JPH05130915A - ヘアードライヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吹出風のパターンや吹出面積を変更自在にす
るノズルおよびシャッタを備えたヘアードライヤにおい
て、ノズルに対するシャッタのスライド性の円滑化を図
る。 【構成】 ノズル２０の内周に該ノズル２０よりも高剛
性の吹出口グリル２２を圧入する。これによりノズル２
０の真円度を補正でき、シャッタ２１をノズル２０の内
周または外周に沿って円滑にスライドさせることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は吹出風のパターンや吹出
面積を変更自在にするノズルおよびシャッタを備えたヘ
アードライヤに係り、より詳しくはノズルの構造の改良
に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のヘアードライヤとして、たとえ
ば、実公昭４５−１８５２９号公報に開示されているよ
うにその先端の吹出口に、その円周に複数個の噴出孔を
有する截頭円錐形状のノズル（同公報中では截頭円錐外
筒と称する。）を取り付け、このノズルの内周に前記噴
出孔と合致する複数個の孔を有する截頭円錐形状のシャ
ッタ（同公報中では截頭円錐内筒と称する。）を回動自
在に備え、シャッタを回動させて閉じるとノズルから集
中風を吹き出すことができ、シャッタを開くと幅広い拡
散風を吹き出すことができるようにしたものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ここで問題にするの
は、上記ノズルのシャッタスライド部分が真円に形成さ
れていない場合である。たとえば、全体の軽量化を図る
ためにノズルをプラスチック成形した場合収縮や歪みな
どによりその真円度が出にくい。こうした場合シャッタ
はノズルの内周に沿って円滑にスライドさせることがで
きなくなる。本発明の目的はこうした問題を解消するた
めになされたもので、吹出口グリルを利用してノズルの
真円度を補正することによりノズルに対するシャッタの
スライド性を高め、その開閉操作性の向上を図る点にあ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明のヘアードライヤ
は、図示例のように、その先端に吹出口５を有し、かつ
内部に送風装置１５を配備した本体ケース１と、本体ケ
ース１の吹出口５に取り付けられた、周壁に噴出孔２３
を有する筒状のノズル２０と、ノズル２０の内周または
外周に沿ってスライド自在に装着されて噴出孔２３を開
閉するシャッタ２１とからなるものにおいて、ノズル２
０のシャッタスライド部分の内周に、ノズル２０よりも
高剛性材料からなる円板状の吹出口グリル２２を圧入嵌
合したものである。

【０００５】

【作用】吹出口グリル２２は、吹出口５に髪が侵入した
り手が入れられるのを防止する本来の機能を発揮する。
この吹出口グリル２２はノズル２０よりも高剛性材料か
らなる円板状に形成され、これがノズル２０の内周に圧
入することによりノズル２０のシャッタスライド部分の
円周の真円度を補正できる。

【０００６】

【発明の効果】本発明によれば、吹出口グリル２２を利
用してノズル２０の真円度を補正するという簡単な手段
で、シャッタ２１をノズル２０の内周または外周に沿っ
て円滑にスライドさせることができ、その開閉操作が軽
快に行えて使い勝手が良い。

【０００７】

【実施例】本発明に係るヘアードライヤの一実施例を図
面に基づき説明する。図１において、これの本体ケース
１は前後方向に長い送風筒部２と、送風筒部２の後部寄
りの周面下部から下方へ一体に突設したハンドル部３と
からなる。本体ケース１の送風筒部２の先端側に吹出口
５を、後端側に吸込口６をそれぞれ開口している。吹出
口５にはノズル組７を、また吸込口６には吸込口グリル
９をそれぞれ装着する。

【０００８】図１において、送風筒部２の内部には断面
十字形の絶縁板１０の外周にヒータ１１を巻き付けてな
る発熱装置１２と、モータ１３とモータ１３で回転駆動
されるファン１４からなる送風装置１５とを前後にして
配備する。ハンドル部３には送風装置１５および発熱装
置１２を制御するためのスイッチ組を備える。そのスイ
ッチ組は、送風装置１５および発熱装置１２への通電を
制御して、運転状態を電源オフから冷風・弱温風・強温
風の順に切り換えを可能にする多連形のスライド式の切
換えスイッチ１７と、切換えスイッチ１７を冷風、弱温
風、または強温風のいずれかの位置に合わせた後、押し
操作することにより温風または冷風を吹き出させるプッ
シュ式スイッチ１９とからなる。

