
鋼などがあげられ、これらのうちではMo、W、Crな
どの水素イオンのスパッター率の小さい高融点金属が、
絶縁層を形成しやすい、付着力が大きいなどの点から好
ましい。 【0019】前記のごとき金属材料からの中間層は、一
般にスパッター法、EB蒸着メッキ法などの方法によっ
て形成され、前記金属材料の1種で中間層を形成しても
よく、2種以上で形成してもよい。 【0020】中間層が形成されたのち、さらに形成され
る熱伝導性絶縁層を構成する材料としては、熱伝導率の
よい、たとえばシリコンカーバイド、非晶質シリコンカ
ーバイド、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素、立方晶
-BN、六方晶 -BNなどがあげられ、非晶質シリコン
カーバイドは結晶化した微粒子を含むものが適してい
る。これらの材料の1種以上から好ましくは膜厚1000オ
ングストローム〜200μm程度、さらに好ましくは5000
オングストローム〜100 μm、好ましくは電気伝導度10
-9(Ω・cm)-1以下、さらに好ましくは10-10 (Ω・c
m)-1以下、好ましくは耐電圧20V/μm以上、さらに
好ましくは40V/μm以上の高熱伝導性絶縁層が形成さ
れる。 【0021】高熱伝導性絶縁層はイオンビーム法、熱C
VD法によっても形成されるが、より大面積にするばあ
いには、プラズマCVD法を用いるのがよい。マイクロ
波プラズマCVD法を用いたダイヤモンド、ダイヤモン
ド状薄膜の研究がさかんであるが、より簡便で大面積化
が容易という点からは、DC放電プラズマCVD法、R
F放電プラズマCVD法、DC放電とRF放電との両者
混合のプラズマCVD法が適している。高熱伝導性絶縁
層を形成するのに重要なことは、基板をカソードに置く
こと、原料ガスを水素にて希釈することである。 【0022】さらに適した方法としては、基板上に電界
と直交する磁界が存在するDC放電とRF放電との両者
混合のプラズマCVD法があげられ、この方法により製
膜すると、一層高熱伝導性絶縁層が形成される。この方
法でもやはり基板はカソードに置き、水素にて原料ガス
を希釈することが重要である。この方法により高熱伝導
性絶縁層が形成されるのは、一層結晶化が進行すること
による。この結晶化は、磁界強度と電界強度とを適切に
調整して電子のエネルギー分布を制御し、大量の水素ラ
ジカルを発生させることにより達成される。 【0023】熱伝導度の点からすると、非晶質シリコン
カーバイドよりシリコンカーバイドの方が、またダイヤ
モンド状炭素よりダイヤモンドの方が熱伝導率はより大
きな値となる。 【0024】つぎに本発明の基板の製法を好ましい実施
態様にもとづいて説明する。 【0025】たとえばCu基板上にMoなどの熱膨脹係
数の小さい金属をEB蒸着メッキ法により1〜5オング
ストローム/sec の速度にて1000〜7000オングストロー
ムの厚さに蒸着し、該金属を蒸着した基板を図2に示す
のと同様の装置にセットする。このばあい、カソードに
セットした基板上に電界と直交する磁界を存在せしめる
のがよい。反応ガスとしてCH4 1〜5SCCM、CF4
1〜2SCCM、H2100 〜300SCCM をガス導入口7から
導入し、反応室圧力0.1 〜15Torr、磁界強度100 〜1000
ガウス、DC電圧-150V〜-1kV、DC電流1〜30mA/cm
2 、RFパワー200 〜2000mW/cm2 を印加し、DC放電、
RF放電両者の混合放電を行なう。なお、DC電圧はD
C電源4により、高周波チョークコイル5を介して電極
6に印加する。この際、外部から加熱し、基板温度を30
0 〜800 ℃にするのがよい。堆積速度は通常0.1 〜5オ
ングストローム/sec で1〜100 μmの厚さになるよう
に堆積せしめられる。 【0026】作製される膜のビッカース硬度は6000〜80
00と非常に大きく、天然ダイヤモンドの値とほぼ等しい
ものも作製できる。IRスペクトル分析では水素の存在
は見られず、透過電子線回折(TED )によると、ダイヤ
