JP2505715B2 - Ps版用遮光フィルム - Google Patents
Ps版用遮光フィルムInfo
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- JP2505715B2 JP2505715B2 JP3268414A JP26841491A JP2505715B2 JP 2505715 B2 JP2505715 B2 JP 2505715B2 JP 3268414 A JP3268414 A JP 3268414A JP 26841491 A JP26841491 A JP 26841491A JP 2505715 B2 JP2505715 B2 JP 2505715B2
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- Japan
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- film
- light
- plate
- shielding
- shielding film
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- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PS版を多面焼付けす
る際にPS版の非露光部を遮光するために用いる遮光フ
ィルムに関するものである。
る際にPS版の非露光部を遮光するために用いる遮光フ
ィルムに関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】PS版を用いる製版工程に
おいて、真空プリンターを用い、PS版上に原稿フィル
ムを多面焼付けすることは広く行われている。PS版を
用いる従来の多面焼付け法においては、非露光部の遮光
に、上質紙に遮光のためのベタ印刷を施した遮光紙が用
いられている。しかし、この遮光紙を用いる場合には、
その焼付け後、現像して得られるPS版画像において、
その遮光紙の端部に対応する部分の画像に、往々にして
ボケを生じるという問題があった。
おいて、真空プリンターを用い、PS版上に原稿フィル
ムを多面焼付けすることは広く行われている。PS版を
用いる従来の多面焼付け法においては、非露光部の遮光
に、上質紙に遮光のためのベタ印刷を施した遮光紙が用
いられている。しかし、この遮光紙を用いる場合には、
その焼付け後、現像して得られるPS版画像において、
その遮光紙の端部に対応する部分の画像に、往々にして
ボケを生じるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PS版上に
原稿フィルムを多面焼付けした後、現像して得られるP
S版画像に見られる前記画像ボケの問題を解決する手段
を提供することをその課題とする。
原稿フィルムを多面焼付けした後、現像して得られるP
S版画像に見られる前記画像ボケの問題を解決する手段
を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、PS版の非露光部を
遮光する材料として、特別のプラスチックフィルムの遮
光体を用いることにより、その課題を解決し得ることを
見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によ
れば、PS版に原稿フィルムを多面焼付けする際にPS
版の非露光部を遮光するために用いられるカバーフィル
ムであって、該フィルムは厚さ30〜100μmのプラ
スチックフィルムの遮光体からなり、かつ表面及び裏面
に多数の微細凹凸を有することを特徴とするPS版用遮
光フィルムが提供される。
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、PS版の非露光部を
遮光する材料として、特別のプラスチックフィルムの遮
光体を用いることにより、その課題を解決し得ることを
見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によ
れば、PS版に原稿フィルムを多面焼付けする際にPS
版の非露光部を遮光するために用いられるカバーフィル
ムであって、該フィルムは厚さ30〜100μmのプラ
スチックフィルムの遮光体からなり、かつ表面及び裏面
に多数の微細凹凸を有することを特徴とするPS版用遮
光フィルムが提供される。
【0005】本発明の遮光フィルムは、その基材フィル
ムとしてプラスチックフィルムを用いる。このフィルム
の材質としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリカー
ボネート、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂が用いられ
る他、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂
を用いることができる。この基材フィルムは未発泡又は
発泡フィルムであることができる。本発明においては、
この基材プラスチックフィルムは、これに遮光性を付与
するために、遮光体とするが、この場合の遮光体を得る
ための方法としては、露光に際しての光(紫外線)に対
して吸収性を示す顔料や染料等の着色剤をフィルム中に
練込み含有させる方法や、その着色剤をフィルム表面に
バインダー樹脂とともに膜状に塗布する方法、金属箔を
プラスチックフィルムの表面にラミネートする方法、プ
ラスチックフィルム表面に金属を蒸着させる方法等があ
る。プラスチックフィルムに遮光性を付与し得る方法で
あれば任意の方法が採用される。
ムとしてプラスチックフィルムを用いる。このフィルム
の材質としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリカー
ボネート、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂が用いられ
る他、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂
を用いることができる。この基材フィルムは未発泡又は
発泡フィルムであることができる。本発明においては、
この基材プラスチックフィルムは、これに遮光性を付与
するために、遮光体とするが、この場合の遮光体を得る
ための方法としては、露光に際しての光(紫外線)に対
して吸収性を示す顔料や染料等の着色剤をフィルム中に
練込み含有させる方法や、その着色剤をフィルム表面に
バインダー樹脂とともに膜状に塗布する方法、金属箔を
プラスチックフィルムの表面にラミネートする方法、プ
ラスチックフィルム表面に金属を蒸着させる方法等があ
る。プラスチックフィルムに遮光性を付与し得る方法で
あれば任意の方法が採用される。
【0006】本発明で用いる遮光フィルムは、表面及び
裏面を微細凹凸面とする。この場合の微細凹凸面を形成
する方法(粗面化方法)としては、従来公知の方法、例
えば、化学的エッチング法、ケミカルマット層を塗装す
る方法、サンドブラスト法等がある。この粗面化は、そ
の粗面化方法との関連において、プラスチックフィルム
に遮光性を付与する前又は後に行うことができる。基材
フィルムが発泡体である場合には、その表面が微細凹凸
を有することから、その粗面化を省略することができ
る。このフィルムの粗面化は、PS版上の所定位置に遮
光フィルムを載置する場合に、その遮光フィルムがPS
版表面へ吸着することなく、PS版上を容易に移動可能
なものにするとともに、PS版上に載置した後におい
て、そのPS版と遮光フィルムとの界面に存在する空気
の吸引除去を容易にするために行うものである。本願発
明においては、微細凹凸がフィルムの両面に形成されて
いるから、真空プリンターを用いて多面焼付けを行う場
合、PS版と遮光フィルムとの界面に存在する空気の吸
引除去が効率的に行えるのでPS版上に原稿フィルムと
遮光フィルムが強く密着し、原稿フィルムの焼付け精度
が向上し、またPS画像の画像ボケが生じない。遮光フ
ィルムの粗面化の程度は、中心線表面粗さ(JIS B
0601)で、0.5μm以上、好ましくは0.6μ
m〜1.2μmの範囲にするのがよい。
裏面を微細凹凸面とする。この場合の微細凹凸面を形成
する方法(粗面化方法)としては、従来公知の方法、例
えば、化学的エッチング法、ケミカルマット層を塗装す
る方法、サンドブラスト法等がある。この粗面化は、そ
の粗面化方法との関連において、プラスチックフィルム
に遮光性を付与する前又は後に行うことができる。基材
フィルムが発泡体である場合には、その表面が微細凹凸
を有することから、その粗面化を省略することができ
る。このフィルムの粗面化は、PS版上の所定位置に遮
光フィルムを載置する場合に、その遮光フィルムがPS
版表面へ吸着することなく、PS版上を容易に移動可能
なものにするとともに、PS版上に載置した後におい
て、そのPS版と遮光フィルムとの界面に存在する空気
の吸引除去を容易にするために行うものである。本願発
明においては、微細凹凸がフィルムの両面に形成されて
いるから、真空プリンターを用いて多面焼付けを行う場
合、PS版と遮光フィルムとの界面に存在する空気の吸
引除去が効率的に行えるのでPS版上に原稿フィルムと
遮光フィルムが強く密着し、原稿フィルムの焼付け精度
