JPH05115253A - 米の味質改良剤 - Google Patents

米の味質改良剤

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JPH05115253A
JPH05115253A JP3307104A JP30710491A JPH05115253A JP H05115253 A JPH05115253 A JP H05115253A JP 3307104 A JP3307104 A JP 3307104A JP 30710491 A JP30710491 A JP 30710491A JP H05115253 A JPH05115253 A JP H05115253A
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JP
Japan
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rice
rice bran
old
taste
bran
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Pending
Application number
JP3307104A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Ito
俊宏 伊藤
Masatsugu Yamashita
政続 山下
Nagataka Yamazaki
長孝 山崎
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Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Taiyo Kagaku KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 米糠を原料とした、米本来のうま味を持つ味
質改良剤を提供する。 【構成】 米糠を微生物起源の蛋白分解酵素で処理して
得られる米糠加水分解物は米本来のうま味を有する米の
味質改良剤となり得ることが見い出された。この米糠加
水分解物を味質の劣化した古米や古古米の炊飯時に添加
することにより新米同様の味質を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、米の炊飯時に添加する
ことにより、味の良いご飯を得ることのできる米の味質
改良剤に関する。詳しくは、米糠を、微生物を起源とし
た蛋白分解酵素で処理して得られる米糠加水分解物を主
成分とする米の味質改良剤に関する。
【0002】
【従来の技術】米飯は、日本人の主食であり、米飯の味
に対する評価が厳しく、食味のより良い米飯への要求が
強くなってきている。
【0003】その反面、現在我国においては、米の消費
が年々少なくなる傾向にあり、昭和45年以降減反政策が
とられているものの、毎年多量の余剰米が生じ、古米,
古古米,さらにはそれよりも古い米も残ってきている。
これらを総称して過年度産米とも呼ぶが、これらは貯蔵
と共に米の化学成分の変化が起こり、古米臭が発生し、
炊飯時の糊化に必要な水の吸収が悪くなり、糊化温度が
高くなり、米飯の食味を損なうようになる。それに伴
い、味質の落ちた過年度産米の味質改良がなされるよう
になってきている。
【0004】現在、過年度産米の味質改良法としては、
アルカリ処理による方法(特開昭51−57848),
再成酒・ぶどう糖等の混液による方法(特開昭62−1
43657),多糖類を含有する組成物で処理する方法
(特開平02−261351)等が知られており、一般
的には、アミノ酸等の食品添加物が使用されている。
【0005】しかしながら、これらの方法による味質の
改良では、米以外の原料を用いているため、米本来のう
ま味とは異なる味付けとなるもの、あるいは、食感の改
良にとどまるものであった。
【0006】一方、米には約7%の蛋白質が含まれてお
り、その蛋白含有率は米の外皮に近くなるほど多くなる
傾向があり、最も外皮に近い部分では、約15%の蛋白質
が含まれている。
【0007】米を精白する工程で、副産物として生じる
米糠は、一般に米の精白度合いにより、大きく白糠と赤
糠に分けられている。
【0008】米糠の食品への利用法としては、白糠から
液糖を製造する方法(特告昭60−41597,特告昭
59−18996)等が知られているが、現在米の精白
工程で副産物として生じる米糠の殆どが、動物の飼料の
原料として使用されるか、産業廃棄物として処理されて
おり、良質の蛋白を含む素材であるにも関わらず、食用
に利用することは殆ど行われていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、米糠を原料
とした、米本来のうま味を持つ味質改良剤を提供するも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、米を原料
として、米の味質改良剤を開発する目的で、鋭意研究を
行った結果、米糠を微生物を起源とする蛋白分解酵素で
処理して得られる米糠加水分解物が上記目的を達成する
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】本発明における米糠加水分解物は、原料の
米糠を水に1〜40重量%の範囲で懸濁,分散させて、微
生物を起源とする蛋白分解酵素を添加し、25〜70℃の温
度範囲で攪拌しながら4〜48時間反応することにより得
られる。
