JP3025693B2 - 永久磁石材料の製造方法 - Google Patents
永久磁石材料の製造方法Info
- Publication number
- JP3025693B2 JP3025693B2 JP2134388A JP13438890A JP3025693B2 JP 3025693 B2 JP3025693 B2 JP 3025693B2 JP 2134388 A JP2134388 A JP 2134388A JP 13438890 A JP13438890 A JP 13438890A JP 3025693 B2 JP3025693 B2 JP 3025693B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cooling
- alloy
- roll
- cooling roll
- permanent magnet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/032—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
- H01F1/04—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
- H01F1/047—Alloys characterised by their composition
- H01F1/053—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
- H01F1/055—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
- H01F1/057—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B
- H01F1/0571—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、R(RはYを含む希土類元素である。以下
同じ。)、FeおよびBを含むか、あるいはさらにCoを含
むFe−(Co)−R−B系の永久磁石材料の製造方法に関
する。
同じ。)、FeおよびBを含むか、あるいはさらにCoを含
むFe−(Co)−R−B系の永久磁石材料の製造方法に関
する。
〈従来の技術〉 高性能を有する希土類磁石としては、粉末冶金法によ
るSm−Co系磁石でエネルギー積32MGOeのものが量産され
ている。
るSm−Co系磁石でエネルギー積32MGOeのものが量産され
ている。
しかし、このものは、Sm、Coの原料価格が高いという
欠点を有する。希土類元素の中では原子量の小さい元
素、例えば、セリウムやプラセオジム、ネオジムは、サ
マリウムよりも豊富にあり価格が安い。また、FeはCoに
比べ安価である。
欠点を有する。希土類元素の中では原子量の小さい元
素、例えば、セリウムやプラセオジム、ネオジムは、サ
マリウムよりも豊富にあり価格が安い。また、FeはCoに
比べ安価である。
そこで、近年Nd−Fe−B等のR−Fe−B系磁石が開発
され、特開昭60−9852号公報では高速急冷法によるもの
が開示されている。
され、特開昭60−9852号公報では高速急冷法によるもの
が開示されている。
高速急冷法は、金属の溶湯を冷却基体表面に衝突させ
て急冷し、薄帯状、薄片状、粉末状などの金属を得る方
法であり、冷却基体の種類により、片ロール法、双ロー
ル法、ディスク法等に分類される。
て急冷し、薄帯状、薄片状、粉末状などの金属を得る方
法であり、冷却基体の種類により、片ロール法、双ロー
ル法、ディスク法等に分類される。
これらの高速急冷法のうち、片ロール法では冷却基体
として1個の冷却ロールを用いる。そして、溶湯状の合
金をノズルから射出し、ノズルに対して回転している冷
却ロールの表面に衝突させ、冷却ロール表面と接触させ
ることにより合金を一方向から冷却し、通常、薄帯状の
急冷合金を得る。合金の冷却速度は、通常、冷却ロール
の周速度により制御される。
として1個の冷却ロールを用いる。そして、溶湯状の合
金をノズルから射出し、ノズルに対して回転している冷
却ロールの表面に衝突させ、冷却ロール表面と接触させ
ることにより合金を一方向から冷却し、通常、薄帯状の
急冷合金を得る。合金の冷却速度は、通常、冷却ロール
の周速度により制御される。
片ロール法は、機械的に制御する部分が少なく安定性
が高く、経済的であり、また、保守も容易であるため汎
用されている。
が高く、経済的であり、また、保守も容易であるため汎
用されている。
また、双ロール法は、一対の冷却ロールを用い、これ
らの冷却ロール間に溶湯状の合金を挟んで対向する二方
向から冷却する方法である。
らの冷却ロール間に溶湯状の合金を挟んで対向する二方
向から冷却する方法である。
〈発明が解決しようとする課題〉 R−Fe−B系合金は極めて酸化され易いため、その高
速急冷は不活性ガス雰囲気中で行なわれる。
速急冷は不活性ガス雰囲気中で行なわれる。
片ロール法および双ロール法では、冷却ロール表面付
近の不活性ガスが、冷却ロールの回転に伴って溶湯状合
金と冷却ロール表面との間に巻き込まれる。巻き込まれ
た不活性ガスは、合金と冷却ロール表面との接触を阻害
するため合金の冷却速度が低下し、巻き込み部分での結
晶粒が粗大化する。このため、高い磁気特性を有する永
久磁石が得られない。
近の不活性ガスが、冷却ロールの回転に伴って溶湯状合
金と冷却ロール表面との間に巻き込まれる。巻き込まれ
た不活性ガスは、合金と冷却ロール表面との接触を阻害
するため合金の冷却速度が低下し、巻き込み部分での結
晶粒が粗大化する。このため、高い磁気特性を有する永
久磁石が得られない。
このような問題の他、片ロール法では下記のような問
題も生じる。
題も生じる。
片ロール法では、一般に、合金の冷却ロール表面と接
触する側(以下、ロール面側という。)の冷却速度を最
適範囲に設定すると、その反対側(以下、フリー面側と
いう。)の冷却速度が不十分となり、ロール面側では好
ましい結晶粒径となるが、フリー面側では粗大粒となっ
て高い保磁力が得られなくなる。
触する側(以下、ロール面側という。)の冷却速度を最
適範囲に設定すると、その反対側(以下、フリー面側と
いう。)の冷却速度が不十分となり、ロール面側では好
ましい結晶粒径となるが、フリー面側では粗大粒となっ
て高い保磁力が得られなくなる。
一方、フリー面側の結晶粒径が好ましい範囲となるよ
うに冷却すると、ロール面側の冷却速度が極端に大きく
なり、ロール面側は殆どアモルファス状態となって高い
磁気特性が得られなくなる。
うに冷却すると、ロール面側の冷却速度が極端に大きく
なり、ロール面側は殆どアモルファス状態となって高い
磁気特性が得られなくなる。
このため、従来は急冷合金全体として好ましい粒径の
結晶粒が最も多くなるように冷却ロールの周速度を設定
し、これを最適周速度としている。
結晶粒が最も多くなるように冷却ロールの周速度を設定
し、これを最適周速度としている。
しかし、最適周速度にて冷却を行なっても、ロール面
側とフリー面側とでは結晶粒径に10倍程度以上の差が生
じ、急冷合金の冷却方向で各種磁気特性が不均一となっ
てしまう。また、最適周速度が高速となって、冷却ロー
ルやその支持部材の傷みが早い。
側とフリー面側とでは結晶粒径に10倍程度以上の差が生
じ、急冷合金の冷却方向で各種磁気特性が不均一となっ
