JPH05135919A - 永久磁石材料製造用冷却ロールおよび永久磁石材料の製造方法 - Google Patents

永久磁石材料製造用冷却ロールおよび永久磁石材料の製造方法

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JPH05135919A
JPH05135919A JP3325267A JP32526791A JPH05135919A JP H05135919 A JPH05135919 A JP H05135919A JP 3325267 A JP3325267 A JP 3325267A JP 32526791 A JP32526791 A JP 32526791A JP H05135919 A JPH05135919 A JP H05135919A
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cooling roll
cooling
roll
permanent magnet
alloy
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JP3325267A
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Akira Fukuno
亮 福野
Hideki Nakamura
英樹 中村
Tetsuto Yoneyama
哲人 米山
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Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷却ロールの耐久性を高めることにより、高
性能な磁石材料を安定して量産できる冷却ロールと、こ
の冷却ロールを用いる永久磁石材料の製造方法とを提供
する。 【構成】 R(ただし、RはYを含む希土類元素の1種
以上である。)と、FeまたはFeおよびCoと、Bと
を含有する溶湯状の合金を冷却して永久磁石材料を製造
するための冷却ロールであって、基材とこの基材周面に
形成されたCr表面層とを有し、前記基材の熱伝導度が
前記Cr表面層の熱伝導度より高く、前記Cr表面層
の、溶湯状の合金と接触する表面のビッカース硬度Hv
が、500以上および/または1200以下である冷却
ロール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、R(RはYを含む希土
類元素である。以下同じ。)、FeおよびBを含むか、
あるいはさらにCoを含むFe−(Co)−R−B系の
永久磁石材料を、急冷法により製造するための冷却ロー
ルと、この冷却ロールを用いて永久磁石材料を製造する
方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】高性能を有する希土類磁石としては、粉
末冶金法によるSm−Co系磁石でエネルギー積32MG
Oeのものが量産されている。しかし、このものはSm、
Coの原料価格が高いという欠点を有する。希土類元素
の中では原子量の小さい元素、例えば、セリウムやプラ
セオジム、ネオジムは、サマリウムよりも豊富にあり価
格が安い。また、FeはCoに比べ安価である。そこ
で、近年、Nd−Fe−B等のR−Fe−B系磁石が開
発され、特開昭60−9852号公報では高速急冷法に
よるものが開示されている。
【0003】高速急冷法は、金属の溶湯を冷却基体表面
に衝突させて急冷し、薄帯状、薄片状、粉末状などの金
属を得る方法であり、冷却基体の種類により、片ロール
法、双ロール法、ディスク法等に分類される。これらの
高速急冷法のうち、片ロール法では冷却基体として1個
の冷却ロールを用いる。そして、溶湯状の合金をノズル
から射出し、ノズルに対して回転している冷却ロールの
周面に衝突させ、冷却ロール周面と接触させることによ
り合金を一方向から冷却し、通常、薄帯状の急冷合金を
得る。合金の冷却速度は、通常、冷却ロールの周速度に
より制御される。片ロール法は、機械的に制御する部分
が少なく安定性が高く、経済的であり、また、保守も容
易であるため汎用されている。双ロール法は、一対の冷
却ロールを用い、これらの冷却ロール間に溶湯状の合金
を挟んで対向する二方向から冷却する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】片ロール法では、一般
に、合金の冷却ロール表面に接触する側(以下、ロール
面側という。)の冷却速度を最適範囲に設定すると、そ
の反対側(以下、フリー面側という。)の冷却速度が不
十分となり、ロール面側では好ましい結晶粒径となる
が、フリー面側では粗大粒となって高い保磁力が得られ
なくなる。
【0005】一方、フリー面側の結晶粒径が好ましい範
囲となるように冷却すると、ロール面側の冷却速度が極
端に大きくなり、ロール面側は殆どアモルファス状態と
なって高い磁気特性が得られなくなる。
【0006】このため、従来は急冷合金全体として好ま
しい粒径の結晶粒が最も多くなるように冷却ロールの周
速度を設定し、これを最適周速度としている。
【0007】しかし、上記のようにして決定された最適
周速度は極めて狭い範囲となり、合金の組成や冷却ロー
ルの材質によっても異なるが、例えば25m/s を中心と
して±0.5〜2m/s 程度である。このため、周速度を
厳密に制御しなければならず、低コストにて量産するこ
とが困難である。
【0008】ところで、好ましい結晶粒径の領域の範囲
(冷却方向の厚さ)はほぼ一定であり、薄帯の厚さにあ
まり依存しないため、薄帯の厚さを薄くしたほうが薄帯
全体としての磁気特性は向上する。溶湯状合金のノズル
からの射出量が一定である場合、薄帯の厚さは冷却ロー
ルの周速度に依存するため、周速度を速くすれば薄い薄
帯が得られるが、上記したように合金の組成により最適
周速度が決まっているので、周速度を速くして薄帯の厚
さを減少させるためには冷却ロール自体を換える必要が
あり、実用的ではない。
【0009】一方、溶湯状合金の射出量を少なくすれば
薄帯の厚さは減少するが、R−Fe−B系合金の溶湯は
ノズル構成材料と反応し易いため、連続使用したときに
ノズルが閉塞し易い。このため、工業的に量産する場
