JPH0455042A - 永久磁石材料の製造方法 - Google Patents

永久磁石材料の製造方法

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JPH0455042A
JPH0455042A JP2163355A JP16335590A JPH0455042A JP H0455042 A JPH0455042 A JP H0455042A JP 2163355 A JP2163355 A JP 2163355A JP 16335590 A JP16335590 A JP 16335590A JP H0455042 A JPH0455042 A JP H0455042A
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roll
permanent magnet
cooling
cooling roll
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JP2163355A
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Akira Fukuno
亮 福野
Hideki Nakamura
英樹 中村
Tetsuto Yoneyama
米山 哲人
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Original Assignee
TDK Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
    • H01F1/04Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
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    • H01F1/053Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
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    • H01F1/057Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B
    • H01F1/0571Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、R(RはYを含む希土類元素である。 以下
同じ、)、Fej5よびBを含むか、あるいはさらにC
Oを含む Fe−(Co)−R−B系の永久磁石材料の製造方法に
関する。
〈従来の技術〉 高性能を有する希土類磁石としては、粉末冶金法による
Sm−Co系磁石でエネルギー積32MGOeのものが
量産されている。
しかし、このものは、Sm、Coの原料価格が高いとい
う欠点を有する。 希土類元素の中では原子量の小さい
元素、例えば、セリウムやプラセオジム、ネオジムは、
サマリウムよりも豊富にあり価格が安い、 また、Fe
はCoに比べ安価である。
そこで、近年Nd−Fe−B等の R−Fe−B系磁石が開発され、特開昭60−9852
号公報では高速急冷法によるものが開示されている。
高速急冷法は、金属の溶湯を冷却基体表面に衝突させて
急冷し、薄帯状、薄片状、粉末状などの金属を得る方法
であり、冷却基体の種類により、片ロール法、双ロール
法、ディスク法等に分類される。
これらの高速急冷法のうち、片ロール法では冷却基体と
して1個の冷却ロールを用いる。
そして、溶湯状の合金をノズルから射圧し、ノズルに対
して回転している冷却ロールの周面に衝突させ、冷却ロ
ール周面と接触させることにより合金を一方向から冷却
し、通常、薄帯状の急冷合金を得る。 合金の冷却速度
は、通常、冷却ロールの周速度により制御される。
片ロール法は、機械的に制御する部分が少な(安定性が
高(、経済的であり、また、保守も容易であるため汎用
されている。
また、双ロール法は、一対の冷却ロールを用い、これら
の冷却ロール間に溶湯状の合金を挟んで対向する二方向
から冷却する方法である。
〈発明が解決しようとする課題〉 片ロール法により製造された急冷合金は、冷却時に冷却
ロール周面と接触した面(以下、ロール面という、)側
における冷却速度がロール面に対向する面(以下、フリ
ー面という、)側における冷却速度よりも大きいため、
例えばフリー面側の結晶粒径はロール面側の結晶粒径の
10倍程度以上にも達してしまう。
一方、双ロール法により製造された急冷合金にはフリー
面は存在しないが、両ロール面の中央付近における冷却
速度が遅くなるため、急冷合金の厚さ方向中央付近の結
晶粒径が大きくなってしまう。
このため、最適な結晶粒径を有する領域が極めて狭(な
ってしまい、高い磁気特性を得ることが困難である。
また、このため、急冷合金を粉砕したとき、得られる磁
石粉末中には高磁気特性の磁石粒子と低磁気特性の磁石
粒子とが混在することになり、この磁石粉末を樹脂バイ
ンダ中に分散しボンディッド磁石とした場合、磁石全体
として高磁気特性が得られないばかりでな(、磁気特性
が部分的に異なるボンディッド磁石となってしまう。
本発明は、このような事情からなされたものであり、片
ロール法または双ロール法を用いて永久磁石材料を製造
する方法であって、永久磁石材料の冷却方向での磁気特
性の不均一さが抑えられる方法を提供することを目的と
する。
〈課題を解決するための手段〉 このような目的は、下記(1)〜(11)の本発明によ
り達成される。
(1)R(ただし、RはYを含む希土類元素の1種以上
である。)と、FeまたはFeおよびCOと、Bとを含
有する溶湯状の合金をノズルから射出し、ノズルに対し
て回転している冷却ロールの周面に衝突させ、冷却ロー
ル周面と接触させることにより前記合金を一方向または
対向する二方向から冷却する工程を有する永久磁石材料
