JPH0512646Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、魚、肉類などの調理食品をバーナ
による対流熱と放射熱とにより加熱するようにし
たオーブンに関する。

「従来の技術」 従来のオーブンにおいては第５図に示すよう
に、下部に設けたバーナＢによるガス炎熱は指矢
のように燃焼室より庫内の側方に向つて上昇して
加熱室Ｈに入り天板Ｐ内の調理食品を加熱焼成し
た後、天壁Ｍにて形成した煙道Ｓを通つて外部に
排出するように構成されているので、天板Ｐ内の
調理食品は加熱室Ｈに入つたガス炎熱で加熱焼成
された後、この排熱気は加熱室の上部から煙道Ｓ
を通つて直接排出されるものであつた。

そのため、加熱室Ｈ内の熱の対流が上下方向に
均等にならずバーナの熱効率も悪いと共に、加熱
室Ｈ内の調理食品の焦目付けは勿論のこと均等な
焼上りを期待することができないという欠点があ
つた。

そこで従来、外囲体の内部に加熱室を構成する
上部が開放された溝型の内函枠を設け、この内函
枠の左右の側面に空隙を保持して密閉状に囲む熱
気導入路を構成する中函枠を設け、さらにその中
函枠の側面から上面を囲んで排気路を構成する外
函枠を設け、内函枠と外函枠の下部側面間に両者
の内部空間を連通する通気管を設けることによ
り、内函枠と中函枠の側面間の間隙の下方に設置
したバーナの熱気を内函枠内の加熱室に導入し、
加熱室の下部から通気管を通つて排気路に流出さ
せ、これによつて加熱室内において熱気を上下方
向に対流させることにより調理品を均等に加熱
し、熱効率を向上させた蒸焼器も知られている
（実公昭46−10516号公報）。

「考案が解決しようとする課題」 上記従来の蒸焼器においては、加熱室を構成す
る内函枠の周囲に中函枠を、さらにその周囲に外
函枠及び外囲体を設けた三重包囲構造であるた
め、加熱器としての函体全体の容積が大きくな
り、また内函枠の周囲に中函枠、外函枠及び外囲
体を設置するため、部材点数が多く製造が煩雑で
手間がかかるという問題があつた。

また、加熱室を対流して加熱に使われた熱気
は、加熱室の下部から通気管を通つて中函枠との
間を断熱した排気路に排気として外部に流出させ
るので、この熱保有量の高い排気が無駄になると
共に、内函枠の前後に出入口が設置されているた
め、この出入口によつて加熱室の熱が奪われ、熱
効率が悪いという問題もあつた。

「問題を解決するための手段」 この考案は、前記従来の課題を解決するため
に、方形箱型の外函１の内部に左右の内側壁７，
８、後壁９、上部の天蓋４及び下部の熱板３とに
よつて囲まれる加熱室６を設け、熱板３の下方に
設けた燃焼室２′にバーナ２を設置し、天蓋４の
上方に中央部に排気口２１を有する排気路２２を
設け、内側壁７，８及び後壁９の加熱室６側の各
壁面の左右の部分に、下端が熱気導入口１０を介
して燃焼室２′に連通し、かつ上端が熱気導入口
１０′を介して加熱室６に連通した断面方形の熱
気流通空間を形成する熱気導入路１２，１２を設
け、これらの熱気導入路１２，１２間に、それぞ
れ下端が熱気導出口１４を介して加熱室６に連通
し、かつ上端が熱気排出口１１を介して排気路２
２に連通した断面方形の熱気流通空間を形成する
熱気導出路１３を設けたオーブンを提案するもの
である。

「作用」 ハンドルにより前部の開閉扉５を開放し、調理
食品を収容した複数の天板１５を各金網１６上に
載せ、これを支受金具１７，１８に多段に支受さ
せて加熱室６に収容した後、開閉扉５を閉止し、
バーナ２の燃焼により熱板３を加熱した高温の熱
気を加熱室６の周囲三面を囲む内側壁７，８及び
後壁９の各壁面に設けた熱気導入路１２，１２内
にその下端の熱気導入口１０から導入して上端の
熱気導入口１０′から均等に加熱室６に流入させ
る。

加熱室６内に流入した熱気は、加熱室６の上部
から下部にかけて均等に対流し、内側壁７，８及
び後壁９の各壁面に設けた熱気導出路１３の下端
の熱気導出口１４から熱気導出路１３内に流入し
て、その上端の熱気排出口１１を通つて排気路２
２及び排気口２１から外部に排出される。

このように加熱室６内の全体にわたつて上下に
均等に対流する高温の熱気と、バーナ２によつて
加熱される熱板３、ならびに燃焼室２′から挿入
された熱気によつて加熱される熱気導入路１２，
１２と、加熱室６から流入する熱気によつて加熱
される熱気導出路１３からの輻射熱とにより迅速
かつ均等に加熱され、多段に支受した天板１５上
の各調理食品の皮質部に均等に焦げ目を付けると
共に、内質部もその芯まで迅速に加熱されて水分
を保持した良好な焼き上がりとなる。

