JPH06162538A - 光ピックアップ用回動型アクチュエータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ディスク装置の光ピックアップ用回動型ア
クチュエータにおいて、組立性に優れ、かつ薄型化でき
ると共に不要共振が発生しない光ピックアップ用回動型
アクチュエータを提供する。 【構成】 光ディスク装置の光ピックアップ用回動型ア
クチュエータにおいて、対物レンズ保持筒３１を中立位
置に保持する機能とフォーカスコイル３５およびトラッ
キングコイル３６に電流を供給するための４本の線状弾
性部材４３を同一平面内でかつ対物レンズ保持筒３１の
上面に構成する。また、線状弾性部材４３を小スペース
の中に折曲させて配設する。 【効果】 全ての部品を上面側から組立てられるため組
立性に優れ、かつ回動型アクチュエータとして薄型化が
可能で、不要共振が発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光学式ビデオディス
ク、コンパクトディスク、光磁気ディスクなどに使用さ
れる光ピックアップ用回動型アクチュエータに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】以下に従来の光ピックアップ用回動型ア
クチュエータについて説明する。図１０および図１１は
従来の光ピックアップ用回動型アクチュエータの平面図
および側面断面図を示すものである。図１０および図１
１において、１は対物レンズ保持筒で、磁性材でできた
回動中心軸２より偏心した位置に対物レンズ３が設けら
れている。対物レンズ保持筒１と回動中心軸２が摺動す
る部分には樹脂などのコーティングが施されており、回
動中心軸２は磁性材でできたベース４から垂直に立てら
れている。対物レンズ保持筒１は、この回動中心軸２の
回りに回動してトラッキング動作を行い、また回動中心
軸２の軸方向に摺動することによってフォーカシング動
作を行う。

【０００３】以上のように構成された回動型アクチュエ
ータについて、以下にフォーカシングとトラッキング動
作を行うための磁気回路について説明する。対物レンズ
保持筒１の周囲にフォーカスコイル５が数層巻回され、
その外周の一部で回動中心軸２に対して対称にトラッキ
ングコイル６が固定接着されている。前述したフォーカ
スコイル５に対向するようにフォーカスマグネット７が
ベース４の内周部に装着され、またトラッキングコイル
６に対向するようにトラッキングマグネット８がベース
４内の内周部に装着されている。フォーカスマグネット
７は内周部にＮ極、外周部にＳ極が着磁され、Ｎ極から
出た磁力線はフォーカスコイル５を通過して一部は回動
中心軸２、ベース４を介してＳ極に戻り、他は空中を通
過してＳ極に戻る。またトラッキングマグネット８はト
ラッキング方向にＮ極、Ｓ極と着磁されており、Ｎ極か
ら出た磁力線はトラッキングコイル６を介して空中を通
りＳ極に戻るようになっている。フォーカスコイル５に
電流を流すとフォーカスマグネット７から出ている磁力
を受けてフォーカスコイル５にはフレミングの左手の法
則によりフォーカス方向に力が作用し、フォースカスコ
イル５が接着されている対物レンズ保持筒１と一体に駆
動され、フォーカスコイル５に流す電流の方向と大きさ
で対物レンズ３をディスク盤９に対して常時焦点が合う
ように制御している。また、トラッキングコイル６に電
流を流すとトラッキングマグネット８から出ている磁力
を受けてトラッキングコイル６にはフレミングの左手の
法則によりトラッキング方向に力が作用し、トラッキン
グコイル６が装着されている対物レンズ保持筒１と一体
に駆動され、トラッキングコイル６に流す電流の方向と
大きさで対物レンズ３をディスク盤９のトラッキング方
向の正確な位置に対して常時追従するように制御してい
る。

【０００４】フォーカスコイル５およびトラッキングコ
イル６に電流を印可しなくなった際に対物レンズ保持筒
１を中立位置に戻すために、中立保持ゴム１０が対物レ
ンズ保持筒１とベース４の間に配設され、対物レンズ保
持筒１の下側に取り付けられている。また、フォーカス
コイル５およびトラッキングコイル６に電流を供給する
ための給電線１１が設けられ、この給電線１１は対物レ
ンズ保持筒１の駆動変位によって切断しないように寄線
などで構成されている。