の製造方法であって、 前記冷却ロールが、基材とこの基材周面に形成された表
面層を有するものであり、この表面層の熱伝導度が前記
基材の熱伝導度より低(。
前記表面層の厚さが10−100μmであることを特徴
とする永久磁石材料の製造方法。
(2)前記表面層の厚さが20〜50戸である上記(1
)に記載の永久磁石材料の製造方法。
(3)前記冷却ロールの表面層が、Cr、Ni、Go、
Nbおよび■から選択される少なくとも1種の元素を含
有する金属または合金等の熱伝導度が0.6J/(cm
・s・K)以下である材質から構成され、液相めっき、
気相めっき、溶射、薄板の接着または円筒状部材の焼き
ばめ等により形成されている上記(1)または(2)に
記載の永久磁石材料の製造方法。
(4)前記冷却ロールの基材が、銅または銅系合金等の
熱伝導度1.4 J/(cm・s・K)以上である材質
から構成されている上記(1)ないしく3)のいずれか
に記載の永久磁石材料の製造方法。
(5)溶湯状の合金が衝突する冷却ロール周面付近をI
 Torr以下の不活性ガス雰囲気に保って合金の冷却
を行なう上記(1)ないしく4)のいずれかに記載の永
久磁石材料の製造方法。
(6)前記合金を一方向から冷却する方法であって、 冷却ロール周面に向かう方向に不活性ガス流を吹き付け
ることにより、冷却ロール周面付近に存在する合金と冷
却ロール周面との接触時間を延長させる上記(1)ない
しく5)のいずれかに記載の永久磁石材料の製造方法。
(7)前記不活性ガス流を形成するための噴射部材がス
リット状等の不活性ガス噴射口を有し、前記噴射部材を
回転または移動することにより、不活性ガス流のノズル
に近い側の端部が合金に接触する位置を変更する上記(
6)に記載の永久磁石材料の製造方法。
(8)前記不活性ガス流を形成するための噴射部材がス
リット状等の不活性ガス噴射口を有し、前記不活性ガス
噴射口の下端と冷却ロール周面との距離を、100μ〜
3層鳳、好ましくは150μm〜0.5mmに保って不
活性ガスの噴射を行なう上記(6)または(7)に記載
の永久磁石材料の製造方法。
(9)得られる永久磁石材料のフリー面から厚さ方向に
50nm以下の範囲における不活性ガスの含有量が50
〜5oopp■である上記(6)ないしく8)のいずれ
かに記載の永久磁石材料の製造方法。
(10)前記合金を一方向から冷却する方法であって、 冷却ロールをその軸がほぼ水平となるように配置し、 溶湯状の合金を、冷却ロール周面に衝突させた後に冷却
ロール周面の最も高い位置を通過させる上記(1)ない
しく9)のいずれかに記載の永久磁石材料の製造方法。
(11)合金溶湯が冷却ロール周面に衝突する位置と冷
却ロールの軸とを含む面と、冷却ロール周面の最も高い
位置と冷却ロールの軸とを含む面とのなす角度が、1〜
45度である上記(10)に記載の永久磁石材料の製造
方法。
〈作用〉 従来、高速急冷方法における冷却ロールの材質には、溶
湯状合金との濡れ性、熱伝導度、熱容・量、耐摩耗性等
を考慮し、目的に応じて、銅、銅ベリリウム合金、ステ
ンレス、工具鋼等の種々の金属や合金が用いられている
が、冷却ロールが1種類の材質だけから構成されている
場合、下記のような問題が生じる。
すなわち、銅系材料は熱伝導度が高く、例えば銅の熱伝
導度は3 、85 J/(cm・SK)であり早い冷却
速度を得ることができるが、熱の移動が早すぎるために
、得られる金属薄帯はロール面側とフリー面側とで冷却
速度に差が生じてしまう、 また、銅系材料は耐摩耗性
が低いという欠点も有する。
また、例えば、鉄系材料は銅系材料のような問題は生じ
ないが、逆に熱伝導度が小さい〔ステンレスの熱伝導度
は0 、245 J/(c[5K))ために冷却速度が
不十分となり、所望の組織構造の磁性金属が得られに(
い、 しかも、熱伝導度の低い材質を冷却ロールに用い
て合金溶湯の高速急冷を連続的に行なった場合、冷却ロ
ール芯部への熱の伝導が不十分となるために冷却ロール
周面付近の温度上昇が著しくなる。
このため、冷却速度が次第に低(なってしまい、良好な
特性の磁性金属が得られず、また、同一ロット内での特
性のバラツキを生じる。
本発明では、冷却ロールに表面層を設け、この表面層の
熱伝導率を基材の熱伝導率よりも低いものとし、さらに
、表面層の厚さを最適範囲に設定したため、単一材料で
構成された従来の冷却ロールの欠点が改良され、ロール
面側の冷却速度とフリー面側の冷却速度との差が小さく
なる。
また、本発明では、冷却ロールとして、合金溶湯と接触
する周面の中心線平均粗さRaが上記範囲のものを用い
ることが好ましい。
一般に、冷却ロールの周速度が速くなるほど合金の冷却
速度は増加する。 これは、周速度が速くなると、単位
時間あたりに供給される冷却ロール周面の面積が増加す
るためである。
ところが、上言己したRaの周面を有する冷却ロールを
用いると、冷却ロール周面と接触した合金溶湯は、冷却
ロール周面の凸部とは密着するが凹部との密着性が低く
、周速度が速くなるほど凹部との密着性はさらに低下す
る。 このため、周速度が速いほど冷却ロール周面と合
金との接触面積が小さくなり、冷却速度は低下する。
従って、上記Raの周面を有する冷却ロールの周速度を
増加させると、供給される冷却ロール周面面積増大によ
る冷却速度増加と、上記Raの冷却ロール周面に起因す
る冷却速度低下とが総合され、結果として合金の冷却速
度は殆ど変わらない、 従って、得られる永久磁石材料
は、冷却ロールの周速度が変動しても結晶粒径が殆ど変
化せず、磁気特性の周速度依存性が極めて低い。
このため、冷却ロールの周速度管理を厳密にする必要が
なく、また装置の実用的な寿命も伸び、低コストにて量
産することができる。
また、広範囲の周速度にてほぼ一定の冷却速度が得られ
るため、最適冷却速度を保ったまま周速度変更により永
久磁石材料の厚さ変更を自在に行なうことができる。
そして、永久磁石材料の厚さが薄いほどロール面側とフ
