JPH05123582A - 立体効果による選択性触媒およびその製造方法 - Google Patents

立体効果による選択性触媒およびその製造方法

Info

Publication number
JPH05123582A
JPH05123582A JP2220988A JP22098890A JPH05123582A JP H05123582 A JPH05123582 A JP H05123582A JP 2220988 A JP2220988 A JP 2220988A JP 22098890 A JP22098890 A JP 22098890A JP H05123582 A JPH05123582 A JP H05123582A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
metal layer
hydrogenation
layer
selective
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2220988A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Kiminou
秀幸 公納
Makoto Shibagaki
真 柴垣
Kyoko Takahashi
京子 高橋
Hajime Matsushita
肇 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Publication of JPH05123582A publication Critical patent/JPH05123582A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 電子出願以前の出願であるので 要約・選択図及び出願人の識別番号は存在しない。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は立体効果による選択性、特に基質選択 性および位置選択性を有する触媒に関する。
〔従来の技術〕
一般に、不均一触媒は反応選択性を有するだけ でなく、出発物質、即ち反応基質に対しても一定 の選択性を有している。この基質選択性があるた め、同じ種類の反応に用いる場合でも、基質化合 物が異なる場合には夫々の基質に最適な触媒を選 ぶことが必要である。
しかし、触媒の選択性は触媒物質に固有の性質 であるため、特定の選択性をもった触媒の開発は 試行錯誤的な実験によらざるを得ないのが実情で ある。特に、不均一触媒の基質選択性は酵素触媒 のように顕著ではなく、所望の基質選択性を有す る触媒の開発は極めて困難である。
更に、一つの分子中に含まれる複数の同一官能 基のうち、特定位置の官能基のみを選択的に反応 させることは一般に困難である。そして、不均一 触媒を用いてこの位置選択的反応を行った成功例 は極めて少ない。
例えば、通常の固体触媒で炭素−炭素二重結合 を水素添加した場合は、末端に存在する二重結合 の還元速度は内部に存在する二重結合の還元速度 よりも大きいが、この選択性は高くない。そこで、 炭素−炭素二重結合を有する化合物の水素添加に おける位置選択性を高めるために、最近になって 次のような方法が提案されている。
第一の方法は、コロイド状の金属触媒をポリエ チレングリコールモノウラレートで修飾して得ら れたミセル類似機能を有する触媒を用い、長鎖 不飽和脂肪酸の疎水部における二重結合の位置 選択的水素添加を試みたものである(Chemistry letters,p.573,1988)。
第二の方法は、白金担持アルミナを長鎖カルボ ン酸で修飾して得られた触媒を用い、不飽和アル コールの水酸基に近い位置の二重結合を選択的に 水素添加するものである(Bull.Chem.Soc.Jpn., 62,p.3779,1989)。
更に、第三の方法として、本発明者等は白金担 持シリカを不活性有機溶媒中でシリル化反応して 得られた触媒を用い、不飽和脂肪酸の疎水部にお ける二重結合の位置選択的水素添加を試みた方法 ついて出願中である(特願平1-40207号)。
しかし、これら従来の方法における反応対象は、 分子内に親水性基を有する化合物のみである。こ のため、適用範囲が限定されざるを得ない問題が ある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記事情に鑑み、本発明の課題は、高い基質選 択性および高い位置選択性を得ることができる触 媒を提供することである。
より特定化された課題は、複数の炭素−炭素二 重結合を有する化合物の水素添加に用いる触媒で あって、或る位置の二重結合のみに対して選択的 に水素添加できる水素添加触媒を提供することで ある。