【0012】本発明に用いる原料の米糠は、米の精白工
程で副産物として生じる白糠または赤糠を用いることが
できる。
【0013】本発明の酵素反応時の固形分濃度は、1〜
40重量%がよく、1重量%未満では酵素分解反応は問題
なく行われるが、反応容量が大きくなるため経済的に高
価になる。また、40重量%を越える場合は、溶液の粘度
が高くなり、攪拌が困難となり、懸濁,分散が均一に行
われにくくなる等の問題がある。
【0014】本発明に用いる蛋白分解酵素は、微生物を
起源とする蛋白分解酵素で、微生物の種類としては、例
えば、Aspergillus 属,Rhizopus属,Bacillus属等であ
り、市販されているものとしては、例えば、「プロテア
ーゼMアマノ」,「プロテアーゼAアマノ」,「プロテ
アーゼSアマノ」,「プロレザー」〔天野製薬(株)
製〕、「オリエンターゼ20A」,「オリエンターゼO
N」,「オリエンターゼ90N」〔上田化学工業(株)
製〕、「モルシンF」,「IP酵素」,「AO−S」
〔盛進製薬(株)製〕等があげられる。
【0015】これらの蛋白分解酵素のうち、少なくとも
1種または2種以上を1度にまたは反応時間内の数回に
分けて添加することができる。酵素が作用する液性とし
ては、酸性,中性,塩基性のいずれのものでもよい。作
用する液性により、塩酸,リン酸,クエン酸等の酸また
は、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の塩基によ
り、pHを調整することができる。但し、中性以外での
反応においては、酵素処理終了後、pHを中性に戻す必
要がある。
【0016】また、製品収量の増量や酵素反応終了後の
濾過性の改善を目的として、蛋白分解酵素以外に、セル
ラーゼやアミラーゼ等、他の酵素を蛋白分解酵素処理の
前処理,同時処理,または後処理として併用することが
できる。
【0017】本発明に用いられる蛋白分解酵素は、原料
中の蛋白質量に対して、0.1 〜10重量%添加して用いら
れる。蛋白分解酵素が0.1 重量%未満では、酵素分解反
応が起こりにくく、収率が低くなる。蛋白分解酵素が10
重量%以上では、酵素分解反応は問題なく起こるが、使
用量に対して収量が殆ど変わらないため、経済的に高価
になる問題がある。
【0018】本発明の蛋白分解酵素による処理温度は、
25〜70℃が望ましく、処理温度が25℃以下では酵素の活
性が低くなり、米糠中の蛋白質の分解に長時間必要にな
る問題がある。また、70℃以上では酵素の失活が激し
く、分解反応を制御することが困難である。
【0019】本発明の蛋白分解酵素による処理時間は、
4〜48時間が望ましく、4時間未満では分解が不十分で
あり、48時間以上では分解がこれ以上起こりにくくなる
ばかりでなく、酵素処理中の腐敗等の問題が生じてく
る。
【0020】本発明の方法によって得られた米糠の分解
物の水溶液は、そのまま水溶液の形で、あるいは減圧濃
縮等の方法で濃縮した形で、あるいは噴霧乾燥や凍結乾
燥等の方法で乾燥粉末化した形で使用できる。また、乾
燥粉末化する場合、粉末化基材としてデキストリン等を
加えることができる。
【0021】本発明の方法によって得られた米糠加水分
解物の味質改良剤としての使用量は、味質の劣化度合い
により異なるが、米1合(約150 g)に対し、米糠加水
分解物中の蛋白質として1mg〜10mgとなる量を、炊飯に
用いる水に溶解し、通常の炊飯と同じ条件で炊飯するこ
とにより、新米同様の味質を得ることができる。このと
き、使用量が少ないと、味質の改良効果も少なくなり、
多くなりすぎると、うま味が強くなりすぎるため、かえ
って異味に感じてしまう。
【0022】また、本発明の方法によって得られた米糠
加水分解物は、単品での使用だけでなく、一般に米への
栄養強化として使用されている、ビタミン類,カルシウ
ム等の栄養強化剤との配合製剤としても使用できる。
【0023】更に、本発明の方法によって得られた米糠
加水分解物は、ペプチド特有の苦味を有しておらず、米
の味質改良剤として利用する以外にも、他の食品・飲料
などへの蛋白質の強化に応用することも可能である。以
下に、本発明の実施例によって説明するが、本発明は、
この実施例の範囲に限定されるものではない。
【0024】
【実施例】
実施例1 アミラーゼ〔商品名:アミラーゼAD「アマノ」 天野
製薬(株)製〕1gを水2リットルに溶解した液に、米
の精白工程で生じた白糠1kgを溶解し、75℃において3
時間酵素反応を行った後、50℃まで冷却し、50%クエン
酸溶液を添加してpH3に調整した後、微生物(Asperg
illus oryzae)を起源とした蛋白分解酵素〔商品名:プ
ロテアーゼM「アマノ」 天野製薬(株)製〕5gを添
加し、50℃において18時間酵素反応を行った。次に80
℃,30分間の加熱処理により酵素を失活させ濾過した。
濾液に水酸化ナトリウムを添加してpH7に調整後、噴
霧乾燥し、米糠加水分解物500 gを得た。本品を分析し
た結果、水分4.7 %,全窒素1.9 %(蛋白質換算で11.3
%)であった。
【0025】実施例2 アミラーゼ〔商品名:アミラーゼAD「アマノ」 天野
製薬(株)製〕1gを水2リットルに溶解した液に、米
の精白工程で生じた赤糠1kgを溶解し、75℃において3
時間酵素反応を行った後、50℃まで冷却し、50%クエン
酸溶液を添加してpH3に調整した後、微生物(Asperg
illus niger )を起源とした蛋白分解酵素〔商品名:オ
リエンターゼ20A 上田化学(株)製〕3g及びセルラ
ーゼ〔商品名:スミチームC新日本化学工業(株)製〕
