JPH0513564U - デイスペンサー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は押釦の押圧操作により内容物を吐出口
より外部に吐出する構成とされたディスペンサーに関
し、液だれの発生を防止することを目的とする。 【構成】押釦２６ａの押圧操作時におけるステム２１の
移動により、上記タンク２２及びステム２１が形成する
空間部の容積を縮小変化させ、この容積の縮小変化によ
り空間部内に充填された内容物を吐出流路２６ｂを介し
て吐出口２６ｃから吐出させると共に、上記押圧解除操
作時におけるステム２１の移動により、上記空間部の容
積を拡張変化させ、容器２７内に充填されている内容物
を空間部内に吸引することにより充填する構成とされた
ディスペンサーにおいて、上記吐出流路２６ｂと連通す
るポンプ機構２５（操作部３４と連通路３５とより構成
される）を設け、上記押釦２６ａの押圧解除操作に伴
い、ポンプ機構２５が吐出流路２６ｂ内に残存する内容
物を吸引する構成とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はディスペンサーに係り、特に押釦の押圧操作により内容物を吐出口よ り外部に吐出する構成とされたディスペンサーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば乳液や化粧水の容器には、頭部に設けられた押釦を押圧操作することに より内容物を吐出させるディスペンサーが取り付けられているものがある。ディ スペンサー付の容器によれば、内容物を取り出すのに容器を傾ける必要がなく扱 い易く、また押釦操作により毎回定量の内容物を取り出すことができる。

【０００３】 図４は従来のディスペンサー１の構造を示す断面図である。同図において、２ は吐出ノズル３と一体化された押釦、４はスクリューキャップ、５はステム、６ はタンク、７はコイルスプリング、８，９は逆止弁として機能するボール弁、１ ０はパイプを示している。

【０００４】 このディスペンサー１は、スクリューキャップ４を容器開口部に螺合すること により容器１１に取り付けられる。また、ステム５、タンク６等はディスペンサ ー１の内部にパイプ１０より吐出ノズル３に到る流体通路を形成する。

【０００５】 そして、押釦２がコイルスプリング７の弾性付勢力に抗して押圧操作されると 、ステム５が変位して流体通路内に充填されている内容物は加圧され、またボー ル弁８がタンク６の下部を閉弁しているため、よって内容物は吐出ノズル３より 吐出される構成となっている。

【０００６】 また、押釦２の押圧操作を止めると、押釦２はコイルスプリング７に付勢され て元の位置まで復帰する。この際、ボール弁９はステム５の上部を閉弁している ため、吐出ノズル３から外部の空気がディスペンサー１内に進入することはなく 、容器１１内の内容物がパイプ１０を通りディスペンサー１内に進入し、次回の 吐出操作に備える構成とされていた。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上記構成のディスペンサー１では、内容物の取り出し操作終了後、ボール弁９ が閉弁すると、ボール弁９から吐出口３ａへ到る吐出流路１２に内容物が残留す ることになる。

【０００８】 従来のディスペンサー１では、この吐出流路１２は単に吐出時に内容物が流れ るだけの構成とされていたため、内容物の粘度が低い場合には、残留している内 容物が吐出口３ａより漏れだし、いわゆる液だれが生じてしまうという問題点が あった。

【０００９】 本考案は上記の点に鑑みてなされたものであり、液だれの発生を防止しうるデ ィスペンサーを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案では、 押釦の押圧操作または押圧解除操作によりステムがタンク内を移動する構成と されており、 上記押圧操作時におけるステムの移動により、上記タンク及びステムが形成す る空間部の容積を縮小変化させ、この容積の縮小変化により空間部内に充填され た内容物を吐出流路を介して吐出口から吐出させると共に、 上記押圧解除操作時におけるステムの移動により、上記空間部の容積を拡張変 化させ、容器本体内に充填されている内容物を空間部内に吸引することにより充 填する構成とされたディスペンサーにおいて、 上記吐出流路と連通するポンプ機構を設け、上記押釦の押圧解除操作に伴い、 ポンプ機構が吐出流路内に残存する内容物を吸引する構成としたことを特徴とす るものである。

【００１１】

【作用】

ディスペンサーを上記構成とすることにより、押釦の押圧操作を解除すること により、ポンプ機構は吐出流路内に残存する内容物を吸引するため、液だれの発 生を防止することができる。

