JPH05112569A - 新規アデニン誘導体 - Google Patents

新規アデニン誘導体

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JPH05112569A
JPH05112569A JP9313892A JP9313892A JPH05112569A JP H05112569 A JPH05112569 A JP H05112569A JP 9313892 A JP9313892 A JP 9313892A JP 9313892 A JP9313892 A JP 9313892A JP H05112569 A JPH05112569 A JP H05112569A
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JP
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promotion
adenine
compound
formula
plant
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Application number
JP9313892A
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English (en)
Inventor
Akinobu Tanaka
昭宣 田中
Takehito Maruyama
岳人 丸山
Akinori Oda
晃規 小田
Takashi Suzuki
隆 鈴木
Yoshiaki Suzuki
吉昭 鈴木
Takashi Oritani
隆志 折谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】化1で表されるアデニン誘導体。 【化1】 〔ただし、化1においてnは1または2、RおよびR’
は水素、メチル基、エチル基、アリル基、またはプロパ
ギル基を示す。〕 【効果】従来のサイトカイニン活性を示す合成品よりも
生体への浸透性に優れており、そのため植物成長調節剤
としての作用効果が大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下記の化2で示される
アデニン誘導体に関する。
【化2】 [ただし、化2においてnは1または2、RおよびR’
は水素、メチル基、エチル基、アリル基、またはプロパ
ギル基を示す]
【0002】本発明に係るアデニン誘導体は、サイトカ
イニン活性を示し、植物の細胞分裂促進、側芽の生長促
進、発芽促進、花芽形成と開花の促進、着果促進、果実
肥大、老化抑制および貯蔵器官における物質蓄積促進等
の植物生理作用の促進に有用な物質である。
【0003】
【従来の技術】従来、植物、殊に、穀物、果物、野菜の
生育を調節するために数多くの化合物が見いだされてい
る。なかでも、サイトカイニンと総称される物質群に属
するものには、多くの生理作用が知られており、代表的
な化合物として、ゼアチン、カイネチンおよびベンジル
アデニン(6−ベンジルアミノプリン)等がある。この
ようなサイトカイニンには、植物の細胞分裂促進、側芽
の生長促進、発芽促進、花芽形成と開花の促進、着果促
進、果実肥大、老化抑制および貯蔵器官における物質蓄
積促進等の植物生理作用があることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、農業分野におい
て利用されているサイトカイニン化合物として化3で示
されるで示されるベンジルアデニンが知られてきたが、
その実用場面での用途は広いものではなく、これよりも
強力な剤が求められている。
【0005】
【化3】 従って、本発明の課題は公知のアデニン誘導体の作用を
凌駕し、かつ広い用途に利用可能な新規物質を提供する
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の事
情に鑑み、アデニンのN6 窒素原子に種々の置換基を持
つ化合物の合成と生物活性スクリ−ニングについて研
究、検討を重ねた結果、化2で示される新規なアデニン
誘導体が有効であることを見いだし本発明に到達した。
すなわち、本発明は、化2で示されるアデニン誘導体に
関する。
【0007】本発明に係る上記の化2で示されるアデニ
ン誘導体は、例えば、次のような方法により得ることが
できる。6−クロロプリンと下記の化4で示される構造
を有するジアミン誘導体とを、例えばアルコール類等の
有機溶媒中で、トリアルキルアミン(例えば、エチルジ
イソプロピルアミン)等の存在下に加熱し、反応させる
ことにより合成できる。
【0008】
【化4】 [ただし、化4においてnは1または2、RおよびR’
は水素、メチル基、エチル基、アリル基、またはプロパ
ギル基を示す]
【0009】化4で示されるジアミン誘導体を得る方法
としては、例えば、化5で示されるN−(オキソアルキ
ル)フタルイミドとヒドロキシルアミン、O−メチルヒ
ドロキシルアミン、O−エチルヒドロキシルアミン、O
