JPH06269453A

JPH06269453A - 超音波診断装置

Info

Publication number: JPH06269453A
Application number: JP6385193A
Authority: JP
Inventors: Akifumi Otake; 章文大竹
Original assignee: Aloka Co Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1993-03-23
Filing date: 1993-03-23
Publication date: 1994-09-27

Abstract

(57)【要約】【目的】断層画像内にドプラ画像が部分的に重ねて表
示される場合に、フレームレートを向上させる。【構成】操作者は、エリア設定部８によって、断層画
像内にドプラ表示エリアを設定する。この場合、送信制
御部３は、断層用パルスの送信繰り返し周期は変えず
に、ドプラ用パルスに対し、ドプラ表示エリアに合った
送信繰り返し周期を設定する。ドプラ表示エリアについ
て必要最小限の送信繰り返し周期でドプラ用パルスが送
波されるので、フレームレートを向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、断層画像にドプラ画像
を重ねて表示する超音波診断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、超音波パルスの送受波を行
い、生体内の断層画像を表示し、また生体内部の血流速
度等を表示する超音波診断装置が知られている。ここ
で、断層画像は、いわゆるＢモード表示で白黒画像とし
て表示され、ドプラ画像は、カラーフロー画像として表
示される。かかる従来の超音波診断装置においては、断
層画像上にドプラ画像が重ねて表示される。

【０００３】ところで、画像のフレームレートを上げて
リアルタイム性を向上させるため、また見たい部分のみ
についてカラーのドプラ画像を実際に表示するため、従
来の超音波診断装置には、断層画像の表示領域内に、ド
プラ画像の表示エリアを設定できる機能が設けられてい
る。その様子が図６に示されている。ドプラ画像は、左
右に狭められてエリア１０３内で表示されている。

【０００４】図６に示すように、Ｂモード画像だけの領
域１０１、１０２とＢモード画像にカラー画像を重ねた
領域１０３とが表示される場合、Ｂモード画像領域１０
１、１０２では、図９（ｂ）に示すようなＢモード用の
超音波パルス（以下、断層用パルスという）が各走査線
毎に１パルスだけ発射される。一方、領域１０３では、
図９（ａ）に示すように、１走査線毎に、１個の断層用
パルスに続いてカラーフロー用の８〜１０個の超音波パ
ルス（以下、ドプラ用パルスという）（例えばＦ１〜Ｆ
８）が発射される。

【０００５】なお、図では明らかでないが、一般に断層
用パルスの方が、ドプラ用パルスよりもパルス幅が広
い。また、１つの走査線につき、複数のドプラ用パルス
を送信するのは、受信信号にはノイズ成分が多く含ま
れ、またドプラシフト成分が微弱であることから、平均
化処理を行うためである。

【０００６】このように、図７に示すように、断層用パ
ルスは、走査領域全体１０４において、１走査線に対し
て１パルスずつ発射され、図８に示すように、領域１０
３においては、１つの断層用パルスに加えてドプラ用パ
ルスが８〜１０パルスずつ発射される。従来において
は、断層像及びドプラ像の診断距離（データ取り込み深
度）を常に一致させていたため、断層用パルス及びドプ
ラ用パルスの送信繰り返し周期は同一であった。従っ
て、超音波診断距離を短くしないと、フレームレートを
上げることができなかった。なお、診断距離が短くなる
と、ＰＲＦ（送信繰り返し周波数）に依存する測定可能
な最高速度（速度レンジ）が拡大できる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、操作者
が超音波画像上でドプラ画像の表示を希望するのは、通
常、画像の中間深度付近であり、診断距離すべてについ
てカラー表示が必要な場合は少ない。多くの場合には、
画像の中央部より深度が深い方又は浅い方の領域につい
ては、ドプラ画像表示が不要とされる。よって、ドプラ
画像の表示を、電子走査方向について制限するだけでな
く、深さ方向、すなわち超音波ビームに沿う方向につい
ても制限することが考えられる。

【０００８】ところが、ドプラ画像の表示エリアを自在
に設定できるようにしても、ドプラ用パルスの送信繰り
返し周期が、断層用パルスと同一で、一定の場合におい
ては、フレームレートを向上することができない。