〔問題を解決するための手段〕
発明者は上記の課題を達成すべく鋭意研究を行 った結果、反応基質に対して立体効果を有するよ うに構成した触媒によって、炭素−炭素二重結合 を有する脂肪族化合物の末端部に近い二重結合を 選択的に水素添加できることを見出だし、本発明 を完成するに至った。
即ち、本発明による選択性触媒は、基質分子の 反応を促進するための不均一触媒であって、触媒 活性を有しない担体粒子と、該担体粒子表面に所 定の厚さで堆積された触媒不活性層と、基質分子 に対して所定の立体効果を与える寸法で前記触媒 不活性層に設けられた凹孔と、該凹孔の底部に形 成された触媒金属層とを具備し、前記凹孔の立体 効果によって基質選択性および/または位置選択 性を生じることを特徴とするものである。
また、本発明による選択性触媒の製造方法は、 露出した水酸基を有し且つ触媒活性を有しない担 体粒子表面に、散点状に触媒金属層を被着する工 程と、この触媒金属層を被着した担体粒子表面に、 CVDによりシリコンアルコキシド又はオルガノ シリルアルコキシドを蒸着する工程とを具備した ことを特徴とするものである。
以下、必要な作用説明を含めて本発明の詳細を 説明する。
本発明の選択性触媒は、第1図に示した微細構 造を有している。同図において、1は担体粒子で ある。該担体粒子の表面には、触媒不活性層2が 堆積されている。触媒不活性層2には所定の寸法 の凹孔3…が形成されている。そして、各凹孔3 の底面(担体粒子1の表面)には触媒金属層4が 形成されている。
担体粒子1は特に限定されず、触媒担体として 現在使用されているものを用いることができる。
しかし、本発明の方法を用いて上記構造の触媒を 製造する場合は、表面に露出した水酸基を有する 担体粒子を用いる必要がある。このような水酸基 を有する担体粒子としては、例えばゼオライト、 シリカ、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、含 水酸化ジルコニウム等が挙げられる。
触媒不活性層2としては、CVDで形成される 絶縁膜が好適であり、有機置換基を含有する酸化 シリコンが特に好ましい。
凹孔3の寸法は、上記触媒が基質分子に対して 所定の立体効果を与え、望ましい基質選択性およ び/または位置選択性を生じる寸法である。
触媒金属層4の金属は特に限定されず、触媒と して現在使用されており、または将来使用され得 るどのような金属を用いてもよい。具体的には、 例えば白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、 イリジウム、ニッケル等が挙げられる。触媒金属 層4は、第1図の両端部のように凸形状であって もよく、また中央部に示したように平坦であって もよい。
上記構造を有する本発明の触媒は、触媒金属層 4による触媒活性のみならず、第2図に示したよ うに、凹孔3による立体効果に起因した基質選択 性および位置選択性を有する。
第2図は、1-オクテン(a)及びトランス-4-オ クテン(b)を、本発明の触媒を用いて接触水素添 加する場合の基質選択性を示している。図示のよ うに、1-オクテン(a)の二重結合は分子の末端に 存在するため触媒金属層4に接近し易く、従って 水素添加反応を受け易い。これに対して、トラン ス-4-オクテン(b)の二重結合は分子の中間に存 在するから、この二重結合は凹孔3の側壁による 立体障害を受けて触媒金属層4に接近し難く、従 って水素添加を受け難い。その結果、本発明の触 媒を用いれば、1-オクテン(a)に対して選択的に 水素添加を行うことができる。
また、上記と同じ理由で、1,4-オクタジエンを 反応基質とした場合、その1-位の二重結合を選択 的に水素添加することもできる。
更に、本発明の触媒における選択性は凹孔3の 立体効果によるものであるから、上記のような水 素添加反応だけでなく、どのような触媒反応にお いても同様の選択性を得ることが可能である。
次に、本発明による触媒の製造方法を説明する。
この方向によって、上記の触媒構造を得ることが 可能である。
本発明の製造方法においては、既述したように、 例えばゼオライト、シリカ、アルミナ、酸化チタ ン、ジルコニア、含水酸化ジルコニウム等のよう に、表面に露出した水酸基を有する担体粒子1を 用いる。この担体粒子1の表面に、まず触媒金属 層4を散点状に形成する。この散点状の触媒金属 層4は、例えば触媒金属を含む溶液(例えば塩化 白金のアンモニア水溶液)中に担体粒子4を浸漬 し、乾燥することによって形成することができる。
好ましくは、浸漬後の粒子をイオン交換水で洗浄 し、風乾した後、必要に応じて加熱処理する。な お、上記浸漬溶液中の触媒金属濃度を変化させる ことによって、触媒金属層4の大きさ及び/又は 数を調節することができる。
