JPH05125014A - アルキル又はアルケニルコハク酸誘導体及びその製造方法、並びに該化合物からなる界面活性剤 - Google Patents

アルキル又はアルケニルコハク酸誘導体及びその製造方法、並びに該化合物からなる界面活性剤

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JPH05125014A
JPH05125014A JP3286081A JP28608191A JPH05125014A JP H05125014 A JPH05125014 A JP H05125014A JP 3286081 A JP3286081 A JP 3286081A JP 28608191 A JP28608191 A JP 28608191A JP H05125014 A JPH05125014 A JP H05125014A
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明 藤生
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(I)で表されるアルキル又はアルケ
ニルコハク酸誘導体。 〔式中、R1は直鎖又は分岐鎖のC8〜18のアルキル基又
はアルケニル基、X及び Yのうち、一方は、 、他方は−COOMを示す。 (R2は(OH置換)C1〜4アルキル基) mは4、EはOH、nは0を示し、Z が−O−の場合、m は
1、E はOH、SO3M、 n は0〜10。a は1〜3、M はH 、アルカリ金属、アン
モニウム、C2〜12のアルカノルアンモニウム、又はC
1〜12のアルキルアンモニウムを示す。〕 【効果】 優れた界面活性能を有し、皮膚に対してはマ
イルドで耐硬水性に優れ、生分解性が良好であり、繊維
の汚れに対しては液体タイプでも優れた洗浄力を持つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なアルキル又はアル
ケニルコハク酸誘導体及びその製造方法に関するもので
ある。更に詳しくは低刺激性の界面活性剤として有用な
アミド又はエステル基を有する多親水基型活性剤及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】界面活
性剤は疎水部と親水部からなり、水と油、水と汚れ、水
と金属等の分散を効率的に行い、これらの乳化、湿潤、
分散状態を利用して種々の工業的、家庭的機能を得よう
とするものである。特に汚れの分散による洗浄の場合、
硬水中のカルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウム
などの多価金属イオンの影響を受け、起泡性、洗浄力の
低下が問題になる。特にシャンプー、身体洗浄剤に使用
する場合には、起泡性、耐硬水性に優れ、皮膚に対して
マイルドで、且つ生分解性が良く、無公害であるものが
望まれているが、充分に満足しうるものは提供されてい
ない。また、液体衣料洗剤でも多価金属イオンの影響を
受けずに、洗浄力を得ようとするには種々の組成物が必
要となるが、必ずしも満足な製品が開発されていない。
【0003】
【課題を解決するための手段】かかる状況において本発
明者は鋭意検討を行った結果、下記一般式(I)で表さ
れる化合物が優れた界面活性能を有すると共に、皮膚に
対してはマイルドで耐硬水性に優れ、生分解性が良好で
あり、繊維の汚れに対しては液体タイプでも優れた洗浄
力を持ち、更に、しかも、安価で、且つ容易に入手可能
な原料から合成できることを見出し、本発明を完成し
た。すなわち本発明は、一般式(I)で表される新規な
アルキル又はアルケニルコハク酸誘導体及びその製造方
法、並びにこのアルキル又はアルケニルコハク酸誘導体
からなる界面活性剤を提供するものである。
【0004】
【化6】
【0005】〔式中、R1:直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜
18のアルキル基又はアルケニル基を示す。
【0006】X及びY:X 及び Yのうち、一方は、
【0007】
【化7】
【0008】を示し、他方は−COOMを示す。ここで、n
は0〜10の数を示し、
【0009】
【化8】
【0010】mは4、EはOH、nは0を示し、Z が−O−の
場合、m は1、E はOH、SO3M、
【0011】
【化9】
【0012】n は0〜10の数を示す。但し、a は1〜3
