JP3574875B2 - トロリ線走行装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電車線に架設されたトロリ線に懸垂状態で支持され、その長さ方向に自走するトロリ線走行装置に関するものであり、例えばトロリ線の磨耗や歪みなどの検出装置を搭載してトロリ線に沿って走行させることにより効率よく点検を行なうために使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
電車線に架設されたトロリ線において、その歪みや磨耗はパンタグラフとの集電上の妨げとなり、これらの事態を回避するため日頃から定期的に点検が行なわれている。
【0003】
ところが、従来の点検方法は架線試験車によるほか点検者が線路に沿って歩行しながら視覚によって架設状態のトロリ線の歪みや磨耗などを調べるもので、きわめて効率が悪い。殊にトロリ線は高所に架設されているとともに架設が長距離に亘るため多大な時間と労力とを要することになる。
【0004】
そこで、トロリ線の歪みや磨耗などの検知装置を搭載した自走式の走行装置をトロリ線に沿って走行させることで効率よく点検することが考えられるが、トロリ線は長さ方向に所定間隔で配置された多数のハンガイヤーなどのトロリ線支持具によって両側に形成された溝条で挟持されてちょう架線に支持されており、ハンガイヤーや引止め金具などのトロリ線支持具が障害物となって走行を妨げることになり、トロリ線に沿って自走可能な走行装置を提供することはきわめて困難である、という問題があった。
【0005】
そして、従来、これらの問題を解決するための手段の1つとして、自走式のトロリ線走行装置が特開平5−85232号に提示されている。
【0006】
前記公報に提示されている自走式のトロリ線走行装置は、互いに対向させた一対の係止輪をトロリ線の両側に形成された係止溝条にそれぞれ係合させて走行させるものである。
【0007】
しかしながら、張設されているトロリ線には弛みがあり、係止輪をトロリ線の係止溝条に係止させるのは容易でなく、殊に、トロリ線支持具を通過する毎に係止輪と係止溝条との係止を行ないながら走行させる必要があり、問題となっていた。
【0008】
また、トロリ線の係止溝条が損傷していたり、烏の糞などにより埋まってしまっている場合にも走行不能となる。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来の自走式のトロリ線走行装置は、走行が不安定であり、殊にトロリ線に弛みがあったり、トロリ線の係止溝条が正常でない場合には走行が困難である、という点である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためになされた本発明は、基板を有する走行装置本体と;
先端にトロリ線の上部に載置係合されるローラが配置されているとともに基端が前記走行装置本体に回動可能に取付けられている少なくとも三本の懸垂腕と;
前記懸垂腕の内の少なくとも1つのローラを回転駆動させる前記走行装置本体に設けられた駆動機構と;
前記懸垂腕の前方に設置されてトロリ線の支持物を検知する前記走行装置本体に設けられた検知装置と;
前記検知装置からの信号に基づいて前記懸垂腕を回動させる前記走行装置本体に設けられた回動機構と;
を有していることを特徴とする。
【0011】
【作用】
各懸垂腕の先端に形成した係止ローラをトロリ線の上面に係止させて走行装置本体をトロリ線に懸垂支持させる。
【0012】
トロリ線に載置係止されている係止ローラを駆動装置により駆動させて、走行装置を走行させる。
【0013】
懸垂腕がハンガーなどの障害物に近づいたとき、これを検知して懸垂腕を外す方向へ回動させて障害物を通過させ、通過後、再び懸垂腕を元の位置へ回動復帰させる。
【0014】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0015】
図面は本発明の一実施例を示すものであり、走行装置本体1は、例えば全長が100cm程度の箱型に形成され、その上板11から複数の懸垂腕2の腕部21が突出している。
【0016】
これらの懸垂腕2は、本実施例では走行装置本体1の幅方向において互いにわずかに全長方向へずらして対向させた2つが懸垂ユニットを形成し、これらの5組の懸垂ユニット2A,2B,2C,2Dならびに2Eが長さ方向に亘って所定の距離を隔てて配置されている。
