JP3474278B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JP3474278B2
JP3474278B2 JP22135394A JP22135394A JP3474278B2 JP 3474278 B2 JP3474278 B2 JP 3474278B2 JP 22135394 A JP22135394 A JP 22135394A JP 22135394 A JP22135394 A JP 22135394A JP 3474278 B2 JP3474278 B2 JP 3474278B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波による被検体内
の断層像を表示する超音波診断装置に関し、特に被検体
内の音速の不均一性に起因する画像劣化を防止する機能
を有する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被検体内に超音波を送信し被検体内の組
織で反射して戻ってきた超音波を受信して受信信号を
得、この受信信号に基づいて被検体内の断層像を表示す
ることにより内臓等の疾患の診断に供する超音波診断装
置が用いられており、この超音波診断装置ではいわゆる
受信フォーカスの手法が用いられている。
【0003】図15は、この受信フォーカスの手法の説
明図である。所定の方向(図15の左右方向)に並んだ
n個の電気音響変換素子(以下単に「素子」と呼ぶこと
がある)E1 ,…,Ei ,…,En に電気信号を与える
と、これらの各素子E1 ,…,Ei ,…,En で超音波
に変換され、この超音波が被検体内に向けて送信され
る。
【0004】ここでこの超音波が、多数の素子E1
…,Ei ,…,En の中央0から被検体内に延びる垂線
上のa点で反射された場合について考察する。a点から
の反射波は、a点からの距離の遠い端部側にある素子E
1 とa点からの距離の近い中央側にある素子Ei とを比
べると、遠くにある素子E1 よりも近くにある素子Ei
に先に到達する。この到達の時間差はa点から素子E
1 ,Eiまでの距離をそれぞれL1,Liとしたときの
距離差ΔL=L1−Liだけ超音波が進む時間となる。
ここで仮に被検体内の音速が均一であると仮定し、この
音速をCとすると、この時間差はΔL/Cで表わされ
る。このようにa点と各素子E1 ,…,Ei ,…,En
との間の各距離どうしに各距離差があるため、各距離差
を各時間に換算し、各素子E1 ,…,Ei ,…,En
得られた各受信信号を各時間差に相当する分だけ遅延さ
せることによりこれらの受信信号の到達時刻を互いに揃
える整相処理が行われる。これによりa点で反射された
超音波に対応する受信信号を強調すること、即ちa点に
受信の焦点を結ばせることが可能となる。被検体内の深
い位置で反射された超音波ほど各素子に遅れて到達する
ため、各素子E1 ,…,Ei ,…,En で得られた各受
信信号に対する各遅延量を順次変化させながら互いに加
算することにより、a点のみでなくa点を含め中央0か
ら被検体内に延びる垂線上の複数の各点に順次焦点を合
わせるいわゆるダイナミックフォーカスを行うこともで
きる。この垂線は走査線と呼ばれ、各受信信号に対する
各遅延量を変化させることにより、この走査線を電気音
響変換素子E1 ,…,Ei ,…,En の並ぶ方向(図1
5の左右方向)に平行に移動させるいわゆるリニア走査
やこの走査線を扇状に偏向させるいわゆるセクタ走査を
行うこともでき、これにより被検体内の2次元的な断層
像を得ることができる。さらに図15の紙面に垂直な方
向にも電気音響変換素子を配列すること等によりこの配
列方向にも走査して3次元立体像を得ることができるこ
とも知られている。
【0005】人体内には脂肪層や筋肉、その他種々の組
織が存在し、特に脂肪層においては他の組織と比べ音速
が異なることが知られている。図16は、音速が不均一
の場合の受信フォーカスを示した図である。この図16
に示すように、例えば人体の腹部の肝臓の診断を行う場
合において、体表近傍には音速が約1470m/sec
の比較的音速の遅い脂肪層が存在し、その下に音速約1
540m/secの筋肉層が存在し、さらにその下部に
同じく音速が約1540m/secの肝臓が存在する。
また、脂肪層は筋肉内や肝臓内に沈着する場合もある。
【0006】このように被検体内に音速の異なる部分が
あると、音速が均一であるという仮定の下に定めた各遅
延量を各受信信号に与えても、図16に示すように各受
信信号の到達時刻は揃わず、したがってこれらの各受信
信号を全て加算してもa点に焦点のあった信号とはなら
ずに断層像がボケてしまう結果となる。ここではこの各
受信信号の到達時刻のずれを「時間ずれ」と称すること
とする。しかもこの脂肪層の厚さは人により異なるた
め、各受信信号に対する各遅延量を一律に補正すること
はできない。
【0007】これを解決する方法として、相互相関演算
を用いる方法([1]米国特許公報USP481761
4号、[2]S.W.FLAX AND M.O’DO
NNEL,”Phase−Aberration Co
rrection Using Signals F
rom Point Reflectors andD
iffuse Scatterres:Basic P
rinciples” IEEE TRANSACTI
ON ON ULTRASONICS, FERROE
L ECTRICS, AND FREQUENCY
CONTROL, VOL35,NO.6, NOVE
MBER 1988, p758〜p767 参照)が
知られている。
【0008】図17は、相互相関法を用いた時間ずれを
補正する方法の説明図である。ここでは先ず被検体内の
音速が均一であると仮定した上で各受信信号に各遅延量
を与え、この各遅延量を与えた後の各受信信号の一部を
相関計算領域として切り出し、この相関計算領域内の各
受信信号に基づいて以下のようにして時間ずれと求め
る。即ち、この切り出された各受信信号のうち、互いに
隣接する2つの受信信号間で相互相関演算が行われ、求
められた相互相関関数のピーク値の存在する位置から隣
接素子間の時間ずれΔτが求められる。
【0009】この時間ずれΔτが互いに隣接する2つの
受信信号の全てについて求められ、この求められた各時
間ずれΔτが例えば図の1番左側の素子に対応する受信
信号の到達時刻を基準にして順次積算され、これにより
基準の受信信号に対する他の受信信号の各時間ずれΔt
が求められ、この各時間ずれΔtが補正されるように各
受信信号に対する各遅延量が変更され、これにより、全
ての素子の受信信号の到達時刻を揃えることができるこ
ととなる。
【0010】尚、従来提案されている各受信信号の時間
ずれを検出する方法としては、上記の相互相関法のほか
直交検波法と呼ばれる方法も知られている([3]米国
特許間ずれの代わりに受信信号間の位相差が求められる
が、本発明はこの時間ずれの検出方法に依存するもので
はないため、ここでは「時間ずれ」は広義に解釈し「位
相差」も含むものとする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のような、素子間
の受信信号の時間ずれを検出することによって、一応、
被検体内の音速不均一性による超音波の波面乱れを補正
することができるが、この補正方法では、時間ずれ検出
ミスが生じる場合があるという問題点がある。この時間
ずれ検出ミスについて図18を用いて説明する。
【0012】近年の超音波診断装置では、特に腹部用に
関し、被検体に接触させて被検体内に超音波を送受信す
る探触子に、より多数の電気音響変換素子をアレイ状に
配列する傾向にあり、それに伴い、超音波を送受信する
開口が大開口化する傾向にある。図18(A)はこうし
た大開口の探触子の、ある1走査線における各素子の受
信信号の一部(この図では10素子分)を示している。