【０００５】また、従来のワイヤ方式の光ピックアップ
用アクチュエータについて図１２を用いて説明する。図
１２はワイヤ方式の光ピックアップ用アクチュエータの
斜視図である。２１は対物レンズ保持筒で、２２は対物
レンズ、２３は磁性材であるベース、２４はフォーカス
コイル、２５はフォーカスマグネットである。２６は対
物レンズ保持筒２１を保持し、フォーカスコイル２４に
給電を行うワイヤで、対物レンズ保持筒１を中立位置に
保持している。駆動に関しては上記図１０および図１１
に示す回動型アクチュエータと同様なので説明は省く。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成の回動型アクチュエータにおいては、対物レン
ズ保持筒１を中立位置に保持するために中立保持ゴム１
０を対物レンズ保持筒１の下側に取り付けなければなら
ないため、非常に組立性が悪く量産性に乏しいととも
に、薄型化が非常に困難であるという問題を有してい
た。

【０００７】また、対物レンズ３とディスク盤９とは１
〜３ｍｍという狭い状態に構成しなければならないた
め、対物レンズ保持筒１とディスク盤９との間に中立保
持ゴム１０を配置することは不可能であった。

【０００８】また、ワイヤ方式のアクチュエータにおい
ては、外乱などによりワイヤ２６の軸に対して回転方向
に振動するなど不要共振が発生して制御できないという
問題を有していた。

【０００９】本発明は上記従来の問題を解決するもで、
薄型化容易でかつ量産性に富んだ光ピックアップ用回動
型アクチュエータを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に本発明は、回動中心軸に外嵌されてこの回動中心軸回
りの方向に回動可能でかつこの回動中心軸の軸方向に移
動可能な対物レンズ保持筒と、この対物レンズ保持筒を
２方向に駆動するフォーカスコイルおよびトラッキング
コイルとを有する光ピックアップ用回動型アクチュエー
タであって、前記対物レンズ保持筒を中立位置に保持す
るとともに前記フォーカスコイルおよびトラッキングコ
イルに電力を供給する少なくとも４本の線状弾性部材が
設けられ、これらの線状弾性部材が前記対物レンズ保持
筒に固定された中継板に接続され、前記線状弾性部材と
前記中継板とがほぼ同一平面内に配設されたものであ
る。

【００１１】

【作用】上記構成によって、全ての部品を上面などの一
面側のみから組立てることができるため、組立性に優
れ、かつ光ピックアップ用回動型アクチュエータの薄型
化が可能で、量産性に富む。また、回動および摺動を行
うための回動中心軸を有するため不要共振をなくすこと
ができる。

【００１２】

【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。図１および図２は本発明の一実施例
における光ピックアップ用回動型アクチュエータの上面
図および側面断面図を示すものである。

【００１３】図１および図２において、３１は回動中心
軸３２に外嵌された対物レンズ保持筒、３３は回動中心
軸３２に対して偏心した位置に取り付けられた対物レン
ズ、３４は磁性材でできて、かつ回動中心軸３２を垂直
に立てるためのベース、３５は対物レンズ保持筒３１の
外周に巻回されたフォーカスコイル、３６はフォーカス
コイル３５の外周の一部で、回動中心軸３２に対し対称
に取り付けられたトラッキングコイル、３７は対物レレ
ンズ保持筒３１をフォーカス方向に駆動するための磁気
回路を構成するフォーカスマグットであって、内周側に
Ｎ極、外周側にＳ極が着磁されている。

【００１４】また、３８は対物レンズ保持筒３１をトラ
ッキング方向に駆動するための磁気回路を構成するトラ
ッキングマグネットであって、トラッキング方向でかつ
トラッキングコイル３６側にＮ極およびＳ極の２極着磁
がされている。３９は情報を記憶するためのディスク盤
であって、図示しないスピンドルモータなどによって回
転する。４３は対物レンズ保持筒１を中立位置に保持す
る導電性の線状弾性部材で、フォーカスコイル３５およ
びトラッキングコイル３６に電力を供給している。ま
た、フォーカスマグネット３７とトラッキングマグネッ
ト３８によって磁気的吸引力が働かないように線状弾性
部材４３は非磁性の導電部材で構成されている。４４は
対物レンズ保持筒３１上に配置され、回動中心軸３２の
近傍に接着などで固定されている導電性の第１中継板
で、この第１中継板４４と線状弾性部材４３とはほぼ同
一平面内に配設されている。