【0017】
更に詳しく説明すると、各懸垂腕2はそれらの基端が、走行装置本体1の底板である基板12の内面に配置された架台13に架設された走行装置本体1の長さ方向に伸びる軸に回転カム14を介して回動自在に取付けられている。
【0018】
また、各懸垂腕2における腕部21の先部はほぼ直角に内側へ向けて屈曲されて鉤形を形成し、先端には内側端に鍔24を膨出させた係止ローラ22が配置されている。
【0019】
殊に、本実施例では左右一対の懸垂腕2,2が互いに対向して懸垂ユニットを形成し、これらの懸垂ユニットを構成する懸垂腕2,2の係止ローラ22,22は互いに接触しないように走行方向にずらして配置されている。
【0020】
また、それぞれの懸垂腕2は、係止ローラ22が最上位置にあるとき、互いに対向する係止ローラ22,22がトロリ線4の上部に載置係合するとともに鍔24,24で両側から挟むことにより逸脱を確実に防止している。
【0021】
更に、懸垂ユニットを形成する懸垂腕2,2は、それらの中央部において連結されているリンク部材23,23により互いに同じ開度位置になるように構成されている。
【0022】
更にまた、各懸垂腕2は図4乃至図7に示すように係止ローラ22の最上位置に近づいた時に、電動機31および減速機32を介して回転カム機構14より回動と同時に全体が所定距離だけ昇降動作を行なう回動機構3が配置されている。
【0023】
従って、懸垂腕2が回動して係止ローラ22がトロリ線4の上方に至るとき、係止ローラ22の下端面がトロリ線4の上面よりも常に所定距離だけ上方へ移動して所定の係止位置へ移動するので、例えばトロリ線4に歪みがあって水平でない場合にも係止ローラ22がトロリ線4に衝たることなく、確実に係止させることができるものである。
【0024】
また、これらの懸垂腕2に配置された各係止ローラ22は、図8に示すように電動機17の駆動力を無端ベルトからなる駆動機構18は二つの駆動部18a、18bによって駆動するように構成され、走行装置本体1がトロリ線4に懸垂した状態で自走する。
【0025】
このとき、本実施例では走行装置本体1や搭載されるバッテリなどの重量が各係止ローラ22に加わることになり、各係止ローラ22とトロリ線4との摩擦が増えるので各係止ローラ22が空転することなく確実に走行する。
【0026】
更に、走行装置本体の上板11には懸垂腕21がハンガーなどのトロリ線支持物などの障害物5に近づいたときにこれを検知する検知装置6が設置されている。
【0027】
この検知装置6は、各懸垂腕2毎に備えてもよいが、走行装置本体1の長さ方向に配置された各懸垂腕2は等間隔で配置されており、先頭に配置した検知装置6による検知信号と、走行装置本体1の上板11から突出して配置させたエンコーダ61をトロリ線4の下側部に当接させて走行速度を測定検知することにより、先頭側から各懸垂腕2を順次回動させて、各係止ローラ22のトロリ線4への解除と係止とを順次繰返し、障害物を通過させることができるため、先頭に一つ備えておけばよい。
【0028】
更に、本実施例では、走行装置本体1の先端ならびに後端に落下防止フック7,7がそれぞれ配置されている。
【0029】
これらの落下防止フック7,7は、図9ならびに図10に示すように、先端を内側に向けて屈曲させた一対のフック71,71が走行装置本体1の幅方向に配置されている。
【0030】
これらのフック71は、走行装置本体1の上板11上に突設されたトロリ線4の下面との距離を測定する検知装置8からの信号によって作動する。
【0031】
即ち、若し、懸垂腕2の先端に配置された係止ローラ22の一部または全部がトロリ線4から逸脱して走行装置本体1が、落下し始めたとき、つまり、走行装置本体1の上板11とトロリ線4の下面との距離が変化したとき、検知装置8がこれを検知して信号を送り、駒部材73,73がフック71,71を軸74を中心として瞬時に回転させて、フック71,71が閉じ、トロリ線4を包囲して落下を防止する。
【0032】
尚、本実施例は、走行装置本体1に内蔵させたバッテリ9により各種駆動装置を稼働させ、また、遠隔操作することにより更に使い勝手よく使用することができるものである。
【0033】
かかる実施例は、図4に示すように各懸垂腕2を最上位置として、各係止ローラ22を、トロリ線4の上部に載置係止させることにより走行装置本体1を懸垂させ、次いで地上からの遠隔操作信号により各係止ローラ22に駆動力を付与して走行装置本体1を所定の速度で走行させる。