フォーカス点からの反射波について考えてみると、走査
線近傍の素子の受信信号は、非常に振幅強度が強く、S
/Nが高いのに対し、走査線から離れた素子の受信信号
はS/Nが低下する傾向にある。これは、走査線から離
れた素子ほど、フォーカス点からの幾何学的な距離が大
きくその分超音波が減衰すること、並びにアレイ状の素
子は指向性をもつため入射角θが大きくなると素子の電
気音響変換効率が悪化することが原因である。特に、走
査線から離れた素子の受信信号においては、本来のフォ
ーカス点からの受信信号波形とはまったく異なったもの
になることが多い。また、この傾向は血管壁等の強反射
体よりも肝臓内部組織のような散乱体部分において多く
見られる。尚、ここにいうS/NのNは、電気的システ
ムノイズと音響ノイズ(減衰,素子の指向性,干渉等)
を含めたものを指す。
【0013】図18(B)は検出された時間ずれを示し
た図である。なおここでの時間ずれ検出手法は、従来の
相互相関法であってもよく、直交検波法であってもよ
い。領域Aでは十分なS/Nであるため時間ずれが正し
く検出されているが、領域BではS/N低下のため、時
間ずれ検出ミスが生じている。こうした検出ミスは、大
きな反射強度が得られる血管壁からの反射波よりも、反
射強度の小さい散乱体部分からの反射波において顕著で
あることはいうまでもない。
【0014】時間ずれ検出ミスが生じると、時間ずれ補
正後に各素子で得られた受信信号を整相加算する際、領
域Bの部分は誤った位相で加算されることとなり、ここ
でいう時間ずれ補正を行なわずに、素子の幾何学的配置
による時間ずれのみ補正した場合と比べ、画質がむしろ
悪化してしまう場合もある。本発明は、上記の事情に鑑
み、時間ずれ検出ミスあるいは誤った時間ずれ補正を防
ぐことにより、従来と比べ、より高精度の音速不均一性
の補正機能を有する超音波診断装置を提供することを第
1の目的とする。
【0015】現状の、音速不均一性の補正機能を有さな
い超音波診断装置においては、受信信号のS/Nは大き
な問題であり、各素子の受信信号を加算する際に、加算
の対象とする素子数を制御したり、走査線近傍の素子の
受信信号ほど重みを強くし、走査線近傍から離れた素子
の受信信号ほど重みを弱くする等の手法により生体内断
層像の分解能向上を行っているが、加算範囲内の受信信
号が、必ずしも十分なS/Nを有する受信信号であると
は限らず、走査線から離れた素子の、本来の信号波形と
は大きく異なる受信信号までも加算されてしまっている
のが現状である。
【0016】本発明は、上記事情に鑑み、音速不均一性
の補正機能を有するか否かとは無関係に、従来と比べ、
より高画質の画像を得ることのできる超音波診断装置を
提供することを第2の目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
る本発明の第1の超音波診断装置は、所定の方向に並ん
だ複数の電気音響変換素子と、これら複数の電気音響変
換素子に送信パルスを印加する送信部と、被検体内で反
射した超音波を複数の電気音響変換素子で受信すること
により得られた複数の受信信号を被検体内に延びる走査
線に沿う被検体内の情報が強調されるようにそれぞれ遅
延することにより、これら複数の受信信号を互いに整相
する受信部と、整相処理後の複数の受信信号を互いに加
算することにより加算信号を得る加算部と、加算部で得
られた加算信号を輝度信号に変換しその輝度信号に基づ
いて被検体の断層像を表示する表示部とを備えた超音波
診断装置において、 (1)複数の電気音響変換素子を、1つの電気音響変換
素子により1つの素子群が構成されることが許容される
とともに、電気音響変換素子と走査線との交点から離れ
るほど1つの素子群を構成する電気音響変換素子の数が
増加するように分割された複数の素子群のうち、複数の
電気音響変換素子で構成される素子群についてその素子
群で得られた複数の受信信号を各素子群毎に加算するこ
とにより、複数の素子群それぞれについて1つずつの受
信信号を生成する素子群分割部 (2)素子群分割部で、複数の素子群それぞれについて
1つずつ得られた受信信号どうしの相対的な時間ずれを
求める時間ずれ検出部 (3)時間ずれ検出部で求められた時間ずれが補正され
るように受信部における受信信号の遅延量を制御する遅
延量制御部 を備えたことを特徴とする。
【0018】ここで、本発明の上記第1の超音波診断装
置において、上記(1)の素子群分割部が、複数の電気
音響変換素子それぞれで得られた各受信信号の振幅を検
知する振幅検知手段を備え、それらの振幅に基づいて複
数の素子群それぞれを構成する電気音響変換素子を定め
るものであってもよく、もしくは、上記(1)の素子群
分割部が、複数の電気音響変換素子それぞれで得られた
各受信信号どうしの相関係数を算出する相関係数算出手
段を備え、それらの相関係数に基づいて複数の素子群そ
れぞれを構成する電気音響変換素子を定めるものであっ
てもよい。
【0019】尚、上記「振幅」は、振幅に対応するもの
であれば特に限定されるものではなく、例えば、平均的
な振幅(それと等価な平均パワー等を含む)であっても
よく最大振幅等であってもよい。また、上記「相関係
数」は、例えば隣接する素子で得られた受信信号どうし
の相関係数であってもよく、あるいは、例えば走査線に
最も近い素子等、特定の素子を基準素子とし、その基準
素子で得られた受信信号と他の素子で得られた受信信号
との相関係数であってもよい。
【0020】また、上記第1の目的を達成する本発明の
第2の超音波診断装置は、所定の方向に並んだ複数の電
気音響変換素子と、これら複数の電気音響変換素子に送
信パルスを印加する送信部と、被検体内で反射した超音
波を複数の電気音響変換素子で受信することにより得ら
れた複数の受信信号を、被検体内に延びる走査線に沿う
被検体内の情報が強調されるようにそれぞれ遅延するこ
とにより、これら複数の受信信号を互いに整相する受信
部と、整相処理後の複数の受信信号を互いに加算するこ
とにより加算信号を得る加算部と、加算部で得られた加
算信号を輝度信号に変換しその輝度信号に基づいて被検
体の断層像を表示する表示部とを備えた超音波診断装置
において、 (4)複数の電気音響変換素子の中から選択された、電
気音響変換素子と走査線との交点を含む所定の実行有効
開口内の複数の電気音響変換素子からなる素子範囲を設
定する素子範囲設定部 (5)素子範囲設定部で設定された有効実効開口内の複
数の電気音響変換素子で得られた受信信号どうしの相対
的な時間ずれを求める時間ずれ検出部 (6)時間ずれ検出部で求められた時間ずれが補正され
るように受信部における受信信号の遅延量を制御する遅
延量制御部 を備えたことを特徴とする。
【0021】ここで、上記第2の超音波診断装置におい
て、遅延量制御部は、素子範囲設定部で設定された実効
有効開口内の複数の電気音響変換素子で得られた受信信
号どうしの、時間ずれ検出部で求められた時間ずれが補
正されるように、受信部における受信信号の遅延量を制
御するものであってもよい。この構成は、この第2の超
音波診断装置に、次に述べる第3の超音波診断装置の限
定を加えたものに相当する。
【0022】上記第1の目的を達成する本発明の第3の
超音波診断装置は、所定の方向に並んだ複数の電気音響
変換素子と、これら複数の電気音響変換素子に送信パル
スを印加する送信部と、被検体内で反射した超音波を複
数の電気音響変換素子で受信することにより得られた複
数の受信信号を、被検体内に延びる走査線に沿う被検体
内の情報が強調されるようにそれぞれ遅延することによ
り、これら複数の受信信号を互いに整相する受信部と、
整相処理後の複数の受信信号を互いに加算することによ
り加算信号を得る加算部と、加算部で得られた加算信号
を輝度信号に変換しその輝度信号に基づいて被検体の断
層像を表示する表示部とを備えた超音波診断装置におい
て、 (7)複数の電気音響変換素子で得られた受信信号どう
