JPH05130760A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

ドラム式洗濯機

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JPH05130760A
JPH05130760A JP3313141A JP31314191A JPH05130760A JP H05130760 A JPH05130760 A JP H05130760A JP 3313141 A JP3313141 A JP 3313141A JP 31314191 A JP31314191 A JP 31314191A JP H05130760 A JPH05130760 A JP H05130760A
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JP
Japan
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drum
speed
rotation
motor
water
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Application number
JP3313141A
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English (en)
Inventor
Masao Obata
征夫 小畑
Hisao Kaneko
久夫 金子
Hitoshi Ogasawara
均 小笠原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドラム式洗濯機の駆動機構を小型化するとと
もに発生する騒音の低減を図る。 【構成】 ドラム3の駆動機構を正逆可能な極数4の誘
導モータ28と、クラッチ装置31を備えた減速機32
と、ベルト伝動機構33とによって構成し、洗浄および
すすぎ時に、モータ28の回転を減速機32とベルト伝
動機構33とで減速し、ドラムの回転によって生じる遠
心力が少なくとも1Gを越えない、例えば80〜150
rpmの回転速度で回転させ、さらに、ドラム4を短周
期で正逆反転させる。脱水時には、上記正逆反転運転に
続いて上記80〜150rpmの回転速度でドラム3を
低速回転させ、その後、クラッチ装置31を入れて、減
速機32で減速させずにベルト駆動機構を介して高速回
転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水槽内に収納されたド
ラムに洗濯物を入れて洗濯し、また脱水するドラム式洗
濯機に係り、特に、ドラムの駆動方式に特徴のあるドラ
ム式洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】ドラムを水槽内で水平方向に設置し、ド
ラム端面を水槽の内面側で軸支した状態で正逆両方向に
反転して回転させ、洗浄、すすぎ、脱水を一貫して行う
ドラム式洗濯機として、特開昭64−2690号公報、
特開昭64−2691号公報に開示されたものがある。
前者は回転ドラムの回転不良をチェックしてモータの異
常発熱などの事故を未然に防ごうとするもので、公報に
はドラムの回転不良時に、その回転不良を検出して、そ
れを表示する技術が開示されている。また、後者はモー
タを逆転させて回転ドラムを所定角度まで振らせ、負荷
量の変動にも拘らず所望の洗浄力を得ようとするもの
で、公報には必要な洗浄力および脱水回転速度を得るた
めに、ドラムの回転を検出する検出部とインバータ装置
(周波数変換装置)を備え、検出部から出力された信号
に応じて、ドラムを駆動するモータの回転速度とトルク
を制御する技術が開示されている。
【0003】一般にドラム式洗濯機は、洗浄およびすす
ぎ工程において、ドラムの回転によって生じる遠心力が
1G以下となる回転速度でドラムを一方向に回転させ、
あるいは正逆反転させて撹拌しながら洗浄およびすすぎ
を行うように設定されている。この場合、遠心力が1G
以下となるドラムの回転速度は60〜65rpm以下で
ある。このように、洗浄およびすすぎの工程では60〜
65rpm以下の回転速度であるが、脱水工程において
