JPH05115475A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JPH05115475A
JPH05115475A JP3286209A JP28620991A JPH05115475A JP H05115475 A JPH05115475 A JP H05115475A JP 3286209 A JP3286209 A JP 3286209A JP 28620991 A JP28620991 A JP 28620991A JP H05115475 A JPH05115475 A JP H05115475A
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JP
Japan
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time shift
point
partial area
time
signal
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Withdrawn
Application number
JP3286209A
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English (en)
Inventor
Takuya Noda
拓也 野田
Atsuo Iida
安津夫 飯田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05115475A publication Critical patent/JPH05115475A/ja
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  • Length Measuring Devices Characterised By Use Of Acoustic Means (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、超音波による被検体の断層像を表示
する超音波診断装置に関し、被検体内に例えば脂肪層等
の音速の不均一な部分が存在しても正しく受信フォーカ
スさせる。 【構成】受信信号の時系列的な第1の一部領域内におい
て、例えばピーク値の存在する点等の特徴点を求め、該
特徴点に基づいて受信信号の時系列的な第2の一部領域
を切り出し、この切り出された第2の一部領域内の受信
信号に基づいて遅延手段により遅延された後の受信信号
の相対的な時間ずれを求め、この求められた相対的な時
間ずれを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波による被検体内
の断層像を表示する超音波診断装置に関し、特に被検体
内の音速の不均一性を補正する機能を有する超音波診断
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被検体内に超音波を送信し被検体内の組
織で反射して戻ってきた超音波を受信して受信信号を
得、この受信信号に基づいて被検体内の断層像を表示す
ることにより内臓等の疾患の診断に供する超音波診断装
置が用いられており、この超音波診断装置ではいわゆる
受信フォーカスの手法が用いられている。
【0003】図6は、この受信フォーカスの手法の説明
図である。所定の方向(図6の左右方向)に並んだn個
の電気音響変換素子(以下単に「素子」と呼ぶ)E1,
E2,…,Ei,…,Enに電気信号を与えると、これ
らの各素子E1,E2,…,Ei,…,Enで超音波に
変換され、この超音波が被検体内に向けて送信される。
【0004】ここでこの超音波が、多数の素子E1,E
2,…,Ei,…,Enの中央0から被検体内に延びる
垂線上のa点で反射された場合について考察する。a点
からの反射波は、a点からの距離の遠い端部側にある素
子E1とa点からの距離の近い中央側にある素子Eiと
を比べると、遠くにある素子E1よりも近くにある素子
Eiに先に到達する。この到達の時間差はa点から素子
E1,Eiまでの距離をそれぞれL1,Liとしたとき
の距離差ΔL=L1−Liだけ超音波が進む時間とな
る。ここで仮に被検体内の音速が均一であると仮定し、
この音速をCとすると、この時間差はΔL/Cで表わさ
れる。このようにa点と各素子E1,E2,…,Ei,
…,Enとの間の各距離どおしに各距離差があるため、
該各距離差を各時間に換算し、各素子E1,E2,…,