−アリルヒドロキシル、またはO−プロパギルヒドロキ
シルアミンを反応させて得られる化6で示されるフタル
イミドを脱保護することによって得られる。脱保護の方
法としてはヒドラジン等を用いて行うことができる。
【0010】
【化5】 [ただし、化5においてnは1または2、RおよびR’
は水素、メチル基、エチル基、アリル基、またはプロパ
ギル基を示す]
【0011】
【化6】 [ただし、化6においてnは1または2、RおよびR’
は水素、メチル基、エチル基、アリル基、またはプロパ
ギル基を示す]
【0012】本発明に係る化2で示されるアデニン誘導
体の代表例としては、化7のN6 −[2−(N−メトキ
シイミノ)エチル]アデニン、化8のN6 −[2−(N
−メトキシイミノ)プロピル]アデニン、化9のN6
[3−(N−ヒドロキシイミノ)ブチル]アデニン、化
10のN6 −[3−(N−メトキシイミノ)ブチル]ア
デニン、化11のN6 −[2−(N−エトキシイミノ)
プロピル]アデニン、化12のN6 −[2−(N−アリ
ロキシイミノ)プロピル]アデニン、化13のN6
[2−(N−プロパギロキシイミノ)プロピル]アデニ
ンが挙げられる。
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】
【化10】
【0017】
【化11】
【0018】
【化12】
【0019】
【化13】
【0020】また、本発明に係るアデニン誘導体は、通
常の方法により容易に次の化14で示される塩酸、臭化
水素酸、硫酸、硝酸、りん酸等との鉱酸塩あるいはギ
酸、酢酸等との有機酸塩にすることができる。
【0021】
【化14】 [ただし、化14においてnは1または2、Rおよび
R’は水素、メチル基、エチル基、アリル基、またはプ
ロパギル基を示す。Zは当量の塩酸、臭化水素酸、硫
酸、硝酸、りん酸、ギ酸および酢酸である。]
【0022】本発明における化2で示されるアデニン誘
導体の融点を表1に、また1H−NMRスペクトル化学
シフト値を表2に示す。
【0023】
【表1】 表1 アデニン誘導体の物性 化合物番号 式 n R R’ mp(℃) A 化7 1 H CH3 239〜246 (分解) B 化8 1 CH3 CH3 220〜227 (分解) C 化9 2 CH3 H 216〜238 D 化10 2 CH3 CH3 189〜201 E 化11 1 CH3 2 5 226〜228 F 化12 1 CH3 CH2 CH=CH2 206〜208 G 化13 1 CH3 CH2 C=CH 194〜196
【0024】
【表2】 表2 アデニン誘導体の 1H−NMRスペクトル化学シフト値 化合物番号 化学シフト値(δppm、溶媒 DMSO-d6 A 3.77(s, 3H× 0.5), 3.88(s, 3H ×0.5), 4.37(m, 2H), 6.86(t, J=3.7Hz, 1H ×0.5), 7.53(t, J=5.4Hz, 1H ×0.5), 8.17(s, 1H), 8.23(s, 1H), 12.90(br, 1H). B 1.72(s, 3H× 0.14), 1.79(s, 3H× 0.86), 3.74(s, 3H), 4.28(d, J=6Hz, 2H), 7.63(t-like, J=6Hz, 1H), 8.07(s, 1H), 8.17(s, 1H), 12.70(br, 1H). C 1.80(s, 3H), 3.30(m, 2H), 3.69(m, 2H), 7.45(m, 1H), 8.08(s, 1H), 8.19(s, 1H), 10.29(br, 1H), 12.70(br, 1H). D 1.84(s, 3H), 2.47(t, J=6.5Hz, 2H), 3.55(m, 2H), 3.70 (s, 3H, ×0.7), 3.74(s, 3H× 0.3), 7.44(br, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.17(s, 1H), 12.60(br, 1H). E 1.17(t, J=7Hz, 3H x 0.79), 1.22(t, J=7Hz, 3H× 0.21), 1.75(s, 3H× 0.21), 1.82(s, 3H× 0.79), 4.03(q, J= 7Hz, 2H), 4.31(d-like, J=6Hz, 2H), 7.70(t-like, J=6Hz, 1H), 8.10(s, 1H), 8.20(s, 1H). F 1.73(s, 3H× 0.25), 1.82(s, 3H× 0.75), 4.27〜4.50(m, 4H), 5.05 〜5.35(m, 2H), 5.78 〜5.35(m, 1H), 7.35(t-like , 1H), 7.96(s, 1H), 8.17(s, 1H). G 1.74(s, 3H× 0.14), 1.82(s, 3H× 0.86), 3.39(t, J=2Hz, 1H), 4.31(d, J= 6Hz, 2H), 4.62(d, J=2Hz, 2H), 7.72 (t-like, J=6Hz, 1H), 8.12(s, 1H), 8.22(s, 1H).