合、ノズル径をむやみに細くすることはできない。
【0010】さらに、上記の最適周速度で冷却を行なっ
た場合でも、ロール面側とフリー面側とでは結晶粒径に
10倍程度前後の差が生じ、好ましい結晶粒径が得られ
る領域が極めて狭くなってしまい、急冷合金の冷却方向
で各種磁気特性が不均一となってしまう。
【0011】このため、急冷合金を粉砕したとき、得ら
れる磁石粉末中には高磁気特性の磁石粒子と低磁気特性
の磁石粒子とが混在することになり、この磁石粉末を樹
脂バインダ中に分散しボンディッド磁石とした場合、磁
石全体として高磁気特性が得られない。
【0012】一方、双ロール法ではフリー面が存在しな
いので、薄帯の対向する表面での結晶粒径はほぼ同等と
なる。しかし、ロール面と薄帯中央付近では冷却速度が
違うため、片ロール法と同様に結晶粒径の違いが問題と
なる。
【0013】このような事情から、本発明者らは特願平
2−131492号において、磁気特性の周速度依存性
を低くするための冷却ロールとして、周面の中心線平均
粗さRa を所定範囲に設定した冷却ロールを提案してい
る。
【0014】また、特願平2−163355号では、ロ
ール面側の冷却速度とフリー面側の冷却速度との差を小
さくするために、銅や銅合金等の冷却ロールにCr等か
らなる表面層を設けて、合金溶湯冷却の際の冷却ロール
における熱移動を制御し、さらに、表面層の厚さを最適
範囲に設定することを提案している。
【0015】本発明は、このような冷却ロールの表面層
の耐久性を高めることにより、高性能な磁石材料を安定
して量産できる冷却ロールと、この冷却ロールを用いる
永久磁石材料の製造方法とを提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。
【0017】(1)R(ただし、RはYを含む希土類元
素の1種以上である。)と、FeまたはFeおよびCo
と、Bとを含有する溶湯状の合金を冷却して永久磁石材
料を製造するための冷却ロールであって、基材とこの基
材周面に形成されたCr表面層とを有し、前記基材の熱
伝導度が前記Cr表面層の熱伝導度より高く、前記Cr
表面層の、溶湯状の合金と接触する表面のビッカース硬
度Hv が、500以上であることを特徴とする永久磁石
材料製造用冷却ロール。
【0018】(2)R(ただし、RはYを含む希土類元
素の1種以上である。)と、Feま製はFeおよびCo
と、Bとを含有する溶湯状の合金を冷却して永久磁石材
料を製造するための冷却ロールであって、基材とこの基
材周面に形成されたCr表面層とを有し、前記基材の熱
伝導度が前記Cr表面層の熱伝導度より高く、前記Cr
表面層の、溶湯状の合金と接触する表面のビッカース硬
度Hv が、1200以下であることを特徴とする永久磁
石材料製造用冷却ロール。
【0019】(3)前記Cr表面層の、溶湯状の合金と
接触する表面のビッカース硬度Hvが、500以上であ
る上記(2)に記載の永久磁石材料製造用冷却ロール。
【0020】(4)前記Cr表面層の、溶湯状の合金と
接触する表面の中心線平均粗さRaが、0.07〜5μm
である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の永
久磁石材料製造用冷却ロール。
【0021】(5)前記Cr表面層の厚さが、10〜1
00μm である上記(1)ないし(4)のいずれかに記
載の永久磁石材料製造用冷却ロール。
【0022】(6)上記(1)ないし(5)のいずれか
に記載の永久磁石材料製造用冷却ロールを用いることを
特徴とする永久磁石材料の製造方法。
【0023】
【作用】本発明の冷却ロールは、熱伝導度の高い基材の
表面に熱伝導度の低いCr表面層を有するので、合金溶
湯急冷により得られる合金薄帯中の結晶粒径のバラツキ
を小さくすることができる。この効果は、Cr表面層の
厚さを上記範囲とすることにより著しく高くなる。
【0024】そして、本発明ではCr表面層のHv を1
200以下とするので、合金溶湯冷却時の熱衝撃による
Cr表面層の割れや剥離が防止され、量産に耐える冷却
ロールが実現する。
【0025】また、本発明ではCr表面層のビッカース
硬度Hv を500以上とするので、冷却ロール周面の耐
摩耗性が良好であり、長時間使用した場合でも表面粗さ
がほぼ一定に保たれる。冷却ロール周面の表面粗さは、
以下に示すように冷却条件および得られる磁石材料の磁
気特性に密接に関係する。
【0026】片ロール法および双ロール法では、冷却ロ
ールの周速度が速くなるほど合金の冷却速度は増加す
る。これは、周速度が速くなると、単位時間あたりに供
給される冷却ロール表面積が増加するためである。一
方、冷却ロール周面に凹凸が存在すると、冷却ロール周
面と接触した合金溶湯は、冷却ロール表面の凸部とは密
着するが凹部との密着性が低く、周速度が速くなるほど
凹部との密着性はさらに低下する。このため、周速度が
速いほど冷却ロール表面と合金との接触面積が小さくな
り、冷却速度は低下する。
【0027】従って、合金溶湯の冷却速度は、供給され
る冷却ロール表面積の増大による冷却速度増加と、冷却
ロール周面の表面粗さに依存する冷却速度低下とが総合
された結果となるので、冷却ロール周面の表面粗さが変
動すると、周速度が一定であっても冷却速度が変わるこ
とになる。
【0028】しかし、本発明では、冷却ロール周面の表
面粗さがほぼ一定に保たれるため、冷却速度の変動が殆
どなく、磁気特性の良好な永久磁石材料を安定して量産
することができる。
【0029】そして、本発明では、Cr表面層の表面粗
さRa を上記範囲に設定することにより、供給される冷
却ロール表面積の増大による冷却速度増加と、冷却ロー
ル周面の表面粗さに依存する冷却速度低下とがほぼ釣り
合うので、周速度が変化しても合金の冷却速度は殆ど変
わらない。このため、本発明により得られる永久磁石材
料は、冷却ロールの周速度が変動しても結晶粒径が殆ど
変化せず、磁気特性の周速度依存性が極めて低い。従っ
て、冷却ロールの周速度管理を厳密にする必要がなく、
また装置の実用的な寿命も伸び、低コストにて量産する
ことができる。
【0030】さらに、広範囲の周速度にてほぼ一定の冷
却速度が得られるため、周速度変更により永久磁石材料
の厚さ変更を自在に行なうことができ、このときの磁気
特性変動が極めて小さい。従って、合金溶湯射出ノズル
