JPH05125103A - ヒアルロン酸の製造法 - Google Patents

ヒアルロン酸の製造法

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JPH05125103A
JPH05125103A JP35057491A JP35057491A JPH05125103A JP H05125103 A JPH05125103 A JP H05125103A JP 35057491 A JP35057491 A JP 35057491A JP 35057491 A JP35057491 A JP 35057491A JP H05125103 A JPH05125103 A JP H05125103A
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JP
Japan
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hyaluronic acid
protease
chicken
cob
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Application number
JP35057491A
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English (en)
Inventor
Kokichi Terasawa
孝吉 寺沢
Masayuki Sakurai
正之 桜井
Makiko Koshiyou
真木子 古庄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ROOMAN KOGYO KK
Original Assignee
ROOMAN KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】鶏冠からヒアルロン酸を抽出するのに、鶏冠
に前処理を施すことなく酵素消化し、ヒアルロン酸を得
る。 【構 成】生の鶏冠を原形のまゝの形状でプロテアーゼ
消化し、次に常法により分離・精製してヒアルロン酸を
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鶏冠よりヒアルロン酸を
高純度で、かつ収率よく分離する簡便なる方法に関する
ものである。詳しくは、鶏冠よりヒアルロン酸を抽出す
る際に、鶏冠に加熱および細断などの前処理を施すこと
なく、原形のまゝプロテアーゼを用いて消化し、鶏冠に
含有される蛋白を効率よく消化することを特徴とする製
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒアルロン酸は生体に普遍的に存在する
ムコ多糖の一種であり、その糖鎖がプロテオグリカンと
会合して、集合体を形成し、コラーゲン線維間に蓄積さ
れている。このムコ多糖分子は直鎖状で、螺旋形の構造
をもち分子内水素結合により安定化されている。通常
は、多分散系の数百万の大きな分子量をもち、分子領域
に大量の溶媒を含むことのできる物質である。ヒアルロ
ン酸は浸透圧と流れに対する抵抗性を介して水の平衡を
調節し、その特有な篩効果と排除作用によって血漿蛋白
や種々の生理活性蛋白の移動を調節する役割を担ってい
る。また、そのレオロジカルな性質から潤滑剤としても
作用している。生体において合成されるヒアルロン酸が
細胞の成長に重要な役割をもつことが知られ、その細胞
生物学的機能に関する研究が進められてきた。それは細
胞の分裂過程に関与し、細胞に存在する特異的なリセプ
ターと結合し、リセプターとの反応を通じて細胞の機能
を調節している。ヒアルロン酸は胚や胎児の発育過程に
おいて重要な因子であるばかりでなく、免疫系や血管形
成および創傷治癒においても重要な役割を担っている。
さらに、ヒアルロン酸は肝臓において代謝分解されるだ
けではなく、リンパ節も主要な分解部位であり、そのヘ
キソサミンは肝実質細胞によって完全に吸収され再利用
されることが報告されている。これらの知見にもとずい
て、ヒアルロン酸の血中濃度を特異的に測定する方法が
開発され、慢性関節リュウマチや肝臓疾患を診断する技
術に応用されている。ヒアルロン酸は医療用途において
治療剤として使用されているばかりでなく、その有用な
特性を利用して生体への種々の適用が研究され、他の工
業分野においても粘性基剤として応用が期待されている
有用な物質である。
【0003】ヒアルロン酸の原料となる鶏冠は採取後直
ちに凍結され、凍結鶏冠のまゝ保管、運搬され、ヒアル
ロン酸の製造に用いられている。凍結鶏冠は解凍後に放
置すると内在性のヒアルロニダーゼや汚染細菌のヒアル
ロニダーゼと考えられる分解因子によって含有ヒアルロ
ン酸が分解されて、分子量が低下するばかりでなく収量
を減少させる原因となる。高分子量のヒアルロン酸を効
率よく抽出するには、凍結鶏冠の解凍後に迅速に前処理
し、プロテアーゼ処理することが効果的である。鶏冠か
らヒアルロン酸を効率よく抽出するには、プロテアーゼ
消化が必要な処理であることから、鶏冠がプロテアーゼ
の作用を受け易くするために、種々の前処理法が考案さ
れている。鶏冠の加熱処理と加熱処理後のミンチ、およ
びミンチ後のペースト化、あるいは細切、ミンチ後の加
熱処理などの前処理法が報告されている。プロテアーゼ