【0025】本発明に係る前記化2で示されるアデニン
誘導体および化14で表されるアデニン誘導体の塩は、
植物ホルモン、サイトカイニン活性を有するもので、植
物生長調節剤として圃場で使用したり、あるいは植物組
織培養用の培地成分として利用できることが期待され
る。
【0026】次に、本発明に係るアデニン誘導体の合
成、ならびにその生理活性について、実施例および試験
例を示す。
【実施例】本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0027】実施例1 N6 −[2−(N−メトキシイミノ)エチル]アデニン
(化合物A)の合成 次のように、先ず側鎖ジアミンを合成し、これを6−ク
ロロプリンと反応させて合成した。 (1)N−[2−(N−メトキシイミノ)エチル]フタ
ルイミドの合成 0.560g(2.96mmol)のN−(2−オキソ
エチル)フタルイミドを20mlのエタノ−ルに溶か
し、これに0.330g(3.95mmol)のO−メ
チルヒドロキシルアミン塩酸塩を加えた。この懸濁液に
10mlの0.35M炭酸ナトリウム水溶液を加え、室
温にて3日間撹拌した。反応混合物を100mlの水に
注ぎ、クロロホルム(20ml×3)にて抽出し、有機
層を硫酸マグネシウムで乾燥した。クロロホルムを留去
し、残渣固体を石油エ−テルで洗浄し0.291g(収
率45%)の標題化合物が白色結晶として得られた。
【0028】(2)N6 −[2−(N−メトキシイミ
ノ)エチル]アデニン(化合物A)の合成 0.290g(1.33mmol)のN−[2−(N−
メトキシイミノ)エチル]フタルイミドを8mlのエタ
ノールに溶かし、これに77.7μl(1.60mmo
l)のヒドラジンハイドレートを加え、5時間加熱還流
した。反応混合物を室温に冷却後、これにエーテル15
mlを加え、0℃に1時間放置して充分に固体を析出さ
せた。吸引濾過により固体を除き、濾液を硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、エバポレーターにより1mlにまで濃縮し
た。この濃縮液を5mlのイソプロパノールに溶かし、
これに6−クロロプリン77.7mg(0.503mm
ol)とエチルジイソプロピルアミン88μlを加え
て、油浴上5時間加熱還流した。析出した結晶を濾別し
た後、薄層クロマトグラフィ−(シリカゲル、展開剤;
10%エタノ−ル−クロロホルム)にて精製し5.2m
g(収率2%)の標題化合物を白色粉末として得た。
【0029】赤外吸収スペクトル (KBr); νmax=2900s , 2770vs, 2660s , 1570s , 1435m , 1390
m , 1295m , 1240m ,1045w , 1010w , 885 m , 855 m ,
825 m , 725 w , 630 w cm-1 紫外吸収スペクトル; λmax(H2O)= 208(24,600), 266(20,800)nm λmax(0.1NHCl)= 270(20,600)nm λmax(0.1NNaOH)=272(18,400), 280sh(13,800)nm 元素分析;C8H10N6O としての計算値 C:46.60% H: 4.89% N:10.76% 実測値 C:46.95% H: 5.08% N:10.33%
【0030】実施例2 N6 −[2−(N−メトキシイミノ)プロピル]アデニ
ン(化合物B)の合成 次のように、先ず側鎖ジアミンを合成し、これを6−ク
ロロプリンと反応させて合成した。 (1)N−[2−(N−メトキシイミノ)プロピル]フ
タルイミドの合成 1.33g(6.55mmol)の N−(2−オキソ
プロピル)フタルイミドを30mlのエタノ−ルに溶か
し、これに1.64g(19.7mmol)のO−メチ
ルヒドロキシルアミン塩酸塩を加えた。この懸濁液に2
0mlの2N水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温にて
12時間撹拌した。反応混合物を100mlの水に注
ぎ、クロロホルム(30ml×3)にて抽出し、有機層
を硫酸マグネシウムで乾燥した。クロロホルムを留去
し、残渣固体をヘキサンで洗浄し1.03g(収率68
%)の標題化合物が白色結晶として得られた。
【0031】融点 114−131℃ 1 H−NMRスペクトル(DMSO-d6, TMS 内部標準); δ=1.83(s, 3H), 3.73(s, 3H), 4.35(m,2H), 7.82(s, 4
H)ppm 赤外吸収スペクトル(KBr ); νmax=2870w , 1680s , 1360s , 1315s , 1035s , 900