モンドの(1 1 1 )、(2 2 0 )に相当するリングがえ
られる。作製される膜は、いわゆるダイヤモンド状炭素
といわれる膜である。 【0027】よりダイヤモンドに近い性質の膜形成のた
めには、水素にて10容量%以下に希釈すること、磁界強
度、電界強度、圧力の3つのパラメーターにより電子エ
ネルギー分布を調整することが重要である。前記シリコ
ンカーバイド層作製と異なる点は、RFパワー、DC電
圧、電流、圧力とも大きくして作製する点にある。 【0028】作製される基板の室温付近での熱伝導度は
金属基板としてCu基板を用いたばあい、0.5 〜0.9 ca
l /cm・sec ・℃と大きく、100 ℃での熱伝導度の低下
はない。表面ビッカース硬度は6000〜8000、電気伝導度
は10-12 (Ω・cm)-1以下、耐電圧は40〜300 V/μm
で、熱サイクル試験での剥離は全く生じず、付着強度も
テスト前と同じ20〜100 kg/cm2 となる。 【0029】このようにして製造される本発明の基板
は、表面ビッカース硬度が好ましくは500 以上、さらに
は1500以上である。また基板上に形成される中間層およ
び熱伝導性絶縁層の膜厚が薄いことならびに熱伝導性絶
縁層の熱伝導率が大きいことのため、高熱伝導性絶縁基
板の熱伝導率は0.2 cal /cm・sec ・℃以上、さらには
0.35cal /cm・sec ・℃以上という優れたものとなり、
高熱伝導性金属基板に近い値となる。 【0030】また熱伝導性絶縁層の熱膨脹係数は、該絶
縁層がシリコンカーバイド、非晶質シリコンカーバイ
ド、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素、立方晶-B
N、六方晶 -BNなどから形成されているばあいにはシ
リコンとほぼ同程度であるから、素子性能への熱膨脹係
数の差による劣化を導かないという特徴を有するもので
ある。さらにプラズマCVD法で熱伝導性絶縁層を作製
すると、表面平滑性の非常に優れた膜がえられる。 【0031】つぎに本発明を実施例に基づき説明する。 【0032】実施例1 厚さ1mmのAl基板に、室温でのEB蒸着メッキ法によ
りMoを1000オングストロームの厚さに堆積させた。堆
積速度は約1オングストローム/sec であった。 【0033】つぎにこの中間層上に、図2に示した装置
とほぼ同様の装置であるが、基板をセットしたカソード
上に電界と垂直な方向に磁界をかけた装置を用いて、熱
伝導性絶縁層としてシリコンカーバイド層を形成した。 【0034】反応ガスとしては、H2 150 SCCM、CH
4 20 SCCM 、SiH4 30 SCCMをガス導入口7から
流し、反応室圧力1.5 Torr、磁界強度500 ガウス、DC
電圧-300V、DC電流7mA/cm2 、RFパワー500 mW/
cm2 を印加し、DC放電、RF放電両者の混合放電を生
じさせ、基板温度200 ℃にて製膜した。堆積速度は4オ
ングストローム/sec で、膜厚は5μmであった。な
お、DC電圧はDC電源4により、高周波チョークコイ
ル5を介して電極6に印加した。 【0035】作製される膜はX線回折分析法によると、
β- SiCの結晶形で、IRスペクトル分析では膜中に
水素がわずかに存在していた(C- H、Si- Hのスト
レッチングモードに対応する波数に小さな吸収が存在し
た)。 【0036】作製した基板の室温付近での熱伝導率は、
0.4 cal /cm・sec ・℃と大きく、また100 ℃付近での
熱伝導率の低下も見られず、ほぼ同じ値となった。表面
ビッカース硬度は3200とほぼ単結晶β- SiCと同等の
ものであった。また電気伝導度は10-14 (Ω・cm)-1以
下で、耐電圧は1kV以上であった。さらに、熱サイクル
試験(-55 ℃×30分、150 ℃×30分)を1サイクルと
し、1000サイクル後の母体のCu基板との剥離などは全
く見られず、付着強度もテスト前とおなじ100 kg/cm2
であった。なお、付着力テストにおける剥離は中間層と
絶縁層との間ではなく、中間層と金属基板との間にて生
じた。上記絶縁基板の表面粗さRa(中心線平均粗さ)
