JP2003339698A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JP2003339698A
JP2003339698A JP2002148994A JP2002148994A JP2003339698A JP 2003339698 A JP2003339698 A JP 2003339698A JP 2002148994 A JP2002148994 A JP 2002148994A JP 2002148994 A JP2002148994 A JP 2002148994A JP 2003339698 A JP2003339698 A JP 2003339698A
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JP2002148994A
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Hirotaka Baba
博隆 馬場
Hiroshi Kanda
浩 神田
Takeshi Mitsutake
毅 三竹
Osamu Arai
修 荒井
Ryuichi Shinomura
隆一 篠村
Shinichiro Umemura
晋一郎 梅村
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検体にかかわらず良好な整相精度を得
る。 【解決手段】 超音波診断装置を、被検体との間で超音
波を送受信する複数の振動子を有する探触子と、探触子
の複数の振動子が受信する複数チャンネルの受波信号を
それぞれ設定遅延時間だけ遅延させる受波信号遅延手段
と、受波信号遅延手段の各チャンネルの出力信号に基づ
いて遅延誤差を推定する遅延誤差検出手段と、遅延誤差
に応じて受波信号遅延手段が受波信号を遅延させる基準
時点を可変設定する基準時点設定手段とを有する構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波診断装置に係
り、特に受波信号の焦点あわせを行なう整相処理に関す
る。
【0002】
【従来の技術】超音波診断装置は、生体等の被検体の表
面に超音波探触子を当て、その探触子から被検体に超音
波を送信するとともに、反射波等を含むエコー信号を受
信し、その受信信号に基づいて診断画像等の診断に必要
な情報を得るものである。通常超音波探触子は被検体に
対向して列状または面状に配列された複数の振動子を有
する。そして、複数の振動子のなかから駆動させる振動
子群を選択して超音波の送受信が行われる。このように
選択された振動子群により形成された口径を、例えば順
次移動させることによって被検体を走査する超音波ビー
ムが形成される。またセクタ走査型等のステアラブルな
探触子においては、口径移動ではなくビームの方向を変
えることによって被検体を走査する。
【0003】送信された超音波ビームは、被検体内の音
響インピーダンスが変化する部位において反射してその
一部は探触子に戻り、探触子の各振動子はこのようなエ
コー信号または受波信号を受信する。ところで、受波信
号はその反射源から個々の振動子までの距離の違いに応
じた受信タイミングのずれを有することから、各チャン
ネルの受波信号にそれぞれ時間遅延を与える整相処理が
行なわれる。
【0004】上述した時間遅延量は、一般に反射源から
各振動子までの超音波の伝播距離の差を、媒質が均一で
あると仮定して求めた所定の設定音速で割ることによっ
て求めている。しかし、被検体内の音速は通常不均一か
つ個人差がある。例えば、生体が被検体である場合に
は、筋肉、骨、脂肪といった伝播媒質の違いや、それら
の温度の違いによって音速が異なる。このような媒質の
不均一さに起因する音速差があると時間遅延量に誤差が
生じ、焦点調節が適切に行なわれず、画質が劣化するこ
とになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、上述した被検体
内の音速の不均一さに対処するため、複数チャンネル間
の受波信号を比較して設定音速と実際の音速との誤差を
推定し、設定音速を補正することによって良好な焦点合
わせを行なう適応計測という技術が提案されている。
【0006】そして、このような整相精度を向上する技
術のさらなる多様化を図るべく、新たな補正技術を求め
る要望がある。
【0007】上述した問題に鑑み、本発明の課題は、被
検体にかかわらず良好な整相精度を得ることことにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、被検体との間