w , 825 m ,695 m cm-1
【0032】(2)N6 −[2−(N−メトキシイミ
ノ)プロピル]アデニン(化合物B)の合成 0.232g(1.00mmol)のN−[2−(N−
メトキシイミノ)プロピル]フタルイミドを6mlのメ
タノールに溶かし、これに60μl(1.2mmol)
のヒドラジンハイドレートを加え、5時間加熱還流し
た。反応混合物を室温に冷却後、これにエーテル20m
lを加え、0℃に1時間放置して充分に固体を析出させ
た。吸引濾過により固体を除き、濾液を硫酸ナトリウム
で乾燥後、エバポレーターにより1mlにまで濃縮し
た。この濃縮液を5mlのイソプロパノールに溶かし、
これに6−クロロプリン105mg(0.680mmo
l)とエチルジイソプロピルアミン101μlを加え
て、油浴上5時間加熱還流した。反応混合物を20ml
の水に注ぎ、クロロホルム(15mlx5)で抽出し
た。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し残渣を薄
層クロマトグラフィ−(シリカゲル、展開剤;15%エ
タノ−ル−クロロホルム)にて精製し32.0mg(収
率15%)の標題化合物を白色固体として得た。
【0033】赤外吸収スペクトル(KBr ); νmax= 2910 s , 2770br, 1585vs, 1245m , 1130w , 10
35m , 880 m ,625 w cm-1 紫外吸収スペクトル; λmax(H2O)= 208(30,800), 266(24,000)nm λmax(0.1NHCl)= 275(15,700)nm λmax(0.1NNaOH)=273(15,900), 280sh(12,400)nm 元素分析;C9H12N6O としての計算値 C:49.08% H: 5.49% N:38.16% 実測値 C:49.29% H: 5.77% N:38.50%
【0034】実施例3 N6 −[3−(N−ヒドロキシイミノ)ブチル]アデニ
ン(化合物C)の合成 次のように、先ず側鎖ジアミンを合成し、これを6−ク
ロロプリンと反応させて合成した。 (1)N−[3−(N−ヒドロキシイミノ)ブチル]フ
タルイミドの合成 1.08g(5.00mmol)の N−(3−オキソ
ブチル)フタルイミドを10mlのメタノ−ルに溶か
し、これに0.695g(10.0mmol)のヒドロ
キシルアミン塩酸塩を加えた。この懸濁液に2mlの5
N水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温にて16時間撹
拌した。反応混合物を100mlの飽和重曹水に注ぎ、
クロロホルム(30ml×3)にて抽出し、有機層を硫
酸マグネシウムで乾燥した。クロロホルムを留去し、残
渣固体をヘキサンで洗浄し0.98g(収率84%)の
標題化合物が白色結晶として得られた。
【0035】融点 151〜172℃ 1 H−NMRスペクトル(DMSO-d6, TMS 内部標準); δ=1.81(s, 3H ×0.75), 1.83(s, 3H ×0.25), 2.3-2.6
(m, 2H), 3.78(t, J=6Hz, 2H× 0.75), 3.91(t, J=6Hz,
2H ×0.25), 7.85(s, 4H), 10.15(bs, 1H× 0.75), 1
0.34(s, 1H ×0.25)ppm
【0036】(2)N6 −[3−(N−ヒドロキシイミ
ノ)ブチル]アデニン(化合物C)の合成 0.232g(1.00mmol)のN−[3−(N−
ヒドロキシイミノ)ブチル]フタルイミドを6mlのメ
タノールに溶かし、これに60μl(1.2mmol)
のヒドラジンハイドレートを加え、5時間加熱還流し
た。反応混合物を室温に冷却後、これにエーテル20m
lを加え、0℃に1時間放置して充分に固体を析出させ
た。吸引濾過により固体を除き、濾液を硫酸ナトリウム
で乾燥後、エバポレーターにより1mlにまで濃縮し
た。この濃縮液を5mlのイソプロパノールに溶かし、
これに6−クロロプリン75mg(0.50mmol)
とエチルジイソプロピルアミン101μlを加えて、油
浴上5時間加熱還流した。反応混合物を20mlの水に
注ぎ、クロロホルム(15ml×5)で抽出した。硫酸
マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し残渣を薄層クロマ
トグラフィ−(シリカゲル、展開剤;15%エタノ−ル
−クロロホルム)にて精製し45.1mg(収率22
%)の標題化合物を白色固体として得た。
【0037】赤外吸収スペクトル (KBr); νmax=2900br,vs , 2810s , 1590s , 1405m , 1300m ,