は0.1 μm以下であり、薄膜回路用基板にも適してい
た。 【0037】以上は中間層としてMoを用いたものに関
する例であるが、Pt、Ti、Cr、Ni、Wなどの金
属を中間層として用いるばあいもほぼ同様の結果を与え
た。 【0038】実施例2 Cu基板上に実施例1と同様にしてMoをEB蒸着メッ
キ法により1000オングストロームの厚さに蒸着し、Mo
を蒸着した基板を図2に示すのと同様の装置にセットし
た。このばあいにも実施例1と同様に、カソードにセッ
トした基板上に電界と直交する磁界を存在せしめた。反
応ガスとしてCH4 2SCCM、H2 200 SCCMを導入し、
反応室圧力5Torr、磁界強度600 ガウス、DC電圧-280
V、DC電流10mA/cm2 、RFパワー200mW /cm2 を印
加し、DC放電、RF放電両者の混合放電を行なった。
この際、外部から加熱し、基板温度を400 ℃にした。堆
積速度は1オングストローム/sec で、膜厚は5μmで
あった。 【0039】作製した膜のビッカース硬度は7500と非常
に大きく、天然ダイヤモンドの値とほぼ等しいものであ
った。IRスペクトル分析では水素の存在は見られなか
った。透過電子線回折(TED )によると、ダイヤモンド
の(1 1 1 )、(2 2 0 )に相当するリングがえられ
た。作製した膜は、いわゆるダイヤモンド状炭素といわ
れる膜であった。 【0040】作製した基板の室温付近での熱伝導度は0.
75cal /cm・sec ・℃と大きく、100 ℃での熱伝導率の
低下はなかった。電気伝導度は約10-13 (Ω・cm)-1、
耐電圧は700 Vで、熱サイクル試験での剥離は全くな
く、付着強度もテスト前と同じ100 kg/cm2 であった。 【0041】実施例3 実施例1と同様にして1000オングストロームの厚さのM
o層を中間層として設けたAl基板を図2に示すのと同
様の装置にセットした。このばあいにも実施例1と同様
に、カソードにセットした基板上に電界と直交する磁界
を存在せしめた。反応ガスとしてCH4 2SCCM、H2
200 SCCMを導入し、反応室圧力5Torr、磁界強度700
ガウス、DC電圧-250V、DC電流10mA/cm2 、RFパ
ワー200mW /cm2 を印加し、DC放電、RF放電両者の
混合放電を行なった。この際、外部から加熱し、基板温
度を300 ℃にした。堆積速度は1オングストローム/se
cで、膜厚は5μmであった。 【0042】作製した膜のビッカース硬度は7000と非常
に大きかった。IRスペクトル分析では水素の存在は見
られなかった。透過電子線回折(TED )によると、ダイ
ヤモンドの(1 1 1 )、(2 2 0 )に相当するリングが
えられた。作製した膜は、いわゆるダイヤモンド状炭素
といわれる膜であった。 【0043】作製した基板の室温付近での熱伝導度は0.
45cal /cm・sec ・℃と大きく、100 ℃での熱伝導率の
低下はなかった。電気伝導度は約10-13 (Ω・cm)-1、
耐電圧は約1kVで、熱サイクル試験での剥離は全くな
く、付着強度もテスト前と同じ100 kg/cm2 であった。 【0044】 【発明の効果】本発明の高熱伝導性絶縁基板は、高熱伝
導性金属基板上に特定の中間層を設けたのち熱伝導性絶
縁層が形成されているため、安定かつ大きな付着強度で
熱伝導性絶縁層が前記金属基板に付着している。しかも
本発明の基板は高熱伝導性かつ絶縁性であり、しかも高
硬度であるため、ハイブリッドIC基板などの電子部品
などの用途に好適に使用しうる。 【0045】本発明の方法によると前記のごとき本発明
の基板が工業的スケールで製造しうる。
びその製法に関する。 【0002】 【従来の技術・発明が解決しようとする課題】IC、L
SIなどの発展によって、電子回路の小型化、高集積
化、高出力化が進むとともに、半導体素子の実装密度も
高密度化している。このような半導体素子の高集積化、
高出力化、高密度化に伴い、チップ当りの素子数は年々
増大しており、チップ当りの発熱量も増大している。こ