Ei,…,Enで得られた各受信信号を各時間差に相当
する分だけ遅延させることによりこれらの受信信号の到
達時刻を互いに揃える整相処理が行われ、これによりa
点で反射された超音波に対応する受信信号を強調するこ
と、即ちa点に受信の焦点を結ばせることが可能とな
る。被検体内の深い位置で反射された超音波ほど各素子
に遅れて到達するため、各素子E1,E2,…,Ei,
…,Enで得られた各受信信号に対する各遅延量を順次
変化させながら互いに加算することにより、a点のみで
なく該a点を含め中央0から被検体内に延びる垂線上の
各点に連続的に焦点を合わせるいわゆるダイナミックフ
ォーカスを行うこともできる。この垂線は走査線と呼ば
れ、各受信信号に対する各遅延量を変化させることによ
り、この走査線を電気音響変換素子E1,E2,…,E
i,…,Enの並ぶ方向(図6の左右方向)に平行に移
動させるいわゆるリニア走査やこの走査線を扇状に偏向
させるいわゆるセクタ走査を行うこともでき、これによ
り被検体内の2次元的な断層像を得ることができる。さ
らに図6の紙面に垂直な方向にも電気音響変換素子を配
列すること等によりこの配列方向にも走査して3次元立
体像を得ることができることも知られている。
【0005】ところが人体内には脂肪層や筋肉、その他
種々の組織が存在し、特に脂肪層においては他の組織と
比べ音速が異なることが知られている。図7は、音速が
不均一の場合の受信フォーカスを示した図である。この
図7に示すように、例えば人体の腹部の肝臓の診断を行
う場合において、体表近傍には音速が約1470m/s
ecの比較的音速の遅い脂肪層が存在し、その下に音速
約1540m/secの筋肉層が存在し、さらにその下
部に同じく音速が約1540m/secの肝臓が存在す
る。また、脂肪層は筋肉内や肝臓内に沈着する場合もあ
る。
【0006】このように被検体内に音速の異なる部分が
あると、音速が均一であるという仮定の下に定めた各遅
延量を各受信信号に与えても、図7に示すように各受信
信号の到達時刻は揃わず、したがってこれらの各受信信
号を全て加算してもa点に焦点のあった信号とはならず
に断層像がボケてしまう結果となる。ここではこの各受
信信号の到達時刻のずれを「時間ずれ」と称することと
する。しかもこの脂肪層の厚さは人により異なるため、
各受信信号に対する各遅延量を一律に補正することはで
きない。
【0007】これを解決する方法として、相互相関演算
を用いる方法([1]米国特許公報USP481761
4号、[2]S.W.FLAX AND M.O’DO
NNEL,”Phase−Aberration Co
rrectionUsing Signals Fro
m Point Reflectors andDif
fuse Scatterres:Basic Pri
nciples” IEEE TRANSACTION
ON ULTRASONICS,FERROEL E
CTRICS, AND FREQUENCY CON
TROL, VOL35,NO.6, NOVEMBE
R 1988, p758〜p767 参照)が知られ
ている。
【0008】図8は、相互相関法を用いた時間ずれを補
正する方法の説明図である。ここでは先ず被検体内の音
速が均一であると仮定した上で各受信信号に各遅延量を
与え、この各遅延量を与えた後の各受信信号の一部を相
関計算領域として切り出し、この相関計算領域内の各受
信信号に基づいて以下のようにして時間ずれが求められ
る。即ち、この切り出された各受信信号のうち、互いに
隣接する2つの受信信号間で相互相関演算が行われ、求
められた相互相関関数のピーク値の存在する位置から隣
接素子間の時間ずれΔτが求められる。
【0009】この時間ずれΔτが互いに隣接する2つの
受信信号の全てについて求められ、この求められた各時
間ずれΔτが例えば図の1番左側の素子に対応する受信
信号の到達時刻を基準にして順次積算され、これにより
基準の受信信号に対する他の受信信号の各時間ずれΔt
が求められ、この各時間ずれΔtが補正されるように各
受信信号に対する各遅延量が変更され、これにより、全
ての素子の受信信号の到達時刻を揃えることができるこ
ととなる。
【0010】尚、従来提案されている各受信信号の時間
ずれを検出する方法としては、上記の相互相関法のほか
直交検波法と呼ばれる方法も知られている([3]米国
特許公報USP4835689号参照)。この直交検波
法では受信信号間の狭義の時間ずれの代わりに受信信号
間の位相差が求められるが、本発明はこの時間ずれの検
出方法に依存するものではないため、ここでは「時間ず