径を細くすることなく薄い永久磁石材料が得られ、好ま
しい粒径の結晶粒の含有率が高い永久磁石材料を、量産
性高く製造することができる。
【0031】また、最適周速度にて同じ厚さの永久磁石
材料を製造する場合でも、上記Raの冷却ロールを用い
ることにより高い磁気特性が得られる。
【0032】永久磁石材料のロール面のRa は、通常、
冷却ロール表面のRa 以下となる。これは、上記したよ
うに冷却ロールの周速度が増加するほど合金と冷却ロー
ルとの密着性が低下するためである。
【0033】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0034】本発明では、R(ただし、RはYを含む希
土類元素の1種以上である。)と、FeまたはFeおよ
びCoと、Bとを含有する溶湯状の合金をノズルから射
出し、ノズルに対して回転している冷却ロールの周面と
接触させることにより前記合金を冷却して永久磁石材料
を製造する。すなわち、本発明では、溶湯状合金の急冷
に片ロール法または双ロール法を用いる。
【0035】本発明の冷却ロールは、基材とこの基材周
面に形成されたCr表面層とを有し、Cr表面層の熱伝
導度が基材の熱伝導度より低く構成されている。Cr表
面層の熱伝導度は、通常、0.6J/(cm・s・K)以下、特
に0.45J/(cm・s・K)以下である。なお、本明細書にお
ける熱伝導度は、常温、常圧での値である。
【0036】本発明では、このCr表面層のビッカース
硬度Hv を500以上、好ましくは600以上とする。
Hv が500未満であると、合金溶湯冷却時のCr表面
層の摩耗量が著増してRa が著しく変化してしまうた
め、ロット間で磁気特性のバラツキが生じる。
【0037】また、本発明では、Cr表面層のHv を1
200以下、好ましくは1050以下とする。Hv が1
200を超えると、合金溶湯冷却を繰り返し行なった場
合に、熱衝撃によりCr表面層の割れや剥離が生じ、合
金溶湯の冷却が実質的に不可能になる。
【0038】Cr表面層の厚さは、10〜100μm 、
特に20〜50μm であることが好ましい。表面層の厚
さが前記範囲内であれば、基材への熱移動が速やかに行
なわれ、その結果、主として低R相から構成される粒界
相の析出が良好となり、高いBr が得られる。表面層の
厚さが前記範囲を外れると、このような効果は得られな
い。なお、前記範囲内における具体的厚さの決定は、冷
却ロールの寸法、冷却ロールと合金溶湯との相対速度な
どの種々の条件を考慮して行なえばよい。
【0039】表面層の形成方法に特に制限はなく、液相
めっき、気相めっき、溶射、薄板の接着、円筒状部材の
焼きばめ等の種々の方法から選択することができるが、
ビッカース硬度の制御が容易であることから、電気めっ
き法により形成することが好ましい。電気めっき法にお
いてCr表面層のビッカース硬度を制御するためには、
電流密度、めっき浴のCr源濃度、めっき浴温度等の各
種条件を制御すればよい。なお、Cr表面層形成後、必
要に応じてその表面を研磨してもよい。
【0040】このような表面層を有する冷却ロールを用
いて得られた永久磁石材料のロール面近傍は、Crを含
むことがある。このCrは、高速急冷時に冷却ロール周
面から拡散されたものである。この場合、Cr含有量
は、ロール面から厚さ方向に20nm以下の範囲で、10
〜500ppm 程度である。
【0041】冷却ロールの基材は、上記のような熱伝導
度の関係を満たす材質から構成されれば、その他特に制
限はなく選択することができ、例えば、銅、銅系合金、
銀、銀系合金等を用いることができ、融点の低い合金の
高速急冷に用いる場合にはアルミニウム、アルミニウム
系合金も用いることができるが、熱伝導度が高いこと、
安価であることなどから、銅または銅系合金を用いるこ
とが好ましい。銅系合金としては、銅ベリリウム合金等
が好ましい。
【0042】なお、基材の熱伝導度の範囲は、1.4J/
(cm・s・K)以上であることが好ましく、より好ましくは2
J/(cm・s・K)以上、さらに好ましくは2.5J/(cm・s・K)以
上である。
【0043】冷却ロールの溶湯状合金と接触する周面の
中心線平均粗さRa は、0.07〜5μm 、特に0.1
5〜4μm とすることが好ましい。冷却ロール周面のR
a が前記範囲未満であると、周速度を増加させても冷却
ロール周面と合金との密着性が低下せず、冷却速度の周
速度依存性が高くなってしまう。冷却ロールのRa が前
記範囲を超えると、薄帯状永久磁石材料の厚さに対して
冷却ロール周面の表面粗さが無視できない程大きくな
り、薄帯厚さが不均一になる傾向にある。
【0044】なお、中心線平均粗さRa は、JIS B 0601
に規定されている。
【0045】このような冷却ロールを用いて得られる永
久磁石材料は、ロール面のRa が0.05〜4.5μm
、好ましくは0.13〜3.7μm となる。
【0046】上記した冷却ロールを用いて得られる永久
磁石材料では、高速急冷時に冷却ロールに接触した面
(ロール面)から永久磁石材料の厚さ方向に最も遠い領
域をDとし、ロール面の近傍領域をPとしたとき、Dに
おける平均結晶粒径dと、Pにおける平均結晶粒径pと
の関係を、d/p≦10、特にd/p≦4、さらにはd
/p≦2.5とすることができる。なお、d/pの下限
は通常1であるが、前述した冷却ロールを用いた場合、
1.5≦d/p≦2程度の良好な値を容易に得ることが
できる。
【0047】これらの各領域における平均結晶粒径は、
以下のようにして算出する。永久磁石材料は、通常、薄
帯状、薄片状あるいは扁平粒子状として得られ、片ロー
ル法ではロール面およびそれと対向する面(フリー面)
が主面となり、双ロール法では対向する両ロール面が主
面となる。本明細書において永久磁石材料の厚さ方向と
は、この主面の法線方向を意味する。そして上記した領
域Dは、片ロール法ではフリー面近傍領域となり、双ロ
ール法では厚さ方向(冷却方向)中央付近となる。ま
た、領域Pはロール面近傍領域となる。この場合、領域
Dおよび領域Pの磁石厚さ方向の幅は、いずれも磁石厚
さの1/5とする。
【0048】本発明の冷却ロールを片ロール法に適用す
る場合の好ましい構成例を、図1に示す。
【0049】本発明では、図1に示すように、ノズル1
