JPH05135390A - 光ヘツド制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ディスクドライブの偏心を補正し、安定な
制御を行う光ヘッド制御装置を提供するものである。 【構成】 光ディスクドライブの偏心データをトラッキ
ング制御系が情報トラックを追従しているときに繰り返
し偏心メモリに記憶し一時的な振動、衝撃が加わって
も、なくなれば偏心成分のみの記憶にかわり、情報トラ
ックを移動するシーク時には記憶動作をとめ、偏心メモ
リ回路の記憶値を速度制御系に加算する構成として、安
定な移動処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は収束した光ビームを用い
て記録担体面に信号を記録又は再生する光学式記録再生
装置の光ヘッド制御装置のトラッキング制御に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来の光学式記録再生装置のトラッキン
グ制御の偏心を補正する装置に関する技術としては特開
平１−７３３９号公報に記載されているものがある。以
下図面を参照しながら偏心を補正する動作について説明
する。

【０００３】円盤状の記録担体（以下光ディスクと記
す）をモータで所定の回転数で回転させ、半導体レーザ
等の光源より放射された光ビームを収束・照射し、収束
レンズを移動して光ディスクの情報トラックを追従する
ようにトラッキング制御を行っている。

【０００４】偏心の大きい光ディスクでトラッキング制
御を行うときのトラックずれ信号は図３に示すように回
転数に同期した偏心成分があらわれる。

【０００５】この偏心成分を初期の立ち上げ時に偏心メ
モリ回路に記憶して、光ビームが情報トラックを追従す
るときトラッキング駆動系に加えて偏心によるトラック
ずれを補正し、情報トラック上を安定に追従するように
制御されている。

【０００６】情報トラックから情報トラックへ移動する
シーク時にも偏心メモリ回路の記憶された信号がトラッ
キング駆動系に加えられて偏心成分を補正し、安定な速
度制御が行われる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、トラックずれ信号を偏心メモリ手段に記
憶しているときに振動、衝撃が加わると偏心成分のみで
はなく、振動、衝撃によるトラックずれも記憶し、シー
ク時には記憶したデータを使って補正を行うため、振
動、衝撃入力がなくなったときには偏心成分と異なった
値が速度制御系に加わるため補正が逆効果となり制御誤
差を増大することになる。

【０００８】本発明は上記課題に鑑み、光ヘッド制御装
置立ち上げ時の一次的な振動、衝撃等の外乱が加わって
も偏心メモリ手段に偏心成分を記憶し安定な情報トラッ
クから情報トラックへの移動を行う光ヘッド制御装置を
提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の光ヘッド制御装置は、トラックずれ検出手段
の信号を光ビームが前記情報トラックの追従制御を行っ
ているときは前記偏心メモリ手段への記憶動作を行い、
情報トラックから情報トラックへ移動するときは前記偏
心メモリ手段の記憶値をトラッキング移動手段に加える
構成とする。

【００１０】

【作用】本発明は上記した構成によって、トラックずれ
検出手段の信号を前記情報トラックの追従制御を行って
いるときに前記偏心メモリ手段への記憶動作を行い、情
報トラックから情報トラックへ移動するとき前記偏心メ
モリ手段の記憶値をトラッキング移動手段に加えるた
め、一時的な振動、衝撃が入っても常に偏心成分の記憶
動作を行っているため、振動がなくなれば偏心成分デー
タのみを記憶し、情報トラックから情報トラックへの移
動時に記憶した偏心成分をトラッキング移動手段に加え
て、補正するので安定な移動が行える。

【００１１】

【実施例】以下本発明の一実施例の光ヘッド制御装置に
ついて、図面を参照しながら説明する。

【００１２】図１は本発明の一実施例における光ヘッド
制御装置の構成図を示すものである。

【００１３】半導体レーザ１から出た光ビーム２はコリ
メータレンズ３により平行光となり偏光ビームスプリッ
タ４、１／４波長板５、反射ミラー６及び収束レンズ７
を介して光ディスク８の情報トラック９に集光される。
光ディスク８はモータ１０により駆動され回転してい
る。 次に光ディスクより反射された光は再び収束レン
ズ７を通って平行光となり反射ミラー６、１／４波長板
５を経て偏光ビームスプリッタ４を透過しトラックずれ
検出器１１に入りファーフィールド型検出器を構成す
る。

【００１４】トラックずれ検出器１１は２分割ＰＩＮダ
イオードでできており光ビームの集光点と光ディスク８
の情報トラック９の垂直方向の位置が一致するとき各々
のＰＩＮダイオードに同じ光量が入射するように設定さ
れている。