リー面側との結晶粒径の差が小さくなるため、上記した
表面層を有する冷却ロールの効果は、さらに向上する。
なお、合金溶湯射出ノズル径を細くすることによっても
薄い永久磁石材料を得ることができるが、R−Fe−B
系合金は射出ノズルと反応し易いので、径の細いノズル
により連続的に溶湯状合金の射出を行なうとノズルに閉
塞を生じ易い、 しかし、冷却ロールの周速度を増加さ
せることにより薄い合金薄帯を製造する場合、ノズル閉
塞が生じないので量産性が良好である。
上記Raの局面を有する冷却ロールを用いて得られた永
久磁石材料のロール面のRaは、通常、冷却ロール周面
のRa以下となる。 これは、上記したように冷却ロー
ルの周速度が増加するほど合金と冷却ロールとの密着性
が低下するためである。
また、本発明では、溶湯状合金の急冷を、1Torr以
下の不活性ガス雰囲気中で行なうことが好ましい。
R−Fe−B系合金は極めて酸化され易いため、その高
速急冷は不活性ガス雰囲気中で行なわれるが、片ロール
法および双ロール法では、冷却ロール周面付近の不活性
ガスが、冷却ロールの回転に伴って溶湯状合金と冷却ロ
ール周面との間に巻き込まれる。 巻き込まれた不活性
ガスは、合金と冷却ロール周面との接触を阻害するため
合金の冷却速度が低下し、巻き込み部分での結晶粒が粗
大化する。
このため、ロール面側の結晶粒径が不均一となり、また
、フリー面側もその影響を受け、結晶粒径が大きくなっ
てしまう。
そこで、冷却をl Torr以下の雰囲気中で行なうこ
とにより、合金と冷却ロール周面との間に不活性ガスが
巻き込まれることがなくなり、合金と冷却ロール周面と
の密着性が向上してロール面の冷却速度の部分的なばら
つきがなくなり、微細で均一な結晶粒組織が得られ、高
い磁気特性を有する永久磁石が実現する。
また、本発明を片ロール法に適用する場合、冷却ロール
周面に向かう方向に不活性ガス流を吹き付けることによ
り、冷却ロール周面付近に存在する合金を冷却ロール側
に押し付け、合金と冷却ロール周面との接触時間を延長
させることが好ましい。
片ロール法では、回転する冷却ロール周面に衝突した溶
湯状の合金は、冷却ロール周面に引きずられるようにし
て薄帯状となって冷却され、次いで冷却ロール局面から
離れる。
このような片ロール法において、合金が十分に長く冷却
ロール周面と接触していれば、ロール面側とフリー面側
とは共に冷却ロールへの熱伝導により比較的均一に冷却
される。 すなわち、結晶粒径の均一な急冷合金を得る
ためには、合金のロール面側がほぼ凝固していてフリー
面側が溶融状態にあるときに、合金が冷却ロール周面と
十分に接触していることが必要とされる。
しかし、溶湯状のR−Fe−B系合金は冷却ロール周面
に衝突後、速やかにロール周面から離れるため、ロール
面側では主として冷却ロールへの熱伝導により冷却され
るが、フリー面側では主として雰囲気中への放熱により
冷却されることになり、ロール面側とフリー面側とで冷
却速度が極端に違ってしまう。
そこで、上記方法により合金と冷却ロール周面との接触
時間を延長させれば、フリー面側の冷却において冷却ロ
ールへの熱伝導に依存する割合が増加し、ロール面側と
フリー面側との冷却速度Q差が著しく小さくなる。
また、不活性ガスはフリー面側に吹き付けられるので、
フリー面側の冷却速度はさらに向上する。
従って、ロール面側とフリー面側とで冷却速度の差が小
さくなる。
また、冷却効率が向上するため、必要とされる冷却ロー
ルの回転速度が例えば5〜15%程度低くなり、冷却装
置の負担が少なくなる。
〈具体的構成〉 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明では、R(ただし、RはYを含む希土類元素の1
種以上である。)と、FeまたはFeおよびCOと、B
とを含有する溶湯状の合金をノズルから射出し、ノズル
に対して回転している冷却ロールの周面と接触させるこ
とにより前記合金を一方向または対向する二方向から冷
却して永久磁石材料を製造する。
すなわち、本発明では、溶湯状合金の急冷に片ロール法
または双ロール法を用いる。
本発明では、冷却ロールとして、基材とこの基材周面に
形成された表面層を有し、表面層の熱伝導度が基材の熱
伝導度より低く構成されているものを用いる。
本発明では表面層の熱伝導度が0.6J/(cm−s、
K)以下、特に0 、45 J/(c+o−s・K)以
下であることが好ましい。 熱伝導度が上記範囲を超え
ると、冷却開始後に速やかに表面層温度が一定とならず
、本発明の効果が不十分となる。 また、表面層の熱伝
導度の下限に特に制限はないが、0 、I J/(cm
・s・K)未満になると熱移動が悪(なるため表面層の
表面付近のみが高温となり、焼き付きが発生する場合も
ある。
なお、本発明における熱伝導度は、常温、常圧での値で
ある。
冷却ロールの耐久性を考慮すると、表面層を構成する材
質は融点および耐摩耗性が高い材質から選択されること
が好ましい。
本発明において表面層を構成する好ましい材質は、Cr
、Ni、Co、Nb、■等の単体あるいはステンレス、
焼き入れ鋼等のこれらのうちの1種以上を含有する合金
である。 合金である場合、これらの元素は20wt%
以上含有されることが好ましい。
本発明では、このような表面層の厚さを、10〜1QQ
H,特に20〜50μとする。
表面層の厚さが前記範囲内であれば、基材への熱移動が
速やかに行なわれ、その結果、主として低R相から構成
される粒界相の析畠が良好となり、高いBrが得られる
。 表面層の厚さが前記範囲を外れると、このような効
果は得られない。
なお、前記範囲内における具体的厚さの決定は1表面層
形成方法、その構成材料の熱伝導度、冷却ロールの寸法
、冷却ロールと合金溶湯との相対速度などの種々の条件
を考慮して行なえばよい。
表面層の形成方法に特に制限はなく、その材質などに応
じて、液相めつき、気相めっき、溶射、薄板の接着、円