【０００９】本発明は、上記のような課題を解消するた
めになされたもので、その目的は、診断距離の所望の範
囲にのみカラー表示を行うようにして、フレームレート
を向上し得る超音波診断装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、生体の断層画像にドプラ画像を重ねて表
示する超音波診断装置において、前記断層画像の表示領
域内に、前記ドプラ画像が重ねて表示されるドプラ表示
エリアを設定するためのエリア設定手段と、前記断層画
像を得るための断層用パルスの送受波と前記ドプラ画像
を得るためのドプラ用パルスの送受波とを所定の順序で
行う送受波制御手段と、を含み、前記送受波制御手段
は、前記設定されたドプラ表示エリアにドプラ診断距離
が合うように、前記ドプラ用パルスの送信繰り返し周期
を設定することを特徴とする。

【００１１】

【作用】上記構成によれば、断層画像の表示領域内に部
分的にドプラ表示エリアが設定されると、そのドプラ表
示エリアにドプラ診断距離を合わせて、ドプラ用パルス
の送信繰り返し周期が短く設定されるので、全体とし
て、フレームレートを向上できる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図を用いて説明す
る。

【００１３】図１は、本発明に係る超音波診断装置の構
成を示すブロック図である。超音波ドプラ診断装置は、
被検体としての生体１００へ超音波を送受するプローブ
１を有しており、送受信部２からプローブ１に対して、
後述する断層用パルス及びドプラ用パルスが供給されて
いる。プローブ１からの受信信号は、送受信器２を介し
て、断層像処理部４及びドプラ処理部５に送られる。

【００１４】断層像処理部４は、増幅器及び検波器を含
むものであり、受信信号は白黒の断層像信号（Ｂモード
画像信号）に変換されて、ＤＳＣ（デジタルスキャンコ
ンバータ）６に送出されている。

【００１５】一方、ドプラ処理部５は、直交検波器、自
己相関器などを含み、いわゆるドプラシフトから生体内
運動体の速度を演算するものである。そして、このドプ
ラ処理部５からＤＳＣ６へドプラ画像信号が出力されて
いる。

【００１６】ＤＳＣ６は、白黒断層画像にカラードプラ
画像を重ねた画像信号を表示部７へ出力し、これによっ
て、表示部７において、白黒の断層画像の上に、カラー
で色分けされたドプラ画像が重ねて表示される。

【００１７】送信制御部３は、送受信部２を制御するも
のであって、断層用パルスの送信繰り返し周期、及びド
プラ用パルスの送信繰り返し周期を設定すると共に、超
音波ビームの偏向走査制御を行うものである。

【００１８】エリア設定部８は、断層画像領域内におい
て、ドプラ表示エリアを任意の位置に任意の大きさで設
定するためのものであり、図示されていないマウスなど
によって、その設定が行われる。具体的には、上下２つ
の深度及び左右２つの走査線位置を指定することによ
り、その設定が行われる。

【００１９】本実施例の超音波診断装置においては、断
層画像上にドプラ画像を表示するモードとして、２つの
モードが用意されている。

【００２０】第１のモードでは、断層画像の領域全体に
ついて、ドプラ画像を重ねて表示するモードであり、こ
の場合には、断層用パルスの送信繰り返し周期とドプラ
用パルスの送信繰り返し周期は、一致する。また、両者
において超音波ビームの走査範囲も一致する。

【００２１】しかし、このモードでは、すべての走査線
で、１つの断層用パルスに加えて、８〜１０個程度のド
プラ用パルスを送波しなければならず、フレームレート
が遅くなる。この場合、リアルタイム性は、かなり低下
する。

【００２２】そこで、第２のモードが設けられている。
このモードでは、電子走査方向に任意設定された範囲内
のみで、ドプラ用パルスの送信が行われ、換言すれば第
１のモードに比べ、ドプラ用超音波ビームの本数が少な
くなる。

【００２３】そして、本発明においては、この第２モー
ドにおいて、ドプラ表示エリアの下側（プローブから遠
ざかる方向）の境界線より、更に下側の領域において
は、ドプラデータの取り込みが行われていない。すなわ
ち、ドプラ表示エリアの下側の境界線にドプラ診断距離
が合わせられ、それに応じてドプラ用パルスの送信繰り
返し周期が短く設定されている。