てしまう。また、最適周速度が高速となって、冷却ロー
ルやその支持部材の傷みが早い。
このため、急冷合金を粉砕したとき、得られる磁石粉
末中には高磁気特性の磁石粒子と低磁気特性の磁石粒子
とが混在することになり、この磁石粉末を樹脂バインダ
中に分散しボンディッド磁石とした場合、磁石全体とし
て高磁気特性が得られないばかりでなく、磁気特性が部
分的に異なるボンディッド磁石となってしまう。
末中には高磁気特性の磁石粒子と低磁気特性の磁石粒子
とが混在することになり、この磁石粉末を樹脂バインダ
中に分散しボンディッド磁石とした場合、磁石全体とし
て高磁気特性が得られないばかりでなく、磁気特性が部
分的に異なるボンディッド磁石となってしまう。
本発明は、このような事情からなされたものであり、
片ロール法または双ロール法において、雰囲気ガスの巻
き込みを防止することにより高い磁気特性のR−Fe−B
系永久磁石材料を得る方法を提供することを第1の目的
とし、また、第1の目的を達成した上で、片ロール法に
おいて、永久磁石材料の冷却方向での磁気特性のバラツ
キが抑えられる方法を提供することを第2の目的とす
る。
片ロール法または双ロール法において、雰囲気ガスの巻
き込みを防止することにより高い磁気特性のR−Fe−B
系永久磁石材料を得る方法を提供することを第1の目的
とし、また、第1の目的を達成した上で、片ロール法に
おいて、永久磁石材料の冷却方向での磁気特性のバラツ
キが抑えられる方法を提供することを第2の目的とす
る。
〈課題を解決するための手段〉 Fe−Si−B系等のアモルファス合金製造に際しても、
雰囲気ガス巻き込みによる冷却速度不均一の問題が生じ
る。
雰囲気ガス巻き込みによる冷却速度不均一の問題が生じ
る。
しかし、アモルファス状態とするためには一定以上の
冷却速度を与えればよいので、雰囲気ガスを巻き込んだ
場合でも、冷却ロールの回転速度を上げて冷却速度をさ
らに高くすれば問題は解決される。
冷却速度を与えればよいので、雰囲気ガスを巻き込んだ
場合でも、冷却ロールの回転速度を上げて冷却速度をさ
らに高くすれば問題は解決される。
一方、R−Fe−B系合金は、永久磁石としての性能を
発揮するためには微細な結晶粒が析出していることが必
要であり、そのためには一定の速度で冷却される必要が
ある。従って、アモルファス合金製造の場合のように単
に冷却速度を高くするだけでは、所望の磁気特性が得ら
れない。
発揮するためには微細な結晶粒が析出していることが必
要であり、そのためには一定の速度で冷却される必要が
ある。従って、アモルファス合金製造の場合のように単
に冷却速度を高くするだけでは、所望の磁気特性が得ら
れない。
このため、本発明者らは上記第1の目的を達成するた
めに、下記(1)および(2)の本発明を完成した。
めに、下記(1)および(2)の本発明を完成した。
(1)R(ただし、RはYを含む希土類元素の1種以上
である。)と、FeまたはFeおよびCoと、Bとを含有する
溶湯状の合金をノズルから射出し、ノズルに対して回転
している冷却ロールの表面と接触させることにより前記
合金を一方向または対向する二方向から冷却する工程を
有する永久磁石材料の製造方法であって、 前記工程を10-4〜1Torrの不活性ガス雰囲気中で行な
うことにより、冷却時に冷却ロールに接触した主面と対
向する主面近傍領域の平均結晶粒径が0.02〜1.0μm
(ただし1.0μmを含まない)であり、ロール面近傍領
域の平均結晶粒径が0.01〜0.75μmの薄帯を得ることを
特徴とする永久磁石材料の製造方法。
である。)と、FeまたはFeおよびCoと、Bとを含有する
溶湯状の合金をノズルから射出し、ノズルに対して回転
している冷却ロールの表面と接触させることにより前記
合金を一方向または対向する二方向から冷却する工程を
有する永久磁石材料の製造方法であって、 前記工程を10-4〜1Torrの不活性ガス雰囲気中で行な
うことにより、冷却時に冷却ロールに接触した主面と対
向する主面近傍領域の平均結晶粒径が0.02〜1.0μm
(ただし1.0μmを含まない)であり、ロール面近傍領
域の平均結晶粒径が0.01〜0.75μmの薄帯を得ることを
特徴とする永久磁石材料の製造方法。
(2)R(ただし、RはYを含む希土類元素の1種以上
である。)と、FeまたはFeおよびCoと、Bとを含有する
溶湯状の合金をノズルから射出し、ノズルに対して回転
している冷却ロールの表面と接触させることにより前記
合金を一方向または対向する二方向から冷却する工程を
有する永久磁石材料の製造方法であって、 前記工程を10-4〜1Torrの不活性ガス雰囲気中で行な
うことにより、冷却時に冷却ロールに接触した主面と対
向する主面近傍領域の結晶粒界の幅が0.002〜0.05μm
であり、ロール面近傍領域の結晶粒界の幅が0.002〜0.0
25μmの薄帯を得ることを特徴とする永久磁石材料の製
造方法。
である。)と、FeまたはFeおよびCoと、Bとを含有する
溶湯状の合金をノズルから射出し、ノズルに対して回転
している冷却ロールの表面と接触させることにより前記
合金を一方向または対向する二方向から冷却する工程を
有する永久磁石材料の製造方法であって、 前記工程を10-4〜1Torrの不活性ガス雰囲気中で行な
うことにより、冷却時に冷却ロールに接触した主面と対
向する主面近傍領域の結晶粒界の幅が0.002〜0.05μm
であり、ロール面近傍領域の結晶粒界の幅が0.002〜0.0
25μmの薄帯を得ることを特徴とする永久磁石材料の製
造方法。
また、本発明者らは、上記第2の目的を達成するため
に、片ロール法を用いたFe−Si−B系等のアモルファス
合金の製造において冷却速度不均一の問題が生じないこ
とに着目した。
に、片ロール法を用いたFe−Si−B系等のアモルファス
合金の製造において冷却速度不均一の問題が生じないこ
とに着目した。
そして、R−Fe−B系合金溶湯がFe−Si−B系合金溶
湯に比べて冷却ロール面との密着性が低く、冷却ロール
表面と接している時間が短いために上記した問題が生じ
ることを見いだした。
湯に比べて冷却ロール面との密着性が低く、冷却ロール
表面と接している時間が短いために上記した問題が生じ
ることを見いだした。
片ロール法では、回転する冷却ロール表面に衝突した
溶湯状の合金は、冷却ロール表面に引きずられるように
して薄帯状となって冷却され、次いで冷却ロール表面か
ら離れる。
溶湯状の合金は、冷却ロール表面に引きずられるように
して薄帯状となって冷却され、次いで冷却ロール表面か
ら離れる。
このような片ロール法において、合金が十分に長く冷
却ロール表面と接触していれば、ロール面側とフリー面
側とは共に冷却ロールへの熱伝導により比較的均一に冷
却される。すなわち、結晶粒径の均一な急冷却合金を得
るためには、合金のロール面側がほぼ凝固していてフリ
ー面側が溶融状態にあるときに、合金が冷却ロール表面
と十分に接触していることが必要とされる。
却ロール表面と接触していれば、ロール面側とフリー面
側とは共に冷却ロールへの熱伝導により比較的均一に冷
却される。すなわち、結晶粒径の均一な急冷却合金を得
るためには、合金のロール面側がほぼ凝固していてフリ
ー面側が溶融状態にあるときに、合金が冷却ロール表面
と十分に接触していることが必要とされる。
しかし、溶湯状のR−Fe−B系合金は冷却ロール表面
に衝突後、速やかにロール表面から離れるため、ロール
面側では主として冷却ロールへの熱伝導により冷却され
るが、フリー面側では主として雰囲気中への放熱により