2の手前に風防2を設け、溶湯状合金11から構成され
るパドル(ノズル12先端部と冷却ロール13周面との
間に存在する溶湯状合金の溜り)113付近に前記ガス
流が当たることを防ぐことが好ましい。このような構成
により、合金と冷却ロール周面との間に不活性ガスが巻
き込まれることが著しく抑えられ、合金と冷却ロール周
面との密着性が向上してロール面の冷却速度の位置的な
ばらつきが減少し、また、フリー面側の結晶粒径のばら
つきも減少するので、微細で均一な結晶粒組織が得ら
れ、高い磁気特性を有する永久磁石が実現する。
【0050】より詳細に説明すると、冷却ロール13お
よびノズル12は不活性ガス雰囲気中にあり、冷却ロー
ル13は矢印方向に回転している。そして、冷却ロール
13近傍の不活性ガスはその粘性により冷却ロール回転
方向の速度をもつガス流となっている。合金溶湯11
は、ノズル12から射出されて冷却ロール13の周面に
接触し、冷却されて薄帯状永久磁石材料112となり、
冷却ロール13の回転方向に飛び去る。図中においてノ
ズル12の右側(回転方向の手前側)の冷却ロール周面
近傍には、風防2が設けられている。風防2は、冷却ロ
ール13周面に添って流れる前記した不活性ガス流の少
なくとも一部を遮断し、パドル113に前記ガス流が当
たることを抑える。これにより、冷却ロール周面と射出
された合金溶湯との間に巻き込まれる不活性ガス量を低
減できる。
【0051】風防2は、パドル113に達する前記ガス
流の少なくとも一部を遮断できるものであればその構成
に特に制限はないが、製造が容易でガス流遮断効果が高
いことから、板状体を用い、例えば図1に示されるよう
に形状加工して風防2とすることが好ましい。図1に示
される風防2は屈曲部を2箇所有し3つの平板部から構
成されている。板状の風防2が弾性を有する場合、最も
冷却ロールに近い平板部は、冷却ロール回転に伴なうガ
ス流を受けて風防2の少なくとも下部を冷却ロール周面
から浮上させる作用を有する。この平板部と冷却ロール
周面とのなす角度やこの平板部の面積を調整することに
より、浮上量、すなわち風防と冷却ロール周面との距離
を制御することが可能である。ただし、剛性の高い風防
を用いて、冷却ロールの回転によらず風防と冷却ロール
との距離を一定に保つ構成としてもよい。
【0052】また、図1に示される構成の風防の他、以
下に示すような構成の風防が好ましい。例えば、図1に
示される構成の風防の幅方向端部に冷却ロール側面の少
なくとも一部を覆うような側板を設け、好ましくはパド
ル113近傍の冷却ロール側面までこの側板で覆い、パ
ドル側面付近から流入するガス流の少なくとも一部を遮
断する構成としてもよい。また、縦方向や横方向に湾曲
した風防を設けて、例えばパドルを取り囲むように断面
U字形の風防を設けて、ガス流を整流し、パドル付近へ
のガス流の巻き込みを抑える構成としてもよい。
【0053】風防2と冷却ロール周面との距離は特に限
定されず、風防の位置や冷却ロール13の周速度などに
応じて適宜設定すればよいが、冷却ロール回転に伴なっ
て発生するガス流の速度は冷却ロール周面で最も高く、
周面から離れるに従って急激に減少するので、前記ガス
流を効果的に遮断するためには、冷却ロール回転時にお
ける前記距離を5mm以下、特に3mm以下とすることが好
ましい。また、前記距離の下限は特にないが、冷却ロー
ル周面の凹凸や冷却ロールの偏心などによって冷却ロー
ル回転時に風防と冷却ロール周面とが接触することがあ
るので、これを避けるために、前記距離は0.1mm以
上、特に0.2mm以上とすることが好ましい。なお、前
記距離は風防の幅方向に亙って一定とすることが好まし
いが、前記範囲内であれば、場所によって異なっていて
もよい。
【0054】また、風防の幅(冷却ロール周面の幅方向
における風防の端部間距離)は特に限定されないが、冷
却ロール周面の幅以上とすることが好ましく、特に冷却
ロール周面の幅よりも10%程度長くすることが好まし
い。
【0055】風防の高さにも特に制限はない。すなわ
ち、遮断すべきガス流の様相は冷却ロールの周速などに
より異なるので、必要に応じて高さを適宜設定すればよ
い。また、合金溶湯を収容したノズルも前記ガス流にさ
らされるので、冷却され易いノズルを用いる場合には、
ノズルに当たるガス流が遮断できるように風防の高さを
設定することが好ましい。ノズルの冷却を防止すること
により、溶湯温度を安定させてノズルからの溶湯吐出量
を安定させることができるので、長さ方向に均質な永久
磁石材料を得ることができ、また、ロット間での特性差
も少なくすることができる。
【0056】ノズルに対する風防の位置は特に限定され
ず、ガス流巻き込みを効果的に防止できるように冷却ロ
ールの寸法や周速度などに応じて適宜位置を設定すれば
よいが、通常、ノズル中心位置と風防との距離は、冷却
ロール周面に添って測った場合に150mm以下、特に7
0mm以下程度とすることが好ましい。
【0057】風防の材質は特に限定されない。すなわ
ち、各種金属や樹脂など、ガス流を遮断可能なものから
適宜選択すればよい。
【0058】本発明では、風防2とパドル113との間
の冷却ロール13周面近傍に、吸気手段を設けてもよ
い。吸気手段は、パドル付近の雰囲気ガスを吸気して部
分的に減圧する作用を果たし、合金溶湯と冷却ロール周
面との間に巻き込まれる雰囲気ガスの量をさらに低減さ
せる。
【0059】吸気手段の構成は特に限定されないが、長
手方向が冷却ロール周面の幅方向であるようなスリット
状の吸気口を有するものを用いることが好ましい。この
ような吸気手段としては、例えば図1および図2に示さ
れる構成の吸気部材200を用いることが好ましい。図
2に示される吸気部材200は、円筒状の周壁201
と、この周壁201を貫通するスリット状吸気口202
とを有する。スリット状吸気口202の長手方向は吸気
部材の軸、すなわち円筒状の周壁201の軸とほぼ平行
である。円筒状の周壁201の一方の端部(図示例で
は、紙面の表側に存在する。)は閉塞されており、他方
の端部には、連通孔203を介して周壁201内に連通
するガス管204が接続され、このガス管204の他端
には図示しないポンプが接続されている。ポンプの駆動
により雰囲気ガスはスリット状吸気口202から吸入さ
