JPH0511906U - 圧脈波検出用センサの装着用シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧脈波検出用センサを生体の表面に押圧状態
で装着してそのセンサの押圧面に設けられた圧力検出素
子により圧脈波を検出する際に、センサの押圧による生
体の苦痛を軽減し得かつ痩せた人であってもセンサのず
れを好適に防止し得るとともに毛深いことに起因してセ
ンサから出力される脈波信号に影響が及ぼされるのを好
適に防止し得る圧脈波検出用センサの装着用シートを提
供する。 【構成】 プローブ１２と手首１０の表面２３との間に
皮膚と略同様の硬さ有するシリコーンゴムシート３６を
介在させ、圧脈波検出用センサ３２の圧力検出素子が設
けられた押圧面３４をシリコーンゴムシート３６を介し
て表面２３に押圧する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、生体の表面を押圧する圧脈波検出用センサによる圧脈波の検出を一 層好適な状態で行うための技術に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

生体の表面たとえば手首の表面の橈骨動脈上に圧脈波検出用センサを装着して そのセンサにより橈骨動脈を押圧することにより、そのセンサの押圧面に設けら れた圧力検出素子から出力される脈波信号に基づいて圧脈波を検出する脈波検出 装置が知られている。たとえば、本出願人が先に出願して公開された実開平３− ２７２０８号公報に記載されたものなどがそれである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記圧脈波検出用センサにおいては、皮膚表面に直接接触した 状態で押圧されることから、生体に苦痛を与える場合があるとともに、痩せた人 の場合には皮膚表面へのセンサの食い込みが少なくて測定中にセンサがずれるお それがあった。

【０００４】 また、センサにより押圧される皮膚表面に皮膚より硬い毛が比較的多く存在し たりすると、センサから出力される脈波信号に影響が及ぼされる場合があった。 すなわち、センサの押圧面に設けられた圧力検出素子に皮膚表面の毛が当たって その圧力検出素子から出力される脈波信号が実際より大きくなる場合があったの である。

【０００５】 本考案は以上の事情を背景として為されたものであって、その目的とするとこ ろは、圧脈波検出用センサを生体の表面に押圧状態で装着してそのセンサの押圧 面に設けられた圧力検出素子により圧脈波を検出する際に、センサの押圧による 生体の苦痛を軽減し得かつ痩せた人であってもセンサのずれを好適に防止し得る とともに、毛深いことに起因してセンサから出力される脈波信号に影響が及ぼさ れるのを好適に防止し得る圧脈波検出用センサの装着用シートを提供することに ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案の要旨とするところは、生体の皮膚の表面に 押圧状態で装着される圧脈波検出用センサの圧力検出素子が設けられた押圧面と その皮膚の表面との間に介在させられる圧脈波検出用センサの装着用シートであ って、前記皮膚と略同様の硬さを有するゴム状弾性体にて構成されたことにある 。

【０００７】

【作用および考案の効果】

斯かる構成の圧脈波検出用センサの装着用シートにおいては、生体の皮膚の表 面に押圧状態で装着される圧脈波検出用センサの押圧面と皮膚の表面との間に介 在させられるのであるが、その装着用シートは皮膚と略同様の硬さを有するゴム 状弾性体にて構成されているため、その装着用シートの存在により、センサによ る圧脈波の検出を阻害することなくセンサの押圧による生体の苦痛を好適に軽減 し得る。また、生体の皮膚の表面に所定厚さの人工的な皮膚が配設されることと なるため、痩せた人であってもセンサの食い込みが好適に得られてセンサのずれ を好適に防止し得る。また、皮膚表面の毛がゴム状弾性体から成る装着用シート により覆われた状態でセンサにより押圧されることとなり、センサの押圧面に設 けられた圧力検出素子に毛が直接当たることはないため、生体が毛深いことに起 因してセンサから出力される脈波信号に影響が及ぼされるのを好適に防止し得る 。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【０００９】 図１は、本考案の装着用シートを用いて被検者に装着される圧脈波検出用のプ ローブの一例を示す図である。プローブ１２は、全体として容器状を成して被検 者の手首１０側において開口する第１ハウジング１４と、ピン１６により第１ハ ウジング１４に回動可能に連結された第２ハウジング１８とを備えており、一端 部が第１ハウジング１４に取り着けられた装着バンド２０の他端部側を第１ハウ ジング１４の底部外面にファスナ２２を介して係止することにより、手首１０の 表面２３に着脱可能に装着されている。