の数を示し、M はH 、アルカリ金属、アンモニウム、総
炭素数2〜12のアルカノールアンモニウム、又は総炭素
数1〜12のアルキルアンモニウムを示す。〕以下本発明
について詳細に説明する。前記一般式(I)で表される
本発明化合物において、R1で示される直鎖若しくは分岐
鎖の炭素数8〜18のアルキル基若しくはアルケニル基と
しては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステア
リル基などのアルキル基、オクテニル基、ノネニル基、
デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、アラキジ
ル基、オレイル基、リノール基などのアルケニル基が挙
げられる。
【0013】又、M は水素原子、アルカリ金属、アンモ
ニウム、総炭素数2〜12のアルカノールアンモニウム、
又は総炭素数1〜12のアルキルアンモニウムを示すが、
ここで、総炭素数2〜12のアルカノールアンモニウムの
例としては、モノエタノールアンモニウム、ジエタノー
ルアンモニウム、トリエタノールアンモニウム等が挙げ
られ、総炭素数1〜12のアルキルアンモニウムの例とし
ては、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ト
リメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、ト
リエチルアンモニウム等が挙げられる。前記一般式
(I)で表される本発明化合物の具体例としては、例え
ば次の式で表される化合物が挙げられる。尚、一連の式
中、R1、M は前記の意味を示す。
【0014】
【化10】
【0015】本発明化合物(I)は、次式に従って製造
される。
【0016】
【化11】
【0017】(式中、R1、X 、Y 、Z 、E 、m 及びn は
前記の意味を示す。)出発物質である一般式(II)で表
される化合物は、例えば公知の方法によりα−オレフィ
ンと無水マレイン酸を不活性ガス雰囲気中、エン反応に
よりアルケニルコハク酸無水物とすることができる。
又、α−オレフィンとコハク酸ジエステルをラジカル反
応によりアルキルコハク酸エステルとした後に、無水物
化することによりアルキルコハク酸無水物とすることが
できる。尚、アルケニルコハク酸無水物を水添すること
によってもアルキルコハク酸無水物が得られる。一般式
(III)で表される化合物としては、例えば以下の(1) 〜
(6) の化合物が挙げられる。
【0018】
【化12】
【0019】グリセリンを塩基触媒下、高温にて縮合す
ることにより平均縮合度(p)2〜10程度のポリグリセ
リンを得ることができる。又、グリシドールの重合によ
っても同様のポリグリセリンを得ることができる。
【0020】
【化13】
【0021】グリセロール−α−モノクロロヒドリンと
Na2SO3を反応させることによりグリセロール−α−スル
ホネートを得ることができる。又、エピクロロヒドリン
とNaHSO3を反応後、NaOHにて閉環後加水分解することに
よっても同様にグリセロール−α−スルホネートを得る
ことができる。
【0022】
【化14】
【0023】グリシドールとNaH2PO4 を反応させること
によりグリセロール−α−ホスホネートを得ることがで
きる。
【0024】
【化15】
【0025】グリセリンをH2NSO3H 等の硫酸化試薬と反
応させることによりグリセロール−α−硫酸塩を得るこ
とができる。尚、グリセリンの代わりに2,2 −ジメチル
−1,3 −ジオキソラン−4−メタノールを使用すること
により、より高純度のグリセロール−α−硫酸塩を得る
ことができる。
【0026】
【化16】
【0027】グリセリンをNaOHを触媒とし、ClCH2COONa
と反応させることによりグリセロール−α−メトキシカ
ルボキシレートを得ることができる。尚、2,2 −ジメチ
ル−1,3 −ジオキソラン−4−メタノールの使用によ
り、より高純度のグリセロール−α−メトキシカルボキ
シレートを得ることができる。
【0028】
【化17】
【0029】グルコースとメチルアミンをPd/C を触媒
とし反応後、水添することによりメチルグルカミンを得
ることができる。
【0030】化合物(II)と化合物(III)の反応は、ル
イス塩基触媒存在下、一括仕込みによる反応、又は化合
物(III)を溶媒中に分散又は溶解させて、昇温後、化合
物(II)を滴下する方法、又は逆に化合物(II)を溶媒