は、1G以下では脱水が充分に実行できないので、ドラ
ムを400〜1100rpmの回転速度に上げて回転さ
せ、脱水が充分に行われるように設定されている。
【0004】また、ドラム式洗濯機は、洗浄およびすす
ぎ時、さらには脱水の起動時に、ドラム内の洗濯物が多
量の水を含んでいるので、これらの洗濯物が大きな回転
負荷となる。そのためこのような状態でドラムを回転さ
せる必要から、ドラムへ前記回転負荷を上回る回転力を
伝達することができるようなドラムの駆動機構を備えて
いる。
【0005】このように、上記のような場合に必要なド
ラムの回転速度とドラムを回転起動させる回転力(以
下、起動トルクという)を得るために、従来のドラムの
駆動機構は、起動トルクと回転速度を制御できる速度変
換型モータとベルト伝動機構とから構成されている。速
度変換モータとしては、直流変換装置と速度制御装置を
備えた直流モータや特開昭64−2690号公報に記載
されているインバータ装置を備えたモータ等が知られて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な速度変換型モータを備えたドラム式洗濯機において
は、脱水工程時に、ドラムを前述した400〜1100
rpmの回転速度で回転させるために、モータは600
0〜12000rpmの高速で運転されている。したが
って、このモータの高速回転によって大きな騒音が発生
することは否めない。特に、整流子を備えた直流モータ
や冷却ファンが回転子軸に一体的に固設されたモータで
は、脱水時の騒音の発生は顕著である。また、速度変換
型モータは、直流変換装置や速度制御装置を必要とする
ことから、コストも高くなる。
【0007】さらに、上述のように洗浄工程、すすぎ工
程、および脱水工程の起動時に、ドラム内の洗濯物が多
量の水を含んでいるので、これらの洗濯物が大きな回転
負荷となる。そのため、起動トルクが大きな駆動源、す
なわちモータが必要となり、その分大きくてコストの高
いモータや駆動機構が採用されていた。
【0008】本発明は、このような技術的背景に鑑みて
なされたもので、第1の目的は、洗浄、すすぎ、および
脱水の各工程における起動時のドラムの回転負荷の軽減
が可能で、モータの起動トルクが小さくて済み、安定し
た運転が可能なドラム式洗濯機を提供することにある。
また、第2の目的は、ドラム駆動機構やモータの小型化
を図ることが可能で、コストの安いドラム式洗濯機を提
供することにある。さらに、第3の目的は、モータの回
転数を余り高くする必要がなく、騒音の発生が少ないド
ラム式洗濯機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記第1および第2の目
的は、洗濯槽と脱水槽を兼ねるドラムと、貯水可能であ
ってドラムが内部に収納された水槽と、水槽内でドラム
を回転自在に水平方向で支持する支持手段と、モータ、
モータの回転速度を減速させる減速機構、およびモータ
の駆動力をドラムに伝達する伝達機構を含み、支持手段
を介してドラムを正逆転させるドラム駆動手段と、水槽
内に水を供給する給水手段と、水槽内の水を排出する排
水手段と、洗浄およびすすぎ時に、前記ドラム駆動手段
を介し、ドラムの回転による遠心力が少なくとも1Gを
下回ることのない速度で回転させ、ドラムを短周期で正
逆反転させる制御手段とを備えた第1の手段によって達
成される。
【0010】この場合、第2の手段として第1の手段に
おける制御手段によって、洗浄およびすすぎ時にドラム
が、正方向の回転を0.25〜2.0回、休止0.3〜
2.0秒、逆方向の回転を0.25〜2.0回、休止
0.3〜2.0秒を1サイクルとして、10〜30/m
inの繰返し速度で正逆反転して回転するように設定す
ることが好ましい。
【0011】第1ないし第3の目的は、第1の手段にお
ける制御手段によって、脱水時に、減速機構を介して遠
心力が少なくとも1Gを下回ることのない低速で予め設
定された一定の時間ドラムを回転させ、前記予め設定さ
れた一定の時間が経過した後、減速機構を介さず、直接
伝達機構を介してドラムを高速で回転させるように設定
した第3の手段によって達成される。
【0012】同様に第1および第2の目的は、第3の手
段における制御手段によって、低速で回転させる前に、
ドラムが正逆反転して回転するように設定した第4の手