しの相対的な時間ずれを求める時間ずれ検出部 (8)複数の電気音響変換素子の中から選択された、電
気音響変換素子と走査線との交点を含む所定の実行有効
開口内の複数の電気音響変換素子からなる素子範囲を設
定する素子範囲設定部 (9)素子範囲設定部で設定された実行有効開口内の複
数の電気音響変換素子で得られた受信信号どうしの、時
間ずれ検出部で求められた時間ずが補正されるように、
制御部における受信信号の遅延量を制御する遅延量制御
部 を備えたことを特徴とする。
【0023】また、上記第2の目的を達成する本発明の
第4の超音波診断装置は、所定の方向に並んだ複数の電
気音響変換素子と、これら複数の電気音響変換素子に送
信パルスを印加する送信部と、被検体内で反射した超音
波を複数の電気音響変換素子で受信することにより得ら
れた複数の受信信号を、被検体内に延びる走査線に沿う
被検体内の情報が強調されるようにそれぞれ遅延するこ
とにより、これら複数の受信信号を互いに整相する受信
部と、整相処理後の複数の受信信号を互いに加算するこ
とにより加算信号を得る加算部と、加算部で得られた加
算信号を輝度信号に変換しその輝度信号に基づいて被検
体の断層像を表示する表示部とを備えた超音波診断装置
において、 (10)複数の電気音響変換素子の中から選択された、
電気音響変換素子と走査線との交点を含む所定の実行有
効開口内の複数の電気音響変換素子からなる素子範囲を
設定する素子範囲設定部を備え、 (11)上記加算部が、素子範囲設定部で設定された有
効実効開口内の複数の電気音響変換素子で得られた複数
の受信信号を互いに加算するものであることを特徴とす
る。
【0024】ここで、上記第2,第3もしくは第4の超
音波診断装置において、上記(4),(8)、もしくは
(10)の素子範囲設定部は、複数の電気音響変換素子
それぞれで得られた各受信信号の振幅を検知する振幅検
知手段を備え、それらの振幅に基づいて実効有効開口を
定めるものであってもよく、あるいは、上記(4),
(8)、もしくは(10)の素子範囲設定部は、複数の
電気音響変換素子それぞれで得られた各受信信号どうし
の相関係数を算出する相関係数算出手段を備え、それら
の相関係数に基づいて実効有効開口を定めるものであっ
てもよい。
【0025】ここで、上記「振幅」、上記「相関関数」
は、上述した第1の超音波診断装置の説明における「振
幅」、「相関係数」と同様に解釈される。また、上記第
1,第2もしくは第3の超音波診断装置において、上記
(3),(6)もしくは(9)の遅延量制御部は、受信
部における受信信号の遅延量の制御とともに、送信部に
おける、送信パルスの遅延量、即ち送信パルスの電気音
響変換素子への印加のタイミングを制御するものであっ
てもよい。
【0026】また、上記第1,第2,第3もしくは第4
の超音波診断装置において、上記加算部は、被検体内に
送信された超音波の反射点が、例えば走査線に沿って順
次変化するに従って順次変化する受信開口内の電気音響
変換素子で得られた受信信号どうしを加算する開口制御
を行なうものであることが好ましく、また、上記加算部
は、複数の電気音響変換素子と走査線との交点に近い電
気音響変換素子で得られた受信信号ほど大きな重みを付
して複数の電気音響変換素子で得られた複数の受信信号
を互いに加算するものであることも好ましい態様であ
る。
【0027】
【作用】本発明の第1の超音波診断装置は、上記(1)
の素子群分割部を備え、走査線から離れるほど1つの素
子群と構成する素子の数を増加させ、複数の素子で構成
される素子群についてその素子群で得られた複数の受信
信号を各素子群毎に加算するものであるため、走査線か
ら離れた素子で得られたS/Nの低い受信信号が互いに
加算されてS/Nが向上し、そのS/Nの向上した受信
信号により時間ずれ検出が行なわれ、したがって時間ず
れ検出ミスが低減ないし除去される。
【0028】また、本発明の第2および第3の超音波診
断装置は、上記(4),(8)の素子範囲設定部を備え
たため、走査線から離れた、実効有効開口から外れた素
子で得られた受信信号は、第2の超音波診断装置では時
間ずれ検出に使用されず、また第3の超音波診断装置で
は時間ずれ補正の対象とされず、したがって時間ずれ検
出ミスあるいは誤った時間ずれ補正が行なわれることが
低減ないし除去される。
【0029】このように、本発明の第1〜第3の超音波
診断装置においては時間ずれ検出ミスないしは誤った時
間ずれ補正が回避され、その結果、時間ずれ補正後の被
検体断層像の画質が向上する。したがって、音速不均一
性を補正する機能を有する超音波診断装置の性能、信頼
性を向上させることが可能となる。また、本発明の第4
の超音波診断装置は、上記(10)の素子範囲設定部を
備え、加算部では、その素子範囲設定部で設定された有
効実効開口内の複数の素子で得られた複数の受信信号が
互いに加算されるため、走査線近傍素子の受信信号波形
とは大きく異なる、走査線から離れた、実効有効開口か
らはずれた素子で得られた受信信号は加算の対象から外
されることになり、音速不均一性を補正する機能を有す
る超音波診断装置でなくても、画質の向上が期待でき
る。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は、本発明の第1の超音波診断装置の一実施例の全体
構成を示すブロック図である。この図1に示す超音波診
断装置は、被検体(図示せず)内に超音波を放射し反射
波を受信する手段としての複数の電気音響変換素子1
と、それらの素子1にパルス状の電圧を印加することに
より被検体内に超音波を放射する送信部2と、被検体内
で反射した反射波が各素子1で受信されることにより得
られた各受信信号に遅延を与えることにより各受信信号
を整相する受信部3と、整相処理後の各受信信号を加算
する加算部4と、加算された信号を輝度信号に変換して
モニタ等に表示する表示部5と、受信部3における整相
処理後の、被検体内のある深さに対応した各素子の受信
信号を時間ずれ検出領域として切り出すゲート部6と、
ゲート部6で切り出された各素子の受信信号を複数の素
子群に分割し、各素子群内の受信信号どうしを互いに加
算し、各素子群内加算信号を生成する素子群分割部9を
備え、さらに、素子群分割部9で生成された各素子群内
加算信号から時間ずれを検出する時間ずれ検出部7と、
時間ずれ検出部7で得られた時間ずれをもとに送信部2
と受信部3の遅延量を補正する遅延量制御部8とで構成
される。
【0031】素子群分割部9は、それぞれに、少なくと
も1つ以上の素子が含まれるように複数の素子群を構成
し、かつ走査線から離れる程、素子群を構成する素子数
が多くなる様にその素子群を構成する。走査線から離れ
た素子ほどS/Nが低下することを考慮して、走査線か
ら離れた素子については複数個の素子を1素子群として
その素子群で得られた複数の受信信号を互いに加算し、
1素子群内加算信号を生成する。これにより時間ずれ検
出に用いる信号のS/Nが向上し、走査線から離れた素
子で得られる受信信号のS/Nの低下による時間ずれ検
出ミスを防ぐことができる。なお、走査線に近い素子の
受信信号は十分なS/Nをもつため、1素子で1素子群
を形成する場合もある。この場合、他に加算する信号は
ないが、言葉の統一のため、ここでは、1素子で1素子
群を形成した場合であっても、1素子群内加算信号と呼
ぶこととする。各素子群を構成する素子数は固定であっ
もよく、また任意に可変であってもよい。ただし各素子
群を構成する素子数は、時間ずれ検出に有効な(時間ず
れ検出ミスが起こらないような)個数が設定され、十分
なS/Nを有する素子群内加算信号を得ることのできる
ものであることが好ましい。なお素子数は有限個である
ため、素子群を構成する素子数が定められれば素子群の
個数も必然的に定められるので、ここでは各素子群を構
成する素子数を設定すればよい。上記のように各素子群
を構成する素子数は固定されたものであってもよいが、
