JPH0512696A - 光デイスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 主軸に概ね平行な面と主軸に概ね垂直な面を
持つ、湾曲または屈曲した可撓性プリント配線基板を使
用することを特徴とし、摺動回動範囲が大きい場合にも
安定した制御動作を行う光ディスク装置を提供する。 【構成】 ベース３上に立設固定された内部に光路を構
成する透過孔２ａを有する中空軸（主軸）と、中空軸２
に移動回動部材４と、移動回動部材４に固定された集光
レンズ５と、主軸に概ね平行な面と主軸に概ね垂直な面
を持つ湾曲または屈曲した可撓性プリント配線基板１１
と、前記可撓性プリント配線基板を支持する電源供給部
支持台１２を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンピューター等の外
部記憶装置などに利用される軸摺動型の光ディスク装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、光ディスク装置では軸摺動型
の光ピックアップを用いたものが多く用いられている。

【０００３】以下に従来の軸摺動型の光ピックアップを
用いた光ディスク装置について説明する。

【０００４】図４は従来の光ディスク装置の分解斜視図
である。レーザー光を集光する集光レンズ１３は移動回
動部材であるホルダー１４に保持され、ベース１５には
集光レンズ１３の光軸と平行に主軸１６が固定されてお
り、ホルダー１４は主軸１６にスライド及び回動が自在
に支持されている。ホルダー１４の外周面に、フォーカ
ス駆動コイル１７が巻回されるとともに、ホルダー１４
の外周面の二箇所に一対のトラッキング駆動コイル１８
ａ、１８ｂが取り付けられている。このフォーカス駆動
コイル１７とトラッキング駆動コイル１８ａ、１８ｂ
に、それぞれ対応するフォーカス用永久磁石１９及びト
ラッキング用永久磁石２０ａ、２０ｂがベース１５の上
に立設されている。フォーカス用永久磁石１９はベース
１５上に立設されたヨーク２１と共に磁気回路を構成し
ている。トラッキング駆動コイル１８ａ、１８ｂの形状
は四辺を有する長方形渦巻状であり、トラッキング駆動
コイル１８ａ、１８ｂに電流を流すと矢印Ａで示す方向
にトラッキング回動力を発生することになるが、フレミ
ングの左手の法則により、この回動力に有効なのはトラ
ッキング駆動コイル１８ａ、１８ｂの主軸１６の軸線と
平行なそれぞれ一辺（有効部）であり、主軸１６の軸線
と平行なそれぞれ残りの一辺（無効部）は、有効部の一
辺と電流の流れる方向が逆になるため、有効部と無効部
の辺が前記トラッキング用永久磁石２０ａ、２０ｂの磁
気作用を同時に受けない範囲でホルダーー４は回動す
る。また、フォーカス駆動コイル１７に電流を流すと、
フォーカス用永久磁石１９とヨーク２１との磁気作用に
より、フレミングの左手の法則に従って矢印Ｂで示す方
向にフォーカス駆動力を受ける。２２はフォーカス駆動
コイル１７とトラッキング駆動コイル１８ａ、１８ｂに
電源を供給するコイル電源基板であり、２３はコイル電
源基板２２上に設けられたコイルクランパーである。フ
ォーカス駆動コイル１７とトラッキング駆動コイル１８
ａ、１８ｂの端部は、ホルダー１４がフォーカス方向と
トラッキング方向に動作した時に、抵抗にならないよう
にたるみをもたせ、コイルクランパー２３に支持された
後、コイル電源基板２２に結線固定されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の光ディスク装置では、トラッキング駆動コイル１７
とフォーカス駆動コイル１８ａ、１８ｂの一部をリード
線として引き出し、ベース１５上に設けられたコイル電
源基板２２に固定するリード線処理が必要であるが、ホ
ルダー１４のトラッキング動作による回動範囲が大きく
なるとリード線の断線が発生し易くなり、動作不能とな
る課題を有していた。またホルダー１４がトラッキング
方向の動作を行う場合に、リード線の変形に伴う抵抗の
ために、主軸１６とホルダー１４の間隙の分だけ主軸１
６がふらつき、位置精度を保てず安定したトラッキング
方向の制御動作が得られないという問題点を有してい
た。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するため、フォーカス駆動コイル及びトラッキング駆
動コイルの少なくとも一方へ電源を供給する可撓性プリ
ント配線基板と、ベースに保持され可撓性プリント配線
基板を支持する台を備え、可撓性プリント配線基板が主
軸に概ね平行な面と主軸に概ね垂直な面を持ち、湾曲及
び屈曲した形状であることを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】上記構成によれば、可動部であるホルダーに取
り付けたトラッキング駆動コイル及びフォーカス駆動コ
イルと、固定部であるコイル電源基板の接続を容易に行
うことができ、断線の発生がなくなる。またホルダー
が、フォーカス方向へ大きく移動した場合は可撓性プリ
ント配線基板の主軸に概ね垂直な面がたわみ、トラッキ
ング方向へ大きく回転した場合は可撓性プリント配線基
板の主軸に概ね平行な面がたわむため、可撓性プリント
配線基板の変形抵抗は極めて小さく抑えられ、ホルダー
の動作への影響が小さく、ホルダーの制御動作を安定し
て行うことができる。