【００１０】 上記第１ハウジング１４内には、容器状を成し且つ手首１０側において開口す るケーシング２４が、図示しない案内手段に沿って送りねじ２６により橈骨動脈 ２８と略直交する方向（図１において左右方向）の移動可能に設けられている。 また、第１ハウジング１４内には、図示はしないが、送りねじ２６の第２ハウジ ング１８側に位置する端部と作動的に連結する減速ギヤユニットが設けられてお り、その減速ギヤユニットは、第２ハウジング１８内に設けられた図示しない電 動モータの出力軸と可撓性カップリング（図示せず）を介して作動的に連結され ている。これにより、第１ハウジング１４および第２ハウジング１８間の回動角 度に拘らず、電動モータの駆動力が減速ギヤユニットを介して送りねじ２６へ伝 達されるようになっている。

【００１１】 上記ケーシング２４内にはダイヤフラム２９が設けられており、このダイヤフ ラム２９によってケーシング２４内の底部側に圧力室３０が形成されている。ダ イヤフラム２９の圧力室３０側と反対側の面には、圧脈波検出用センサ（以下、 単にセンサという）３２が固着されている。これにより、図示しない流体供給源 から圧力室３０へ圧力エア等の圧力流体が供給されると、センサ３２は圧力室３ ０内の圧力に応じた押圧力で手首１０の表面２３に押圧される。センサ３２の押 圧面３４には、感圧ダイオード等の複数の圧力検出素子（図示せず）がケーシン グ２４の移動方向、すなわち橈骨動脈２８と略直交する方向において配列されて いる。

【００１２】 以上のように構成されたプローブ１２を備えた圧脈波検出装置においては、た とえば、圧力室３０内を徐速昇圧させる際にセンサ３２の各圧力検出素子からそ れぞれ出力される脈波信号に基づいて、圧力検出素子の配列範囲の略中央に橈骨 動脈２８が位置するように前記電動モータによりセンサ３２が駆動されて位置決 めされるとともに橈骨動脈２８の壁の一部が平坦となる圧力室３０内の圧力すな わちセンサ３２の最適押圧力が決定されてその最適押圧力にホールドされた後、 橈骨動脈２８の直上部の中央に位置するアクティブ素子から出力される脈波信号 に基づいて圧脈波が逐次検出されることとなる。この圧脈波は、被検者の心拍に 同期して橈骨動脈２８から発生して手首１０の表面２３に伝達される圧力振動波 である。

【００１３】 ここで、本実施例においては、更に、プローブ１２と手首１０の表面２３との 間にプローブ１２の全体に亘ってシリコーンゴムシート３６が介在させられてお り、プローブ１２はそのシリコーンゴムシート３６を介して手首１０の表面２３ に装着されているとともにセンサ３２はそのシリコーンゴムシート３６を介して 手首１０の表面２３に押圧されるようになっている。このシリコーンゴムシート ３６は、本実施例の装着シートを構成するものであって、たとえば０．６ｍｍ〜 ３．０ｍｍ程度の厚みを有しているとともに、たとえばＪＩＳ Ａ形スプリング 式硬さ試験機で１°〜１５°程度の人体の皮膚と略同様の硬さを備えており、こ れにより、シリコーンゴムシート３６の存在により、センサ３２による圧脈波の 検出を阻害することなくセンサ３２の押圧による被検者の苦痛が好適に軽減され るようになっている。なお、シリコーンゴムシート３６は手首１０の表面２３上 に単に載置されるだけであっても表面２３に好適に貼り付くため、圧脈波検出中 にシリコーンゴムシート３６がずれるおそれは殆どないのである。

【００１４】 このように本実施例によれば、プローブ１２と手首１０の表面２３との間に人 体の皮膚と略同様の硬さを有するシリコーンゴムシート３６が介在させられるこ とにより、センサ３２の押圧による被検者の苦痛が軽減されるとともに、プロー ブ１２のずれひいてはセンサ３２のずれを好適に防止することができる一方、セ ンサ３２により押圧される手首１０の表面２３にシリコーンゴムシート３６によ る所定厚さの人工皮膚が配設されることとなって痩せた人であってもセンサ３２ の食い込みが好適に得られることから、痩せた人であってもセンサ３２のずれを 好適に防止することができる。

【００１５】 また、本実施例によれば、被検者が毛深くてセンサ３２により押圧される手首 １０の表面２３に比較的多くの毛が存在している場合であっても、その毛がシリ コーンゴムシート３６により覆われた状態でセンサ３２により押圧されることと なり、センサ３２の押圧面３４に設けられた圧力検出素子に毛が直接当たること はないため、被検者が毛深いことに起因してセンサ３２から出力される脈波信号 に影響が及ぼされるのを好適に防止することができる。因みに、圧力検出素子に 毛が直接当たるとその圧力検出素子から出力される脈波信号が実際より大きくな り、これにより、センサ３２の橈骨動脈２８と交差する方向の位置決めやセンサ ３２の最適押圧力の決定などを正確に成し難くなって圧脈波を好適に検出できな くなる場合があるのである。