れ」は広義に解釈し「位相差」も含むものとする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記[1]、[2]、
[3]の各文献に示されるように被検体内の音速不均一
の問題についての解決方法が提案されているが、走査線
の近傍に超音波を強く反射する強度反射体が存在する場
合に問題が残り、本出願人によりその解決方法が提案さ
れている。
【0012】図9は、走査線近傍に強い反射体が存在す
る場合に生じる問題を説明するための図である。走査線
上の点Aの近傍に強い反射体Bが存在し、また各受信信
号には、被検体内の音速が均一であると仮定した場合の
各遅延量が与えられているものとする。このとき各受信
信号は点Aからの反射波に起因する信号成分と点Bから
の反射波に起因する信号成分とが混合されたものとな
り、点Bからの反射波に起因する信号成分は、点Bは現
在焦点を合わせようとしている点Aに対し斜めの位置に
あるため、図に示すように直線状に傾斜するように時間
ずれが生ずることとなる。ここで、脂肪層等音速の不均
一な部分が存在することに起因する時間ずれを補正する
ために、図に示す時間ずれ検出領域内の信号を用いて例
えば前述した相互相関法等により時間ずれを検出する
と、点Bに存在する強い反射体からの反射波に起因する
信号成分が支配的な場合、この信号成分で時間ずれが検
出されてしまい、その結果走査線が点Bの方向に偏向さ
れるように各受信信号に対する各遅延量が補正され、こ
のように補正された受信信号に基づいて得られた断層像
上の点Aの位置に点Bの反射体が存在するかのような虚
像が現われてしまう結果となる。
【0013】この問題を解決する方法として、点Bから
の反射波に起因する信号成分は図9に示すような直線的
な傾斜をもつことを考慮し、このような傾斜した直線状
の時間ずれが検出された場合には、この直線を基準とし
て、検出された時間ずれのこの直線からの偏差を新たな
時間ずれとして検出する方法が本出願人により提案され
ている(特願平3−66105号 3月29日出願 参
照)。
【0014】ここで、時間ずれ検出領域内の全ての受信
信号に強い反射体Bに起因する信号成分が含まれている
場合は、上記提案に係る方法により強い反射体Bの影響
は除去され、時間ずれを正しく補正することができるこ
ととなるが、各受信信号のうちの一部の受信信号につい
てのみその時間ずれ検出領域内に強い反射体Bに起因す
る信号成分が含まれる場合にさらに問題が残る。
【0015】図10は、このさらに残る問題を説明する
ための図である。均一な音速を仮定した場合に点Aに受
信の焦点を合わせるように各受信信号に対する各遅延量
が設定されている場合において、点Aの近傍かつ点Aよ
りも例えば浅い点Bに強い反射体が存在する場合、点B
からの反射波は点Aからの反射波よりも早く各電気音響
変換素子に到達するため、この図10に示すように、点
Aからの反射波に起因する信号成分と点Bからの反射波
に起因する信号成分とは互いに時間的にずれた位置に現
われることとなり、したがってA点からの反射波による
各受信信号の時間ずれを検出するために設定した時間ず
れ検出領域内の各受信信号のうち区間Wp内では強い反
射体Bからの反射波による受信信号に基づいて時間ずれ
が検出され、区間Ws内では点A付近の反射波による受
信信号に基づいて時間ずれが検出されてしまい、図9に
示す傾斜分の補正もうまく働かず、したがって時間ずれ
検出ミスが生じ遅延量の補正が正しく行われないという
問題が生じることとなる。
【0016】更に強い反射体の存在とは無関係に、前述
した各文献[1],[2],[3]に記載された時間ず
れ検出法におけるもう1つの問題として、上記のように
例えば相互相関法を用いて時間ずれを検出した場合に、
時間ずれ検出領域内において非常に弱い反射体からの反
射波に対応する受信信号が支配的であった場合、この微
弱な反射波による受信信号が電気的ノイズに埋もれてし
まい正確に時間ずれが検出されないという問題がある。
【0017】本発明は上記各問題に鑑み、時間ずれを正
確に検出する機能を備えた超音波診断装置を提供するこ
とを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の超音波診断装置は、被検体内に送信される超
音波が該被検体内の所定の送信フォーカス点で焦点を結
ぶように送信手段により生成された各所定のタイミング
のパルス状の電圧を所定の方向に並んだ多数の電気音響
変換素子のそれぞれに印加し、被検体内に送信され該被
検体内で反射した超音波を多数の電気音響変換素子のそ
