JPH0511429A - 透過原稿分解用オーバーレイフイルム及び該フイルムを使用するカラー原稿の貼込方法 - Google Patents

透過原稿分解用オーバーレイフイルム及び該フイルムを使用するカラー原稿の貼込方法

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JPH0511429A
JPH0511429A JP3185877A JP18587791A JPH0511429A JP H0511429 A JPH0511429 A JP H0511429A JP 3185877 A JP3185877 A JP 3185877A JP 18587791 A JP18587791 A JP 18587791A JP H0511429 A JPH0511429 A JP H0511429A
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英明 青柳
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篤信 広沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ニュートンリングの発生を防止できるオーバ
ーレイフィルムを提供すると共に、該フィルムを用いた
効率的な原稿の貼込方法を提供する。 【構成】 透明な支持体2の片面に体質顔料及び/又は
合成樹脂粒子と結合剤とからなり表面に微細な凹凸を有
するマット層3を設けてオーバーレイフィルム1を作製
する。その微細な凹凸が高さ0.2〜2.0μmの山を
長さ1mm当りに少なくとも20個含むようにする。マ
ット剤を散布加工した分解ドラムと該フィルム1との間
に原稿をそのままの状態で挟み込んでセットする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー原稿をドラム型
スキャナーで製版分解する時に使用する透過原稿分解用
オーバーレイフィルム及び該フィルムを使用してドラム
型スキャナーの分解ドラムに原稿をセットするカラー原
稿の貼込方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、製版用ドラム型スキャナーにて
製版分解する場合、カラー原稿と分解ドラムの密着によ
って発生する干渉模様(以下、ニュートンリングと称
す)を防止するためにニュートンリング防止処理を施す
必要がある。このため従来は低倍率の分解時の防止剤と
して粒状の細かいパウダーやスプレータイプのマット剤
をカラー原稿に散布し、図11に示すようにこのマット
剤を内側にしてカラー原稿11を分解ドラム12に巻き
付け、図12に示すようにカラー原稿11一点一点ごと
に周囲を製版用テープ13で止めることにより分解ドラ
ム12への貼込を行っていた。また、高倍率の分解時で
は、防止剤として流動パラフィンを使用して同様な作業
を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、原稿11へのパウダー処理やスプレー処理に
ムラを起こさないように注意したり、さらにはパウダー
処理を行った原稿11の処理面には触れないようにする
など、非常に気を配る作業が必要であった。また、分解
後においても、原稿11に付着したパウダーやスプレー
のマット剤を落とすという煩雑な後処理を必要としてい
た。そこで、この作業性を向上するために、分解ドラム
12を多数用意して貼込作業を並列して行うなどする手
段を採っているが、分解ドラム12は高価であるため費
用的に問題を生じていた。
【0004】ところで、反射原稿の分解の場合には、分
解ドラムに印画紙などの原稿を貼り込み、その上に片面
にマット加工を施したフィルムをオーバーレイとして巻
き付ける方法が採られている。この方法に利用されるフ
ィルムとしては、西独国特許出願公開第2109752
号明細書に見られるように、透明な基材フィルムに珪酸
などの無機顔料を結合剤中に分散した塗布層(塗布層固
形分に対する珪酸の重量%は1%程度)を設けることに
より、フィルムの表面に微細な突起を疎に形成したもの
が知られている。しかしながら、このフィルムを透過分
解に使用しようとすると、カラー原稿の表面は印画紙と
較べて平滑性が良いために、フィルム表面の微細な突起
の密度が低いことが原因してニュートンリングが発生す
る。このニュートンリングを防止するために単純に無機
顔料の添加量を増やすなどして突起の密度や高さを大き
くすることも考えられるが、このようにすると、透明性
の低下を招いたり、或いは、スキャナー分解時に微小な