筒状部材の焼きばめ等の種々の方法から選択することが
できる。 なお、表面層形成後、必要に応じてその表面
を研磨してもよい。
なお、得られる永久磁石材料のロール面近傍は1表面層
構成元素を含むことがある。 永久磁石材料に含有され
る冷却ロール表面層構成元素は、高速急冷時に冷却ロー
ル周面から拡散されたものである。 この場合、表面層
構成元素の含有量は、ロール面から厚さ方向に2Or+
a+以下の範囲で、10〜500 ppm程度である。
冷却ロールの基材は、上記のような熱伝導度の関係を満
たす材質から構成されれば、その他特に制限はなく選択
することができ、例えば、銅、銅系合金、銀、銀系合金
等を好適に用いることができ、融点の低い合金の高速急
冷に用いる場合にはアルミニウム、アルミニウム系合金
も用いることができるが、熱伝導度が高いこと、安価で
あることなどから、銅または銅系合金を用いることが好
ましい。 銅系合金としては、銅ベリリウム合金等が好
ましい。
なお、基材の熱伝導度の範囲は、2.5J/(c[s・
K)以上であることが好ましく、より好ましくは1.4
 J/(cm・s−K)以上、さらに好ましくは2 J
/(cm−s−K)以上である。
本発明において、基材構成材質と表面層構成材質の好ま
しい組み合わせは、銅系合金の基材とNi、Coまたは
Crの表面層であり、これらのうちCoまたはCrの表
面層がより好ましく、Crの表面層がよりいっそう好ま
しい。
上記した冷却ロールを用いて得られる永久磁石材料は、
高速急冷時に冷却ロールに接触した面(ロール面)から
永久磁石材料の厚さ方向に最も遠い領域をDとし、ロー
ル面の近傍傾城をPとしたとき、Dにおける平均結晶粒
径dと、Pにおける平均結晶粒径pとの関係を、d /
 p≦4、好ましくはd / p≦2.5とすることが
できる。
なお、d/pの下限は通常1であるが、前述した冷却ロ
ールを用いた場合、1.5≦d / p≦2程度の良好
な値を容易に得ることができる。
本発明では、合金溶湯な一方向から高速急冷する方法と
、二方向から高速急冷する方法のいずれを用いてもよい
が、一方向から高速急冷する場合と二方向から高速急冷
する場合とでは、平均粒径を算出するための測定範囲で
ある領域りの位置が異なる。
まず、合金溶湯を一方向から高速急冷する方法を用いた
場合の好適例として、片ロール法を用いた場合について
説明する。
本発明で用いる高速急冷法において、得られる永久磁石
材料の形状は、通常、薄帯状、薄片状あるいは扁平粒子
から構成される粉末状であり、このような形状の永久磁
石材料は、ロール面およびそれと対向する面(フリー面
)が主面となる。 本発明において永久磁石材料の厚さ
方向とは、この主面の法線方向を意味する。
片ロール法を用いた場合、上記した領域りはフリー面近
傍領域であり、領域Pはロール面近傍領域となる。
この場合、領域りおよび領域Pの磁石厚さ方向の幅は、
いずれも磁石厚さの115とする。
なお、合金溶湯を一方向から高速急冷する方法としては
、片ロール法の他、金属溶湯を露状とした後に円盤状等
の適当な形状を有する冷却基体に衝突させる方法が挙げ
られる。 本発明は、このような方法にも適用すること
ができる。
なお、この場合、金属溶湯を霧状とするためには、不活
性ガス等の気体を用いる〃スアトマイズ法を選択するこ
とが好ましい。 このような方法としては、特願昭63
−222982号に記載されている方法を用いることが
好ましい。
この方法においても、上記片ロール法と同様にして領域
りおよびPを決定する。
合金溶湯を対向する二方向から高速急冷する方法を用い
た場合の好適例として、双ロール法を用いた場合につい
て説明する。
双ロール法を用いた場合、領域りは、対向する両生面間
の中央領域であり、領域Pは、ロール面近傍領域である
この場合、領域りおよび領域Pの磁石厚さ方向の幅は、
いずれも磁石厚さの115とする。
これらの領域中における平均結晶粒径の測定は、走査型
電子顕微鏡によって行なうことが好ましい。
領域りにおける平均結晶粒径dは、0,01〜2−5特
に0.02〜1.0鱗であることが好ましく、領域Pに
おけろ平均結晶粒径pは、0.005〜1μ、特に0.
01〜0. 75111であることが好ましい、 平均
粒径がこの範囲未満であるとエネルギー積が、低下し、
この範囲を超えると高い保磁力が得られない。
また、結晶粒界の幅は、領域りにおいて0.001〜0
.1−1特に0.002〜0.0s・であることが好ま
しく、領域Pにおいて0.001〜0.05%、特に0
.002〜0.02s・であることが好ましい。 結晶
粒界の幅がこの範囲未満であると高い保磁力が得られず
、この範囲を超えると飽和磁束密度が低下する。
なお、本発明により得られる永久磁石材料の厚さは、1
0μ以上とすることが好ましい。
厚さが10−未満となると、ボンディッド磁石にする際
の粉末化工程およびそのハンドリングにおいて不必要に
表面積が増大し、酸化しやすくなるからである。
本発明では、片ロール法および双ロール法に用いる冷却
ロールとして、溶湯状合金と接触する周面の中心線平均
粗さRaが0.07〜1.7−1特に0.15〜1.2
μmである冷却ロールを用いることが好ましい。
冷却ロール周面のRaが前記範囲未満であると、周速度
を増加させても冷却ロール周面と合金との密着性が低下
せず、冷却速度の周速度依存性が高くなってしまう、 
冷却ロールのRaが前記範囲を超えると、薄帯状永久磁
石材料の厚さに対して冷却ロール周面の表面粗さが無視
できない程太き(なり、薄帯厚さの不均一をまねくので
好ましくない。
なお、中心線平均粗さRaは、JIS B 0601に
蜆定されている。
仁のような冷却ロールを用いて得られる永久磁石材料は
、ロール面のRaが0.05〜1.s・1好ましくは0
.13〜1.0−となる。
また、片ロール法を用いる場合に、永久磁石材料の厚さ
は、45μ以下とすることが好ましい。 このような厚
さとすることにより、ロール面側とフリー面側との平均
