JPH05128993A - イオン注入方法 - Google Patents

イオン注入方法

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JPH05128993A
JPH05128993A JP3288501A JP28850191A JPH05128993A JP H05128993 A JPH05128993 A JP H05128993A JP 3288501 A JP3288501 A JP 3288501A JP 28850191 A JP28850191 A JP 28850191A JP H05128993 A JPH05128993 A JP H05128993A
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JP
Japan
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hole
ion
ion beam
magnetic field
minute
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Application number
JP3288501A
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English (en)
Inventor
Isamu Akiyama
勇 秋山
Takanobu Fujihana
隆宣 藤花
Koji Sato
浩司 佐藤
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Takata Corp
Original Assignee
Takata Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 径の小さい細管、細穴(孔)の内周面を効率
的にイオン注入処理する。 【構成】 穴の内周面17aにイオンビーム18を照射
してイオンを注入する方法において、該穴内に磁界1,
1を印加することによりイオンビーム18を偏向させ、
イオンビーム18を該穴の内周面17aに垂直又は垂直
に近い入射角にて照射させる。 【効果】 径の小さい細管、細穴或いは細孔等の穴の内
周面にも、イオンビームをほぼ0°の入射角にて、容易
かつ効率的に、しかも均一に照射することができる。各
種部材の穴の内周面を高いイオン注入効率にてイオン注
入処理できる。処理面の硬度、耐摩耗性或いは耐食性等
の各種特性を飛躍的に向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオン注入方法に係り、
特に、表面硬度、耐摩耗性、耐食性等の各種特性の向上
を目的として基材表面にイオンを注入する方法であっ
て、径の小さい穴の内周面にも、容易かつ効率的に、均
一にイオン注入することができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】基材の表面硬度の向上、耐摩耗性の向上
或いは耐食性の向上を目的として、該基材表面にイオン
を注入する方法は既に工業的に採用されている。
【0003】第2図に、代表的な従来のイオン注入装置
の概略構成を示す。図示の装置は、イオン源11、引き
出し電極12及び加速管13、質量分離器14、収束偏
向器15、試料室16から成り、それらは真空系で所定
の真空度に排気されている。
【0004】まず、イオン源11において原子又は分子
から成るイオンが作られる。それらのイオンは、引き出
し電極12で引き出され、加速管13に導入される。加
速管13に導入されたイオンは、所望のエネルギーを与
えられ、質量分離器14に入る。そこで、所望の質量の
イオンのみが次の収束偏向器15に通される。収束偏向
器15内の図示されていないレンズ系と静電X−Yスキ
ャナーによりイオンは収束及び偏向され、試料室16内
の載置台19上にセットされた試料17の所定の面に均
一に照射される。なお、このとき、スキャナーによるビ
ーム18の偏向角度はせいぜい数度が限界である。
【0005】このような従来のイオン注入装置では、各
種形状部材の外面或いは浅い凹部にイオン注入処理する
ことはできるが、深く細い管の内壁や内径の小さい凹穴
又は孔(以下、このようなものを「細穴」又は「細孔」
と称す。)にイオン注入処理することはできない。従っ
て、これまでは凹部内壁への処理は深さが浅いものに限
られてきた。しかし、細管状の部材内壁や部材の細穴又
は細孔の内壁にイオン注入処理を行い、その特性を向上
させたい要望は多くある。その例の一つとして、原子炉
の生体遮蔽壁の解体等に用いられる超硬合金性のアブレ
ッシブジェットの射出ノズルの耐摩耗性の向上が挙げら
れる。
【0006】このような細管、細穴又は細孔内壁表面
に、イオン注入処理を行うためには、イオンビームを細
管や細穴、細孔の内部で急激に曲げなければならない。
そこで、特開昭61−133377号では、穴内壁面へ
のイオン注入処理を行うために、電気的な反発力を用い
る方法が開示されている。この方法では、穴の内壁面に
イオン注入処理を行うために、穴内部に高電圧を付加し
た正電極を挿入し、それめがけてイオンを照射し、イオ
ンを正電極との反発によって拡散させることにより処理
を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭61−13
3377号記載の方法では、電極を穴の内部に入れるた