の発熱量の増大は、半導体素子の信頼性に大きな影響を
及ぼすため、高熱伝導性パッケージ材料に対する要望が
強い。またハイブリッドICでは、発熱部品が同一パッ
ケージ内に同居するようになり、高密度化実装をさらに
すすめるためには、高熱伝導性絶縁基板が必要となって
きている。 【0003】そのような欲求を満足する基板として、A
lN、SiC、BeOなどから形成された高熱伝導性絶
縁基板やヒタセラム(SiC系)があるが、いずれの基
板も高価格で、BeO製の基板では毒性がある、SiC
製の基板では焼結助剤としてBeOを用いており、その
上高周波での誘電率が大きい、AlN製の基板では水お
よびアルカリに対して弱いなどの欠点を有している。 【0004】また、金属ベース基板として溶射基板があ
るが、この基板は表面平滑性がわるく、また現在の溶射
技術では金属上に高熱伝導性のダイヤモンド、ダイヤモ
ンド状炭素、SiCを形成できないという欠点を有して
いる。 【0005】さらに、結晶シリコン基板、Mo基板、W
基板、ダイヤモンド基板上にイオンビーム法、プラズマ
CVD法、熱CVD法、電子線CVD法などにより、ダ
イヤモンド、ダイヤモンド状炭素を形成することに関す
る報告はあるが、高熱伝導性で一層汎用性があり、安価
なAl基板、Al- Si基板、Cu基板、Cu合金基板
上へのダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素の形成は報告
されていない。 【0006】本発明は上記のごとき問題を解決した高熱
伝導性絶縁基板を提供することを目的とするものであ
る。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、高熱伝導性金
属基板上の少なくとも一部に熱膨脹係数の小さい金属材
料からなる中間層を配し、さらにその上に熱伝導性絶縁
層を設けてなる高熱伝導性絶縁基板、および高熱伝導性
金属基板上の少なくとも一部に熱膨脹係数の小さい金属
材料からなる中間層を配し、さらにその上に、基板上に
電界と直交する磁界が存在するDC放電とRF放電との
両者混合のプラズマCVD法によって熱伝導性絶縁層を
設けることを特徴とする高熱伝導性絶縁基板の製法に関
する。 【0008】 【実施例】本発明の高熱伝導性絶縁基板は、図1に示す
ように、高熱伝導性金属基板1上の少なくとも一部に中
間層2を設け、さらにその上に熱伝導性絶縁層3を設け
たものである。 【0009】前記高熱伝導性金属基板としては、たとえ
ばCu、Cu合金、AlまたはAl- SiなどのAl合
金のように、一般に金属基板として用いられる材料から
形成された熱伝導率が0.2 cal /cm・sec・℃程度以上
の高熱伝導性の金属基板であれば、とくに限定なく使用
しうる。 【0010】高熱伝導性金属基板上の少なくとも一部に
中間層を設けるとは、高熱伝導性金属基板上に熱伝導性
絶縁層を設ける必要のある所望の部分に、所望の大き
さ、形に中間層を設けることであり、高熱伝導性金属基
板の片面または両面全体に中間層を形成してもよく、そ
の一部にパターン化などして中間層を形成してもよい。 【0011】本発明における中間層の役割としては、大
きく2つの役割がある。 【0012】第1は基板を形成する高熱伝導性金属の熱
膨脹係数が大きいため、この金属製の基板上に直接熱膨
脹係数の小さい熱伝導性絶縁層が形成されると、割れ、
クラックなどが生じやすいが、中間層を存在させると、
緩衝層として働き、割れ、クラックなどを生じにくくな
る。 【0013】第2は熱伝導率の大きいシリコンカーバイ
ド、非晶質シリコンカーバイド、ダイヤモンド、ダイヤ
モンド状炭素などからなる絶縁層が形成されうる基板と
しうることである。 【0014】つまり前記絶縁層を形成するばあい、通
常、プラズマCVD法が用いられるが、この方法ではイ
オンなどの衝突により基板表面温度が上昇し、高熱伝導
性金属と絶縁層との熱膨脹係数の差のため膜が付着しに
くかったり、たとえ膜が付着したとしても、室温に放置
すると付着した膜がはがれたりする。またイオン、とく