で超音波を送受信する複数の振動子を有する探触子と、
探触子の複数の振動子が受信する複数チャンネルの受波
信号をそれぞれ設定遅延時間だけ遅延させる受波信号遅
延手段と、受波信号遅延手段の各チャンネルの出力信号
に基づいて遅延誤差を求める遅延誤差検出手段と、遅延
誤差に応じて受波信号遅延手段が受波信号を遅延させる
基準時点を可変設定する基準時点設定手段とを有する超
音波診断装置によって上述した課題を解決する。
【0009】ところで、一般に超音波探触子の振動子と
被検体との間には、音響レンズ等を含む整合層が設けら
れている。そして、整合層内の超音波の往復伝播時間を
除去して反射源の深さを精度よく求めるため、基準時点
というパラメータが導入されている。この基準時点は、
被検体の深度ゼロの位置に相当するものであり、通常各
探触子毎に定められた所定値か、あるいは受波信号の波
形観測等によって定められる。
【0010】本発明はこの基準時点を利用し、診断に先
立って、あるいは診断中の任意の時期に、探触子を実際
の被検体に当てて超音波の送受信を行ない、整相された
受信信号に基づいて予め設定された基準時点と良好な整
相精度が得られる基準時点との誤差を推定し、この誤差
に基づいて適応的に各チャンネルの基準時点を求め、新
たな基準時点としてフィードバックして設定するもので
ある。これによって、被検体にかかわらず良好な整相精
度を得ることができる。
【0011】また、上述した基準時点の設定精度を高く
するため、基準時点設定手段は、被検体から複数回受信
された受波信号に基づいて求めた複数の基準時点につい
て確からしさを評価し、最も評価の高い基準時点を選択
する構成としてもよい。このような複数回にわたる基準
時点の推定は、被検体内の同じ部位について繰り返し行
なってもよいし、また異なる部位について行なうように
してもよい。
【0012】上述した適応基準時点の推定を行なうにあ
たり、基準時点設定手段は、複数の参照基準時点と該参
照基準時点に対応する複数の参照遅延時間とが格納され
た記憶手段と、設定遅延時間に遅延誤差を加算した適応
遅延時間に一定の許容範囲で一致する遅延参照時間を記
憶手段から選択する比較手段とを有し、この選択した参
照遅延時間に基づいて新たな設定基準時点を設定しても
よい。このとき、遅延時間分布は振動子の配列方向を横
軸としてプロットすると2次曲線または2次曲面と近似
するから、遅延参照時間をこれらの数式として記録する
と扱う情報量が減るので好ましい。また、このことか
ら、隣り合った振動子のチャンネル間の遅延時間の階差
は1次の直線または平面によって近似できるから、参照
遅延時間をこれらの遅延時間として記録すると扱う情報
量がさらに減るので好ましい。
【0013】また、被検体の複数の箇所について遅延誤
差の分布を画像表示する表示部を有する構成としてもよ
い。すなわち、遅延誤差は媒質たる被検体内の音速のば
らつきに起因すると考えられるから、遅延誤差の分布を
画像表示することによって被検体内の音速の分布を観察
することができる。例えば、肝硬変を患った肝臓の音速
は正常なものよりも高くなることが知られており、本発
明によればこのような病巣を発見することができる。具
体的には、遅延誤差値を輝度変調し、走査変換すること
によって画像を生成してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用してなる超音
波診断装置の一実施形態について説明する。図1は、超
音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。図1
に示すように、超音波診断装置は、超音波探触子1と、
超音波探触子1を介して図示しない被検体内に送信する
超音波信号を生成し、周知の送波フォーカス処理を行な
う送波整相回路3と、送波整相回路3の出力信号に基づ
いて超音波探触子の図示しない複数の振動子の駆動パル
スを生成する送波回路5と、送波回路5の出力信号が入
力され、これを超音波探触子1に出力する送受分離回路
7が設けられている。超音波探触子1は、被検体に対向
して列状または面状に配列された複数の振動子を有して
なる。また、送受分離回路7と超音波探触子1との間に
は、超音波探触子1の動作する振動子を選択して超音波
ビームの口径を選択する口径選択スイッチ9が設けられ
ている。一方、超音波探触子1を介して被検体から受信
された各振動子に対応する複数チャンネルの受波信号が
送受分離回路7を介して入力される受波回路11と、受
波回路11の出力変更をディジタル変換するアナログ・
ディジタル・コンバータ(ADC)13と、ADC13
の出力信号に周知の受波フォーカスを行なうための遅延