め、処理材の内径に制約が生じ、細管内壁の処理は難し
い。また、処理材と正電極との間で放電の可能性も生じ
る。その上、イオンビームと同電位による反発を利用し
ていることから、イオンは減速作用を受け、所望のエネ
ルギーを持ったイオンを注入することはできないといっ
た欠点がある。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決し、処理
する管、穴、孔の内径に全く制約がなく、また、イオン
ビームのエネルギーを変化させることなく、細管、細穴
又は細孔の内周面にも容易かつ効率的に、均一にイオン
注入処理を施すことができるイオン注入方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1のイオン注入方
法は、穴の内周面にイオンビームを照射してイオンを注
入する方法において、該穴内に磁界を印加することによ
りイオンビームを偏向させ、イオンビームを該穴の内周
面に垂直又は垂直に近い入射角にて照射させることを特
徴とする。
【0010】請求項2のイオン注入方法は、請求項1の
方法において、前記穴内に、超電導磁石により磁界を印
加することを特徴とする。
【0011】請求項3のイオン注入方法は、請求項1の
方法において、前記穴内に、超電導磁石と常電導磁石と
を組み合わせてなる複合型高磁界磁石により磁界を印加
することを特徴とする。
【0012】なお、本発明において、「穴の内周面」と
は、管の内周面、凹穴の内周面、貫通孔の内周面を指
す。
【0013】
【作用】本発明のイオン注入方法における、磁界の印加
によるイオンビームの偏向の原理について、第4図を参
照して説明する。
【0014】図示の如く、電荷q、質量mのイオンI1
が、磁束密度Bの磁界が存在する場の磁界に垂直な方向
(Y方向)に速度vで突入すると、イオンI1 はフレミ
ングの左手の法則で表わされる力f=qvBを受け、そ
の力によりイオンI1 は、イオンI2 の如く、円運動を
する。その回転半径rはr=mv/qBで表わされる
(図中、Oは回転の中心である。)。ここで、イオンが
加速電圧Vで加速されているとすると、速度vと加速電
圧Vとの間の関係v=(2qV/m)1/2 から、回転半
径rは、r=(2mV/qB21/2 で表わされる。こ
の式より、上記回転半径rは、必要とする磁界の大きさ
(B)に非常に深くかかわっていることがわかる。
【0015】ところで、イオンの注入処理にあたり、イ
オンビームが処理面に当たる角度は、イオン注入効率等
の面から非常に重要である。そこで、予備試験としてイ
オンビームが処理面に当たる角度を種々変えて処理を行
い、処理効果(注入効率)の角度依存性について検討し
た。処理イオンには窒素イオンを用い、イオン注入量5
×1017ions/cm2 、加速電圧150keVの注
入条件で鉄材に注入した。評価は、金属への注入効果の
一つの目安である試料表面の硬度変化を用いた。なお、
硬度測定時に圧子に加えた荷重は、処理深さを考慮して
2gfとした。結果を第5図に示す。第5図より、硬度
はイオンビームと処理面とがなす角度が90°のとき
(即ち、入射角が0°のとき)、最も大きく、角度がそ
こからずれると大きく減少していることがわかる。この
結果から、イオンビームの入射角をほぼ0°とし、イオ
ンビームと処理面の成す角度を約90°にする必要があ
ることがわかった。
【0016】本発明の方法によれば、イオンビームを偏
向させるための機構を穴内部に設けることなく、これを
処理材の外部に設けて、従って、穴の径に全く制約を受
けることなく、しかも、磁界印加という、イオンのエネ
ルギーに変化を与えることのない手段によって、イオン
ビームを効果的に偏向させて、処理面、即ち、穴の内周
面に対してほぼ0°の入射角にて、イオンビームを均一
かつ高効率にて照射することが可能とされる。
【0017】特に請求項2、とりわけ請求項3の方法に
よれば、より一層効率的にイオンビームを偏向させるこ
とができ、その入射角をほぼ0°とすることが可能とさ
れる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て詳細に説明する。第1図は本発明のイオン注入方法の
実施に好適なイオン注入装置を示す概略的な断面図、第
3図は第1図の要部拡大図である。なお、第1図及び第
3図において、第2図に示す従来装置と同一機能を奏す
る部材には、同一符号を付してある。
【0019】本実施例の装置においては、真空室とされ
た試料室16の外側に、超電導磁石1よりなる高角度ビ
ーム偏向機構2が設けられている。なお、このビーム偏
向機構の磁石には、超電導磁石と常電導磁石とを組み合
わせた複合型磁石を用いることもできる。
【0020】試料室16の側壁は二重壁構造とされてお
り、この二重壁構造の内部には、磁石1の過熱を防止す
るための冷却媒体(例えば液体He等)3が流通可能と
されている。
【0021】また、試料室16内の試料載置台19を上
下動及び回転させるための駆動機構4が取りつけられて
おり、試料17をイオンビームに対して前後及び回転運
動させることにより、試料17の内周面全面に均一かつ
効率的に、自動的にイオン注入を行なうことができるよ
うに構成されている。
【0022】このようなイオン注入装置によれば、イオ
ンビーム18は、磁石1により印加される磁界により、
第4図にて説明した原理により偏向され、第3図に示す
如く、試料17の管内周面17aにほぼ垂直に、即ち、
入射角がほぼ0°となるように照射され、イオン注入処
