JPH05124316A - インクリボン及びそれを用いたプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、布製インクリボンを用いて印字を行
なうプリンタに関するもので、その目的とするところ
は、溶着部を印字しないようにすることにより良好な印
字品質が得られ、さらにはヘッドの寿命を向上させるプ
リンタを提供するところにある。 【構成】電気的信号に同期して文字を形成する印字手段
８と、布製インクリボン３の溶着部１０の横に穴部１１
を有し前記布製インクリボン３を収納したリボンカセッ
ト２と、前記穴部１１を検出する役目をする溶着部検出
器１２とから構成されることを特徴とするプリンタ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は布製インクリボンを用い
て印字を行なうプリンタに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の技術は、キャリッジの動く
走行距離とリボン送り量は比例するものであった。ま
た、布製インクリボンにはリボンをつなぎ合わせた溶着
部を有しており、その溶着部は厚く、硬かった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の従来技
術では、溶着部を印字した時に印字かすれを引き起こし
印字品質の低下をまねいていた。またユーザーにとって
誤読や、不安を感じさせていた。

【０００４】さらには、厚く、硬い溶着部を印字するこ
とにより印字ヘッドのワイヤーピンの折れが発生する問
題も有していた。

【０００５】そこで本発明はこのような欠点を解決する
ためになされたものであり、その目的とするところは、
溶着部を印字しないようにすることにより良好な印字品
質が得られ、さらにはヘッドの寿命を向上させるプリン
タを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題を解
決するために、溶着部を有した布製エンドレスインクリ
ボンに於て前記溶着部付近に溶着部検出用の被検出手段
を設けたことを特徴とするインクリボンである。

【０００７】又、本発明は電気的信号に同期して文字を
形成する印字手段と、請求項１記載のインクリボンを収
納したリボンカセットと、前記被検出手段を検出する溶
着部検出手段と、前記溶着部が検出されたときに所定の
長さ以上のリボン送りを行なうリボン送り制御手段とを
具備したことを特徴とするプリンタである。

【０００８】

【作用】本発明の上記の構成によれば、溶着部を検出し
所定の長さ以上布製インクリボンを送るため、溶着部は
印字されることなく送られる。

【０００９】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は本発明のプリンタの一実施例を示す全体図
であり、図２は本発明の一実施例におけるプリンタのキ
ャリッジ１に搭載されたリボンカセット２の構造を示す
平面図である。１はプラテン９に対し平行に摺動可能な
キャリッジ、８はキャリッジ１に搭載されている印字ヘ
ッド、４はリボンカセット２に回転自在に設けられたリ
ボン駆動ローラ、５はリボン押えローラ６を保持しリボ
ン押えローラばね７によって矢印ア方向に押え付ける役
目をするセパレータである。布製インクリボン３は一部
が外部に露出しているだけで大部分はリボンカセット２
内に収納されており、図３に示すように布製インクリボ
ン３特有の溶着部１０を有し布製インクリボン３の進行
側矢印Ｆ方向には溶着部１０を検出するための被検出手
段の一種の穴部１１を有している。１２はキャリッジ１
に取り付けられて穴部１１を光センサーにより検出する
溶着部検出手段の一種の溶着部検出器、布製インクリボ
ン３はエンドレス状であるため、リボンブレーキバネ１
３によって一定の張力をかけられてリボンカセット２の
内部より外部へ出ていくこととなる。以上が本発明のプ
リンタの構造の説明である。

【００１０】つづいて図２を用いて布製インクリボン３
の走行について説明する。リボン駆動ローラ４は、キャ
リッジ１が図１に示す矢印Ｄ方向及び矢印Ｅ方向に移動
することにより動力を得て必ず矢印Ａ方向に回転する機
構となっている。したがってこの矢印Ａ方向の回転によ
り、布製インクリボン３は矢印Ｃ方向へ移動し、リボン
カセット２内に折り畳まれるように収納される。また、
布製インクリボン３はリボンブレーキバネ１３によって
一定の張力をかけられてリボンカセット２内部より外部
へ給送されていく。その際キャリッジ１に取り付けられ
ている溶着部検出器１２を通過する。そして、いったん
外部へ出た布製インクリボン３はエンドレス状であるた
め再びリボン駆動ローラ４とリボン押えローラ６間に戻
る。リボン押えローラ６はリボン押えローラバネ７によ
ってリボン駆動ローラ４に付勢されているためリボン駆
動ローラ４の回転に同期して矢印Ｂ方向に回転する。キ
ャリッジ１はキャリッジモータ１５（図示していない）
のパルス信号に同期して移動するものである。したがっ
てキャリッジ１の移動によりリボン駆動ローラ４は回転
するため布製インクリボン３もそのパルス信号に同期し
て移動される。尚、溶着部検出器１２が穴部１１を検出
して溶着部１０が印字ヘッド８を通過するまでの必要パ
ルス信号の数をＴパルスとする。