【０００８】

【実施例】図１は、本発明の一実施例における光ディス
ク装置の分解斜視図である。図１において１は最内周ト
ラック１ａ、最外周トラック１ｂを有する光ディスク
盤、２は光ディスク装置のベース３上に立設された主軸
である中空軸である。中空軸２は内部に光路を構成する
透過孔２ａを有し、外周２ｂは研磨されテフロン樹脂な
どがコーティングされている。４は中空軸２に移動およ
び回動可能に支持され、軸線Ｚに沿って矢印Ｆで示すフ
ォーカス方向の移動および軸線Ｚ回りに矢印Ｒで示すト
ラッキング方向に回動を行い、さらに軸線Ｚから離れた
位置に集光レンズ５を保持し非磁性体よりなる移動回動
部材である。６は中空軸２と同心円状に配置された強磁
性体よりなるセンターヨーク、７は中空軸２と同心円状
であり、センターヨーク６と対向するように配設された
強磁性体よりなるサイドヨークである。８はセンターヨ
ーク６とサイドヨーク７と共に磁気回路を構成するよう
に、サイドヨーク７に固定された永久磁石である。ま
た、移動回動部材４には、センターヨーク６を巻回する
一対の長方形空芯状のトラッキング駆動コイル９と、中
空軸２と同心状のフォーカス駆動コイル１０が取り付け
てある。このトラッキング駆動コイル９の一辺とフォー
カス駆動コイル１０の一部がセンターヨーク６とサイド
ヨーク７間に生じる磁気回路の一部をなす空隙に位置す
るようになっている。１１は移動回動部材４を取り巻く
湾曲した形状を持ち、可撓性プリント配線基板である。
可撓性プリント配線基板１１は、中空軸２に概ね平行な
面１１ａと、中空軸２に概ね垂直な面１１ｂを持ち、面
１１ａと面１１ｂ間は屈曲により連結されている。可撓
性プリント配線基板１１の一端をトラッキング駆動コイ
ル９とフォーカス駆動コイル１０のコイル線の端部と移
動回動部材４上で結線固定し、他端をベース３上に配設
された電源供給部支持台１２と結線固定されている。

【０００９】図２は、トラッキング動作時の可撓性プリ
ント配線基板１１の変形状態を表す平面図である。図２
（ａ）、図２（ｂ）はそれぞれ移動回動部材４が、最内
周トラック１ａ、最外周トラック１ｂをアクセスした時
の集光レンズ５の位置を表したものである。トラッキン
グ動作時には、可撓性プリント配線基板１１の主軸に概
ね平行な面１１ａがたわむため、可撓性プリント配線基
板１１の変形抵抗は極めて小さい。

【００１０】図３は、フォーカス動作時の可撓性プリン
ト配線基板１１の変形状態を示す側面図である。図３
（ａ）は光ディスク盤１がベース３から離れた状態、図
３（ｃ）は光ディスク盤１がベース３に接近した状態、
図３（ｂ）は図３（ａ）と図３（ｂ）の中間の状態を示
している。フォーカス動作時には可撓性プリント配線基
板１１の中空軸２に概ね平行な面１１ｂがたわむことに
より、可撓性プリント配線基板１１の変形抵抗は極めて
小さい。

【００１１】

【発明の効果】以上のように本発明は、フォーカス駆動
コイル及びトラッキング駆動コイルの少なくとも一方へ
電源を供給する可撓性プリント配線基板と、ベースに保
持され可撓性プリント配線基板を支持する台を備え、可
撓性プリント配線基板が主軸に平行な面と主軸に垂直な
面を持ち、湾曲及び屈曲した形状であることを特徴とす
るものであり、可動部である移動回動部材に取り付けた
トラッキング駆動コイル及びフォーカス駆動コイルと、
固定部であるベースの接続を容易に行うことができ、断
線の発生がなくなる。またホルダーが、フォーカス方向
へ大きく移動した場合は可撓性プリント配線基板の主軸
に概ね垂直な面がたわみ、トラッキング方向へ大きく回
転した場合は可撓性プリント配線基板の主軸に概ね平行
な面がたわむため、可撓性プリント配線基板の変形抵抗
は極めて小さく抑えられるために、移動回動部材の動作
への影響が小さく、移動回動部材の制御動作を安定して
行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における光ディスク装置の分
解斜視図

【図２】（ａ）は同動作説明のための平面図 （ｂ）は同動作説明のための平面図

【図３】（ａ）は同動作説明のための側面図 （ｂ）は同動作説明のための側面図 （ｃ）は同動作説明のための側面図

【図４】従来の光ディスク装置の分解斜視図

【符号の説明】

１ 光ディスク盤 ２ 中空軸（主軸） ３ ベース ４ 移動回動部材 ９ トラッキング駆動コイル １０ フォーカス駆動コイル １１ 可撓性プリント配線基板 １２ 電源供給部支持台

フロントページの続き (72)発明者 佐方 信吾 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】主軸を保持するベースと、前記主軸に支持
   され、前記主軸の軸方向に移動可能にかつ前記主軸を中
   心に回動可能に保持された移動回動部材と、前記移動回
   動部材に取り付けられ前記移動回動部材を移動させるフ
   ォーカス駆動コイルと、前記移動回動部材に取り付けら
   れ前記移動回動部材を回動させるトラッキング駆動コイ
   ルと、前記フォーカス駆動コイル及び前記トラッキング
   駆動コイルの少なくとも一方へ電源を供給する可撓性プ
   リント配線基板と、前記ベースに保持され前記可撓性プ
   リント配線基板を支持する台を備え、前記可撓性プリン
   ト配線基板が前記主軸に概ね平行な面と前記主軸に概ね
   垂直な面を持ち、湾曲及び屈曲した形状であることを特
   徴とする光ディスク装置。