理がなされる。
【0023】従って、イオンビームの照射と共に、駆動
装置4の駆動により、試料17を回転させると共に、上
下方向に移動させることにより、試料17の管内周面1
7aの全面にわたって、上述の如く、イオンビームをほ
ぼ垂直に照射させて、均一効率的な処理を行なうことが
可能とされる。
【0024】なお、第1図及び第3図に示す例は、本発
明の実施例であって、本発明は何ら図示のものに限定さ
れるものではない。
【0025】例えば、質量分離器14にて質量分離後の
イオンビームの向きは、水平方向であっても良い。しか
しながら、図示の如く、地面に垂直な方向とすることに
より、本発明による高角度ビーム偏向用の磁界の設計が
容易となり、このため、安価に装置を構成することがで
き、その上、試料のセッティングも行い易くなり、極め
て有利である。
【0026】また、駆動装置により試料を回転ないし上
下動させる代りに、磁界の位置や方向を変えることによ
り、試料の内周面全面を処理するようにすることも可能
である。
【0027】本発明の方法は、既存のイオン注入装置に
磁界印加の機構を設けることにより、容易かつ安価に実
施することができる。
【0028】このような本発明の方法は、窒素注入専用
機として提供されている質量分離器のない装置にも適用
できることは言うまでもない。
【0029】なお、本発明において、印加する磁界の大
きさは、使用するイオン注入装置の規模、設定条件等に
よって適宜決定される。即ち、磁界の印加によりイオン
ビームが処理面に対してほぼ垂直に、即ち、入射角がほ
ぼ0°となるように照射されるように、磁界の大きさ及
び方向を設定すれば良い。
【0030】以下に実験例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。
【0031】実験例1 第1図及び第3図に示す装置により、本発明の方法に従
って、イオン注入を行なった。即ち、加速電圧50ke
Vで1価の窒素イオンを内径3cmの非磁性鉄細管内壁
に垂直に注入するために、磁界を印加した。この時のイ
オンの回転半径の平均は1.5cmとすれば良いことか
ら(内径3cmであることから、回転半径は3÷2=
1.5cmである。)、高角度ビーム偏向用磁石に約8
テスラの磁界を発生させた。なお、この磁石に更に高い
磁界を発生させれば、更に高い加速電圧かつ更に重いイ
オンの注入もできる。このときの処理面の硬度は、未処
理材の約1.5倍にあたる(約Hv300)となり、十
分な処理効果が得られた。
【0032】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のイオン注入
方法によれば、従来困難とされていた、径の小さい細
管、細穴或いは細孔等の穴の内周面にも、イオンビーム
をほぼ0°の入射角にて、容易かつ効率的に、しかも均
一に照射することができる。このため、各種部材の穴の
内周面を全面にわたって、高いイオン注入効率にてイオ
ン注入処理することが可能とされ、処理面の硬度、耐摩
耗性或いは耐食性等の各種特性を飛躍的に向上させるこ
とが可能とされる。
【0033】特に請求項2、とりわけ請求項3の方法に
よれば、より一層効率的にイオンビームを偏向させるこ
とができ、その入射角をほぼ0°とすることが可能とさ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明のイオン注入方法の実施に好適
なイオン注入装置を示す概略断面図である。
【図2】第2図は従来のイオン注入装置を示す概略断面
図である。
【図3】第3図は第1図の要部拡大図である。
【図4】第4図は本発明方法における磁界印加によるイ
オンビーム偏向の原理説明図である。
【図5】第5図は処理面の硬度と、イオンビームと処理
面との成す角度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 超電導磁石 2 高角度ビーム偏向機構 3 冷却媒体 4 駆動機構 11 イオン源 12 引き出し電極 13 加速管 14 質量分離器 15 収束偏向器 16 試料室 17 試料 18 イオンビーム 19 試料載置台

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穴の内周面にイオンビームを照射してイ
    オンを注入する方法において、該穴内に磁界を印加する
    ことによりイオンビームを偏向させ、イオンビームを該
    穴の内周面に垂直又は垂直に近い入射角にて照射させる
    ことを特徴とするイオン注入方法。
  2. 【請求項2】 前記穴内に、超電導磁石により磁界を印
    加することを特徴とする請求項1に記載のイオン注入方
    法。
  3. 【請求項3】 前記穴内に、超電導磁石と常電導磁石と
    を組み合わせてなる複合型高磁界磁石により磁界を印加
    することを特徴とする請求項1に記載のイオン注入方
    法。
JP3288501A 1991-11-05 1991-11-05 イオン注入方法 Pending JPH05128993A (ja)

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US07/967,384 US5264707A (en) 1991-11-05 1992-10-28 Ion implantation method

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