に水素イオンの衝突によるスパッタリングがおこる。ス
パッター率の大きいCu、Cu合金、Al製の基板のば
あいには、膜の堆積よりもスパッタリングがより進行
し、膜が付着しない。 【0015】ところが中間層が存在すると、基板表面で
の温度上昇による熱膨脹係数の差による問題、イオンに
よるスパッターによる問題なども生じにくく、高熱伝導
性絶縁層が形成されうるのである。 【0016】前記中間層を構成する材料としては、室温
から500 ℃の間での熱膨脹係数が15×10-6/K以下、好
ましくは10×10-6/K以下の金属があげられ、これらの
1種または2種以上を構成材料とする厚さ100 オングス
トローム〜5μm程度、好ましくは500 オングストロー
ム〜3μm程度の中間層が形成される。 【0017】前記膜厚が100 オングストローム未満にな
ると、熱膨脹係数の差を充分緩和できなくなったり、高
熱伝導性絶縁層が形成されにくくなったりしがちであ
る。また5μmをこえると、中間層の熱伝導率の影響が
生じ、本発明の基板全体の熱伝導率が低下する傾向が生
ずる。 【0018】前記中間層を構成する金属材料としては、
W、Mo、Pt、Ti、Ni、Ir、Cr、ステンレス
鋼などがあげられ、これらのうちではMo、W、Crな
どの水素イオンのスパッター率の小さい高融点金属が、
絶縁層を形成しやすい、付着力が大きいなどの点から好
ましい。 【0019】前記のごとき金属材料からの中間層は、一
般にスパッター法、EB蒸着メッキ法などの方法によっ
て形成され、前記金属材料の1種で中間層を形成しても
よく、2種以上で形成してもよい。 【0020】中間層が形成されたのち、さらに形成され
る熱伝導性絶縁層を構成する材料としては、熱伝導率の
よい、たとえばシリコンカーバイド、非晶質シリコンカ
ーバイド、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素、立方晶
-BN、六方晶 -BNなどがあげられ、非晶質シリコン
カーバイドは結晶化した微粒子を含むものが適してい
る。これらの材料の1種以上から好ましくは膜厚1000オ
ングストローム〜200μm程度、さらに好ましくは5000
オングストローム〜100 μm、好ましくは電気伝導度10
-9(Ω・cm)-1以下、さらに好ましくは10-10 (Ω・c
m)-1以下、好ましくは耐電圧20V/μm以上、さらに
好ましくは40V/μm以上の高熱伝導性絶縁層が形成さ
れる。 【0021】高熱伝導性絶縁層はイオンビーム法、熱C
VD法によっても形成されるが、より大面積にするばあ
いには、プラズマCVD法を用いるのがよい。マイクロ
波プラズマCVD法を用いたダイヤモンド、ダイヤモン
ド状薄膜の研究がさかんであるが、より簡便で大面積化
が容易という点からは、DC放電プラズマCVD法、R
F放電プラズマCVD法、DC放電とRF放電との両者
混合のプラズマCVD法が適している。高熱伝導性絶縁
層を形成するのに重要なことは、基板をカソードに置く
こと、原料ガスを水素にて希釈することである。 【0022】さらに適した方法としては、基板上に電界
と直交する磁界が存在するDC放電とRF放電との両者
混合のプラズマCVD法があげられ、この方法により製
膜すると、一層高熱伝導性絶縁層が形成される。この方
法でもやはり基板はカソードに置き、水素にて原料ガス
を希釈することが重要である。この方法により高熱伝導
性絶縁層が形成されるのは、一層結晶化が進行すること
による。この結晶化は、磁界強度と電界強度とを適切に
調整して電子のエネルギー分布を制御し、大量の水素ラ
ジカルを発生させることにより達成される。 【0023】熱伝導度の点からすると、非晶質シリコン
カーバイドよりシリコンカーバイドの方が、またダイヤ
モンド状炭素よりダイヤモンドの方が熱伝導率はより大
きな値となる。 【0024】つぎに本発明の基板の製法を好ましい実施
態様にもとづいて説明する。 【0025】たとえばCu基板上にMoなどの熱膨脹係
数の小さい金属をEB蒸着メッキ法により1〜5オング
ストローム/sec の速度にて1000〜7000オングストロー