次いで、担体粒子1の表面に、触媒不活性層2 として酸化シリコン層又は有機置換基を含有する 酸化シリコン層を堆積する。その方法としては、 CVD(chemical vapor deposition)を用いる。
本発明の方法では、特に、シリコンアルコキシド、 またはオルガノシリルアルコキシドを蒸着する方 法を用いる。この方法自体は公知であり、表面, 22,p.319(1984) に開示されている。
所望の厚さの酸化シリコン層を形成するために 必要なときは、この堆積工程を任意の回数だけ繰 り返すことができる。但し、その場合は先に形成 された蒸着相の表面に水蒸気処理を施した後、次 の蒸着工程を行う。
こうして、第1図で説明した本発明の選択性触 媒を得ることができる。得られた触媒が第1図の 構造を有していることは、後述の実施例に示され るように、この触媒が触媒活性を有しており、且 つ所定の選択性を有していることによって立証さ れる。即ち、担体粒子1の表面に触媒金属層4を 形成した後、その上に酸化シリコン層2を堆積し たにもかかわらず、こうして得られた触媒が所期 の触媒活性を有しているという事実は、触媒金属 層4が酸化シリコン層2で覆われずに露出してい ることを意味している。この関係は、第1図のよ うな構造によってのみ説明が可能である。また、 この触媒が既述したような基質選択性を有してい る事実は、触媒金属層4を露出させている凹孔3 が、基質分子に対して立体障害を生じるような寸 法であることを意味している。
また、上記CVDによる酸化シリコン層2の成 長メカニズムも、第1図の構造を支持している。
第3図(A)(B)に示したように、シリコンア ルコキシドは担体粒子の表面に露出した水酸基と 反応することによって、酸化シリコンの形で蒸着 される。その後に水蒸気処理を行うと、残存して いるアルコキシ基は加水分解され、第3図(C) に示したように水酸基に変換される。従って、こ の水蒸気処理を介在させることによって、同様の 蒸着を何度も繰り返し行うことができる。
一方、オルガノシリルアルコキシドとして、例 えばジフェニルジメトキシシリルを用いた場合に は、第4図に示す如く、担体粒子の表面に露出し た水酸基と反応することによって、ジフェニルシ リルオキシドの形で蒸着される。このジフェニル シリルオキシドは、フェニル置換基の立体効果が 大きいため、一回の積層工程でアルコキシドを複 数回積層させた場合と同等の選択触媒効果を達成 することができる。しかし、必要に応じて水酸基 を付加処理して積層するようにすることもできる。
このようなメカニズムは、酸化シリコン層2の 蒸着には露出した水酸基の存在が不可欠であるこ とを示している。ところが、触媒金属層4で覆わ れた部分には、当然ながら露出した水酸基は存在 しない。その結果、触媒金属層4で覆われていな い担体粒子表面でのみ酸化シリコン層2の堆積が 生じ、これによって第1図の構造がもたらされる と思われる。
〔実施例〕
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説 明する。しかし、これら実施例の記載は本発明の 範囲を限定するものではない。
実施例1(触媒の製造) 還流管付きフラスコ中に塩化白金酸1.0gお よび28%のアンモニア水100mlを加え、70℃に加 熱して塩化白金酸を溶解させた。溶解後、直ちに 粒状ゼオライト(4A)20gを該溶液中に添加し、 70℃で3時間保持した。溶液の色が完全に消失し た時点で固形物を濾過し、イオン交換水で十分に 洗浄した。室温および常圧下で一晩風乾して十分 に乾燥した。この乾燥固形物4gを内径4mmのガ ラス管内部に充填固定し、均一な触媒層を形成し た。
これを電気炉内に設置し、反応管の上部から窒 素ガスを60ml/分の流量で供給すると共に、炉内 の温度を400℃に昇温して2時間焼成した(焼成 工程)。
その後、炉内温度ドを100℃まで下げ、反応管の 上部からジエチルエーテルを5ml/時の流量で1 時間供給した(エーテル処理工程)。
次に、温度を220℃まで上げ、0.8gのテトラエ トキシシランを含むジエチルエーテル溶液20gを 反応管の上部から5ml/時の流量で4時間供給す ることにより、テトラエトキシシランの蒸着を行 った(蒸着工程)。
室温に冷却して一晩放置した後、水蒸気を含む 窒素ガスを60ml/分の流量で流しながら、温度を 320℃に上昇させて1時間保持した(水蒸気処理 工程)。
その後、焼成工程→エーテル処理工程→蒸着工 程の操作を行った。更に、水蒸気処理工程→焼成 工程→エーテル処理工程→蒸着工程のサイクルを 4回繰り返した。