「実施例」 以下、この考案の実施例を図面について詳述す
ると、ステンレス鋼板などの金属板のプレス成形
加工により方形箱型に形成した外函１の内側底部
に設けた燃焼室２′内にバーナ２が設けられ、そ
の上方に前部を開閉扉５で密閉される加熱室６が
構成されている。

加熱室６は、バーナ２の上方に水平に設置した
金属板からなる熱板３と、その上方において水平
に設置した金属板からなる天壁４と、左右の内側
壁７，８及び後壁９とで囲まれ、その前部を開閉
扉５で密閉されるようになつている。

天壁４の上部に断熱材１９が添接され、この断
熱材１９とその上方にほぼ水平に設けた天蓋２０
との間に中央部に排気口２１を設けた排気路２２
が形成されている。

加熱室６を囲む内側壁７，８及び後壁９の加熱
室６側の各壁面にはそれぞれその左右の部分に、
下端の熱気導入口１０を介して燃焼室２′に連通
し、かつ上端の熱気導出口１０′を介して加熱室
６に連通した断面方形の熱気流通空間を形成する
熱気導入路１２，１２が縦向きに設けられ、さら
にこれらの熱気導入路１２，１２間に、下端の熱
気流出口１４を介して加熱室６に連通し、かつ上
端の熱気排出口１１を介して排気路２２に連通し
た断面方形の熱気流通空間を形成する熱気排出路
１３が縦向きに設けられている。

加熱室６の両側の熱気導入路１２，１２及び熱
気排出路１３の外面には、調理食品を収容した天
板１５を載置した金網板１６の両側を挿脱自在に
載置するチヤンネル形の支受金具１７，１８が取
付けられている。

加熱室６の左右の内側壁７，８の外側部に断熱
材２３，２４が添接されており、さらに加熱室６
の後壁９の外側部に断熱材２５が添接されてい
る。

「考案の効果」 以上の通りこの考案によれば、バーナの燃焼に
より熱板を加熱した高温の熱気を左右の内側壁及
び後壁の各壁面に設けた各一対の熱気導入路内に
導入して加熱室の上部に流入させ、この熱気を加
熱室の上部から下部にかけて均等に対流させて、
内側壁及び後壁の各壁面に設けた熱気導出路内に
その下端開口から流出させて、その上端開口を通
つて排気路及び排気口から外部に排出することが
できる。

従つて、加熱室内の左右の内側壁及び後壁の三
つの壁面の熱気導入路と熱気導出路との間にかけ
て加熱室の上下方向に均等に対流する高温の熱気
と、バーナによつて加熱される熱板、ならびに内
部を流通する熱気によつて加熱される熱気導入路
と熱気導出路からの輻射熱とにより迅速かつ均等
に加熱することができ、熱の効率的な利用が図ら
れると共に、これによつて多段に支受した天板上
の各調理食品の皮質部に均等に焦げ目を付けると
共に、内質部もその芯まで迅速に加熱されて水分
を保持した良好な焼き上がりに焼成調理すること
が可能となる。

熱気導入路と熱気導出路が左右の内側壁及び後
壁の各壁面に横一連に隣接して設けられているの
で、オーブン全体を外函とその内側の加熱室部と
の二重構造として構成することができ、オーブン
函体全体をコンパクトかつシンプルに構成できる
と共に、製造も容易となる。

さらに、加熱室は流動する熱気により常時加熱
される熱板と、内側壁及び後壁の各熱気導入路及
び熱気導出路によつて囲まれているため、内部の
熱損失がほとんどなく、しかもこれらの各面から
輻射熱が放射されるため、バーナの熱効率をより
高めることができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案のオーブンの一実施例を示すもの
で、第１図は内側壁の熱気導入路部分における縦
断正面図、第２図は内側壁の熱気排出路部分にお
ける縦断正面図、第３図は縦断側面図、第４図は
横断平面図、第５図は従来のオーブンの一部を破
断して表した正面図である。 １……外函、２……バーナ、２′……燃焼室、
３……熱板、４……天壁、６……加熱室、７，８
……内側壁、９……後壁、１０……導入口、１
０′……導出口、１１……排出口、１２……熱気
導入路、１３……熱気排出通路、１４……流出
口、２１……排気口、２２……排気路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 方形箱型の外函１の内部に左右の内側壁７，
   ８、後壁９、上部の天蓋４及び下部の熱板３とに
   よつて囲まれる加熱室６を設け、熱板３の下方に
   設けた燃焼室２′にバーナ２を設置し、天蓋４の
   上方に中央部に排気口２１を有する排気路２２を
   設け、内側壁７，８及び後壁９の加熱室６側の各
   壁面の左右の部分に、下端が熱気導入口１０を介
   して燃焼室２′に連通し、かつ上端が熱気導入口
   １０′を介して加熱室６に連通した断面方形の熱
   気流通空間を形成する熱気導入路１２，１２を設
   け、これらの熱気導入路１２，１２間に、それぞ
   れ下端が熱気導出口１４を介して加熱室６に連通
   し、かつ上端が熱気排出口１１を介して排気路２
   ２に連通した断面方形の熱気流通空間を形成する
   熱気導出路１３を設けたことを特徴とするオーブ
   ン。