【００２４】なお、この第１モード及び第２モードで
は、断層用パルスの送信繰り返し周期は、一致してい
る。しかし、ドプラ用パルスの送信繰り返し周期は、前
記下側の境界線の深さに応じて短くなるので、全体とし
て、１つの走査面内のデータ取り込み時間を短縮化で
き、つまりフレームレートを向上できる。以下、これを
詳述する。

【００２５】図２には、断層画像の表示領域内に、ドプ
ラ表示エリア２０５が設定された状態が図示されてい
る。なお、ドプラ画像を重ねて見たい臓器等は、通常、
人為的に断層画像の中央位置になるように走査面が設定
されるので、ドプラ表示エリア２０５は、断層画像領域
のほぼ中央（中間深度）付近に設定される。

【００２６】このような条件では、例えば、断層画像の
診断距離が５００μｓだとすると、ドプラ診断距離は、
例えば３００μｓになる。すわなち、断層用パルスの送
信繰り返し周期は単純計算で５００μｓとなり、ドプラ
用パルスについては、３００μｓになる。

【００２７】図３及び図４から明らかなように、図２に
示す領域２０１、２０２及び２０３では、断層画像のた
めのデータの取り込みのみが行われ、領域２０４及び２
０５では、断層画像及びドプラ画像の両者のデータ取り
込みが行われる。ただし、領域２０４でのドプラデータ
は、エリア外として実際には表示されない。

【００２８】従って、エリア設定機能を有する従来装置
との対比では、同一条件で、少なくとも領域２０３分に
相当する超音波伝搬時間だけ、フレームレートを上げる
ことができる。もちろん、設定されるエリアの下側境界
線が、断層画像領域の下側の枠に近づけば、従来と同様
のフレームレートとなるが、通常は図４に示すようなエ
リア設定が多いので、その限りにおいてフレームレート
を向上できる。

【００２９】図５には、断層用パルス“Ｂ”とドプラ用
パルス“Ｆ”とが示されており、走査区間３０１及び３
０２（図２参照）で、図５（ｂ）のように、各走査線に
つき１つの断層用パルスが送波される。一方、図２の走
査区間３０３では、図５（ａ）のように、断層用パルス
及びドプラ用パルスの両者が送波される。ただし、ドプ
ラ用パルスの送信繰り返し周期は、５００μｓでなく３
００μｓで、短くなっており、１つの走査面を形成する
のに要する時間が短縮化されている。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
断層画像の表示領域内にドプラ表示エリアが設定される
と、それに応じてドプラ診断領域が必要最小限に設定さ
れ、これによってドプラ用パルスの送信繰り返し周期が
短くなるので、ドプラ表示エリアの位置及び大きさに応
じて、フレームレートを上げることができ、また測定可
能な速度レンジの拡大を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る超音波ドプラ診断装置の構成を示
すブロック図である。

【図２】本発明の動作を説明するため図である。

【図３】本発明の動作を説明するため図である。

【図４】本発明の動作を説明するため図である。

【図５】本発明に係る超音波ドプラ診断装置の超音波パ
ルスを示すタイムチャートである。

【図６】従来の超音波ドプラ診断装置の動作を説明する
ための図である。

【図７】従来の動作を説明するための図である。

【図８】従来の動作を説明するための図である。

【図９】従来の超音波ドプラ診断装置の超音波パルスを
示すタイムチャートである。

【符号の説明】

１プローブ２送受信部３送信制御部４断層像処理部５ドプラ処理部６ＤＳＣ７表示部８エリア設定部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】生体の断層画像にドプラ画像を重ねて表
示する超音波診断装置において、前記断層画像の表示領域内に、前記ドプラ画像が重ねて
表示されるドプラ表示エリアを設定するためのエリア設
定手段と、前記断層画像を得るための断層用パルスの送受波と前記
ドプラ画像を得るためのドプラ用パルスの送受波とを所
定の順序で行う送受波制御手段と、を含み、前記送受波制御手段は、前記設定されたドプラ表示エリ
アにドプラ診断距離が合うように、前記ドプラ用パルス
の送信繰り返し周期を設定することを特徴とする超音波
診断装置。