段によって達成される。
【0013】また、第2および第3の目的は、第1の手
段における減速機構にモータの駆動力を断接するクラッ
チ機構を含ませ、伝達機構をベルト伝達機構から構成し
た第5の手段によって達成される。
【0014】また、第1ないし第3の目的は、第1およ
び第3の手段における遠心力が少なくとも1Gを下回る
ことのないドラムの回転速度を、80〜150rpmに
設定した第6の手段によって達成される。
【0015】さらに、第2および第3の目的は、第1の
手段におけるモータを、極数4の誘導モータから構成し
た第7の手段によって達成される。
【0016】
【作用】上記第1の手段では、ドラムに洗濯物を入れ、
設定された水位まで給水手段によって水槽に洗浄水を入
れ、洗浄を開始する。これにより制御手段はドラム駆動
機構を介してドラムを回転させる。ドラムは水槽内で支
持手段によって水平に支持された状態で回転する。した
がって、この回転は縦方向の回転となる。制御手段は洗
浄およびすすぎ時にはドラムの回転による遠心力が少な
くとも1Gを下回ることのない速度で、ドラム駆動手段
を介してドラムを予め設定された短い周期で正方向と逆
方向に交互に回転させる。そして、ドラムの回転負荷を
軽減した上で、上述のような短周期の正逆反転低速回転
によって洗濯物の片寄りなく洗浄、すすぎが実行され
る。
【0017】第2の手段では、洗浄およびすすぎ時に
は、ドラムを正転0.25〜2.0回転、休止0.3〜
2.0秒、逆転0.25〜2.0回転、休止0.3〜
2.0秒を1サイクルとし、それを10〜30回/mi
nの繰返し速度で正逆反転させるように設定されてい
る。これによりドラムの回転方向が変わるときに例えば
ドラム内に設置したリフタにより洗濯物に強い衝撃を加
え、洗浄およびすすぎが確実に行われる。また、洗濯物
の片寄りがなくなるので、ドラムの回転負荷の軽減を図
ることができる。
【0018】第3の手段では、脱水時に、遠心力が少な
くとも1Gを下回ることのない低速で予め設定された時
間ドラムを回転させ、洗濯物の水を切り、片寄り難くし
た後、高速で回転させて脱水を行う。これによりドラム
の回転負荷の軽減を図ることができる。
【0019】第4の手段では、脱水時に低速で回転させ
る前にドラムを例えば1ないし数回正逆反転させてドラ
ム内の洗濯物の片寄りを崩し、つづいて低速回転させ、
洗濯物に多量に含む水を脱水するとともに洗濯物をドラ
ムの内周面に分散させて回転負荷を軽減し、その後、ド
ラムを高速回転させて脱水を行う。
【0020】第5の手段では、ドラムの駆動機構は、洗
浄時にモータの正逆反転をクラッチ装置を解放して減速
機で減速し、ベルト伝動機構によりドラムへ伝え、ドラ
ムを正逆反転させ、一方、脱水時にモータの回転を洗浄
時と同じようにクラッチ装置を解放して減速機で減速
し、ドラムに伝えてドラムを減速回転させ、ひきつづい
て、クラッチ装置を入れて、前記減速機で減速せずにド
ラムを高速回転させるように動作する。これにより、モ
ータの回転を上げなくとも充分な高速回転を得ることが
できる。
【0021】第6の手段では、ドラムの低速回転速度を
80〜150rpmに設定し、これによりドラムの回転
によって生じる遠心力が少なくとも1Gを下回ることの
ないようにしてある。これにより、脱水の高速回転時の
回転負荷を軽減することができ、モータの小型化が図れ
る。また、減速機構およびベルト伝動機構における減速
比を、洗浄時のドラムの回転速度を60rpm以下にし
た一般のドラム式洗濯機のドラムの駆動機構における減
速比に比べて、大きな値に選定できるので、減速機構お
よびベルト伝動機構の小型化も図ることができる。
【0022】第7の手段では、モータとして極数4の誘
導モータを採用した。これによって洗浄時にドラムを正
逆反転させる動作と脱水時にドラムを低速および高速回
転させる動作とを、速度変換型モータを使用することな
く得ることができ、コストを下げることができる。
【0023】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
して説明する。図1は実施例に係るドラム式洗濯機の概
略構成を示す断面図である。同図において、ドラム式洗
濯機の機械部1は、水槽2と、水槽2の内面側で回転自