れぞれで受信することにより多数の受信信号を得、被検
体内の互いに略同一の位置で略同時に反射された超音波
に対応する多数の受信信号が互いに略同時に出力される
ように遅延量可変の遅延手段を用いて多数の受信信号を
それぞれ遅延させるとともに互いに加算することにより
加算信号を得、該加算信号に基づいて前記被検体の断層
像を表示する超音波診断装置に関するものであり、
(1)上記受信信号の時系列的な第1の一部領域内の特
徴点を求める特徴点演算手段と、(2)該特徴点に基づ
いて上記受信信号の時系列的な第2の一部領域を切り出
すゲート手段と、(3)第2の一部領域内の受信信号に
基づいて、遅延手段により遅延された後の受信信号の相
対的な時間ずれを求める時間ずれ演算手段と、(4)該
時間ずれ演算手段により求められた相対的な時間ずれを
補正するように遅延手段における受信信号の各遅延量を
制御する遅延量制御手段とを備えたことを特徴とするも
のである。
【0019】ここで、上記(1)、(2)、(3)の各
手段で用いられる受信信号は遅延手段を経由する前の受
信信号であってもよく、遅延手段を経由した後の受信信
号であってもよい。また、(5)多数の電気音響変換素
子のうちの所定の1つの電気音響変換素子で得られた受
信信号の第1の所定領域内のピーク値の存在する点を上
記特徴点とすること、即ち、上記特徴点演算手段がこの
ピーク値の存在する点を求めるものであることが好まし
い。
【0020】また、(6)上記所定の1つの電気音響変
換素子としては、多数の電気音響変換素子のうちの中央
もしくは中央付近の電気音響変換素子を選択することが
好ましい。さらに、超音波パルスを複数回送信して上記
相対的な時間ずれの検出を複数回行う場合には、(7)
前回送信された超音波に対応する受信信号の第2の一部
領域に相当する、次回送信される超音波に対応する受信
信号の第3の一部領域内に、送信フォーカス点で反射さ
れた超音波に対応する受信信号が含まれるように、送信
手段により該送信フォーカス点を移動させることが好ま
しい。
【0021】また、上記送信手段により送信フォーカス
点を順次移動させる場合には、(8)上記第1の一部領
域内に送信フォーカス点ないし該送信フォーカス点の近
傍で反射された超音波に対応する受信信号が含まれるよ
うに、上記送信フォーカス点の移動に応じて第1の一部
領域を順次変更し、この順次変更された第1の一部領域
内の上記特徴点を求めるように構成することが好まし
い。
【0022】
【作用】本発明の超音波診断装置は、時間ずれ検出領域
を初めから固定せずに、受信信号の時系列的な第1の一
部領域内に特徴点を求め、この特徴点に基づいて受信信
号の第2の一部領域(時間ずれ検出領域に相当する)を
求め、この第2の一部領域内の受信信号に基づいて時間
ずれを検出して遅延量を制御するように構成したもので
あるため、走査線近傍に前述したような強い反射体が存
在する場合に、全ての素子で得られた全ての受信信号に
この強い反射体に起因する成分を含むように第2の一部
領域(時間ずれ検出領域)を設定することや、微弱な反
射体に起因する受信信号のみが存在する領域を避けて第
2の一部領域(時間ずれ検出領域)を設定することがで
き、したがって時間ずれを正しく求めることができる。
【0023】ここで、上記特徴点としては、例えば受信
信号を所定のしきい値と比較し、所定のしきい値を超え
る頻度の高い領域の中心を特徴点とすること等も考えら
れるが、第1の所定領域内のピーク値の存在する点を上
記特徴点として採用し、このピーク値の存在する点に基
づいて第2の一部領域を求めることとすると、走査線近
傍に強い反射体が存在した場合に容易にその強い反射体
に起因する信号成分を含むように第2の一部領域を設定
することができ、また微弱な反射体に起因する受信信号
のみが存在する領域も容易に避けることができることと
なる。この受信信号のピーク値を求める場合に、端部側
の素子で得られた受信信号のピーク値を求め、このピー
ク値の存在する点に基づいて第2の一部領域を設定して
もよいが、中央もしくは中央付近の素子で得られた受信
信号のピーク値を求め、そのピーク値の存在する点がほ
ぼ中心となるように第2の一部領域を設定した場合は、
強い反射体が存在した場合のその反射体に起因する信号
成分が、第2の一部領域内の全ての受信信号に一層確実
に含まれることとなる。
【0024】さらに超音波パルス複数回送信して、時間
ずれの検出を複数回行う場合は、上記(7)の要件を満
たすように送信フォーカス点を移動させると、時間ずれ