例えば (a)各素子で得られた受信信号の振幅強度の大小によ
って決定する (b)隣接素子で得られた受信信号どうし、または基準
素子で得られた受信信号と他の素子で得られた受信信号
との相関係数の大小によって決定する 等により可変に設定してもよい。
【0032】図2は、図1に示す超音波診断装置の素子
群分割部の構成の一例を示すブロックとその素子群分割
部で実行される演算の概念を示した図である。素子群分
割部9は、図1に示すゲート部6から入力された受信信
号を複数の群に分割する(ここでは、簡単のため、これ
を素子群に分割すると称する)分割設定手段91と、分
割設定手段91で設定された素子群内の各素子の受信信
号を加算する素子群内信号加算手段92から構成され
る。
【0033】図2の右側の図を用いて分割設定手段91
および素子群内信号加算手段92における処理の概念を
簡単に説明する。分割設定手段91ではa〜fまでの各
素子群が構成される。ここでは、一例として、a,fは
2素子で1素子群を構成するが、b〜eは1素子で1素
子群を構成する。各素子群を構成する素子数は、予め設
定した固定値でも良く、また可変であっても良い。ここ
では固定として説明する。b〜eの各素子のように受信
信号のS/Nが十分高い素子は、1素子のみで素子群を
構成することが好ましい。
【0034】次にa〜fの素子群の受信信号は、素子群
内信号加算手段92に入力され、素子群内信号加算手段
92によって、各素子群内の各素子の受信信号が同期加
算される。ここでは、aとfの各2素子づつで得られた
各2つの受信信号どうしが加算され、a〜fの素子群内
加算信号が生成される。その結果、a,fの素子群内加
算信号のS/Nが向上し、時間ずれ検出ミスを低減する
ことが可能となる。
【0035】図3は、図1に示す超音波診断装置の素子
群分割部の他の例を示すブロック図である。図3に示す
素子群分割部9は、ゲート部6(図1参照)からの各素
子の受信信号の振幅強度を検知する振幅検知手段93
と、振幅検知手段93で得られた各素子の受信信号の振
幅強度に応じて各素子を素子群に分割する分割設定手段
91と、分割設定手段91で設定された素子群内の各素
子の受信信号どうしを互いに加算する素子群内信号加算
手段92から構成される。振幅検知手段93は、例え
ば、ゲート部6で切り出された各素子毎の受信信号の振
幅のピーク値を検知し、各ピーク値のなかの最大値αを
検知するように構成される。この最大値αをもとに、例
えば各素子の受信信号のピーク値がα〜α/2の範囲な
らば1素子で1素子群を構成し、α/2〜α/3の範囲
ならば2素子で1素子群を構成し、α/3〜α/4の範
囲ならば3素子で1素子群を構成する、というようにし
て各素子群毎の素子数を決定していく。尚、振幅のピー
ク値の代わりに、振幅のrms値等を用いても良い。
【0036】図4は、図1に示す超音波診断装置の素子
群分割部のもう1つの例を示すブロック図である。図4
に示す素子群分割部9は、ゲート部6(図1参照)から
の各素子の受信信号の相関係数を算出する相関係数算出
手段94と、相関係数算出手段94で得られた相関係数
に応じて各素子を素子群に分割する分割設定手段91
と、分割設定手段91で設定された素子群内の各素子の
受信信号を加算する素子群内信号加算手段92から構成
される。例えば、相関係数算出手段94は、ゲート部6
で切り出された各素子の受信信号の隣接素子間の相関係
数(0〜1.0)を算出するように構成される。この相
関係数をもとに、例えば相関係数が1.0〜0.8の範
囲ならば1素子で1素子群を構成し、0.8〜0.6の
範囲ならば2素子で1素子群を構成し、0.6〜0.4
の範囲ならば3素子で1素子群構成し、0.4以下の範
囲ならば4素子で1素子群を構成する、というようにし
て各素子群毎の素子数を決定していく。尚、隣接素子間
の相関係数の代わりに、基準素子を設け、基準素子で得
られた受信信号と他の素子で得られた受信信号との相関
係数を用いても良い。
【0037】図5は、図1に示す超音波診断装置の素子
群分割部のさらにもう1つの例を示すブロック図であ
る。この図5に示す素子群分割部9は、ゲート部6から
の各素子の受信信号の相関係数を算出する相関係数算出
手段94と、相関係数算出手段94で得られた相関係数
に応じて各素子を素子群に分割する分割設定手段91
と、分割設定手段91で設定された素子群内の時間ずれ
検出を行う素子群内時間ずれ検出手段95と、時間ずれ
検出手段95を通過した各素子の受信信号を加算する素
子群内信号加算手段92から構成される。
【0038】素子群内時間ずれ検出手段95は、従来の
時間ずれ検出法と同様の、隣接素子で得られた受信信号
どうし、または基準素子で得られた受信信号と他素子で
得られた受信信号との間の時間ずれ検出を行い、得られ
た時間ずれの結果を図1に示す遅延量制御部8へ送り、
素子群内の素子間時間ずれの補正量として使用する。そ
の結果、素子群内信号加算手段92において、素子群内
の、時間ずれ補正された受信信号を同期加算することが
でき、S/N向上につながる。尚、相関係数算出手段9
4の代わりに、図3を参照して説明したような振幅検知
手段を用いても良い。
【0039】図5に示す素子群内時間ずれ検出手段95
は素子群分割部9内に構成されているが、素子群内時間
ずれ検出手段95は図1に示す時間ずれ検出部7で兼用
することが好ましい。その場合、独立した素子群内時間
ずれ検出手段95を備える必要がなく、コスト削減が可
能となる。また本実施例における時間ずれ検出が従来の
相互相関法によって行われるものであれば、素子群内時
間ずれ検出手段95ならびに相関係数算出手段94は、
時間ずれ検出部7で兼用できるため、省略可能となる。
したがってその場合、大幅なコスト削減となる。
【0040】図6は本発明の第2および第3の超音波診
断装置の一実施例の全体構成を示すブロック図である。
この図6に示す超音波診断装置は、被検体内に超音波を
放射し反射波を受信する手段としての複数の素子1と、
この素子1にパルス状の電圧を印加することにより被検
体内に超音波を放射する送信部2と、被検体内で反射し
た反射波が各素子1で受信されることにより得られた各
受信信号に遅延を与えることにより各受信信号を整相す
る受信部3と、整相処理後の各受信信号を加算する加算
部4と、加算された信号を輝度信号に変換してモニタ等
に表示する表示部5と、受信部3における整相処理後
の、被検体内のある深さに対応した受信信号を時間ずれ
検出領域として切り出すゲート部6と、ゲート部6で切
り出した各受信信号から時間ずれを検出する時間ずれ検
出部7と、時間ずれ検出部7で得られた時間ずれをもと
に送信部2と受信部3の遅延量を補正する遅延量制御部
8とを備え、さらに、時間ずれ検出部7における時間ず
れ検出を行なう素子範囲、ならびに遅延量制御部8にお
ける遅延補正を行う素子範囲を決定する素子範囲設定部
10とで構成される。
【0041】素子範囲設定部10は、時間ずれ検出部7
における時間ずれ検出の素子範囲を、走査線との交点を
中心としたN個の素子に設定する機能を有する。素子数
N個は固定であってもよく、もしくは任意に可変であっ
ても良い。ただし、素子数N個は、時間ずれ検出に有効
な(時間ずれ検出ミスが起こらないような)素子範囲が
設定され、その素子範囲内の各素子で、十分なS/Nの
受信信号が得られることが好ましい。上記のように、素
子数N個は固定されたものであってもよいが、例えば、 (a)各素子で得られた受信信号の振幅強度の高い範囲
を選択する (b)隣接素子で得られた受信信号どうし、または基準
素子で得られた受信信号と他の素子で得られた受信信号
との相関係数の高い範囲を選択する 等により可変に設定してもよい。さらに素子範囲設定部
10は、遅延量制御部8における遅延補正を行う素子範
囲を走査線との交点を中心としたM個の素子に設定する
機能を有する。素子数M個は固定であってもよく、もし
くは例えば上記(a)もしくは(b)を採用して任意に