【0034】
そして、走行装置本体1にトロリ線4を保守、点検する各種の検知装置を搭載しておくことにより、架設されたトロリ線4の歪みや磨耗などの状態を連続的に効率よく点検することができるものである。
【0035】
尚、トロリ線4の歪みや磨耗などの状態は走行装置本体1に備えられた各種の検知装置により検知されるが、これらの検知結果は走行装置本体1に備えられた記録装置に蓄積してもよく、また、検知結果は無線信号として地上に配置した受信機に送信してもよい。
【0036】
殊に、走行装置本体1をトロリ線4に懸垂支持させるための各懸垂腕2は、ハンガなどのような障害物5が表れても、その基端の取付部を正および逆方向に回動させることにより係止ローラ22のトロリ線4への解除と係止を繰返すことにより難無く通過することができるものである。
【0037】
また、前記係止ローラ22のトロリ線4への解除と係止を繰返す際に、懸垂腕2は回動して係止ローラ22が最上位置に近づいた時に回動と同時に、全体が所定距離だけ上昇してから下降動作を行なう構成であり、トロリ線4に歪みがあっても再係止する係止ローラ22がトロリ線4に衝って係止不可能になる心配がない。
【0038】
尚、本実施例は5組の懸垂ユニット2A,2B,2C,2Dならびに2Eが長さ方向に亘って所定の距離を隔てて配置されている構成を有している。
【0039】
従って、例えば一つの懸垂ユニットを構成するの懸垂腕2が障害物を通過するために係止ローラ22のトロリ線4への係止を解除したとしても、他の四つの懸垂ユニットによって走行装置本体1は確実にトロリ線4に懸垂された状態で走行を続けるが、懸垂腕2は少なくとも3本が長さ方向に配置されていればよい。
【0040】
また、本実施例は、走行装置本体1の幅方向において互いにわずかに全長方向へずらして対向させた二つの懸垂腕2が懸垂ユニットを形成している。
【0041】
従って、対向させた二つの懸垂腕2,2の係止ローラ22、22が、それらの内側端に膨出させた鍔24,24によりトロリ線4を挟み込むため、確実に係止して逸脱を防止しているが、二つの懸垂腕2,2を互いに対向して配置させる必要はない。
【0042】
更に、係止ローラ22は内側端に鍔24を膨出させるのは自由であり、例えば内側と外側とにそれぞれ鍔を形成してもよく(図示せず)、また、全く設けなくてもよい。
【0043】
更にまた、本実施例は各係止ローラ22を駆動可能なものとしたため確実に走行するが、少なくとも一つの係止ローラ22に駆動力が加わる構成であればよい。
【0044】
【発明の効果】
以上の構成を有する本発明によれば、各懸垂腕の先端に形成した係止ローラをトロリ線の上面に係止させて走行装置本体をトロリ線に懸垂支持させるとともに、トロリ線に載置係止されている係止ローラを駆動装置により駆動させて、走行装置を走行させることができる。
【0045】
また、ハンガーなどのような障害物に近づいたとき、これを検知して懸垂腕を外す方向へ回動させてトロリ線支持物を通過させ、通過後、再び懸垂腕を元の位置へ回動復帰させることにより連続してトロリ線に沿って走行させることができる。
【0046】
従って、トロリ線の歪みや磨耗などの検知装置を搭載することにより各種の点検をきわめて効率よく行なうことができるものである。
【0047】
殊に、本発明は懸垂腕に設けた係止ローラをトロリ線の上部に載置係止させることにより走行させるものであり、走行装置本体や走行装置本体に装着され、ある意は搭載される各種の駆動機構や検知装置、さらにはバッテリなどの荷重がすべて係止ローラに加わることになり、係止ローラが空転することなく確実に走行が行なわれる。
【0048】
また、懸垂腕を、回動して係止ローラが最上位置に近づいた時に回動と同時に、全体が所定距離だけ上昇してから下降動作を行なう構成とした場合には、懸垂腕がハンガーなどのトロリ線支持物に近づいたとき、これを検知して懸垂腕を外す方向へ回動させてトロリ線支持物を通過させ、通過後、再び懸垂腕を元の位置へ回動復帰させる際に、例えばトロリ線に歪みがあって水平でない場合にも係止ローラがトロリ線に衝たることなく、確実に係止させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置実施例を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す実施例のX−X線に沿う断面における拡大部分図である。
