JPH05115291A - 微生物セルロースの製造方法 - Google Patents

微生物セルロースの製造方法

Info

Publication number
JPH05115291A
JPH05115291A JP9420192A JP9420192A JPH05115291A JP H05115291 A JPH05115291 A JP H05115291A JP 9420192 A JP9420192 A JP 9420192A JP 9420192 A JP9420192 A JP 9420192A JP H05115291 A JPH05115291 A JP H05115291A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microbial cellulose
cellulose
gel
partial pressure
substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9420192A
Other languages
English (en)
Inventor
Otohiko Watabe
乙比古 渡部
Shigeru Yamanaka
茂 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Priority to JP9420192A priority Critical patent/JPH05115291A/ja
Publication of JPH05115291A publication Critical patent/JPH05115291A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 セルロース生産能を有する微生物を気相中の
酸素分圧を制御しつつ培養し、培養液中にセルロースを
生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする微生
物セルロースの製造方法。 【効果】 本発明の方法により、微生物セルロースの製
造において微生物セルロースの生産量あるいは対消費糖
収率を高めることができ、また、生産されるゲル状物質
中の微生物セルロース含有量およびゲル状物質中の総固
形分に占める微生物セルロースの割合を変えることがで
きる。かくして微生物セルロースの工業生産がより有利
となり、また、食品用途や医療用途等の目的に応じて望
みの性状の微生物セルロース含有ゲル状物質を得ること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微生物セルロースの製造
方法に関する。微生物セルロースは各種工業材料、衣料
材料、医療材料、機能性素材、食品素材等に用いられ
る。
【0002】
【従来の技術】微生物セルロースは、酢酸菌アセトバク
ター・パスツリアヌス(Acetobacterpasteurianus)、
サルシナ・ベントリクリ(Sarcina ventriculi)、バク
テリウム・キシロイデス( Bacterium xyloides)、シ
ュードモナス(Pseudomonas)属細菌、アグロバクテリ
ウム(Agrobacterium)属細菌、リゾビウム(Rhizobiu
m)属細菌、藻類、カビ等の微生物が生産するセルロー
スで、結晶性や一軸配向性の非常に高いセルロースから
なる幅約20〜50nmの繊維(ミクロフィブリル、フ
ィブリル、リボン等と称される)が複雑に絡み合ったネ
ットワーク状の構造から成っている。微生物セルロース
は生産された状態ではこのネットワーク状の構造の隙間
に多量の液体を含んでいるためにゲル状の外観を呈して
おり、このゲル状物質中の微生物セルロース含有量は約
1重量%である。またこのゲル状物質は固形分として微
生物セルロース以外に菌体等も含んでいる。このような
ゲル状物質を市販のミキサー等で離解することにより短
い繊維の懸濁物(離解物)として得られることが特開昭
61−113601号公報に開示されている。
【0003】酢酸菌を用いた微生物セルロースの生産方
法に関しては古くから知られている。酢酸菌は絶対好気
性であるため、微生物セルロースの生産は気体と液体の
界面で行われ、微生物菌体はこの気液界面部分に多く存
在し気相中の酸素を呼吸しながらエネルギーを得て微生
物セルロースを産生している。ところが、気相中の酸素
濃度を上げて培養を行うと微生物セルロースの生産が阻
害されてしまうため、微生物セルロース生産においては
培養時の気相中の酸素分圧は標準状態の大気中における
分圧が最も適切な条件であるとされていた(Proceeding
s of the International Conference on Cellulosics U
tilization in NearFuture, 175頁, 1988年)。しかし
ながら、従来用いられている培養法では微生物セルロー
スの生産量あるいは対消費糖収率が低く、このことが微
生物セルロースの工業生産においてコスト高の原因とな
っていた。また、食品用途や医療用途等の目的に応じて