が向上し、またPS画像の画像ボケが生じない。遮光フ
ィルムの粗面化の程度は、中心線表面粗さ(JIS B
0601)で、0.5μm以上、好ましくは0.6μ
m〜1.2μmの範囲にするのがよい。
【0007】本発明の遮光フィルムは、帯電防止性のも
のとして用いるのが好ましい。遮光フィルムに帯電防止
性を付与する方法としては、従来公知の方法を用いるこ
とができる。例えば、カーボンブラックや導電性繊維等
の導電性充填剤をフィルム中に含有させる方法や、導電
剤をフィルム表面に塗布する方法等がある。この帯電防
止処理は、前記したフィルムに対して遮光性を付与する
ための処理と兼用することができる。本発明の遮光フィ
ルムにおいては、その表面電気抵抗率(JISC 21
22)が1×108Ω以下であることが好ましい。帯電
防止性を有する遮光フィルムは、PS版表面に対する静
電吸着が防止され、かつ粉塵の吸着も防止されるので、
その取扱いは非常に容易である。本発明の遮光フィルム
においては、その厚さ(JIS P 8118)を30
〜100μm、好ましくは35〜60μmの範囲に規定
する。遮光フィルムの厚さが前記範囲より薄くなると、
腰が弱く、取扱い性(作業性)が悪くなり、一方、前記
範囲より厚くなると、露光後現像して得られるPS版画
像にボケが生じやすくなるので好ましくない。本発明の
遮光フィルムは、その取扱い際し、容易に腰折れを生じ
ないように、腰の強いものとして用いるのが好ましい。
このためには、基材プラスチックフィルムとして延伸フ
ィルム、特に2軸延伸フィルムを用いるのが好ましく、
またフィルムに剛性を持たせるために適量の充填剤、例
えばカーボン繊維やガラス繊維、マイカ、シリカ等をフ
ィルム中に含有させることもできる。
のとして用いるのが好ましい。遮光フィルムに帯電防止
性を付与する方法としては、従来公知の方法を用いるこ
とができる。例えば、カーボンブラックや導電性繊維等
の導電性充填剤をフィルム中に含有させる方法や、導電
剤をフィルム表面に塗布する方法等がある。この帯電防
止処理は、前記したフィルムに対して遮光性を付与する
ための処理と兼用することができる。本発明の遮光フィ
ルムにおいては、その表面電気抵抗率(JISC 21
22)が1×108Ω以下であることが好ましい。帯電
防止性を有する遮光フィルムは、PS版表面に対する静
電吸着が防止され、かつ粉塵の吸着も防止されるので、
その取扱いは非常に容易である。本発明の遮光フィルム
においては、その厚さ(JIS P 8118)を30
〜100μm、好ましくは35〜60μmの範囲に規定
する。遮光フィルムの厚さが前記範囲より薄くなると、
腰が弱く、取扱い性(作業性)が悪くなり、一方、前記
範囲より厚くなると、露光後現像して得られるPS版画
像にボケが生じやすくなるので好ましくない。本発明の
遮光フィルムは、その取扱い際し、容易に腰折れを生じ
ないように、腰の強いものとして用いるのが好ましい。
このためには、基材プラスチックフィルムとして延伸フ
ィルム、特に2軸延伸フィルムを用いるのが好ましく、
またフィルムに剛性を持たせるために適量の充填剤、例
えばカーボン繊維やガラス繊維、マイカ、シリカ等をフ
ィルム中に含有させることもできる。
【0008】本発明の遮光フィルムは、PS版は原稿フ
ィルムを多面焼付ける際に、そのPS版上の非露光部、
即ち、光にあてないようにする部分をカバーして遮光さ
せるために用いられる。PS版に原稿フィルムを多面焼
付けする場合、1枚のPS版に複数の原稿フィルムを焼
付けることが行われている。このような焼付けは多面焼
付けと呼称され、その焼付け原稿数に応じて、2面焼付
け、4面焼付け、6面焼付け等と呼ばれている。しか
し、この多面焼付けにおいては、作業性の点から、その
複数の原稿フィルムを一時に焼付けることは行われず、
その特定数の原稿フィルムのみを焼付けた後、残りの原
稿フィルムを順次焼付けることが行われる。例えば、4
面焼付けの場合、PS版上には、その表面を4つの部分
に区画し、その対角線上の2つの区画に所定の原稿フィ
ルムを載置し、残りの2つの区画に遮光フィルムを載置
して焼付けを行った後、その原稿フィルムを取除いた
後、遮光フィルムを載置した区画に所定の原稿フィルム
を載置し、そして焼付け済みの区画に遮光フィルムを載
置し、再び焼付けを行う。前記のような多面焼付けは、
真空プリンターで行われる。この真空プリンターは、端
部に真空ポンプに連格する吸引口を有するゴムマット及
びそのゴムマットの上にかぶせるガラス板を備えてい
る。この真空プリンターを用いて多面焼付けを行うに
は、そのゴムマット上にPS版を置き、そのPS版上に
原稿フィルムと遮光フィルムを載置し、その上にガラス