冷却されることになり、ロール面側とフリー面側とで冷
却速度が極端に違ってしまう。
に衝突後、速やかにロール表面から離れるため、ロール
面側では主として冷却ロールへの熱伝導により冷却され
るが、フリー面側では主として雰囲気中への放熱により
冷却されることになり、ロール面側とフリー面側とで冷
却速度が極端に違ってしまう。
このような考察に従って、上記第2の目的を達成する
ために、本発明者らは下記(3)〜(5)の本発明を完
成した。
ために、本発明者らは下記(3)〜(5)の本発明を完
成した。
(3)R(ただし、RはYを含む希土類元素の1種以上
である。)と、FeまたはFeおよびCoと、Bとを含有する
溶湯状の合金をノズルから射出し、ノズルに対して回転
している冷却ロールの表面に衝突させ、冷却ロール表面
と接触させることにより前記合金を一方向から冷却する
工程を有する永久磁石材料の製造方法であって、 溶湯状の合金が衝突する冷却ロール表面付近を1Torr
以下の不活性ガス雰囲気とし、 冷却ロール表面に向かう方向に不活性ガス流を吹き付
けることにより、冷却ロール表面付近に存在する合金と
冷却ロール表面との接触時間を延長させることを特徴と
する永久磁石材料の製造方法。
である。)と、FeまたはFeおよびCoと、Bとを含有する
溶湯状の合金をノズルから射出し、ノズルに対して回転
している冷却ロールの表面に衝突させ、冷却ロール表面
と接触させることにより前記合金を一方向から冷却する
工程を有する永久磁石材料の製造方法であって、 溶湯状の合金が衝突する冷却ロール表面付近を1Torr
以下の不活性ガス雰囲気とし、 冷却ロール表面に向かう方向に不活性ガス流を吹き付
けることにより、冷却ロール表面付近に存在する合金と
冷却ロール表面との接触時間を延長させることを特徴と
する永久磁石材料の製造方法。
(4)不活性ガス流のノズルに近い側の端部が合金に接
触する位置と、冷却ロール表面のノズル直下位置との距
離が、冷却ロール回転方向に測ったノズル径の5倍以上
である上記(3)に記載の永久磁石材料の製造方法。
触する位置と、冷却ロール表面のノズル直下位置との距
離が、冷却ロール回転方向に測ったノズル径の5倍以上
である上記(3)に記載の永久磁石材料の製造方法。
(5)不活性ガス流の吹き付け方向と、冷却により得ら
れる薄帯状永久磁石材料の進行方向との成す角度が鈍角
である上記(3)または(4)に記載の永久磁石材料の
製造方法。
れる薄帯状永久磁石材料の進行方向との成す角度が鈍角
である上記(3)または(4)に記載の永久磁石材料の
製造方法。
〈作用〉 本発明の第1の態様では、片ロール法または双ロール
法において、溶湯状合金の冷却を1Torr以下の不活性ガ
ス雰囲気中で行なう。
法において、溶湯状合金の冷却を1Torr以下の不活性ガ
ス雰囲気中で行なう。
このため、合金と冷却ロール表面との間に雰囲気ガス
が巻き込まれることがなくなるので、合金と冷却ロール
表面との密着性が向上してロール面の冷却速度の部分的
なばらつきがなくなり、微細で均一な結晶粒組織が得ら
れ、高い磁気特性を有する永久磁石が実現する。
が巻き込まれることがなくなるので、合金と冷却ロール
表面との密着性が向上してロール面の冷却速度の部分的
なばらつきがなくなり、微細で均一な結晶粒組織が得ら
れ、高い磁気特性を有する永久磁石が実現する。
また、本発明の第2の態様は上記したような片ロール
法に適用される。
法に適用される。
この第2の態様では、上記第1の態様の構成に加え、
冷却ロール表面に向かう方向に不活性ガス流を吹き付け
ることにより、冷却ロール表面付近に存在する合金を冷
却ロール側に押し付け、合金と冷却ロール表面との接触
時間を延長させる。
冷却ロール表面に向かう方向に不活性ガス流を吹き付け
ることにより、冷却ロール表面付近に存在する合金を冷
却ロール側に押し付け、合金と冷却ロール表面との接触
時間を延長させる。
このため、合金のフリー面側の冷却において、冷却ロ
ールへの熱伝導に依存する割合が増加し、ロール面側と
フリー面側との冷却速度の差が著しく小さくなる。
ールへの熱伝導に依存する割合が増加し、ロール面側と
フリー面側との冷却速度の差が著しく小さくなる。
また、不活性ガスはフリー面側に吹き付けられるの
で、フリー面側の冷却速度はさらに向上する。
で、フリー面側の冷却速度はさらに向上する。
従って、ロール面側の結晶粒径とフリー面側の結晶粒
径との差が小さくなり、得られる磁石材料の冷却方向
(熱移動方向)の磁気特性の変動が少なくなる。
径との差が小さくなり、得られる磁石材料の冷却方向
(熱移動方向)の磁気特性の変動が少なくなる。
また、冷却効率が向上するため、必要とされる冷却ロ
ールの回転速度が例えば5〜15%程度低くなり、冷却装
置の負担が少なくなる。
ールの回転速度が例えば5〜15%程度低くなり、冷却装
置の負担が少なくなる。
〈具体的構成〉 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明の第1の態様では、R(ただし、RはYを含む
希土類元素の1種以上である。)と、FeまたはFeおよび
Coと、Bとを含有する溶湯状の合金を、片ロール法また
は双ロール法により高速急冷する工程を有する。
希土類元素の1種以上である。)と、FeまたはFeおよび
Coと、Bとを含有する溶湯状の合金を、片ロール法また
は双ロール法により高速急冷する工程を有する。
すなわち、溶湯状の合金をノズルから射出し、ノズル
に対して回転している冷却ロールの表面と接触させるこ
とにより合金を一方向または対向する二方向から冷却す
る工程を有する。
に対して回転している冷却ロールの表面と接触させるこ
とにより合金を一方向または対向する二方向から冷却す
る工程を有する。
そして、本発明ではこの工程を、10-4〜1Torrの不活
性ガス雰囲気中で行なう。
性ガス雰囲気中で行なう。
用いる不活性ガスに特に制限はなく、Arガス、Heガ
ス、N2ガス等の各種不活性ガスから適宜選択すればよい
が、Arガスを用いることが好ましい。
ス、N2ガス等の各種不活性ガスから適宜選択すればよい
が、Arガスを用いることが好ましい。
このように圧力10-4〜1Torrの雰囲気にて合金冷却を
行なうことにより、合金と冷却ロール表面との間に雰囲
気ガスを巻き込むことが防止される。
行なうことにより、合金と冷却ロール表面との間に雰囲
気ガスを巻き込むことが防止される。
なお、合金を溶湯化するために高周波誘導加熱法を用
いる場合、雰囲気圧力が10-3Torr未満、特に10-4Torr未
満となると高周波誘導加熱用コイルと冷却ロールとの間
などで放電が生じ易くなるため、コイルの絶縁を厳重に
することが好ましい。
いる場合、雰囲気圧力が10-3Torr未満、特に10-4Torr未
満となると高周波誘導加熱用コイルと冷却ロールとの間
などで放電が生じ易くなるため、コイルの絶縁を厳重に
することが好ましい。
本発明の第2の態様は、第1の態様のうちの片ロール
法に適用される。
法に適用される。
第1図に、本発明の第2の態様の概念図を示す。
第1図に示す片ロール法では、合金溶湯11をノズル12
から射出し、ノズル12に対して回転している冷却ロール
13の表面に衝突させ、冷却ロール13表面付近に存在する
合金111を冷却ロール13表面と接触させることにより、
合金111を一方向から冷却する。
から射出し、ノズル12に対して回転している冷却ロール
13の表面に衝突させ、冷却ロール13表面付近に存在する