望みの性状の微生物セルロース含有ゲル状物質を製造す
る方法はこれまで知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、微生
物セルロースの生産量あるいは対消費糖収率を高めるこ
とにより工業生産においてより有利な微生物セルロース
の製造方法を提供すること、また、生産されるゲル状物
質中の微生物セルロース含有量およびゲル状物質中の総
固形分に占める微生物セルロースの割合を変えることに
より食品用途や医療用途等の目的に応じて望みの性状の
微生物セルロース含有ゲル状物質を製造する方法を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、微生物セ
ルロースの生産量あるいは対消費糖収率を高め、また、
生産されるゲル状物質中の微生物セルロース含有量およ
びゲル状物質中の総固形分に占める微生物セルロースの
割合を変えることを可能ならしめるために鋭意検討を重
ねた結果、アセトバクター属に属し、セルロース生産能
を有する微生物を気相中の酸素分圧を制御しつつ培養を
行うことがその目的に適合することを見いだし、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、アセトバクター属に
属し、セルロース生産能を有する微生物を気相中の酸素
分圧を制御しつつ培養し、培養液中に微生物セルロース
を生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする微
生物セルロースの製造方法を提供するものである。
【0007】本発明において使用される微生物セルロー
スを生産する微生物は、酢酸菌とも称される、アセトバ
クター属に属し、セルロース生産能を有する微生物であ
る。そのような微生物の例として、以下のような菌株が
挙げられる。 アセトバクター・パスツリアヌス ATCC10245 アセトバクター・パスツリアヌス ATCC10821 アセトバクター・パスツリアヌス ATCC23770 アセトバクター・キシリヌム ATCC53263 アセトバクター・キシリヌム ATCC53264 アセトバクター・キシリヌム ATCC53524
【0008】本発明において生産される微生物セルロー
スは、生産された状態ではゲル状の外観を呈しており、
このゲル状物質中に微生物セルロースとしてセルロー
ス、セルロースを主鎖としてヘテロ多糖を含むもの、あ
るいはβ、α等のグルカンを含むものが存在している。
ヘテロ多糖の場合のセルロース以外の構成成分は、マン
ノース、フラクトース、ガラクトース、キシロース、ア
ラビノース、ラムノース、ウロン酸等の六炭糖、五炭糖
および有機酸等である。これらの多糖が単一物質である
場合もあるし、2種類以上の多糖が混在している場合も
ある。
【0009】上記の微生物セルロース生産菌を用いて微
生物セルロースを生産せしめるには、炭素源、窒素源、
無機塩類、その他必要に応じてアミノ酸、ビタミン等の
有機微量栄養素を含有する通常の栄養培地を用いて常法
により行うことができる。炭素源としてはグルコース、
シュクロース、フラクトース、キシロース、ガラクトー
ス等の糖類など、窒素源としては硫安、アミノ酸等が使
用できる。培養方法は、温度20℃ないし40℃、好ま
しくは25℃ないし35℃、pH2ないし8、好ましく
はpH3ないし5で静置または攪拌培養を行い、培養日
数は通常1日ないし60日である。なお、ここでいう攪
拌培養とは、振とう培養、通気培養、通気攪拌培養、振
動培養等を含む。
【0010】本発明では、この微生物セルロース生産菌
を用いて微生物セルロースを生産せしめるに際し気相中
の酸素分圧を制御しつつ培養を行う。気相中の酸素分圧
を制御する方法としては、気相中または培養液中に通気
する気体に含まれる酸素濃度を制御する方法、加圧また
は減圧下に培養を行う方法等が挙げられる。
【0011】大気中には通常約21%の酸素が含まれて
おり、標準状態すなわち1atm(1気圧)の大気中に
おける酸素分圧は約0.21atmである。静置培養に
おいて微生物セルロースの生産量及び対消費糖収率を高
めるためには、培養時の気相中の酸素濃度を標準状態に
おいて21%より低く、すなわち酸素分圧として0.2
1atmより低く保ちつつ培養を行う。好適な酸素分圧
の値は、使用する菌株によっても異なるが、0.05な
いし0.15atm程度である。かくして気相中の酸素
分圧を0.21atmより低く制御しつつ微生物セルロ
ース生産菌の培養を行うことにより、微生物セルロース
の工業生産がより有利となる。
【0012】また、生産されるゲル状物質中の微生物セ
ルロース含有量やゲル状物質中の総固形分に占める微生
物セルロースの割合を変えるためには、菌の生育の阻害
がない範囲で気相中の酸素分圧を制御しつつ微生物セル
ロース生産菌の培養を行う。気相中の酸素分圧を標準状
態の大気中における分圧、すなわち0.21atmより
も低く制御しつつ培養を行うと、生産されるゲル状物質
中の微生物セルロース含有量は減少するが、ゲル状物質
中の総固形分に占める微生物セルロースの割合は増大す