板をかぶせた後、真空ポンプを作動させて、ゴムマット
とガラス板との間を真空にし、その際に生じるゴムマッ
トとガラス板との間を強く密着させる力で、PS版上に
原稿フィルム及び遮光フィルムを強く密着させ、この状
態において焼付けを行う。この焼付け後、原稿フィルム
をPS版から除去し、その跡に遮光フィルムを載置する
とともに、所定の原稿フィルムをPS版上の未露光部分
に載置し、その上にガラス板をかぶせ、前記と同様に操
作して焼付けを行う。
ィルムを多面焼付ける際に、そのPS版上の非露光部、
即ち、光にあてないようにする部分をカバーして遮光さ
せるために用いられる。PS版に原稿フィルムを多面焼
付けする場合、1枚のPS版に複数の原稿フィルムを焼
付けることが行われている。このような焼付けは多面焼
付けと呼称され、その焼付け原稿数に応じて、2面焼付
け、4面焼付け、6面焼付け等と呼ばれている。しか
し、この多面焼付けにおいては、作業性の点から、その
複数の原稿フィルムを一時に焼付けることは行われず、
その特定数の原稿フィルムのみを焼付けた後、残りの原
稿フィルムを順次焼付けることが行われる。例えば、4
面焼付けの場合、PS版上には、その表面を4つの部分
に区画し、その対角線上の2つの区画に所定の原稿フィ
ルムを載置し、残りの2つの区画に遮光フィルムを載置
して焼付けを行った後、その原稿フィルムを取除いた
後、遮光フィルムを載置した区画に所定の原稿フィルム
を載置し、そして焼付け済みの区画に遮光フィルムを載
置し、再び焼付けを行う。前記のような多面焼付けは、
真空プリンターで行われる。この真空プリンターは、端
部に真空ポンプに連格する吸引口を有するゴムマット及
びそのゴムマットの上にかぶせるガラス板を備えてい
る。この真空プリンターを用いて多面焼付けを行うに
は、そのゴムマット上にPS版を置き、そのPS版上に
原稿フィルムと遮光フィルムを載置し、その上にガラス
板をかぶせた後、真空ポンプを作動させて、ゴムマット
とガラス板との間を真空にし、その際に生じるゴムマッ
トとガラス板との間を強く密着させる力で、PS版上に
原稿フィルム及び遮光フィルムを強く密着させ、この状
態において焼付けを行う。この焼付け後、原稿フィルム
をPS版から除去し、その跡に遮光フィルムを載置する
とともに、所定の原稿フィルムをPS版上の未露光部分
に載置し、その上にガラス板をかぶせ、前記と同様に操
作して焼付けを行う。
【0009】図1に、真空プリンターのゴムマット上の
PS版の上に原稿フィルム及び遮光フィルムを載置し、
その上にガラス板をかぶせて、真空ポンプを作動させた
後の状態の断面説明図を示す。図1において、1はゴム
マット、2はガラス板、3はPS版、4は原稿フィル
ム、5は真空ポンプに連格する吸引口、Pは遮光フィル
ムを示す。本発明の遮光フィルムの場合、図1に示すよ
うに、遮光フィルムの厚さが薄いことから、原稿フィル
ム4の先端部とPS版3との間には格別の空隙部が生じ
ないので、その原稿フィルム4の先端部に形成されてい
る画像は、ボケを生じることなく、精度よくPS版3上
に焼付けられる。一方、遮光フィルムの厚さが、従来の
遮光紙のように厚いと(100μmを超える厚さ)、図
2に示すように、原稿フィルム4とPS版の間に大きな
空隙部6を生じやすく、そして、この空隙部6のため
に、その空隙部6に対応する位置の原稿フィルムに形成
されている画像は、精度よくPS版に焼付けられず、最
終的に得られるPS版画像において、その空隙部6に対
応する部分の画像にはボケを生じるようになる。
PS版の上に原稿フィルム及び遮光フィルムを載置し、
その上にガラス板をかぶせて、真空ポンプを作動させた
後の状態の断面説明図を示す。図1において、1はゴム
マット、2はガラス板、3はPS版、4は原稿フィル
ム、5は真空ポンプに連格する吸引口、Pは遮光フィル
ムを示す。本発明の遮光フィルムの場合、図1に示すよ
うに、遮光フィルムの厚さが薄いことから、原稿フィル
ム4の先端部とPS版3との間には格別の空隙部が生じ
ないので、その原稿フィルム4の先端部に形成されてい
る画像は、ボケを生じることなく、精度よくPS版3上
に焼付けられる。一方、遮光フィルムの厚さが、従来の
遮光紙のように厚いと(100μmを超える厚さ)、図
2に示すように、原稿フィルム4とPS版の間に大きな
空隙部6を生じやすく、そして、この空隙部6のため
に、その空隙部6に対応する位置の原稿フィルムに形成
されている画像は、精度よくPS版に焼付けられず、最
終的に得られるPS版画像において、その空隙部6に対
応する部分の画像にはボケを生じるようになる。
【0010】本発明の遮光フィルムは、プラスチックフ
ィルムを基材としたことから、従来の遮光紙のように、