中に溶解し、昇温後、化合物(III)を加え反応させる方
法により行われる。本願発明において、化合物(II)と
化合物(III)のモル比は通常、化合物(II)/化合物
(III)=1/0.8 〜1/1.3 の範囲である。この反応に
おいて用いられる触媒としてはルイス塩基が好ましく、
ルイス塩基としてはトリエチルアミン、トリメチルアミ
ン、ピリジン、ピロリン、ルチジン、ジメチルホルムア
ミドなどの含窒素化合物、ジオキサンなどのエーテル化
合物、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステル化
合物などが挙げられる。反応触媒を使用する場合、使用
量は化合物(II)に対して 0.1モル%以上である。
【0031】反応温度は50〜150 ℃、反応時間は1〜46
時間程度で反応を完結させることができる。又、この反
応において用いられる溶媒としてはグリコールエーテル
や環状エーテル等のエーテル類等の不活性溶媒が挙げら
れる。尚、触媒として用いるルイス塩基を溶媒として用
いることもできる。反応終了後、反応生成物より溶媒や
触媒を減圧乾燥等の公知の手法により除き本発明の化合
物(I)が得られる。この化合物(I)をそのまま使用
することもできるが、有機溶媒等を用い公知の方法によ
り精製を行い化合物(I)の純度を上げて使用できる。
本発明化合物(I)は水に容易に溶解し、塩基性化合物
により中和塩とすることができる。この場合、用いられ
る塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ金属水酸化物やアンモニア、及びトリエチル
アミン等の低級アルキルアミン類、モノエタノールアミ
ン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0033】実施例11−オクテニルコハク酸・テトラグリセリンエステル(I
-1)の合成
【0034】
【化18】
【0035】撹拌機、冷却管、温度計を備えた500ml 容
3つ口フラスコに1−オクテニルコハク酸無水物80g
(0.38モル)、グリセリンの縮合により合成したテトラ
グリセリン 143.4g(0.46モル)を加え、 100℃にて6
時間撹拌した。生成物をヘキサンで洗浄した後、酢酸エ
チル 500mlに溶解させ、食塩水 200mlで3回洗浄した。
酢酸エチル層をNa2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレー
ターにて酢酸エチルを留去して得られた残渣をメタノー
ル 500mlに溶解し、48%NaOH水溶液を、カルボキシル基
に対して当モル量添加して中和した。尚、中和の際エス
テルの分解を防ぐために、pHは9以下、温度は20℃以下
とした。得られた溶液を濃縮、乾燥し、乾燥物1166gを
得た。この乾燥物を高速液体クロマトグラフィーにて分
析した結果、上記式(I-1)で表される化合物、及び下記
式(IV-1)で表される化合物が、重量比で95/5にて生
成していることを確認した。
【0036】
【化19】
【0037】(式中、R1-1は前記の意味を示す。) <分析結果>式(I-1)で表される化合物 ・油脂分析 表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】以下、AV、SV、OHVの単位はmg-KOH
/gである。 ・IR分析 3700〜3000cm-1:OH伸縮振動 1728 cm-1: C=O 伸縮振動(エステル) 1575 cm-1: C=O 伸縮振動(COONa)式(IV-1)で表される化合物 ・油脂分析 表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】・IR分析 3700〜3000cm-1:OH伸縮振動 1725 cm-1: C=O 伸縮振動(エステル) 実施例21−ドデセニルコハク酸・ヒドロキシプロピルスルホネ
ートエステル(I-2)の合成
【0042】
【化20】
【0043】撹拌機、冷却管、温度計を備えた1リット
ル容3つ口フラスコに1−ドデセニルコハク酸無水物39
9.6g(1.5 モル)、グリセロール−α−スルホネート2
67.2g(1.5 モル)、及びピリジン15gを加え、 130℃
にて16時間撹拌した。生成物をヘキサンで洗浄した後、
エタノールに溶解させ、不溶物を濾取した。エタノール
をロータリーエバポレーターにて留去して得られた残渣
をメタノール 500mlに溶解し、48%NaOH水溶液をカルボ