処理を行なうディジタル遅延部15と、ディジタル遅延
部15から出力された各チャンネルの出力信号を加算す
る加算回路17が設けられている。なお、ADC13に
は、A/D変換に必要なサンプリングクロックを生成す
るサンプリング信号発生手段19がつながれている。そ
して、加算回路17の出力信号に対してlog圧縮、フ
ィルタリング、γ補正、座標変換、補間を含むスキャン
変換等の周知の処理を行なって超音波診断画像を生成す
る信号処理部20と、信号処理部20の出力信号を画像
表示する表示部21が設けられている。
【0015】また、ディジタル遅延部15の複数チャン
ネルの出力信号が入力され、その各チャンネルの入力信
号に基づいて遅延誤差を推定する遅延誤差推定部23
と、ディジタル遅延部15の動作を制御するディジタル
遅延制御部25が設けられている。さらに、ディジタル
遅延制御部25が出力する遅延時間と遅延誤差推定部2
3が出力する遅延誤差時間とがそれぞれ入力される基準
時点設定手段27が設けられている。この基準時点設定
手段27は、遅延誤差推定部23およびディジタル遅延
制御部25からの信号が入力される遅延時間比較部29
と、遅延時間比較部29につながれた異基準時点遅延時
間記憶部31と、遅延時間比較部31の出力信号が入力
される基準時点選択部33と、基準時点選択部33につ
ながれた異基準時点記録部35とを有して構成されてい
る。また、基準時点選択部33の出力信号はディジタル
遅延制御部25および表示部21にそれぞれ入力され
る。
【0016】以下、上述した超音波診断装置の動作につ
いて説明する。はじめに、送波整相回路3は、図示しな
い制御装置からの指示に応じて、個々の振動子から被検
体内の任意の診断部位までの距離の違いに応じて各振動
子に対応するチャンネル毎に微小な遅延時間を与える周
知の送波フォーカス処理を施した超音波信号を発生す
る。送波回路5は、送波整相回路が発生した超音波信号
をアナログ変換して増幅し、この送波信号を送波と受波
とを切換えるスイッチを有する送受分離回路7を介して
口径選択スイッチ9に送る。口径選択スイッチ9は、選
択された振動子に、それぞれのチャンネルの送波信号を
送る。送波信号を受けた振動子はそれぞれ振動して超音
波を発生し、被検体内には各振動子からの波面が一致す
る方向に進行する超音波ビームが形成される。超音波ビ
ームは被検体内の音響インピーダンスが変化する部位に
おいて反射し、これらの反射波を含んでなるエコー信号
が形成される。エコー信号の一部は超音波探触子1に戻
り、個々の振動子はこのエコー信号を電気的信号である
受波信号に変換する。この受波信号は、口径選択スイッ
チ9、送受分離回路7を経て受波回路11に入力され
る。受波信号は受波回路11において増幅され、ADC
13に入力され、アナログ/ディジタル変換された後に
ディジタル遅延部15に入力される。なお、サンプリン
グ信号発生手段19は、予め設定された所望のサンプリ
ングレートに基づいてサンプリング信号をADC13に
提供し、ADC13はこのサンプリング信号に応じて受
波信号をサンプリングする。また、口径選択スイッチ9
からディジタル遅延部15に至るまでの受波信号は、口
径選択スイッチ9において選択された振動子のチャンネ
ル数だけ存在する複数の信号ラインからなる。
【0017】ディジタル遅延部15において、各チャン
ネルの受波信号は、被検体内の受波信号の発生源から個
々の振動子までの伝播距離の違いに基づく受信タイミン
グのずれを低減するため、それぞれ時間遅延を受ける。
各チャンネルの遅延時間Dは、媒質が均一、つまり被検
体内の音速が一定であると仮定して演算により求めた値
であり、ディジタル整相制御部25からの指示に応じて
設定される。このような遅延時間Dは、媒質が均一であ
ると仮定すれば解析的に求めることができる。そして、
ディジタル遅延部15は、遅延処理を施された各チャン
ネルの受波信号を加算回路17に送る。また、ディジタ
ル遅延部15は、隣接する各チャンネルの遅延後の受波
信号間の位相のずれを検出し、遅延誤差推定部23に伝
達する機能を有する。図2は、ディジタル遅延部15の
詳細な構成を示すブロック図である。図2に示すよう
に、ディジタル遅延部15は、遅延処理の対象チャンネ
ル数に相当するディジタル遅延回路37と、隣接するデ
ィジタル遅延回路37の出力信号相互の位相差を検出す
る遅延誤差検出回路39とを有する。つまり、受波信号
が最大でnチャンネル入力される場合には、ディジタル
遅延回路37はn個設けられ、遅延誤差検出回路39は
n−1個設けられることになる。
【0018】それぞれの遅延誤差検出回路39は、該当
するディジタル遅延回路37の出力信号間の相関を検出