紙粉を生じることがないので、その紙粉がPS版上に付
着して原稿フィルムの焼付け精度を阻害したり、PS版
画像を汚染するようなことはない。しかも、本発明の遮
光フィルムは、従来の遮光紙に比べてその厚さが薄いの
で、遮光フィルムの先端部に隣接する原稿フィルム先端
部の画像がボケた状態でPS版に焼付けられるようなこ
ともない。さらに、本発明の遮光フィルムは、薄手のプ
ラスチックフィルムでありながら、その両面に多数の微
細凹凸を形成して、PS版上に吸着することを防止した
ことから、PS版上を自由に移動させることができ、P
S版上での位置決めが容易であるという作業上の利点を
有する。しかも、本願発明においては、微細凹凸がフィ
ルムの両面に形成されているから、真空プリンターを用
いて多面焼付けを行う場合、PS版と遮光フィルムとの
界面に存在する空気の吸引除去が効率的に行えるのでP
S版上に原稿フィルムと遮光フィルムが強く密着し、原
稿フィルムの焼付け精度が向上し、またPS画像の画像
ボケが生じないといった顕著な作用効果を奏する。
ィルムを基材としたことから、従来の遮光紙のように、
紙粉を生じることがないので、その紙粉がPS版上に付
着して原稿フィルムの焼付け精度を阻害したり、PS版
画像を汚染するようなことはない。しかも、本発明の遮
光フィルムは、従来の遮光紙に比べてその厚さが薄いの
で、遮光フィルムの先端部に隣接する原稿フィルム先端
部の画像がボケた状態でPS版に焼付けられるようなこ
ともない。さらに、本発明の遮光フィルムは、薄手のプ
ラスチックフィルムでありながら、その両面に多数の微
細凹凸を形成して、PS版上に吸着することを防止した
ことから、PS版上を自由に移動させることができ、P
S版上での位置決めが容易であるという作業上の利点を
有する。しかも、本願発明においては、微細凹凸がフィ
ルムの両面に形成されているから、真空プリンターを用
いて多面焼付けを行う場合、PS版と遮光フィルムとの
界面に存在する空気の吸引除去が効率的に行えるのでP
S版上に原稿フィルムと遮光フィルムが強く密着し、原
稿フィルムの焼付け精度が向上し、またPS画像の画像
ボケが生じないといった顕著な作用効果を奏する。
【0011】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細な説明
する。 実施例1 カーボンブラックを混入した黒色遮光性ポリエステルフ
ィルム(厚さ55μm)をサンドブラスト法により両面
を粗面化して、中心線平均表面粗さ0.6μmの粗面フ
ィルムを得た。この遮光フィルムを、多面焼付けにおけ
るPS版用遮光フィルムとして使用したところ、良好な
使用結果が得られ、焼付け処理したPS版を現像して得
られるPS版画像には、ボケの発生は見られなかった。
する。 実施例1 カーボンブラックを混入した黒色遮光性ポリエステルフ
ィルム(厚さ55μm)をサンドブラスト法により両面
を粗面化して、中心線平均表面粗さ0.6μmの粗面フ
ィルムを得た。この遮光フィルムを、多面焼付けにおけ
るPS版用遮光フィルムとして使用したところ、良好な
使用結果が得られ、焼付け処理したPS版を現像して得
られるPS版画像には、ボケの発生は見られなかった。
【0012】実施例2 水34.1部とエチルアルコール2.6部との混合液に
対し、水溶性メラミン樹脂(メチロール化メラミン樹
脂)(「スミテックスレジンM−3」、住友化学社製、
固形分濃度:80%)7.6部、導電性カーボンブラッ
ク(平均粒径:0.1〜0.2μm)をアニオン系界面
活性剤を含む水溶性アクリル樹脂(改質樹脂)水溶液中
に分散させた液(カーボンブラック濃度:7.3%、ア
クリル樹脂濃度:4.2%)5.9部、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)(平均粒径:0.3μm)と
ポリウレタン樹脂(改質樹脂)を水中に分散させた液
(ポリテトラフルオロエチレン濃度:18%、ポリウレ
タン樹脂濃度:10%)14.5部、塩化アンモニウム
水溶液(塩化アンモニウム濃度:20%)0.158部
をそれぞれ添加し、均一に混合して塗布液を調製した。
次に、この塗布液を、サンドブラスト法により粗面化さ
れたポリエチレンテレフタレートフィルム(中心線平均
粗さ:0.6μm、厚さ:60μm)の粗面に対して塗
布し、温度120℃で2分間熱処理した。このようにし
て得た塗布フィルムの塗膜について、その厚さ、表面抵
抗、中心線平均粗さ(Ra)、静摩擦係数を測定すると
ともに、耐溶剤性、耐摩耗性及びフィルムのカール性と
巻きぐせを以下のようにして試験した。その結果を表1
に示す。 比較例1 実施例2において、基材フィルムとして粗面化されてい