ムの厚さに蒸着し、該金属を蒸着した基板を図2に示す
のと同様の装置にセットする。このばあい、カソードに
セットした基板上に電界と直交する磁界を存在せしめる
のがよい。反応ガスとしてCH4 1〜5SCCM、CF4
1〜2SCCM、H2100 〜300SCCM をガス導入口7から
導入し、反応室圧力0.1 〜15Torr、磁界強度100 〜1000
ガウス、DC電圧-150V〜-1kV、DC電流1〜30mA/cm
2 、RFパワー200 〜2000mW/cm2 を印加し、DC放電、
RF放電両者の混合放電を行なう。なお、DC電圧はD
C電源4により、高周波チョークコイル5を介して電極
6に印加する。この際、外部から加熱し、基板温度を30
0 〜800 ℃にするのがよい。堆積速度は通常0.1 〜5オ
ングストローム/sec で1〜100 μmの厚さになるよう
に堆積せしめられる。 【0026】作製される膜のビッカース硬度は6000〜80
00と非常に大きく、天然ダイヤモンドの値とほぼ等しい
ものも作製できる。IRスペクトル分析では水素の存在
は見られず、透過電子線回折(TED )によると、ダイヤ
モンドの(1 1 1 )、(2 2 0 )に相当するリングがえ
られる。作製される膜は、いわゆるダイヤモンド状炭素
といわれる膜である。 【0027】よりダイヤモンドに近い性質の膜形成のた
めには、水素にて10容量%以下に希釈すること、磁界強
度、電界強度、圧力の3つのパラメーターにより電子エ
ネルギー分布を調整することが重要である。前記シリコ
ンカーバイド層作製と異なる点は、RFパワー、DC電
圧、電流、圧力とも大きくして作製する点にある。 【0028】作製される基板の室温付近での熱伝導度は
金属基板としてCu基板を用いたばあい、0.5 〜0.9 ca
l /cm・sec ・℃と大きく、100 ℃での熱伝導度の低下
はない。表面ビッカース硬度は6000〜8000、電気伝導度
は10-12 (Ω・cm)-1以下、耐電圧は40〜300 V/μm
で、熱サイクル試験での剥離は全く生じず、付着強度も
テスト前と同じ20〜100 kg/cm2 となる。 【0029】このようにして製造される本発明の基板
は、表面ビッカース硬度が好ましくは500 以上、さらに
は1500以上である。また基板上に形成される中間層およ
び熱伝導性絶縁層の膜厚が薄いことならびに熱伝導性絶
縁層の熱伝導率が大きいことのため、高熱伝導性絶縁基
板の熱伝導率は0.2 cal /cm・sec ・℃以上、さらには
0.35cal /cm・sec ・℃以上という優れたものとなり、
高熱伝導性金属基板に近い値となる。 【0030】また熱伝導性絶縁層の熱膨脹係数は、該絶
縁層がシリコンカーバイド、非晶質シリコンカーバイ
ド、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素、立方晶-B
N、六方晶 -BNなどから形成されているばあいにはシ
リコンとほぼ同程度であるから、素子性能への熱膨脹係
数の差による劣化を導かないという特徴を有するもので
ある。さらにプラズマCVD法で熱伝導性絶縁層を作製
すると、表面平滑性の非常に優れた膜がえられる。 【0031】つぎに本発明を実施例に基づき説明する。 【0032】実施例1 厚さ1mmのAl基板に、室温でのEB蒸着メッキ法によ
りMoを1000オングストロームの厚さに堆積させた。堆
積速度は約1オングストローム/sec であった。 【0033】つぎにこの中間層上に、図2に示した装置
とほぼ同様の装置であるが、基板をセットしたカソード
上に電界と垂直な方向に磁界をかけた装置を用いて、熱
伝導性絶縁層としてシリコンカーバイド層を形成した。 【0034】反応ガスとしては、H2 150 SCCM、CH
4 20 SCCM 、SiH4 30 SCCMをガス導入口7から
流し、反応室圧力1.5 Torr、磁界強度500 ガウス、DC
電圧-300V、DC電流7mA/cm2 、RFパワー500 mW/
cm2 を印加し、DC放電、RF放電両者の混合放電を生
