JPH05119780A - 音源装置 - Google Patents

音源装置

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JPH05119780A
JPH05119780A JP3282987A JP28298791A JPH05119780A JP H05119780 A JPH05119780 A JP H05119780A JP 3282987 A JP3282987 A JP 3282987A JP 28298791 A JP28298791 A JP 28298791A JP H05119780 A JPH05119780 A JP H05119780A
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Shigeki Fujii
茂樹 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、自然楽器の楽音の再現性が良く、
且つ、波形の加工が容易な音源装置を提供するためにな
された。 【構成】波形データを一定周波数(スペクトル)ごとに
分析してそのデータを記憶しておき、楽音信号を合成す
るときにはこの分析データを合成する。分析データは加
工性がよく、また、波形データを分析→合成するためサ
ンプリングデータを用いることができる。さらに、レガ
ート時にはピッチ,音量とも滑らかな移行をするように
EGデータに従ってシフトするようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は分析合成系音源におけ
る持続音を形成する方式に関する。
【0002】
【従来の技術】電子楽器における楽音信号形成方式は従
来より種々提案されている。そのうち主なものに、FM
方式音源や波形メモリ方式音源がある。FM方式音源は
複数の基本信号を種々のアルゴリズム,強度で合成(周
波数変調)して楽音波形データを形成する方式である。
波形メモリ方式は自然楽器の楽音等を時系列にメモリに
記憶しておき、発音する際これを順次読み出して楽音波
形データを形成する方式である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】FM方式音源ではパラ
メータを調整することよって種々に柔軟に波形を制御す
ることができるが、意図した音色に波形を制御すること
が難しく自然楽器の再現性が悪かった。また、波形メモ
リ方式の音源は自然楽器の楽音の再現性が良いが波形の
加工が困難であり音色に変化をつけることができなかっ
た。また、レガートで移行する場合に不自然さが残る欠
点があった。
【0004】この発明の目的は、自然楽器の音色の再現
性がよく、且つ、波形の制御性もよい音源装置を提供す
ることと、その音源装置において滑らかなレガート演奏
を可能にすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、楽音波形デ
ータを複数の部分データに分割して各部分データごとの
スペクトルの周波数および強度を分析する分析手段と、
分析手段が分析した各部分データごとのスペクトル周波
数および強度を分析パラメータとして記憶する記憶手段
と、前記分析パラメータを順次読み出して楽音波形デー
タを再合成する合成手段と、レガート用ピッチEG,レ
ガート用音量EGを記憶するEG記憶手段と、前記合成
手段が再合成する楽音波形データがレガートで移行する
とき、両楽音の分析パラメータ間を、周波数情報はレガ
ート用ピッチEGに従って徐々にシフトし、そのシフト
した周波数情報と強度情報によって楽音波形を合成し、
その合成した楽音波形にレガート用音量EGを乗算する
レガート移行手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
【作用】この発明の音源装置は、楽音波形データからス
ペクトルに関する分析パラメータを抽出してこれを記憶
している。発音のために楽音波形データを形成するとき
には、分析パラメータを順次読み出して合成する。これ
によって、波形メモリと同様の再現性のよい楽音波形デ
ータを形成することができる。且つ、分析パラメータは
自由に調整することができるため、楽音の加工も容易で
ある。
【0007】さらに、レガート用のピッチEGと音量E
Gを記憶している。レガート時にはこのEGに従って分
析パラメータの周波数情報をシフトする。分析パラメー
タレベルでのシフトであるため楽音波形データそのもの
のシフトに比して不自然さがなく滑らかである。さら
に、音量もEGに基づいて移行するためより滑らかなレ
ガートが可能になる。