【００１２】

【実施例】

次に本考案の実施例について図面と共に説明する。

【００１３】 図１は本考案の一実施例であるディスペンサー２０を示す縦断面図である。デ ィスペンサー２０は、大略すると、ステム２１，タンク２２，コイルスプリング ２３，キャップ２４，そして本考案の要部となるポンプ機構２５等により構成さ れている。このディスペンサー２０は、例えば液体の内容物が充填された容器２ ７に取り付けられるものである。

【００１４】 ステム２１は樹脂成形品であり、上部に吐出ノズル２６( 押釦２６ａを有する ）が配設されている。このステム２１及び吐出ノズル２６の内部は中空となって おり、内容物が通過する吐出流路２６ｂを形成している。また、ステム２１の下 端外周位置にはピストン２８が設けられており、このピストン２８はタンク２２ の内壁２２ａに液密に摺接している。また、ステム２１の上部にはボール弁３０ が配設されており、このボール弁３０は外部空気が吐出ノズル２６からステム２ １内に逆流するのを防止する逆止弁として機能する。

【００１５】 タンク２２は、上記のようにステム２１に形成されたピストン２８がその内壁 ２２ａに摺接しており、ステム２１はタンク２２内で上下方向に液密に摺動しう る構成となっている。また、タンク２２の上端部にはキャップ２４が配設されて おり、このキャップ２４を容器開口部に形成されたスクリュー２７ａに螺着する ことにより、ディスペンサー２０は容器２７に固定される。また、タンク２２の 下部に形成された開口部３３にはパイプ３２が取り付けられており、容器２７内 に充填されている内容物は、この開口部３３よりタンク２２内に進入する。更に 、この開口部３３にはボール弁３１が配設されている。このボール弁３１は、タ ンク２２から容器２７へ内容物が逆流するのを防止する逆止弁として機能する。

【００１６】 コイルスプリング２３は、その上端部をステム２１の下端部に当接すると共に 下端部をポペット２９に当接している。このコイルスプリング２３はステム２１ を図中上方向に弾性付勢する構成となっている。

【００１７】 ポンプ機構２５は本考案の特徴となるものであり、操作部３４と連通路３５と により構成されている。操作部３４は、例えば樹脂或いはゴム等の可撓性を有す る部材により形成された中空の半球状部材であり、吐出ノズル２６の押釦２６ａ 上に配設されている。また、連通路３５は、操作部３４の内部空間部３４ａと前 記した吐出通路２６ｂを連通するよう形成されている。

【００１８】 操作部３４は、上記のように押釦２６ａ上に配設されているため、内容物の吐 出操作を行うため押釦２６ａを押圧操作すると、この操作部３４も必ず押圧操作 されることになる。また、操作部３４は可撓性を有する材質により形成されてい るため、押圧操作されることにより可撓変形し、内部空間部３４ａは収縮する。 また、押圧操作が解除されると、操作部３４は変形前の状態に弾性復元し、これ に伴い内部空間部３４ａは拡張する。この際、内部空間部３４ａの拡張に伴い操 作部３４は吐出通路２６ｂに対し連通路３５を介して吸引動作を行うことになる 。このようにポンプ機構２５は、操作部３４の可撓変形により吐出通路２６ｂに 対して吸引動作を行いうる構成となっている。

【００１９】 続いて、上記構成とされたディスペンサー２０の動作について説明する。図１ は使用されていない状態（以下、通常時という）におけるディスペンサー２０を 示している。

【００２０】 この通常時においては、コイルスプリング２３は伸長しており、ステム２１は タンク２２に対して押し上げられた状態となっている。

【００２１】 この通常時においては、上記のようにコイルスプリング２３がステム２１を押 し上げているため、ポペット２９の上端部に形成された鍔部２９ａは、ピストン ２８の内側に形成された弁部２８ａと液密に嵌合しステム２１を閉鎖している。 この鍔部２９ａと弁部２８ａの嵌合により、容器２７の気密性は維持され、容器 ２７の転倒や温度変化等による不慮の内容物の漏洩を防止することができる。

【００２２】 次にディスペンサー２０の使用時における動作について説明する。

【００２３】 ディスペンサー２０を使用し内容物を容器２７から取り出すには、押釦２６ａ を下方に向け押圧操作する。この際、前記のように押釦２６ａ上にはポンプ機構 ２５を構成する操作部３４が配設されているため、操作部３４は押釦２６ａと共 に押圧操作される。このため、図２に示すように操作部３４は可撓変形し、操作 部３４が形成する内部空間部３４ａも収縮する。