じさせ、基板温度200 ℃にて製膜した。堆積速度は4オ
ングストローム/sec で、膜厚は5μmであった。な
お、DC電圧はDC電源4により、高周波チョークコイ
ル5を介して電極6に印加した。 【0035】作製される膜はX線回折分析法によると、
β- SiCの結晶形で、IRスペクトル分析では膜中に
水素がわずかに存在していた(C- H、Si- Hのスト
レッチングモードに対応する波数に小さな吸収が存在し
た)。 【0036】作製した基板の室温付近での熱伝導率は、
0.4 cal /cm・sec ・℃と大きく、また100 ℃付近での
熱伝導率の低下も見られず、ほぼ同じ値となった。表面
ビッカース硬度は3200とほぼ単結晶β- SiCと同等の
ものであった。また電気伝導度は10-14 (Ω・cm)-1以
下で、耐電圧は1kV以上であった。さらに、熱サイクル
試験(-55 ℃×30分、150 ℃×30分)を1サイクルと
し、1000サイクル後の母体のCu基板との剥離などは全
く見られず、付着強度もテスト前とおなじ100 kg/cm2
であった。なお、付着力テストにおける剥離は中間層と
絶縁層との間ではなく、中間層と金属基板との間にて生
じた。上記絶縁基板の表面粗さRa(中心線平均粗さ)
は0.1 μm以下であり、薄膜回路用基板にも適してい
た。 【0037】以上は中間層としてMoを用いたものに関
する例であるが、Pt、Ti、Cr、Ni、Wなどの金
属を中間層として用いるばあいもほぼ同様の結果を与え
た。 【0038】実施例2 Cu基板上に実施例1と同様にしてMoをEB蒸着メッ
キ法により1000オングストロームの厚さに蒸着し、Mo
を蒸着した基板を図2に示すのと同様の装置にセットし
た。このばあいにも実施例1と同様に、カソードにセッ
トした基板上に電界と直交する磁界を存在せしめた。反
応ガスとしてCH4 2SCCM、H2 200 SCCMを導入し、
反応室圧力5Torr、磁界強度600 ガウス、DC電圧-280
V、DC電流10mA/cm2 、RFパワー200mW /cm2 を印
加し、DC放電、RF放電両者の混合放電を行なった。
この際、外部から加熱し、基板温度を400 ℃にした。堆
積速度は1オングストローム/sec で、膜厚は5μmで
あった。 【0039】作製した膜のビッカース硬度は7500と非常
に大きく、天然ダイヤモンドの値とほぼ等しいものであ
った。IRスペクトル分析では水素の存在は見られなか
った。透過電子線回折(TED )によると、ダイヤモンド
の(1 1 1 )、(2 2 0 )に相当するリングがえられ
た。作製した膜は、いわゆるダイヤモンド状炭素といわ
れる膜であった。 【0040】作製した基板の室温付近での熱伝導度は0.
75cal /cm・sec ・℃と大きく、100 ℃での熱伝導率の
低下はなかった。電気伝導度は約10-13 (Ω・cm)-1、
耐電圧は700 Vで、熱サイクル試験での剥離は全くな
く、付着強度もテスト前と同じ100 kg/cm2 であった。 【0041】実施例3 実施例1と同様にして1000オングストロームの厚さのM
o層を中間層として設けたAl基板を図2に示すのと同
様の装置にセットした。このばあいにも実施例1と同様
に、カソードにセットした基板上に電界と直交する磁界
を存在せしめた。反応ガスとしてCH4 2SCCM、H2
200 SCCMを導入し、反応室圧力5Torr、磁界強度700
ガウス、DC電圧-250V、DC電流10mA/cm2 、RFパ
ワー200mW /cm2 を印加し、DC放電、RF放電両者の
混合放電を行なった。この際、外部から加熱し、基板温
度を300 ℃にした。堆積速度は1オングストローム/se
cで、膜厚は5μmであった。 【0042】作製した膜のビッカース硬度は7000と非常
に大きかった。IRスペクトル分析では水素の存在は見
られなかった。透過電子線回折(TED )によると、ダイ
ヤモンドの(1 1 1 )、(2 2 0 )に相当するリングが
えられた。作製した膜は、いわゆるダイヤモンド状炭素
といわれる膜であった。 【0043】作製した基板の室温付近での熱伝導度は0.