実施例2(触媒の製造) 還流管付きフラスコ中に塩化白金酸1.0g及 び28%のアンモニア水100mlを加え、70〜80℃に 加熱して塩化白金酸を溶解させた。溶解後、直ち にシリカ20gを該溶液中に添加し、70℃で3時間 保持した。その後固形物を濾過し、イオン交換水 で十分に洗浄した。室温および常圧下で一晩風乾 して十分に乾燥した。この乾燥固形物4gを内径 4mmのガラス管内部に充填固定し、均一な触媒層 を形成した。
これを電気炉内に設置し、反応管の上部から窒 素ガスを60ml/分の流量で供給すると共に、炉内 の温度を400℃に昇温して2時間焼成した(焼成 工程)。
以下、実施例1と同様に、エーテル処理工程、 蒸着工程、水蒸気処理工程を行い、その後、焼成 工程→エーテル処理工程→蒸着工程の操作を行っ た。更に、水蒸気処理工程→焼成工程→エーテル 処理工程→蒸着工程のサイクルを4回繰り返した。
実施例3(触媒の製造) 実施例2のシリカの代わりにゼオライト4A を、また、塩化白金酸の代わりに塩化ロジウム 1.0gを用い、それ以外は実施例2と同様にして 触媒を製造した。
実施例4(触媒の製造) 実施例2のシリカの代わりにゼオライト4A を、また、塩化白金酸の代わりに塩化パラジウム を用い、それ以外は実施例2と同様にして触媒を 製造した。
実施例5(触媒の製造) 実施例2のシリカの代わりにゼオライト 13Xを用い、それ以外は実施例2と同様にして 触媒を製造した。
実施例6(基質選択的水素添加) 1-オクテン11mgと、トランス-4-オクテン 11mgと、ノナン(内部標準)10mgとを含むヘキサ ン溶液10ml中に、実施例1で得た触媒150mgを 加えた。常温常圧の条件において、大過剰の水素 雰囲気下で水素添加反応を行った。ガスクロマト グラフを用いて反応生成物の分析を行った。この 分析結果から、1-オクテンの反応初速度(R1) およびトランス-4-オクテンの反応初速度(R2) を求め、両者の比(R1/R2)から水素添加の 選択性を評価した。その結果は第1表に示した通 りである。また、この水素添加における反応挙動 を第5図(A)に示した。
比較のために、実施例1の焼成工程までのみを 行って製造したコントロール触媒を用い、上記と 同様の水素添加を行なって選択性を評価した。第 1表にはこの結果を併記した。また、その際の反 応挙動を第5図(B)に示した。
これらの結果から明らかなように、本発明の触 媒を用いた水素添加反応では、1-オクテンに対す る高い基質選択性を有している。
実施例7(基質選択的水素添加) 温度条件を0℃とした以外は実施例6と同様 にして水素添加を行った。1-オクテンの反応初速 度(R1)およびトランス-4-オクテンの反応初 速度(R2)を求め、両者の比(R1/R2)か ら水素添加の選択性を評価した。その結果を第2 表に示す。
この結果から明らかなように、0℃での水素添 加においても、1-オクテンに対する高い基質選択 性が保持されていた。
実施例8(基質選択的水素添加) 温度条件を50℃とした以外は実施例6と同様 にして水素添加を行った。R1、R2および両者 の比(R1/R2)は第3表に示した通りであっ た。
この結果から明らかなように、50℃での水素添 加においても、1-オクテンに対する高い基質選択 性が保持されていた。
実施例9(基質選択的水素添加) トランス-4-オクテンの代わりにトランス -2-オクテンを用い、それ以外は実施例1と同様 にして水素添加を行った。1-オクテンの反応初速 度(R1)およびトランス-2-オクテンの反応初 速度(R2)を求め、両者の比(R1/R2)か ら水素添加の選択性を評価した。その結果は第4 表に示した通りである。
この結果から明らかなように、トランス-2-オ クテンとの比較においても、本発明の触媒を用い た水素添加は、1-オクテンに対する基質選択性を 有している。しかし、その選択性はトランス-4- オクテンと比較した場合の選択性よりも低い。
実施例10(基質選択的水素添加) トランス-4-オクテンの代わりにトランス -3-オクテンを用い、それ以外は実施例1と同様 にして水素添加を行った。1-オクテンの反応初速 度(R1)およびトランス-3-オクテンの反応初 速度(R2)を求め、両者の比(R1/R2)か ら水素添加の選択性を評価した。その結果は第5 表に示した通りである。
この結果から明らかなように、トランス-3-オ クテンとの比較においても、本発明の触媒を用い た水素添加は、1-オクテンに対する基質選択性を 有している。その選択性はトランス-4-オクテン と比較した場合の選択性よりも低いが、トランス -2-オクテンと比較した場合の選択性よりは高く なっている。