在に支持されたドラム3と、ドラム3の一方の回転軸を
介してドラム3を回転駆動するドラム駆動機構4と、水
槽2に洗浄水を供給する給水機構5と、水槽2から洗浄
水や脱水した水を排出する排水機構6とから基本的に構
成されている。
【0024】洗浄から脱水まで動作する機械部1は、図
示しない緩衝装置によって水槽2を支持し、図示しない
外枠内に収容されている。洗浄水を溜める水槽2は、筒
体部7を有し、上面に洗濯物Aをドラム3に出し入れす
る水槽側投入口8と注水口9が形成され、さらに投入口
8を覆うように水槽蓋10が開閉自在に設けられてい
る。また、水槽2の下面には、洗浄水の排水口11が設
けられている。
【0025】洗浄槽と脱水槽を兼ねるドラム3は、軸が
水平方向に伸びる円筒部12を有し、前記水槽2の端板
13の中央部で水平に両端板14が軸受15,16で支
持され、前記水槽2内に回転自在に収容されている。水
槽2の円筒部12には、等間隔、例えば120°間隔で
内周面の軸方向に配設されたリフタ17と、内周の全域
にわたって穿設された直径4〜6mmの小孔18と、洗
濯物Aを出し入れするために中央部を切り欠いて開口さ
せたドラム側投入口19と、その投入口19を閉蓋する
ロック装置を備えたドラム蓋20とが設けられている。
リフタ17は前記ドラム3の内周面から中心方向へ向か
って立ち上がった形状で、洗浄およびすすぎ時に洗濯物
Aに衝撃を加えるとともに撹拌し、小孔18は脱水運転
時に脱水孔として機能する。
【0026】このように構成されたドラム3は、軸受1
5,16で支持させるために、ドラム3の両側の端板1
4に、ハブ21と軸部22を一体にした回転軸23、お
よびハブ24と軸部25を一体にした回転軸26が固設
されており、さらに回転軸26には、ドラム3の駆動用
の従動プーリ27が軸着されている。
【0027】前記したドラム3を回転させるドラム駆動
機構4は、水槽2の下部に配設した正逆可能な極数4の
誘導モータ28(以下、単にモータという)と、前記モ
ータ28の出力軸29に入力軸が軸継手30を介して接
続されたクラッチ装置31と、このクラッチ装置31に
接続され、歯車群から構成される減速機32と、この減
速機32からの出力をドラム3側に伝達するベルト伝動
機構33とからなっている。ベルト伝動機構33は減速
機32の出力軸34に軸着された駆動プーリ35と、前
記従動プーリ27と、両プーリ27,35間に張設され
たベルト36とから構成されている。
【0028】このような駆動機構によって、洗浄および
すすぎ時には、モータ28の回転を、クラッチ装置31
を解放して減速機32とベルト伝動機構33とで減速
し、ドラム3を0.25〜2.0回正転させ、次いでモ
ータ28の電源を切った状態にして0.3〜2.0秒間
休止し、次いで0.25〜2.0回逆転させ、さらに
0.3〜2.0秒間休止するという動作を一つのの周期
として10〜30回/minの繰返し速度で正逆反転さ
せる。なお、このドラム3の正逆反転時における回転速
度は、この実施例においてモータ28の電源を切らずに
一方向へ連続回転させたときに、ドラム3の回転によっ
て生じる遠心力が少なくとも1Gを下回ることのない
値、言い換えれば1Gを確実に越えるが、大きく越える
ことのない値(80rpm以上)に設定されている。
【0029】この正逆反転動作についてのドラム3の回
転は、後述の回転数検出装置37によって検出され、そ
の検出出力に応じて制御される。脱水時には、排水後に
ドラム3を正逆反転させて、ドラム3内の洗濯物Aの片
寄りを崩し、つづいて、モータ28の回転を減速機32
とベルト伝動機構33で減速して、ドラム3を前述した
少なくとも回転速度80rpmから下がることのない低
速で回転させ、一定時間経過後にクラッチ装置31を入
れて減速機32で減速しないで、ベルト伝動機構33の
みで減速し、400〜1100rpmで高速回転させ
る。
【0030】減速機32は、歯車減速部38と、クラッ
チ装置31と、クラッチ装置31の断接を行う切替操作
用の切替モータ39とからなる。なお、この切替モータ
39はソレノイドに置換してもよい。
【0031】ドラム3の回転を検出するために、水槽2
の従動プーリ27設置側に前にも触れた回転数検出装置
37が設けられている。回転数検出装置37は、赤外線
の発光素子と受光素子からなる光反射側の所謂ホトリフ