領域において光透過性が異なり出力したフィルム上に粒
子状のパターンとして現れてしまうという問題がある。
このようなことから、従来の反射原稿用のオーバーレイ
フィルムを透過原稿用としては使用できず、また、透過
原稿用のオーバーレイフィルムも開発されていなかっ
た。
【0005】本発明は、上記のような問題点や事情に鑑
みてなされたものであり、製版用ドラム型スキャナーを
使用して透過分解を行う場合に、ニュートンリングの発
生を防止でき、かつ出力フィルム上にオーバーレイフィ
ルムの表面形状に起因する粒子状のパターンが現れるこ
とのない透過原稿分解用オーバーレイフィルム及び該フ
ィルムを使用して行う効率的な原稿の貼込方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の透過原稿分解用オーバーレイフィルム1
は、図1に示す如く透明な支持体2の片面に体質顔料及
び/又は合成樹脂粒子と結合剤とからなり表面に微細な
凹凸を有するマット層3を設け、その微細な凹凸が高さ
0.2〜2μmの山を長さ1mm当りに少なくとも20
個含むようにして構成したものである。
【0007】支持体2として使用するフィルムは、透明
性が高くかつ強靱であることが必要であり、このような
フィルムの例としては、ポリエステルフィルム、ポリエ
チレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボ
ネイトフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニ
ルフィルム、セルローストリアセテートフィルム、アク
リル樹脂フィルム等が挙げられるが、ポリエステルフィ
ルムが透明性、強靱性、寸法安定性等を兼ね備えたもの
として特に好ましい。また、これらのフィルムは、結合
剤との接着性を高めるために、コロナ処理、プラズマ処
理、下引処理を行ってもよい。
【0008】マット層3の表面に微細な凹凸を付けるの
に使用する体質顔料としては、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、硫酸バリウム、シリカ、水酸化アルミニウ
ム、カオリンクレー、タルクなどが挙げられる。そし
て、ニュートンリング防止効果を得るために、これらの
うち粒径が0.05〜10μmのものが使用される。な
お、結合剤として有機溶剤可溶性樹脂、紫外線硬化型樹
脂を使用する場合には、疎水化処理を行ったシリカを用
いると、分散性及び粘度安定性が改良される。また、マ
ット層の表面に微細な凹凸を付けるのに使用する合成樹
脂粒子としては、球状アクリル樹脂微粉末、四フッ化エ
チレン樹脂微粉末、架橋ポリスチレン樹脂微粉末、ポリ
ウレタン樹脂微粉末、ポリエチレン樹脂微粉末、ベンゾ
グアナミン樹脂微粉末、シリコーン樹脂微粉末、エポキ
シ樹脂微粉末などが挙げられる。そして、これらのうち
粒径が0.05〜10μm、好ましくは0.1〜5μm
のものが使用される。これらの体質顔料及び合成樹脂粒
子はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を併用
してもよい。また、両者を併用しても構わない。これら
の体質顔料や合成樹脂粒子は溶液状とした結合剤に攪拌
して添加するか、又はその後分散を行う。添加量として
は、結合剤100重量部に対して5〜30重量部が適当
である。5重量部より少ない場合には、透明性は良好な
もののニュートンリング防止効果が期待できず、30重
量部より多い場合にはニュートンリングは発生しないも
のの透明性が低下してしまう。
【0009】結合剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、紫外線硬化型樹脂が使用される。このうち、熱可
塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロ
ース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、
メチルセルロースなどのセルロース誘導体、酢酸ビニル
及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化
ビニリデン及びその共重合体などのビニル系樹脂、ポリ
ビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどのアセタ
ール樹脂、アクリル樹脂及びその共重合体、メタアクリ
ル樹脂及びその共重合体などのアクリル系樹脂、ポリス
チレン樹脂、ポリアミド樹脂、線状ポリエステル樹脂、