【0008】
【実施例】図1はこの発明が適用される分析合成系音源
の基本回路のブロック図である。
【0009】この音源は、分析部1,記憶部2,補間部
3,シフト部4,合成部5を有している。図2に分析部
1の構成を示す。分析部1は複数(128個)のバンド
パスフィルタ(BPF)を並列に接続した構成になって
いる。各BPFのバンド幅は125Hzであり、そのろ
過帯域は0Hzから16kHzまで順に並べられてい
る。各BPFを0〜127チャンネルのチャンネルナン
バで識別する。さらに、このBPFはFFT機能を有し
ており、BPFを通過するスペクトルの周波数データお
よび強度データMagを検出することができる。周波数
はバンド中心周波数からのずれとして検出されるが、こ
のずれをバンド中心周波数に加算することにより絶対値
の周波数データFreqが得られる。分析部1は上記の
ようにBPFアレイで構成できるほか、高速のFFTア
ナライザを用いて実現することもできる。さらにチャン
ネル数は128に限らず、バンド幅も125Hzに限定
されるものではない。
【0010】この分析部1にはPCM波形データが入力
される。PCM波形データは32kHzのサンプリング
クロックでサンプリングされたものである。分析部1は
連続する2048サンプルを1組のデータ(1フレー
ム)として扱う。ただし、各フレームは64サンプルづ
つのずれでオーバーラップしている(図3参照)。分析
部1の各チャンネルは1フレーム分のサンプリングデー
タが入力されたときそのフレームの周波数データFre
qと強度データMagを出力する。ここで、1フレーム
を構成するサンプル数は2048に限らず、フレーム間
隔も64サンプルに限定されない。
【0011】記憶部2は、各チャンネルの周波数データ
m n と強度データMm n を各フレームごとにテーブル
化して記憶している(図4)。1波形データに対応する
複数フレームのテーブル群をボイスデータという。各音
色に対応してこのボイスデータが記憶されている。ま
た、マルチサンプリング(音域や強度別に1音色の複数
波形を記憶する方式)の場合には、1音色に複数のボイ
スデータが含まれることになる。
【0012】以上の分析部1による波形データの分析
(ボイスデータ化)および記憶部2への記憶が、演奏以
前に行われる前処理となる。
【0013】補間部3は、ボイスデータを読み出して波
形データを形成するとき各サンプリングクロックのデー
タを形成する回路部である。すなわち、フレームデータ
は64クロックごとに出力されるが、各フレーム間の6
3サンプリングタイミングにおける周波数データ,強度
データをその前後のフレームデータから直線補間して算
出する(図5参照)。補間は各チャンネルごとに同一チ
ャンネルのデータを用いて行われる。算出されたデータ
はシフト部4に出力される。
【0014】シフト部4は鍵盤等で指定された音高(周
波数)の楽音を発音するために、周波数データのみをシ
フトする回路である。サンプリングした波形データの周
波数と指定された周波数とに基づいてシフト量が決定さ
れる。なお、マルチサンプリングにより全ての鍵(音
高)に対応するボイスデータを有する場合はこのシフト
処理は不要となる。
【0015】合成部5は各チャンネルごとの周波数デー
タ,強度データを合成して1個の波形データを合成する
回路である。合成は逆FFT合成を用いてもよく、加算
合成を用いてもよい。
【0016】記憶部2に記憶されているボイスデータを
読み出して、各チャンネルごとに補間−シフトしたの
ち、合成することにより楽音波形データが形成される。
したがって、記憶部2−補間部3−シフト部4−合成部
5の動作は演奏時のリアルタイム動作となる。
【0017】以上の方式の分析合成音源は、自然楽器等
実際の音をサンプリングして電子音を形成することがで
きるとともに、そのサンプリング波形データに対する加
工も大幅に可能にしたものである。
【0018】図6はこの発明の実施例である音源装置の
詳細図である。この音源装置でレガートによる楽音の移
行が指示された場合には、シフト部4′に滑らかなピッ
チ情報を送ってピッチをシフトし、このピッチシフトに
合わせて音量を変化させる。
【0019】シフト部4′にはセレクタ12を介してピ
ッチ情報が入力される。このシフト部4′は補間部3か
ら入力される分析パラメータのうち周波数データを指定
された周波数(ピッチ)になるようにシフトする。セレ
クタ12の一方の入力端子には図示しない演奏装置から
直接ピッチ情報が入力され、他方の入力端子には加算器
11を介してピッチ情報が入力される。加算器11には
ラッチ回路10および乗算器14が接続されている。ラ