可変に設定されるものであってもよい。ただし、素子数
M個は、時間ずれ補正に有効な(正しい時間ずれ補正が
行なわれるような)素子範囲が設定されることが好まし
い。
【0042】素子範囲設定部10における素子数N個と
素子数M個は、それぞれ、時間ずれ検出もしくは補正に
有効な素子範囲であるため、N=Mであることが好まし
い。このような時間ずれ検出もしくは時間ずれ補正に有
効な素子範囲(素子数N個、素子数M個)を、ここでは
「実効有効開口」と称する。図7は、図6に示す超音波
診断装置の素子範囲設定部の一例を示すブロック図であ
る。
【0043】図7に示す素子範囲設定部10は、図6に
示す時間ずれ検出部7で時間ずれ検出を行う際の実効有
効開口を設定する、時間ずれ検出実効有効開口設定手段
101と、時間ずれ検出部7において得られた時間ずれ
をもとに、遅延量補正部8において時間ずれ補正を行う
際の実効有効開口を設定する、時間ずれ補正実効有効開
口設定手段102とを備える。時間ずれ検出実効有効開
口設定手段101は、各素子の受信信号のS/Nを考慮
して、走査線との交点を中心とした素子範囲を予め固定
に、あるいは可変に設定するように構成され、時間ずれ
検出部7では、設定された実効有効開口内の各素子で得
られた受信信号に基づいて時間ずれ検出が行なわれる。
また、同様に、時間ずれ補正実効有効開口設定手段10
2は、各素子の受信信号のS/Nを考慮して、走査線と
の交点を中心とした素子範囲を予め固定に、あるいは可
変に設定するように構成され、遅延量制御部8では、設
定された実効有効開口内の各素子で得られた受信信号の
補正遅延量が決定される。
【0044】尚、図7に示す素子範囲設定部10は、時
間ずれ検出実効有効開口設定手段101と時間ずれ補正
実効有効開口設定手段102との双方が備えられてい
が、時間ずれ検出についてのみ実効有効開口を設定する
場合は、素子範囲設定部10は、時間ずれ検出実効有効
開口設定手段101のみで構成される。この場合は、時
間ずれ検出のみの実効有効開口が設定され、時間ずれ補
正においては実効有効開口は設定されない。この場合、
実効有効開口内の素子で得られた受信信号のみに基づい
て正しい時間ずれが検出され、実効有効開口外で従来生
じていた時間ずれ検出ミスを防ぐことができる。したが
って従来のような実効有効開口外の素子で得られた受信
信号を用いて誤った時間ずれ検出をすることがなく、誤
った補正値による時間ずれ補正を防ぐことが可能とな
り、補正効果の向上につながる。
【0045】また、時間ずれ補正についてのみ実効有効
開口を設定する場合は、素子範囲設定部10は、時間ず
れ補正実効有効開口設定手段102のみで構成される。
この場合は、時間ずれ補正のみの実効有効開口が設定さ
れ、時間ずれ検出については実効有効開口は設定されな
い。従来は時間ずれ検出部7において時間ずれ検出ミス
が生じていた素子についても、その素子で得られた受信
信号をそのまま誤った時間ずれで補正してしまうが、時
間ずれ補正の有効実効開口を設定することにより、時間
ずれ検出ミスが生じた場合であっても、その時間ずれ検
出ミスが生じた素子で得られた受信信号の時間ずれ補正
を行わないようにすることが可能である。このように、
ここでは実効有効開口内の素子で得られた受信信号のみ
時間ずれ補正され、実効有効開口外の素子は補正されな
い。したがって従来のように実効有効開口外の素子で得
られた受信信号が誤った時間ずれ補正されることが防止
され、補正効果の向上につながる。
【0046】また、図7に示すように、素子範囲設定部
10は、時間ずれ検出実効有効開口設定手段101と時
間ずれ補正実効有効開口設定段102との双方で構成し
てもよい。この場合は、時間ずれ検出と時間ずれ補正の
双方について実効有効開口が設定される。この場合、両
者の実効有効開口は、それぞれを構成する素子数が互い
に異なっていてもよいが、互いに同数とすることが好ま
しい。同数とすることにより、同一の実効有効範囲内に
ついて時間ずれ検出と時間ずれ補正との双方が行われる
ため、時間ずれ補正効果が向上する。
【0047】図8は、図6に示す超音波診断装置の素子
範囲設定部の他の例を示すブロック図である。図8に示
す素子範囲設定部10は図6に示すゲート部6で切り出
された各素子の受信信号の振幅強度を検知する振幅検知
手段103と、振幅検知手段103で得られた各素子の
受信信号の振幅強度をもとに、時間ずれ検出を行う際の
実効有効開口を設定する時間ずれ検出実効有効開口設定
手段101と、やはり振幅検知手段103で得られた振
幅強度をもとに、時間ずれ補正を行う際の実効有効開口
を設定する時間ずれ補正実効有効開口設定手段102と
を備える。例えば、振幅検知手段108は、図6に示す
ゲート部6で切り出された各素子の受信信号の振幅のピ
ーク値を検知し、各ピーク値のなかの最大値αを検知す
るように構成する。この最大値αをもとに、例えば各素
子のピーク値がα/10以上の素子範囲を実効有効開口
とすることで、S/Nの低い受信信号を、時間ずれ検出
ないし時間ずれ補正から外すことが可能となり、時間ず
れ検出ミス、ないし時間ずれ補正ミスが防止される。
【0048】図9は、図6に示す超音波診断装置の素子
範囲設定部のもう1つの例を示すブロック図である。図
9に示す素子範囲設定部10は、図6に示すゲート部6
で切り出された各素子の受信信号どうしの相関係数を算
出する相関係数算出手段104と、相関係数算出手段1
04で得られた相関係数をもとに、時間ずれ検出を行う
際の実効有効開口を設定する時間ずれ検出実効有効開口
設定手段101と、やはり相関係数算出手段104で得
られた相関係数をもとに、時間ずれ補正を行う際の実効
有効開口を設定する時間ずれ補正実効有効開口設定手段
102とを備える。
【0049】例えば、相関係数算出手段104は、ゲー
ト部6(図6参照)で切り出された、互いに隣接する素
子で得られた受信信号どうし、または基準素子で得られ
た受信信号と他素子で得られた受信信号との間の相関係
数(0〜1.0)を算出するように構成される。この相
関係数をもとに、例えば相関係数が0.5以上の素子範
囲を実効有効開口とすることにより、S/Nの低い受信
信号を時間ずれ検出ないし時間ずれ補正から外すことが
可能となり、時間ずれ検出ミスないし時間ずれ補正ミス
が防止できる。尚、本実施例における時間ずれ検出が、
従来の相互相関法によって行われるものであれば、相関
係数算出手段104は、図6に示す時間ずれ検出部で兼
用できる。
【0050】図10は本発明の第2および第3の超音波
診断装置の他の実施例の全体構成を示すブロック図であ
る。図6に示す実施例との相違点について説明する。素
子範囲設定部10で設定された実効有効開口をもとに、
受信部3は、各素子の受信信号を整相処理し、次の加算
部4において同期加算するための各素子の受信信号の範
囲を決定する機能を有する。同期加算する素子範囲を決
定(制限する)する手段としては、従来技術である開口
制御や重み付けが挙げられる。開口制御とは、被検体内
のどの深さ位置で反射した反射波を受信するタイミング
であるかに応じて開口の大きさを順次制御する技術であ
り、重み付けとは、受信信号を整相加算する際に各受信
信号を重み付けした後加算する技術をいう。同期加算す
る素子範囲を制限するのは、実効有効開口外の各素子の
受信信号は、時間ずれ補正されていないため、実効有効
開口外の各素子の受信信号を、時間ずれ補正された実効
有効開口内の各素子の受信信号と同期加算してしまう
と、補正効果が低減してしまうからである。従来技術で
ある開口制御や重み付けを用いる理由としては、これら
は既に確立されている技術であり、現在普及している超
音波診断装置に既に内蔵されており、従来技術を用いる
ことで、その開口や重み付けを簡単に変更することがで
き、新しい機能を付加することなく、同期加算する素子
範囲を制限することが可能となるからである。
【0051】たとえば、実効有効開口と、開口制御で指