フッ素樹脂、ポリカーボネイト樹脂が挙げられる。ま
た、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素メラ
ミン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。また、紫外線
硬化型樹脂としては、光重合性プレポリマーとしてエポ
キシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステ
ルアクリレートなどを主成分とし、希釈剤として単官能
や多官能のモノマーを使用するものが挙げられる。この
光重合性プレポリマーとして表面硬度が高くなるような
ものを用いると耐擦傷性、耐磨耗性に富むマット層を形
成することが可能となる。
【0010】上記の結合剤のうち熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂を用いる場合には、この結合剤を有機溶剤に溶解
した後、体質顔料や合成樹脂粒子を加えて攪拌するか、
又はその後分散を行って塗布液を調整する。また、結合
剤に紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、これを必要に
応じて有機溶剤で希釈した後、体質顔料や合成樹脂粒子
を加えて攪拌するか、又はその後分散を行って塗布液を
調整する。有機溶剤としては、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンな
どのケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブな
どのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブ
アセテートなどのエステル類、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール
などのアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素が用いられ、これら有機溶剤を適宜
選択し、組み合わせて用いることができる。なお、塗布
液の分散性、塗布性を向上させるために、分散剤、レベ
リング剤を必要に応じて添加する。
【0011】塗布液の塗布は、一般によく知られている
塗布方法、例えば、ディップコート法、リバースロール
コート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、
エクストルージョンコート法、グラビアコート法などに
より行う。そして、塗布液を塗布した後、熱風などによ
り有機溶剤を揮散させて、目的とするマット層を形成す
る。結合剤が紫外線硬化型樹脂の場合には、塗布後紫外
線を照射して塗膜を硬化させる。また、紫外線硬化型樹
脂が有機溶剤を含むものである場合には、熱風などによ
り有機溶剤を揮散させた後、紫外線を照射して塗膜を硬
化させ、目的とするマット層を得る。
【0012】マット層3の塗布膜厚としては、1〜15
μmが適当である。1μmより薄い場合には、体質顔料
や合成樹脂粒子がマット層3から脱落しやすくなり、1
5μmより厚い場合には、フィルムにカールを生じたり
体質顔料や合成樹脂粒子が結合剤の中に埋没してしまい
所定の形状を有する表面が得られなくなる。
【0013】マット層3の表面形状としては、微細な凹
凸を有していることが必要であり、その凹凸は高さが
0.2〜2μmの山を長さ1mm当りに少なくとも20
個含む表面からなる。山の高さが0.2μmより低い場
合には、山の個数を増やしてもニュートンリング防止効
果はなく、さらに増やすとニュートンリングは防止され
るが透明性が低下し、白色の塗膜を有するフィルムとな
ってしまう。2μmを越える高さの山を形成した場合に
は、個々の山が大きくなり表面の形状に起因する光の散
乱や粒子の屈折率の影響のために、微小な領域での光の
透過率に差を生じることになり、分解時の出力フィルム
に粒子状のパターンの形状が現れてしまう。山の高さ
は、より好ましくは0.4〜1.5μmである。この範
囲においては、山の高さが一定に揃っている必要はな
く、むしろ、種々の高さの山が混在している方がよい。
また、山の数が20個未満の場合には、なだらかな山が
連続すると上記と同様に粒子状のパターンの形状が現
れ、切り立ったような山が疎に連なるとニュートンリン
グが発生する。逆に山の数があまり多くなると平滑性が
でてしまい、ニュートンリングが発生する。好ましくは
20〜80個である。このような表面形状は、体質顔料
を結合剤に分散する過程で分散条件を選択することによ