【図3】図1に示す実施例のY1−Y1線に沿う断面における拡大部分図である。
【図4】図1に示す実施例のZ1−Z1線に沿う断面における拡大図である。
【図5】図4の異なる状態を示す図1のZ1−Z1線に沿う断面における拡大図である。
【図6】図4の異なる状態を示す図1のZ1−Z1線に沿う断面における拡大図である。
【図7】図4の異なる状態を示す図1のZ1−Z1線に沿う断面における拡大図である。
【図8】図2のY2−Y2線に沿う断面における部分図である。
【図9】図1に示す実施例のZ2−Z2線に沿う断面における拡大図である。
【図10】図9の異なる状態を示す図1のZ2−Z2線に沿う断面における拡大図である。
【符号の説明】
1 走行装置本体
2 懸垂腕
3 回動機構
4 トロリ線
6 検出装置
12 基板
18 駆動機構
22 係止ローラ
【産業上の利用分野】
本発明は電車線に架設されたトロリ線に懸垂状態で支持され、その長さ方向に自走するトロリ線走行装置に関するものであり、例えばトロリ線の磨耗や歪みなどの検出装置を搭載してトロリ線に沿って走行させることにより効率よく点検を行なうために使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
電車線に架設されたトロリ線において、その歪みや磨耗はパンタグラフとの集電上の妨げとなり、これらの事態を回避するため日頃から定期的に点検が行なわれている。
【0003】
ところが、従来の点検方法は架線試験車によるほか点検者が線路に沿って歩行しながら視覚によって架設状態のトロリ線の歪みや磨耗などを調べるもので、きわめて効率が悪い。殊にトロリ線は高所に架設されているとともに架設が長距離に亘るため多大な時間と労力とを要することになる。
【0004】
そこで、トロリ線の歪みや磨耗などの検知装置を搭載した自走式の走行装置をトロリ線に沿って走行させることで効率よく点検することが考えられるが、トロリ線は長さ方向に所定間隔で配置された多数のハンガイヤーなどのトロリ線支持具によって両側に形成された溝条で挟持されてちょう架線に支持されており、ハンガイヤーや引止め金具などのトロリ線支持具が障害物となって走行を妨げることになり、トロリ線に沿って自走可能な走行装置を提供することはきわめて困難である、という問題があった。
【0005】
そして、従来、これらの問題を解決するための手段の1つとして、自走式のトロリ線走行装置が特開平5−85232号に提示されている。
【0006】
前記公報に提示されている自走式のトロリ線走行装置は、互いに対向させた一対の係止輪をトロリ線の両側に形成された係止溝条にそれぞれ係合させて走行させるものである。
【0007】
しかしながら、張設されているトロリ線には弛みがあり、係止輪をトロリ線の係止溝条に係止させるのは容易でなく、殊に、トロリ線支持具を通過する毎に係止輪と係止溝条との係止を行ないながら走行させる必要があり、問題となっていた。
【0008】
また、トロリ線の係止溝条が損傷していたり、烏の糞などにより埋まってしまっている場合にも走行不能となる。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来の自走式のトロリ線走行装置は、走行が不安定であり、殊にトロリ線に弛みがあったり、トロリ線の係止溝条が正常でない場合には走行が困難である、という点である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためになされた本発明は、基板を有する走行装置本体と;
先端にトロリ線の上部に載置係合されるローラが配置されているとともに基端が前記走行装置本体に回動可能に取付けられている少なくとも三本の懸垂腕と;
前記懸垂腕の内の少なくとも1つのローラを回転駆動させる前記走行装置本体に設けられた駆動機構と;
前記懸垂腕の前方に設置されてトロリ線の支持物を検知する前記走行装置本体に設けられた検知装置と;
前記検知装置からの信号に基づいて前記懸垂腕を回動させる前記走行装置本体に設けられた回動機構と;
を有していることを特徴とする。
【0011】
【作用】
各懸垂腕の先端に形成した係止ローラをトロリ線の上面に係止させて走行装置本体をトロリ線に懸垂支持させる。
【0012】
トロリ線に載置係止されている係止ローラを駆動装置により駆動させて、走行装置を走行させる。
【0013】