れ、スリット状吸気口202の近傍は減圧される。
【0060】このような吸気部材200は、吸気部材の
軸と前記冷却ロールの軸とがほぼ平行となるように冷却
ロール近傍に配置される。そして、吸気部材200を、
その軸がほぼ回転中心となるように回転させたり、吸気
部材200のパドル113に対する位置を変更したり、
雰囲気ガスの吸気量を変更したりすることにより、パド
ル付近の減圧度を制御することができる。
【0061】吸気手段の効果は、吸気口形状やその寸
法、単位時間当たりの吸気量等によって異なるので、ス
リット状吸気口の位置は特に限定されず、所望の効果が
得られるように実験的に決定すればよいが、通常、吸気
口とノズルとの距離は冷却ロール周面に添って測った場
合に5〜70mm程度とすることが好ましく、吸気口と冷
却ロール周面との距離は0.1〜15mm程度とすること
が好ましい。
【0062】なお、風防および吸気手段に関する具体的
構成は、製造した永久磁石材料のロール面の凹凸や結晶
粒径等を調査して実験的に決定すればよい。
【0063】本発明を実施する際の雰囲気ガスである不
活性ガスに特に制限はなく、Arガス、Heガス、N2
ガス等の各種不活性ガスから適宜選択すればよいが、A
rガスを用いることが好ましい。また、雰囲気ガスの圧
力にも特に制限はないが、装置の構造を簡素にすること
ができることから0.1〜2気圧程度、通常、1気圧の
不活性ガス流中で行なえばよい。このような圧力のガス
流中で合金溶湯の冷却を行なった場合でも、上記した風
防あるいはさらに吸気手段を用いることにより、合金溶
湯と冷却ロールとの間への雰囲気ガス巻き込みを著しく
少なくすることができ、ロール面近傍での結晶粒径の均
一性を高くすることができる。例えば、ロール面近傍領
域における結晶粒径の標準偏差を、13nm以下、特に1
0nm以下とすることが容易にできる。この場合のロール
面近傍領域とは、前述した領域Pと同一であり、ロール
面から磁石厚さの1/5までの領域である。
【0064】この領域における結晶粒径の標準偏差は、
下記のようにして算出することが好ましい。まず、上記
領域中において、透過型電子顕微鏡により視野中に結晶
粒が約100個以上入る写真を撮影する。この写真を上
記領域中において無作為に30枚以上、好ましくは50
枚以上撮影し、画像解析等により各視野中での平均粒径
を測定する。この場合の平均粒径は、通常、結晶粒を円
に換算したときの平均直径となる。次いで、これらの平
均粒径の標準偏差を求める。
【0065】本発明では、冷却ロール周面に向かう方向
に不活性ガス流を吹き付けることにより、冷却ロール周
面付近に存在する合金を冷却ロール側に押し付け、合金
と冷却ロール周面との接触時間を延長させることが好ま
しい。
【0066】片ロール法では、回転する冷却ロール周面
に衝突した溶湯状の合金は、冷却ロール周面に引きずら
れるようにして薄帯状となって冷却され、次いで冷却ロ
ール周面から離れる。このような片ロール法において、
合金が十分に長く冷却ロール周面と接触していれば、ロ
ール面側とフリー面側とは共に冷却ロールへの熱伝導に
より比較的均一に冷却される。すなわち、結晶粒径の均
一な急冷合金を得るためには、合金のロール面側がほぼ
凝固していてフリー面側が溶融状態にあるときに、合金
が冷却ロール周面と十分に接触していることが必要とさ
れる。
【0067】しかし、溶湯状のR−Fe−B系合金は冷
却ロール周面に衝突後、速やかにロール周面から離れる
ため、ロール面側では主として冷却ロールへの熱伝導に
より冷却されるが、フリー面側では主として雰囲気中へ
の放熱により冷却されることになり、ロール面側とフリ
ー面側とで冷却速度が極端に違ってしまう。
【0068】そこで、上記方法により合金と冷却ロール
周面との接触時間を延長させれば、フリー面側の冷却に
おいて冷却ロールへの熱伝導に依存する割合が増加し、
ロール面側とフリー面側との冷却速度の差が著しく小さ
くなる。また、不活性ガスはフリー面側に吹き付けられ
るので、フリー面側の冷却速度はさらに向上する。従っ
て、ロール面側とフリー面側とで冷却速度の差が小さく
なる。また、冷却効率が向上するため、必要とされる冷
却ロールの回転速度が例えば5〜15%程度低くなり、
冷却装置の負担が少なくなる。
【0069】図1に、不活性ガス流を吹き付ける構成を
具体的に示す。図1に示す片ロール法では、合金溶湯1
1をノズル12から射出し、ノズル12に対して回転し
ている冷却ロール13の周面に衝突させ、冷却ロール1
3周面付近に存在する合金111を冷却ロール13周面
と接触させることにより、合金111を一方向から冷却
する。なお、冷却ロール13は、前述した基材131と
表面層132とから構成される。
【0070】そして、冷却ロール13周面に向かう方向
に不活性ガス流を吹き付けることにより、冷却ロール1
3周面付近に存在する合金111と冷却ロール13周面
との接触時間を延長させる。不活性ガス流を吹き付けな
い場合、冷却ロール13に衝突後の合金は、図中点線で
示したように冷却ロール13周面から離れ、合金と冷却
ロール周面との接触時間は短くなってしまう。
【0071】なお、合金111は、ノズル12からの距
離にもよるが、凝固体ないしは溶融体、あるいはこれら
が共に存在する状態であり、通常、ロール面側において
凝固体の割合が多く、フリー面側において溶融体の割合
が多い薄帯状である。
【0072】不活性ガス流を吹き付ける方向は、合金1
11を挟んで冷却ロール13周面に向かう方向であれば
特に制限はないが、図1中に矢印で示すように、不活性
ガス流の吹き付け方向と、冷却により得られる薄帯状永
久磁石材料112の進行方向との成す角度が鈍角となる
ように吹き付けることが好ましい。この角度は、100
〜160°程度であることが好ましい。これは、吹き付
けられた不活性ガスがパドル113に直接あたることを
防ぎ、パドルを定常状態に保つためである。パドルに不
活性ガスが直接吹き付けられると、パドルの一部が冷却
され、その部分の粘度が高くなり、パドルの形状が変わ
ってしまうこともある。このため、均一な厚さの合金薄
帯が得られなくなってしまう。なお、薄帯状永久磁石材
料112の進行方向とは、合金111が冷却ロール13
周面から離れる場所での冷却ロール周面の接線方向とほ
ぼ等しい。
【0073】また、冷却ロールに衝突した直後の合金