実施例11(基質選択的水素添加) トランス-4-オクテンの代わりにシス-2-オ クテンを用い、それ以外は実施例1と同様に水素 添加を行った。1-オクテンの反応初速度(R1) およびシス-2-オクテンの反応初速度(R2)を 求め、両者の比(R1/R2)から水素添加の選 択性を評価した。その結果は第6表に示した通り である。
この結果から明らかなように、シス-2-オクテ ンとの比較においても、本発明の触媒を用いた水 素添加は、1-オクテンに対する基質選択性を有し ている。その選択性はトランス-4-オクテンと比 較した場合の選択性よりも低いが、トランス-2- オクテンと比較した場合の選択性よりは高くなっ ている。
実施例12(基質選択的水素添加) 1-ノネン13mgと、トランス-4-ノネン13mg と、デカン(内部標準)10mgとを含むヘキサン溶 液10ml中に、実施例1で得た触媒150mgを加え た。常温常圧の条件において、大過剰の水素雰囲 気下で水素添加反応を行った。ガスクロマトグラ フを用いて反応生成物の分析を行った。この分析 結果から、1-ノネンの反応初速度(R1)および トランス-4-ノネンの反応初速度(R2)を求め、 両者の比(R1/R2)から水素添加の選択性を 評価した。その結果は第7表に示した通りである。
比較のために、実施例1の焼成工程までのみを 行って製造したコントロール触媒30mgを用い、上 記と同様の水素添加を行なって選択性を評価した。
第7表に、この結果を併記した。
これらの結果から明らかなように、本発明の触 媒を用いた水素添加反応では、1-ノネンに対する 高い基質選択性を有している。
実施例13(基質選択的水素添加) 1-ノネン13mg、トランス-4-ノネン13mg及び デカン10mgを含むヘキサン溶液10ml中に、実施例 2で得た触媒150mgを加えた。常温常圧の条件に おいて、大過剰の水素雰囲気下で水素添加反応を 行い、ガスクロマトグラフを用いて反応生成物の 分析を行った。この分析結果から、1-ノネンの反 応初速度(R1)およびトランス-4-ノネンの反 応初速度(R2)を求め、両者の比(R1/R2) から水素添加の選択性を評価した。その結果は第 8表に示した通りである。
比較のために、実施例2の焼成工程までのみを 行って製造したコントロール触媒60mgを用い、上 記と同様の水素添加を行なって選択性を評価した。
第8表に、この結果を併記した。
これらの結果から明らかなように、本発明の触 媒を用いた水素添加反応では、1-ノネンに対する 高い基質選択性を有している。
実施例14(基質選択的水素添加) 1-ノネン6.5mg、トランス-4-ノネン6.5mg 及びデカン10mgを含むヘキサン溶液10ml中に、実 施例3で得た触媒150mgを加えた。常温常圧の条 件において、大過剰の水素雰囲気下で水素添加 反応を行い、ガスクロマトグラフを用いて反応 生成物の分析を行った。この分析結果から、1- ノネンの反応初速度(R1)およびトランス-4- ノネンの反応初速度(R2)を求め、両者の比 (R1/R2)から水素添加の選択性を評価した。
その結果は第9表に示した通りである。
比較のために、実施例3の焼成工程までのみを 行って製造したコントロール触媒60mgを用い、上 記と同様の水素添加を行なって選択性を評価した。
第9表に、この結果を併記した。
これらの結果から明らかなように、本発明の触 媒を用いた水素添加反応では、1-ノネンに対する 高い基質選択性を有している。
実施例15(基質選択的水素添加) 実施例4で得た触媒600mgを用いた以外は実 施例14と同様の方法で反応を行い、ガスクロマ トグラフを用いて反応生成物の分析を行った。こ の分析結果から、1-ノネンの反応初速度(R1) およびトランス-4-ノネンの反応初速度(R2) を求め、両者の比(R1/R2)から水素添加の 選択性を評価した。その結果は第10表に示した 通りである。
比較のために、実施例4の焼成工程までのみを 行って製造したコントロール触媒150mgを用い、 上記と同様の水素添加を行なって選択性を評価し た。第10表に、この結果を併記した。
これらの結果から明らかなように、本発明の触 媒を用いた水素添加反応では、1-ノネンに対する 高い基質選択性を有している。
実施例16(基質選択的水素添加) 実施例5で得た触媒150mgを用いた以外は実 施例14と同様の方法で反応を行い、ガスクロマ トグラフを用いて反応生成物の分析を行った。こ の分析結果から、1-ノネンの反応初速度(R1) およびトランス-4-ノネンの反応初速度(R2) を求め、両者の比(R1/R2)から水素添加の 選択性を評価した。その結果は第11表に示した 通りである。またそのときの反応挙動を第6図 (A)に示している。但し、本触媒の反応初速度 は反応の誘導期間後の速度とした。