【００２４】 上記押釦２６ａの押圧操作によりステム２１は下動し、ステム２１とタンク２ ２により形成される空間部（図中、矢印Ａで示す。また、この空間部分には内容 物が充填されている）の容積は収縮する。また、前記したようにタンク２２の下 端部に形成されている開口部３３はボール弁３１により塞がれている。よって、 ステム２１の下動により加圧された内容物は、ポペット２９と弁部２８ａの遊嵌 部分よりステム２１内に進行し、ボール弁３０，吐出流路２６ｂを介して吐出口 ２６ｃから外部に吐出される。この際、ポンプ機構２５を構成する操作部３４は 押圧され内部空間部３４ａは縮小した状態となっている。尚、図２はステム２１ を下動限まで押圧操作した状態を示している。

【００２５】 図２に示す状態より押釦２６ａの押圧操作を解除すると、ステム２１はコイル スプリング２３の弾性復元力により上動を開始する。これにより、ステム２１と タンク２２により形成される空間部Ａの容積は拡張し、当該空間部Ａ内は負圧と なる。また上記空間Ａ内が負圧となることにより、ボール弁３１はタンク２２の 開口部３３から離間する。更に、ステム２１上部に配設されたボール弁３０によ り外部空気の吐出ノズル２６からステム２１内への流入も規制される。よって、 容器２７内に充填された内容物はパイプ３２を介してタンク２２内に流入し、こ れによりタンク２２内に内容物が充填される。

【００２６】 一方、上記のように押釦２６ａの押圧操作を解除した状態においてはボール弁 ３０は閉弁するため、図２に示したステム２１を下動限まで押圧操作した状態に おいて、吐出流路２６ｂに存在していた内容物は吐出流路２６ｂにそのまま残存 した状態となる（残存する内容物３６を、図２に梨地で示す）。

【００２７】 しかるに、押釦２６ａの押圧操作を解除することにより、ポンプ機構２５の操 作部３４の押圧も解除されることになる。よって、操作部３４は図３に実線で示 す状態より同図に一点鎖線で示す変形前の状態に弾性復元する。この弾性復元の 際、操作部３４が形成する内部空間部３４ａは拡張し、これに伴い吐出流路２６ ｂに残存している内容物３６を内部空間部３４ａ内に連通路３５を介して吸引す る。これにより内容物３６の先端を吐出口２６ｃから奥に引き込んで保持するこ とができ、吐出口２６ｃからの液だれを確実に防止することができる。また、内 部空間部３４ａ内に吸引された内容物３６は、次回の吐出操作において排出され るため、内容物の劣化等の問題も生じない。

【００２８】 尚、ステム２１の上動動作は、ポペット２９の鍔部２９ａがピストン２８の弁 部２８ａと係合するまで続けられ、この鍔部２９ａと弁部２８ａが係合した状態 で第１図に示す通常時の状態に復帰する。

【００２９】

【考案の効果】

上述の如く本考案によれば、押釦の押圧操作を解除することにより、ポンプ機 構は吐出流路内に残存する内容物を吸引するため、吐出流路内に残存する内容物 を吐出口から奥に引き込んで保持することができ、液だれの発生を防止すること ができる等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例であるディスペンサーの通常
時状態を示す縦断面図である。

【図２】図１に示すディスペンサーの使用状態を示す縦
断面図である。

【図３】ポンプ機構の動作を説明するための図である。

【図４】従来のディスペンサーの一例を説明するための
図である。

【符号の説明】

２０ ディスペンサー ２１ ステム ２２ タンク ２３ コイルスプリング ２４ キャップ ２５ ポンプ機構 ２６ 吐出ノズル２６ ２６ａ 押釦 ２６ｂ 吐出流路 ２６ｃ 吐出口 ２７ 容器 ２８ ピストン ２８ａ 弁部 ２９ ポペット ３０，３１ ボール弁 ３２ パイプ ３３ 開口部 ３４ 操作部 ３４ａ 内部空間部 ３５ 連通路 ３６ 内容物

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 押釦の押圧操作または押圧解除操作によ
   りステムがタンク内を移動する構成とされており、 上記押圧操作時における該ステムの移動により、該タン
   ク及びステムが形成する空間部の容積を縮小変化させ、
   該容積の縮小変化により該空間部内に充填された内容物
   を吐出流路を介して吐出口から吐出させると共に、 上記押圧解除操作時における該ステムの移動により、上
   記空間部の容積を拡張変化させ、容器本体内に充填され
   ている内容物を該空間部内に吸引することにより充填す
   る構成とされたディスペンサーにおいて、 該吐出流路と連通するポンプ機構を設け、上記押釦の押
   圧解除操作に伴い、該ポンプ機構が該吐出流路内に残存
   する内容物を吸引する構成としてなるディスペンサー。