結晶粒径の差を小さ(することができる、 そして上記
Raの冷却ロールを用いれば広い周速度範囲においてほ
ぼ一定の冷却速度が得られるため、溶湯状合金の射出ノ
ズルの径を絞ることな(4s・以下の厚さの薄帯状永久
磁石材料を得ることができる。
なお、双ロール法を用いる場合、片ロール法と同様な理
由により、永久磁石材料の厚さを90−以下とすること
が好ましい。
本発明では、溶湯状合金の冷却工程を、1Torr以下
の不活性ガス雰囲気中で行なうことが好ましい。
用いる不活性ガスに特に制限はなく、Arガス、Heガ
ス、N8ガス等の各種不活性ガスから適宜選択すればよ
いが、Arガスを用いることが好ましい。
このように圧力I Torr以下の雰囲気にて合金冷却
を行なうことにより、合金と冷却ロール周面との間に雰
囲気ガスを巻き込むことが防止される。
なお、雰囲気圧力の下限は特にないが、合金を溶湯化す
るために高周波誘導加熱法を用いる場合、雰囲気圧力が
10−”Torr未満、特に10−’Torr未満とな
ると高周波誘導加熱用コイルと冷却ロールとの間などで
放電が生じ易(なるため、コイルの絶縁を厳重にするこ
とが好ましい。
l Torr以下の雰囲気にて製造された永久磁石材料
は、ロール面側に雰囲気ガス巻き込みに起因する凹部が
殆どみられず、また、ロール面近傍での結晶粒径の均一
性が高い。
例えば、ロール面近傍領域における結晶粒径の標準偏差
を、10nm以下、特に7nm以下とすることが容易に
できる。
この場合のロール面近傍領域とは、前述した領域Pと同
一であり、ロール面から磁石厚さの115までの領域で
ある。
この領域における結晶粒径の標準偏差は、下記のように
して算出することが好ましい。
まず、上記領域中において、透過型電子顕微鏡により視
野中に結晶粒が約100個以上入る写真を撮影する。 
この写真を上記領域中において無作為に30枚以上、好
ましくは50枚以上撮影し、画像解析等により各視野中
での平均粒径を測定する。 この場合の平均粒径は、通
常、結晶粒を円に換算したときの平均直径となる。 次
いで、これらの平均粒径の標準偏差を求める。
本発明を片ロール法に適用する場合、冷却ロール周面に
向かう方向に不活性ガス流を吹き付けることにより、冷
却ロール周面付近に存在する合金と冷却ロール周面との
接触時間を延長させることが好ましい。
第1図に、不活性ガス流を吹き付ける場合の概念図を示
す。
第1図に示す片ロール法では、合金溶湯11をノズル1
2から射出し、ノズル12に対して回転している冷却ロ
ール13の周面に衝突させ、冷却ロール13周面付近に
存在する合金111を冷却ロール13周面と接触させる
ことにより、合金111を一方向から冷却する。
なお、冷却ロール13は、前述した基材131と表面層
132とから構成される。
そして、冷却ロール13周面に向かう方向に不活性ガス
流を吹き付けることにより、冷却ロール13周面付近に
存在する合金111と冷却ロール13周面との接触時間
を延長させる。
不活性ガス流を吹き付けない場合、冷却ロール13に衝
突後の合金は、図中点線で示したように冷却ロール13
周面から離れ、合金と冷却ロール周面との接触時間は短
くなってしまう。
なお、合金111は、ノズル12からの距離にもよるが
、凝固体ないしは溶融体、あるいはこれらが共に存在す
る状態であり、通常、ロール面側において凝固体の割合
が多く、フリー面側において溶融体の割合が多い薄帯状
である。
不活性ガス流を吹き付ける方向は、合金111を挟んで
冷却ロール13周面に向かう方向であれば特に制限はな
いが、第1図中に矢印で示すように、不活性ガス流の吹
き付は方向と、冷却により得られる薄帯状永久磁石材料
112の進行方向との成す角度が鈍角となるように吹き
付けることが好ま□しい、 この角度は、100〜16
01程度であることが好ましい。
これは、吹き付けられた不活性ガスがパドル(ノズル1
2先端部と冷却ロール13周面との間に存在する合金溶
湯の溜り)に直接あたることを防ぎ、パドルを定常状態
に保つためである。
パドルに不活性ガスが直接吹き付けられると、パドルの
一部が冷却され、その部分の粘度が高くなり、パドルの
形状が変わってしまうこともある。 このため、均一な
厚さの合金薄帯が得られなくなってしまう。
なお、薄帯状永久磁石材料112の進行方向とは、合金
111が冷却ロール13周面から離れる場所での冷却ロ
ール周面の接線方向とほぼ等しい。
また、冷却ロールに衝突した直後の合金は、フリー面か
らかなり深い部分まで溶融状態であり、この状、態の合
金にガスを吹き付けると、ガス流によりフリー面が波打
ち状態になって均一な厚さの合金薄帯が得られず、また
、合金内での熱移動に遅速を生じ、結晶粒径にばらつき
を生じる。
このため、冷却ロールに衝突した直後の合金に不活性ガ
スを吹き付けることは避けることが好ましい。
具体的には1合金に不活性ガスを吹き付ける位置は、ノ
ズル12の直下を起点としてノズル12の径の5倍以上
離れた位置であることが好ましい。
また、パドルから極端に離れた位置では合金のフリー面
側が完全に凝固しているため、不活性ガスを吹き付けて
も本発明の効果は得られない。 従って、冷却ロールの
直径等、他の条件にもよるが、例えば、合金に不活性ガ
スを吹き付ける位置は、ノズル12の直下を起点として
ノズル12の径の50倍以下離れた位置とすることが好
ましい。
なお、この場合の不活性ガスを吹き付ける位置とは、不
活性ガス流の中心ではな(、ガス流のノズル12に近い
側の端部とする。 また、ノズルがスリット状である場
合のノズル径とは、冷却ロール回転方向に測った径とす
る。
このように不活性ガスを吹き付ける位置をノズル径に関
連させて定めるのは、ノズル径の大小によりパドルの状
態や冷却効率が変わり、合金の溶融状態がこれらに従っ
て変わるためである。
不活性ガスの吹き付は方向、流量、流速、噴射圧力等の
各種条件に特に制限はなく、ノズル径、合金溶湯の射出