検出のためによりS/Nのよい受信信号を得ることがで
き、この受信信号に基づいて一層正確な時間ずれを検出
を行うことができることとなる。また、送信フォーカス
点を順次移動させる場合には、上記(8)の要件、即ち
特徴点を求める第1の一部領域にこの送信フォーカス点
もしくはその近傍で反射した受信信号を含むように該第
1の一部領域を順次変更することにより、常にS/Nの
よい受信状態において特徴点が求められ、したがって常
に適切な第2の一部領域の切り出しが行われることとな
る。
【0025】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。図1
は、本発明の一実施例に係る超音波診断装置のブロック
図、図2は、図1にブロックで示すゲート部と時間ずれ
検出位置設定部の詳細ブロック図、図3は時間ずれ検出
位置設定部の動作説明図である。
【0026】所定の方向に多数並んだ電気音響変換素子
1に向けて送信部2から各所定のタイミングのパルス状
の電圧が印加され、これにより、図示しない被検体内の
所定の送信フォーカス点に焦点を結ぶように被検体内に
向けて超音波が発信される。この被検体内に発信された
超音波は被検体内の各組織で反射し、この反射波が多数
の電気音響変換素子1のそれぞれで受信されて各受信信
号に変換され受信部3に入力される。この受信部3内に
は入力された各受信信号をそれぞれ遅延させる遅延量可
変の遅延手段が備えられており、この遅延手段により、
被検体内の互いに略同一の位置で略同時に反射された超
音波に対応する各受信信号が互いに略同時に出力される
ように各受信信号がそれぞれ遅延されて出力される。こ
れら所定の各遅延量だけ遅延された各受信信号は、本発
明にいうゲート手段の一例であるゲート部6に入力され
る。
【0027】このゲート部6は、図2に示すように、受
信波形メモリ61と受信波形切り出し手段62とから構
成されており、受信部3から出力された各遅延された受
信信号は、図3に示す時刻t2〜t3の仮検出領域(本
発明にいう第1の部分領域)の部分が受信波形メモリ6
1に入力されて記憶される。尚この受信波形メモリ61
は、入力された受信信号を例えばCCD等を用いてアナ
ログ的に記憶するものであってもよく、あるいは、図示
しないA/D変換器によりディジタルの受信信号に変換
した後記憶するものであってもよい。以下に説明する各
処理もアナログ処理、ディジタル処理のいずれでもよい
ため、以後特に明示しないこととする。ここで、図3に
示す時刻t4〜t5の間は最初に予定された時間ずれ検
出領域を表わしており、送信部2からは、被検体内の、
この予定された検出領域t4〜t5に対応する位置に送
信フォーカス点が存在するようにパルス状の電圧が各電
気音響変換素子1に印加されたことを表わしている。こ
の受信波形メモリ61に記憶された受信信号のうち、多
数配列された電気音響変換素子1の中心に位置する素子
で得られた中心素子受信信号が時間ずれ検出位置設定部
9の最大値検出手段91に入力される。この時間ずれ検
出位置設定部9は、本発明にいう特徴点演算手段の一例
であり、この時間ずれ検出位置設定部9の最大値検出手
段91においてこの中心素子受信信号の最大値Pが求め
られ、この最大値Pの存在する点(時刻)が時間ずれ検
出位置変更手段92に入力される。この時間ずれ検出位
置変更手段92ではこの入力された最大値Pの存在する
時刻を中心にして時間ずれ検出領域(本発明にいう第2
の一部領域)t0〜t1が設定される。このように、こ
こでは中心素子受信信号の最大値Pの時刻を中心として
検出領域t0〜t1を設定するようにしたため、走査線
近傍に強い反射体が存在していた場合には全ての受信信
号にその強い反射体に起因する信号成分が含まれる検出
領域が設定されることとなり、この反射体に起因する擬
似的な時間ずれを直線で近似する前述した提案に係る時
間ずれ検出方法を採用することにより、時間ずれが正し
く検出されることとなる。また、最大値Pの存在する時
刻を中心として検出領域t0〜t1を設定するため、微
弱な反射体からの反射波のみからなる部分を避けること
ができ、したがって強い反射体の有無に拘らず正確な時
間ずれが検出されることとなる。
【0028】この新たに設定された時間ずれ検出領域t
0〜t1を表わす信号はゲート部6の受信波形切り出し
手段62に入力される。この受信波形切り出し手段62
では、受信波形メモリ61に記憶された受信信号(図3
に示す時刻t2〜t3の領域)のうち新たに設定された
時間ずれ検出領域t0〜t1の受信信号が切り出され、