【００１５】線状弾性部材４３は折曲されて、対物レン
ズ保持筒３１がフォーカス方向およびトラッキング方向
に変位したときにこの線状弾性部材４３に応力が集中し
ないように構成されているとともに、対物レンズ保持筒
３１がフォーカス方向およびトラッキング方向に変位し
たときに線状弾性部材４３のバネ力でトラッキング方向
およびフォーカス方向に変位しないように構成されてお
り、小スペースの中で線状弾性部材４３は長くされてい
る。線状弾性部材４３の一端は対物レンズ保持筒３１の
中心に取り付けられている第１中継板４４に接続され、
他端はベース３４上に構成された第２中継板４５に接続
され、図示しないＦＰＣなどの手段によって電源に接続
されている。また、第１中継板４４には、フォーカスコ
イル３５およびトラッキングコイル３６の端線が半田付
けなどの手段によって接続されており、各々の線が個々
の線状弾性部材４３に接続されている。また、第１中継
板４４において線状弾性部材４３同士は導通しないよう
になっている。

【００１６】以上のように構成された光ピックアップ用
回動型アクチュエータについてその動作について説明す
る。まず図示しない電線より第２中継板４５に電流を供
給して、線状弾性部材４３および第１中継板４４を介し
てフォーカスコイル３５およびトラッキングコイル３６
に電流を供給する。また、従来例と同様にフォーカスコ
イル３５およびトラッキングコイル３６に電流を流すこ
とで、フォーカスマグネット３７およびトラッキングマ
グネット３８から出ている磁力を受けて、フォーカスコ
イル３５およびトラッキングコイル３６はフレミングの
左手の法則に基づく力がそれぞれ作用し、対物レンズ保
持筒３１が駆動される。これらのフォーカスコイル３５
およびトラッキングコイル３６に流れる電流の方向と大
きさを調節することにより、対物レンズ３３をディスク
盤３９に常時焦点が合い、かつ追従するように制御して
いる。この後、電流の供給を停止すると、対物レンズ保
持筒３１および対物レンズ３３は線状弾性部材４３のバ
ネ力でフォーカス方向およびトラッキング方向に対し常
に中立位置にくるようになっている。

【００１７】次に、以上のような光ピックアップ用回動
型アクチュエータの組立工程について説明する。まず、
フォーカスマグネット３７，トラッキングマグネット３
８および回動中心軸３３、第２中継板４５をベース４４
に接着などによって固定して固定部を形成する（図３参
照）。また、対物レンズ保持筒３１に対物レンズ３３、
フォーカスコイル３５およびトラッキングコイル３６を
取り付けることで可動部を形成する（図４参照）。ま
た、第１中継板４４に線状弾性部材４３を半田付けなど
で接続することで給電中立部を形成する（図５参照）。
このように別々にできた固定部の回動中心軸３２に可動
部の対物レンズ保持筒３１を挿入し、その後、給電中立
部の第１中継板４４を対物レンズ保持筒３１の中心付近
に上面より固定接着し、線状弾性部材４３の他端を第２
中継板４５に半田付けなどで接続して組み立てて回動型
アクチュエータを完成する。以上のように全ての部品を
上面側からの一面のみから組立てが可能であり、組立性
に優れ、かつ薄型化が可能である。また、回動および摺
動を行うための回動中心軸３２を有する構造であるため
不要共振が防止される。

【００１８】ここで、図５に示す給電中立部の別の実施
例を図６〜図９を用いて説明する。図６に示すように、
第１中継板４４を略４分割にしたような形状の部分と線
状弾性部材４３の部分とを板金などにより一体形状とし
た中継部材４６により給電中立部を構成してもよい。こ
の中継部材１６は、図７に示すように、一端を対物レン
ズ保持筒３１の中心付近に接着などの手段によって固定
し、他端を第２中継板４５に半田付けなどによって接続
する。