1255s, 1160m , 930 m , 885 m , 635 m cm-1 紫外吸収スペクトル; λmax(H2O)= 208(26,100), 267(19,100)nm λmax(0.1NHCl)= 269(20,100)nm λmax(0.1NNaOH)=273(20,900), 282sh(15,800)nm 元素分析;C9H12N6O としての計算値 C:49.08% H: 5.49% N:38.16% 実測値 C:49.32% H: 5.78% N:37.88%
【0038】実施例4 N6 −[3−(N−メトキシイミノ)ブチル]アデニン
(化合物D)の合成 次のように、先ず側鎖ジアミンを合成し、これを6−ク
ロロプリンと反応させて合成した。 (1)N−[3−(N−メトキシイミノ)ブチル]フタ
ルイミドの合成 1.08g(5.00mmol)の N−(3−オキソ
ブチル)フタルイミドを10mlのメタノ−ルに溶か
し、これに0.835g(10.0mmol)のO−メ
チルヒドロキシルアミン塩酸塩を加えた。この懸濁液に
2mlの5N水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温にて
16時間撹拌した。反応混合物を100mlの飽和重曹
水に注ぎ、クロロホルム(30ml×3)にて抽出し、
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。クロロホルムを
留去し、残渣固体をヘキサンで洗浄し1.23g(収率
100%)の標題化合物が白色結晶として得られた。
【0039】融点 55〜64℃ 1 H−NMRスペクトル(DMSO-d6, TMS 内部標準); δ=1.86(s, 3H ×0.66), 1.91(s, 3H ×0.34), 2.5(t,
J=6Hz, 2H ×0.66),2.66(t, J=6Hz, 2H× 0.34), 3.48
(s,3H× 0.34), 3.65(s, 3H× 0.66),3.84(t, J=6Hz, 2
H× 0.66), 3.87(t, J=6Hz, 2H ×0.34), 7.85(s, 4H)p
pm
【0040】(2)N6 −[3−(N−メトキシイミ
ノ)ブチル]アデニン(化合物D)の合成 0.282g(1.00mmol)のN−[3−(N−
メトキシイミノ)ブチル]フタルイミドを6mlのメタ
ノールに溶かし、これに60μl(1.2mmol)の
ヒドラジンハイドレートを加え、7時間加熱還流した。
反応混合物を室温に冷却後、これにエーテル20mlを
加え、0℃に1時間放置して充分に固体を析出させた。
吸引濾過により固体を除き、濾液を硫酸ナトリウムで乾
燥後、エバポレーターにより1mlにまで濃縮した。こ
の濃縮液を5mlのイソプロパノールに溶かし、これに
6−クロロプリン105mg(0.680mmol)と
エチルジイソプロピルアミン101μlを加えて、油浴
上5時間加熱還流した。反応混合物を20mlの水に注
ぎ、クロロホルム(15ml×5)で抽出した。硫酸マ
グネシウムで乾燥後、溶媒を留去し残渣を薄層クロマト
グラフィ−(アルミナ、展開剤;15%エタノ−ル−ク
ロロホルム)にて精製し85mg(収率35%)の標題
化合物を白色固体として得た。
【0041】赤外吸収スペクトル(KBr ); νmax=3160sh,m, 3050m , 2900s , 2770s , 1580v ,128
0 m , 1240m , 1125w ,1020m ,915w , 870 m , 780 w ,
625 w cm-1 紫外吸収スペクトル; λmax(H2O)= 206(26,200), 268(15,000)nm λmax(0.1NHCl)= 274(14,100)nm λmax(0.1NNaOH)=274(14,500), 282sh(11,300)nm 元素分析;C10H14N6O としての計算値 C:51.27% H: 6.02% N:35.87% 実測値 C:51.49% H: 6.39% N:35.51%
【0042】試験例1 クロロフィル保持効果によるサ
イトカイニン活性試験 培土を詰めた苗箱にイネの種子(品種:南京11号)を
播種し、ガラス室内(昼間25゜C/夜間15゜C)で
約1ヶ月間生育させた。6葉展開時の4葉の中央部か
ら、長さ1cmの葉片を切り取った。所定濃度の供試化
合物を含む被験液2mlを加えた内径32mmのガラス
管びんに、切り取った葉5枚を1組として浮かべた。暗
黒下、30゜Cに3日間置いた後、葉片を80%エタノ
ール10mlの入った試験管に入れ、80℃の湯浴に2
0分間浸漬して、クロロフィルを抽出した。冷却後、8
0%エタノールを加えて、10mlとし、665nmの