【００１１】図４は本発明の構成を示すブロック図であ
り、８は印字ヘッド８を示す概略図、１５はキャリッジ
モータ１５を示す概略図である。１６は制御回路（ＣＰ
Ｕ）であり、印字ヘッド制御回路１８ならびにモータ制
御回路１７に接続されている。１２は穴部１１の有無を
検出し検出した信号を制御回路（ＣＰＵ）１６へ送る溶
着部検出器１２の概略図、１９は印字ヘッド制御回路１
８へ転送され印字を開始させる印字ヘッド制御信号、２
０はモータ制御回路１７へ転送されキャリッジモータ１
５を正回転させる正回転信号、２１はモータ制御回路１
７へ転送されキャリッジモータ１５を逆回転させる逆回
転信号、２６はモータ制御回路１７へ転送されキャリッ
ジモータ１５を正回転に早送りさせる早送り正回転信
号、２７はモータ制御回路１７へ転送されキャリッジモ
ータ１５を逆回転に早送りさせる早送り逆回転信号、２
３は印字ヘッド８を駆動させる為の印字ヘッド駆動信
号、２２はキャリッジモータ１５を駆動させる為のモー
タ駆動信号である。

【００１２】図５は本発明のプリンタの一連の動作を示
すタイムチャートであり、これより図４、図５を中心に
本発明のプリンタの動作について説明する。正回転信号
２０をモータ制御回路１７へ転送しＯＮ状態にするとキ
ャリッジモータ１５は正回転に回転する。キャリッジモ
ータ１５が正回転することによりキャリッジ１は矢印Ｄ
方向へ移動し、キャリッジ１の動きにより動力を受けて
いるリボン駆動ローラ４が図２に示す矢印Ａ方向に回転
する。この回転により布製インクリボン３も図２に示す
矢印Ｃ方向に移動を開始する。また、印字ヘッド８は印
字可能な状態となっており、印字ヘッド制御回路１８に
印字ヘッド制御信号１９が転送されれば印字を開始する
（図５Ｚ０時点）。さらにキャリッジモータ１５を正回
転させるとキャリッジ１は矢印Ｄ方向への移動距離が限
界になるため逆回転信号２１をモータ制御回路１７へ転
送する。逆回転信号２１をＯＮ状態にするとキャリッジ
モータ１５は逆回転に回転しはじめ同時にキャリッジ１
も矢印Ｅ方向へ移動する。キャリッジ１の動力を受けて
回転するリボン駆動ローラ４は図２に示す矢印Ａ方向に
回転し布製インクリボン３は図２に示す矢印Ｃ方向に移
動する。印字ヘッド８は印字可能な状態となっており、
印字ヘッド制御回路１８に印字ヘッド制御信号１９が転
送されれば印字を開始できる（図５Ｚ１時点）。印字可
能な状態において布製インクリボン３の穴部１１を溶着
部検出器１２が検出しＯＮ状態になると早送り逆回転信
号２７がモータ制御回路１７に転送されキャリッジモー
タ１５は早送り回転する。またキャリッジモータ１５と
同期して移動しているキャリッジ１及び布製インクリボ
ン３も早送りされる。その早送り量は溶着部１０が印字
ヘッド８を通過するまでの必要パルス信号の数Ｔパルス
に対してＴ／２パルスだけ早送りする。この時印字ヘッ
ド制御信号１９をＯＦＦし印字を停止させる（図５Ｚ２
時点）。キャリッジモータ１５をＴ／２パルス早送りさ
せたのちにモータ制御回路１７へ早送り正回転信号２６
を転送させ今度は正回転にキャリッジモータ１５を早送
り回転させる。キャリッジ１はその回転を受け矢印Ｄ方
向へ早送りされ、その早送り量は溶着部１０が印字ヘッ
ド８を通過する必要パルス信号の数Ｔパルスに対しＴ／
２パルスだけ早送りされる。したがってキャリッジ１は
穴部１１を溶着部検出器１２によって検出した時と同じ
位置に戻る。モータ制御回路１７へ逆回転信号２１を転
送させてキャリッジモータ１５を逆回転に回転させる。
この時印字ヘッド８は印字可能な状態となっているため
印字ヘッド制御回路１８に印字ヘッド制御信号１９を転
送すれば再び印字が開始される。印字を開始した時には
溶着部１０は必ず印字ヘッド８に対し図２に示す矢印Ｇ
方向に通過している状態にある（図５Ｚ３時点）。