【００１９】また、図８の（ａ）に示すように中継部材
４６と樹脂などの非導電部材４７とを交互に構成するよ
うにアウトサイト成形などで給電中立部を構成してもよ
い。この中継部材４６は、図９に示すように、一端を対
物レンズ保持筒３１の中心付近に接着などの手段によっ
て固定し、他端を第２中継板４５に半田付けなどによっ
て接続している。

【００２０】また、図８の（ｂ）に示すように、第１中
継板４４を略４分割にしたような形状の部分と線状弾性
部材４３の部分とを半田付けなどで接続した部材と樹脂
などの非導電部材４７とを交互に配設するようにアウト
サイト成形などで給電中立部を構成してもよい。これに
よっても、図９に示されるように光ピックアップ回動型
アクチュエータを構成することができる。

【００２１】なお、上記実施例においては線状弾性部材
４３を４本設けた場合を示したが、さらに多くの線状弾
性部材を配設してもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、回動型ア
クチュエータにおいて、対物レンズ保持筒の中立保持お
よびフォーカスコイルおよびトラッキングコイルに電流
を供給する給電部材としてほぼ同一平面内に構成された
少なくとも４本の線状弾性部材を設けることにより、全
ての部品を上面側などの一面側のみから組立てることが
できて組立性に優れ、かつ薄型化が可能で、また、回動
および摺動を行うための回動中心軸を有するため不要共
振が発生しない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例における光ピックアップ
用回動型アクチュエータの平面図

【図２】同光ピックアップ用回動型アクチュエータの側
面断面図

【図３】同光ピックアップ用回動型アクチュエータの固
定部の平面図

【図４】同光ピックアップ用回動型アクチュエータの可
動部の平面図

【図５】同光ピックアップ用回動型アクチュエータの給
電中立部の平面図

【図６】本発明の第２の実施例における光ピックアップ
用回動型アクチュエータの給電中立部の平面図

【図７】同第２の実施例における光ピックアップ用回動
型アクチュエータの給電中立部の平面図

【図８】（ａ）本発明の第３の実施例における光ピック
アップ用回動型アクチュエータの給電中立部の平面図 （ｂ）本発明の第４の実施例における光ピックアップ用
回動型アクチュエータの給電中立部の平面図

【図９】本発明の第３の実施例における光ピックアップ
用回動型アクチュエータの平面図

【図10】従来の光ピックアップ用回動型アクチュエータ
の平面図

【図11】従来の光ピックアップ用回動型アクチュエータ
の側面断面図

【図12】従来のワイヤ方式の光ピックアップ用回動型ア
クチュエータの斜視図

【符号の説明】

３１ 対物レンズ保持筒 ３２ 回動中心部 ３３ 対物レンズ ４３ 線状弾性部材 ４４ 第１中継盤 ４６ 中継部材 ４７ 非導電部材

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回動中心軸に外嵌されてこの回動中心軸
   回りの方向に回動可能でかつこの回動中心軸の軸方向に
   移動可能な対物レンズ保持筒と、この対物レンズ保持筒
   を２方向に駆動するフォーカスコイルおよびトラッキン
   グコイルとを有する光ピックアップ用回動型アクチュエ
   ータであって、前記対物レンズ保持筒を中立位置に保持
   するとともに前記フォーカスコイルおよびトラッキング
   コイルに電力を供給する少なくとも４本の線状弾性部材
   が設けられ、これらの線状弾性部材が前記対物レンズ保
   持筒に固定された中継板に接続され、前記線状弾性部材
   と前記中継板とがほぼ同一平面内に配設された光ピック
   アップ用回動型アクチュエータ。
2. 【請求項２】 線状弾性部材が折曲されている請求項１
   記載の光ピックアップ用回動型アクチュエータ。
3. 【請求項３】 中継板が分割構造とされ、各分割中継板
   部分と各線状弾性部材部分とが導電部材で一体構造とさ
   れ、この線状弾性部材および分割中継板部分が対物レン
   ズ保持筒に固定された請求項１または２記載の光ピック
   アップ用回動型アクチュエータ。
4. 【請求項４】 線状弾性部材および分割中継板部分と非
   導電部材とが交互に配設されて一体構造の給電中立部が
   形成され、この給電中立部が対物レンズ保持筒に固定さ
   れた請求項３記載の光ピックアップ用回動型アクチュエ
   ータ。