【００１６】 ところで、上記のようなプローブ１２が病院などにおいて多数の患者に使用さ れる場合には、そのプローブ１２を介して種々の病気が感染するおそれがあるが 、本実施例によれば、プローブ１２はシリコーンゴムシート３６を介して患者に 装着されるため、そのシリコーンゴムシート３６を患者毎に使い捨てするように すれば、プローブ１２からの病気の感染を好適に予防することができる。

【００１７】 次に、本考案の他の実施例を説明する。

【００１８】 図２においては、シリコーンゴムシート３６の一面に複数本の直線状マークが 格子状に表示され且つ各マークを表す文字（たとえばＡ〜Ｎおよびａ〜ｈのアル ファベット文字）がそれぞれ表示されている。このシリコーンゴムシート３６を 用いる場合には、プローブ１２の第１ハウジング１４の少なくとも底部外面（上 面）にも互いに直交し且つ交点がセンサ３２の初期位置を表すようにたとえば一 対の直線状マーク（図示せず）を表示しておく。そして、看護婦等がシリコーン ゴムシート３６を被検者の手首１０の表面２３上に載置した後、圧脈波検出に好 適な橈骨動脈２８の押圧位置をシリコーンゴムシート３６上から触診にて決定し 、その決定位置において互いに交わるシリコーンゴムシート３６の一対の直線状 マーク（Ａ〜Ｎにて示す直線状マークのうちの一つとａ〜ｈにて示す直線状マー クのうちの一つ）にプローブ１２の第１ハウジング１４の前記一対の直線状マー クがその第１ハウジング１４の底部側から見て共に一致するようにプローブ１２ を手首１０に装着するようにすれば、プローブ１２の手首１０に対する位置決め ひいてはセンサ３２の橈骨動脈２８に対する位置決めを一層容易かつ正確に行う ことができる。

【００１９】 以上、本考案の一実施例を図面に基づいて説明したが、本考案はその他の態様 においても適用される。

【００２０】 たとえば、前記実施例では、シリコーンゴムシート３６はプローブ１２と手首 １０の表面２３との間にそのプローブ１２の全体に亘って介在させられているが 、必ずしもその必要はなく、少なくともセンサ３２と手首１０の表面２３との間 に介在させられておれば、センサ３２の押圧による被検者の苦痛を軽減し得かつ 痩せた人であってもセンサ３２のずれを好適に防止できるとともに毛深いことに 起因してセンサ３２から出力される脈波信号に影響が及ぼされるのを好適に防止 できるという本考案の効果を得ることができる。

【００２１】 また、前記実施例では、装着用シートはシリコーンゴムにて構成されているが 、人体と略同様の硬さを有するゴム状弾性体であれば、天然ゴムやウレタンゴム などのシリコーンゴム以外のゴムや樹脂にて構成されてもよい。

【００２２】 また、前記実施例では、シリコーンゴムシート３６は手首１０の表面２３上に 単に載置されるだけであるが、たとえば、装着用シートの皮膚表面と接触させら れる側の面に粘着剤を塗布したり、あるいは、センサ３２が装着される手首１０ がアームレストに固定される場合においてはそのアームレストに装着用シートを バンド等により固定することにより、装着用シートのずれを一層確実に防止する ようにしてもよい。

【００２３】 また、前記実施例において、センサ３２を備えたケーシング２４が装着バンド により手首１０に装着されるように構成される場合や、センサ３２自体が装着バ ンドにより手首１０に装着されるように構成される場合においても、センサ３２ と手首１０の表面２３との間に本考案の装着用シートを介在させることにより本 考案の効果を得ることができる。

【００２４】 また、前記実施例では、センサ３２の押圧面には複数の圧力検出素子が設けら れているが、圧力検出素子が１個だけ設けられている場合においても本考案の効 果を得ることができる。

【００２５】 また、前記実施例では、センサ３２により橈骨動脈２８から圧脈波を検出する 場合について説明したが、橈骨動脈以外の他の動脈、たとえば足背動脈などから 圧脈波を検出する場合であっても本考案の装着用シートを適用し得ることは勿論 である。

【００２６】 その他、本考案はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得る ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の装着用シートの一実施例であるシリコ
ーンゴムシートを用いて被検者に装着される圧脈波検出
用センサを備えたプローブの一例を示す図である。

【図２】本考案の装着用シートの他の実施例を説明する
ための図である。

【符号の説明】

１０ 手首 ２３ 表面 ３２ 圧脈波検出用センサ ３４ 押圧面 ３６ シリコーンゴムシート（装着用シート）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 レオン 愛知県小牧市林2007番１ コーリン電子株 式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 生体の皮膚の表面に押圧状態で装着され
   る圧脈波検出用センサの圧力検出素子が設けられた押圧
   面と該皮膚の表面との間に介在させられる圧脈波検出用
   センサの装着用シートであって、 前記皮膚と略同様の硬さを有するゴム状弾性体にて構成
   されたことを特徴とする圧脈波検出用センサの装着用シ
   ート。