懸垂腕がハンガーなどの障害物に近づいたとき、これを検知して懸垂腕を外す方向へ回動させて障害物を通過させ、通過後、再び懸垂腕を元の位置へ回動復帰させる。
【0014】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0015】
図面は本発明の一実施例を示すものであり、走行装置本体1は、例えば全長が100cm程度の箱型に形成され、その上板11から複数の懸垂腕2の腕部21が突出している。
【0016】
これらの懸垂腕2は、本実施例では走行装置本体1の幅方向において互いにわずかに全長方向へずらして対向させた2つが懸垂ユニットを形成し、これらの5組の懸垂ユニット2A,2B,2C,2Dならびに2Eが長さ方向に亘って所定の距離を隔てて配置されている。
【0017】
更に詳しく説明すると、各懸垂腕2はそれらの基端が、走行装置本体1の底板である基板12の内面に配置された架台13に架設された走行装置本体1の長さ方向に伸びる軸に回転カム14を介して回動自在に取付けられている。
【0018】
また、各懸垂腕2における腕部21の先部はほぼ直角に内側へ向けて屈曲されて鉤形を形成し、先端には内側端に鍔24を膨出させた係止ローラ22が配置されている。
【0019】
殊に、本実施例では左右一対の懸垂腕2,2が互いに対向して懸垂ユニットを形成し、これらの懸垂ユニットを構成する懸垂腕2,2の係止ローラ22,22は互いに接触しないように走行方向にずらして配置されている。
【0020】
また、それぞれの懸垂腕2は、係止ローラ22が最上位置にあるとき、互いに対向する係止ローラ22,22がトロリ線4の上部に載置係合するとともに鍔24,24で両側から挟むことにより逸脱を確実に防止している。
【0021】
更に、懸垂ユニットを形成する懸垂腕2,2は、それらの中央部において連結されているリンク部材23,23により互いに同じ開度位置になるように構成されている。
【0022】
更にまた、各懸垂腕2は図4乃至図7に示すように係止ローラ22の最上位置に近づいた時に、電動機31および減速機32を介して回転カム機構14より回動と同時に全体が所定距離だけ昇降動作を行なう回動機構3が配置されている。
【0023】
従って、懸垂腕2が回動して係止ローラ22がトロリ線4の上方に至るとき、係止ローラ22の下端面がトロリ線4の上面よりも常に所定距離だけ上方へ移動して所定の係止位置へ移動するので、例えばトロリ線4に歪みがあって水平でない場合にも係止ローラ22がトロリ線4に衝たることなく、確実に係止させることができるものである。
【0024】
また、これらの懸垂腕2に配置された各係止ローラ22は、図8に示すように電動機17の駆動力を無端ベルトからなる駆動機構18は二つの駆動部18a、18bによって駆動するように構成され、走行装置本体1がトロリ線4に懸垂した状態で自走する。
【0025】
このとき、本実施例では走行装置本体1や搭載されるバッテリなどの重量が各係止ローラ22に加わることになり、各係止ローラ22とトロリ線4との摩擦が増えるので各係止ローラ22が空転することなく確実に走行する。
【0026】
更に、走行装置本体の上板11には懸垂腕21がハンガーなどのトロリ線支持物などの障害物5に近づいたときにこれを検知する検知装置6が設置されている。
【0027】
この検知装置6は、各懸垂腕2毎に備えてもよいが、走行装置本体1の長さ方向に配置された各懸垂腕2は等間隔で配置されており、先頭に配置した検知装置6による検知信号と、走行装置本体1の上板11から突出して配置させたエンコーダ61をトロリ線4の下側部に当接させて走行速度を測定検知することにより、先頭側から各懸垂腕2を順次回動させて、各係止ローラ22のトロリ線4への解除と係止とを順次繰返し、障害物を通過させることができるため、先頭に一つ備えておけばよい。
【0028】
更に、本実施例では、走行装置本体1の先端ならびに後端に落下防止フック7,7がそれぞれ配置されている。
【0029】
これらの落下防止フック7,7は、図9ならびに図10に示すように、先端を内側に向けて屈曲させた一対のフック71,71が走行装置本体1の幅方向に配置されている。
【0030】
これらのフック71は、走行装置本体1の上板11上に突設されたトロリ線4の下面との距離を測定する検知装置8からの信号によって作動する。
【0031】