し、遅延誤差推定部23に送る。遅延誤差推定部23
は、遅延誤差検出回路39の出力信号に基づいて各チャ
ンネル間の遅延誤差ΔDを推定する。ここで、遅延誤差
推定方法としては、隣接チャンネル間で相関処理により
位相差を検出するとよい。また、隣接チャンネル間の整
相後の信号に受信中心周波数を複素乗算して差周波成分
のみ採りだし、その実部と虚部を除算してtanθを求
め、このtanθより位相差を検出してもよい。また、
表示画像において注目領域を設定し、その領域のヒスト
グラムや、信号強度が最大になるように各チャンネルの
遅延時間を振りながら収束させて求めてもよい。
【0019】そして、遅延誤差推定部23は、各チャン
ネルに対して予め定められた遅延時間Dと、上述したよ
うにして求めた遅延誤差時間ΔDとを累加した後に、基
準となる任意のチャンネルに対する各チャンネルの適応
遅延時間D’=D+ΔDを求める。
【0020】次に、各チャンネルの適応遅延時間D’は
遅延時間比較部29に入力される。遅延時間比較部29
は、入力された適応遅延時間D’が、異基準時点遅延時
間記録部31に予め複数入力され蓄積された参照遅延時
間数列のどれと類似するか、あるいは一致するかを検出
する。そして、蓄積された参照遅延時間数列と一致する
場合にはその参照遅延時間数列をそのまま採用し、一致
するものがない場合には、近似する参照遅延時間数列を
もとに内挿または外挿等の補間処理によって遅延時間数
列を算出する。このとき、複数チャンネルの超音波信号
の遅延時間分布は、振動子の配列方向を横軸としてプロ
ットすると、2次曲面によって近似することができるか
ら、異基準時点遅延時間記録部31に蓄積する参照遅延
時間数列や、遅延時間比較部29において処理する遅延
時間数列を、各チャンネルごとの遅延時間ではなく、こ
の近似する2次曲面の数式として扱うことは、扱う情報
量を低減できるので有用である。さらに、遅延時間分布
の階差を求め、この階差遅延時間列に対して1次直線を
当てはめるようにすると扱う情報量をさらに減少できる
から有用である。
【0021】遅延時間比較部29は、上述したようにし
て求めた遅延時間数列を基準時点選択部33に送る。基
準時点選択部33は、この遅延時間数列に対応する基準
時点を異基準時点記録部35に予め入力され蓄積された
参照基準時点から参照することによって基準時点を各受
信チャンネル毎に推定する。基準時点選択部33は、推
定された適応基準時点をディジタル遅延制御部25にフ
ィードバックし、ディジタル遅延制御部25はこの入力
された適応基準時点に従って各受信チャンネルのディジ
タル遅延制御を行なう。
【0022】ところで、上述した適応基準時点の推定精
度を向上するためには、受信した超音波信号が基準時点
を推定するのに十分な強さを持っている必要があるが、
送信周波数と同じ周波数を有する基本波成分と、超音波
が被検体内を伝播する際の非線型歪みによって生ずる高
調波成分とを扱う装置においては、一般に基本波成分よ
りも高調波成分のほうが信号強度が弱い。そこで、高調
波成分を利用して基準時点の推定を精度よく行なうた
め、基本波成分に対する信号増幅率に対して高調波成分
に対する信号増幅率を大きくし、信号減弱分を補償する
とよい。同様に、超音波信号はその送信周波数や通過パ
ス長または伝播距離によって減弱の程度が異なることが
知られているので、周知のタイム・ゲイン・コントロー
ルにより、既知の補償値によって信号を増幅するとよ
い。
【0023】また、遅延誤差推定部から出力される遅延
時間分布は、所定の遅延時間分布に対して傾きθをもつ
場合がある。この場合には、ビームが高エコーの対象物
に対してフォーカスを行なっているために本来のビーム
方向からずれた方向にビームが通過していることが予想
できるから、このような傾きθが大きい領域のデータは
採用しにくくする。また、異基準時点記録部に記憶して
ある遅延時間分布とに対するばらつきの絶対値dが大き
いデータは採用しにくくする。また、受信信号の振幅A
が大きいほど確からしいと推定されるので、振幅Aが大
きいデータは採用しやすくする。以上のことから、代表
的な基準時点を選択するための評価係数Kは、式1のよ
うに表わされる。
【式1】 ここで、α、β、γはそれぞれ任意の係数であり、各評
価項に対して適当な重み付けを行なうものである。そし
て、被検体の複数の領域から求めた複数の基準時点から
代表的な1つの基準時点を選択するには、評価係数Kが
最大となる領域の基準時点を選択するようにするとよ
い。あるいは、評価係数Kに所定のしきい値を設けて、
評価係数Kがしきい値を超えるまで超音波信号を繰り返
し送波し、しきい値を超えたときのデータを用いるよう