【００１５】光ビームの集光点と光ディスク８の情報ト
ラック９との位置ずれが発生するとこのＰＩＮダイオー
ドに入射する光量にアンバランスを生じ、アンバランス
な光電流が各々に設けられた増幅回路１２、１３で電流
電圧変換され差動増幅回路１４で増幅されて、トラック
ずれ信号１５が出力される。 このトラックずれ信号１
５はＡＤ変換回路１６でアナログ信号からディジタル信
号に変換されディジタル信号処理回路１７に入る。

【００１６】ディジタル信号処理回路１７ではループゲ
イン合わせ、トラック制御系の位相を補償する位相補償
処理を行い，ドライブ回路１８を介してトラッキングコ
イル１９に電流を流し、光学部２０を移動して情報トラ
ック９に追従制御する。

【００１７】このようにして約１μｍφの光ビーム２の
集光点を光ディスク８の情報トラック９に対して垂直方
向に高精度に例えば±０．１μｍ以下の誤差で制御す
る。

【００１８】光ビームが追従している情報トラックを移
動させる場合は光学部２０を動かして得られるトラック
ずれ信号から情報トラック横断時間を計測し、横断時間
から移動速度を求め、図５に示すような所定の加減速の
速度制御を行って目的の情報トラックに移動する。

【００１９】この速度制御において、光ディスクの回転
成分に同期した図３に示すような偏心成分を記憶して情
報トラックを移動するときにドライブ回路１８に加える
ことにより偏心成分を除去した速度制御を行い、安定し
た移動をすることができる。

【００２０】この偏心成分を光ビームが光ディスクの情
報トラックに追従しているときは繰り返し偏心メモリ回
路２１に記憶しておき、情報トラックから情報トラック
へ移動する時に記憶することを停止し、偏心メモリ回路
２１に記憶している値をディジタル信号処理回路１７で
速度制御系に加えてドライブ回路１８に出力する。

【００２１】偏心成分を記憶する偏心メモリ回路２１は
情報トラックを追従するトラッキング制御系の制御誤差
を光ディスクの回転に同期して一回転時間を記憶メモリ
数でわった時間間隔で記憶する。

【００２２】シーク時には記憶した時間間隔で回転に同
期して偏心メモリ回路２１に記憶している値を出力し、
偏心成分を補正して安定な移動を行う。図２（ａ）は光
ディスクの回転に同期した同期パルス信号を示す。図１
に示していないがディジタル信号処理回路１７に入る信
号である。

【００２３】同一アドレストラックを追従するためのジ
ャンピング指令信号を同期信号としてもよい。

【００２４】（ｂ）は偏心メモリ回路２１への記憶タイ
ミングを示すタイミングパルス信号である。このタイミ
ングでトラックずれ信号（ｃ）のアナログ−ディジタル
変換したディジタル値を（ｄ）に示すように時間をメモ
リ番地に対応させてｎからｎ＋ｍまで記憶する。回転同
期信号が入ると再度ｎから記憶を始める。

【００２５】偏心メモリ回路２１に記憶する値ＴＭｎ値
をトラックずれ信号の値ＴＥｎから求める数式を数１に
示す。

【００２６】

【数１】

【００２７】偏心メモリアドレスｎの記憶値を読みだし
て（Ｘ−１）／Ｘ倍し、この値のトラックずれ信号の１
／Ｘ倍した値を加えて偏心メモリアドレスｎの値とす
る。

【００２８】ＸはＴＥ信号のローパスフィルタの周波数
を変化させる値である。偏心メモリ回路２１から記憶値
を取り出してディジタル信号処理回路１７の速度制御系
に加える値は入力時の回転同期信号とは入力点と出力点
の位相ずれ分を補正するため位相をずらせる。

【００２９】たとえば回転同期信号が入った場合、入力
時には偏心メモリ回路２１のアドレスｎに入力するが出
力時にはｎ＋ｙのアドレスの偏心データを出力する。

【００３０】図４にシーク期間と偏心メモリの記憶動作
期間の関係を示す。図４（ａ）がトラック間の移動を行
うシーク期間を示す。このときのトラックずれ信号は図
４（ｂ）のようになる。このときの偏心メモリ回路２１
の記憶動作期間を図４（ｃ）に示す。

【００３１】ここでシーク期間より偏心メモリ回路の記
憶動作を停止している期間のほうが長くなっているが、
これはシーク動作の停止処理により乱れたトラックずれ
信号が偏心成分データとして偏心メモリ回路に記憶され
ることを防止するためである。