キシル基に対して等モル量添加して中和を行った。尚、
中和の際エステルの分解を防ぐために、pHは9以下、温
度は20℃以下とした。得られた溶液を濃縮、乾燥した
後、乾燥物 407gを得た。この乾燥物を高速液体クロマ
トグラフィーにて分析した結果、上記式(I-2)で表され
る化合物、及び下記式(IV-2)で表される化合物が、重量
比で89/11にて生成していることを確認した。
【0044】
【化21】
【0045】(式中、R1-2は前記の意味を示す。) <分析結果>式(I-2)で表される化合物 ・油脂分析 表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】・IR分析 3700〜3000cm-1:OH伸縮振動 1726 cm-1: C=O 伸縮振動(エステル) 1576 cm-1: C=O 伸縮振動(COONa) 1195 cm-1: S=O 伸縮振動式(IV-2)で表される化合物 ・油脂分析 表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】実施例31−ステアリルコハク酸・ヒドロキシプロピルホスフェ
ートエステル(I-3)の合成
【0050】
【化22】
【0051】撹拌機、冷却管、温度計を備えた500ml 容
3つ口フラスコにステアリルコハク酸無水物 105.8g
(0.3 モル)、グリセロール−α−ホスフェート69.9g
(0.4モル)、ピリジン5g及びDMF 100 gを仕込み、8
0℃にて36時間撹拌した。DMF、ピリジンをロータリーエ
バポレーターにて留去して、残渣をヘキサンで洗浄した
後、アセトンに溶解させて不溶物を濾取した。エタノー
ルをロータリーエバポレーターにて、留去して得られた
残渣をメタノール 200mlに溶解し、48%NaOH水溶液を生
成物に対して2モル等量添加して中和を行った。尚、こ
の際、エステルの分解を防ぐために、pHを8以下、温度
は20℃以下とした。得られた溶液を濃縮、乾燥した後、
乾燥物88.6gを得た。この乾燥物を高速液体クロマトグ
ラフィーにて分析した結果、上記式(I-3)で表される化
合物、及び下記式(IV-3)で表される化合物が、重量比97
/3で生成していることを確認した。
【0052】
【化23】
【0053】(式中、R1-3は前記の意味を示す。) <分析結果>式(I-3)で表される化合物 ・油脂分析 表5に示す。
【0054】
【表5】
【0055】・IR分析 3650〜3000cm-1:OH伸縮振動 1724 cm-1: C=O 伸縮振動(エステル) 1577 cm-1: C=O 伸縮振動(COONa) 1256 cm-1: P=O 伸縮振動式(IV-3)で表される化合物 ・油脂分析 表6に示す。
【0056】
【表6】
【0057】・IR分析 3650〜3000cm-1:OH伸縮振動 1726 cm-1: C=O 伸縮振動(エステル) 1255 cm-1: P=O 伸縮振動 実施例41−デセニルコハク酸・ヒドロキシプロピルサルフェー
トエステル(I-4)の合成
【0058】
【化24】
【0059】グリセロール−α−サルフェート58.2g
(0.3 モル)と、デセニルコハク酸無水物71.5g(0.3
モル)、ピリジン5g、溶媒としてエチレングリコール
ジメチルエーテル 200gを、撹拌機、冷却管、温度計を
備えた500ml 容3つ口フラスコに仕込み、20時間還流し
た。溶媒をロータリーエバポレーターにて留去して、得
られた生成物をヘキサンで洗浄した後、エタノールで溶
解させ不溶物を濾取した。エタノールをロータリーエバ
ポレーターにて留去して得られた残渣をメタノール 200
mlに溶解し、48%NaOH水溶液をカルボキシル基に対して
等モル量添加して中和を行った。尚、中和の際エステル
の分解を防ぐために、pHは9以下、温度は20℃以下とし
た。得られた溶液を濃縮、乾燥した後、乾燥物97.4gを
得た。この乾燥物を高速液体クロマトグラフィーにて分
析した結果、上記式(I-4)で表される化合物、及び下記
式(IV-4)で表される化合物が、重量比93/7で生成して
いることを確認した。
【0060】
【化25】
【0061】(式中、R1-4は前記の意味を示す。) <分析結果>式(I-4)で表される化合物 ・油脂分析 表7に示す。
【0062】
【表7】
【0063】・IR分析 3700〜3000cm-1:OH伸縮振動 1725 cm-1: C=O 伸縮振動(エステル) 1580 cm-1: C=O 伸縮振動(COONa) 1185 cm-1: S=O 伸縮振動式(IV-4)で表される化合物 ・油脂分析 表8に示す。