にするとよい。
【0024】さらに、媒質が動くものを含んでいる場
合、例えば人体では拍動等の体動があるが、このような
場合には被検体の同じ部位に複数回超音波信号を繰り返
し送信し、それぞれの送波信号に対応する受波信号の遅
延誤差を平均した値に基づいて基準時点を推定すると、
体動などに影響を受けにくく安定した基準時点推定が可
能となるので有用である。また、心臓弁等の動きの速い
部位については、上記方法に加えて心電と同期させて遅
延誤差情報を取得すれば基準時点推定を精度良く行なう
ことができる。
【0025】そして、本実施形態において、上述した適
応基準時点の推定は、例えば超音波診断装置の使用開始
前、あるいは使用中に随時行なうことができ、特に探触
子の種類や被検体が変わったときに行なうことが望まし
い。
【0026】以上のような適応基準時点の推定は、装置
の演算負荷を軽減するためには被検体の被診断領域全体
の単一の基準時点として、あるいは注目領域を代表する
単一の基準時点として行なうとよい。これにより全領
域、または注目領域にわたってより良好なフォーカスが
可能であり、良好な画像が得られる。しかし、装置の演
算能力に余裕がある場合には、被検体内の深度と方位と
を異ならせながら走査して複数の適応推定基準時点を求
め、これに基づいて画像を生成してもよい。さらに、各
検出部位における遅延誤差推定値の分布を各画素の輝度
によって表現する画像を生成し、これを表示するように
してもよい。図3は、このような画像表示の一例を示す
図である。図3(1)は、既存のBモード像であり、図
3(2)が上述した遅延誤差推定値の分布を示す画像
(以下、「基準時点マップ」と称する。)である。Bモ
ード像は基本的に被検体内の反射体を表示するものであ
り、例えば図3(1)に示すように器官の境目が強調さ
れた線画として表示される。これに対し、基準時点マッ
プは器官毎の音速を反映した濃淡を有する画像として表
示される。例えば肝臓が肝硬変を患っている場合、疾患
部位においては正常な肝臓の部位よりも音速が早くな
り、基準時点マップ上において他と異なる態様で表示さ
れるため、このような画像に基づいて診断が可能であ
る。このような基準時点マップは、図3に示すようにB
モード像と並べて表示してもよく、また重畳して表示し
てもよい。また、Bモード画像の輝度値に対して基準時
点マップの画素値により輝度変調をかけて表示してもよ
い。また、基準時点マップを表示することに代えて、複
数の適応記準時点や代表的な基準時点を数値表示するよ
うにしてもよい。
【0027】以上のように、本実施形態によれば、実際
に探触子を用いて被検体に超音波計測を行ない、整相さ
れた受波信号に基づいて予め設定された基準時点と良好
なフォーカスが得られる基準時点との誤差を推定し、こ
の誤差に基づいて適応的に基準時点を設定するようにし
ているから、整相制度を向上することができる。
【0028】また、被検体から複数回受信された受波信
号に基づいて求めた複数の基準時点について係数Kを用
いて確からしさを評価し、最も評価の高い基準時点を設
定するようにしているから、基準時点の設定制度がよい
効果がある。
【0029】また、このような本発明の利点は、いわゆ
る符号化送受信技術においても有用である。すなわち、
瞬間的な送波エネルギを増やさずに総エネルギを増や
し、エコー信号を符号復調することによって良好な受波
信号を得る技術である符号化送受信においては、複雑に
交播する送波波形を用いるため、受波信号の波形観測に
よる基準時点推定方法では読み取り誤差が大きくなりが
ちである。そこで、符号化送受信による診断に先立ち、
通常のパルス波により上述した適応基準時点の推定を行
なうことにより、良好な画像等を得ることができる。
【0030】なお、本実施形態では、1次元配列振動子
による2次元断層像について説明したが、これに代えて
リングアレイや2次元配列振動子を用い、2次元画像や
3次元画像を表示するようにしてもよい。
【0031】また、上述した実施形態においては、例え
ば白黒画像等のBモード画像と基準時点画像とを表示す
るようにしているが、基準時点画像をドプラモードやパ
ワーモード等のカラー画像と同時表示するようにしても
よい。これによれば、カラー画像とBモード画像との位
置関係を精度よく表示することができる。また、基準時
点画像をMモード画像と同時表示するようにすれば、距
離精度を向上することができる。また、受波整相回路を
2系統にし、あるいは時分割処理することによって既存
のBモード画像と本発明により画質を向上させた画像と
を同時に表示すれば、本発明による画質向上の効果がわ
かり、本発明のデモンストレーションとして有用であ
