JPH05117000A - 補強セメント硬化体 - Google Patents

補強セメント硬化体

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JPH05117000A
JPH05117000A JP30829491A JP30829491A JPH05117000A JP H05117000 A JPH05117000 A JP H05117000A JP 30829491 A JP30829491 A JP 30829491A JP 30829491 A JP30829491 A JP 30829491A JP H05117000 A JPH05117000 A JP H05117000A
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JP
Japan
Prior art keywords
fiber
ring
reinforcing material
concrete
steel
Prior art date
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Application number
JP30829491A
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English (en)
Inventor
Shoichi Nakano
正一 中野
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分散が簡単で、しかも練り混ぜが能率良く行
え、補強効果に優れている。 【構成】 コンクリートまたはモルタルに、鋼製または
有機質材料からなるリング状の補強材を混入したもので
あり、鋼製材としては、鉄、ステンレス等が用いられ、
有機質材料としては、ビニロン、カーボン繊維、アラミ
ド繊維等である。補強材の大きさは、外径2.0mm〜
50mm、幅0.1mm〜2.0mm、厚さ0.1mm
〜2.0mmの範囲にある。リング形状としては、種々
の形が用いられ、例えば円形、楕円形、方形等である。
特に好ましくは図3に示される如き形状である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリートまたはモ
ルタルに補強材を含有した補強セメント硬化体に関する
もので、更に詳しくはコンクリートまたはモルタルの補
強に有効なリング状の補強材を用いた補強セメント硬化
体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリートまたはモルタルに、
任意の長さに切断した鋼繊維や有機繊維を混入すること
により得られたセメント硬化体の強度を増強することが
行われている。
【0003】一般に繊維はセメント中に分散しにくいの
で、均一に分散させるために種々の方法が考えられてお
り、これらの繊維をセメント硬化体中に分散させるため
の一つの方法に、コンクリートまたはモルタルの練り混
ぜ時にファイバー分散機を用いて繊維を投入する方法が
あり、この方法は分散機を用いているためファイバーボ
ールを発生させることなく短時間で分散することがで
き、練り混ぜを行なうための能率は良い。
【0004】また、別の方法としては、人手によりふる
い等を用いて少しずつ繊維を投入して分散する方法がと
られている。一方、ファイバー分散機を使用しなくても
ファイバーボールの生成を防止する方法として、繊維が
同じ向きに整列されて箱ずめされる梱包方法である、い
わゆる繊維の整列梱包や予め水溶性の接着剤で繊維間を
接着させ混練時にこれが解繊するという方法などが工夫
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
コンクリートまたはモルタルの練り混ぜ時にファイバー
分散機を用いて繊維を投入する方法は、ファイバーボー
ルが発生しない点で好ましいが、分散のためにファイバ
ー分散機を設置する必要があり、その運転、維持・管理
に労力を伴うという問題があり好ましくない。
【0006】また、人手によりふるい等を用いて少しず
つ繊維を投入する方法は、練混ぜ能率が悪いばかりか労
力も多く、この方法は人手によるため一度に多くの繊維
を投入してしまう恐れがあり、この場合にはファイバー
ボールを生じさせることになり問題であった。
【0007】そしてこのようなファイバーボールが生じ
ると、ポンプ施工時にホースの閉塞の原因となったり打
設後の表面の仕上げに支障をきたす原因となる。また、
均一な繊維の分散が得られないことから、補強効果が低
減することにもなる。更に繊維の整列梱包や予め水溶性
の接着剤で繊維間を接着させ混練時にこれが解繊すると
いう方法では、繊維混入率が1体積%程度を超える場合
においては、ファイバーボールを生成することがあり、
したがってファイバー分散機の使用が必要となる場合が
多い。
【0008】なお、繊維長を短くする程ファイバーボー
ルの生成は抑制されるが、繊維長が短くなる程セメント
硬化体との付着が弱まり、補強効果が低下する。以上の
ように、従来の技術では、特に繊維混入率が高い場合、
ファイバー分散機を使用しなければ能率的にファイバー
ボールの生成のない練り混ぜをすることが困難である。
【0009】したがって、本発明は上記の従来の問題点
を解決し、ファイバー分散機等の機材の投入をしなくて
も補強材の分散が確保でき、練り混ぜが能率良く行な
え、補強効果に優れた補強セメント硬化体を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の課題を解決する
ための手段としては、下記の(1)及び(2)の構成要
件からなる発明によって達成される。 (1)コンクリートまたはモルタルに、鋼製または有機
質材料からなるリング状の補強材を混入してなることを
特徴とする補強セメント硬化体。 (2)前記第1項記載のリング状の補強材の大きさは、
外径2.0mm〜50mm、幅0.1mm〜2.0m
m、厚さ0.1mm〜2.0mmであることを特徴とす
る補強セメント硬化体。
【0011】以下に本発明を更に詳細に説明する。本発
明の補強セメント硬化体において、鋼製または有機質材
料からなるリング状の補強材を用いることにより、その
形状効果により練り混ぜ時にファイバーボールのような
固まりを生成することがない。また、セメント硬化体と
の付着を表面の付着力のみで持たせている一般の繊維と
比較して、リング状の補強材は、その形状により物理的
な定着が得られ、補強効果に優れる。
【0012】本発明の補強セメント硬化体に分散される
鋼製または有機質材料からなるリング状の補強材の大き
さが、外径2.0mm〜50mm、幅0.1mm〜2.
0mm、厚さ0.1mm〜2.0mmの範囲にすること
により、ファイバーボールの発生がないことはもちろん
のこと、補強効果が一層良好となるという優れた効果を
奏する。
【0013】本発明において用いられるリング状の補強
材の材料としては、例えば鋼製(例えば鉄、ステンレス
等その種類は問わない)の他に有機質材料が用いられ
る。この有機質材料の種類としては特に制限はなく、ビ
ニロン、カーボン繊維、アミラド繊維等の弾性係数数の
高い材料等を用いることができる。
【0014】またリング形状としては、円形、楕円形、
方形、三角形が単独で用いられるか、または円、楕円
形、方形を二つ以上連ねた形状、更にはクリップ形状、
バネ形状等が挙げられる。これらのうち特に好ましいも
のは、円形、楕円形、方形、八の字形であり、製造上好
ましい形状は管を輪切りにした形状のものである。
【0015】本発明に用いられるリング形状は、図1〜
図7に示されるように各種の形状のものである。図1
は、円形の補強材を表す側面図であり、1は円形のリン
グである。図2は、図1の円形の補強材の側断面図を表
し、断面は円形11である。この断面円形のものは、ワ
イヤーを円形にして形成することができる。
【0016】図3は、管を輪切りにしたリング2の斜視
図の略図を表し、側面が円形で円の断面は方形をしてい
る。即ち管を輪切りにして形成されるもので、外径に対
して幅は最大約2mmが好ましい。図4は楕円の補強材
3を表す側面図である。図5は、図4の補強材を表す側
断面図であり、断面は円形31である。図6は、図4の
別の形態の補強材を表す側断面図であり、断面は方形3
2である。図7は、八の字形状の補強材4を表す側面図
である。
【0017】リング状の補強材の大きさは、外径2.0
mm〜50mmであり、好ましくは5.0mm〜30m
mである。外径が2.0mmより小さいと十分な補強効
果が得られない。また外径が50mmより大きいと補強
材の添加量の割りには補強効果が得られず、打設時にお
いてコンクリートまたはモルタルの成形性が不良とな
り、仕上げ作業等の作業性が低下する。
【0018】またリング状の補強材において、幅0.1
mm〜2.0mm、厚さ0.1mm〜2.0mmの範囲
が好ましく、それぞれ0.1mmより小さいときは、十
分な補強効果が得られない。それぞれ2.0mmを越え
ると、補強材の添加量の割りには補強効果が得られな
い。
【0019】セメントまたはモルタル等のマトリックス
に加えられるリング状の補強材は、通常は1種類のみを
用い、その大きさが同じものが使用されるが、異なる大
きさのものを混合して用いてもよい。更にリング状の補
強材は、大きさや材質の異なる数種類を混ぜて使用する
ことができる。
【0020】セメントまたはモルタル等のマトリックス
に添加するリング状の補強材の混入量はコンクリートま
たはモルタルの体積の0.2体積%〜3.0体積%が好
ましく、0.2体積%未満では曲げ強度の向上効果が認
められず、3.0体積%を超えると打設、仕上げ作業等
の作業性が低下する。
【0021】なお、本発明において、マトリックスとな
るコンクリートまたはモルタルは、セメント、骨材及び
水の必須成分の他、更に必要に応じて膨張材、フライア
ッシュ、シリカフューム、スラグ粉末、減水剤、AE
剤、AE減水剤等の任意成分を含むものであり、設計条
件、施工条件により、任意に配合割合を選定することが
できる。本発明に用いられるセメント硬化体は、通常の
用途に用いられるが、特に道路舗装用コンクリート、法
面吹きつけモルタル、トンネル吹きつけコンクリート等
に用いることが好ましい。
【0022】
【作用】コンクリートまたはモルタルの練り混ぜ時に投
入される鋼製または有機質材料からなる補強材がリング
状をしているため、混合分散下でファイバーボールが形
成されないので、ファイバー分散機を使用しなくても補
強材の分散性が良く練り混ぜが能率良く行なえ、その結
果補強効果に優れた補強セメント硬化体が得られる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。
【0024】実施例 コンクリート材料として、普通ポルトランドセメント、
最大寸法20mm砕石、山砂、AE減水剤及び水を使用
し、容量55リットルの強制攪拌式ミキサを用いて表1