消化を容易にするために、鶏冠を前処理加熱する方法と
して、その形状のまゝ70〜130℃に加熱処理する方
法(特公昭60−9042号)、35〜65℃で加熱処
理する方法(特公昭61−8083号)、第四級アンモ
ニウム塩溶液中で50〜120℃で加熱する方法(特公
昭61−21241号)、70〜100℃で加熱する方
法(特開昭58−37001)、加熱処理後ペースト化
する方法(特開昭60−24194)があり、加熱処理
前に鶏冠原料を細切する方法として、凍結鶏冠を細断
し、高温で短時間加熱する方法(特開平1−11590
2号)などがある。生の鶏冠からヒアルロン酸を抽出す
る方法としては、鶏冠を生のまゝ細断しプロテアーゼ処
理してヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、コラーゲン
を選択的に抽出する方法(特公昭61−60081号)
がある。これらの方法はいずれも生の鶏冠を加熱、加熱
後細断、または細断、細断後加熱するなどの処理をして
プロテアーゼの作用を受け易い形状にして、プロテアー
ゼ処理により蛋白を分解している。そして、そのプロテ
アーゼ消化液からヒアルロン酸画分を抽出し、分画後に
精製している。工業的製法としては製造工程が短く、よ
り簡便な方法で高純度のヒアルロン酸を収率よく製造で
きることが望まれている。
【0004】
【発明の概要】本発明者は、ヒアルロン酸の工業的製法
において工程の短い、より簡便なる方法を研究し、これ
により蛋白含量の低い高純度のヒアルロン酸を製造する
方法を見出した。
【0005】すなわち、本発明は新鮮な生の鶏冠を原形
のまゝプロテアーゼを用いて消化する方法である。ここ
で原形のまゝとは生の鶏冠を加熱することによって変性
させたり、細切、ミンチ、ペースト化などの処理を施し
て変形することなく、鶏頭から採取したまゝの形状を維
持し、かつ生の状態を保持していることを意味する。し
かし、生の鶏冠の品質を維持するために、凍結状態で保
管する処置は除外するものではない。これにより従来法
において用いられている鶏冠の加熱、あるいは細断する
などの前処理操作を省くことができる。この方法によ
り、鶏冠から極めて簡便に高分子量でかつ純度の高いヒ
アルロン酸を製造することができる。
【0006】本法では新鮮凍結鶏冠を解凍後に直ちに原
形のまゝプロテアーゼで消化する。酵素消化処理に用い
るプロテアーゼはプロテアーゼS(アマノ)、サモアー
ゼ(大和化成)など比較的高温で作用する蛋白分解酵素
を用いる。これらのプロテアーゼはそれぞれ一種を単独
で用いて、蛋白質含量の極めて低い高純度のヒアルロン
酸を得ることが可能である。
【0007】本発明では、プロテアーゼを用いて鶏冠を
原形のまゝ60〜80℃で消化する。鶏冠を原形のまゝ
プロテアーゼで充分に消化するには、60℃以上の温度
で酵素処理することが必要である。60℃以下の温度で
は蛋白が充分に消化されず、ヒアルロン酸の収量の低下
と、内在性のヒアルロニダーゼや混入細菌によりヒアル
ロン酸の粘度低下を召来する原因ともなる。従って、消
化温度は高い方が好ましく、60℃から80℃、とくに
60℃〜70℃の消化温度が適している。この温度範囲
のプロテアーゼ処理ではヒアルロン酸の粘度に大きな低
下はみられないが、70℃を超える消化温度でプロテア
ーゼ処理するとヒアルロン酸の粘度が低下する傾向がみ
られる。
【0008】鶏冠を原形のまゝプロテアーゼ消化して、
蛋白含量の極めて低いヒアルロン酸を製造するには、プ
ロテアーゼ処理を充分に行って蛋白を分解することが必
要である。そのためには、プロテアーゼを少なくとも1
0時間から15時間程度まで鶏冠に作用させて消化す
る。
【0009】鶏冠に含まれるコンドロイチン硫酸、デル
マタン硫酸などの硫酸化ムコ多糖画分とヒアルロン酸画
分の分離は、酵素消化後に常法により塩化セチルピリジ
ニウムと塩化ナトリウムを用いて行う。得られたヒアル
ロン酸画分をエタノールで沈澱させ、沈殿物を分離し、
乾燥して高分子量ヒアルロン酸ナトリウムを得る。
【0010】
【発明の効果】本発明によると、鶏冠を加熱や細断など
の前処理を施すことなく、生の鶏冠を原形のまゝ直ちに
プロテアーゼ消化するので、従来用いられている製法よ
りも工程が短縮される。さらに、比較的高温でプロテア
ーゼ消化するので、原料中に内在するヒアルロニダーゼ
や混入細菌のヒアルロニダーゼなどのヒアルロン酸分解
因子によるヒアルロン酸の粘度低下も抑制され、さらに
消化時間が比較的長いために蛋白が十分に分解される。
これによりヒアルロン酸の抽出・精製がより簡単にな
り、しかも蛋白含量の極めて低い、高純度の高分子量ヒ
アルロン酸を好収量で製造できる。
【0011】
【実施例】次ぎに実施例を示す。
【0012】実施例1 新鮮な凍結鶏冠1Kgを流水中で解凍し、サモアーゼ
0.5%溶液2lに加えて63℃で攪拌下に15時間消
化した。酵素消化液に塩化ナトリウム20%溶液と塩化
セチルピリジニウム4%溶液の等量混合溶解液330m
lを添加して攪拌し、活性炭と濾過助剤を加えて濾過し
た。濾過液にエタノールを添加して沈澱させた。沈殿物
を分取して、0.5M塩化ナトリウム溶液に溶解し、活
性炭処理した後、濾過し、濾過液にエタノールを加えて
沈澱させた。沈澱物を分離し、乾燥してヒアルロン酸ナ
トリウムを得た。
【0013】実施例2 凍結鶏冠2Kgを流水中で解凍し、プロテアーゼS0.