り形成が可能である。合成樹脂粒子の場合には、攪拌す
るだけでよいことが多く、強く分散すると粒子が破壊さ
れてしまう。
【0014】マット層3における山の高さ及び密度は、
触針式表面粗さ測定器で測定したものである。この触針
式表面粗さ測定器には、株式会社小坂研究所製「万能表
面形状測定器SE−3C」を使用した。具体的には縦倍
率10000倍、横倍率50倍、カットオフ値0.25
mmの条件で、フィルム上の長さ1.5mmに渡って測
定し、この内フィルム上1mmの範囲に存在する山の数
を数え、6回の測定を平均して1mm当りの山の数の個
数とした。また、山の高さは、相隣合う山々の深い谷を
基準にして測定した。
【0015】また、オーバーレイフィルム1の帯電防止
のために、マット層3の表面、支持体2の裏面に帯電防
止加工を行うことができ、取扱いの上からはこれらの処
理を施した方がよい。
【0016】次に、本発明の貼込方法は、上記構成から
なる透過原稿分解用オーバーレイフィルム1を巻付け用
として使用し、ドラム型スキャナーの分解ドラムにカラ
ー原稿を貼り込む方法である。
【0017】この貼込方法の一つは、図2に示す如く分
解ドラム4の表面にニュートンリング防止用のマット剤
を散布加工しておき、前記オーバーレイフィルム1のマ
ット層3が分解ドラム4の表面と対向するように一端を
固定した後、図3に示すようにして分解ドラム4とオー
バーレイフィルム1の間にカラー原稿5を順次挟み込ん
で、図4の如く巻き付けるものである。
【0018】また、本発明のもう一つの貼込方法は、図
2に示すのと同様に分解ドラム4の表面にニュートンリ
ング防止用のマット剤を散布加工しておき、一方、図5
に示す如く前記オーバーレイフィルム1のマット層3上
にカラー原稿5をテープ6で貼り込み、カラー原稿5を
内側に挟み込むようにして図6の如くオーバーレイフィ
ルム1ごと分解ドラム4に巻き付けるものである。この
場合、巻付けを容易とするために、分解ドラム4への巻
付け方向に対し、カラー原稿5の天方向にテープ6を貼
り付けるようにするとよい。
【0019】後者の貼込方法においては、原稿貼込み作
業の効率アップのため、各原稿の貼付け位置をレイアウ
トした原稿貼付けシートを用いてもよい。すなわち、図
7に示すように、別に作成した原稿貼付けシート7にオ
ーバーレイフィルム1の支持体2側を貼り付けマット層
3側が表に出るようにして両者を一体とし、次いで、透
けて見える原稿貼込線7aに合わせるようにして、図8
の如くオーバーレイフィルム1のマット層3上にカラー
原稿5をテープ6で貼り込むようにする。この場合、原
稿ナンバーや倍率値等の情報7bも透けて見えるので、
これらの情報により原稿が特定される。このような原稿
貼付けシートの作成装置としては、例えば、特公平2−
9500号公報に記載された装置を使用することができ
る。
【0020】また、後者の貼込方法においては、原稿貼
込み作業の効率アップのため、オーバーレイフィルム1
そのものに貼込みのレイアウトを描画したものを使用し
てもよい。すなわち、前記の如き原稿貼付けシートの作
成装置を用いて、オーバーレイフィルム1の支持体2側
の面上に、図9に示すように、原稿貼込み線8a、原稿
ナンバーや倍率値等の情報8bなどを反転状態で描画し
たものを作成し、これを裏返しにして図10に示すよう
にマット層3上にカラー原稿5をテープ6で貼り込むよ
うにするものである。
【0021】
【作用】上記構成からなる透過原稿分解用オーバーレイ
フィルムを使用してカラー原稿を分解ドラムに貼り込む
と、カラー原稿とオーバーレイフィルムの間が密着せず
分解時にニュートンリングを発生しない。また、出力し
たフィルム上にオーバーレイフィルムの表面形状に起因
する粒子状のパターンが現れない。
【0022】また、上記の貼込方法によれば、カラー原
稿はその表面にマット処理を行うことなくそのままの状
態で分解ドラムに巻き付けられる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、こ
れらの実施例は本発明に限定を加えるものではない。な
お、実施例中の「部」はすべて「重量部」を示す。
【0024】(実施例1) ポリエステル樹脂(東洋紡績製 バイロン#200 ) 100部 シリコーン樹脂微粉末(東芝シリコーン製 トスパール120 )10部 トルエン 160部 メチルエチルケトン 240部 100μmのポリエステルフィルムからなる支持体の上
に、上記組成の塗布液を乾燥後の膜厚が2μmになるよ
うに塗布し、100℃で3分間の乾燥を行ってオーバー
レイフィルムを作成した。得られたマット層の表面形状