合金111を冷却ロール13表面と接触させることにより、
合金111を一方向から冷却する。
そして、第2の態様では、上記第1の態様と同様に、
冷却工程を1Torr以下の不活性ガス中で行なう、さら
に、冷却ロール13表面に向かう方向に不活性ガス流を吹
き付けることにより、冷却ロール13表面付近に存在する
合金111と冷却ロール13表面との接触時間を延長させ
る。
冷却工程を1Torr以下の不活性ガス中で行なう、さら
に、冷却ロール13表面に向かう方向に不活性ガス流を吹
き付けることにより、冷却ロール13表面付近に存在する
合金111と冷却ロール13表面との接触時間を延長させ
る。
不活性ガス流を吹き付けない場合、冷却ロール13に衝
突後の合金は、図中点線で示したように冷却ロール13表
面から離れ、合金と冷却ロール表面との接触時間は短く
なってしまう。
突後の合金は、図中点線で示したように冷却ロール13表
面から離れ、合金と冷却ロール表面との接触時間は短く
なってしまう。
なお、合金111は、ノズル12からの距離にもよるが、
凝固体ないしは溶融体、あるいはこれらが共に存在する
状態であり、通常、ロール面側において凝固体の割合が
多く、フリー面側において溶融体の割合が多い薄帯状で
ある。
凝固体ないしは溶融体、あるいはこれらが共に存在する
状態であり、通常、ロール面側において凝固体の割合が
多く、フリー面側において溶融体の割合が多い薄帯状で
ある。
不活性ガス流を吹き付ける方向は、合金111を挟んで
冷却ロール13表面に向かう方向であれば特に制限はない
が、第1図中に矢印で示すように、不活性ガス流の吹き
付け方向と、冷却により得られる薄帯状永久磁石材料11
2の進行方向との成す角度が鈍角となるように吹き付け
ることが好ましい。この角度は、100〜160°程度である
ことが好ましい。
冷却ロール13表面に向かう方向であれば特に制限はない
が、第1図中に矢印で示すように、不活性ガス流の吹き
付け方向と、冷却により得られる薄帯状永久磁石材料11
2の進行方向との成す角度が鈍角となるように吹き付け
ることが好ましい。この角度は、100〜160°程度である
ことが好ましい。
これは、吹き付けられた不活性ガスがパドル(ノズル
12先端部と冷却ロール13表面との間に存在する合金溶湯
の溜り)に直接あたることを防ぎ、パドルを定常状態に
保つためである。
12先端部と冷却ロール13表面との間に存在する合金溶湯
の溜り)に直接あたることを防ぎ、パドルを定常状態に
保つためである。
パドルに不活性ガスが直接吹き付けられると、パドル
の一部が冷却され、その部分の粘度が高くなり、パドル
の形状が変わってしまうこともある。このため、均一な
厚さの合金薄帯が得られなくなってしまう。
の一部が冷却され、その部分の粘度が高くなり、パドル
の形状が変わってしまうこともある。このため、均一な
厚さの合金薄帯が得られなくなってしまう。
なお、薄帯状永久磁石材料112の進行方向とは、合金1
11が冷却ロール13表面から離れる場所での冷却ロール表
面の接線方向とほぼ等しい。
11が冷却ロール13表面から離れる場所での冷却ロール表
面の接線方向とほぼ等しい。
なお、冷却ロールに衝突した直後の合金は、フリー面
からかなり深い部分まで溶融状態であり、この状態の合
金にガスを吹き付けると、ガス流によりフリー面が波打
ち状態になって均一な厚さの合金薄帯が得られず、ま
た、合金内での熱移動に遅速を生じ、結晶粒径にばらつ
きを生じる。
からかなり深い部分まで溶融状態であり、この状態の合
金にガスを吹き付けると、ガス流によりフリー面が波打
ち状態になって均一な厚さの合金薄帯が得られず、ま
た、合金内での熱移動に遅速を生じ、結晶粒径にばらつ
きを生じる。
このため、冷却ロールに衝突した直後の合金に不活性
ガスを吹き付けることは避けることが好ましい。
ガスを吹き付けることは避けることが好ましい。
具体的には、合金に不活性ガスを吹き付ける位置は、
ノズル12の直下を起点としてノズル12の径の5倍以上離
れた位置であることが好ましい。
ノズル12の直下を起点としてノズル12の径の5倍以上離
れた位置であることが好ましい。
また、パドルから極端に離れた位置では合金のフリー
面側が完全に凝固しているため、不活性ガスを吹き付け
ても本発明の効果は得られない。従って、冷却ロールの
直径等、他の条件にもよるが、例えば、合金に不活性ガ
スを吹き付ける位置は、ノズル12の直下を起点としてノ
ズル12の径の50倍以下離れた位置とすることが好まし
い。
面側が完全に凝固しているため、不活性ガスを吹き付け
ても本発明の効果は得られない。従って、冷却ロールの
直径等、他の条件にもよるが、例えば、合金に不活性ガ
スを吹き付ける位置は、ノズル12の直下を起点としてノ
ズル12の径の50倍以下離れた位置とすることが好まし
い。
なお、この場合の不活性ガスを吹き付ける位置とは、
不活性ガス流の中心ではなく、ガス流のノズル12に近い
側の端部とする。また、ノズルがスリット状である場合
のノズル径とは、冷却ロール回転方向に測った径とす
る。
不活性ガス流の中心ではなく、ガス流のノズル12に近い
側の端部とする。また、ノズルがスリット状である場合
のノズル径とは、冷却ロール回転方向に測った径とす
る。
このように不活性ガスを吹き付ける位置をノズル径に
関連させて定めるのは、ノズル径の大小によりパドルの
状態や冷却効率が変わり、合金の溶融状態がこれらに従
って変わるためである。
関連させて定めるのは、ノズル径の大小によりパドルの
状態や冷却効率が変わり、合金の溶融状態がこれらに従
って変わるためである。
不活性ガスの吹き付け方向、流量、流速、噴射圧力等
の各種条件に特に制限はなく、ノズル径、合金溶湯の射
出量、冷却ロールの寸法、冷却時の雰囲気等の各種条件
を考慮し、さらには実験的に、合金のロール面側とフリ
ー面側とで好ましい結晶粒径が得られるように設定すれ
ばよいが、例えば、1Torr以下のArガス雰囲気中にて0.3
〜5mm径程度のノズルから合金溶湯を射出する場合、不
活性ガスは長手方向が合金薄帯の幅方向であるようなス
リットから噴射されることが好ましい。この場合、スリ
ット幅は0.2〜2mm程度、スリット長手方向は合金薄帯幅
の3倍以上、スリットの位置は冷却ロール表面から5〜
15mm程度離れていることが好ましい。また、噴射圧力は
1〜9kg/cm2程度であることが好ましい。
の各種条件に特に制限はなく、ノズル径、合金溶湯の射
出量、冷却ロールの寸法、冷却時の雰囲気等の各種条件
を考慮し、さらには実験的に、合金のロール面側とフリ
ー面側とで好ましい結晶粒径が得られるように設定すれ
ばよいが、例えば、1Torr以下のArガス雰囲気中にて0.3
〜5mm径程度のノズルから合金溶湯を射出する場合、不
活性ガスは長手方向が合金薄帯の幅方向であるようなス
リットから噴射されることが好ましい。この場合、スリ
ット幅は0.2〜2mm程度、スリット長手方向は合金薄帯幅
の3倍以上、スリットの位置は冷却ロール表面から5〜
15mm程度離れていることが好ましい。また、噴射圧力は
1〜9kg/cm2程度であることが好ましい。
なお、本発明では、1Torr以下の減圧状態にて合金を
急冷するため、冷却工程は真空チャンバ等の中で行なわ
れるが、第2の態様では真空チャンバ内に不活性ガスを
噴射するため、少なくとも溶湯状の合金が衝突する冷却
ロール表面付近を1Torr以下の不活性ガス雰囲気に保て
ばよい。このため、真空容器中からガスを引くなどし
て、溶湯状の合金が衝突する冷却ロール表面付近の圧力