【0064】
【表8】
【0065】・IR分析 3650〜3000cm-1:OH伸縮振動 1723 cm-1: C=O 伸縮振動(エステル) 1187 cm-1: S=O 伸縮振動 実施例5ドデシルコハク酸・α−カルボキシメチルグリセロール
エステルの合成
【0066】
【化26】
【0067】グリセロール−α−カルボキシメチルエー
テル51.6g(0.3モル)と、DMF 200mlを、撹拌機、冷却
管、温度計を備えた500ml 容3つ口フラスコに仕込み、
撹拌しながら加熱した。還流が始まったところで、ドデ
シルコハク酸無水物80.5g(0.3 モル)を1時間かけて
滴下した。18時間還流を続けた後、ロータリーエバポレ
ーターにて溶媒を留去した。得られた生成物をヘキサン
で洗浄した後、エタノールで溶解させ不溶物を濾取し
た。エタノールをロータリーエバポレーターにて留去し
て得られた残渣をメタノール 200mlに溶解し、48%NaOH
水溶液をカルボキシル基に対して等モル量添加して中和
を行った。尚、中和の際エステルの分解を防ぐために、
pHは9以下、温度は20℃以下とした。得られた溶液を濃
縮、乾燥した後、乾燥物 108.4gを得た。この乾燥物を
高速液体クロマトグラフィーにて分析した結果、上記式
(I-5)で表される化合物、及び下記式(IV-5)で表される
化合物が、重量比93/7で生成していることを確認し
た。
【0068】
【化27】
【0069】(式中、R1-5は前記の意味を示す。) <分析結果>式(I-5)で表される化合物 ・油脂分析 表9に示す。
【0070】
【表9】
【0071】・IR分析 3600〜3000cm-1:OH伸縮振動 1728 cm-1: C=O 伸縮振動(エステル) 1565 cm-1: C=O 伸縮振動(COONa)式(IV-5)で表される化合物 ・油脂分析 表10に示す。
【0072】
【表10】
【0073】・IR分析 3650〜3000cm-1:OH伸縮振動 1728 cm-1: C=O 伸縮振動(エステル) 1567 cm-1: C=O 伸縮振動(COONa) 実施例61−オクテニルコハク酸・メチルグルカミンアミドの合
【0074】
【化28】
【0075】撹拌機、冷却管、温度計を備えた500ml 容
3つ口フラスコに、 N−メチルグルカミン33.0g(0.17
モル)、ピリジン 100gを加えて撹拌しながら50℃に昇
温した。50℃に保ちながら1−オクテニルコハク酸無水
物30.0g(0.14モル)を加え、60℃℃で5時間撹拌し
た。ピリジンをロータリーエバポレーターにて留去して
得られた生成物を酢酸エチルで洗浄した後、アセトンに
溶解させ不溶の未反応 N−メチルグルカミンを濾取し
た。アセトンをロータリーエバポレーターにて留去して
得られた残渣をシリカゲルカラムにて精製した後、生成
物20.0gを得た。この生成物を高速液体クロマトグラフ
ィーにて分析した結果、上記式(I-6)で表される化合物
が生成していることを確認した。
【0076】<分析結果>式(I-6)で表される化合物 ・油脂分析 表11に示す。
【0077】
【表11】
【0078】・IR分析 3700〜3000cm-1:OH伸縮振動 1719 cm-1: C=O 伸縮振動(COOH) 1623 cm-1: C=O 伸縮、NH変角振動(CON<) 試験例1(起泡力の測定) 実施例1〜6で得られた化合物0.05gをイオン交換水25
mlに溶解し、目盛り付きの250 mlシリンダーに入れ、20
回振とうした直後の起泡量を測定した。結果を表12に示
す。
【0079】
【表12】
【0080】試験例2(表面張力の測定) 実施例1〜6で得られた化合物の1重量%及び 0.1重量
%水溶液の室温における表面張力を、Willhelmy 型表面
張力計を用いて測定した。結果を表13に示す。
【0081】
【表13】
【0082】
【発明の効果】上記一般式(I)で表される本発明の化
合物は新規化合物であり、優れた界面活性能を有すると
共に、皮膚に対してはマイルドで耐硬水性に優れ、生分
解性が良好であり、繊維の汚れに対しては液体タイプで
も優れた洗浄力を持ち、更に、安価で、且つ容易に入手
可能な原料から合成することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【化10】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】撹拌機、冷却管、温度計を備えた500ml 容