【００３２】図６に偏心メモリ回路の動作を説明するた
めのフロ−を示す。まず偏心メモリ回路のメモリアドレ
ス番地および偏心メモリ回路への記憶動作を行う時間を
設定する。

【００３３】（１）偏心メモリアドレス、記憶動作時間
を設定する。 次に（２）トラック追従状態かどうかを判定する。

【００３４】トラック追従状態であれば、 （３）光ディスク回転同期信号がきているかどうかを判
定する。

【００３５】きていなければ、 （４）記憶動作を行うための時間に達したかどうかを判
定する。

【００３６】記憶動作時間になっていない場合は時間に
なるまで待つ。記憶動作を行う時間になればトラックず
れ信号のディジタル値と偏心メモリ回路の記憶値より数
式（１）の演算を行って偏心メモリに記憶する。。

【００３７】（５）偏心メモリ回路への記憶値を演算す
る。 （６）偏心メモリ回路に記憶する。

【００３８】次に次の偏心メモリアドレスに記憶動作を
行うための記憶動作時間を演算する。

【００３９】記憶動作時間に偏心メモリ間隔を加える。 （７）記憶動作時間の設定値を更新する。

【００４０】（８）偏心メモリのメモリアドレスを更新
する。ここで図２（ｄ）に示すようにメモリアドレスが
ｎ＋ｍに達していればｎにする。 そして（２）に戻
る。

【００４１】また、（３）で回転同期信号が入った場合
は、偏心メモリアドレスおよび記憶動作時間の初期値を
設定する。

【００４２】（９）偏心メモリアドレス及び記憶動作時
間を設定する。また、（２）でトラック追従状態でない
場合、 （１０）偏心メモリアドレス及び記憶動作時間をシーク
用に設定する。

【００４３】次にシーク状態であるかどうかを判定す
る。 （１１）シーク完了か判定する。

【００４４】シーク状態でない場合、（１）に戻る。 （１２）偏心メモリ回路の記憶データを出力する。

【００４５】（１３）記憶出力時間を経過したか。？ 記憶出力時間を経過していない場合、経過するまで待
つ。

【００４６】記憶出力時間を経過した場合、偏心メモリ
回路の出力アドレスポインタを増加する。

【００４７】（１４）偏心メモリ回路の出力アドレスを
更新する。次に記憶出力時間の演算を行う。出力した記
憶出力時間に偏心メモリ間隔を加える。

【００４８】（１５）記憶出力時間の設定値を更新す
る。演算を行った後、（１１）に戻る。

【００４９】このように偏心メモリ回路２１をディジタ
ル信号処理回路１７がコントロールして偏心成分をシー
ク時に速度制御系に加えて補正し、安定な移動処理を行
う。

【００５０】

【発明の効果】以上のように本発明は一時的に振動また
は衝撃が加わってもトラッキング制御系が情報トラック
を追従しているときはトラッキングずれ信号を偏心メモ
リ手段に記憶し、記憶値を常に更新する構成とすること
により振動または衝撃がおさまれば偏心メモリ手段の記
憶値が偏心成分に追従して、偏心成分を補正した安定な
情報トラックから情報トラックへの移動を可能にするも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるトラッキング制御装
置のブロック図

【図２】偏心メモリの記憶手順を示す波形図

【図３】トラックずれ信号の偏心成分を示す波形図

【図４】偏心メモリの動作期間とシーク期間とを示す波
形図

【図５】トラック移動時の速度制御動作を説明するため
の波形図

【図６】偏心メモリの動作を説明するための流れ図

【符号の説明】

１ 半導体レーザ ８ 光ディスク １１ トラックずれ検出器 １６ ＡＤ変換回路 １７ ディジタル信号処理回路 ２１ 偏心メモリ回路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守屋 充郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】記録担体に光ビームを照射する手段と、前
   記記録担体の情報トラックと光ビームとの位置ずれ状態
   を検出するトラックずれ検出手段と、前記記録担体の情
   報トラックに対し略垂直方向に移動させるトラック移動
   手段と、前記トラックずれ検出手段の出力により前記ト
   ラック移動手段を制御するトラッキング制御手段と、前
   記トラッキング制御手段の制御誤差を記憶する偏心メモ
   リ手段とを備え、前記トラッキング制御手段が前記情報
   トラックの追従制御を行っているとき前記偏心メモリ手
   段への記憶動作を行い、情報トラックから情報トラック
   へ移動するとき前記偏心メモリ手段の記憶値を前記トラ
   ッキング移動手段に加える構成としたことを特徴とする
   光ヘッド制御装置。