る。また逆に気相中の酸素分圧を標準状態の大気中にお
ける分圧、すなわち0.21atmより高く制御しつつ
培養を行うと、生産されるゲル状物質中の微生物セルロ
ース含有量は増大するが、ゲル状物質中の総固形分に占
める微生物セルロースの割合は減少する。つまり、生産
されるゲル状物質中の微生物セルロース含有量は気相中
の酸素分圧と正の相関関係にある一方、ゲル状物質中の
総固形分に占める微生物セルロースの割合は気相中の酸
素分圧と負の相関関係にある。
【0013】微生物セルロースを含有するゲル状物質に
味付け等を行ってゲル状食品として利用することができ
るが、このゲル状食品の食べた時の食感はゲル状物質中
の微生物セルロース含有量によって左右される。すなわ
ち、ゲル状物質中の微生物セルロース含有量が多い場合
は硬くしまった歯ごたえのあるゲルになるのに対して、
ゲル状物質中の微生物セルロース含有量が少ない場合は
柔らかいゲルになる。本発明の方法によりゲル状物質中
の微生物セルロース含有量を変えることができ、かくし
て望みの食感をもった微生物セルロース含有ゲル状食品
を製造することができる。
【0014】また、創傷カバーのような医療関連の物品
に微生物セルロースを用いる場合は、生産されるゲル状
物質にセルロース以外の成分が混入していることは様々
な障害を引き起こすので問題である。例えば、タンパク
質の混入は人体に望ましくない抗原抗体反応の要因とな
り得るし、菌体成分の細胞壁成分のリポ多糖は発熱性物
質である。従って、気相中の酸素分圧を標準状態の大気
中の分圧より低く制御しつつ微生物セルロース生産菌の
培養を行うことにより、ゲル状物質中の総固形分に占め
る微生物セルロースの割合が増大する結果、ゲル状物質
からの純度の高い微生物セルロースの回収が容易にな
り、医療関連の物品に微生物セルロースを用いる場合に
特に有効である。
【0015】培養終了後の培養液からの微生物セルロー
スの採取は、培養液中に生産されたゲル状物質を希アル
カリ、希酸、有機溶剤、熱水、界面活性剤等を単独ある
いは組み合わせて洗浄を行う等の公知の方法により行わ
れる。使用目的に応じて微生物セルロースはゲル状の状
態のまま用いてもよいし、プレス乾燥あるいは離解した
ものを用いることもできる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0017】実施例1 シュクロース5g/dl、酵母エキス(ディフコ社製)
0.5g/dl、硫安0.5g/dl、リン酸一カリウ
ム0.3g/dl、硫酸マグネシウム7水塩0.05g
/dl(pH5.0)の組成の培地を直径約3cmのガ
ラス容器に20mlずつ分注し、120℃、15分間加
熱殺菌した。これにアセトバクター・パスツリアヌス
ATCC23769を接種し、表1に示す各酸素分圧下
にて25℃で静置培養を行った。培養時の気相中の酸素
分圧の制御は、所定濃度に予め調製した酸素・窒素混合
ガスを通気することにより行った。2週間後、生成した
ゲル状物質の重量、ゲル状物質中の総固形分重量および
ゲル状物質中の微生物セルロース重量を測定した。な
お、ゲル状物質中の総固形分重量はゲル状物質を水で充
分洗浄した後105℃で恒量になるまで乾燥することに
より求めた。また、ゲル状物質中の微生物セルロース含
有量は、総固形分重量を求めた後のサンプルを120℃
の2%水酸化ナトリウム溶液中で1時間洗浄した後水洗
したものを105℃で恒量になるまで乾燥することによ
り求めた。結果を表1に示した。
【表1】
【0018】これから明らかなように、静置培養におい
ては、培養時の気相中の酸素分圧を標準状態の大気中に
おける分圧より低く制御することにより微生物セルロー
スの生産量を増大させることができた。本菌株の場合
は、気相中の酸素分圧の至適範囲は0.10atmない
し0.15atmであった。
【0019】また、気相中の酸素分圧を制御することに
より生産されるゲル状物質中の微生物セルロース含有量
を変えることができた。標準状態の大気中より酸素分圧
を高くすることにより微生物セルロース含有量は増大し
た。また、それぞれのゲルの歯ごたえを比較した結果、
ゲル状物質中のセルロースの割合が高いと歯ごたえのあ
る固いものになっていた。
【0020】さらにまた、気相中の酸素分圧を制御する
ことによりゲル状物質中の総固形分に占める微生物セル
ロースの割合を変えることができた。つまり、標準状態
の大気中より酸素分圧を高く制御することにより総固形
分に占める微生物セルロースの割合を低くすることがで
き、逆に酸素分圧を低く制御することにより総固形分に
占める微生物セルロースの割合を高くすることができ
た。
【0021】実施例2 フラクトース40g/l、コーンスティープリカー50
ml/l、硫安3g/l、リン酸一カリウム1g/l、
硫酸マグネシウム7水塩1g/l、フィチン酸100m
g/l、クエン酸鉄アンモニウム15mg/l、塩化カ
ルシウム15mg/l、モリブデン酸アンモニウム1m
g/l、硫酸亜鉛7水塩2mg/l、硫酸マンガン4水
塩1mg/l、硫酸銅5水塩0.02mg/l、ニコチ
ン酸0.5mg/l、ピリドキシン塩酸塩0.5mg/