比較のために、実施例5の焼成工程までのみを 行って製造したコントロール触媒150mgを用い、 上記と同様の水素添加を行なって選択性を評価し た。その反応挙動を第6図(B)に示し、さらに 第11表に、この結果を併記した。
これらの結果から明らかなように、本発明の触 媒を用いた水素添加反応では、1-ノネンに対する 高い基質選択性を有している。
実施例17(位置選択的水素添加) リモネン27mgと、ウンデカン(内部標準) 27mgとを含むヘキサン溶液10ml中に、実施例1 で得た触媒600mgを加えた。常温常圧の条件にお いて、大過剰の水素雰囲気下で水素添加反応を行 った。GC−MSおよびガスクロマトグラフを用 いて反応生成物の分析を行った。
この水素添加における反応挙動は、第7図(A) に示した通りである。
比較のために、実施例1の焼成工程までのみを 行って製造したコントロール触媒を用い、上記と 同様の水素添加を行なった。第7図(B)その際 の反応挙動を示した。
上記の結果から明らかなように、本発明の触媒 を用いた水素添加反応では、リモネンの二つの二 重結合のうち、末端位置の二重結合に対する選択 性が高いことが分かる。
実施例18(触媒の製造) 還流管付きフラスコ中に塩化白金酸6水和物 1.0g及び28%のアンモニア水100mlを加え、70 〜80℃に加熱して塩化白金酸を溶解させた。溶解 後、直ちに粒状ゼオライト(4A)20gを該溶液中 に添加し、70℃で3時間保持した。3時間後、固 形物を濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した。
室温および常圧下で一晩風乾して十分に乾燥した。
この乾燥固形物4gを内径4mmのガラス管内部に 充填固定し、均一な触媒層を形成した。
これを電気炉内に設置し、反応管の上部から窒 素ガスを60ml/分の流量で供給すると共に、炉内 の温度を400℃に昇温して2時間焼成した(焼成 工程)。
その後、炉内温度を100℃まで下げ、反応管の 上部からエチルエーテルを5ml/時の流量で4時 間供給した(エーテル処理工程)。
次に、温度を200℃まで上げ、0.8gのジフェニ ルジメトキシシランを含むジエチルエーテル溶液 20gを反応管の上部から5ml/時の流量で4時間 供給することにより、ジフェニルジメトキシシラ ンの蒸着を行った(蒸着工程)。
次に、室温で冷却して一晩放置した後、固形物 をエーテルで洗浄して十分乾燥させた。
実施例19(基質選択的水素添加) 1-ノネン13mg、トランス-4-ノネン13mg及び デカン10mgを含むヘキサン溶液10ml中に、実施例 18で得た触媒150mgを加えた。常温常圧の条 件において、大過剰の水素雰囲気下で水素添加 反応を行い、ガスクロマトグラフを用いて反応 生成物の分析を行った。この分析結果から、1- ノネンの反応初速度(R1)およびトランス-4- ノネンの反応初速度(R2)を求め、両者の比 (R1/R2)から水素添加の選択性を評価した。
その結果は第12表に示した通りである。
比較のために、実施例18の焼成工程までのみ を行って製造したコントロール触媒30mgを用い、 上記と同様の水素添加を行なって選択性を評価し た。第12表に、この結果を併記した。
これらの結果から明らかなように、本発明の触 媒を用いた水素添加反応では、1-ノネンに対する 高い基質選択性を有している。
実施例20(位置選択的水素添加) 1,11-オクタデカジエン25mg及びヘキサデカ ン25mgを含むヘキサン溶液5ml中に、実施例18 で得た触媒250mgを加えた。常温常圧の条件にお いて、大過剰の水素雰囲気下で水素添加反応を行 い、GC−MS及びガスクロマトグラフを用いて 反応系の分析及び定量を行った。
この水素添加における反応挙動は、第8図(A) に示した通りである。
比較のために、実施例18の焼成工程までのみ を行って製造したコントロール触媒30mgを用い、 上記と同様の水素添加を行なった。その際の反応 挙動は、第8図(B)に示した。
実施例21(位置選択的水素添加) 1,5-ウンデカジエン15.2mg及びデカン25mgを 含むヘキサン溶液5ml中に、実施例18で得た触 媒250mgを加えた。常温常圧の条件において、 大過剰の水素雰囲気下で水素添加反応を行い、 GC−MS及びガスクロマトグラフを用いて反応 系の分析及び定量を行った。
この水素添加における反応挙動は、第9図(A) に示した通りである。
比較のために、実施例18の焼成工程までのみ を行って製造したコントロール触媒30mgを用い、 上記と同様の水素添加を行なった。その際の反応 挙動は、第9図(B)に示した。
実施例22(位置選択的水素添加) ミルセン13.6mg及びデカン10mgを含むヘキサ ン溶液5ml中に、実施例18で得た触媒250mgを 加えた。常温常圧の条件において、大過剰の水素 雰囲気下で水素添加反応を行い、GC−MS及び ガスクロマトグラフを用いて反応系の分析及び定 量を行った。