【００１３】以上が本実施例の動作の説明である。

【００１４】今回はキャリッジ１の移動により布製イン
クリボン３の送り量を制御する手段を用いたが直接布製
インクリボン３を回転させるモータを用いても可能であ
る。また、キャリッジ１が左右どちらかの端にあり穴部
１１を検出した場合においては移動できる方向にＴ／２
パルスだけ早送りさせ、その後逆方向にＴ／２パルス早
送りさせることにより印字を中止したところから再び印
字を行うことができ、この時に印字を開始した場合には
溶着部１０は必ず印字ヘッド８に対し図２に示す矢印Ｇ
方向に通過している状態にある。

【００１５】本発明の実施例では溶着部１０が印字ヘッ
ド８を通過するのに必要なパルス信号の数Ｔパルスの半
分づつ（Ｔ／２パルス）正逆回転させ印字を中止したと
ころに戻す制御を用いたが、Ｔ／２パルス以上正逆回転
させる制御を用いても同様な状態で印字が開始できる。

【００１６】また、本発明の一実施例に用いたプリンタ
はＯＮキャリッジタイプであり溶着部検出器１２はキャ
リッジ１に取り付けてあったが、リボンカセットをフレ
ームにセットできるタイプの場合のプリンタフレームに
取り付けても同様であり、さらにはリボンカセット内部
に取り付けることにより、いろいろなタイプのプリンタ
にも取り付けが可能となる。また、一実施例に用いた穴
部１１の位置は布製インクリボン３の進行側矢印Ｆ方向
に配置されていたが進行側の逆方向側に配置しても溶着
部１０及び穴部１１を印字ヘッドを通過させる所定の必
要なパルス信号の数早送りさせることによっても溶着部
を印字させることがない。

【００１７】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、溶着
部横の穴部を溶着部検出器により検出し布製インクリボ
ンを設定した長さだけ送るという簡単な制御によって、
溶着部を印字することがなくなる。

【００１８】したがって常に良好な印字品質を提供する
ことができ、ユーザーに印字品質に対する不安を与える
ことはなくなる。

【００１９】また厚く、硬い溶着部を印字することがな
くなるため印字ヘッドのワイヤーピンの折れがなくなり
印字ヘッドの寿命が向上する。

【００２０】以上本発明によれば上記のような多大な効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すプリンタにリボンカセ
ットを搭載した全体図。

【図２】本発明の一実施例を示すプリンタ用リボンカセ
ットがキャリッジに装着した様子を示す平面図。

【図３】本発明の一実施例を示すプリンタ用リボンの詳
細図。

【図４】本発明のプリンタの構成を示すブロック図。

【図５】本発明のプリンタの動作を示すタイムチャー
ト。

【符号の説明】

１ キャリッジ ２ リボンカセット ３ 布製インクリボン ４ リボン駆動ローラ ５ セパレータ ６ リボン押えローラ ７ リボン押えローラばね ８ 印字ヘッド １２ 溶着部検出器

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 溶着部を有した布製エンドレスインクリ
   ボンに於て前記溶着部付近に溶着部検出用の被検出手段
   を設けたことを特徴とするインクリボン。
2. 【請求項２】 前記被検出手段が貫通穴であることを特
   徴とする請求項１記載のインクリボン。
3. 【請求項３】 電気的信号に同期して文字を形成する印
   字手段と、請求項１記載のインクリボンを収納したリボ
   ンカセットと、前記被検出手段を検出する溶着部検出手
   段と、前記溶着部が検出されたときに所定の長さ以上の
   リボン送りを行なうリボン送り制御手段とを具備したこ
   とを特徴とするプリンタ。