レクタであって、反射光の入射によって出力する赤外線
センサ40と、光の反射率が低い黒色部と高い白色部を
交互に等角度で中心から放射状に描かれたパターンを有
する回転板41とで構成されている。前記パターンの中
心角は、例えば円を36分割して10°に設定される。
【0032】赤外線センサ40は水槽2の従動プーリ2
7設置側の端板13に固定され、回転板41は、従動プ
ーリ27に固定されている。なお、回転板41はドラム
3の軸部25に直接固定してもよい。このように構成す
ると、赤外線センサ40はドラム3の回転に応じて回転
板41のパターンの白黒に対応した“1”、“0”の信
号を出力する。
【0033】排水口11には排水弁42が接続され、そ
の吐出管に排水ホース43が接続されている。一方、給
水弁44は給水ホース45によって図示しない水道水栓
に接続され、洗浄およびすすぎ時には、注水ホース46
を通じて水道水が注水口9から水槽2内に注水される。
【0034】水位センサ47は水槽2の下方に配設され
たトラップ48に細径のチューブ49を介して接続さ
れ、洗浄およびすすぎ時の給水時に、水槽2内の水位変
化に伴う圧力を検出して給水弁44を制御する。
【0035】したがって、この実施例では給水機構5は
給水弁44、給水ホース45、注水ホース46、トラッ
プ48、チューブ49、および水位センサ47から構成
され、排水機構6は排水弁42、および排水ホース43
から構成される。
【0036】このような機械的構成を有するドラム式洗
濯機は、図2のブロック図に示すような制御装置50を
備えている。この制御装置50は、マイクロプロセッサ
(中央演算装置)51と、記憶素子(ROMおよびRA
M)52と、入出力信号処理装置(インターフェース)
53とで構成され、インターフェース53には電源の切
入、運転の開始指令やプログラムの進行などを送受信し
て、それを表示する操作盤(キーボード及び表示盤)5
4が接続されている。また、このインターフェース53
には、前述のモータ28、回転数検出装置37、水位セ
ンサ47、排水弁42、給水弁44、切替モータ39と
の信号ラインがそれぞれ接続されている。
【0037】上記のように構成されたドラム式洗濯機
は、制御装置50を介して次のように動作する。以下、
詳細に説明する。このドラム式洗濯機の運転はドラム3
内に洗濯物Aを投入し、操作盤54上の図示しない電源
スイッチを入れ、運転プログラムを選定して入力するこ
とにより開始する。
【0038】洗浄は、給水弁44を開いて水槽2内に給
水を行い、この給水によって予め設定された水位Hを水
位センサ47が検出すると、給水弁44が閉じ、同時に
モータ28に通電することで行なわれる。モータ28は
通電により回転して、その回転が減速機32とベルト伝
動機構33により減速される。ドラム3は、前述したよ
うに短周期で正逆反転して、リフタ17により洗濯物A
に衝撃を与えるとともに洗浄水を撹拌する。これにより
洗濯物Aは洗浄される。なお、実用的な洗浄力は、実験
によると、ドラム4を前述した正逆反転周期の繰返し速
度で正逆反転することにより得られる。そして、所定の
洗浄時間が経過するとマイクロプロセッサ51からの指
令によりモータ28が停止し、すすぎ工程へ移る。
【0039】すすぎは、排水弁42を開き、洗浄水を排
水し、その後、後記する脱水運転を行ない、次に、前記
した洗い工程と同様にして水槽2内に給水し、モータ2
8が回転することにより行なわれる。そして、所定回数
の正逆反転回転を行うことによりすすぎは終了する。
【0040】脱水工程は、低速回転と高速回転の二つの
パターンを有する。すなわち、排水弁42に通電してす
すぎ水を排水し、その後、モータ28に通電してモータ
28の回転を減速機32とベルト伝動機構33により減
速して、はじめに1〜2回、ドラム3を前述したように
短周期で正逆反転させ、続いて少なくとも1Gの遠心力
を確保できるだけの低速で回転させる。この速度は前述
したように80〜110rpmの回転速度が選択され
る。そして、所定時間(10〜60秒)が経過した後、
クラッチ装置31の切替モータ39に通電して、モータ
28の回転をベルト伝動機構33のみで減速し、ドラム
3を600〜1100rpmの高速で回転させることで
行なう。なお、この脱水工程においては、低速回転の初