を所定の値に制御することが好ましい。この場合、真空
容器の主排気口とは別に冷却ロールの近傍に排気口を設
け、ここから主として噴射ガスを容器外へ排気すること
が好ましい。
急冷するため、冷却工程は真空チャンバ等の中で行なわ
れるが、第2の態様では真空チャンバ内に不活性ガスを
噴射するため、少なくとも溶湯状の合金が衝突する冷却
ロール表面付近を1Torr以下の不活性ガス雰囲気に保て
ばよい。このため、真空容器中からガスを引くなどし
て、溶湯状の合金が衝突する冷却ロール表面付近の圧力
を所定の値に制御することが好ましい。この場合、真空
容器の主排気口とは別に冷却ロールの近傍に排気口を設
け、ここから主として噴射ガスを容器外へ排気すること
が好ましい。
噴射される不活性ガスに特に制限はなく、Arガス、N2
ガス、Heガス等から適当なものを選択すればよい。
ガス、Heガス等から適当なものを選択すればよい。
本発明により製造された永久磁石材料は、冷却時に吹
き付けた不活性ガスが、ロール面近傍よりもフリー面近
傍により多く含まれていることを検出することが可能で
ある。例えば、吹き付ける不活性ガスとしてArガスやN2
ガスを用いた場合、オージェ分析等により容易に検出す
ることができる。
き付けた不活性ガスが、ロール面近傍よりもフリー面近
傍により多く含まれていることを検出することが可能で
ある。例えば、吹き付ける不活性ガスとしてArガスやN2
ガスを用いた場合、オージェ分析等により容易に検出す
ることができる。
この場合、不活性ガスの含有量は、フリー面から厚さ
方向に50nm以下の範囲で、例えば50〜500ppm程度であ
る。
方向に50nm以下の範囲で、例えば50〜500ppm程度であ
る。
なお、合金溶湯に吹き付ける不活性ガスは、雰囲気ガ
スと同種のものを用いることが好ましい。
スと同種のものを用いることが好ましい。
本発明を片ロール法に適用する場合、用いる冷却ロー
ルの寸法に特に制限はなく、目的に応じて適当な寸法と
すればよいが、通常、直径150〜1500mm、幅20〜100mm程
度である。また、ロール中心には、水冷用の孔が設けら
れていてもよい。
ルの寸法に特に制限はなく、目的に応じて適当な寸法と
すればよいが、通常、直径150〜1500mm、幅20〜100mm程
度である。また、ロール中心には、水冷用の孔が設けら
れていてもよい。
冷却ロールの材質は、例えば、銅、銅系合金、銀、銀
系合金等が好ましく、熱伝導度が高いこと、安価である
ことなどから、銅または銅系合金を用いることが特に好
ましい。銅系合金としては、銅ベリリウム合金が好まし
い。
系合金等が好ましく、熱伝導度が高いこと、安価である
ことなどから、銅または銅系合金を用いることが特に好
ましい。銅系合金としては、銅ベリリウム合金が好まし
い。
なお、冷却ロール表面には、表面層が設けられていて
もよい。すなわち、第1図に示されるように、冷却ロー
ル13は、基材131とこの基材131表面に形成された表面層
132とから構成されていてもよい。
もよい。すなわち、第1図に示されるように、冷却ロー
ル13は、基材131とこの基材131表面に形成された表面層
132とから構成されていてもよい。
この場合、表面層の熱伝導度が基材の熱伝導度より低
いことが好ましい。表面層の材質としては、Cr、Ni、C
o、Nb、V等の単体あるいはステンレス、焼き入れ鋼
等、前記元素の1種以上を含有する合金等が好ましい。
このような表面層を有する冷却ロールを用いた場合、本
発明の効果はさらに向上する。この場合、得られる永久
磁石材料のロール面近傍は、表面層構成元素を含むこと
がある。
いことが好ましい。表面層の材質としては、Cr、Ni、C
o、Nb、V等の単体あるいはステンレス、焼き入れ鋼
等、前記元素の1種以上を含有する合金等が好ましい。
このような表面層を有する冷却ロールを用いた場合、本
発明の効果はさらに向上する。この場合、得られる永久
磁石材料のロール面近傍は、表面層構成元素を含むこと
がある。
永久磁石材料に含有される冷却ロール表面層構成元素
は、高速急冷時に冷却ロール表面から拡散されたもので
ある。この場合、表面層構成元素の含有量は、ロール面
から厚さ方向に20nm以下の範囲で、10〜500ppm程度であ
る。
は、高速急冷時に冷却ロール表面から拡散されたもので
ある。この場合、表面層構成元素の含有量は、ロール面
から厚さ方向に20nm以下の範囲で、10〜500ppm程度であ
る。
ロールの周速度は、ロール表面層の組成、合金溶湯の
組成、目的とする永久磁石材料の組織構造、熱処理の有
無等の各種条件によっても異なるが、好ましくは1〜50
m/s、特に5〜35m/sとすることが好ましい。周速度が上
記範囲未満であると、得られる永久磁石材料の大部分の
結晶粒が大きくなりすぎる。また、周速度が上記範囲を
超えると、大部分が非晶質となり磁気特性が低下する。
組成、目的とする永久磁石材料の組織構造、熱処理の有
無等の各種条件によっても異なるが、好ましくは1〜50
m/s、特に5〜35m/sとすることが好ましい。周速度が上
記範囲未満であると、得られる永久磁石材料の大部分の
結晶粒が大きくなりすぎる。また、周速度が上記範囲を
超えると、大部分が非晶質となり磁気特性が低下する。
得られる永久磁石材料の厚さは、好ましくは20〜200
μm、より好ましくは25〜150μmとすることがよい。
厚さがこの範囲を超えると保磁力が低下し、この範囲未
満であると配向性が低下する。
μm、より好ましくは25〜150μmとすることがよい。
厚さがこの範囲を超えると保磁力が低下し、この範囲未
満であると配向性が低下する。
本発明を双ロール法に適用する場合、用いる冷却ロー
ルの寸法および両ロールの間隔に特に制限はないが、通
常、直径50〜300mm、幅20〜80mm程度であり、両ロール
の間隔は、0.02〜2mm程度とすることが好ましい。
ルの寸法および両ロールの間隔に特に制限はないが、通
常、直径50〜300mm、幅20〜80mm程度であり、両ロール
の間隔は、0.02〜2mm程度とすることが好ましい。
なお、溶湯冷却時に両ロール間に圧力を印加し、急冷
圧延を行なってもよい。
圧延を行なってもよい。
また、双ロール法における製造条件は上記した片ロー
ル法に準じればよいが、冷却ロールの周速度は0.3〜20m
/sとすることが好ましい。
ル法に準じればよいが、冷却ロールの周速度は0.3〜20m
/sとすることが好ましい。
双ロール法により得られる永久磁石材料の形状は、通
常、薄帯状あるいは薄片状であり、その厚さは上記の片
ロール法と同程度とすることが好ましい。
常、薄帯状あるいは薄片状であり、その厚さは上記の片
ロール法と同程度とすることが好ましい。
本発明により得られる永久磁石材料は、通常、薄帯状
あるいは薄片状であり、実質的に正方晶系の結晶構造の
主相のみを有するか、このような主相と、非晶質および
/または結晶質の副相とを有することが好ましい。
あるいは薄片状であり、実質的に正方晶系の結晶構造の
主相のみを有するか、このような主相と、非晶質および
/または結晶質の副相とを有することが好ましい。
R−T−B化合物(TはFeおよび/またはCo)として
安定な正方晶化合物はR2T14B(R=11.76at%、T=82.
36at%、B=5.88at%)であり、主相は実質的にこの化
合物から形成される。また、副相は、主相の結晶粒界と
して存在する。
安定な正方晶化合物はR2T14B(R=11.76at%、T=82.