量、冷却ロールの寸法、冷却時の雰囲気等の各種条件を
考慮し、さらには実験的に、合金のロール面側とフリー
面側とで好ましい結晶粒径が得られるように設定すれば
よいが、例えば、I Torr以下のArガス雰囲気中
にて0.3〜5■m径程度のノズルから合金溶湯を射出
する場合、不活性ガスは長手方向が合金薄帯の幅方向で
あるようなスリットから噴射されることが好ましい。 
この場合、スリット幅は0.2〜2mm程度、スリット
長手方向の寸法は合金薄帯幅の3倍以上、スリットの位
置は冷却ロール周面から5〜15mm程度離れているこ
とが好ましい、 また、噴射圧力は1〜9kg/cm”
程度であることが好ましい。
不活性ガスを吹き付けるための手段に特に制限はないが
、本発明では、上記したようなスリット状等の不活性ガ
ス噴射口を有する噴射部材を用いることが好ましい。
不活性ガスの噴射に際しては、不活性ガス噴射口の下端
と冷却ロール周面との距離を、100μ〜311II1
11特に150u〜0.5mmに保つことが好ましい。
 距離が前記範囲未満となると不活性ガス噴射口と冷却
ロール周面上の合金とが接触することがある。 また、
距離が前記範囲を超えると噴射された不活性ガスが拡散
し、所定の効果が得られにくくなり、また、パドルが冷
却され易くなる。
また、噴射部材を回転または移動することにより、不活
性ガス流の吹き付は位置、すなわち、不活性ガス流のノ
ズルに近い側の端部が合金に接触する位置を変更するこ
とができる構成とすることが好ましい。
具体的には、第2図に示されるような噴射部材を用いる
ことが好ましい。
第2図に示される噴射部材100は、円筒状の周壁10
1と、この周壁101を貫通するスリット状噴射口10
2とを有する。
スリット状噴射口102の長手方向は噴射部材の軸、す
なわち円筒状の周壁101の軸とほぼ平行である。
円筒状の周壁101の一方の端部(図示例では、紙面の
表側に存在する。)は閉塞されており、他方の端部には
、連通孔103を介して周壁101内に連通ずるガス管
104が接続され、これにより不活性ガスが噴射部材1
00内部に送り込まれるように構成されている。
噴射部材100内に充填された不活性ガスは、スリット
状噴射口102から方向性をもって噴射される。
このような噴射部材100は、噴射部材の軸と前記冷却
ロールの軸とがほぼ平行となるように冷却ロール近傍に
配置される。
そして、噴射部材100を、その軸がほぼ回転中心とな
るように回転させることにより、不活性ガス流の吹き付
は方向を自在に変更することができる。
なお、I Torr以下の減圧状態にて合金の冷却を行
なう場合、冷却工程は真空チャンバ等の中で行なわれる
が、この態様では真空チャンバ内に不活性ガスを噴射す
るため、少なくとも溶湯状の合金が衝突する冷却ロール
周面付近を1Torr以下の不活性ガス雰囲気に保てば
よい。
このため、真空容器中からガスを引くなどして、溶湯状
の合金が衝突する冷却ロール周面付近の圧力を所定の値
に制御することが好ましい、 この場合、真空容器の主
排気口とは別に冷却ロールの近傍に排気口を設け、ここ
から主として噴射ガスを容器外へ排気することが好まし
い。
噴射される不活性ガスに特に制限はな(、Arガス、N
2ガス、Heガス等から適当なものを選択すればよい。
この態様にて製造された永久磁石材料は、冷却時に吹き
付けた不活性ガスが、ロール面近傍よりもフリー面近傍
により多く含まれていることを検出することが可能であ
る。 例えば、吹き付ける不活性ガスとしてArガスや
N2ガスを用いた場合、オージェ分析等により容易に検
出することができる。
この場合、不活性ガスの含有量は、フリー面から厚さ方
向に50nm以下の範囲で、例えば50〜50 ’Op
pm程度である。
なお、合金溶湯に吹き付ける不活性ガスは、雰囲気ガス
と同種のものを用いることが好ましい。
本発明を片ロール法に適用する場合、用いる冷却ロール
の寸法に特に制限はなく、目的に応じて適当な寸法とす
ればよいが、通常、直径150〜150011II11
、幅20〜lOQm11程度である。 また、ロール中
心には、水冷用の孔が設けられていてもよい。
ロールの周速度は、ロール表面層の組成、合金溶湯の組
成、目的とする永久磁石材料の組織構造、熱処理の有無
等の各種条件によっても異なるが、好ましくは1〜50
m/s、特に5〜35m/sとすることが好ましい。 
周速度が上記範囲未満であると、得られる永久磁石材料
の大部分の結晶粒が大きくなりすぎる。 また、周速度
が上記範囲を超えると、大部分が非晶質となり磁気特性
が低下する。
なお、片ロール法を用いた場合、通常、薄帯状の永久磁
石材料が得られる。
本発明を片ロールに適用する場合、溶湯状の合金を、冷
却ロール周面に衝突させた後に冷却ロール周面の最も高
い位置を通過させることが好ましい。
すなわち、この場合の合金射8ノズルと冷却ロールとの
位置関係は、第3図に示されるようなものとなる。
第3図において、冷却ロール13はその軸がほぼ水平と
なるように配置されており、合金溶l易11が冷却ロー
ル13周面に衝突する位置Aは、ノズル12のほぼ直下
である。
また、冷却ロール13周面の最も高い位!Bは、冷却ロ
ール13の軸を通る鉛直線が冷却ロール13周面と交わ
る位置である。
位置Aに溶湯状合金を衝突させることにより、合金11
1と冷却ロール13周面との接触時間をより長くするこ
とができ、合金のロール面とフリー面との冷却速度差を
小さくすることができる。
なお、位置Aと位置Bとの具体的な関係は、位置Aと冷
却ロールの軸とを含む面と、位置Bと冷却ロールの軸と
を含む面とのなす角度をθとすると、1度≦θ≦45度
であることが好ましい。
本発明を双ロール法に適用する場合、用いる冷却ロール
の寸法および両ロールの間隔に特に制限はないが、通常
、直径50〜3i)Omm、幅20〜80mm程度であ
り、両ロールの間隔は、0.02〜2mm程度とするこ
とが好ましい。
なお、溶湯冷却時に両ロール間に圧力を印加し、急冷圧