期に水槽2の振幅を検出し、その振幅が設定値以下であ
れば、一定時間経過後に前記の高速回転へ移行させ、設
定値を越えるのであれば、ドラム3を停止させ、再び低
速回転を繰り返すように制御し、ドラム3内の洗濯物A
の片寄りによる過度な振動の発生を抑えている。
【0041】この実施例では、上述のようにドラム3の
洗浄時およびすすぎ時の低速回転速度をドラム3の回転
によって生じる遠心力が少なくとも1Gを下回ることの
ない回転速度としたので、脱水時における高速回転時の
回転負荷を低減できる。このようにしてモータの小型化
が可能になる。
【0042】また、減速機32およびベルト伝動機構3
3における減速比を、洗浄時のドラムの回転速度を60
rpm以下にした一般のドラム式洗濯機のドラムの駆動
機構における減速比に比べて、大きな値に選定できるの
で、減速機32およびベルト伝動機構33の従動プーリ
27を小型にすることが可能になる。
【0043】これを、従来例と実施例について減速比を
計算して説明する。まず、入力側の回転速度がni 、出
力側がno である場合、減速比を 減速比=no /ni で定義する。そこで、極数4の誘導モータの回転速度を
周波数50Hzの電源に接続し、同期速度に対するすべ
り率を10%にしたときの回転速度として、1350r
pmとし、一般のドラム式洗濯機と同じように洗濯およ
びすすぎ時におけるドラムの回転を55rpm(低速
時)、脱水時におけるドラムの回転を600rpm(高
速回転)としたとき、前記のモータとドラムの減速比
は、低速回転時に、 55/1350=1/24.5 となり、高速回転時に、 600/1350=1/2.25 となる。これにより減速機32において必要とされる減
速比は、 2.25/24.5=1/10.9 となり、ベルト伝動機構において必要とされる減速比
は、 1/2.25 ・・・(1) となる。
【0044】一方、モータ28の回転速度を1350r
pmとし、実施例におけるドラム式洗濯機において必要
とされる低速回転を110rpm、高速回転を800r
pmとしたとき、モータ28とドラム3の減速比は、低
速回転時に、 110/1350=1/12.3 となり、脱水の高速回転時に、 800/1350=1/1.69 となる。これにより減速機32において必要をされる減
速比は、 1.69/12.3=1/7.26 となり、ベルト伝動機構における所要とする減速比は、 1/1.69 ・・・(2) となる。
【0045】上記の減速比が大きな値(1を越えない)
であれば、減速機32において、歯車群を使用した場合
に、歯数の少ない歯車の組み合わせで、前記減速機32
を構成でき、前記減速機32が小型になる。また、ベル
ト伝動機構33において、従動軸に固設される、すなわ
ちドラム3の回転軸26に軸着された従動プーリ27が
小型になる。したがって、上記した計算例では、式
(1)に比べて、式(2)の方がドラム3の駆動機構4
を小型にすることができる。
【0046】このように本実施例によれば、ドラム3の
駆動機構を正逆回転可能な極数4の誘導モータ28と、
クラッチ装置31を備えた減速機32と、ベルト伝動機
構33とから構成することにより、洗浄時、すすぎ時、
および脱水工程の起動時に、ドラム3内の回転負荷を上
回る回転力をドラム3に伝達できる。また、脱水工程の
高速回転時にモータ28の回転速度が50Hz電源で1
500rpm(同期回転速度)、60Hzで1800r
pmを越えることがないために、低騒音化を図ることが
できる。
【0047】さらに、上記のドラム3の駆動機構と回転
数検出装置37とにより、洗浄およびすすぎ時に、モー
タ28の回転速度をドラム3の回転によって生じる遠心
力が少なくとも1Gより小さくなることのない回転速度
に減速し、前記ドラム3を短周期で正方向および逆方向
に反転して回転させ、その正方向および逆方向の回転角
度を前記回転数検出装置37で検出して制御し、洗浄お
よびすすぎを行なうようにしたので、減速機32とベル
ト伝動機構33における減速比を一般のドラム式洗濯機
に比べて1.5〜3.0倍の大きな値にでき、したがっ
て、減速機32およびベルト伝動機構33の従動プーリ
27を小型にすることができる。また、洗浄およびすす
ぎ時におけるドラム3の回転速度をドラム3の回転によ