定される開口とを同一とすれば、加算部4において、実
効有効開口内の素子の受信信号のみを同期加算すること
が可能であり、実効有効開口外の素子で得られた時間ず
れ補正されていない受信信号の影響を除去することがで
きる。実効有効開口と、開口制御で指定される開口とが
必ずしも同一である必要はないが、上記の理由から同一
とした方が好ましい。また、重み付けを用いる場合、実
効有効開口外の素子で得られた受信信号の重みを小さく
することにより、時間ずれ補正されていない受信信号の
影響を低減することができる。なお、開口制御や重み付
けについては従来より広く知られた技術であるため、そ
れら自体についてのここでの説明は割愛する。
【0052】図11は、本発明の第4の超音波診断装置
の一実施例の全体構成を示すブロック図である。この図
11に示す超音波診断装置は、被検体内に超音波を放射
し反射波を受信する手段としての複数の素子1と、これ
らの素子1にパルス状の電圧を印加することにより被検
体内に超音波を放射する送信部2と、被検体内で反射し
た反射波が各素子1で受信することにより得られた各受
信信号に遅延を与えることにより各受信信号を整相する
受信部3と、整相処理後の各受信信号を加算する加算部
4と、加算された信号を輝度信号に変換してモニタ等に
表示する表示部5と、前記加算部4において加算する受
信信号の素子範囲を設定する素子範囲設定部10、素子
範囲設定部10で素子範囲を設定するための演算の対象
とされる、被検体内のある深さに対応する受信信号を切
り出すゲート部6とで構成される。
【0053】素子範囲設定部10は、素子範囲と走査線
との交点を中心としたN個の素子に設定する機能を有す
る。素子数N個は固定であってもよく、もしくは任意に
可変であってもよい。ただし、素子数N個は、その素子
範囲内の各素子で十分なS/Nの受信信号が得られるよ
うに設定することが好ましい。さらに、ここで言う素子
範囲とは、走査線近傍の素子における受信信号(干渉等
の影響が少なく、S/Nが良い)の波形と相関性の強い
受信信号が得られる素子範囲であることが好ましく、し
たがって、素子範囲が連続して配列された複数の素子か
らなる1つの領域である必要はなく、互いに離れた複数
の素子群からなる複数の素子範囲であっても良い。
【0054】図12は、図11に示す素子範囲設定部の
一例を示すブロック図である。図12に示す素子範囲設
定部10は、図11に示すゲート部6で切り出された各
素子の受信信号の振幅強度を検知する振幅検知手段10
3と、該振幅検知手段103で得られた各受信信号の振
幅強度をもとに、図11の加算部4で加算する素子範囲
を設定する加算素子範囲設定手段105と、実際に得ら
れた受信信号の振幅等とは無関係にビーム径等の観点か
らあらかじめ定められた本来の受信開口と加算素子範囲
設定手段105で設定された加算素子範囲との差分を補
正する補正手段106を備える。例えば、振幅検知手段
103は、図11に示すゲート部6で切り出された各素
子の受信信号の振幅のピーク値を検知し、各ピーク値の
中の最大値αを検知するように構成する。この最大値α
をもとに、各素子のピーク値が例えばα/10以上の素
子範囲を実効有効開口とすることで、S/Nの低い受信
信号を加算対象から外すことが可能となる。
【0055】ところで、図13に示すように、本来の受
信開口A0 に対し、加算素子範囲設定手段105で設定
した加算素子範囲AV が小さい時、A0 −AV が加算対
象から外れた素子となり、この部分の信号エネルギーが
失なわれることになる。この損失分を補正するのが補正
手段106であり、例えば、図13に図示した重み付け
の損失分を図11の加算部4において補正すれば良い。
その他、加算素子範囲設定手段105で設定された加算
素子範囲に対して別の重みをかけるなど、上記損失分を
補正する方法はどのように構成してもよい。
【0056】以上の構成により、S/Nの小さい受信信
号を加算領域から外し、信頼性の高い画像を得ることが
可能である。図14は、図11に示す素子範囲設定部の
他の例を示すブロック図である。図14に示す素子範囲
設定部10は、図11に示すゲート部6で切り出された
各素子の受信信号どうしの相関関係を算出する相関係数
算出手段104と、相関係数算出手段104で得られた
相関係数をもとに、図11の加算部4で加算する素子範
囲を設定する加算素子範囲設定手段105と、該加算素
子範囲設定手段105で設定された加算素子範囲と本来
の受信開口との差分に起因する信号エネルギーの損失分
を補正する補正手段106を備える。例えば、相関係数
算出手段104は、図11に示すゲート部6で切り出さ
れた、互いに隣接する素子で得られた受信信号どうしの
相関係数、または基準素子で得られた受信信号と他の素
子で得られた受信信号との間の相関係数を算出するよう
に構成される。この相関係数をもとに、例えば相関係数
が0.5以上の素子範囲を実効有効開口とすることで、
S/Nの低い受信信号を加算対象から外すことが可能と
なり、生体断層画像の信頼性が向上する。なお、補正手
段106については前述したので、ここでの説明は省略
する。
【0057】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
第1の超音波診断装置は、走査線との交点から離れた素
子群ほどその素子群を構成する素子数が多くなるように
複数の素子群を構成し、各素子群内の各素子で得られた
受信信号を各素子群毎に互いに加算するものであるた
め、S/Nの高い受信信号で時間ずれ検出が行なわれる
ことになり、従来と比べ高精度の音速不均一性の補正が
行なわれ、高画質の断層像を得ることができる。
【0058】また、本発明の第2および第3の超音波診
断装置は、時間ずれ検出を行う素子範囲もしくは時間ず
れ補正を行う素子範囲を走査線との交点付近に限定する
ように構成したため、走査線との交点から離れた素子
の、S/Nの低い受信信号による時間ずれ検出ミスもし
くは時間ずれ補正ミスを防ぐことが可能となる。また、
時間ずれ補正されない素子の受信信号を除去したり、も
しくはその受信信号の振幅を低減して同期加算すること
により、時間ずれ補正効果の低減を防止することが可能
となる。その結果、時間ずれ補正後の断層像の画質向上
につながる。このように、本発明によれば、音速不均一
性を補正する機能を有する超音波診断装置の性能、信頼
性の向上に寄与するところが大きい。
【0059】また、本発明の第4の超音波診断装置は、
加算部における加算素子範囲を、S/Nの高い素子範囲
に設定することで、干渉等によって変形を受けたS/N
の低い信号による画質の劣化を防止することが可能とな
り、音速不均一性を補正する機能を有しない超音波診断
装置であっても、画質改善に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の超音波診断装置の一実施例の全
体構成を示すブロック図である。
【図2】素子群分割部の一例の構成を示すブロックとそ
の素子群分割部で実行される演算の概念を示した図であ
る。
【図3】素子群分割部の他の例を示すブロック図であ
る。
【図4】素子群分割部のもう1つの例を示すブロック図
である。
【図5】素子群分割部のさらにもう1つの例を示すブロ
ック図である。
【図6】本発明の第2および第3の超音波診断装置の一
実施例の全体構成を示すブロック図である。
【図7】素子範囲設定部の一例を示すブロック図であ
る。
【図8】素子範囲設定部の他の例を示すブロック図であ
る。
【図9】素子範囲設定部のもう1つの例を示すブロック
図である。
【図10】本発明の第2および第3の超音波診断装置の
他の実施例の全体構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第4の超音波診断装置の一実施例の
全体構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示す素子範囲設定部の一例を示すブ