この切り出された時間ずれ検出領域t0〜t1内の受信
信号が、図1に示す時間ずれ検出部7に入力される。こ
の時間ずれ検出部7では、例えば相互相関法を用いて時
間ずれが検出されるが、図9に示すような傾斜分が検出
された場合はこの傾斜を直線で近似し、検出された時間
ずれのうちこの直線からの差が真の時間ずれであるとさ
れ、これにより正確な時間ずれが求められる。この求め
られた時間ずれは、遅延量制御部8に入力され、この求
められた時間ずれに基づいて受信部3における各受信信
号に対する各遅延量が補正される。また、この時間ずれ
を一層正確に検出するために上記の時間ずれ検出のシー
ケンスを繰り返す場合は、前回は、被検体内の予定した
検出領域t4〜t5(図3参照)に対応する点に送信フ
ォーカス点を定めて超音波パルスが発信されたが、次回
の時間ずれ検出時には、変更した後の検出領域t0〜t
1に対応する点に送信フォーカス点が定められるように
遅延量制御部8により送信部2も制御され、これによ
り、次回の時間ずれ検出時に変更した後の検出領域t0
〜t1の受信信号のS/Nがより高められ、これにより
時間ずれが一層正確に検出されることとなる。
【0029】このような時間ずれが検出され、受信部3
における各受信信号に対する各遅延量の調整が行われる
と、次に断層像形成のための超音波パルスが送信され、
被検体内で反射された超音波が各電気音響変換素子で各
受信信号に変換され受信部3で遅延されるが、この場
合、調整された後の各遅延量が各受信信号に与えられ
る。この各遅延された受信信号が今度は加算部4に入力
されて互いに加算され、この加算後の加算信号が表示部
5に入力される。表示部5ではこの入力された加算信号
が輝度信号に変換され、この輝度信号に基づく画像(断
層像)が表示部5の図示しない表示画面上に表示され
る。
【0030】図4は、本発明の他の実施例に係る超音波
診断装置のブロック図、図5は、この実施例における信
号処理の説明図である。図1に示す実施例においては受
信部3で遅延された後の各受信信号に基づいて時間ずれ
が検出されたが、遅延手段としてアナログの遅延線の途
中に多数のタップを設けアナログ電流信号としての受信
信号をこの遅延線に入力するタイプの遅延手段を用いる
場合は、各受信信号はそれぞれ遅延されると同時に互い
に加算されてしまうため、遅延後の受信信号を互いに独
立した受信信号として取扱うことはできず、従って図1
に示す実施例では上記タイプの遅延手段を用いることは
できないこととなる。これに対しこの実施例は上記タイ
プの遅延手段にも適合するものであり、ここでは受信部
3を通過しない信号、即ち、遅延(整相)される前の受
信信号がゲート部6に入力される。したがってこの実施
例におけるゲート部6、時間ずれ検出位置設定部9で
は、被検体内の音速が均一であるとした場合の遅延量が
与えられた受信信号と等価となるように、図5に示すよ
うな例えば弓形の領域の受信信号が切り出され、この領
域内の受信信号が時間ずれ検出部7に入力される。この
時間ずれ検出部7における時間ずれの検出は図1に示し
た実施例と同様であり、例えばこの切り出された弓形の
領域の受信信号に基づいて例えば相互相関演算により時
間ずれが検出され、また強い反射体の影響も除去され
る。
【0031】このように、本発明においては、遅延され
た後の受信信号に基づいて時間ずれを検出してもよく遅
延される前の受信信号に基づいて時間ずれを検出しても
よい。
【0032】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の超
音波診断装置は、受信信号の時系列的な第1の一部領域
内において、例えばピーク値の存在する点等の特徴点を
求め、該特徴点に基づいて受信信号の時系列的な第2の
一部領域を切り出し、この切り出された第2の一部領域
内の受信信号に基づいて、遅延手段により遅延された後
の受信信号の相対的な時間ずれを求め、この求められた
相対的な時間ずれを補正するようにしたものであるた
め、走査線近傍に強い反射体が存在している場合にも時
間ずれが正しく検出され、また強い反射体の存在の有無
とは無関係に微弱な反射波が支配的な領域を避けること
ができ、この点からも時間ずれが正しく検出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る超音波診断装置のブロ
ック図である。
【図2】図1にブロックで示すゲート部と時間ずれ検出
位置設定部の詳細ブロック図である。
【図3】時間ずれ検出位置設定部の動作説明図である。
【図4】本発明の他の実施例に係る超音波診断装置のブ