36at%、B=5.88at%)であり、主相は実質的にこの化
合物から形成される。また、副相は、主相の結晶粒界と
して存在する。
本発明の第1の態様により製造される永久磁石材料
は、ロール面側に雰囲気ガス巻き込みに起因する凹部が
殆どみられず、また、ロール面近傍での結晶粒径の均一
性が高い。
は、ロール面側に雰囲気ガス巻き込みに起因する凹部が
殆どみられず、また、ロール面近傍での結晶粒径の均一
性が高い。
例えば、ロール面近傍領域における結晶粒径の標準偏
差を、10nm以下、特に7nm以下とすることが容易にでき
る。
差を、10nm以下、特に7nm以下とすることが容易にでき
る。
この場合のロール面近傍領域とは、後述する領域Pと
同一であり、ロール面から磁石厚さの1/5までの領域で
ある。
同一であり、ロール面から磁石厚さの1/5までの領域で
ある。
この領域における結晶粒径の標準偏差は、下記のよう
にして算出することが好ましい。
にして算出することが好ましい。
まず、上記領域中において、透過型電子顕微鏡により
視野中に結晶粒が約100個以上入る写真を撮影する。こ
の写真を上記領域中において無作為に30枚以上、好まし
くは50枚以上撮影し、画像解析等により各視野中での平
均粒径を測定する。この場合の平均粒径は、通常、結晶
粒を円に換算したときの平均直径となる。次いで、これ
らの平均粒径の標準偏差を求める。
視野中に結晶粒が約100個以上入る写真を撮影する。こ
の写真を上記領域中において無作為に30枚以上、好まし
くは50枚以上撮影し、画像解析等により各視野中での平
均粒径を測定する。この場合の平均粒径は、通常、結晶
粒を円に換算したときの平均直径となる。次いで、これ
らの平均粒径の標準偏差を求める。
本発明の第2の態様により製造される永久磁石材料
は、上記凹部がみられず、かつロール面近傍での結晶粒
径の均一性が高いことに加え、下記の特徴を有する。
は、上記凹部がみられず、かつロール面近傍での結晶粒
径の均一性が高いことに加え、下記の特徴を有する。
すなわち、冷却ロールに接触した面から永久磁石材料
の厚さ方向に最も遠い領域をDとし、冷却ロールに接触
した面の近傍領域をPとしたとき、Dにおける平均結晶
粒径dと、Pにおける平均結晶粒径pとの関係が、d/p
≦4、特にd/p≦2.5とすることができる。
の厚さ方向に最も遠い領域をDとし、冷却ロールに接触
した面の近傍領域をPとしたとき、Dにおける平均結晶
粒径dと、Pにおける平均結晶粒径pとの関係が、d/p
≦4、特にd/p≦2.5とすることができる。
なお、d/pの下限は通常1であるが、本発明によれば
1.5≦d/p≦2程度の良好な値を容易に得ることができ
る。
1.5≦d/p≦2程度の良好な値を容易に得ることができ
る。
本発明において、DおよびPは下記のように定義され
る。
る。
片ロール法により得られる永久磁石材料は、冷却ロー
ルに接触した面およびそれと対向する面が主面となる。
本発明において永久磁石材料の厚さ方向とは、この主面
の法線方向を意味する。
ルに接触した面およびそれと対向する面が主面となる。
本発明において永久磁石材料の厚さ方向とは、この主面
の法線方向を意味する。
片ロール法を用いた場合、上記した領域Dは、冷却時
に冷却ロールに接触した主面と対向する主面近傍領域、
すなわち、いわゆるフリー面近傍領域であり、領域P
は、いわゆるロール面近傍領域となる。
に冷却ロールに接触した主面と対向する主面近傍領域、
すなわち、いわゆるフリー面近傍領域であり、領域P
は、いわゆるロール面近傍領域となる。
この場合、領域Dおよび領域Pの磁石厚さ方向の幅
は、いずれも磁石厚さの1/5とする。
は、いずれも磁石厚さの1/5とする。
これらの領域中における平均結晶粒径の測定は、上記
したように透過型電子顕微鏡によって行なうことができ
る。
したように透過型電子顕微鏡によって行なうことができ
る。
本発明では、領域Dにおける平均結晶粒径dとして、
0.01〜2μm、特に0.02〜1.0μmが容易に得られ、領
域Pにおける平均結晶粒径pとして、0.005〜1μm、
特に0.01〜0.75μmが容易に得られる。
0.01〜2μm、特に0.02〜1.0μmが容易に得られ、領
域Pにおける平均結晶粒径pとして、0.005〜1μm、
特に0.01〜0.75μmが容易に得られる。
平均粒径がこの範囲未満であるとアモルファス状態に
近いため保磁力が低下し、この範囲を超えると高いエネ
ルギー積が得られない。
近いため保磁力が低下し、この範囲を超えると高いエネ
ルギー積が得られない。
また、結晶粒界の幅は、領域Dにおいて0.001〜0.1μ
m、特に0.002〜0.05μm程度とでき、領域Pにおいて
0.001〜0.05μm、特に0.002〜0.025μm程度とするこ
とができる。結晶粒界の幅がこの範囲未満であると高い
保磁力が得られず、この範囲を超えると飽和磁束密度が
低下する。
m、特に0.002〜0.05μm程度とでき、領域Pにおいて
0.001〜0.05μm、特に0.002〜0.025μm程度とするこ
とができる。結晶粒界の幅がこの範囲未満であると高い
保磁力が得られず、この範囲を超えると飽和磁束密度が
低下する。
なお、この本発明により製造された永久磁石材料に
は、特性改善のための熱処理が施されてもよい。
は、特性改善のための熱処理が施されてもよい。
本発明で用いる合金溶湯の組成は、R(ただし、Rは
Yを含む希土類元素の1種以上である。)と、Feまたは
FeおよびCoと、Bとを含有するものであれば組成に特に
制限はなく、どのような組成であっても本発明の効果は
実現するが、永久磁石としたときの磁気特性が高いこと
から下記の組成を有することが好ましい。
Yを含む希土類元素の1種以上である。)と、Feまたは
FeおよびCoと、Bとを含有するものであれば組成に特に
制限はなく、どのような組成であっても本発明の効果は
実現するが、永久磁石としたときの磁気特性が高いこと
から下記の組成を有することが好ましい。
R:5〜20at%、 B:2〜15at%および Co:0〜55at% を含み、残部が実質的にFeであるもの。
より好ましくは R:5〜17at%、 B:2〜12at%および Co:0〜40at% を含み、残部が実質的にFeであるもの。
Rについてさらに説明すれば、RはYを含む希土類元
素の1種以上であるが、高い磁気特性を得るために、R
として特にNdおよび/またはPrを含むことが好ましい。
Ndおよび/またはPrの含有量は、R全体の60%以上であ
ることが好ましい。
素の1種以上であるが、高い磁気特性を得るために、R
として特にNdおよび/またはPrを含むことが好ましい。
Ndおよび/またはPrの含有量は、R全体の60%以上であ
ることが好ましい。
上記各元素の他、添加元素として、Zr、Nb、Mo、Hf、
Ta、W、Ti、VおよびCrの1種以上が含有されていても
よい。これらの元素は、結晶成長を抑制する作用を有す
る。また、Cu、MnおよびAgの1種以上が含有されていて
もよい。これらの元素は、塑性加工時の加工性を改善す
る作用を有する。
Ta、W、Ti、VおよびCrの1種以上が含有されていても
よい。これらの元素は、結晶成長を抑制する作用を有す
る。また、Cu、MnおよびAgの1種以上が含有されていて
もよい。これらの元素は、塑性加工時の加工性を改善す
る作用を有する。
これら添加元素の総含有量は、全体の15at%以下であ
ることが好ましい。さらに、耐食性を向上させるために
は、Niが含有されることが好ましい。Niの含有量は、上
記添加元素と合わせて30at%以下であることが好まし
い。
ることが好ましい。さらに、耐食性を向上させるために
は、Niが含有されることが好ましい。Niの含有量は、上
記添加元素と合わせて30at%以下であることが好まし
い。
なお、Bの一部を、C、N、Si、P、Ga、Ge、Sおよ
び0の1種以上で置換してもよい。置換量は、Bの50%
以下であることが好ましい。
び0の1種以上で置換してもよい。置換量は、Bの50%
以下であることが好ましい。
このような組成は、原子吸光法、蛍光X線法、ガス分
析法等によって容易に測定できる。
析法等によって容易に測定できる。
〈実施例〉 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに
詳細に説明する。
詳細に説明する。
直径500mm、幅60mmの銅ベリリウム合金製冷却ロール
を用いて、永久磁石材料を作製した。
を用いて、永久磁石材料を作製した。
まず、8.5Nd−3.5Zr−7.5B−80.5Feの組成(数値は原
子百分率を表わす)を有する合金インゴットをアーク溶
解により作製した。得られた合金インゴットを石英ノズ
ルに入れ、高周波誘導加熱により溶湯とした。
子百分率を表わす)を有する合金インゴットをアーク溶
解により作製した。得られた合金インゴットを石英ノズ
ルに入れ、高周波誘導加熱により溶湯とした。
この溶湯を、上記冷却ロールを用いた片ロール法によ
り高速急冷し、永久磁石材料サンプルNo.1を得た。
り高速急冷し、永久磁石材料サンプルNo.1を得た。
なお、ノズル系は1.2mmφ、ノズル先端と冷却ロール
表面との間隔は0.5mm、溶湯射出圧力は1kg/cm2とし、加
圧にはArガスを用いた。また、溶湯射出時の雰囲気は、
10-2TorrのArガス雰囲気とした。
表面との間隔は0.5mm、溶湯射出圧力は1kg/cm2とし、加
圧にはArガスを用いた。また、溶湯射出時の雰囲気は、
10-2TorrのArガス雰囲気とした。
サンプルNo.1では、合金溶湯の急冷時に、合金111を
挟んで冷却ロール13表面に向かう方向にArガスを吹き付