この水素添加における反応挙動は、第10図 (A)に示した通りである。
比較のために、実施例18の焼成工程までのみ を行って製造したコントロール触媒30mgを用い、 上記と同様の水素添加を行なった。その際の反応 挙動は、第10図(B)に示した。
実施例23(位置選択的水素添加) リモネン13.6mg及びデカン10mgを含むヘキサ ン溶液5ml中に、実施例16で得た触媒250mgを 加えた。常温常圧の条件において、大過剰の水素 雰囲気下で水素添加反応を行ったが、4時間後も ほとんど反応が進行していないことが分かった。
〔発明の効果〕 本発明の立体効果による選択性触媒およびその 製造方法によれば、高い基質選択性および高い位 置選択性で脂肪族化合物の水素添加反応等の化学 反応を容易に行うことができる等効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による選択性触媒の構造を示す 断面図であり、第2図はその作用説明図、第3図 (A)〜(C)及び第4図は本発明の製造方法に おける不活性層形成のメカニズムを示す説明図、 第5図(A)乃至第10図(A)は本発明の一実 施例になる選択性触媒を用いた水素添加反応の結 果を示すグラフ、第5図(B)乃至第10図(B) は従来の触媒を用いた水素添加反応の結果を示す グラフである。 1…担体、2…触媒不活性層、3…凹孔、 4…触媒金属層。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平3.2.8 明細書第37頁の第7〜11行を以下のとおり補正す
る。 「第5乃至10図の(A)は本発明の一実施例になる
選択性触媒を用いた水素添加反応の結果を示すグラフ、
第5乃至10図の(B)は従来の触媒を用いた水素添加
反応の結果を示すグラフである。」
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/74 321 Z 8017−4G 29/32 M 6750−4G 35/02 A 8516−4G C07C 5/05 9280−4H 9/15 11/02 // C07B 61/00 300 (72)発明者 松下 肇 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社生命科学研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基質分子の反応を促進するための不均一
    触 媒であって、触媒活性を有しない担体粒子と、該 担体粒子表面に所定の厚さで堆積された触媒不活 性層と、基質分子に対して所定の立体効果を与え る寸法で前記触媒不活性層に設けられた凹孔と、 該凹孔の底部に形成された触媒金属層とを具備し、 前記凹孔の立体効果によって基質選択性および/ または位置選択性を生じることを特徴とする選択 性触媒。
  2. 【請求項2】 前記担体粒子が、ゼオライト、シリカ、
    ア ルミナ、酸化チタン、ジルコニアおよび含水酸化 ジルコニウムからなる群から選択される請求項1 に記載の選択性触媒。
  3. 【請求項3】 前記触媒不活性層が、CVD成長層であ
    る 請求項1または2に記載の選択性触媒。
  4. 【請求項4】 前記触媒不活性層が、酸化シリコン層で
    あ る請求項3に記載の選択性触媒。
  5. 【請求項5】 前記触媒不活性層が、有機置換基を含む
    酸 化シリコン層である請求項3に記載の選択性触媒 層。
  6. 【請求項6】 前記触媒金属層が、白金、パラジウム、
    ロ ジウム、ルテニウム、イリジウムおよびニッケル からなる群から選択される請求項1〜5の何れか 1項に記載の選択性触媒。
  7. 【請求項7】 選択的水素化のための使用される、請求
    項 1〜5の何れか1項に記載の選択性触媒。
  8. 【請求項8】 露出した水酸基を有し且つ触媒活性を有
    し ない担体粒子表面に、散点状に触媒金属層を被着 する工程と、この触媒金属層を被着した担体粒子 表面に、CVDによりシリコンアルコキシドを蒸 着する工程とを具備したことを特徴とする選択性 触媒の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記シリコンアルコキシドを蒸着する工
    程 で形成された蒸着膜を水蒸気処理し、続いて再度 シリコンアルコキシドを蒸着する工程を具備した 請求項8に記載の選択性触媒の製造方法。
  10. 【請求項10】 露出した水酸基を有し且つ触媒活性を