5%溶液4lを加えて73℃で15時間攪拌下に消化し
た。消化液を水で2倍量に希釈し、塩化ナトリウム20
%溶液と塩化セチルピリジニウム4%溶液の等量混合溶
解液1.3lを加えて攪拌し、活性炭と濾過助剤を添加
して濾過した。濾過液は実施例1と同様に処理してヒア
ルロン酸ナトリウムを得た。
【0014】実施例3 新鮮凍結鶏冠10Kg流水中で解凍し、水20lを加
え、サモアーゼ60gを添加して68℃で15時間攪拌
下に消化した。消化液に塩化ナトリウム20%溶液と塩
化セチルピリジニウム4%溶液の等量混合溶解液6lを
添加し、濾過助剤と活性炭を加えて濾過した。濾過液は
実施例1と同様に処理し、ヒアルロン酸ナトリウムを得
た。
【0015】実施例1〜3で得られたヒアルロン酸ナト
リウムの収量および分析値を表1に示した。
【0016】
【表1】
【0017】 ・ :カルバゾール硫酸法, ‥ :フォリン法 … :ウベローデ型粘度計により測定
【0018】前処理した鶏冠と前処理しない鶏冠をプロ
テアーゼ消化して、抽出・精製し、得られたヒアルロン
酸を比較した。鶏冠が原形のまゝのもの、生のまゝ細切
したもの、加熱したまゝの形状のもの、加熱処理後細切
したものをプロテアーゼ消化した。
【0019】比較例1. 解凍鶏冠1Kgを原形のまゝ、サモアーゼ0.5%溶液
2lに加えて68℃で攪拌下に15時間消化した。消化
液は実施例1と同様に処理して、ヒアルロン酸ナトリウ
ムを得た。
【0020】比較例2. 解凍鶏冠1Kgを生のまゝ約0.5×1cmの形状に細
切し、水2lを加え、サモアーゼ10gを添加して68
℃で15時間消化した以外は比較例1と同様に処理し
て、ヒアルロン酸ナトリウムを得た。
【0021】比較例3. 解凍鶏冠1Kgを80℃で1時間加熱処理し、そのまゝ
の形状のものを比較例1と同様に処理した。
【0022】比較例4 解凍鶏冠1Kgを80℃で1時間加熱処理し、約0.5
×1cmの形状に細切し、比較例2と同様に処理した。
【0023】表3に比較例1〜4で得られたヒアルロン
酸ナトリウムの収量と極限粘度を示した。細切処理、加
熱処理および加熱後細切処理後にプロテアーゼ処理して
得られたヒアルロン酸ナトリウムと、原形のまゝプロテ
アーゼ処理して得られたヒアルロン酸ナトリウムを比較
して、収量および極限粘度に大きな差は見られなかっ
た。
【0024】
【表3】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生の鶏冠を原形のまゝの形状でプロテアー
    ゼ消化し、つづいて常法により分離・精製することを特
    徴とするヒアルロン酸の製造法
JP35057491A 1991-11-06 1991-11-06 ヒアルロン酸の製造法 Pending JPH05125103A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007023682A1 (ja) 2005-08-25 2007-03-01 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha ヒアルロン酸生産植物
CN111632015A (zh) * 2020-06-24 2020-09-08 山东贯天下生物科技有限公司 一种鸡冠提取物及其提取方法和应用

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WO2007023682A1 (ja) 2005-08-25 2007-03-01 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha ヒアルロン酸生産植物
US8003851B2 (en) 2005-08-25 2011-08-23 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Plant producing hyaluronic acid
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