【０００９】図３において、上記ノズル組７はノズル２
０とシャッタ２１、および吹出口グリル２２を組み合わ
せてなる。ノズル２０はプラスチック成形品で、リング
筒部２０ａから先すぼまりテーパの截頭円錐筒部２０ｂ
と、截頭円錐筒部２０ｂの断面を直径方向に横切る断面
長円形状の長円筒部２０ｃとを一体に突出成形してな
る。截頭円錐筒部２０ｂの周壁には噴出孔２３を長円筒
部２０ｃの短軸方向左右位置に対応するよう左右対称に
開口している。シャッタ２１はこれ又プラスチック成形
品で、上記ノズル２０のリング筒部２０ａの内周に重な
る形のリング筒部２１ａと、截頭円錐筒部２０ｂの内周
に重なる形の截頭円錐筒部２１ｂとを一体成形してな
り、截頭円錐筒部２１ｂに噴出孔２３と合致する形の孔
２４を左右対称に開口している。

【００１０】図６に示すように、このシャッタ２１はノ
ズル２０の截頭円錐筒部２０ｂおよびリング筒部２０ａ
の内周にリング筒部２０ａの開口端からはめ込まれる。
そして、シャッタ２１を開閉操作するノブ２６は２個用
意し、各ノブ２６に設けた拡縮変形自在な弾性脚部２６
ａをノズル２０のリング筒部２０ａに開口した左右２本
の溝２５からシャッタ２１のリング筒部２１ａに開口し
た左右の孔２７にそれぞれ差し込み係合することによっ
て、シャッタ２１と開閉操作ノブ２６とが一体的に結合
される。

【００１１】吹出口グリル２２は金属またはノズル２０
の成形材料よりも硬質のプラスチックなどのようにノズ
ル２０より高剛性材料でもって格子を有する円板状に形
成される。図１および図６に示すように、この吹出口グ
リル２２はその外径より若干小さい内径を有するノズル
２０のリング筒部２０ａに圧入嵌合すると、リング筒部
２０ａは弾性を有しているため吹出口グリル２２の外周
により半径外方に押圧されて真円度に補正される。した
がって、開閉操作ノブ２６を溝２５に沿って移動させる
ことによりシャッタ２１はノズル２０のリング筒部２０
ａの内周に沿って円滑にスライド回動することになる。
ノズル２０がリング筒部２０ａに溝２５を開口する形に
形成されると、そのリング筒部２０ａは強度を欠きやす
く、変形しやすくて真円度を出しにくくするが、こうし
たときも高剛性の吹出口グリル２２を圧入嵌合しておく
ことによりその真円度を補正できるとともに、その強度
を補うことができて特に有効である。

【００１２】このように組み合わせたノズル組７は、図
２に示すリング３０をノズル２０にこれの先端側から差
し込み、図１に示すごとくリング３０の内向き鍔３１を
ノズル２０のリング筒部２０ａの開口端から外方に突設
した外向き突片２９に係合し、本体ケース１の吹出口５
の外周にそのリング３０を嵌合しねじ３２（図２参照）
で止め付けることにより、ノズル２０は本体ケース１の
先端とリング３０の内向き鍔３１との間で回転可能にか
つ取外し不能に取り付けられる。

【００１３】使用に際し、開閉操作ノブ２６を持ってシ
ャッタ２１を回転させて開けると、図５に示すようにシ
ャッタ２１の孔２４がノズル２０の噴出孔２３に合致す
ると同時に、長円筒部２０ｃ内の上下部分のみがシャッ
タ２１の孔２４・２４間の盲壁部２８で閉じられて長円
筒部２０ｃの吹出面積が絞られる。このときは、図８に
示すようにノズル２０から風を幅広くするパターンに吹
き出すことができ、髪乾燥などに適する。

【００１４】シャッタ２１を回転させて閉めると、図４
に示すようにノズル２０の噴出孔２３がシャッタ２１の
盲壁部２８で閉じられると同時に、シャッタ２１の孔２
４がノズル２０の長円筒部２０ｃ内の上下部分に位置す
る。このときは、図７に示すようにノズル２０から風を
集中させて吹き出すことができ、整髪などに適する。