l、チアミン塩酸塩0.5mg/l、パントテン酸カル
シウム0.2mg/l、リボフラビン0.2mg/l、
葉酸0.02mg/l、ビオチン0.02mg/l、酵
母エキス100mg/l、麦芽エキス100mg/l
(pH5.0)の組成の培地を500ml容のバッフル
付きフラスコに100ml分注し加熱殺菌した。これに
アセトバクター・パスツリアヌス ATCC10245
の菌体を接種し、25℃で3日ないし5日間、220r
pmにて回転振とう培養を行い、シード培養を調製し
た。
【0022】ついで、上記組成と同じ組成の培地400
mlを1l容の通気攪拌培養槽に張り込み、これにシー
ド培養をブレンダーで破砕処理した物を40ml接種
し、25℃にて主培養を開始した。最初の24時間は酸
素濃度21%の空気を通気し、その後酸素ガスを適宜通
気ガスの中に混合しつつ加圧操作もしながら、培養液中
の溶存酸素濃度を10ないし12ppmに保持した。酸
素ガスの通気ガスへの混合方法については、混合率を2
0%から段階的に20%ずつ上げていき、最終的に10
0%の酸素を通気した。また、加圧については、最終的
に3atmまで行った。以上の操作は、溶存酸素濃度を
計測しつつ行った。一方、24時間経過後もそのまま酸
素濃度21%の空気を通気し培養を続けたものを比較例
とした。なお、培養液中の糖濃度が1%を下回ったとこ
ろで、5%となるようにフラクトースの飽和溶液を添加
した。また、72時間毎にコーンスティープリカーを初
発アミノ酸濃度と等しくなるように添加した。
【0023】培養4日目において、比較例の場合は、生
成した微生物セルロースを含有するゲル状物質が大きな
塊となり、攪拌翼、邪魔板、電極などに付着したが、酸
素分圧を制御しつつ培養した場合は、付着は見られず、
ゲル状物質は、直径数分の1mmの小片となった。25
日目に培養を終了し、培養物を内径3mmのチューブで
吸い出すことを試みたが、比較例の方では、小片状のゲ
ル状物質しか吸い出せず塊部分の吸い出しができなかっ
たが、酸素分圧を制御しつつ培養した方では、培養物の
ほぼ全量を吸い出し回収することができた。結局前者の
方は、培養槽内部に付着した部分をかきとって回収し
た。両者とも培養終了後にとりだした培養物を500r
pmで10分間遠心し上澄み部分を捨てた後、沈澱部分
の容積を測定し、これをゲル状物質の生産量とした。な
お、比較例のゲル状物質のうち、培養槽内部に付着して
いた部分の総生産量に占める割合(容積)は75%であ
った。
【0024】両者の培養物の沈澱部分を2%水酸化ナト
リウム溶液で100℃で1時間洗浄し、微生物セルロー
スを含有するゲル状物質を得た。それぞれのゲル状物質
の容積及び微生物セルロース含有量を測定した結果は表
2に示す通りであった。
【0025】
【表2】
【0026】表2の結果から明らかなように、攪拌培養
においても、気相中の酸素分圧を大気圧よりも高いレベ
ルに制御しつつ培養を行うことにより、得られるゲル状
物質中の微生物セルロース含有量が増大していた。
【0027】実施例3 実施例2に示した組成と同じ組成の培地40mlを50
0ml容の坂口フラスコに張り込んだものにアセトバク
ター・パスツアリヌス ATCC10821、同ATC
C23770、アセトバクター・キシリヌム ATCC
53263、同ATCC53264、同ATCC535
24の各菌株を接種し、28℃にて24時間、120回
/分、7cmストロークで振とう培養した。
【0028】得られた培養液をガーゼ3枚を用いて無菌
的に濾過し、濾液を10mlずつ内径5cmのシャーレ
に入れ所定の酸素分圧下で25℃、7日間静置培養し
た。空気中の酸素分圧は、0.05、0.10、0.1
5、0.21atmの4種類とした。培養終了後、培養
液表面に生成したゲル状の微生物セルロースを取り出
し、2%水酸化ナトリウム溶液中で100℃、1時間洗
浄することによりセルロースを精製し、これを水洗乾燥
後重量を測定した。また、培養液中の糖濃度を高速液体
クロマトグラフィーを用いて測定し、対消費糖収率を求
めた。結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】この表から明らかなように、酸素分圧を大
気圧よりも低く保ちつつ静置培養を行うことにより、対
消費糖収率が高くなることがわかった。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法により、微生物セルロース
の製造において微生物セルロースの生産量あるいは対消
費糖収率を高めることができ、また、生産されるゲル状
物質中の微生物セルロース含有量およびゲル状物質中の
総固形分に占める微生物セルロースの割合を変えること
ができる。かくして微生物セルロースの工業生産がより
有利となり、また、食品用途や医療用途等の目的に応じ
て望みの性状の微生物セルロース含有ゲル状物質を得る
ことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトバクター属に属し、セルロース生
    産能を有する微生物を気相中の酸素分圧を制御しつつ培
    養し、培養液中に微生物セルロースを生成蓄積せしめ、