の測定値を表1に示す。次に、スキャナーの分解ドラム
にスプレータイプのマット剤を吹き付けた後、上記オー
バーレイフィルムのマット層が分解ドラムの表面と対向
するようにしてその一端を固定し、分解ドラムとオーバ
ーレイフィルムの間にカラー原稿を挟み込み、倍率15
0%で透過分解を行った。得られた出力フィルム上に
は、ニュートンリングの発生はなく、表面の凹凸に起因
する粒子状のパターンも現れることはなかった。
【0025】(比較例1) ポリエステル樹脂(東洋紡績製 バイロン#200 ) 1000部 シリカ(平均粒径2.5μm) 4部 トルエン 5000部 メチルエチルケトン 4200部 上記組成の塗布液を実施例1と同じ支持体上に乾燥後の
膜厚が2μmになるように塗布し、100℃で2分間の
乾燥を行った。得られたマット層の表面形状の測定値を
表1に示す。実施例1と同様にして透過分解を行った
が、得られた出力フィルム上にはニュートンリングの発
生がみられた。
【0026】(実施例2) アクリルポリオール 100部 (大日本インキ化学工業製 アクリディックA−807 ) ポリイソシアネート 15部 (硬化剤、大日本インキ化学工業製 バーノックDN−980 ) シリカ(平均粒径3.5μm) 7.5部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 60部 上記組成の塗布液を実施例1と同じ支持体上に乾燥後の
膜厚が9μmになるように塗布し、120℃で3分間の
乾燥を行った。さらに、このフィルムの裏面に下記組成
の帯電防止剤をワイヤーバー♯5にて塗布し、100℃
で30秒間の乾燥を行ってオーバーレイフィルムを作成
した。 帯電防止層組成 スタティサイド(ACL社製) 10部 メタ変性アルコール 2700部 水 1300部 得られたマット層の表面形状の測定値を表1に示す。実
施例1と同様にして透過分解を行ったが、得られた出力
フィルムにはニュートンリングの発生はなく、表面の凹
凸に起因する粒子状のパターンも現れることはなく、良
好な分解を行うことができた。このオーバーレイフィル
ムは表面の硬度が高く、貼込作業において傷が付きにく
く、かつ帯電防止性が付与されているためゴミ等の付着
もなく、作業性を高めるものであった。
【0027】(実施例3) ウレタン系アクリレート 100部 (カシュー製 カシューハードC NO.300 ) ベンゾフェノン(光開始剤) 4部 シリカ(平均粒径3μm) 9部 イソプロピルアルコール 140部 酢酸エチル 70部 上記組成の塗布液を接着下引処理を行った100μmの
ポリエステルフィルム上に乾燥後の膜厚が10μmにな
るように塗布し、70℃で5分間の乾燥を行って溶剤を
揮発させた。その後、高圧水銀ランプを使用して、ラン
プ出力120W/cm、照射距離14.5cm、搬送ス
ピード20m/分で2回紫外線照射を行い樹脂を硬化さ
せてオーバーレイフィルムを作成した。得られたオーバ
ーレイフィルムの表面形状の測定値を表1に示す。この
オーバーレイフィルムのマット層上にカラー原稿を配置
しテープにて固定した。別に、分解ドラムにスプレータ
イプのマット剤を吹き付けた後、カラー原稿を固定した
オーバーレイフィルムをカラー原稿が分解ドラムとオー
バーレイフィルムの間に挟まれるように巻き付けて固定
し、分解倍率200%で透過分解を行った。得られた出
力フィルムには、ニュートンリングの発生はなく表面の
凹凸に起因する粒子状のパターンも現れることはなく、
良好な分解を行うことができた。このオーバーレイフィ
ルムは表面の硬度が高く、貼込作業において傷が付きに
くく作業性を高めるものであった。
【0028】(比較例2)実施例3において、分散の程
度を少なくしたものを作製した。得られたオーバーレイ
フィルムの表面形状の測定値を表1に示す。そして、実
施例3と同様にして透過分解を行ったところ、ニュート
ンリングの発生はなかったものの、マット層表面の凹凸
が出力フィルムの上に粒子状のパターンとして全面に現
れた。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明の透過原稿分解用オーバーレイフ
ィルムは、透明な支持体の片面に設けるマット層の表面
を、その微細な凹凸が高さ0.2〜2.0μmの山を長
さ1mm当りに少なくとも20個含むように形成したの
で、カラー原稿を挟み込んでの分解時にニュートンリン
グが発生せず、かつ出力したフィルム上にマット層表面
の凹凸に起因する粒子状のパターンが現れることがない
ことから、このオーバーレイフィルムを使用することに
より良好な製版分解が行える。
