JPH0511251Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は布帛、フイルム等帯状物の幅出し機、
逐次２軸延伸ライン等の横延伸機、同時２軸延伸
機等に適用されるクリツプ走行装置を備える延伸
機に関するものである。

（従来の技術） 第３図乃至第６図に従来の延伸機の一例を示
す。先ず第３図において１は延伸機により延伸処
理がなされる布帛、フイルム等の帯状物（以下フ
イルムと称す）である。２，２は一対のレール
で、フイルム１の両側端に沿つて夫々エンドレス
に固設されており、同一対のレール２はフイルム
１の入口部Ａから出口部Ｂに向けて対向する距離
が拡がつている。３，３は左右一対からなるクリ
ツプで、ローラチエン等によつてエンドレスに連
結され、夫々レール２上にクリツプ部を相対して
摺動可能に装着されている。

このように構成された延伸機の入口部Ａに於い
て、クリツプ３によりフイルム１の両耳端部を把
持し、レール２に沿つて図示矢印Ｃ方向に移動さ
せることによりフイルム１を幅方向に延伸し、延
伸機の出口部Ｂに於いてクリツプ３の把持を解
き、フイルム１のみを延伸機の外に送り出し、ク
リツプ３はレール外側を図示矢印Ｅの方向に順次
移動することにより、レール２上を巡回して同様
に延伸作用を繰り返す。なお、クリツプ３の駆動
は図示しない駆動装置等によつて行われる。

第４図は摺動型延伸機のフイルム進行方向に対
する直角方向の断面、即ち、第３図の〜断面
図を示す。図において５はクリツプ本体で、同ク
リツプ本体５は断面略コ字状に形成され、個々が
ローラチエン９にて連結されたクリツプ台８に取
付けられている。６はピン７を介しクリツプ本体
５に回転可能に取付けられているクリツプレバー
である。１０はレール本体で、断面が略Ｈ字状に
形成され、全体が床面上にエンドレスに固設され
ている。１１，１２，１３は夫々摺動受板で、レ
ール本体１０の前記クリツプ台の摺動部に取付け
られ、その摺動面は図示しない給油装置により潤
滑されている。

以上の構成に於いて、クリツプ台８はローラチ
エン９でエンドレスに連結され、左右一対が同調
して図示しない駆動装置により第３図矢印Ｃから
Ｅの方向に向けて連続して巡回される。またクリ
ツプレバー６は、延伸機入口部Ａ（第３図）に於
いて図示しないクリツプレバー６の下降装置によ
つて押し下げられ、フイルム１をクリツプ本体５
とクリツプレバー６とで形成される把持部Ｋで把
持し、第３図の矢印Ｃ方向にレール２に沿つて駆
動されてフイルム１を延伸し、延伸機出口部Ｂ
（第３図）に達すると、図示しないクリツプレバ
ー上昇装置によつて押し上げられフイルム１の把
持を解除する。またレール本体１０の全長にわた
つて摺動受板１１，１２，１３が取付けられ、同
各摺動板１１，１２，１３はフイルム１の延伸
力、クリツプ自重等の力を受け乍らクリツプ台８
を摺動させる。この際、図示しない給油装置によ
り各摺動面Ｌ，Ｍ，Ｎに給油し潤滑を行う。

これ等各部品は加熱オーブン１４中を走行する
ため、クリツプ５、クリツプレバー６がレール２
の外側Ｅ方向を移動して入口部Ａに戻る時、出来
るだけ加熱されないように工夫されている。これ
を第５図、第６図に示す。第５図はレール２の入
口部から出口部にかけてレール２を囲つている加
熱オーブン１４を２点鎖旋で示す。更にフイルム
１を把持しているクリツプ３と、入口方向に戻る
クリツプ３を断熱するカバー１５を示す。第６図
は第５図の〜断面図を示し、特に戻りクリツ
プ側３のカバー１５は、トンネル状のチヤンバー
１６を形成している。

（考案が解決しようとする問題点） 前記従来の延伸機では、延伸機内で延伸走行中
のフイルムが破断し、戻りクリツプに破断したフ
イルムの束がひつかかり、そのまま断熱カバーに
侵入してカバーが破損する等の問題があつた。

本考案は前記従来の問題点を解決するために提
案されたものである。

（問題点を解決するための手段） このため本考案は、入口部から出口部にわたつ
て設置され、出口部から反転して入口部に戻る左
右一対のレールと、同レールの入口部及び出口部
の両端部を残して他の中央に至る部分全体を覆う
断熱カバーと、前記レール上を移動し、フイルム
の夫々両端を把持して延伸するために設けられた
走行装置を有する延伸機において、同延伸機内で
破断したフイルムを検出して前記走行装置を停止
させるセンサーを、同走行装置のクリツプが戻り
方向に入つた位置の、前記断熱カバーより出てい
る前記レール側面に配置してなるもので、これを
問題点解決のための手段とするものである。

（作用） レール本体のクリツプ戻り側の側面にセンサー
を固定し、同センサーの先端に延伸機内で破断し
たフイルムの束が接触すると、同センサーがこれ
を検出して、クリツプを駆動する走行装置を停止
させる。

（実施例） 以下本考案を図面の実施例について説明する
と、第１図及び第２図は本考案の実施例を示す。
第１図は破断したフイルムを検出するセンサーを
設けた延伸機の平面図、第２図は同センサーをレ
ール本体の側面に取付けた断面図である。

延伸機内で破断したフイルム１ａは、おおむね
出口部でのクリツプ３の解放で延伸機より排出さ
れるが、時折クリツプ３にひつかかつたまま戻り
方向に侵入する。侵入した破断フイルム１ａは束
状となるため、かなり嵩張つたものとなる。従つ
て第１図に示す如く、クリツプ３が戻り方向に入
つた位置（好ましく、断熱カバー１５の手前側）
に、これを検出するリミツトスイツチ等のセンサ
ー１７を一対のレール本体１０に設ける。この詳
細は第２図に示す如く、レール本体１０のクリツ
プ戻り側の側面にセンサー１７を固定し、同セン
サー１７の先端１８にフイルム１ａの束が接触し
た時、検出するようになつている。この検出によ
りクリツプ駆動装置（図示せず）を停止させる。

（考案の効果） 以上詳細に説明した如く本考案は構成されてお
り、延伸機内で破断したフイルムの束がセンサー
の先端に接触すると、同センサーがこれを検出し
てクリツプを駆動する走行装置を停止させるの
で、破断したフイルムの束が戻りクリツプにひつ
かかり、断熱カバー内に侵入して同カバーが破損
されるのを防止することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す横延伸機の平面
図、第２図はセンサーの取付状態を示すレール本
体の断面図、第３図は従来の延伸機の平面図、第
４図は第３図の〜断面図、第５図は従来の延
伸機の他の例を示す平面図、第６図は第５図の
〜断面図である。 図の主要部分の説明、１……フイルム、２……
レール、３……クリツプ、１０……レール本体、
１７……破断フイルムセンサー、１８……先端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入口部から出口部にわたつて設置され、出口部
   から反転して入口部に戻る左右一対のレールと、
   同レールの入口部及び出口部の両端部を残して他
   の中央に至る部分全体を覆う断熱カバーと、前記
   レール上を移動し、フイルムの夫々両端を把持し
   て延伸するために設けられた走行装置を有する延
   伸機において、同延伸機内で破断したフイルムを
   検出して前記走行装置を停止させるセンサーを、
   同走行装置のクリツプが戻り方向に入つた位置
   の、前記断熱カバーより出ている前記レール側面
   に設置したことを特徴とする横延伸機。