延を行なってもよい。
また、双ロール法における製造条件は上記した片ロール
法に準じればよいが、冷却ロールの周速度は0.3〜2
0m/sとすることが好ましい。
双ロール法により得られる永久磁石材料の形状は、通常
、薄帯状あるいは薄片状である。
本発明により得られる永久磁石材料は、実質的に正方晶
系の結晶構造の主相のみを有するか、このような主相と
、非晶質および/または結晶質の副相とを有することが
好ましい。
R−T−B化合物(TはFeおよび/またはCo)とし
て安定な正方晶化合物はR,T1.B(R=11.76
at%、T=82.36at%、B=5.88at%)
であり、主相は実質的にこの化合物から形成される。 
また、副相は、主相の結晶粒界として存在する。
なお、本発明により製造された永久磁石材料には、特性
改善のための熱処理が施されてもよい。
本発明で用いる合金溶湯の組成は、R(ただし、RはY
を含む希土類元素の1種以上である。)と、Feまたは
FeおよびCOと、Bとを含有するものであれば組成に
特に制限はなく、どのような組成であっても本発明の効
果は実現するが、永久磁石としたときの磁気特性が高い
ことから下記の組成を有することが好ましい。
R:5〜20at%、 B:2〜15at%および CO:0〜55at% を含み、残部が実質的にFeであるもの。
より好ましくは R:5〜17at%、 B:2〜12at%および Co:O〜40at% を含み、残部が実質的にFeであるもの。
Rについてさらに説明すれば、RはYを含む希土類元素
の1種以上であるが、高い磁気特性を得るために、Rと
して特にNdおよび/または−P rを含むことが好ま
しい。 Ndおよび/またはPrの含有量は、R全体の
60%以上であることが好ましい。
上記各元素の他、添加元素として、Zr、Nb、Mo、
Hf、Ta、W、Ti、■およびCrの1種以上が含有
されていてもよい、 これらの元素は、結晶成長を抑制
する作用を有する。 また、Cu、MnおよびAgの1
種以上が含有されていてもよい、 これらの元素は、塑
性加工時の加工性を改善する作用を有する。
これら添加元素の総合有量は、全体の15at%以下で
あることが好ましい、 さらに、耐食性を向上させるた
めには、Niが含有されることが好ましいa  Nlの
含有量は、上記添加元素と合わせて30at%以下であ
ることが好ましい。
なお、Bの一部を、C,N、Si%P。
Ga%Ge、SおよびOの1種以上で置換してもよい、
 置換量は、Bの50%以下であることが好ましい。
このような組成は、原子吸光法、蛍光X線法、ガス分析
法等によって容易に測定できる。
〈実施例〉 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳
細に説明する。
直径500ma+、幅6001111の銅ベリリウム合
金製の円筒状基材の周面に、電解めっきにより様々な厚
さのCr表面層を形成し、冷却ロールを作製した。 基
材の熱伝導度は3.6J/(co+−5K)、表面層の
熱伝導度は0.43J/ (cm・S・K)であった。
これらの冷却ロールを用いて、表1に示される永久磁石
材料サンプルを下記のようにして作製した。 用いた冷
却ロールの表面層の厚さを表1に示す。
まず、9Nd−4Zr−8B−79Feの組成(数値は
原子百分率を表わす)を有する合金インゴットをアーク
溶解により作製した。 得られた合金インゴットを石英
ノズルに入れ、高周波誘導加熱により溶湯とした。
この溶湯を、上記各冷却ロールを用いた片ロール法によ
り高速急冷し、永久磁石材料サンプルを得た。 高速急
冷時の雰囲気圧力は50Torrとした。
得られた永久磁石材料サンプルは薄帯状であった。 こ
れらのサンプルの厚さは、30〜40−であった。
なお、ノズル先端と冷却ロール表面との間隔は0.5m
a+、溶湯射出圧力は1 kg/c■2とし、加圧には
Arガスを用いた。 また、冷却ロールの周速度は、2
0〜30a+/sの範囲から選択した。
得られた薄帯な、その断面が容易に観察できる方向に切
断し、フリー面から薄帯厚さの115までの範囲の平均
結晶粒径dおよびロール面から薄帯厚さの175までの
範囲の平均結晶粒径pを走査型電子顕微鏡で測定し、d
/pを算出した。 結果を表1に示す。
さらに、これらのサンプルの(BH)waxを測定した
。 結果を表1に示す。
なお、各サンプルのロール面から20nm以下のCr含
有量は、100 ppmであった。
表 No。
(MGOe) 1(比較例)    0.1    3.0     
132       40      1.7    
 183(比較例)  1000     4.0  
   15上記表1に示される結果から本発明の効果が
明らかである。
また、Cr表面層に替え、Ni無電解めっき膜、CO溶
射膜、■の焼ばめまたはNb薄板の接着により表面層を
形成した冷却ロールを用いた場合でも、Cr表面層の場
合と同様に、表面層厚さに応じてd / pの減少が認
められ、永久磁石材料のロール面から20nm以下の範
囲において10〜500pp■の表面層構成元素の含有
が認められた。
さらに、上記実施例に準じて双ロール法により永久磁石
材料を作製したところ、上記実施例と同様な効果が確認
された。
また、上記各場合において、冷却ロール表面層の中心線
平均粗さRaを0.07〜1.7Pとして永久磁石材料
を作製したところ、高い保磁力が得られる周速度範囲が
著しく拡大し、かつd / pの減少がみられ、磁気特
性の向上が認められた。
また、雰囲気圧力をI Torr以下として冷却を行な
ったところ、Arガス巻き込みに起因する周波数の低い
凹凸がサンプルのロール面にみられなくなった。 そし
て、領域Pにおける平均結晶粒径の標準偏差が、7n+
++以下となり、磁気特性の向上が認められた。
また、片ロール法を用いた場合、合金溶浸の急冷時に、
第1図に示されるように、合金111を挟んで冷却ロー
ル13周面に向かう方向にArガスを吹き付けた。 こ