10gをを添加し、45℃において20時間酵素反応を行っ
た。次に80℃,30分間の加熱処理により酵素を失活させ
濾過した。濾液に水酸化ナトリウムを添加してpH7に
調整後、デキストリン〔商品名:BLD 参松工業
(株)製〕200 gを溶解後、噴霧乾燥し、米糠加水分解
物700 gを得た。本品を分析した結果、水分5.3 %,全
窒素3.5 %(蛋白質換算で20.8%)であった。
【0026】試験例1 実施例1及び実施例2で得られた米糠加水分解物を炊飯
時に添加して、味の評価を行った。米の品種及び種類
は、愛知県産「日本晴」の新米、古米及び古古米とし、
米2合(300 g)に対し、実施例1で得られた米糠加水
分解物60mgまたは150 mgを、実施例2で得られた米糠加
水分解物30mgまたは80mgを、水360 gに溶解して添加
し、その他は同じ条件で、2合炊きの電気炊飯器を用い
て炊飯を行った。なお、このときの蛋白質としての添加
量は米1合に対し、実施例1で得られた物がそれぞれ3.
39mg,8.48mg、実施例2で得られた物がそれぞれ3.16m
g,8.32mgとなる。
【0027】また、比較対照としては、無添加のもの、
及び米2合(300 g)に対し、アミノ酸(L−グルタミ
ン酸ナトリウム)10mgを水360 gに溶解して添加したも
のを同じ条件で炊飯を行った。
【0028】味の評価は、20人で行い、5段階評価で、
1:おいしくない,2:ややおいしくない,3:ふつ
う,4:ややおいしい,5:おいしい、とした。以下
に、試験結果を示す。
【0029】 米の種類 試料及びその添加量 評価の平均点数 1.新米 無添加 4.50 2.新米 60mg(実施例1) 4.45 3.新米 150mg(実施例1) 4.40 4.新米 30mg(実施例2) 4.55 5.新米 80mg(実施例2) 4.45 6.新米 10mg(アミノ酸) 4.40 7.古米 無添加 3.10 8.古米 60mg(実施例1) 4.40 9.古米 150mg(実施例1) 4.40 10.古米 30mg(実施例2) 4.30 11.古米 80mg(実施例2) 4.50 12.古米 10mg(アミノ酸) 3.80 13.古古米 無添加 2.35 14.古古米 60mg(実施例1) 4.40 15.古古米 150mg(実施例1) 4.45 16.古古米 30mg(実施例2) 4.25 17.古古米 80mg(実施例2) 4.40 18.古古米 10mg(アミノ酸) 3.35
【0030】この結果から、本発明による米糠加水分解
物は、味質の劣化した過年度産米の味質を新米同様にす
る効果があり、味質の良い新米に対する影響は殆どみら
れなかった。また、アミノ酸の添加による効果は、米糠
加水分解物よりも弱かった。
【0031】
【発明の効果】本発明により得られた米糠加水分解物を
主成分とする米の味質改良剤は、味質の劣化した古米や
古古米の炊飯時に添加することにより新米同様の味質を
得ることができる。また、現在、動物の飼料の原料とし
て使用されるか、産業廃棄物として処理されている米糠
の新規な利用法として有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米糠を微生物を起源とした蛋白分解酵素
    で処理して得られる米糠加水分解物を主成分とすること
    を特徴とする米の味質改良剤。
JP3307104A 1991-10-25 1991-10-25 米の味質改良剤 Pending JPH05115253A (ja)

Priority Applications (1)

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JP3307104A JPH05115253A (ja) 1991-10-25 1991-10-25 米の味質改良剤

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JP3307104A JPH05115253A (ja) 1991-10-25 1991-10-25 米の味質改良剤

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JPH05115253A true JPH05115253A (ja) 1993-05-14

Family

ID=17965083

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JP3307104A Pending JPH05115253A (ja) 1991-10-25 1991-10-25 米の味質改良剤

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JP (1) JPH05115253A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000049576A (ko) * 2000-04-12 2000-08-05 유재문 오가피 쌀의 제조방법
JP2016135118A (ja) * 2015-01-16 2016-07-28 藤安醸造株式会社 調味液の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20000049576A (ko) * 2000-04-12 2000-08-05 유재문 오가피 쌀의 제조방법
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