ない平滑表面を有するものを用いた以外は同様にして実
験を行った。その結果を表1に示す。
対し、水溶性メラミン樹脂(メチロール化メラミン樹
脂)(「スミテックスレジンM−3」、住友化学社製、
固形分濃度:80%)7.6部、導電性カーボンブラッ
ク(平均粒径:0.1〜0.2μm)をアニオン系界面
活性剤を含む水溶性アクリル樹脂(改質樹脂)水溶液中
に分散させた液(カーボンブラック濃度:7.3%、ア
クリル樹脂濃度:4.2%)5.9部、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)(平均粒径:0.3μm)と
ポリウレタン樹脂(改質樹脂)を水中に分散させた液
(ポリテトラフルオロエチレン濃度:18%、ポリウレ
タン樹脂濃度:10%)14.5部、塩化アンモニウム
水溶液(塩化アンモニウム濃度:20%)0.158部
をそれぞれ添加し、均一に混合して塗布液を調製した。
次に、この塗布液を、サンドブラスト法により粗面化さ
れたポリエチレンテレフタレートフィルム(中心線平均
粗さ:0.6μm、厚さ:60μm)の粗面に対して塗
布し、温度120℃で2分間熱処理した。このようにし
て得た塗布フィルムの塗膜について、その厚さ、表面抵
抗、中心線平均粗さ(Ra)、静摩擦係数を測定すると
ともに、耐溶剤性、耐摩耗性及びフィルムのカール性と
巻きぐせを以下のようにして試験した。その結果を表1
に示す。 比較例1 実施例2において、基材フィルムとして粗面化されてい
ない平滑表面を有するものを用いた以外は同様にして実
験を行った。その結果を表1に示す。
【0013】〔耐溶剤性〕脱脂綿にエチルアルコールを
含ませ、この脱脂綿で塗布フィルムの塗膜を50回擦
り、塗膜の状態を調べた。塗膜に変化がないものを○、
塗膜に変化を生じたものを×として評価した。 〔耐摩耗性〕2つの塗布フィルムの塗膜面同志を荷重5
0gで接触させ、速度20cm/秒で擦り、1万5千回
擦った後の塗膜の状態を調べた。塗膜に変化が全くない
ものを○、塗膜に変化がみられたものを×、その中間の
ものを△として評価した。 〔カール性〕試料フィルム(30×50mm)を、温度
50℃、相対湿度80%に調整された恒湿恒温槽内のガ
ラス平面の上に3時間放置した後、室温に1時間放置し
た、そのフィルムのカール度合を、平面からの端部の反
りの高さで評価した。この場合、反りの高さが1mm以
下のものを○、それより大きいものを×として評価し
た。 〔巻きぐせ〕50mm×300mmにカットした試料フ
ィルムを3インチ紙管に巻き付け、端を粘着テープで固
定し、試験サンプルを作成した。試験サンプルを24時
間室温に放置した後、粘着テープを除去し、ガラス平面
に試料フィルムを1時間放置した後、そのカール度合い
を測定した。端部のソリ高さが20mm以下のものを
○、20mm以上のものを×として評価した。
含ませ、この脱脂綿で塗布フィルムの塗膜を50回擦
り、塗膜の状態を調べた。塗膜に変化がないものを○、
塗膜に変化を生じたものを×として評価した。 〔耐摩耗性〕2つの塗布フィルムの塗膜面同志を荷重5
0gで接触させ、速度20cm/秒で擦り、1万5千回
擦った後の塗膜の状態を調べた。塗膜に変化が全くない
ものを○、塗膜に変化がみられたものを×、その中間の
ものを△として評価した。 〔カール性〕試料フィルム(30×50mm)を、温度
50℃、相対湿度80%に調整された恒湿恒温槽内のガ
ラス平面の上に3時間放置した後、室温に1時間放置し
た、そのフィルムのカール度合を、平面からの端部の反
りの高さで評価した。この場合、反りの高さが1mm以
下のものを○、それより大きいものを×として評価し
た。 〔巻きぐせ〕50mm×300mmにカットした試料フ
ィルムを3インチ紙管に巻き付け、端を粘着テープで固
定し、試験サンプルを作成した。試験サンプルを24時
間室温に放置した後、粘着テープを除去し、ガラス平面
に試料フィルムを1時間放置した後、そのカール度合い
を測定した。端部のソリ高さが20mm以下のものを
○、20mm以上のものを×として評価した。
【0014】
【表1】
【0015】実施例2 実施例2において、塗布液として、水34.1部とエチ
ルアルコール2.6部との混合液に対し、実施例1で示
した水溶性メラミン樹脂7.6部、導電性カーボンブラ
ックをアニオン系界面活性剤を含む水溶性アクリル樹脂
(改質樹脂)水溶液中に分散させた液3.9部、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)とポリウレタン樹脂
(改質樹脂)を水中に分散させた液14.8部、塩化ア
ンモニウム水溶液0.158部を添加混合したものを用
いた以外は同様にして実験を行った。その結果を表2に