って生じる遠心力が1G以上になるような回転速度に設
定することによって、ドラム3の回転速度が80〜15
0rpmとなり、この回転速度から回転を上げることに
よって脱水時に必要なドラム3の高速回転速度も容易に
得られる。
【0048】また、脱水工程において、排水後に図3に
示すようにドラム3内の洗濯物Aが多量の水を含んでリ
フタ17などに載って大きな回転負荷となっている場合
を考えて、脱水工程に入る前、または脱水工程の初め
に、モータ28の回転を減速機32とベルト伝動機構3
3とで減速してトルクアップを図り、ドラム3を1〜2
回、短周期で正方向および逆方向に反転させ、図4に示
すように洗濯物Aの片寄りを崩して回転負荷を軽減さ
せ、しかる後に前述したように、ドラム3を低速回転し
て洗濯物Aをドラム3の内周面に分散させ、つづいて高
速回転させて洗濯物Aを脱水するようにしたので、脱水
の起動時および高速回転移行時の回転負荷が小さくな
り、モータ28を小型化できる。実験によると、前記の
低速回転の前に、ドラム3を回転方向を変えて反転させ
ることで、必要なモータ28の起動トルクは10%ほど
小さくなる。なお、回転負荷は回転方向の正逆で異な
り、負荷が大きいときでもどちらかの方向へドラム4は
回転し、これにより片寄りの是正を行うことができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下のような効果がある。すなわち、ドラム駆動手段を
介し、洗浄およびすすぎ時に、ドラムを短周期で正方向
および逆方法に反転させて回転させるとともに、当該回
転時にはドラムの回転による遠心力が少なくとも1Gを
下回ることのない速度になるように回転制御を行う制御
手段を備えた請求項1記載の発明によれば、洗浄および
すすぎ時にドラムの回転による遠心力が少なくとも1G
を下回ることのない速度になるようにしたので、脱水時
における高速回転時の回転負荷を軽減することができ、
これによってモータの小型化を図ることができ、安定し
た運転が可能になる。また、減速比を大きくすることが
できるので、減速機構および伝達機構も小型になり、そ
の分、コストも安くなる。
【0050】制御手段によって、洗浄およびすすぎ時に
ドラムを、正転方向に0.25ないし2.0回転、次い
で休止を0.3ないし2.0秒、次いで逆転方向に0.
25ないし2.0回転、次いで休止を0.3ないし2.
0秒行うという四つの工程を1サイクルとして10〜3
0/minの繰返し速度で正方向および逆方向に反転さ
せて回転させるように設定された請求項2記載の発明に
よれば、減速機構および伝達機構が小型でも充分な洗浄
能力を発揮でき、小型化と低コスト化を実現できる。
【0051】制御手段によって、脱水時に、減速機構を
介して遠心力が少なくとも1Gを下回ることのない低速
で予め設定された一定の時間ドラムを回転させ、前記予
め設定された一定の時間が経過した後、減速機構を介さ
ず、直接伝達機構を介してドラムを高速で回転させるよ
うに設定された請求項3記載の発明によれば、脱水時に
まず低速で回転させてある程度水気を切り、その後、高
速で脱水を行うので、高速運転時にモータの起動トル
ク、言い換えれば回転負荷が小さくなり、その分、モー
タの小型化を図ることができ、コストも安くなり、安定
した運転が可能になる。
【0052】制御手段によって、ドラムを低速で回転さ
せる前に、ドラムが正方向および逆方向に反転して回転
するように設定された請求項4記載の発明によれば、脱
水工程が始まるときに、予備工程としてまず、ドラムを
正逆反転させてドラム内の洗濯物の片寄りを是正し、そ
の後、脱水の本工程に入るので、洗濯物の片寄りによる
過度の振動の発生を抑え、モータの起動トルクを小さく
することができ、それ故、モータの回転負荷を軽減する
ことが可能となり、安定した運転とモータの小型化を図
ることができる。
【0053】減速機構がモータの駆動力を断接するクラ
ッチ機構を含み、伝達機構がベルト伝達機構からなる請
求項5記載の発明によれば、クラッチの断接で高速回転
および低速回転を選択することが容易となり、減速比が
大きくとれることからベルト伝達機構、特に従動側のプ
ーリを小型化することができる。
【0054】遠心力が少なくとも1Gを下回ることのな
いドラムの回転速度を、80〜150rpmとした請求