は、フリー面からかなり深い部分まで溶融状態であり、
この状態の合金にガスを吹き付けると、ガス流によりフ
リー面が波打ち状態になって均一な厚さの合金薄帯が得
られず、また、合金内での熱移動に遅速を生じ、結晶粒
径にばらつきを生じる。このため、冷却ロールに衝突し
た直後の合金に不活性ガスを吹き付けることは避けるこ
とが好ましい。
【0074】具体的には、合金に不活性ガスを吹き付け
る位置は、ノズル12の直下を起点としてノズル12の
径の5倍以上離れた位置であることが好ましい。
【0075】また、パドルから極端に離れた位置では合
金のフリー面側が完全に凝固しているため、不活性ガス
を吹き付けても上記した効果は得られない。従って、冷
却ロールの直径等、他の条件にもよるが、例えば、合金
に不活性ガスを吹き付ける位置は、ノズル12の直下を
起点としてノズル12の径の50倍以下離れた位置とす
ることが好ましい。なお、この場合の不活性ガスを吹き
付ける位置とは、不活性ガス流の中心ではなく、ガス流
のノズル12に近い側の端部とする。また、ノズルがス
リット状である場合のノズル径とは、冷却ロール回転方
向に測った径とする。このように不活性ガスを吹き付け
る位置をノズル径に関連させて定めるのは、ノズル径の
大小によりパドルの状態や冷却効率が変わり、合金の溶
融状態がこれらに従って変わるためである。
【0076】不活性ガスの吹き付け方向、流量、流速、
噴射圧力等の各種条件に特に制限はなく、ノズル径、合
金溶湯の射出量、冷却ロールの寸法、冷却時の雰囲気等
の各種条件を考慮し、さらには実験的に、合金のロール
面側とフリー面側とで好ましい結晶粒径が得られるよう
に設定すればよいが、例えば、1気圧程度の不活性ガス
雰囲気中にて0.3〜5mm径程度のノズルから合金溶湯
を射出する場合、不活性ガスは長手方向が合金薄帯の幅
方向であるようなスリットから噴射されることが好まし
い。この場合、スリット幅は0.2〜2mm程度、スリッ
ト長手方向の寸法は合金薄帯幅の3倍以上、スリットと
冷却ロール周面との距離は0.2〜15mm程度であるこ
とが好ましい。また、噴射圧力は1〜9kg/cm2程度であ
ることが好ましい。スリットと冷却ロール周面との距離
が前記範囲未満となるとスリットと冷却ロール周面上の
合金とが接触することがある。また、前記距離が前記範
囲を超えると噴射された不活性ガスが拡散し、所定の効
果が得られにくくなり、また、パドルが冷却され易くな
る。
【0077】不活性ガスを吹き付けるための手段に特に
制限はないが、本発明では、上記したようなスリット状
等の不活性ガス噴射口を有する噴射部材を用いることが
好ましい。また、噴射部材を回転または移動することに
より、不活性ガス流の吹き付け位置、すなわち、不活性
ガス流のノズルに近い側の端部が合金に接触する位置を
変更することができる構成とすることが好ましい。
【0078】具体的には、図3に示されるような噴射部
材を用いることが好ましい。図3に示される噴射部材1
00は、円筒状の周壁101と、この周壁101を貫通
するスリット状噴射口102とを有する。スリット状噴
射口102の長手方向は噴射部材の軸、すなわち円筒状
の周壁101の軸とほぼ平行である。円筒状の周壁10
1の一方の端部(図示例では、紙面の表側に存在す
る。)は閉塞されており、他方の端部には、連通孔10
3を介して周壁101内に連通するガス管104が接続
され、これにより不活性ガスが噴射部材100内部に送
り込まれるように構成されている。噴射部材100内に
充填された不活性ガスは、スリット状噴射口102から
方向性をもって噴射される。
【0079】このような噴射部材100は、噴射部材の
軸と前記冷却ロールの軸とがほぼ平行となるように冷却
ロール近傍に配置される。そして、噴射部材100を、
その軸がほぼ回転中心となるように回転させることによ
り、不活性ガス流の吹き付け方向を自在に変更すること
ができる。
【0080】この態様にて製造された永久磁石材料は、
冷却時に吹き付けた不活性ガスが、ロール面近傍よりも
フリー面近傍により多く含まれていることを検出するこ
とが可能である。例えば、吹き付ける不活性ガスとして
ArガスやN2 ガスを用いた場合、オージェ分析等によ
り容易に検出することができる。この場合、不活性ガス
の含有量は、フリー面から厚さ方向に50nm以下の範囲
で、例えば50〜500ppm 程度である。
【0081】なお、合金溶湯に吹き付ける不活性ガス
は、雰囲気ガスと同種のものを用いることが好ましい。
【0082】本発明で用いる冷却ロールの寸法に特に制
限はなく、目的に応じて適当な寸法とすればよいが、通
常、直径150〜1500mm、幅20〜100mm程度で
ある。また、ロール中心には、水冷用の孔が設けられて
いてもよい。
【0083】ロールの周速度は、合金溶湯の組成、目的
とする永久磁石材料の組織構造、熱処理の有無等の各種
条件によっても異なるが、好ましくは1〜50m/s 、特
に5〜35m/s とすることが好ましい。周速度が上記範
囲未満であると、得られる永久磁石材料の大部分の結晶
粒が大きくなりすぎる。また、周速度が上記範囲を超え
ると、大部分が非晶質となり磁気特性が低下する。
【0084】なお、通常、冷却ロールはその軸がほぼ水
平となるように設置される。この場合、ノズルは図1に
示されるように冷却ロールの軸を通る鉛直線上に設けて
もよいが、必要に応じて前記鉛直線の冷却ロール回転方
向前側(図中右側)または後ろ側(図中左側)に設けて
もよい。
【0085】片ロール法において上記した風防を設けな
い場合、および双ロール法を用いる場合には、溶湯状合
金が衝突する冷却ロール周面付近を1Torr以下の不活性
ガス雰囲気に保って合金の冷却を行なうことが好まし
い。片ロール法および双ロール法では、冷却ロール周面
付近の不活性ガスが、冷却ロールの回転に伴って溶湯状
合金と冷却ロール周面との間に巻き込まれる。巻き込ま
れた不活性ガスは、合金と冷却ロール周面との接触を阻
害するため合金の冷却速度が低下し、巻き込み部分での
結晶粒が粗大化する。このため、ロール面側の結晶粒径
が不均一となり、また、フリー面側もその影響を受け、
結晶粒径が大きくなってしまう。
【0086】しかし、冷却を1Torr以下の雰囲気中で行
えば、合金と冷却ロール周面との間に不活性ガスが巻き