示す。
ルアルコール2.6部との混合液に対し、実施例1で示
した水溶性メラミン樹脂7.6部、導電性カーボンブラ
ックをアニオン系界面活性剤を含む水溶性アクリル樹脂
(改質樹脂)水溶液中に分散させた液3.9部、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)とポリウレタン樹脂
(改質樹脂)を水中に分散させた液14.8部、塩化ア
ンモニウム水溶液0.158部を添加混合したものを用
いた以外は同様にして実験を行った。その結果を表2に
示す。
【0016】比較例2 実施例2において、基材フィルムとして粗面化されてい
ない平滑表面を有するものを用いた以外は同様にして実
験を行った。その結果を表2に示す。
ない平滑表面を有するものを用いた以外は同様にして実
験を行った。その結果を表2に示す。
【表2】
【0017】前記実施例2及び実施例3で得られた遮光
フィルムは、表面抵抗値が小さく、かつ耐溶剤性、耐摩
耗性にすぐれ、さらに巻きぐせの生じにくいものであ
り、本発明のPS版遮光フィルムとして好適のものであ
る。
フィルムは、表面抵抗値が小さく、かつ耐溶剤性、耐摩
耗性にすぐれ、さらに巻きぐせの生じにくいものであ
り、本発明のPS版遮光フィルムとして好適のものであ
る。
【図1】真空プリンターのゴムマット上のPS版の上に
原稿フィルム及び遮光フィルムを載置し、その上にガラ
ス枚をかぶせて、真空ポンプを作動させた時の状態の説
明断面図を示す。
原稿フィルム及び遮光フィルムを載置し、その上にガラ
ス枚をかぶせて、真空ポンプを作動させた時の状態の説
明断面図を示す。
【図2】図1において、遮光フィルムとして厚手の遮光
フィルムを用いた場合の説明断面図を示す。
フィルムを用いた場合の説明断面図を示す。
1 ゴムマット 2 ガラス板 3 PS版 4 原稿フィルム 5 吸引口 6 空隙部 P 遮光フィルム
Claims (2)
- 【請求項1】 PS版に原稿フィルムを多面焼付けする
際にPS版の非露光部を遮光するために用いられるカバ
ーフィルムであって、該フィルムは厚さ30〜100μ
mのプラスチックフィルムの遮光体からなり、かつ表面
及び裏面に多数の微細凹凸を有することを特徴とするP
S版用遮光フィルム。 - 【請求項2】 該フィルムの表面電気抵抗率が1×10
8Ω以下である請求項1の遮光フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3268414A JP2505715B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | Ps版用遮光フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3268414A JP2505715B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | Ps版用遮光フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0580488A JPH0580488A (ja) | 1993-04-02 |
JP2505715B2 true JP2505715B2 (ja) | 1996-06-12 |
Family
ID=17458152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3268414A Expired - Lifetime JP2505715B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | Ps版用遮光フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2505715B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56108136U (ja) * | 1980-01-21 | 1981-08-22 | ||
JPS6090337A (ja) * | 1983-10-24 | 1985-05-21 | Kotobuki Seihan Insatsu Kk | 感光マスク用シ−ト材 |
-
1991
- 1991-09-19 JP JP3268414A patent/JP2505715B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0580488A (ja) | 1993-04-02 |
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