項6記載の発明によれば、低速から高速に移行するとき
に、回転負荷が軽減され、その分、起動トルクを小さく
して安定した運転が可能となり、モータの小型化を図る
ことができる。
【0055】モータを、極数4の誘導モータによって構
成した請求項7記載の発明によれば、コストが高くつく
速度変換型モータする必要がないので、コストの低減を
図ることができるとともに、騒音の発生を最少限に抑え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るドラム式洗濯機の概略構成を示す
断面図である。
【図2】実施例に係るドラム式洗濯機の制御構成を示す
ブロック線図である。
【図3】ドラム内の排水直後の洗濯物の分布の一例を示
す断面図である。
【図4】ドラム内の正逆反転後の洗濯物の分布の一例を
示す断面図である。
【符号の説明】
2 水槽 3 ドラム 4 ドラム駆動機構 5 給水機構 6 排水機構 15,16 軸受 28 モータ 32 減速機 33 ベルト伝達機構 50 CPU 54 操作盤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】洗濯槽と脱水槽を兼ねるドラムと、貯水可
    能であってドラムが内部に収納された水槽と、水槽内で
    ドラムを回転自在に水平方向で支持する支持手段と、モ
    ータ、モータの回転速度を減速させる減速機構、および
    モータの駆動力をドラムに伝達する伝達機構を含み、支
    持手段を介してドラムを正方向および逆方向に回転させ
    るドラム駆動手段と、水槽内に水を供給する給水手段
    と、水槽内の水を排出する排水手段とを有し、水槽内で
    ドラムを回転させて洗濯および/または脱水を行うドラ
    ム式洗濯機において、前記ドラム駆動手段を介し、洗浄
    およびすすぎ時に、ドラムを短周期で正方向および逆方
    向に反転させて回転させるとともに、回転時にはドラム
    の回転による遠心力が少なくとも1Gを下回ることのな
    い速度になるように回転制御する制御手段を備えている
    ことを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 【請求項2】前記制御手段が、ドラムを洗浄およびすす
    ぎ時に、正転方向に0.25ないし2.0回転、次いで
    休止を0.3ないし2.0秒、次いで逆転方向に0.2
    5ないし2.0回転、次いで休止を0.3ないし2.0
    秒行うという四つの工程を1サイクルとして10〜30
    /minの繰返し速度で回転させるように設定されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のドラム式洗濯機。
  3. 【請求項3】前記制御手段が、さらに、脱水時に、減速
    機構を介して遠心力が少なくとも1Gを下回ることのな
    い低速で予め設定された一定の時間ドラムを回転させ、
    前記予め設定された一定の時間が経過した後、減速機構
    を介さず、直接伝達機構を介してドラムを高速で回転さ
    せるように設定されていることを特徴とする請求項1記
    載のドラム式洗濯機。
  4. 【請求項4】前記制御手段が、ドラムを低速で回転させ
    る前に、ドラムが正方向および逆方向に反転して回転す
    るように設定されていることを特徴とする請求項3記載
    のドラム式洗濯機。
  5. 【請求項5】前記減速機構はモータの駆動力を断接する
    クラッチ機構を含み、前記伝達機構はベルト伝達機構か
    らなることを特徴とする請求項1記載のドラム式洗濯
    機。
  6. 【請求項6】少なくとも1Gを下回ることのない前記遠
    心力によるドラムの速度が、80ないし150rpmで
    あることを特徴とする請求項1および3記載のドラム式
    洗濯機。
  7. 【請求項7】前記モータが、極数4の誘導モータからな
    ることを特徴とする請求項1記載のドラム式洗濯機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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