【００１５】上記実施例のノズル２０はリング筒部２０
ａと截頭円錐筒部２０ｂと長円筒部２０ｃの組合わせか
らなる形であるため、風の流れが抵抗少なく効率よく行
える。しかし、これに限られるものではない。たとえ
ば、図１１に示すようにリング筒部２０ａと長円筒部２
０ｃの組合わせからなって截頭円錐筒部２０ｂを有しな
い形に形成し、シャッタ２１もそのリング筒部２０ａに
合わせてリング筒部２１ａのみからなる形のものであっ
てもよい。また、シャッタ２１は筒状のものに限られ
ず、図１０に示すようにノズル２０の内周に沿う形の円
弧形状のものであってもよい。図９に示すように開閉操
作ノブ２６の締付け力でシャッタ２１を楕円状に変形さ
せてこの長軸方向両端部をノズル２０の内周に対し部分
的な当たりになすと、シャッタ２１は摺動抵抗を少な
く、より円滑にスライド回動させることができる。ま
た、上記実施例ではシャッタ２１をノズル２０の内周に
沿ってスライド自在に装着するが、シャッタ２１はノズ
ル２０の外周に対しスライド自在に装着するものにも同
様に適用できる。

【００１６】なお、このようなヘアードライヤＤはホテ
ルの浴室などに据えつけて使用される。この場合、図１
２に示すように正面開放形の凹部３３を有するホルダ３
４を壁に固定し、図１３に示すようにヘアードライヤＤ
の送風筒部２を凹部３３に嵌め込むとともに、ハンドル
部３を凹部３３の底一部に設けた切欠部３５から下方に
突出させる姿勢に納める。この場合ヘアードライヤＤの
ノズル２０の先端とこれに対向するホルダ３４の内面３
６との間の隙間Ｓ₁ を、ヘアードライヤＤのプッシュ式
スイッチ１９とこれに対向するホルダ３４の切欠部３５
の一側の支持部３７との間の隙間Ｓ₂ よりも小さく設定
する。これによりヘアードライヤＤがホルダ３４内で不
用意にずれ動いても、プッシュ式スイッチ１９が支持部
３７に当たるよりも先にノズル２０の先端がホルダ３４
の内面３６に当たるため、プッシュ式スイッチ１９が支
持部３７で不用意に押されて発熱や火災発生するのを未
然に防止できて安全である。

【図面の簡単な説明】

【図１】ヘアードライヤ全体の縦断正面図である。

【図２】ノズル組と本体ケースを分離した状態で示す斜
視図である。

【図３】ノズル組の分解斜視図である。

【図４】シャッタの閉じ状態を示すノズルの正面図であ
る。

【図５】シャッタの開き状態を示すノズルの正面図であ
る。

【図６】図５におけるＡ−Ａ線断面図である。

【図７】シャッタの閉じ状態での風の吹出し態様を示す
斜視図である。

【図８】シャッタの開き状態での風の吹出し態様を示す
斜視図である。

【図９】他の実施例を示すノズルおよびシャッタの断面
図である。

【図１０】更に他の実施例を示すシャッタの断面図であ
る。

【図１１】更に又、他の実施例を示すノズル組の分解斜
視図である。

【図１２】ヘアードライヤのホルダの斜視図である。

【図１３】図１２に示すホルダにヘアードライヤを納め
た状態を示す正面図である。

【符号の説明】

１ 本体ケース ５ 吹出口 １５ 送風装置 ２０ ノズル ２１ シャッタ ２２ 吹出口グリル ２３ 噴出孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 その先端に吹出口５を有し、かつ内部に
   送風装置１５を配備した本体ケース１と、本体ケース１
   の吹出口５に取り付けられた、周壁に噴出孔２３を有す
   る筒状のノズル２０と、ノズル２０の内周または外周に
   沿ってスライド自在に装着されて噴出孔２３を開閉する
   シャッタ２１とからなり、 ノズル２０のシャッタスライド部分の内周に、ノズル２
   ０よりも高剛性材料からなる円板状の吹出口グリル２２
   を圧入嵌合してなることを特徴とするヘアードライヤ。