ッチ回路10は、レガート検出信号が入力されたとき、
直前に指定されていた楽音のピッチ情報を記憶する。乗
算器14には減算器13を介して直前の楽音のピッチ情
報と新たな楽音のピッチ情報との差(ピッチ差データ)
が入力される。また、乗算器14にはレガート用ピッチ
EGメモリ15が接続されている。このレガート用ピッ
チEGメモリ15はレガート検出信号が入力されたとき
図7に示すようなレガート用ピッチEGデータを出力す
る。
【0020】このEGデータが前記ピッチ差データに乗
算されたのち、加算器11において直前のピッチ情報に
加算される。レガート用ピッチEGデータは図7に示す
ように滑らかな曲線であるため、ピッチの移行が滑らか
に行われる。なお、移行曲線はリニアまたは指数関数等
種々の関数を適用することができる。
【0021】なお、レガート検出信号は、たとえば、鍵
盤においてオンされる鍵の移行がオーバーラップして行
われた場合や管楽器型コントローラにおいてブレスオン
のままキー操作が行われた場合などに出力される。
【0022】さらに、この音源装置では合成部5の後段
に乗算器20を設け、合成部5で合成された楽音波形デ
ータにレガート用音量EGデータを乗算している。乗算
器20にはレガート用音量EGメモリ21が接続されて
いる。このレガート用音量EGメモリ21はレガート検
出信号が入力されたときレガート用音量EGデータを出
力する。レガート用音量EGデータは図8に示すような
ディップを有する波形であり、ピッチの移行に合わせて
中間ピッチ時の音量を下げるようにしている。
【0023】これにより、ピッチの不安定感を無くすこ
とができる。
【0024】
【発明の効果】以上のようにこの発明では、サンプリン
グされたデータを用いることにより自然楽器等の楽音の
再現性がよいうえ、分析パラメータで波形データを保存
するため音色の加工性が高い音源装置を実現することが
できる。また、レガート用のEGを記憶したことによ
り、滑らかなレガートを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用される分析合成系音源の構成を
示す図
【図2】同分析合成系音源の分析部の構成を示す図
【図3】同分析合成系音源に入力されるPCM波形デー
タの例を示す図
【図4】同分析合成系音源の記憶部の記憶内容を示す図
【図5】同分析合成系音源の補間部の動作を説明する図
【図6】この発明の実施例である分析合成系音源の詳細
【図7】同分析合成系音源のレガート用ピッチEGデー
タを示す図
【図8】同分析合成系音源のレガート用音量EGデータ
を示す図
【符号の説明】
1−分析部、2−記憶部、3−補間部、4−シフト部、
5−合成部、15−レガート用ピッチEGメモリ、21
−レガート用音量EGメモリ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楽音波形データを複数の部分データに分
    割して各部分データごとのスペクトルの周波数および強
    度を分析する分析手段と、 分析手段が分析した各部分データごとのスペクトル周波
    数および強度を分析パラメータとして記憶する記憶手段
    と、 前記分析パラメータを順次読み出して楽音波形データを
    再合成する合成手段と、 レガート用ピッチEG,レガート用音量EGを記憶する
    EG記憶手段と、 前記合成手段で再合成する楽音がレガートで移行すると
    き、両楽音の分析パラメータ間を、周波数情報はレガー
    ト用ピッチEGに従って徐々にシフトし、そのシフトし
    た周波数情報と強度情報によって楽音波形データを合成
    し、その合成した楽音波形データにレガート用音量EG
    を乗算するレガート移行手段と、 を備えた音源装置。
JP3282987A 1991-10-18 1991-10-29 音源装置 Expired - Fee Related JP2990897B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007072231A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Roland Corp ピッチ制御プログラム

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JP2007072231A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Roland Corp ピッチ制御プログラム

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