込まれることがなくなり、合金と冷却ロール周面との密
着性が向上してロール面の冷却速度の部分的なばらつき
がなくなり、微細で均一な結晶粒組織が得られ、高い磁
気特性を有する永久磁石が実現する。
【0087】なお、雰囲気圧力の下限は特にないが、合
金を溶湯化するために高周波誘導加熱法を用いる場合、
雰囲気圧力が10-3Torr未満、特に10-4Torr未満とな
ると高周波誘導加熱用コイルと冷却ロールとの間などで
放電が生じ易くなるため、コイルの絶縁を厳重にするこ
とが好ましい。
【0088】1Torr以下の雰囲気にて製造された永久磁
石材料は、ロール面側に雰囲気ガス巻き込みに起因する
凹部が殆どみられず、また、ロール面近傍での結晶粒径
の均一性が高い。例えば、ロール面近傍領域における結
晶粒径の標準偏差を、10nm以下、特に7nm以下とする
ことが容易にできる。
【0089】なお、1Torr以下の雰囲気で冷却する場合
にも、上記した不活性ガス流の吹き付けは有効である。
【0090】本発明の冷却ロールで冷却される合金溶湯
は、R(ただし、RはYを含む希土類元素の1種以上で
ある。)と、FeまたはFeおよびCoと、Bとを含有
するものであれば組成に特に制限はなく、どのような組
成であっても本発明の効果は実現する。
【0091】そして、最終的に製造される永久磁石材料
は、実質的に正方晶系の結晶構造の主相のみを有する
か、このような主相と、非晶質および/または結晶質の
副相とを有するものである。R−T−B化合物(TはF
eおよび/またはCo)として安定な正方晶化合物はR
214B(R=11.76原子%、T=82.36原子
%、B=5.88原子%)であり、主相は実質的にこの
化合物から形成される。また、副相は、主相の結晶粒界
として存在する。
【0092】上記した領域Dにおける平均結晶粒径d
は、0.01〜2μm 、特に0.02〜1.0μm であ
ることが好ましく、領域Pにおける平均結晶粒径pは、
0.005〜1μm 、特に0.01〜0.75μm であ
ることが好ましい。平均粒径がこの範囲未満であるとエ
ネルギー積が低下し、この範囲を超えると高い保磁力が
得られない。これらの領域中における平均結晶粒径の測
定は、走査型電子顕微鏡によって行なうことが好まし
い。
【0093】また、結晶粒界の幅は、領域Dにおいて
0.001〜0.1μm、特に0.002〜0.05μm
であることが好ましく、領域Pにおいて0.001〜
0.05μm 、特に0.002〜0.025μm である
ことが好ましい。結晶粒界の幅がこの範囲未満であると
高い保磁力が得られず、この範囲を超えると飽和磁束密
度が低下する。
【0094】なお、永久磁石材料の厚さは、10μm 以
上とすることが好ましい。厚さが10μm 未満となる
と、ボンディッド磁石にする際の粉末化工程およびその
ハンドリングにおいて不必要に表面積が増大し、酸化し
やすくなるからである。
【0095】片ロール法を用いる場合、永久磁石材料の
厚さは60μm 以下とすることが好ましい。このような
厚さとすることにより、ロール面側とフリー面側との平
均結晶粒径の差を小さくすることができる。また、上記
Ra の冷却ロールを用いれば広い周速度範囲においてほ
ぼ一定の冷却速度が得られるため、溶湯状合金の射出ノ
ズルの径を絞ることなく45μm 以下の厚さの薄帯状永
久磁石材料を得ることができる。
【0096】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0097】銅ベリリウム合金製の円筒状基材の周面
に、一般的なサージェント浴を用いた電気めっき法によ
りCr表面層を形成し、冷却ロールを作製した。基材の
熱伝導度は3.6J/(cm・s・K)、表面層の熱伝導度は0.
43J/(cm・s・K)であった。
【0098】さらに、電気めっき条件(浴温度、電流密
度)を変えて、ほぼ同一の熱伝導度のCr表面層を有す
る冷却ロールを作製した。
【0099】これらの冷却ロールのCr表面層のビッカ
ース硬度Hv を下記表1に示す。
【0100】これらの冷却ロールを片ロール法に適用
し、永久磁石材料を下記のようにして作製した。
【0101】まず、9.4Nd−2.5Zr−8.1B
−80Feの組成(数値は原子百分率を表わす)を有す
る合金インゴットをアーク溶解により作製した。得られ
た合金インゴットを石英ノズルに入れ、高周波誘導加熱
により溶湯とした。
【0102】この溶湯を、冷却ロールにより高速急冷
し、幅2mm、厚さ45μm の薄帯状永久磁石材料を製造
した。高速急冷はArガス雰囲気で行ない、雰囲気圧力
は1気圧とした。溶湯射出ノズル先端と冷却ロール周面
との距離は0.5mm、溶湯射出圧力は1kg/cm2とし、加
圧にはArガスを用いた。また、冷却ロールの周速度は
20m/s とした。
【0103】そして、合金溶湯の冷却を続けたときの、
Cr表面層のRa および厚さの変化と、磁気特性の変化
および iHc がその最大値の80%以上となる周速度の
幅V80の変化とを調べた。なお、V80の値が大きいほど
磁気特性の周速度依存性は低いことになる。
【0104】合金溶湯の冷却量とこれらの変化との関係
を表1に示す。なお、Cr表面層の初期の厚さおよびR
a を併記する。
【0105】なお、各永久磁石材料のロール面から20
nm以下のCr含有量は、約100ppm であった。
【0106】
【表1】
【0107】表1に示される結果から本発明の効果が明
らかである。すなわち、Cr表面層のHv が500以上
である冷却ロールを用いた場合、Cr表面層のRa およ
び厚さの変化が殆どなく、その結果、良好な磁気特性が
維持されている。一方、Cr表面層のHv が500未満
であると、Cr表面層のRa および厚さが減少し、磁気
特性が低下している。また、Cr表面層のHv が120
0を超えている場合、合金溶湯の冷却量が60kgとなっ
たときにCr表面層に剥離が発生してしまっている。
【0108】なお、得られた永久磁石材料を、その断面
が容易に観察できる方向に切断し、フリー面から薄帯厚
さの1/5までの範囲の平均結晶粒径dおよびロール面
から薄帯厚さの1/5までの範囲の平均結晶粒径pを走
査型電子顕微鏡で測定してd/pを算出したところ、冷
却ロールNo. 2および3を用いた場合には、d/pが全