    これを採取することを特徴とする微生物セルロースの製
    造方法。
JP9420192A 1991-06-04 1992-04-14 微生物セルロースの製造方法 Pending JPH05115291A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9420192A JPH05115291A (ja) 1991-06-04 1992-04-14 微生物セルロースの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-230702 1991-06-04
JP23070291 1991-06-04
JP9420192A JPH05115291A (ja) 1991-06-04 1992-04-14 微生物セルロースの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05115291A true JPH05115291A (ja) 1993-05-14

Family

ID=26435481

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9420192A Pending JPH05115291A (ja) 1991-06-04 1992-04-14 微生物セルロースの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05115291A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100405776B1 (ko) * 2000-05-08 2003-11-15 주식회사 엔바이오테크놀러지 미생물 셀룰로오스를 주성분으로 포함하는 웨트 시이트제조방법 및 그 용도 개발

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100405776B1 (ko) * 2000-05-08 2003-11-15 주식회사 엔바이오테크놀러지 미생물 셀룰로오스를 주성분으로 포함하는 웨트 시이트제조방법 및 그 용도 개발

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100236507B1 (ko) 비취성 겔용 겔란 고무
CA2054329C (en) Process for preparing trehalulose and isomaltulose
US5232842A (en) Method for preparing chitosan
JPH10310601A (ja) 網状セルロース
EP0012552B1 (en) Heteropolysaccharides produced by bacteria and derived products, their preparation, and the lyophilized culture of the bacteria
EP0001895A1 (en) Heteropolysaccharide, its preparation by fermentation, and compositions and complexes containing it
JP2766165B2 (ja) バクテリアセルロースの製造方法
JP4316826B2 (ja) 細菌細胞の表面に付着していないエキソポリサッカライドの産生
JPH051718B2 (ja)
US3856625A (en) Process for the production of polysaccharide
JPH11255806A (ja) 微細繊維状セルロース濃縮物の凍結乾燥方法
JPH0568235B2 (ja)
US5273891A (en) Process for the production of microbial cellulose
JPH05115291A (ja) 微生物セルロースの製造方法
JPH10316702A (ja) 微生物由来のキトサンおよびその製造方法
US5580763A (en) Method for fermentation production of xanthan gum
JP2560257B2 (ja) キトサンーキチン系中空繊維の製造方法
JPH0568236B2 (ja)
JPH07184675A (ja) バクテリアセルロースの製造方法
JPH06253877A (ja) 微生物によるセルロース性物質の製造方法
JP2929065B2 (ja) サルファ剤耐性株を用いるバクテリアセルロースの製造方法
JPH03247293A (ja) 吸水性高分子量物質の製造法
EL-Ghwas Bacterial Cellulose, Fermentative Production and its Pharmaceutical Application
JPH05308986A (ja) 微生物セルロースの製造方法
JPH05292984A (ja) 微生物セルロースの製造方法