ロック図である。
【図13】補正手段の一例の説明図である。
【図14】図11に示す素子範囲設定部の他の例を示す
ブロック図である。
【図15】受信フォーカスの手法の説明図である。
【図16】音速が不均一の場合の受信フォーカスを示し
た図である。
【図17】相互相関法を用いた時間ずれ補正方法の説明
図である。
【図18】時間ずれ検出ミスの原因の説明図である。
【符号の説明】
1 電気音響変換素子 2 送信部 3 受信部 4 加算部 5 表示部 6 ゲート部 7 時間ずれ検出部 8 遅延量制御部 9 素子群分割部 91 分割設定手段 92 素子群内信号加算手段 93 振幅検知手段 94 相関係数算出手段 95 素子群内時間ずれ検出手段 10 素子範囲設定部 101 時間ずれ検出実効有効開口設定手段 102 時間ずれ補正実効有効開口設定手段 103 振幅検手段 104 相関係数算出手段 105 加算素子範囲設定手段 106 補正手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−51846(JP,A) 特開 平1−135333(JP,A) 特開 平2−246939(JP,A) 特開 平4−231033(JP,A) 特開 平5−220150(JP,A) 特開 平6−30931(JP,A) 特開 平6−70928(JP,A) 特開 平6−105841(JP,A) S.W.Flax, M. O’Do nnell,IEEE TRANSAC TONS ON ULTRASONIC S, FERROELECTRICS, AND FREQUENCY CON TROL,1988年11月,vol.35, no.6, pp.758−767 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 8/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の方向に並んだ複数の電気音響変換
    素子と、これら複数の電気音響変換素子に送信パルスを
    印加する送信部と、前記被検体内で反射した超音波を前
    記複数の電気音響変換素子で受信することにより得られ
    た複数の受信信号を前記被検体内に延びる走査線に沿う
    被検体内の情報が強調されるようにそれぞれ遅延するこ
    とにより、これら複数の受信信号を互いに整相する受信
    部と、整相処理後の前記複数の受信信号を互いに加算す
    ることにより加算信号を得る加算部と、前記加算部で得
    られた加算信号を輝度信号に変換し該輝度信号に基づい
    て前記被検体の断層像を表示する表示部とを備えた超音
    波診断装置において、 前記複数の電気音響変換素子を、1つの前記電気音響変
    換素子により1つの素子群が構成されることが許容され
    るとともに、前記電気音響変換素子と前記走査線との交
    点から離れるほど1つの素子群を構成する前記電気音響
    変換素子の数が増加するように分割された複数の素子群
    のうち、複数の電気音響変換素子で構成される素子群に
    ついて該素子群で得られた複数の受信信号を各素子群毎
    に加算することにより、前記複数の素子群それぞれにつ
    いて1つずつの受信信号を生成する素子群分割部と、 前記素子群分割部で、前記複数の素子群それぞれについ
    て1つずつ得られた受信信号どうしの相対的な時間ずれ
    を求める時間ずれ検出部と、 前記時間ずれ検出部で求められた前記時間ずれが補正さ
    れるように前記受信部における前記受信信号の遅延量を
    制御する遅延量制御部とを備えたことを特徴とする超音
    波診断装置。
  2. 【請求項2】 前記素子群分割部が、前記複数の電気音
    響変換素子それぞれで得られた各受信信号の振幅を検知
    する振幅検知手段を備え、該振幅に基づいて前記複数の
    素子群それぞれを構成する電気音響変換素子を定めるも
    のであることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装
    置。
  3. 【請求項3】 前記素子群分割部が、前記複数の電気音
    響変換素子それぞれで得られた各受信信号どうしの相関
    係数を算出する相関係数算出手段を備え、該相関係数に
    基づいて前記複数の素子群それぞれを構成する電気音響
    変換素子を定めるものであることを特徴とする請求項1
    記載の超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 所定の方向に並んだ複数の電気音響変換
    素子と、これら複数の電気音響変換素子に送信パルスを
    印加する送信部と、前記被検体内で反射した超音波を前
    記複数の電気音響変換素子で受信することにより得られ
    た複数の受信信号を、前記被検体内に延びる走査線に沿
    う被検体内の情報が強調されるようにそれぞれ遅延する
    ことにより、これら複数の受信信号を互いに整相する受
    信部と、整相処理後の前記複数の受信信号を互いに加算
    することにより加算信号を得る加算部と、前記加算部で
    得られた加算信号を輝度信号に変換し該輝度信号に基づ
    いて前記被検体の断層像を表示する表示部とを備えた超
    音波診断装置において、 前記複数の電気音響変換素子の中から選択された、前記
    電気音響変換素子と前記走査線との交点を含む所定の実
    行有効開口内の複数の電気音響変換素子からなる素子範
    囲を設定する素子範囲設定部と、 前記素子範囲設定部で設定された前記有効実効開口内の
    複数の電気音響変換素子で得られた受信信号どうしの相
    対的な時間ずれを求める時間ずれ検出部と、 前記時間ずれ検出部で求められた前記時間ずれが補正さ
    れるように前記受信部における受信信号の遅延量を制御
    する遅延量制御部とを備え 前記素子範囲設定部が、前記複数の電気音響変換素子そ
    れぞれで得られた各受信信号の振幅を検知する振幅検知
    手段を備え、該振幅に基づいて前記実効有効開口を定め
    るものである ことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 【請求項5】 前記遅延量制御部が、前記素子範囲設定
    部で設定された前記実効有効開口内の複数の電気音響変
    換素子で得られた受信信号どうしの、前記時間ずれ検出
    部で求められた前記時間ずれが補正されるように、前記
    受信部における前記受信信号の遅延量を制御するもので
    あることを特徴とする請求項4記載の超音波診断装置。
  6. 【請求項6】 所定の方向に並んだ複数の電気音響変換
    素子と、これら複数の電気音響変換素子に送信パルスを
    印加する送信部と、前記被検体内で反射した超音波を前
    記複数の電気音響変換素子で受信することにより得られ
    た複数の受信信号を、前記被検体内に延びる走査線に沿
    う被検体内の情報が強調されるようにそれぞれ遅延する
    ことにより、これら複数の受信信号を互いに整相する受
    信部と、整相処理後の前記複数の受信信号を互いに加算
    することにより加算信号を得る加算部と、前記加算部で
    得られた加算信号を輝度信号に変換し該輝度信号に基づ
    いて前記被検体の断層像を表示する表示部とを備えた超
    音波診断装置において、 前記複数の電気音響変換素子で得られた受信信号どうし
    の相対的な時間ずれを求める時間ずれ検出部と、 前記複数の電気音響変換素子の中から選択された、前記
    電気音響変換素子と前記走査線との交点を含む所定の実
    行有効開口内の複数の電気音響変換素子からなる素子範