けた。このときガスの吹き付け方向と、冷却により得ら
れた薄帯状永久磁石材料の進行方向との成す角度は120
°とし、ガスの噴射圧力は2kg/cm2とした。また、合金
にあたるArガス流のノズル側端部と、冷却ロール表面の
ノズル直下位置との距離が、ノズル径の6倍になるよう
に吹き付けを行なった。
挟んで冷却ロール13表面に向かう方向にArガスを吹き付
けた。このときガスの吹き付け方向と、冷却により得ら
れた薄帯状永久磁石材料の進行方向との成す角度は120
°とし、ガスの噴射圧力は2kg/cm2とした。また、合金
にあたるArガス流のノズル側端部と、冷却ロール表面の
ノズル直下位置との距離が、ノズル径の6倍になるよう
に吹き付けを行なった。
また、ガス吹き付けを行なわないで永久磁石材料サン
プルNo.2を作製した。
プルNo.2を作製した。
さらに、比較のために、溶湯射出時の雰囲気を200Tor
rのArガス雰囲気とし、その他はサンプルNo.2と同様に
してサンプルNo.101を作製した。
rのArガス雰囲気とし、その他はサンプルNo.2と同様に
してサンプルNo.101を作製した。
各サンプルの厚さおよび冷却ロールの周速度を下記表
1に示す。
1に示す。
また、各サンプルを、その断面が容易に観察できる方
向に切断し、ロール面からサンプル厚さの1/5までの領
域(領域P)内を透過型電子顕微鏡により無作為に50枚
撮影した。各写真中には、結晶粒が100個以上入るよう
にした。
向に切断し、ロール面からサンプル厚さの1/5までの領
域(領域P)内を透過型電子顕微鏡により無作為に50枚
撮影した。各写真中には、結晶粒が100個以上入るよう
にした。
これらの各写真中における結晶粒の平均粒径を求め、
平均結晶粒径50個の標準偏差を求めた。結果を表1に示
す。
平均結晶粒径50個の標準偏差を求めた。結果を表1に示
す。
また、サンプルNo.2およびサンプルNo.101のロール面
の粗さを、(株)ミツトヨ製サーフテスト201により調
べた。サンプルNo.2のロール面のプロファイルを第2図
に、サンプルNo.101のロール面のプロファイルを第3図
にそれぞれ示す。なお、これらのプロファイルは、薄帯
状サンプルの幅方向のものである。
の粗さを、(株)ミツトヨ製サーフテスト201により調
べた。サンプルNo.2のロール面のプロファイルを第2図
に、サンプルNo.101のロール面のプロファイルを第3図
にそれぞれ示す。なお、これらのプロファイルは、薄帯
状サンプルの幅方向のものである。
第3図から明らかなように、サンプルNo.101にはArガ
ス巻き込みに起因する周波数の低い凹凸が認められる。
ス巻き込みに起因する周波数の低い凹凸が認められる。
一方、第2図に示すサンプルNo.2では、第3図のよう
な凹凸は認められない。なお、これはサンプルNo.1でも
同様であった。
な凹凸は認められない。なお、これはサンプルNo.1でも
同様であった。
また、各サンプルのフリー面から薄帯厚さの1/5まで
の範囲(領域D)の平均結晶粒径dを上記と同様にして
求め、先に求めた領域Pにおける平均結晶粒径pを用い
て、d/pを算出した。結果を表1に示す。
の範囲(領域D)の平均結晶粒径dを上記と同様にして
求め、先に求めた領域Pにおける平均結晶粒径pを用い
て、d/pを算出した。結果を表1に示す。
さらに、これらのサンプルのiHcおよび(BH)maxを測
定した。結果を表1に示す。
定した。結果を表1に示す。
なお、このサンプルNo.1をオージェ分析したところ、
フリー面から50nm以下の範囲で200ppm、また、ロール面
から50nm以下の範囲で30ppmのArの含有が認められた。
フリー面から50nm以下の範囲で200ppm、また、ロール面
から50nm以下の範囲で30ppmのArの含有が認められた。
上記実施例の結果から、本発明の効果が明らかであ
る。
る。
なお、低ベリリウム銅合金製基材表面にCrめっき表面
層を形成し、第1図に示すような冷却ロールを作製し
て、サンプルNo.1と同様にして永久磁石材料を製造した
ところ、d/pは約15%減少し、さらに薄帯全体として磁
気特性が向上した。そして、この場合、永久磁石材料の
ロール面から20nm以下の範囲において100ppmのCr含有が
認められた。また、Ni無電解めっき膜、Co溶射膜、Vの
焼ばめまたはNb薄板の接着により表面層を形成した冷却
ロールを用いた場合でも、Cr表面層の場合と同様にd/p
の減少が認められ、永久磁石材料のロール面から20nm以
下の範囲において10〜500ppmの表面層構成元素の含有が
認められた。
層を形成し、第1図に示すような冷却ロールを作製し
て、サンプルNo.1と同様にして永久磁石材料を製造した
ところ、d/pは約15%減少し、さらに薄帯全体として磁
気特性が向上した。そして、この場合、永久磁石材料の
ロール面から20nm以下の範囲において100ppmのCr含有が
認められた。また、Ni無電解めっき膜、Co溶射膜、Vの
焼ばめまたはNb薄板の接着により表面層を形成した冷却
ロールを用いた場合でも、Cr表面層の場合と同様にd/p
の減少が認められ、永久磁石材料のロール面から20nm以
下の範囲において10〜500ppmの表面層構成元素の含有が
認められた。
また、不活性ガスとしてN2ガスを用いた場合でも、サ
ンプルNo.1と同等の(BH)maxおよびd/pが得られ、Arガ
スを用いた場合と同様に、永久磁石材料のフリー面近傍
に窒素の含有が認められた。また、不活性ガスとしてHe
ガスを用いた場合でも、同様な効果が実現した。
ンプルNo.1と同等の(BH)maxおよびd/pが得られ、Arガ
スを用いた場合と同様に、永久磁石材料のフリー面近傍
に窒素の含有が認められた。また、不活性ガスとしてHe
ガスを用いた場合でも、同様な効果が実現した。
さらに、片ロール法に替えて双ロールを用いて、上記
圧力のArガス雰囲気中で合金溶湯の冷却を行なったとこ
ろ、得られた合金薄帯には凹部がみられず、ロール面近
傍の結晶粒径は均一性の高いものであり、保磁力も上記
サンプルNo.2とほぼ同等であった。
圧力のArガス雰囲気中で合金溶湯の冷却を行なったとこ
ろ、得られた合金薄帯には凹部がみられず、ロール面近
傍の結晶粒径は均一性の高いものであり、保磁力も上記
サンプルNo.2とほぼ同等であった。
〈発明の効果〉 本発明によれば、合金溶湯冷却時に合金と冷却ロール
との間に雰囲気ガスが巻き込まれることを防止できるの
で、ロール面近傍での結晶粒径の均一性が高い永久磁石
材料が得られる。
との間に雰囲気ガスが巻き込まれることを防止できるの
で、ロール面近傍での結晶粒径の均一性が高い永久磁石
材料が得られる。
さらに本発明では、合金溶湯のロール面側の冷却速度
とフリー面側の冷却速度との差を極めて小さくできるの
で、得られる永久磁石材料薄帯は、ロール面側の結晶粒
径とフリー面側の結晶粒径との差が小さく、薄帯厚さ方
向の磁気特性の変動が少ない。
とフリー面側の冷却速度との差を極めて小さくできるの
で、得られる永久磁石材料薄帯は、ロール面側の結晶粒
径とフリー面側の結晶粒径との差が小さく、薄帯厚さ方
向の磁気特性の変動が少ない。
このため、本発明は、ボンディッド磁石用の永久磁石
材料製造に極めて好適である。
材料製造に極めて好適である。
第1図は、本発明の好適実施例を表わす概念図である。 第2図および第3図は、それぞれ永久磁石材料のロール
面のプロファイルを表わすグラフである。 符号の説明 11…合金溶湯 111…合金 112…薄帯状永久磁石材料 12…ノズル 13…冷却ロール 131…基材 132…表面層
面のプロファイルを表わすグラフである。 符号の説明 11…合金溶湯 111…合金 112…薄帯状永久磁石材料 12…ノズル 13…冷却ロール 131…基材 132…表面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−54718(JP,A) 特開 昭63−215348(JP,A) 特開 昭63−309360(JP,A) 特開 昭64−31559(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/06
Claims (5)
- 【請求項1】R(ただし、RはYを含む希土類元素の1
種以上である。)と、FeまたはFeおよびCoと、Bとを含
有する溶湯状の合金をノズルから射出し、ノズルに対し
て回転している冷却ロールの表面と接触させることによ
り前記合金を一方向または対向する二方向から冷却する
工程を有する永久磁石材料の製造方法であって、 前記工程を10-4〜1Torrの不活性ガス雰囲気中で行なう
ことにより、冷却時に冷却ロールに接触した主面と対向
する主面近傍領域の平均結晶粒径が0.02〜1.0μm(た
だし1.0μmを含まない)であり、ロール面近傍領域の
平均結晶粒径が0.01〜0.75μmの薄帯を得ることを特徴
とする永久磁石材料の製造方法。 - 【請求項2】R(ただし、RはYを含む希土類元素の1
種以上である。)と、FeまたはFeおよびCoと、Bとを含
有する溶湯状の合金をノズルから射出し、ノズルに対し
て回転している冷却ロールの表面と接触させることによ
り前記合金を一方向または対向する二方向から冷却する
工程を有する永久磁石材料の製造方法であって、 前記工程を10-4〜1Torrの不活性ガス雰囲気中で行なう
ことにより、冷却時に冷却ロールに接触した主面と対向
する主面近傍領域の結晶粒界の幅が0.002〜0.05μmで
あり、ロール面近傍領域の結晶粒界の幅が0.002〜0.025
μmの薄帯を得ることを特徴とする永久磁石材料の製造