【0031】本発明の貼込方法においては、スプレータ
イプのマット剤を分解ドラムに散布加工しておき、透明
な支持体の表面にマット層を固着してなるオーバーレイ
フィルムを巻付け用に使用して、分解ドラムとオーバー
レイフィルムとの間にカラー原稿をそのまま挟み込んで
セットするようにしたので、従来のようにカラー原稿に
マット処理をする必要がなく、また、カラー原稿を洗浄
することなくそのまま返却することができるようにな
り、さらには従来のように貼込作業向上のために高価な
分解ドラムを多数用意しておく必要がなくなることか
ら、製版分解作業の大幅な作業性向上を図ることができ
る。特に、パウダー処理が省略できることにより、スキ
ャナーへの粉の巻き込みや作業環境の劣悪化を防止でき
る。なお、この方法によれば、貼込作業の自動化を図る
ことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透過原稿分解用オーバーレイフィ
ルムの断面図である。
【図2】表面にマット剤を散布加工した分解ドラムを示
す斜視図である。
【図3】分解ドラムとオーバーレイフィルムの間にカラ
ー原稿を順次挟み込む手順を示す斜視図である。
【図4】分解ドラムとオーバーレイフィルムの間にカラ
ー原稿を巻き付けた状態を示す斜視図である。
【図5】オーバーレイフィルムのマット層上にカラー原
稿を貼り込んだ状態を示す平面図である。
【図6】分解ドラムとオーバーレイフィルムの間にカラ
ー原稿を巻き付けた状態を示す斜視図である。
【図7】原稿貼付けシートとオーバーレイフィルムを一
体とする手順を示す平面図である。
【図8】原稿貼付けシートと一体化したオーバーレイフ
ィルムのマット層上にカラー原稿を貼り込んだ状態を示
す平面図である。
【図9】オーバーレイフィルムの支持体側の面上に貼込
みのレイアウトを描画した状態を示す平面図である。
【図10】貼込みのレイアウトを描画したオーバーレイ
フィルムのマット層上にカラー原稿を貼り込んだ状態を
示す平面図である。
【図11】カラー原稿を分解ドラムの表面に巻き付ける
従来方法の手順を示す斜視図である。
【図12】従来方法でカラー原稿を分解ドラムに貼り込
んだ状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 オーバーレイフィルム 2 支持体 3 マット層 4 分解ドラム 5 カラー原稿 6 テープ
フロントページの続き (72)発明者 上原 真 埼玉県与野市鈴谷4丁目6番35号 株式会 社きもと開発研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な支持体の片面に体質顔料及び/又
    は合成樹脂粒子と結合剤とからなり表面に微細な凹凸を
    有するマット層を設け、その微細な凹凸が高さ0.2〜
    2μmの山を長さ1mm当りに少なくとも20個含むよ
    うにしたことを特徴とする透過原稿分解用オーバーレイ
    フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の透過原稿分解用オーバー
    レイフィルムを使用してドラム型スキャナーの分解ドラ
    ムにカラー原稿を貼り込む方法であって、分解ドラムの
    表面にニュートンリング防止用のマット剤を散布加工し
    ておき、前記オーバーレイフィルムのマット層が分解ド
    ラムの表面と対向するように一端を固定した後、分解ド
    ラムとオーバーレイフィルムの間にカラー原稿を順次挟
    み込んで巻き付けることを特徴とするカラー原稿の貼込
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の透過原稿分解用オーバー
    レイフィルムを使用してドラム型スキャナーの分解ドラ
    ムにカラー原稿を貼り込む方法であって、分解ドラムの
    表面にニュートンリング防止用のマット剤を散布加工し
    ておき、前記オーバーレイフィルムのマット層上にカラ
    ー原稿をテープで貼り込み、カラー原稿を内側に挟み込
    むようにしてオーバーレイフィルムごと分解ドラムに巻
    き付けることを特徴とするカラー原稿の貼込方法。
JP18587791A 1991-07-01 1991-07-01 透過原稿分解用オーバーレイフィルム及び該フィルムを使用するカラー原稿の貼込方法 Expired - Fee Related JP3095814B2 (ja)

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