て10以下であった。
【0109】次に、図1に示される風防2を設け、その
他は上記と同様にして永久磁石材料を作製した。風防は
Cu薄板とし、ノズルに対する位置は固定した。冷却ロ
ール基材の寸法は、直径500mm、幅60mmとし、風防
の寸法は、幅80mm、厚さ0.5mm、風防下端の折れ曲
がり部の長さは5mmとした。また、冷却ロール周面と風
防との距離は1mmとし、風防最下端とノズル中心軸との
距離は20mmとした。この場合、永久磁石材料ロール面
にみられたArガス巻き込みに起因する周波数の低い凹
凸が観察されなかった。そして、領域Pにおける平均結
晶粒径の標準偏差が、上記各永久磁石材料では15nm程
度であったのに対し、10nm以下となり、磁気特性の向
上が認められた。
【0110】また、上記した風防を設けた場合と設けな
い場合について、ノズルの位置におけるガス流の風速を
測定した。ただし、風速測定点の冷却ロール周面から高
さは5mmとした。冷却ロールの周速度とガス流の風速と
の関係を図4に示す。図4から、風防を設けることによ
り効果的にガス流が遮断されていることがわかる。
【0111】さらに、図1に示されるように、ノズル1
2と風防2との間に、図1および図2に示される構成の
吸気部材200を設け、その他は上記と同様にして永久
磁石材料を作製した。吸気部材200のスリット状吸気
口202の長さおよび幅は、それぞれ5mmおよび0.5
mmとした。また、スリット状吸気口202の中心位置
は、ノズル12の中心から10mmとし、冷却ロール13
周面から2mmの高さとした。吸気部材にはロータリーポ
ンプを接続し、50 l/minで吸気を行なった。この永久
磁石材料では、d/pがさらに減少し、(BH)max がさら
に向上した。
【0112】また、合金溶湯の急冷時に、図1に示され
るように、合金111を挟んで冷却ロール13周面に向
かう方向にArガスを吹き付けながら冷却し、永久磁石
材料を作製した。このときガスの吹き付け方向と、冷却
により得られた薄帯状永久磁石材料の進行方向との成す
角度は120°とし、ガスの噴射圧力は2kg/cm2とし
た。また、合金にあたるArガス流のノズル側端部と、
冷却ロール周面のノズル直下位置との距離が、ノズル径
の6倍になるように吹き付けを行なった。Arガスの吹
き付けには、図3に示されるような噴射部材を用いた。
この結果、d/pがさらに減少し、磁気特性の向上が認
められた。そして、得られた永久磁石材料をオージェ分
析したところ、フリー面から50nm以下の範囲で200
ppm 、ロール面から50nm以下の範囲で30ppm のAr
の含有が認められた。
【0113】また、雰囲気圧力を1Torr以下として冷却
を行なったところ、風防を設けた場合と同様に、Arガ
ス巻き込みに起因する周波数の低い凹凸が永久磁石材料
のロール面にみられなくなった。そして、領域Pにおけ
る平均結晶粒径の標準偏差が7nm以下となり、磁気特性
の向上が認められた。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、高性能な永久磁石材料
を安定して量産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】永久磁石材料製造装置の好適構成例を示す断面
図である。
【図2】不活性ガスの吸気部材の好適例を示す断面図で
ある。
【図3】不活性ガスの噴射部材の好適例を示す断面図で
ある。
【図4】冷却ロールの周速度と、冷却ロール回転により
生じるガス流の風速との関係を表わすグラフである。
【符号の説明】
11 合金溶湯 111 合金 112 薄帯状永久磁石材料 113 パドル 12 ノズル 13 冷却ロール 131 基材 132 表面層 100 噴射部材 101 側壁 102 スリット状噴射口 103 連通孔 104 ガス管 200 吸気部材 201 側壁 202 スリット状吸気口 203 連通孔 204 ガス管

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(ただし、RはYを含む希土類元素の
    1種以上である。)と、FeまたはFeおよびCoと、
    Bとを含有する溶湯状の合金を冷却して永久磁石材料を
    製造するための冷却ロールであって、 基材とこの基材周面に形成されたCr表面層とを有し、 前記基材の熱伝導度が前記Cr表面層の熱伝導度より高
    く、 前記Cr表面層の、溶湯状の合金と接触する表面のビッ
    カース硬度Hv が、500以上であることを特徴とする
    永久磁石材料製造用冷却ロール。
  2. 【請求項2】 R(ただし、RはYを含む希土類元素の
    1種以上である。)と、FeまたはFeおよびCoと、
    Bとを含有する溶湯状の合金を冷却して永久磁石材料を
    製造するための冷却ロールであって、 基材とこの基材周面に形成されたCr表面層とを有し、 前記基材の熱伝導度が前記Cr表面層の熱伝導度より高
    く、 前記Cr表面層の、溶湯状の合金と接触する表面のビッ
    カース硬度Hv が、1200以下であることを特徴とす
    る永久磁石材料製造用冷却ロール。
  3. 【請求項3】 前記Cr表面層の、溶湯状の合金と接触
    する表面のビッカース硬度Hv が、500以上である請
    求項2に記載の永久磁石材料製造用冷却ロール。
  4. 【請求項4】 前記Cr表面層の、溶湯状の合金と接触
    する表面の中心線平均粗さRa が、0.07〜5μm で
    ある請求項1ないし3のいずれかに記載の永久磁石材料
    製造用冷却ロール。
  5. 【請求項5】 前記Cr表面層の厚さが、10〜100
    μm である請求項1ないし4のいずれかに記載の永久磁
    石材料製造用冷却ロール。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の永
    久磁石材料製造用冷却ロールを用いることを特徴とする
    永久磁石材料の製造方法。
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Cited By (6)

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