る。
【0032】また、本実施形態では受波フォーカスの遅
延時間を補正する方法について説明したが、適応基準時
点に応じて送波フォーカスにおける遅延時間を制御する
構成としても良い。
【0033】また、本実施形態のディジタル遅延部にお
けるディジタル遅延回路および遅延誤差検出回路は、ハ
ードウェア構成による回路とすることに代えて、ソフト
ウェアとMPUとによって構成するようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、超音波診断装置の整相
精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した超音波診断装置の一実施形態
の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の超音波診断装置の遅延誤差推定部の詳細
な構成を示すブロック図である。
【図3】図1の超音波診断装置の画像表示の一例を示す
図である。
【符号の説明】
1 超音波探触子 3 送波整相回路 5 送波回路 7 送受分離回路 9 口径選択スイッチ 11 受波回路 13 ADC 15 ディジタル遅延部 17 加算回路 19 サンプリング信号発生手段 20 信号処理部 21 表示部 23 遅延誤差推定部 25 ディジタル遅延制御部 27 基準時点設定手段 29 遅延時間比較部 31 異基準時点遅延時間記録部 33 基準時点選択部 35 異基準時点記録部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三竹 毅 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内 (72)発明者 荒井 修 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内 (72)発明者 篠村 隆一 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内 (72)発明者 梅村 晋一郎 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内 Fターム(参考) 4C301 BB23 BB24 CC02 EE02 EE07 EE11 GB02 HH27 HH33 HH37 HH38 JB19 JB25 JB27 JB29 4C601 BB05 BB06 BB07 BB08 EE01 EE04 EE09 GB01 GB03 HH31 JB01 JB03 JB34 JB35 JB38 JB40 JB45 JB51 KK12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体との間で超音波を送受信する複数
    の振動子を有する探触子と、前記探触子の複数の振動子
    が受信する複数チャンネルの受波信号をそれぞれ設定遅
    延時間だけ遅延させる受波信号遅延手段と、前記受波信
    号遅延手段の各チャンネルの出力信号に基づいて遅延誤
    差を求める遅延誤差検出手段と、前記遅延誤差に応じて
    前記受波信号遅延手段が受波信号を遅延させる基準時点
    を可変設定する基準時点設定手段とを有する超音波診断
    装置。
  2. 【請求項2】 前記基準時点設定手段は、前記被検体か
    ら複数回受信された前記受波信号に基づいて求めた複数
    の基準時点について確からしさを評価し、最も評価の高
    い基準時点を設定することを特徴とする請求項1に記載
    の超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 前記基準時点設定手段は、複数の参照基
    準時点と該参照基準時点に対応する複数の参照遅延時間
    とが格納された記憶手段と、前記設定遅延時間に前記遅
    延誤差を加算した適応遅延時間に一定の許容範囲で一致
    する前記遅延参照時間を前記記憶手段から選択する比較
    手段とを有し、該選択した参照遅延時間に基づいて新た
    な設定遅延時間を設定することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 前記被検体の複数の箇所について前記遅
    延誤差の分布を画像表示する表示部を有することを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の超音波診断
    装置。
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