3つ口フラスコに1−オクテニルコハク酸無水物80g
(0.38モル)、グリセリンの縮合により合成したテトラ
グリセリン 143.4g(0.46モル)を加え、 100℃にて6
時間撹拌した。生成物をヘキサンで洗浄した後、酢酸エ
チル 500mlに溶解させ、食塩水 200mlで3回洗浄した。
酢酸エチル層をNa2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレー
ターにて酢酸エチルを留去して得られた残渣をメタノー
ル 500mlに溶解し、48%NaOH水溶液を、カルボキシル基
に対して当モル量添加して中和した。尚、中和の際エス
テルの分解を防ぐために、pHは9以下、温度は20℃以下
とした。得られた溶液を濃縮、乾燥し、乾燥物(I-1)16
6 gを得た。この乾燥物を高速液体クロマトグラフィー
にて分析した結果、上記式(I-1)で表される化合物、及
び下記式(IV-1)で表される化合物が、重量比で95/5
にて生成していることを確認した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】・IR分析 3700〜3000cm-1:OH伸縮振動 1726 cm-1: C=O 伸縮振動(エステル) 1195 cm-1: S=O 伸縮振動 実施例31−ステアリルコハク酸・ヒドロキシプロピルホスフェ
ートエステル(I-3)の合成
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】撹拌機、冷却管、温度計を備えた500ml 容
3つ口フラスコに、 N−メチルグルカミン33.0g(0.17
モル)、ピリジン 100gを加えて撹拌しながら50℃に昇
温した。50℃に保ちながら1−オクテニルコハク酸無水
物30.0g(0.14モル)を加え、60で5時間撹拌した。
ピリジンをロータリーエバポレーターにて留去して得ら
れた生成物を酢酸エチルで洗浄した後、アセトンに溶解
させ不溶の未反応 N−メチルグルカミンを濾取した。ア
セトンをロータリーエバポレーターにて留去して得られ
た残渣をシリカゲルカラムにて精製した後、生成物20.0
gを得た。この生成物を高速液体クロマトグラフィーに
て分析した結果、上記式(I-6)で表される化合物が生成
していることを確認した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正内容】
【0080】試験例2(表面張力の測定) 実施例1〜6で得られた化合物の1重量%及び 0.1重量
%水溶液の室温における表面張力を、Wilhelmy型表面張
力計を用いて測定した。結果を表13に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C11D 1/10 1/28 1/34

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表されるアルキル又はア
    ルケニルコハク酸誘導体。 【化1】 〔式中、R1:直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜18のアルキル
    基又はアルケニル基を示す。X及びY:X 及び Yのうち、
    一方は、 【化2】 を示し、他方は−COOMを示す。ここで、n は0〜10の数
    を示し、 【化3】 mは4、EはOH、nは0を示し、Z が−O−の場合、m は
    1、E はOH、SO3M、 【化4】 n は0〜10の数を示す。但し、a は1〜3の数を示し、
    MはH 、アルカリ金属、アンモニウム、総炭素数2〜12
    のアルカノールアンモニウム、又は総炭素数1〜12のア
    ルキルアンモニウムを示す。〕
  2. 【請求項2】 下記一般式(II)で表されるアルキル又
    はアルケニルコハク酸無水物と、下記一般式(III)で表
    される化合物とを、ルイス塩基存在下に反応させること
    を特徴とする、請求項1記載の一般式(I)で表される
    アルキル又はアルケニルコハク酸誘導体の製造方法。 【化5】
  3. 【請求項3】 請求項1記載のアルキル又はアルケニル
    コハク酸誘導体からなる界面活性剤。
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