方法。 - 【請求項3】R(ただし、RはYを含む希土類元素の1
種以上である。)と、FeまたはFeおよびCoと、Bとを含
有する溶湯状の合金をノズルから射出し、ノズルに対し
て回転している冷却ロールの表面に衝突させ、冷却ロー
ル表面と接触させることにより前記合金を一方向から冷
却する工程を有する永久磁石材料の製造方法であって、 溶湯状の合金が衝突する冷却ロール表面付近を1Torr以
下の不活性ガス雰囲気とし、 冷却ロール表面に向かう方向に不活性ガス流を吹き付け
ることにより、冷却ロール表面付近に存在する合金と冷
却ロール表面との接触時間を延長させることを特徴とす
る永久磁石材料の製造方法。 - 【請求項4】不活性ガス流のノズルに近い側の端部が合
金に接触する位置と、冷却ロール表面のノズル直下位置
との距離が、冷却ロール回転方向に測ったノズル径の5
倍以上である請求項3に記載の永久磁石材料の製造方
法。 - 【請求項5】不活性ガス流の吹き付け方向と、冷却によ
り得られる薄帯状永久磁石材料の進行方向との成す角度
が鈍角である請求項3または4に記載の永久磁石材料の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2134388A JP3025693B2 (ja) | 1990-05-24 | 1990-05-24 | 永久磁石材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2134388A JP3025693B2 (ja) | 1990-05-24 | 1990-05-24 | 永久磁石材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0428458A JPH0428458A (ja) | 1992-01-31 |
JP3025693B2 true JP3025693B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=15127236
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2134388A Expired - Fee Related JP3025693B2 (ja) | 1990-05-24 | 1990-05-24 | 永久磁石材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3025693B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160079957A (ko) * | 2014-12-26 | 2016-07-07 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 고규소 철계 박판 및 그 제조방법 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2639609B2 (ja) * | 1992-02-15 | 1997-08-13 | 三徳金属工業株式会社 | 永久磁石用合金鋳塊及びその製造法 |
JP3643215B2 (ja) * | 1997-07-04 | 2005-04-27 | 株式会社Neomax | 積層永久磁石の製造方法 |
JP3643214B2 (ja) * | 1997-06-26 | 2005-04-27 | 株式会社Neomax | 積層永久磁石の製造方法 |
TW514938B (en) * | 1999-11-04 | 2002-12-21 | Seiko Epson Corp | Cooling roll, production method for magnet material, thin-band-like magnet material, magnet powder and bond magnet |
-
1990
- 1990-05-24 JP JP2134388A patent/JP3025693B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160079957A (ko) * | 2014-12-26 | 2016-07-07 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 고규소 철계 박판 및 그 제조방법 |
KR102265282B1 (ko) | 2014-12-26 | 2021-06-15 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 고규소 철계 박판 및 그 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0428458A (ja) | 1992-01-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3502107B2 (ja) | 永久磁石材料の製造方法 | |
US7431070B2 (en) | Rare earth magnet alloy ingot, manufacturing method for the same, R-T-B type magnet alloy ingot, R-T-B type magnet, R-T-B type bonded magnet, R-T-B type exchange spring magnet alloy ingot, R-T-B type exchange spring magnet, and R-T-B type exchange spring bonded magnet | |
JP3248942B2 (ja) | 冷却ロール、永久磁石材料の製造方法、永久磁石材料および永久磁石材料粉末 | |
US6695929B2 (en) | Method of making material alloy for iron-based rare earth magnet | |
EP1738377B1 (en) | Alloy lump for r-t-b type sintered magnet, producing method thereof, and magnet | |
EP1647343A2 (en) | Method of making rapidly solidified alloy for magnet | |
US20140238553A1 (en) | Sintered body that is precursor of rare-earth magnet, and method for producing magnetic powder for forming the same | |
JP3724513B2 (ja) | 永久磁石の製造方法 | |
JP2017139259A (ja) | R−t−b系焼結磁石用合金、及びr−t−b系焼結磁石 | |
JP4879503B2 (ja) | R−t−b系焼結磁石用合金塊、その製造法および磁石 | |
JP3025693B2 (ja) | 永久磁石材料の製造方法 | |
WO1999007005A1 (fr) | Bande d'alliage a aimant mince et aimant colle par resine | |
WO2003020993A1 (en) | Rare earth magnet alloy ingot, manufacturing method for the same, r-t-b type magnet alloy ingot, r-t-b type magnet, r-t-b type bonded magnet, r-t-b type exchange spring magnet alloy ingot, r-t-b type exchange spring magnet, and r-t-b type exchange spring bonded magnet | |
JP3077995B2 (ja) | 永久磁石材料、永久磁石材料製造用冷却ロールおよび永久磁石材料の製造方法 | |
JP4120253B2 (ja) | ナノコンポジット磁石用急冷合金およびその製造方法 | |
JPH091296A (ja) | 磁石合金製造用急冷ロール | |
JPH05135919A (ja) | 永久磁石材料製造用冷却ロールおよび永久磁石材料の製造方法 | |
JP2019062152A (ja) | 拡散源 | |
JP3583105B2 (ja) | 鉄基希土類磁石原料合金の製造方法 | |
JP2000077219A (ja) | 磁石材料の製造方法、磁石材料およびボンド磁石 | |
JPH0455042A (ja) | 永久磁石材料の製造方法 | |
JP4754739B2 (ja) | 希土類磁石用合金塊、その製造方法および焼結磁石 | |
JP3125226B2 (ja) | 希土類金属‐遷移金属‐ホウ素系異方性焼結磁石の製造方法 | |
JP2014087812A (ja) | 希土類磁石合金薄帯の製造方法 | |
JP2004148406A (ja) | 磁石材料の製造方法、磁石材料およびボンド磁石 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090121 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100121 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |