JPH05116263A - 弾性ポリエステル積層体 - Google Patents

弾性ポリエステル積層体

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JPH05116263A
JPH05116263A JP28441491A JP28441491A JPH05116263A JP H05116263 A JPH05116263 A JP H05116263A JP 28441491 A JP28441491 A JP 28441491A JP 28441491 A JP28441491 A JP 28441491A JP H05116263 A JPH05116263 A JP H05116263A
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JP
Japan
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polyester
laminate
lactone compound
crystalline aromatic
continuously
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Pending
Application number
JP28441491A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Ishii
博光 石井
Hidetoshi Sakai
秀敏 坂井
Motonori Hiratsuka
元紀 平塚
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高粘度の弾性ポリエステル積層体を短時間で得
ることによって、機械的性質と熱安定性に優れ、かつ異
物の混入が極めて少ない弾性ポリエステル積層体を効率
的に製造する。 【構成】結晶性芳香族ポリエステルとラクトン化合物を
連続的に付加重合させ、次いで連続的に積層成形してな
ることを特徴とする弾性ポリエステル積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は結晶性芳香族ポリエステ
ルをハードセグメントとし、ポリラクトンをソフトセグ
メントとする弾性ポリエステル積層体に関するものであ
る。更に詳しくは、機械的性質と熱安定性に優れ、かつ
異物の混入が極めて少ない効率的な製造方法により得ら
れる弾性ポリエステル積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレートのような結
晶性芳香族ポリエステルがハードセグメントを構成し、
ポリラクトンがソフトセグメントを構成するポリエステ
ルポリエステルタイプのブロック共重合体は、引張強
度、衝撃強度、屈曲疲労性、耐熱劣化性に優れた熱可塑
性エラストマとして、射出成形あるいは押出成形などの
加工方法により、自動車部品、電気・電子部品、機械部
品などに広く使用されている。このポリエステルポリエ
ステルブロック共重合体の弾性ポリエステルは、結晶性
の芳香族ポリエステルとラクトン化合物とを反応槽中で
溶融混合して反応させることによって製造されており、
特公昭48−4116号公報、特公昭52−49037
号公報、特公昭52−49037号公報、特開昭61−
281124号公報、特開昭61−283619号公
報、特開昭61−287922号公報、特開昭62−2
0525号公報、特開昭62−27425号公報、特開
昭62−53336号公報などに開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
知例の製造方法では、反応時間が長いため、経済的に劣
ることと、この方法で得られた弾性ポリエステルから積
層体を製造するには、ポリマチップを積層用成形機に投
入して再溶融して、積層体を成形する必要があるため、
ハ−ドセグメントを構成する芳香族ポリエステルとソフ
トセグメントを構成するポリラクトンがエステル交換反
応により一部ランダム化し、耐熱性や機械強度の劣った
積層体となってしまうという問題点を有していた。さら
には、重合、冷却、カッティング、乾燥工程で異物が混
入する問題点およびポリエステルポリエステルブロック
共重合体は静電気を帯びやすいためカッティング、乾
燥、積層用成形機投入工程でホコリなど異物が混入する
問題点を有していた。よって、本発明は、上記問題点を
解決し、高品質の安定した弾性ポリエステル積層体を効
率的に得ることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、結晶性
芳香族ポリエステルとラクトン化合物を連続的に付加重
合させ、次いで連続的に積層成形してなる弾性ポリエス
テル積層体を提供するものである。
【0005】上記弾性ポリエステルとは、結晶性ポリエ
ステルとラクトン化合物を付加重合せしめてなるポリエ
ステルポリエステルブロック共重合体である。
【0006】本発明において、結晶性芳香族ポリエステ
ルとは、主たる繰り返し単位中に少なくとも1種の芳香
族基とエステル結合を有する重合体であり、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、
ポリエチレン2,6−ナフタレート、ポリブチレン2,
6−ナフタレートなどが挙げられるが、これらのポリエ
ステルの混合物や、これらのポリエステルにさらにイソ
フタル酸単位、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸
などの脂肪族ジカルボン酸単位、p−オキシ安息香酸単
位などが共重合された共重合ポリエステルも挙げること
ができる。なかでも、ポリブチレンテレフタレートは、
結晶性に優れており特に好ましい。
【0007】本発明において、ラクトン化合物とは、ε
−カプロラクトン、エナントラクトン、カプリロラクト
ンなどが挙げられ、またこれらの混合物を用いることも
できる。なかでも、結晶性芳香族ポリエステルとの反応
性や得られるポリエステルポリエステルブロック共重合
体の弾性特性から、ε−カプロラクトンが好ましい。本
発明で使用されるポリエステルポリエステルブロック共
重合体における結晶性芳香族ポリエステルとラクトン化
合物の組成比は、得られるポリエステルポリエステルブ
ロック共重合体の機械的性質から、結晶性芳香族ポリエ
ステル/ラクトン化合物の重量比で、99/1〜20/
80が好ましく、特に好ましくは、98/2〜30/7
0である。
【0008】本発明では触媒は特に必要ではないが、反
応促進のために有機スズ化合物およびリン化合物を用い
ることができる。
【0009】本発明で使用する有機スズ化合物として
は、例えばモノアルキルスズ化合物、モノアリールスズ
化合物、ジアルキルスズ化合物、ジアリールスズ化合
物、トリアルキルスズ化合物、トリアリールスズ化合
物、テトラアルキルスズ化合物などが用いられる。これ
らのなかで特に、モノブチルモノヒドロキシスズオキシ
ド、モノブチルスズトリアセテート、モノブチルスズモ
ノオクチレート、モノブチルスズモノアセテート、モノ
フェニルスズトリアセテートなどのモノアルキルもしく
はモノアリールスズ化合物やジブチルスズオキシド、ジ
ブチルスズジクロリド、ジブチルスズジラウレート、ジ
ブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、ジ
フェニルスズオキシドなどのジアルキルもしくはジアリ
ールスズ化合物が有効であり、好ましく用いられる。ス
ズ化合物の添加量はスズ原子の量としてポリエステルポ
リエステルブロック共重合体の弾性ポリエステルに対し
て0.001〜0.5重量%が好ましく、さらに0.0
02〜0.3重量%が特に好ましい。
【0010】有機スズ化合物の添加方法は、結晶性芳香
族ポリエステルの製造時に予め添加しておく方法、結晶
性芳香族ポリエステルとラクトン化合物を反応器に供給
する際に添加する方法などが採用される。
【0011】リン化合物としては、リン酸、亜リン酸、
ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸エステル、亜リン酸
エステル、ホスホン酸エステル、ホスフィン酸エステル
などの5価のリン化合物類およびホスフィニック酸、ホ
スフィナアウス酸、ホスフィン、ホスホナイト、ホスフ
ィナイト、ホスファイトなどの3価のリン化合物類さら
には異種元素を含むリン化合物類、ビニル基を有するリ
ン化合物類、ポリリン化合物類を挙げることができる。
【0012】これらのリン化合物の中でも5価のリン化
合物およびホスファイト系リン化合物が好ましく用いら
れる。上記リン化合物の添加量は、スズ原子1個当た
り、リン原子0.5個以上、特に好ましくは1.0個以
上用いるのが効果的である。
【0013】リン化合物の添加方法は、特に制限はな
く、結晶性芳香族ポリエステルの製造時に予め添加して
おく方法、結晶性芳香族ポリエステルとラクトン化合物
を反応器に供給する際に添加する方法、付加重合反応後
弾性ポリエステルに添加する方法などが採用される。
【0014】また本発明の弾性ポリエステル積層体に
は、本発明の目的を損なわない範囲で、公知のヒンダー
ドフェノール系、チオエーテル系、アミン系などの酸化
防止剤、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系などの
耐候剤、含フッ素系ポリマ、シリコーンオイル、ステア
リン酸金属塩、モンタン酸金属塩、モンタン酸エステル
ワックス、ポリエチレンワックスなどの離型剤、エポキ
シ化合物、カルボジイミド化合物、ビスオキサゾリン化
合物、アシルラクタム化合物、イソシアネート化合物の
ような増粘剤、染料や顔料などの着色剤、酸化チタン、
カーボンブラックなどの紫外線遮断剤、ガラス繊維やカ
ーボンファイバー、チタン酸カリファイバーなどの強化
剤、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、ガラスビーズなどの充填剤、タルクなどの核剤、難
燃剤、可塑剤、接着剤、接着助剤、粘着剤などを任意に
含有せしめることができる。さらに、本発明の弾性ポリ
エステルの機械的強度を向上する目的で他の熱可塑性ポ
リマや熱可塑性エラストマを含有させることもできる。
これらの添加剤やポリマは、結晶性芳香族ポリエステル
とラクトン化合物の付加重合反応前に配合しておいても
良いし、付加重合反応後の弾性ポリエステルに配合して
も良い。
【0015】本発明において連続的に付加重合させる方
法は、1基以上の押出機を用いて連続的に付加重合する
方法が好ましく、押出機としては単軸押出機,2軸押出
機,ミキサータイプ押出機,ニーダータイプ押出機など
が挙げられる。結晶性芳香族ポリエステルとラクトン化
合物の供給方法は特に限定されないが、(1)固体状態
の結晶性芳香族ポリエステルとラクトン化合物を同時に
供給口から供給する方法、(2)固体状態の結晶性ポリ
エステルを供給口から、ラクトン化合物をベント口から
供給する方法、(3)溶融状態の結晶性芳香族ポリエス
テルとラクトン化合物を同時に供給口から供給する方
法、(4)溶融状態の結晶性ポリエステルを供給口か
ら、ラクトン化合物をベント口から供給する方法、
(5)結晶性ポリエステルとラクトン化合物をあらかじ
め溶融混合後供給する方法などを採用することができ
る。押出機内で付加重合させる条件としては、210〜
280℃、好ましくは215〜270℃の温度で、押出
機内の滞留時間は1〜30分、好ましくは1.5〜20
分である。さらに、付加重合で得られたポリマ中に存在
するラクトン化合物モノマを除去する方法としては、
(1)付加重合で使用している押出機の先端にベント口
を設け、50Torr以下、好ましくは10Torr以
下の真空度でラクトン化合物モノマを除去する方法、
(2)付加重合で得られたポリマを固体ないしは溶融状
態でベント口を有する押出機に供給して、ポリマの融点
以上の温度、ベント口の真空度50Torr以下、好ま
しくは10Torr以下でラクトン化合物モノマを除去
する方法などが挙げられる。
【0016】本発明の弾性ポリエステル積層体を連続的
に積層成形する方法は特に限定されないが、従来からの
既知の方法を採用することができる。(1)上記の押出
機から溶融状態でダイスを通してシート状、管状、丸棒
状などに成形物を得た後、プラスチック成形品、プラス
チッククロス製品、繊維製品、金属製品、天然材料など
の表面に重ね合わせるかこれらの材料の層間に介在させ
る方法。あるいは溶融、加圧その他の手段により積層一
体化させる方法。(2)2基以上の押出機を用いて
(1)と同様方法により積層一体化させる方法。(3)
2基以上の押出機を用いて、少なくとも1基以上の押出
機に共重合組成の異なる弾性ポリエステルあるいは異種
のプラスチック製品を投入して(1)と同様方法により
積層一体化させる方法が挙げられる。(4)2基以上の
押出機を用いて、少なくとも1基以上の押出機に共重合
組成の異なる弾性ポリエステルあるいは異種のプラスチ
ック製品を投入してシート状、管状、丸棒状などの積層
体を得る方法。また、得られた積層体を続いて2軸延伸
しても良い。2軸延伸の方法は、縦、横逐次延伸または
2軸同時延伸のいずれでもよく、延伸倍率は特に限定さ
れるものではないが、通常は2〜5倍が適当である。ま
た、縦、横の延伸倍率の変更は任意であり、延伸後に
縦、横方向のいずれかに再延伸してもかまわない。
【0017】
【作用】本発明では、結晶性芳香族ポリエステルとラク
トンを連続的に付加重合させ、次いで連続的に積層成形
することにより、高粘度の弾性ポリエステル積層体が短
時間で得られるため、機械的性質と熱安定性に優れ、か
つ異物の混入が極めて少ない、高品質の弾性ポリエステ
ル積層体が効率的に得られる。
【0018】
【実施例】以下に実施例によって本発明の効果を説明す
る。なお、実施例中の%および部とは、ことわりのない
場合すべて重量基準である。また、相対粘度(ηr)と
は、oークロルフェノールを溶媒とし、0.5%のポリ
マ溶液を25℃で測定した値である。実施例、比較例中
に示される物性は次のように測定した。
【0019】試験片:得られた積層体中の弾性ポリエス
テルを切削加工によりJIS2号ダンベルに加工した。
【0020】溶融粘度指数(MI値):積層体中の弾性
ポリエステルを切削加工後、ASTM D−1238に
従って、温度240℃、荷重2160gで測定した。
【0021】表面硬度:上記のJIS2号ダンベルを用
い、ASTM D−2240法に従って、表面硬度を測
定した。
【0022】引張強度と伸び:上記のJIS2号ダンベ
ルを用い、ASTM D−638法に従って、引張強度
と伸びの機械的性質を測定した。
【0023】融点:約5mgの積層体中の弾性ポリエス
テルを10℃/分の昇温速度でDSC(差動走査熱量
計)により測定した。
【0024】実施例1 振動フィダーを使用して相対粘度が1.52のポリブチ
レンテレフタレートのペレット100部、モノブチルモ
ノヒドロキシスズオキサイドの有機スズ化合物を0.0
3部、トリフェニルホスファイトのリン化合物を0.0
8部混合したペレットを15kg/hで、日本製鋼所製
2軸同方向回転噛み合い型押出機TEX44H(内径4
7mmφ、L/D=40)の供給口に供給し、またε−
カプロラクトン5kg/hを定量ポンプで同TEX44
Hの供給口に連続的に供給した。図1は日本製鋼所製2
軸同方向回転噛み合い型押出機TEX44H(内径47
mmφ、L/D=40)の全体説明図であり、この押出
機は押出部8および吐出部9から構成され、押出部8に
は供給口1とベント口4が設けられ、押出部のベント口
4側末端には吐出部9が設置され、吐出部9にはダイス
部2が設けられ、押出機8全域に亘って回転軸7が貫通
している。図2は押出部8の一部切開拡大説明図であ
り、回転軸7には、ベント口4から中間部にかけて、多
数の凸レンズ型あるいはおにぎり型のニーディングパド
ル6、供給口1から中間部までとベント口4から吐出部
9まではスクリュー型パドル5が設けられている。図3
および図4はそれぞれスクリュー型パドル5およびニー
ディングディスクパドル6の断面説明図である。また、
このTEX44Hのシリンダー部は12等分された12
個の電気ヒーター(図示せず)で加熱制御されており、
供給口に近い方から、240℃、250℃、250℃、
250℃、250℃、250℃、250℃、250℃、
250℃、250℃、230℃、230℃、またダイス
部2を230℃に設定し、スクリュー回転数70rpm
で付加反応を行った。この時、供給口1からカーボンブ
ラック粉末を添加し、平均滞留時間を測定したところ4
分であった。次に、ダイス部2を経て溶融ポリマを厚さ
約2mmのシート状に押出、下方ロールと上方ロールが
60℃に温調されている隙間約4mmの2個のロールを
通した。その時、同時に厚さ2mmの東レ・デュポン
(株)熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマ“ハイ
トレル”4057のシートを上記溶融シートの下層にな
るようにロールを通し、冷却後、巻取機に巻取り、幅3
0cm、厚み4mmの弾性ポリエステル積層体(A−
1)を得た。
【0025】実施例2〜5 スクリュー回転数40rpm、平均滞留時間8分の他は
上記の(A−1)と同じ条件で、有機スズ化合物を添加
していない弾性ポリエステル積層体(A−2)、リン化
合物を添加していない弾性ポリエステル積層体(A−
3)、有機スズ化合物の変わりにテトラブチルチタネー
トを0.03部添加した弾性ポリエステル積層体(A−
4)、同様に三酸化アンチモンを0.03部添加した弾
性ポリエステル積層体(A−5)を得た。
【0026】比較例1〜2 相対粘度が1.52のポリブチレンテレフタレートのペ
レット75部、ε−カプロラクトン25部をヘリカルリ
ボン攪拌翼を備えた反応器に仕込み、Nパージして、
250℃で20分間加熱攪拌して付加重合を行い、反応
器からガット状に水中に吐出し、カッターを通してペレ
ット化した。次いで、このペレットを真空乾燥した後、
230℃に加熱された口径45mmφ、L/D=25の
単軸押出機から実施例1と同じく、ダイスを経て溶融ポ
リマをシート状に押出、、実施例1と同じ方法で弾性ポ
リエステル積層体(A−6)を得た。また、反応器中の
反応時間を60分間行った弾性ポリエステル積層体(A
−7)を得た。
【0027】上記の実施例1〜5と比較例1〜2で得ら
れた弾性ポリエステルの融点、溶融粘度指数(MI)、
機械的性質を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1から、重合槽で得られた比較例1(A
−6)の弾性ポリエステル積層体は反応時間が短いため
弾性的なポリエステル積層体が得られていない。同じく
重合槽で得られた比較例2(A−7)の弾性ポリエステ
ル積層体は長い反応時間を要し、さらに弾性ポリエステ
ル積層体に積層成形するため、再溶融されることにより
融点の低下が認められ、熱安定性に劣る。したがって、
実施例1〜5(A−1〜A−5)の本発明の弾性ポリエ
ステル積層体は機械的性質と熱安定性に優れ、連続的か
つ短時間に得られることが明白である。また、有機スズ
化合物とリン化合物を併用した実施例1(A−1)の弾
性ポリエステル積層体は、さらに短時間で機械的性質と
熱安定性に優れた弾性ポリエステル積層体が得られるこ
とが明らかである。
【0030】実施例6 相対粘度1.52のポリブチレンテレフタレート100
部、モノブチルモノヒドロキシスズオキサイドの有機ス
ズ化合物を0.03部、トリフェニルホスファイトのリ
ン化合物を0.08部混合したペレットを12kg/h
で、ε−カプロラクトンの供給量を8kg/hで連続的
に供給し、実施例1と同様に付加重合と積層成形を行
い、弾性ポリエステル積層体(A−8)を得た。得られ
たポリマの融点は183℃、表面硬度50D、引張強度
30MPa、伸び550%を示した。このことから、硬
さの異なる弾性ポリエステル積層体も実施例1と同様に
得られることが明白である。
【0031】実施例7〜8 相対粘度1.33のポリエチレンテレフタレート100
部、モノブチルモノヒドロキシスズオキサイドの有機ス
ズ化合物を0.03部、トリフェニルホスファイトのリ
ン化合物を0.08部混合したペレットを15kg/h
で、ε−カプロラクトンの供給量を5kg/hで連続的
に供給し、シリンダー温度を260℃、ダイス温度を2
35℃に設定して、実施例1と同様に付加重合と積層成
形を行い、弾性ポリエステル積層体(A−9)を得た。
また、縦、横方向に100℃で3倍に2軸延伸した延伸
積層体(A−10)を得た。さらに、得られた延伸積層
体を100℃で熱処理して、表2に示す物性を得た。
【0032】
【表2】
【0033】表2から結晶性芳香族ポリエステルとして
ポリエチレンテレフタレートを用いても実施例1と同様
に得られることが明白である。また、延伸することによ
り弾性率の高い積層体も得られる。
【0034】
【発明の効果】本発明は、結晶性芳香族ポリエステルと
ラクトン化合物の弾性ポリエステル積層体を得る方法に
おいて、連続的に付加重合することによって、付加重合
反応時間が大幅に短縮されるため、公知の反応器以外の
押出機のような簡略化された装置で容易に連続的に安定
した弾性ポリエステルが得られ、その押出機に積層用装
置を取り付けることにより再溶融することなく、異物の
極めて少ない弾性ポリエステル積層体が効率的に得るこ
とができる。また、熱安定性に優れることからリサイク
ル性にも優れることが期待でき、高品質の積層体が安定
して成形できる熱可塑性エラストマ積層体として弾性ポ
リエステルの用途が拡大されることが予想される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた2軸押出機の全体説明
図を示す。
【図2】図1の2軸押出機の吐出部と中央部の切開拡大
説明図を示す。
【図3】図2に示す吐出部のスクリュー型パドルの断面
説明図を示す。
【図4】図2に示すニーディングディスクパドル6の断
面説明図を示す。
【符号の説明】
1 供給口 2 積層成形用ダイス部 3 吐出口 4 ベント口 5 スクリュー型パドル 6 ニーディングディスクパドル 7 回転軸 8 押出部 9 吐出部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性芳香族ポリエステルとラクトン化合
    物を連続的に付加重合させ、次いで連続的に積層成形し
    てなる弾性ポリエステル積層体。
  2. 【請求項2】付加重合を有機スズ化合物およびリン化合
    物の存在下で行うことを特徴とする請求項1記載の弾性
    ポリエステル積層体。
JP28441491A 1991-10-30 1991-10-30 弾性ポリエステル積層体 Pending JPH05116263A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5869582A (en) * 1997-01-22 1999-02-09 Alliedsignal Inc. Diblock polyester copolymer and process for making
JPWO2007072642A1 (ja) * 2005-12-21 2009-05-28 ダイセル化学工業株式会社 ポリエステル系樹脂組成物及び成形体

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