    囲を設定する素子範囲設定部と、 前記素子範囲設定部で設定された前記実行有効開口内の
    複数の電気音響変換素子で得られた受信信号どうしの、
    前記時間ずれ検出部で求められた前記時間ずれが補正さ
    れるように、前記制御部における受信信号の遅延量を制
    御する遅延量制御部とを備え 前記素子範囲設定部が、前記複数の電気音響変換素子そ
    れぞれで得られた各受信信号の振幅を検知する振幅検知
    手段を備え、該振幅に基づいて前記実効有効開口を定め
    るものである ことを特徴とする超音波診断装置。
  7. 【請求項7】 所定の方向に並んだ複数の電気音響変換
    素子と、これら複数の電気音響変換素子に送信パルスを
    印加する送信部と、前記被検体内で反射した超音波を前
    記複数の電気音響変換素子で受信することにより得られ
    た複数の受信信号を、前記被検体内に延びる走査線に沿
    う被検体内の情報が強調されるようにそれぞれ遅延する
    ことにより、これら複数の受信信号を互いに整相する受
    信部と、整相処理後の前記複数の受信信号を互いに加算
    することにより加算信号を得る加算部と、前記加算部で
    得られた加算信号を輝度信号に変換し該輝度信号に基づ
    いて前記被検体の断層像を表示する表示部とを備えた超
    音波診断装置において、 前記複数の電気音響変換素子の中から選択された、前記
    電気音響変換素子と前記走査線との交点を含む所定の実
    行有効開口内の複数の電気音響変換素子からなる素子範
    囲を設定する素子範囲設定部を備え、前記素子範囲設定部が、前記複数の電気音響変換素子そ
    れぞれで得られた各受信信号の振幅を検知する振幅検知
    手段を備え、該振幅に基づいて前記実効有効開口を定め
    るものであり、 前記加算部が、前記素子範囲設定部で設定された前記有
    効実効開口内の複数の電気音響変換素子で得られた複数
    の受信信号を互いに加算するものであることを特徴とす
    る超音波診断装置。
  8. 【請求項8】 所定の方向に並んだ複数の電気音響変換
    素子と、これら複数の電気音響変換素子に送信パルスを
    印加する送信部と、前記被検体内で反射した超音波を前
    記複数の電気音響変換素子で受信することにより得られ
    た複数の受信信号を、前記被検体内に延びる走査線に沿
    う被検体内の情報が強調されるようにそれぞれ遅延する
    ことにより、これら複数の受信信号を互いに整相する受
    信部と、整相処理後の前記複数の受信信号を互いに加算
    することにより加算信号を得る加算部と、前記加算部で
    得られた加算信号を輝度信号に変換し該輝度信号に基づ
    いて前記被検体の断層像を表示する表示部とを備えた超
    音波診断装置において、 前記複数の電気音響変換素子の中から選択された、前記
    電気音響変換素子と前記走査線との交点を含む所定の実
    行有効開口内の複数の電気音響変換素子からなる素子範
    囲を設定する素子範囲設定部と、 前記素子範囲設定部で設定された前記有効実効開口内の
    複数の電気音響変換素子で得られた受信信号どうしの相
    対的な時間ずれを求める時間ずれ検出部と、 前記時間ずれ検出部で求められた前記時間ずれが補正さ
    れるように前記受信部における受 信信号の遅延量を制御
    する遅延量制御部とを備え、前記素子範囲設定部が、前記複数の電気音響変換素子そ
    れぞれ得られた各受信信号どうしの相関係数を算出する
    相関係数算出手段を備え、該相関係数に基づいて前記実
    効有効開口を定めるものであることを特徴とする 超音波
    診断装置。
  9. 【請求項9】 前記遅延量制御部が、前記素子範囲設定
    部で設定された前記実効有効開口内の複数の電気音響変
    換素子で得られた受信信号どうしの、前記時間ずれ検出
    部で求められた前記時間ずれが補正されるように、前記
    受信部における前記受信信号の遅延量を制御するもので
    あることを特徴とする請求項8記載の超音波診断装置。
  10. 【請求項10】 所定の方向に並んだ複数の電気音響変
    換素子と、これら複数の電気音響変換素子に送信パルス
    を印加する送信部と、前記被検体内で反射した超音波を
    前記複数の電気音響変換素子で受信することにより得ら
    れた複数の受信信号を、前記被検体内に延びる走査線に
    沿う被検体内の情報が強調されるようにそれぞれ遅延す
    ることにより、これら複数の受信信号を互いに整相する
    受信部と、整相処理後の前記複数の受信信号を互いに加
    算することにより加算信号を得る加算部と、前記加算部
    で得られた加算信号を輝度信号に変換し該輝度信号に基
    づいて前記被検体の断層像を表示する表示部とを備えた
    超音波診断装置において、 前記複数の電気音響変換素子で得られた受信信号どうし
    の相対的な時間ずれを求める時間ずれ検出部と、 前記複数の電気音響変換素子の中から選択された、前記
    電気音響変換素子と前記走査線との交点を含む所定の実
    行有効開口内の複数の電気音響変換素子からなる素子範
    囲を設定する素子範囲設定部と、 前記素子範囲設定部で設定された前記実行有効開口内の
    複数の電気音響変換素子で得られた受信信号どうしの、
    前記時間ずれ検出部で求められた前記時間ずれが補正さ
    れるように、前記制御部における受信信号の遅延量を制
    御する遅延量制御部とを備え、 前記素子範囲設定部が、前記複数の電気音響変換素子そ
    れぞれ得られた各受信信号どうしの相関係数を算出する
    相関係数算出手段を備え、該相関係数に基づいて前記実
    効有効開口を定めるものであることを特徴とする 超音波
    診断装置。
  11. 【請求項11】 所定の方向に並んだ複数の電気音響変
    換素子と、これら複数の電気音響変換素子に送信パルス
    を印加する送信部と、前記被検体内で反射した超音波を
    前記複数の電気音響変換素子で受信することにより得ら
    れた複数の受信信号を、前記被検体内に延びる走査線に
    沿う被検体内の情報が強調されるようにそれぞれ遅延す
    ることにより、これら複数の受信信号を互いに整相する
    受信部と、整相処理後の前記複数の受信信号を互いに加
    算することにより加算信号を得る加算部と、前記加算部
    で得られた加算信号を輝度信号に変換し該輝度信号に基
    づいて前記被検体の断層像を表示する表示部とを備えた
    超音波診断装置において、 前記複数の電気音響変換素子の中から選択された、前記
    電気音響変換素子と前記走査線との交点を含む所定の実
    行有効開口内の複数の電気音響変換素子からなる素子範
    囲を設定する素子範囲設定部を備え、 前記素子範囲設定部が、前記複数の電気音響変換素子そ
    れぞれ得られた各受信信号どうしの相関係数を算出する
    相関係数算出手段を備え、該相関係数に基づいて前記実
    効有効開口を定めるものであり、 前記加算部が、前記素子範囲設定部で設定された前記有
    効実効開口内の複数の電気音響変換素子で得られた複数
    の受信信号を互いに加算するものであることを特徴とす
    超音波診断装置。
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S.W.Flax, M. O’Donnell,IEEE TRANSACTONS ON ULTRASONICS, FERROELECTRICS, AND FREQUENCY CONTROL,1988年11月,vol.35, no.6, pp.758−767

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