ロック図である。
【図5】図4に示す実施例の信号処理説明図である。
【図6】受信フォーカスの説明図である。
【図7】音速が不均一の場合の受信フォーカスの説明図
である。
【図8】相互相関法を用いた時間ずれ補正方法の説明図
である。
【図9】走査線近傍に強い反射体が存在する場合に生じ
る問題を説明するための図である。
【図10】走査線近傍に強い反射体が存在する場合さら
に残る問題を説明するための図である。
【符号の説明】
1 電気音響変換素子 2 送信部 3 受信部 4 加算部 5 表示部 6 ゲート部 7 時間ずれ検出部 8 遅延量制御部 9 時間ずれ検出位置設定部 61 受信波形メモリ 62 受信波形切り出し手段 91 最大値検出手段 92 時間ずれ検出位置変更手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体内に送信される超音波が該被検体
    内の所定の送信フォーカス点で焦点を結ぶように送信手
    段により生成された各所定のタイミングのパルス状の電
    圧を所定の方向に並んだ多数の電気音響変換素子のそれ
    ぞれに印加し、前記被検体内に送信され該被検体内で反
    射した前記超音波を前記多数の電気音響変換素子のそれ
    ぞれで受信することにより多数の受信信号を得、前記被
    検体内の互いに略同一の位置で略同時に反射された超音
    波に対応する前記多数の受信信号が互いに略同時に出力
    されるように遅延量可変の遅延手段を用いて前記多数の
    受信信号をそれぞれ遅延させるとともに互いに加算する
    ことにより加算信号を得、該加算信号に基づいて前記被
    検体の断層像を表示する超音波診断装置において、 前記受信信号の時系列的な第1の一部領域内の特徴点を
    求める特徴点演算手段と、 該特徴点に基づいて前記受信信号の時系列的な第2の一
    部領域を切り出すゲート手段と、 前記第2の一部領域内の前記受信信号に基づいて、前記
    受信信号の相対的な時間ずれを求める時間ずれ演算手段
    と、 該時間ずれ演算手段により求められた前記相対的な時間
    ずれを補正するように前記遅延手段における前記受信信
    号の各遅延量を制御する遅延量制御手段とを備えたこと
    を特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 前記特徴点演算手段が、前記多数の電気
    音響変換素子のうちの所定の1つの電気音響変換素子で
    得られた前記受信信号の前記第1の所定領域内のピーク
    値の存在する点を前記特徴点として求めるものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 前記所定の1つの電気音響変換素子が、
    前記多数の電気音響変換素子のうちの中央もしくは中央
    付近の電気音響変換素子であることを特徴とする請求項
    2記載の超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 前記送信手段が、前回送信された超音波
    に対応する受信信号の前記第2の一部領域に相当する、
    次回送信される超音波に対応する受信信号の第3の一部
    領域内に、送信フォーカス点で反射した超音波に対応す
    る受信信号が含まれるように、該送信フォーカス点を移
    動させる機能を備えたものであることを特徴とする請求
    項1から3のうちのいずれか1項記載の超音波診断装
    置。
  5. 【請求項5】 前記送信手段が、送信フォーカス点を順
    次移動させる機能を備え、 前記特徴点演算手段が、前記第1の一部領域内に送信フ
    ォーカス点ないし該送信フォーカス点の近傍で反射した
    超音波に対応する受信信号を含むように送信フォーカス
    点の移動に応じて変更された該第1の一部領域内の前記
    特徴点を求めるものであることを特徴とする請求項1か
    ら4のうちのいずれか1項記載の超音波診断装置。
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US6254339B1 (en) 1996-03-28 2001-07-03 Voith Siemens Hydro Power Generation, Inc. Hydro-turbine runner
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