45cal /cm・sec ・℃と大きく、100 ℃での熱伝導率の
低下はなかった。電気伝導度は約10-13 (Ω・cm)-1、
耐電圧は約1kVで、熱サイクル試験での剥離は全くな
く、付着強度もテスト前と同じ100 kg/cm2 であった。 【0044】 【発明の効果】本発明の高熱伝導性絶縁基板は、高熱伝
導性金属基板上に特定の中間層を設けたのち熱伝導性絶
縁層が形成されているため、安定かつ大きな付着強度で
熱伝導性絶縁層が前記金属基板に付着している。しかも
本発明の基板は高熱伝導性かつ絶縁性であり、しかも高
硬度であるため、ハイブリッドIC基板などの電子部品
などの用途に好適に使用しうる。 【0045】本発明の方法によると前記のごとき本発明
の基板が工業的スケールで製造しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高熱伝導性絶縁基板に関する説明図で
ある。 【図2】中間層上に熱伝導性絶縁層を形成する段階に関
する説明図である。 【符号の説明】 1 高熱伝導性金属基板 2 中間層 3 熱伝導性絶縁層
ある。 【図2】中間層上に熱伝導性絶縁層を形成する段階に関
する説明図である。 【符号の説明】 1 高熱伝導性金属基板 2 中間層 3 熱伝導性絶縁層
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
H01B 3/00 F 9059−5G
17/62 8410−5G
19/00 C 8410−5G
H05K 1/05 A 8727−4E
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 高熱伝導性金属基板上の少なくとも一部に熱膨脹係
数の小さい金属材料からなる中間層を配し、さらにその
上に熱伝導性絶縁層を設けてなる高熱伝導性絶縁基板。 2 高熱伝導性金属がCu、Cu合金、AlまたはAl
合金である特許請求の範囲第1項記載の基板。 3 中間層の膜厚が100 オングストローム〜5μmであ
る特許請求の範囲第1項記載の基板。 4 熱伝導性絶縁層が、ダイヤモンド、ダイヤモンド状
炭素、シリコンカーバイド、非晶質シリコンカーバイ
ド、立方晶 -BNまたは六方晶 -BNから形成されてな
る特許請求の範囲第1項記載の基板。 5 熱伝導性絶縁層が電気伝導度10-9(Ω・cm)-1以下
で耐電圧20V/μmである特許請求の範囲第1項記載の
基板。 6 熱伝導性絶縁層の膜厚が1000オングストローム〜20
0 μmである特許請求の範囲第1項記載の基板。 7 熱伝導性絶縁層がDC放電プラズマCVD法、RF
放電プラズマCVD法、マイクロ波CVD法、DC放電
とRF放電との両者混合のプラズマCVD法、基板上に
電界と直交する磁界が存在するDC放電とRF放電との
両者混合のプラズマCVD法によって形成される特許請
求の範囲第1項記載の基板。 8 シリコンカーバイド、非晶質シリコンカーバイド、
ダイヤモンドまたはダイヤモンド状炭素が、基板上に電
界と直交する磁界が存在するDC放電とRF放電との両
者混合のプラズマCVD法によって形成される特許請求
の範囲第4項記載の基板。 9 表面ビッカース硬度が500 以上である特許請求の範
囲第1項記載の基板。 10 表面ビッカース硬度が1500以上である特許請求の範
囲第1項記載の基板。 11 高熱伝導性絶縁基板の熱伝導率が0.2 cal /cm・se
c ・℃以上である特許請求の範囲第1項記載の基板。 12 高熱伝導性絶縁基板の熱伝導率が0.35cal /cm・se
c ・℃以上である特許請求の範囲第1項記載の基板。 13 高熱伝導性金属基板上の少なくとも一部に熱膨脹係
数の小さい金属材料からなる中間層を配し、さらにその
上に、基板上に電界と直交する磁界が存在するDC放電
とRF放電との両者混合のプラズマCVD法によって熱
伝導性絶縁層を設けることを特徴とする高熱伝導性絶縁
基板の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3256581A JPH0624221B2 (ja) | 1991-10-03 | 1991-10-03 | 高熱伝導性絶縁基板およびその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP3256581A JPH0624221B2 (ja) | 1991-10-03 | 1991-10-03 | 高熱伝導性絶縁基板およびその製法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60249534A Division JPH0760869B2 (ja) | 1985-11-06 | 1985-11-06 | 高熱伝導性絶縁基板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0513616A true JPH0513616A (ja) | 1993-01-22 |
JPH0624221B2 JPH0624221B2 (ja) | 1994-03-30 |
Family
ID=17294624
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3256581A Expired - Lifetime JPH0624221B2 (ja) | 1991-10-03 | 1991-10-03 | 高熱伝導性絶縁基板およびその製法 |
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