即ち、若し、懸垂腕2の先端に配置された係止ローラ22の一部または全部がトロリ線4から逸脱して走行装置本体1が、落下し始めたとき、つまり、走行装置本体1の上板11とトロリ線4の下面との距離が変化したとき、検知装置8がこれを検知して信号を送り、駒部材73,73がフック71,71を軸74を中心として瞬時に回転させて、フック71,71が閉じ、トロリ線4を包囲して落下を防止する。
【0032】
尚、本実施例は、走行装置本体1に内蔵させたバッテリ9により各種駆動装置を稼働させ、また、遠隔操作することにより更に使い勝手よく使用することができるものである。
【0033】
かかる実施例は、図4に示すように各懸垂腕2を最上位置として、各係止ローラ22を、トロリ線4の上部に載置係止させることにより走行装置本体1を懸垂させ、次いで地上からの遠隔操作信号により各係止ローラ22に駆動力を付与して走行装置本体1を所定の速度で走行させる。
【0034】
そして、走行装置本体1にトロリ線4を保守、点検する各種の検知装置を搭載しておくことにより、架設されたトロリ線4の歪みや磨耗などの状態を連続的に効率よく点検することができるものである。
【0035】
尚、トロリ線4の歪みや磨耗などの状態は走行装置本体1に備えられた各種の検知装置により検知されるが、これらの検知結果は走行装置本体1に備えられた記録装置に蓄積してもよく、また、検知結果は無線信号として地上に配置した受信機に送信してもよい。
【0036】
殊に、走行装置本体1をトロリ線4に懸垂支持させるための各懸垂腕2は、ハンガなどのような障害物5が表れても、その基端の取付部を正および逆方向に回動させることにより係止ローラ22のトロリ線4への解除と係止を繰返すことにより難無く通過することができるものである。
【0037】
また、前記係止ローラ22のトロリ線4への解除と係止を繰返す際に、懸垂腕2は回動して係止ローラ22が最上位置に近づいた時に回動と同時に、全体が所定距離だけ上昇してから下降動作を行なう構成であり、トロリ線4に歪みがあっても再係止する係止ローラ22がトロリ線4に衝って係止不可能になる心配がない。
【0038】
尚、本実施例は5組の懸垂ユニット2A,2B,2C,2Dならびに2Eが長さ方向に亘って所定の距離を隔てて配置されている構成を有している。
【0039】
従って、例えば一つの懸垂ユニットを構成するの懸垂腕2が障害物を通過するために係止ローラ22のトロリ線4への係止を解除したとしても、他の四つの懸垂ユニットによって走行装置本体1は確実にトロリ線4に懸垂された状態で走行を続けるが、懸垂腕2は少なくとも3本が長さ方向に配置されていればよい。
【0040】
また、本実施例は、走行装置本体1の幅方向において互いにわずかに全長方向へずらして対向させた二つの懸垂腕2が懸垂ユニットを形成している。
【0041】
従って、対向させた二つの懸垂腕2,2の係止ローラ22、22が、それらの内側端に膨出させた鍔24,24によりトロリ線4を挟み込むため、確実に係止して逸脱を防止しているが、二つの懸垂腕2,2を互いに対向して配置させる必要はない。
【0042】
更に、係止ローラ22は内側端に鍔24を膨出させるのは自由であり、例えば内側と外側とにそれぞれ鍔を形成してもよく(図示せず)、また、全く設けなくてもよい。
【0043】
更にまた、本実施例は各係止ローラ22を駆動可能なものとしたため確実に走行するが、少なくとも一つの係止ローラ22に駆動力が加わる構成であればよい。
【0044】
【発明の効果】
以上の構成を有する本発明によれば、各懸垂腕の先端に形成した係止ローラをトロリ線の上面に係止させて走行装置本体をトロリ線に懸垂支持させるとともに、トロリ線に載置係止されている係止ローラを駆動装置により駆動させて、走行装置を走行させることができる。
【0045】
また、ハンガーなどのような障害物に近づいたとき、これを検知して懸垂腕を外す方向へ回動させてトロリ線支持物を通過させ、通過後、再び懸垂腕を元の位置へ回動復帰させることにより連続してトロリ線に沿って走行させることができる。
【0046】
従って、トロリ線の歪みや磨耗などの検知装置を搭載することにより各種の点検をきわめて効率よく行なうことができるものである。
【0047】
殊に、本発明は懸垂腕に設けた係止ローラをトロリ線の上部に載置係止させることにより走行させるものであり、走行装置本体や走行装置本体に装着され、ある意は搭載される各種の駆動機構や検知装置、さらにはバッテリなどの荷重がすべて係止ローラに加わることになり、係止ローラが空転することなく確実に走行が行なわれる。
【0048】