波長で吸光度を測定した。供試化合物の老化抑制率を次
式により求めた。結果を表3に示す。 (A):処理区の3日後の吸光度 (B):無処理区の3日後の吸光度 (C):処理前の葉での吸光度
【0043】
【表3】 表3 クロロフィル保持効果によるサイトカイニン活性試験 老化抑制率(%) 化合物番号 濃度 (mg/l) 0.1 1 10 B 92 96 98 ベンジルアデニン 82 95 96
【0044】試験例2 ダイズカルスの細胞分裂促進に
よるサイトカイニン活性試験 ダイズ種子(品種:エンレイ)を1%有効塩素のアンチ
ホルミンで12分間消毒し、滅菌水で6回水洗した。直
径2.5cmの試験管に15mlの1.6%寒天を加
え、ピンセットで表面に溝を入れた後、前記の種子1粒
を置き、暗黒下、30゜Cに5日間保った。内径26m
mのガラス管びんに、所定濃度の供試化合物と2mg/
lまたは2μMの2,4−ジクロロフェノキシ酢酸
(2,4−D)を含むミラーの培地10mlを加えた。
寒天上に播種した種子から発芽したダイズ下胚軸中央部
を1mmの厚さに切り取り、切片4個を1組として、ミ
ラーの培地に移植した。暗黒下、30゜Cに3週間置い
た後、カルスの生重量を測定した。結果を表4、5に示
す。
【0045】
【表4】表4 ダイズカルスの細胞分裂促進によるサイトカイニン活性試験 ダイズカルス生重量(mg/flask) 化合物番号 濃度(mg/l) 0 1 10 B − 874 741 ベンジルアデニン − 809 636 無処理 86 (2,4−D濃度:2mg/l)
【0046】
【表5】表5 ダイズカルスの細胞分裂促進によるサイトカイニン活性試験 ダイズカルス生重量(g/flask) 化合物番号 濃度(μM/l) 0 0.1 1 10 B − 0.661 0.986 1.167 E − 0.585 0.715 1.062 トランスゼアチン − 0.502 0.730 1.003無処理 0.132 (2,4−D濃度:2μM)
【0047】試験例3 イネにおける吸収、移動性に関
する試験;イネ葉片に対する化合物Bとベンジルアデニ
ンの浸透クロロフィル保持効果 イネの種子(品種:南京11号)を培土を詰めた苗箱に
播種し、ガラス室内(昼間25℃/夜間15℃)で約1
カ月間生育させた。7葉展開時の5葉の中央部から、長
さ30mmの葉片を切りとった。直径9cmのシャーレ
に円形濾紙1枚を敷き、2.5mlの蒸留水で湿らせ
た。この上にスライドグラス1枚をおき、このスライド
グラスの上に、切りとった5枚の葉片を、葉片の裏面が
上になるように並べた。この葉片の中央に、供試化合物
を0.1% Tween20水溶液で溶かして所定の濃度に調
製した検液10μlを載せた。シャーレに蓋をした後、
暗黒下、30℃に5日間置き、検液を載せたところを中
心に検液のクロロフィル保持効果によって残った緑色の
部分の長さを測定した。試験は3反復で行った。結果を
表6に示す。
【0048】同じ濃度での比較では、ベンジルアデニン
より化合物Bの方が緑色部が大きく広がっており、吸
収、移動性のよいことが窺われた。
【0049】
【表6】 表6 イネにおける吸収、移動性に関する試験 緑色部の長さ(mm) ベンジルアデニン 1(mg/l) 18.3 10(mg/l) 18.1 B 1(mg/l) 20.9 10(mg/l) 24.3
【0050】
【発明の効果】本発明に係るアデニン誘導体は強いサイ
トカイニン作用を示し、かつ従来の合成品よりも生体へ
の浸透性に優れていることから、広く植物生長調節剤等
として使用することが期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 隆 新潟県新潟市太夫浜字新割182番地 三菱 瓦斯化学株式会社新潟研究所内 (72)発明者 鈴木 吉昭 新潟県新潟市太夫浜字新割182番地 三菱 瓦斯化学株式会社新潟研究所内 (72)発明者 折谷 隆志 富山県婦負郡婦中町ねむの木3−12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の化1で示されるアデニン誘導体。 【化1】 [ただし、化1においてnは1または2、RおよびR’
    は水素、メチル基、エチル基、アリル基、またはプロパ
    ギル基を示す]
JP9313892A 1991-04-12 1992-04-13 新規アデニン誘導体 Pending JPH05112569A (ja)

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JP3-108844 1991-04-12
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