のときガスの吹き付は方向と、冷却により得られた薄帯
状永久磁石材料の進行方向との成す角度は120゜とし
、ガスの噴射圧力は2 kg/cm″とした。
また、合金にあたるArガス流のノズル側端部と、冷却
ロール周面のノズル直下位置との距離が、ノズル径の6
倍になるように吹き付けを行なった。
なお、Arガスの吹き付けには、第2図に示されるよう
な噴射部材を用いた。
この結果、d/pがさらに減少し、磁気特性の向上が認
められた。 そして、得られた永久磁石材料なオージェ
分析したところ、フリー面から50ns以下の範囲で2
00ppm、ロール面から50no+以下の範囲で30
ppmlのArの含有が認められた。
また、射出用ノズルと冷却ロールとを、第3図に示され
る位置関係として急冷を行なったところ、d/pがさら
に減少し、磁気特性の向上が認められた。 なお、この
とき1位置Aと位置Bとの位置関係を表わす角度θは1
2度とした。
以上の実施例の結果から、本発明の効果が明らかである
〈発明の効果〉 本発明によれば、結晶粒径の揃った永久磁石材料が得ら
れる。
このため1本発明は、ボンディッド磁石用の永久磁石材
料製造に極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の好適実施例を表わす概念図である。 第2図は、本発明に用いる不活性ガスの噴射部材の好適
例を示す断面図である。 第3図は、本発明の好適実施例を表わす概念図である。 符号の説明 11・・・合金溶湯 111・・・合金 112・・・薄帯状永久磁石材料 12・・・ノズル 13・・・冷却ロール ド・・基材 2・・・表面層 0・・・噴射部材 1・・・側壁 2・・・スリット状噴射口 3・・・連通孔 4・・・ガス管 出 願 人 ティーデイ−ケイ株式会社代  理  人
  弁理士   石  井  隔間     弁理士 
  増  1) 達  哉FIG、1 F I G、2 FIG、3

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)R(ただし、RはYを含む希土類元素の1種以上
    である。)と、FeまたはFeおよびCoと、Bとを含
    有する溶湯状の合金をノズルから射出し、ノズルに対し
    て回転している冷却ロールの周面に衝突させ、冷却ロー
    ル周面と接触させることにより前記合金を一方向または
    対向する二方向から冷却する工程を有する永久磁石材料
    の製造方法であって、 前記冷却ロールが、基材とこの基材周面に形成された表
    面層を有するものであり、この表面層の熱伝導度が前記
    基材の熱伝導度より低く、前記表面層の厚さが10〜1
    00μmであることを特徴とする永久磁石材料の製造方
    法。
  2. (2)前記表面層の厚さが20〜50μmである請求項
    1に記載の永久磁石材料の製造方法。
  3. (3)前記冷却ロールの表面層が、Cr、 Ni、Co、NbおよびVから選択される少なくとも1
    種の元素を含有する金属または合金等の熱伝導度が0.
    6J/(cm・s・K)以下である材質から構成され、
    液相めっき、気相めっき、溶射、薄板の接着または円筒
    状部材の焼きばめ等により形成されている請求項1また
    は2に記載の永久磁石材料の製造方法。
  4. (4)前記冷却ロールの基材が、銅または銅系合金等の
    熱伝導度1.4J/(cm・s・K)以上である材質か
    ら構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の
    永久磁石材料の製造方法。
  5. (5)溶湯状の合金が衡突する冷却ロール周面付近を1
    Torr以下の不活性ガス雰囲気に保って合金の冷却を
    行なう請求項1ないし4のいずれかに記載の永久磁石材
    料の製造方法。
  6. (6)前記合金を一方向から冷却する方法であって、 冷却ロール周面に向かう方向に不活性ガス流を吹き付け
    ることにより、冷却ロール周面付近に存在する合金と冷
    却ロール周面との接触時間を延長させる請求項1ないし
    5のいずれかに記載の永久磁石材料の製造方法。
  7. (7)前記不活性ガス流を形成するための噴射部材がス
    リット状等の不活性ガス噴射口を有し、前記噴射部材を
    回転または移動することにより、不活性ガス流のノズル
    に近い側の端部が合金に接触する位置を変更する請求項
    6に記載の永久磁石材料の製造方法。
  8. (8)前記不活性ガス流を形成するための噴射部材がス
    リット状等の不活性ガス噴射口を有し、前記不活性ガス
    噴射口の下端と冷却ロール周面との距離を、100μm
    〜3mm、好ましくは150μm〜0.5mmに保って
    不活性ガスの噴射を行なう請求項6または7に記載の永
    久磁石材料の製造方法。
  9. (9)得られる永久磁石材料のフリー面から厚さ方向に
    50nm以下の範囲における不活性ガスの含有量が50
    〜500ppmである請求項6ないし8のいずれかに記
    載の永久磁石材料の製造方法。
  10. (10)前記合金を一方向から冷却する方法であって、 冷却ロールをその軸がほぼ水平となるように配置し、 溶湯状の合金を、冷却ロール周面に衝突させた後に冷却
    ロール周面の最も高い位置を通過させる請求項1ないし
    9のいずれかに記載の永久磁石材料の製造方法。
  11. (11)合金溶湯が冷却ロール周面に衝突する位置と冷
    却ロールの軸とを含む面と、冷却ロール周面の最も高い
    位置と冷却ロールの軸とを含む面とのなす角度が、1〜
    45度である請求項10に記載の永久磁石材料の製造方
    法。
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