また、懸垂腕を、回動して係止ローラが最上位置に近づいた時に回動と同時に、全体が所定距離だけ上昇してから下降動作を行なう構成とした場合には、懸垂腕がハンガーなどのトロリ線支持物に近づいたとき、これを検知して懸垂腕を外す方向へ回動させてトロリ線支持物を通過させ、通過後、再び懸垂腕を元の位置へ回動復帰させる際に、例えばトロリ線に歪みがあって水平でない場合にも係止ローラがトロリ線に衝たることなく、確実に係止させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置実施例を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す実施例のX−X線に沿う断面における拡大部分図である。
【図3】図1に示す実施例のY1−Y1線に沿う断面における拡大部分図である。
【図4】図1に示す実施例のZ1−Z1線に沿う断面における拡大図である。
【図5】図4の異なる状態を示す図1のZ1−Z1線に沿う断面における拡大図である。
【図6】図4の異なる状態を示す図1のZ1−Z1線に沿う断面における拡大図である。
【図7】図4の異なる状態を示す図1のZ1−Z1線に沿う断面における拡大図である。
【図8】図2のY2−Y2線に沿う断面における部分図である。
【図9】図1に示す実施例のZ2−Z2線に沿う断面における拡大図である。
【図10】図9の異なる状態を示す図1のZ2−Z2線に沿う断面における拡大図である。
【符号の説明】
1 走行装置本体
2 懸垂腕
3 回動機構
4 トロリ線
6 検出装置
12 基板
18 駆動機構
22 係止ローラ
Claims (2)
- 基板を有する走行装置本体と;
先端にトロリ線の上部に載置係合される係止ローラが配置されているとともに基端が前記走行装置本体に回動可能に取付けられている少なくとも三本の懸垂腕と;
前記懸垂腕の内の少なくとも1つの係止ローラを回転駆動させる前記走行装置本体に設けられた駆動機構と;
前記懸垂腕の前方に設置されてトロリ線の支持物を検知する前記走行装置本体に設けられた検知装置と;
前記検知装置からの信号に基づいて前記懸垂腕を回動させる前記走行装置本体に設けられた回動機構と;
を有していることを特徴とするトロリ線走行装置。 - 懸垂腕は基端を回動して係止ローラが最上位置に近づいた時に回動と同時に、全体が所定距離だけ上昇してから下降動作を行なう請求項1記載のトロリ線走行装置。
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JP28888194A JP3574875B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | トロリ線走行装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP28888194A JP3574875B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | トロリ線走行装置 |
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JPH08127269A JPH08127269A (ja) | 1996-05-21 |
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ID=17735981
Family Applications (1)
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JP28888194A Expired - Fee Related JP3574875B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | トロリ線走行装置 |
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-
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- 1994-10-28 JP JP28888194A patent/JP3574875B2/ja not_active Expired - Fee Related
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