    有し ない担体粒子表面に、散点状に触媒金属層を被着 する工程と、この触媒金属層を被着した担体粒子 表面に、CVDによりオルガノシリルアルコキシ ドを少なくとも一回蒸着する工程とを具備したこ とを特徴とする選択性触媒の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記担体粒子が、ゼオライト、シリ
    カ、ア ルミナ、酸化チタン、ジルコニアおよび含水酸化 ジルコニウムからなる群から選択される請求項8 乃至10のいづれか一つに記載の選択性触媒の製 造方法。
JP2220988A 1990-05-25 1990-08-24 立体効果による選択性触媒およびその製造方法 Pending JPH05123582A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13417890 1990-05-25
JP2-134178 1990-05-25

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05123582A true JPH05123582A (ja) 1993-05-21

Family

ID=15122270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2220988A Pending JPH05123582A (ja) 1990-05-25 1990-08-24 立体効果による選択性触媒およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05123582A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2182516C2 (ru) Гетерогенный биметаллический палладий-золотой катализатор для получения винилацетата и способ его получения
CN101218025B (zh) 层状组合物及其制备和应用方法
JP2640944B2 (ja) 触媒の製造方法
CN1306459A (zh) 由化学蒸气淀积法生产壳层催化剂的工艺
CN101676025B (zh) 用于选择性氢化乙炔的钯基催化剂
CN102105219B (zh) 二氧化硅承载催化剂上的金属铂及其制备方法
CN101124043A (zh) 改进的负载型催化材料
JP4772695B2 (ja) 触媒のためのジルコニア含有担持材
CN110821616B (zh) 用于制备催化剂体系的方法
JP2012196674A (ja) 触媒のためのハロゲン化物フリー前駆体
WO1998057742A1 (en) Hydrogenation catalyst with high sulphur tolerance
JP4772694B2 (ja) 触媒のための層状担持材
EP1044935A1 (en) A low weight resistant porous glass fiber having physical, chemical or biological properties
CN101190413A (zh) 一种石脑油重整催化剂及其制备方法
JPH01159057A (ja) 多不飽和炭化水素の選択的水素添加用の触媒
JPH11192432A (ja) 高度の焼結安定性を有する担持触媒及びその製造方法
KR20010052495A (ko) 금속 팔라듐, 구리 및 금을 포함하는 비닐 아세테이트촉매 및 그의 제조방법
CN101602016A (zh) 水热稳定性的层状复合载体
Suzuki et al. Design of catalytic sites at oxide surfaces by metal-complex attaching and molecular imprinting techniques
US20050154236A1 (en) Method for producing shell catalysts
JPH05123582A (ja) 立体効果による選択性触媒およびその製造方法
JP2005505633A (ja) 選択的酸化
JP4939230B2 (ja) ロジウム含有触媒
Arai et al. Preparation of alumina-supported platinum catalyst at ambient temperature for selective synthesis of cinnamyl alcohol by liquid-phase cinnamaldehyde hydrogenation
JPH0576340B2 (ja)