に示す配合割合でコンクリートの練り混ぜを行った後、
表1に示す割合(コンクリートに対する体積%)で下記
鋼製のリング状の補強材または比較用の従来型鋼繊維を
人力により連続投入しながらさらに1分間練り混ぜた。
【0025】A:鋼製のリング状の補強材(外径2m
m、幅0.1mm、厚さ0.1mm) B:鋼製のリング状の補強材(外径10mm、幅0.5
mm、厚さ0.5mm) C:鋼製のリング状の補強材(外径30mm、幅2m
m、厚さ2mm) D:従来型鋼繊維(せん断ファイバー:0.5×0.5
×30mm)
【0026】
【表1】
【0027】練り混ぜ直後、練り板上にコンクリートを
取り出してファイバーボール等の固まりの有無を観察し
た。また、得られたコンクリートにより10cm×10
cm×40cmの補強セメント硬化体の角柱供試体を作
製し、材令28日において曲げ強度試験を実施した。試
験結果を表2に示す。
【0028】
【0029】表2より明らかなように、本発明の如く、
No.2〜No.6、No.8、No.9及びNo.1
1の実施例では、リング状の補強材はファイバーボール
のような固まりを生成せず、比較例のNo.1の補強材
を用いないコンクリートに比べて曲げ強度が著しく優れ
ていることが明らかである。
【0030】また比較例のNo.10のように従来の補
強材を用いたものでは、分散性が不良で、ファイバーボ
ールが発生していることがわかる。本発明では、コンク
リートの代わりにモルタルを使用した場合でも、同様に
優れた効果を奏するものが得られた。
【0031】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の補強セメン
ト硬化体によれば、補強コンクリートまたは補強モルタ
ルの練り混ぜにおいて、ファイバー分散機等の機材の投
入をしなくても補強材の分散性が良く、練り混ぜが能率
良く行なえ、補強効果に優れた補強セメント硬化体が提
供される。
【0032】本発明の補強セメント硬化体によれば補強
コンクリートまたは補強モルタルの練り混ぜにおいて、
ファイバー分散機等の機材の投入をする必要がないこと
から、装置の設置、維持・管理における労力が低減さ
れ、工業的に極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円形の補強材を表す側面図である。
【図2】図1の円形の補強材を表す側断面図である。
【図3】本発明の別の実施態様である補強材を表す斜視
図を表し、側面が円形で円の断面は方形をしている。
【図4】本発明の楕円の補強材を表す側面図である。
【図5】図4の補強材の側断面図を表す。
【図6】図4の別の形態の補強材を表す側断面図であ
る。
【図7】本発明の八の字形状の補強材を表す側面図であ
る。
【符号の説明】
1 円形のリング 11 円形のリングの断面形状 2 管を輪切りにした形状 3 楕円形のリング 31、32 楕円形のリングの断面形状 4 リングを連ねた形状(8の字形状)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリートまたはモルタルに、鋼製ま
    たは有機質材料からなるリング状の補強材を混入してな
    ることを特徴とする補強セメント硬化体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のリング状の補強材の大き
    さは、外径2.0mm〜50mm、幅0.1mm〜2.
    0mm、厚さ0.1mm〜2.0mmであることを特徴
    とする補強セメント硬化体。
JP30829491A 1991-10-29 1991-10-29 補強セメント硬化体 Pending JPH05117000A (ja)

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Cited By (2)

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JP2016132579A (ja) * 2015-01-16 2016-07-25 戸田建設株式会社 繊維補強コンクリート
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Effective date: 19941206